JP4915509B2 - 伝達比可変操舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、操舵入力軸の回転量に対する転舵出力軸の回転量の伝達比を変更する伝達比可変手段を備えた伝達比可変操舵装置に関する。
近年、この種の伝達比可変操舵装置の開発は、積極的に行われるようになった。そして、例えば、下記特許文献1には、縁石などへの衝突に基づく過大はトルク負荷がギア比可変操舵装置を構成する差動歯車機構に加わることを防止できるステアリングギア比可変操舵装置が示されている。このステアリングギア比可変操舵装置においては、タイヤが縁石などに衝突して通常の操舵トルクをはるかに超えるトルクの入力があった場合には、出力シャフト側スリーブと入力シャフト側スリーブとの間に設けられたストッパ用係合部を係合させるようになっている。これにより、入力されたトルクが出力シャフトと入力シャフト間で伝達され、差動歯車機構に過大なトルクの負荷が加えられることを防止できるようになっている。
特開平4−208673号公報
ところで、上記従来のステアリングギア比可変操舵装置においては、差動歯車機構(伝達比可変アクチュエータ)に作用するトルク(外力)に対して、ロック機構としてのストッパ用係合部を出力シャフト(転舵出力軸)側スリーブと入力シャフト(操舵入力軸)側スリーブとの間に係合(ロック)するか否かを決定する基準値が予め固定値として設定される。一般に、ロック機構をロック状態とするか否かを決定する基準値を固定値として設定する場合には、運転者による通常の操舵操作に伴うトルク(操舵力)の入力に対してはロック機構がロックせず、大きなトルク(外力)の入力に対してロック機構がロックするように、基準値が設定されることが望ましい。
ここで、ロック機構がロック状態への移行を完了するまでには、同機構の作動に伴う時間が必要である。このため、例えば、基準値を差動歯車機構(伝達比可変アクチュエータ)における機械強度の許容値近傍に設定すると、ロック状態への移行が完了する前に許容値以上の大きなトルク(外力)が伝達される場合があり、差動歯車機構(伝達比可変アクチュエータ)にダメージを与える可能性がある。このため、差動歯車機構(伝達比可変アクチュエータ)を保護するために、基準値を許容値に対してより小さく設定すれば、大きな外力の入力に対して早期にロック状態への移行を完了させることができ、差動歯車機構(伝達比可変アクチュエータ)を良好に保護することができる。
しかし、基準値を許容値に対してより小さく設定すると、通常の操舵操作に伴う入力トルク(操舵力)が基準値を超える場合があり、意図しないロック状態への移行が生じて運転者が違和感を覚えるなどの問題が発生する。このように、ロック機構をロック状態へ移行させるか否かを決定するための基準値を固定値として予め設定する場合には、良好な操舵操作性と差動歯車機構(伝達比可変アクチュエータ)の良好な保護とを両立させることが難しくなる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、運転者による操舵操作性を良好に確保するとともに伝達比可変アクチュエータを外力の入力から良好に保護することが可能な伝達比可変操舵装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、操舵ハンドルの回動操作に伴って一体的に回転する操舵入力軸と、転舵輪を転舵する転舵機構に接続される転舵出力軸と、前記操舵入力軸側に接続された電動モータと前記転舵出力軸側に接続されて前記電動モータの回転を減速する減速機とから構成されて前記操舵入力軸の回転量に対する前記転舵出力軸の回転量の伝達比を変更して前記転舵出力軸を回転させる伝達比可変アクチュエータと、前記操舵入力軸と前記転舵出力軸との相対的な回転を制限するロック機構と、前記ロック機構の作動を制御するロック機構作動制御装置とを備えた伝達比可変操舵装置において、前記ロック機構作動制御装置を、前記伝達比可変アクチュエータに作用する外力を検出する外力検出手段と、前記検出された外力が前記ロック機構を前記操舵入力軸と前記転舵出力軸との相対的な回転を制限するロック状態に移行させるか否かを決定するロック基準値よりも大きいか否かを判定する外力判定手段と、前記操舵ハンドルの回動操作に起因して変化する操舵関連量を検出する操舵関連量検出手段と、前記検出された操舵関連量の増大に伴って前記ロック基準値を小さな値に変更する基準値変更手段と、前記操舵入力軸と前記転舵出力軸との相対的な回転を許容するアンロック状態と前記ロック状態とに前記ロック機構を切替制御する切替制御手段とで構成したことにある。
この場合、前記外力検出手段は、前記転舵輪に対して路面側から入力される外力であって、前記転舵出力軸を介して前記伝達比可変アクチュエータの減速機に伝達される外力を検出するとよい。また、前記外力判定手段は、前記外力検出手段によって検出された外力が前記ロック基準値よりも大きい状態で所定時間だけ継続しているか否かを判定するとよい。
また、前記操舵関連量検出手段は、例えば、前記操舵入力軸の回転量、前記転舵出力軸の回転量および前記伝達比可変アクチュエータの電動モータの回転量のうちの少なくとも一つを前記操舵関連量として検出するとよい。また、前記操舵関連量検出手段は、例えば、前記操舵入力軸の回転角速度、前記転舵出力軸の回転角速度および前記伝達比可変アクチュエータの電動モータの回転角速度のうちの少なくとも一つを前記操舵関連量として検出するとよい。また、前記操舵関連量検出手段は、例えば、前記伝達比可変アクチュエータの電動モータに流れる電流値および電圧値のうちの少なくとも一つを前記操舵関連量として検出するとよい。さらに、前記操舵関連量検出手段は、例えば、前記外力検出手段によって検出された外力の変化率、前記伝達比可変アクチュエータの電動モータに流れる電流値の変化率および電圧値の変化率のうちの少なくとも一つを前記操舵関連量として検出するとよい。
これらによれば、ロック機構作動制御装置は、検出された外力、より詳しくは、転舵輪に対して路面側から入力され伝達比可変アクチュエータを構成する減速機に伝達される外力が所定時間だけ継続してロック基準値よりも大きければ、ロック機構をアンロック状態からロック状態に切替制御することができる。このとき、ロック機構作動制御装置は、検出された操舵関連量が増大するのに伴ってロック基準値を小さな値に変更することができる。
ここで、操舵関連量としては、運転者による操舵ハンドルの回動操作に起因して変化する物理量であって、操舵入力軸の回転量および回転角速度、転舵出力軸の回転量および回転角速度、伝達比可変アクチュエータを構成する電動モータの回転量および回転角速度を採用することができる。さらに、操舵関連量としては、運転者による操舵ハンドルの回動操作に起因して変化する物理量であって、検出された外力の変化率、電動モータに流れる電流値および電流値の変化率、電動モータに流れる電圧値および電圧値の変化率を採用することができる。
これにより、ロック機構制御装置は、転舵輪に対して路面から入力される外力がロック基準値以下であれば、ロック機構をアンロック状態とすることができる。したがって、運転者が通常の操舵操作している状態においては、伝達比可変アクチュエータの作動が許容されることによって伝達比が適切に変更され、運転者は良好な操舵操作性を得ることができる。
具体的には、例えば、車両が高速で走行しているときには、伝達比可変アクチュエータの伝達比が小さな伝達比に変更され、これにより、操舵ハンドルの回動操作に対する車両の挙動を安定化させることができて良好な操舵操作性を得ることができる。また、例えば、車両が低速で走行しているときには、伝達比可変アクチュエータの伝達比が大きな伝達比に変更され、これにより、操舵ハンドルの回動操作量を小さくして車両を大きく旋回させることができて良好な操舵操作性を得ることができる。
そして、通常の操舵操作においてはロック機構がアンロック状態とされることから、例えば、運転者が障害物との衝突を回避するための緊急回避操舵を行った場合であっても、伝達比可変アクチュエータを作動させて適切に転舵輪を転舵させることができる。したがって、運転者による緊急回避操舵を良好に補助することができる。
一方、ロック機構制御装置は、例えば、転舵輪が路面(道路)に設置された縁石に接触して転舵輪に対して大きな外力が入力し、この入力された外力がロック基準値よりも大きければ、ロック機構をロック状態とすることができる。ここで、大きな外力が入力されることによって操舵関連量は大きな関連量に変化するため、ロック基準値は小さな値に変更される。したがって、大きな外力が入力した場合には、ロック機構制御装置は、ロック機構を早期にロック状態に切替制御することができるため、操舵入力軸と転舵出力軸との間の相対的な回転を禁止できる。これにより、伝達比可変アクチュエータを良好に保護することができる。
また、操舵関連量として、上述した操舵入力軸、転舵出力軸および電動モータの各物理量を採用することによって、転舵輪に対して大きな外力が入力したことを正確にかつ容易に検出することができる。したがって、これら物理量に基づいてロック基準値を変更することによって、より確実に伝達比可変アクチュエータを保護することができる。なお、伝達比可変アクチュエータの保護には、減速機を構成するギア構造の保護、過大な負荷に対する電動モータの保護が含まれる。
さらに、操舵関連量が大きな関連量となったときにロック基準値を小さな値に変更する、言い換えれば、通常の操舵操作で操舵関連量が小さい関連量であるときにロック基準値が大きな値に変更(維持)されることによって、通常の操舵操作における不必要なロック状態への切替制御が防止される。したがって、ロック状態とアンロック状態との切替制御に伴って、運転者が知覚する違和感をなくすこともできる。
以下、本発明の実施形態に係る車両に搭載された伝達比可変操舵装置(以下、単に操舵装置という)について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る操舵装置を概略的に示している。
この操舵装置は、転舵輪としての左右前輪FW1,FW2を転舵するために、運転者によって回動操作される操舵ハンドル11を備えている。操舵ハンドル11は、操舵入力軸12の上端に固定されており、操舵入力軸12の下端は、伝達比可変アクチュエータとしての可変ギア比アクチュエータ20に接続されている。
可変ギア比アクチュエータ20は、操舵入力軸12の回転量(または回転角)に対して、接続された転舵出力軸13の回転量(または回転角)を適宜変更するものである。このため、可変ギア比アクチュエータ20は、電動モータ21(以下、この電動モータをVGRSモータ21という)と、同モータ21の回転を許容(アンロック)または規制(ロック)するロック機構22と、減速機23とを備えている。
VGRSモータ21は、モータハウジング21aが操舵入力軸12と一体的に接続されており、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に従って一体的に回転するようになっている。そして、VGRSモータ21の駆動シャフト21bの基端側はロック機構22に接続されており、また、駆動シャフト21bの先端側は減速機23に接続されてVGRSモータ21の回転力が減速機23に伝達されるようになっている。なお、本実施形態においては、VGRSモータ21のモータハウジング21aを操舵入力軸12に対して一体的に(直接的に)接続して実施するが、例えば、操舵入力軸12に一体的に接続されたケーシング部材にVGRSモータ21を固定的に収容して実施することも可能である。
ロック機構22は、図2に示すように、駆動シャフト21bの外周に固定されたロックホルダ22aと、ロックホルダ22aに対して接近または離間するロックレバー22bとを備えている。ロックホルダ22aは、駆動シャフト21bと一体的に回転する円盤状の部材であり、その外周に複数の溝部22a1が形成されている。ロックレバー22bは、その先端部分にロックホルダ22aに形成された溝部22a1と係合する係合部22b1が形成されている。
また、ロックレバー22bは、その略中央部分にて、モータハウジング21aの軸線方向と平行に配置され同ハウジング21aに対して一端部側が一体的に固定されたロックピン22cの他端部側に回転摺動可能に組み付けられている。さらに、ロックレバー22bは、その基端部分にて、ソレノイド22dに接続されている。ソレノイド22dは、後述する作動制御に基づいて、通電状態により収縮動作する。
そして、ロック機構22は、ソレノイド22dへの通電が遮断された状態において、ロックレバー22bが図示省略のバネの付勢力によってロックピン22cの軸線周りに回転し、係合部22b1がロックホルダ22aの溝部22a1に対して係合する。なお、以下の説明において、この係合状態をロック状態という。一方、ロック機構22は、ソレノイド22dに通電された状態において、ロックレバー22bがソレノイド22dの収縮動作によってロックピン22cの軸線周りに回転し、係合部22b1がロックホルダ22aの溝部22a1から離間する。なお、以下の説明において、この離間状態をアンロック状態という。
減速機23は、所定のギア機構(例えば、ハーモニックドライブ(登録商標)機構または遊星ギア機構など)によって構成されており、転舵出力軸13はこのギア機構に接続されている。これにより、減速機23は、VGRSモータ21の回転力が駆動シャフト21bを介して伝達されると、所定のギア機構によって駆動シャフト21bの回転を適宜減速して転舵出力軸13に回転を伝達することができる。したがって、可変ギア比アクチュエータ20は、VGRSモータ21の駆動シャフト21bを介して、操舵入力軸12と転舵出力軸13とを相対回転可能に連結しており、減速機23によって操舵入力軸12の回転量(または回転角)に対する転舵出力軸13の回転量(または回転角)の比、すなわち、操舵入力軸12から転舵出力軸13への回転の伝達比(ギア比)を適宜変更することができる。
また、操舵装置は、転舵出力軸13の下端に接続された転舵ギアユニット30を備えている。転舵ギアユニット30は、例えば、ラックアンドピニオン式を採用したギアユニットであり、転舵出力軸13の下端に一体的に組み付けられたピニオンギア31の回転がラックバー32に伝達されるようになっている。また、転舵ギアユニット30には、運転者によって操舵ハンドル11に入力される操舵力(操舵トルク)を軽減するための、操作力軽減アクチュエータとしての電動モータ33(以下、この電動モータをEPSモータ33という)が設けられており、EPSモータ33の発生するトルク(アシスト力)がラックバー32に伝達されるようになっている。
この構成により、転舵出力軸13の回転力がピニオンギア31を介してラックバー32に伝達されるとともに、EPSモータ33のアシスト力がラックバー32に伝達される。これにより、ラックバー32は、ピニオンギア31からの回転力およびEPSモータ33のアシスト力によって軸線方向に変位する。したがって、ラックバー32の両端に接続された左右前輪FW1,FW2は、左右に転舵されるようになっている。
さらに、操舵装置は、車速センサ41と、操舵関連量検出手段としての操舵角センサ42、回転角センサ43および転舵角センサ44と、外力検出手段としてのトルクセンサ45を備えている。車速センサ41は、車両の車速Vを検出して出力する。操舵角センサ42は、操舵ハンドル11の回転量すなわち操舵入力軸12の回転量を検出して回転角θa(操舵ハンドル11の操舵角に対応)として出力する。回転角センサ43は、VGRSモータ21の駆動シャフト21bの回転量を検出して回転角θbとして出力する。転舵角センサ44は、転舵出力軸13の回転量を検出して回転角θc(左右前輪FW1,FW2の実転舵角に対応)として出力する。なお、回転角θa、回転角θbおよび回転角θcは、中立位置を「0」とし、左方向の回転を正の値で表すとともに、右方向の回転を負の値で表す。トルクセンサ45は、転舵出力軸13に発生する捩れを検出して同発生した捩れに対応するトルクTmを出力する。
次に、上述した可変ギア比アクチュエータ20(詳しくは、VGRSモータ21とソレノイド22d)および転舵ギアユニット30(詳しくは、EPSモータ33)の作動を制御する電気制御装置50について説明する。
電気制御装置50は、可変ギア比アクチュエータ20のVGRSモータ21およびロック機構22のソレノイド22dの作動を制御する電子制御ユニット51(以下、この電子制御ユニットをVGRSECU51という)と、転舵ギアユニット30のEPSモータ33の作動を制御する電子制御ユニット52(以下、この電子制御ユニットをEPSECU52という)とを備えている。これらVGRSECU51およびEPSECU52は、CPU、ROM、RAM、タイマなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするものである。そして、VGRSECU51およびEPSECU52は、例えば、車両内に構築された通信回線Aを介して、互いに通信可能とされている。
また、VGRSECU51の入力側には、車速センサ41、操舵角センサ42、回転角センサ43、転舵角センサ44およびトルクセンサ45が接続されており、EPSECU52の入力側には、操舵角センサ42およびトルクセンサ45が接続されている。これにより、VGRSECU51およびEPSECU52は、これら接続された各センサによる各検出値を用いて各種プログラムを実行し、VGRSモータ21、ソレノイド22dおよびEPSモータ33の作動をそれぞれ制御する。このため、VGRSECU51の出力側には、VGRSモータ21およびソレノイド22dを駆動させるための駆動回路53,54が接続され、EPSECU52の出力側には、EPSモータ33を駆動させるための駆動回路55が接続されている。
次に、上記のように構成した操舵装置の作動について説明する。図示しないイグニッションスイッチがオン状態とされると、VGRSECU51は、可変ギア比アクチュエータ20のVGRSモータ21を駆動させて伝達比Gを連続的に変更する伝達比可変制御を開始する。また、EPSECU52は、転舵ギアユニット30のEPSモータ33を駆動させて運転者による操舵ハンドル11の操作力を軽減するトルクアシスト制御を開始する。以下、VGRSECU51による伝達比可変制御とEPSECU52によるトルクアシスト制御を簡単に説明しておく。
まず、伝達比可変制御から説明すると、VGRSECU51は、車速センサ41から現在の車速Vを入力するとともに、例えば、図3に示すようなテーブルを参照して、検出された車速Vに応じた伝達比Gを決定する。なお、伝達比Gは、車速Vの増大に伴って非線形的にかつ連続的に小さくなる特性を有している。そして、伝達比Gが決定された状態において、運転者が操舵ハンドル11の回動操作を開始すると、操舵入力軸12、可変ギア比アクチュエータ20および転舵出力軸13も回転を開始する。この運転者による操舵ハンドル11の回動操作に伴い、VGRSECU51は、操舵角センサ42によって検出された操舵入力軸12の回転角θaを入力し、同入力した回転角θaと決定した伝達比Gとを乗算することによって、操舵入力軸12の回転角θa(すなわち操舵ハンドル11の操舵角)に対する転舵出力軸13の目標回転角θch(すなわち左右前輪FW1,FW2の目標転舵角)を計算する。
次に、VGRSECU51は、計算した転舵出力軸13の目標回転角θchを実現するために必要なVGRSモータ21の作動量すなわち駆動シャフト21bの目標回転角θbhを計算する。具体的に説明すると、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に伴って、操舵入力軸12と一体的に接続されたVGRSモータ21のモータハウジング21aが回転する。このとき、VGRSECU51は、モータハウジング21aの回転に応じて転舵出力軸13を回転させるため、駆動回路53を制御してVGRSモータ21を駆動させる。このVGRSモータ21の駆動制御において、VGRSECU51は、操舵入力軸12の回転角θaに対して、転舵出力軸13が目標回転角θchになるように目標回転角θbhを計算する。すなわち、VGRSECU51は、駆動シャフト21bの目標回転角θbhを下記式1に従って計算する。
θbh=θch−θa …式1
そして、VGRSECU51は、前記式1に従って目標回転角θbhを計算すると、回転角センサ43によって検出される回転角θbが目標回転角θbhとなるまでオーバーシュートさせることなく駆動回路53を制御して、VGRSモータ21の駆動シャフト21bを回転させる。これにより、転舵出力軸13は、操舵入力軸12の回転角θaに対して駆動シャフト21bの目標回転角θbh(すなわち回転角θb)分だけ加算または減算された、言い換えれば、操舵入力軸12の回転角θaに対して伝達比Gとなる目標回転角θchに回転される。したがって、転舵出力軸13に一体的に組み付けられたピニオンギア31も目標回転角θchに回転し、このピニオンギア31の回転に応じてラックバー32が軸線方向に変位することにより、左右前輪FW1,FW2は目標回転角θchに対応する目標転舵角に転舵される。
このように、左右前輪FW1,FW2が目標回転角θch(すなわち回転角θc)に対応する転舵角に転舵されることによって、運転者は車速Vに応じて良好な操舵操作性(操舵フィーリング)を得ることができる。具体的には、検出車速Vが増大すると伝達比Gが小さく決定されることから、操舵入力軸12の回転方向に対して転舵出力軸13は相対的に逆方向に回転される。すなわち、この場合には、回転角θaから回転角θbを減じることによって転舵出力軸13を目標回転角θchに回転させる。このため、運転者による操舵ハンドル11の回動操作量に対して左右前輪FW1,FW2が小さく、言い換えれば、操舵ハンドル11の回動操作に対して左右前輪FW1,FW2が緩やかに転舵されるようになる。これにより、運転者は容易に操舵ハンドル11を操作することができるとともに、高速走行時における車両の挙動を安定させることができる。
一方、検出車速Vが減少すると伝達比Gが大きく設定されることから、操舵入力軸12の回転方向にて転舵出力軸13は相対的に多く回転される。すなわち、この場合には、回転角θaに回転角θbを加えることによって転舵出力軸13を目標回転角θchに回転させる。このため、運転者の操舵ハンドル11の回動操作量に対して左右前輪FW1,FW2が大きく、言い換えれば、操舵ハンドル11の回動操作に対して左右前輪FW1,FW2が速やかに転舵される。これにより、例えば、車庫入れなどにおいては、運転者による操舵ハンドル11の回動操作量を少なくすることができて、運転者の操作負担を軽減することができる。
次に、トルクアシスト制御を説明する。EPSECU52は、運転者によって操舵ハンドル11の回動操作量とトルク(すなわち操舵トルク)の大きさに応じて、回動操作に必要な操舵トルクを軽減すべくEPSモータ33を駆動させて、ラックバー32にアシスト力を伝達する。すなわち、EPSECU52は、操舵角センサ42から回転角θaを入力するとともにトルクセンサ45からトルクTmを入力し、これら入力した回転角θaおよびトルクTmの大きさに応じてEPSモータ33を駆動させるための制御量を設定する。そして、EPSECU52は、設定した制御量に基づいて、オーバーシュートさせることなく駆動回路55を制御して、EPSモータ33を駆動させる。これにより、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に伴う操舵トルクが軽減され、運転者の肉体的な負担を軽減することができる。
このように、可変ギア比アクチュエータ20を採用した操舵装置においては、操舵ハンドル11に接続される操舵入力軸12と左右前輪FW1,FW2に接続される転舵出力軸13とが可変ギア比アクチュエータ20によって相対回転可能に連結される。これにより、VGRSECU51は、VGRSモータ21を駆動させ、転舵出力軸13を操舵入力軸12に対して相対的に回転させて、転舵出力軸13を回転角θcまで回転させることができる。
ところで、操舵入力軸12と転舵出力軸13との相対回転を可能にして連結する可変ギア比アクチュエータ20には、車両の走行に伴って大きな外力が入力される場合がある。すなわち、車両が走行しているときに、例えば、左右前輪FW1,FW2が道路(路面上)に設置された縁石と接触した場合には、接触に伴う大きな外力(以下、この外力を衝撃トルクという)が左右前輪FW1,FW2に入力される。また、車両が走行しているときには、例えば、路面の凹凸や路面の摩擦係数の大きさなど路面状態に起因する外力(以下、この外力を路面反力トルクという)が左右前輪FW1,FW2に入力される。
そして、左右前輪FW1,FW2に対して入力される大きな衝撃トルクや路面反力トルクは、転舵出力軸13を介して可変ギア比アクチュエータ20に入力される。ここで、可変ギア比アクチュエータ20に大きな衝撃トルクが入力される状況において、VGRSモータ21の駆動を継続した場合には、減速機23に対して大きな衝撃トルクとモータ駆動力とが入力するため、減速機23に大きなダメージを与える可能性がある。また、可変ギア比アクチュエータ20に路面反力が入力される状況において、例えば、運転者が操舵ハンドル11を素早く回動操作した場合には、この回動操作に追従するためにVGRSモータ21が駆動するものの追従できず、路面反力によってVGRSモータ21が逆転する可能性がある。
このため、VGRSECU51は、減速機23に大きな外力が作用する状況やVGRSモータ21が逆転する状況において、VGRSモータ21の駆動を機械的に停止させて可変ギア比アクチュエータ20を保護するためにロック機構22を作動させる。具体的には、VGRSECU51は、図4に示すロック機構作動制御プログラムを繰り返し実行して、ロック機構22を適切に作動させる。以下、このロック機構作動制御プログラムについて詳細に説明する。
このロック機構作動制御プログラムは、図示しないイグニッションスイッチがオン状態とされると、VGRSECU51がステップS10にてその実行を開始する。そして、VGRSECU51は、ステップS11にて、センサによって検出された各検出値を入力する。ここで、本実施形態においては、VGRSECU51は、操舵角センサ42によって検出された操舵入力軸12の回転角θa、回転角センサ43によって検出された駆動シャフト21bの回転角θbおよび転舵角センサ43によって検出された転舵出力軸13の回転角θcを入力する。このように、各センサから検出値を入力すると、VGRSECU51はステップS12に進む。
ステップS12においては、VGRSECU51は、後述するように、ロック機構22をロック状態へ移行させるまでのロック状態移行判定時間を計測するタイマJ1をクリアする。そして、VGRSECU51はステップS13に進む。
ステップS13においては、VGRSECU51は、前回までのロック機構作動制御プログラムの実行によって、ロック機構22がアンロック状態になっているか否かを判定する。すなわち、VGRSECU51は、ソレノイド22dの作動状態に基づき、ロック機構22が既にアンロック状態となっていれば「Yes」と判定する。そして、VGRSECU51は、ステップS14以降の各ステップの処理すなわちロック制御処理を実行する。
一方、後述するステップS27にて、例えば、ロック機構22をアンロック制御したにもかかわらず何らかの理由で未だロック機構22がロック状態を維持している場合には、VGRSECU51は「No」と判定する。そして、VGRSECU51は、ステップS21以降の各ステップの処理すなわちアンロック制御処理を実行する。
ステップS14においては、VGRSECU51は、トルクセンサ45によるトルクTmを検出状態が良好であるか、言い換えれば、トルクセンサ45によって検出されたトルクTmは有効な値であるか否かを判定する。すなわち、トルクセンサ45から供給された検出トルクTmを表す信号が所定範囲内で推移している場合には、トルクセンサ45の検出状態が良好であり、検出トルクTmは有効な値である。このため、VGRSECU51は、トルクセンサ45の検出状態が良好であれば、「Yes」と判定してステップS15に進む。ステップS15においては、VGRSECU51は、トルクセンサ45によって検出された有効なトルクTmを入力し、ステップS16に進む。
一方、トルクセンサ45から供給された検出トルクTmを表す信号が、例えば、ノイズなどの影響を受けて所定範囲外で推移している場合には、トルクセンサ45の検出状態が不良であり、検出トルクTmは有効な値ではない。このため、VGRSECU51は、トルクセンサ45の検出状態が不良であれば、ステップS14にて「No」と判定する。そして、VGRSECU51は、トルクセンサ45の検出状態が良好となるまでステップS14にて「No」と判定し続け、ステップS11〜ステップS13の各ステップの処理を繰り返し実行する。
ステップS16においては、VGRSECU51は、検出されたトルクTmの絶対値が、ロック機構22をロック状態に移行させることを判定するための基準トルク値Tth1(以下、この基準トルク値をロック基準トルク値Tth1という)よりも大きいか否かを判定する。以下、この判定処理を詳細に説明する。
上述したように、左右前輪FW1,FW2を介して大きな外力が入力された場合には、可変ギア比アクチュエータ20を外力から保護する必要がある。特に、左右前輪FW1,FW2が縁石などに接触したときに入力される衝撃トルクは、伝達比可変アクチュエータ20(特に減速機23)の良好な作動を確保するために設定された機械的強度の許容トルク値以上となる場合がある。したがって、衝撃トルクが入力した場合には、減速機23が受けるダメージがより大きくなる。
このため、機械的強度の許容トルク値よりも小さなロック基準トルク値Tth1を設定することによって、大きな外力が入力されたときには、早急にVGRSモータ21の回転をロック状態にして転舵出力軸13と操舵入力軸12との相対的な回転を禁止し、入力された外力が操舵入力軸12を介して操舵ハンドル11に伝達されるようにする必要がある。なお、このように、大きな外力を操舵ハンドル11に伝達することにより、運転者は、操舵ハンドル11を介して、例えば、左右前輪FW1,FW2が縁石などに接触したことを知覚することができる。
しかしながら、ロック機構22は、上述したように、ロックホルダ22aの外周に形成された溝部22a1に対してロックレバー22bの係合部22b1が係合することによってVGRSモータ21がロック状態となる。このため、完全にVGRSモータ21をロック状態に移行させるためには、ロックレバー22bの係合部22b1がロックホルダ22aの外周上に沿って移動して溝部22a1に係合するまでの時間(以下、空走時間という)が必要となる。この空走時間が存在することにより、ロック基準トルク値Tth1の設定によっては、衝撃トルクの最大値(ピーク)が許容トルク値を超える前にVGRSモータ21をロックできない場合が生じる。このことを、図5を用いて具体的に説明する。
図5は、転舵出力軸13(減速機23)に入力される衝撃トルクの時間変化(衝撃トルク波形)を実線により概略的に示している。そして、図5に示すように、衝撃トルクは、時間経過とともに大きな値まで変化して、機械的強度の許容トルク値を超える場合がある。この場合、図5にて一点鎖線で示すように、許容トルク値よりも小さく設定されたロック基準トルク値S1を採用してロック機構22のロック状態への移行を判定すると、衝撃トルクが許容トルク値を超えた後にロック状態に移行するようになる。
すなわち、図5に示すように、衝撃トルクが入力してロック基準トルク値S1を超えた時点aにおいてVGRSECU51がソレノイド22dへの通電を遮断すると、ロックレバー22bの係合部22b1は、a−Aで示される空走時間を経過した後、ロックホルダ22aの溝部22a1と係合し、VGRSモータ21はロック状態となる。このように、許容トルク値に近いロック基準トルク値S1を設定すると、VGRSモータ21のロック状態への移行が遅れる。その結果、ロック状態への移行が完了する前に、許容トルク値を超える衝撃トルクが減速機23に入力する場合がある。
これに対して、図5にて二点鎖線で示すように、ロック基準トルク値S1よりも小さく設定されたロック基準トルク値S2を採用してロック機構22のロック状態への移行を判定すると、衝撃トルクが許容トルク値を超える前にロック状態に移行させることができる。すなわち、図5に示すように、衝撃トルクが入力してロック基準トルク値S2を超えた時点bにおいてVGRSECU51がソレノイド22dへの通電を遮断すると、ロックレバー22bの係合部22b1は、b−Bで示される空走時間を経過した後、ロックホルダ22aの溝部22a1と係合する。したがって、許容トルク値に対してより小さいロック基準トルク値S2を設定すれば、VGRSモータ21のロック状態への移行が早期に完了し、許容トルク値を超える衝撃トルクが減速機23に入力されることを防止できる。
しかし、このように、許容トルク値に対してより小さいロック基準トルク値S2を採用すると、入力される路面反力に抗して通常の操舵速度で運転者が操舵ハンドル11を回動操作する状態(以下、この回動操作状態を通常操舵状態という)であっても、VGRSモータ21がロック状態に移行する場合がある。具体的に説明すると、通常操舵状態における転舵出力軸13(減速機23)に入力する通常トルクの時間変化(通常トルク波形)は、図5にて破線により概略的に示すように変化する。そして、この通常トルクの変化に対して小さいロック基準トルク値S2を採用した場合には、通常操舵状態であっても通常トルクがロック基準トルク値S2を超えるときがあり、意図しないロック状態への移行が生じる。なお、このように、VGRSモータ21がロック状態へ移行した場合には伝達比Gが適切に変更されないため、運転者は操舵ハンドル11の回動操作に対する車両の旋回状態に違和感を覚える。
このため、ロック基準トルク値Tth1を設定するにあたっては、大きな外力が入力する状況ではロック機構22を早期に作動させてVGRSモータ21をロック状態に移行させ、通常操舵状態ではロック状態への移行を防止するように設定する必要がある。このため、本実施形態においては、ロック基準トルク値Tth1を、図6に概略的に示すように、操舵入力軸12の回転角速度すなわち操舵ハンドル11の操舵角速度、転舵出力軸13の回転角速度すなわち左右前輪FW1,FW2の転舵角速度およびVGRSモータ21のシャフト21bの回転角速度(以下、この回転角速度をモータ角速度という)の各角速度のうちの少なくとも一つの角速度の大きさに応じて変更する。以下、本実施形態におけるロック基準トルク値Tth1について具体的に説明する。なお、操舵角速度、転舵角速度およびモータ角速度間における互いの関係はほぼ比例関係にあるため、これら角速度のいずれを用いた場合であってもロック基準トルク値Tth1を同様に設定することができる。
まず、操舵角速度の変化に対するロック基準トルク値Tth1の変化特性から説明する。運転者が操舵ハンドル11を大きな操舵角速度で回動操作した場合には、操舵入力軸12が大きな回転角速度で回転し、この回転が可変ギア比アクチュエータ20のVGRSモータ21に伝達される。このように、操舵ハンドル11の回動操作に伴う回転が伝達されると、上述したように、VGRSモータ21はこの伝達された回転に追従して目標回転角θbhまで駆動シャフト21bを回転駆動させる。
この場合、操舵角速度に追従するときには、VGRSモータ21の駆動によって、減速機23に大きなモータ駆動力が入力される。また、操舵角速度が大きくなるのに伴ってVGRSモータ21の負荷が大きくなり、路面反力が入力された場合にVGRSモータ21が逆転する場合もある。
したがって、大きなモータ駆動力から減速機23を保護するとともに路面反力による逆転からVGRSモータ21を保護するために、ロック基準トルク値Tth1は、図6に示すように、操舵角速度が大きな領域において小さく(例えば、図5におけるロック基準トルク値S2程度に)設定される。これにより、VGRSECU51は、VGRSモータ21が操舵ハンドル11の回動操作に追従するために大きなモータ駆動力を発生している状態においては、ロック機構22を早期にロック状態に移行させることができる。一方、操舵角速度が大きな領域外であるときには、ロック基準トルク値Tth1は大きく(例えば、図5におけるロック基準トルク値S1程度に)設定される。これにより、VGRSECU51は、通常操舵状態における意図しないロック状態への移行を防止することができる。
次に、転舵角速度およびモータ角速度の変化に対するロック基準トルク値Tth1の変化特性を説明する。左右前輪FW1,FW2が縁石などに接触して大きな衝撃トルクが入力された場合には、転舵出力軸13が大きな回転角速度すなわち転舵角速度で回転し、この入力された衝撃トルクに基づく回転(回転トルク)が可変ギア比アクチュエータ20の減速機23に伝達される。一方、VGRSモータ21は、上述したように、操舵ハンドル11の回動操作に応じて、駆動シャフト21bを介してモータ駆動力を減速機23に伝達する。
このため、減速機23においては、衝撃トルクに基づく転舵出力軸13の回転角速度すなわち転舵角速度とVGRSモータ21のモータ角速度とが大きくなるのに伴って、減速機23に対するダメージが大きくなる。なお、大きな衝撃トルクが入力された場合において、VGRSモータ21が駆動しているときには、入力された衝撃トルクに基づく回転が操舵入力軸12にも伝達される場合がある。この場合、操舵入力軸12の操舵角速度も大きくなる。
したがって、減速機23を保護するために、図6に示すように、ロック基準トルク値Tth1は、転舵角速度およびモータ角速度が大きな領域において小さく(例えば、図5におけるロック基準トルク値S2程度に)設定される。これにより、VGRSECU51は、ロック機構22を早期にロック状態に移行させることができる。一方、転舵角速度およびモータ角速度が大きな領域外であるときには、ロック基準トルク値Tth1は大きく(例えば、図5におけるロック基準トルク値S1程度に)設定される。これにより、VGRSECU51は、通常操舵状態における意図しないロック状態への移行を防止することができる。
そして、VGRSECU51は、このように設定されるロック基準トルク値Tth1を用いて、前記ステップS15にて入力したトルクTmの絶対値がロック基準トルク値Tth1よりも大きいか否かを判定する。具体的に説明すると、VGRSECU51は、まず、前記ステップS11にて入力した検出回転角θa、検出回転角θbおよび検出回転角θcを時間微分して、操舵角速度、転舵角速度およびモータ角速度を計算する。そして、VGRSECU51は、計算した操舵角速度、転舵角速度およびモータ角速度のうちの少なくとも一つを用いてロック基準トルク値Tth1を決定する。
このように決定したロック基準トルク値Tth1に対して入力したトルクTmが大きければ、VGRSECU51は「Yes」と判定してステップS17に進む。一方、入力したトルクTmの絶対値がロック基準トルク値Tth1以下であれば、VGRSECU51は「No」と判定する。そして、VGRSECU51は、ステップS11に戻り、ステップS16にて「Yes」と判定されるまで、ステップS11〜ステップS15の各ステップの処理を繰り返し実行する。
ステップS17においては、プログラムの実行周期ごとにタイマJ1を「1」ずつインクリメントする。すなわち、VGRSECU51は、前記ステップS16にて入力トルクTmがロック基準トルク値Tth1よりも大きいと判定すると、タイマJ1をインクリメントする。これにより、VGRSECU51は、入力トルクTmがロック基準トルク値Tth1よりも大きい状態が継続している時間を把握することができる。このように、タイマJ1を「1」だけインクリメントすると、VGRSECU51はステップS18に進む。
ステップS18にて、タイマJ1の値が所定の短時間に設定された所定時間t1よりも大きいか否かを判定する。このように、タイマJ1の値、言い換えれば、入力トルクTmがロック基準トルク値Tth1よりも大きい状態の継続時間と所定時間t1とを比較判定することによって、ロック状態とアンロック状態との間の移行頻度を大幅に低減することができる。すなわち、VGRSECU51は、タイマJ1の値が所定時間t1よりも大きければ、入力トルクTmがロック基準トルク値Tth1よりも大きい状態が継続しているため、「Yes」と判定してステップS19に進む。一方、タイマJ1の値が所定時間t1以下であれば、入力トルクTmがロック基準トルク値Tth1よりも大きい状態が継続していないため、「No」と判定する。そして、VGRSECU51は、ステップ12に戻り、同ステップS12〜ステップS17の各ステップの処理を実行する。
ステップS19においては、VGRSECU51は、可変ギア比アクチュエータ20のロック機構22がロック状態となるように駆動回路54を制御して、ソレノイド22dへの通電を遮断する。これにより、ロックレバー22bはバネの付勢力によってロックピン22cの軸線周りに回転し、係合部22b1とロックホルダ22aの溝部22a1とが係合してロック状態に移行する。
前記ステップS19のロック制御後、VGRSECU51は、ステップS20にて、ロック機構22のロック状態を所定時間tkだけ維持する。このように、ロック状態を所定時間tkだけ維持制御することにより、ロック状態からアンロック状態への不用意な移行を防止することができる。
ステップS21においては、VGRSECU51は、ロック機構22をアンロック状態へ移行させるまでのアンロック状態移行判定時間を計測するタイマJ2をクリアする。そして、VGRSECU51はステップS22に進む。
ステップS22においては、VGRSECU51は、ステップS14と同様に、トルクセンサ45によるトルクTmを検出状態が良好であるか、言い換えれば、トルクセンサ45によって検出されたトルクTmは有効な値であるか否かを判定する。すなわち、トルクセンサ45から供給された検出トルクTmを表す信号が所定範囲内で推移している場合には、トルクセンサ45の検出状態が良好であるため、VGRSECU51は「Yes」と判定してステップS23に進む。ステップS23においては、VGRSECU51は、トルクセンサ45によって検出された有効なトルクTmを入力してステップS24に進む。
一方、トルクセンサ45から供給された検出トルクTmを表す信号が、例えば、ノイズなどの影響を受けて所定範囲外で推移している場合には、トルクセンサ45の検出状態が不良であるため、VGRSECU51は「No」と判定する。そして、VGRSECU51は、トルクセンサ45の検出状態が良好となるまで、ステップS21のクリア処理を繰り返し実行する。
ステップS24においては、VGRSECU51は、検出されたトルクTmの絶対値が、ロック機構22をアンロック状態に移行させることを判定するための基準トルク値Tth2(以下、この基準トルク値をアンロック基準トルク値Tth2という)よりも小さいか否かを判定する。
このアンロック基準トルク値Tth2は、図6にて破線で示すように、上述したロック基準トルク値Tth1よりも所定量だけ小さく設定されるものである。そして、アンロック基準トルク値Tth2も、ロック基準トルク値Tth1と同様に、操舵角速度、転舵角速度およびモータ角速度のうちの少なくとも一つの角速度の大きさに応じて変更される。すなわち、アンロック基準トルク値Tth2は、ロック基準トルク値Tth1の変化特性に合わせて、操舵角速度、転舵角速度およびモータ角速度が大きな領域において小さく設定され、操舵角速度、転舵角速度およびモータ角速度が大きな領域外において大きく設定される。
そして、VGRSECU51は、このように設定されたアンロック基準トルク値Tth2を用いて、前記ステップS23にて入力したトルクTmの絶対値がアンロック基準トルク値Tth2よりも小さいか否かを判定する。具体的に説明すると、VGRSECU51は、まず、前記ステップS11にて入力した検出回転角θa、検出回転角θbおよび検出回転角θcを時間微分して、操舵角速度、転舵角速度およびモータ角速度を計算する。そして、VGRSECU51は、計算した操舵角速度、転舵角速度およびモータ角速度のうちの少なくとも一つを用いてアンロック基準トルク値Tth2を決定する。
このように決定したアンロック基準トルク値Tth2に対して入力したトルクTmが小さければ、VGRSECU51は「Yes」と判定してステップS25に進む。一方、入力したトルクTmの絶対値がアンロック基準トルク値Tth2以上であれば、VGRSECU51は「No」と判定する。そして、VGRSECU51は、ステップS21に戻り、ステップS24にて「Yes」と判定されるまで、ステップS21〜ステップS23の各ステップの処理を繰り返し実行する。
ステップS25においては、プログラムの実行周期ごとにタイマJ2を「1」ずつインクリメントする。すなわち、VGRSECU51は、前記ステップS24にて入力トルクTmがアンロック基準トルク値Tth2よりも小さいと判定すると、タイマJ2をインクリメントする。これにより、VGRSECU51は、入力トルクTmがアンロック基準トルク値Tth2よりも小さい状態が継続している時間を把握することができる。このように、タイマJ2を「1」だけインクリメントすると、VGRSECU51はステップS26に進む。
ステップS26にて、タイマJ2の値が所定の短時間に設定された所定時間t2よりも大きいか否かを判定する。このように、タイマJ2の値、言い換えれば、入力トルクTmがアンロック基準トルク値Tth2よりも大きい状態の継続時間と所定時間t2とを比較判定することによって、ロック状態とアンロック状態との間の移行頻度を大幅に低減することができる。すなわち、VGRSECU51は、タイマJ2の値が所定時間t2よりも大きければ、入力トルクTmがアンロック基準トルク値Tth2よりも小さい状態が継続しているため、「Yes」と判定してステップS27に進む。一方、タイマJ2の値が所定時間t2以下であれば、入力トルクTmがアンロック基準トルク値Tth2よりも小さい状態が継続していないため、「No」と判定する。そして、VGRSECU51は、ステップ22に戻り、同ステップS22〜ステップS25の各ステップの処理を実行する。
ステップS27においては、VGRSECU51は、可変ギア比アクチュエータ20のロック機構22がアンロック状態となるように駆動回路54を制御して、ソレノイド22dへの通電を開始する。これにより、ソレノイド22dがバネの付勢力に抗してロックレバー22bをロックピン22cの軸線周りに回転させ、係合部22b1とロックホルダ22aの溝部22a1とが係合を解除してアンロック状態に移行する。
このように、前記ステップS27にてロック機構22をアンロック制御すると、VGRSECU51は、ステップS28にて、本プログラムの実行を一旦終了する。そして、VGRSECU51は、所定の短時間の経過後、ふたたび、ステップS10にてロック機構作動制御プログラムの実行を開始する。
以上の説明からも理解できるように、この実施形態によれば、VGRSECU51は、トルクセンサ45によって検出された外力としてのトルクTm、より詳しくは、左右前輪FW1,FW2に対して路面側から入力され可変ギア比アクチュエータ20の減速機22に伝達される外力に起因したトルクTmとロック基準トルク値Tth1とを比較して、ロック機構22をアンロック状態からロック状態に切替制御することができる。このとき、VGRSECU51は、検出された操舵関連量としての操舵角速度、転舵角速度およびモータ角速度のうちの少なくとも一つが増大するのに伴ってロック基準トルク値Tth1を小さな値に変更することができる。
すなわち、VGRSECU51は、左右前輪FW1,FW2に対して路面から入力される外力(衝撃トルクや路面反力トルク)に起因する入力トルクTmがロック基準トルク値Tth1以下であれば、ロック機構22をアンロック状態とすることができる。これにより、通常操舵状態においては、可変ギア比アクチュエータ20の作動が許容されることによって伝達比Gが適切に変更され、運転者は良好な操舵操作性を得ることができる。
具体的に、車両が高速で走行しているときには、可変ギア比アクチュエータ20の伝達比Gが小さな伝達比に変更され、これにより、操舵ハンドル11の回動操作に対する車両の挙動を安定化させることができて良好な操舵操作性を得ることができる。また、車両が低速で走行しているときには、可変ギア比アクチュエータ20の伝達比Gが大きな伝達比に変更され、これにより、操舵ハンドル11の回動操作量を小さくして車両を大きく旋回させることができて良好な操舵操作性を得ることができる。
さらに、通常操舵状態においては可変ギア比アクチュエータ20を作動させることができる。このため、例えば、運転者が障害物との衝突を回避するための緊急回避操舵を行った場合であっても、可変ギア比アクチュエータ20を作動させて適切に左右前輪FW1,FW2を転舵させることができ、運転者による緊急回避操舵を良好に補助することができる。
一方、VGRSECU51は、例えば、左右前輪FW1,FW2が道路(路面上)に設置された縁石に接触して左右前輪FW1,FW2に対して大きな外力が入力し、この入力された外力に起因する衝撃トルクがロック基準トルク値Tth1よりも大きければ、ロック機構22をロック状態とすることができる。ここで、大きな衝撃トルクが入力されることによって操舵角速度、転舵角速度およびモータ角速度はいずれも大きな速度に変化するため、ロック基準トルク値Tth1を小さな値に変更することができる。したがって、左右前輪FW1,FW2に大きな外力が入力した場合には、VGRSECU51は、ロック機構22を早期にロック状態に切替制御することができるため、転舵出力軸13と操舵入力軸12との間の相対的な回転を禁止できる。これにより、可変ギア比アクチュエータ20を良好に保護することができる。
また、操舵関連量として、操舵角速度、転舵角速度およびモータ角速度のうちの少なくとも一つを採用することによって、左右前輪FW1,FW2に対して大きな外力が入力したことを正確にかつ容易に検出することができる。したがって、これらの角速度に基づいてロック基準トルク値Tth1を変更することによって、より確実に可変ギア比アクチュエータ20を保護することができる。
このように、操舵角速度、転舵角速度およびモータ角速度が大きな角速度となったときにロック基準トルク値Tth1を小さな値に変更する、言い換えれば、通常操舵状態で操舵角速度、転舵角速度およびモータ角速度がある程度小さいときにロック基準トルク値Tth1が大きな値に変更(維持)されることによって、通常操舵状態における不必要なロック状態への切替制御が防止される。したがって、ロック機構22に対するロック状態とアンロック状態との切替制御に伴って、運転者が知覚する違和感をなくすことができる。
また、可変ギア比アクチュエータ20を良好に保護できるため、例えば、減速機23を構成する所定のギア構造における歯飛びの発生を防止できる。また、可変ギア比アクチュエータ20を良好に保護できるため、VGRSモータ21を小型化することもできる。
また、ロック状態への移行を早期に完了できるため、ロックホルダ22aにロックレバー22bが係合するときの衝撃を小さくすることができる。これにより、ロック機構22の構成部品の寿命を長くすることができるとともに、構成部品を小型化できる。また、ロックホルダ22aとロックレバー22bとの衝撃を小さくできることにより、係合時におけるこれら部材間の打音を小さくすることができる。また、ロックホルダ22aとロックレバー22bとの衝撃を小さくできることにより、特に、ロックレバー22bの係合による変形を極めて小さくすることができるため、ロックレバー22bの周辺に配置された他の部材との干渉が発生することがない。
また、ロック状態への移行を早期に完了できることにより、VGRSモータ21の逆転を防止でき、これにより、車両の旋回状態に関して運転者が知覚する違和感を覚えにくくすることができる。さらに、ロック状態への移行を早期に完了できることにより、VGRSモータ21を無駄に作動させることがなくなり、その結果、省エネルギー効果も期待できる。
上記実施形態においては、ロック基準トルク値Tth1およびアンロック基準トルク値Tth2を、操舵角速度、転舵角速度およびモータ角速度のうちの少なくとも一つに基づいて決定するように実施した。これに対して、ロック基準トルク値Tth1およびアンロック基準トルク値Tth2を、操舵入力軸12の回転角θa(操舵ハンドル11の操舵角)、転舵出力軸13の回転角θc(左右前輪FW1,FW2の転舵角)およびVGRSモータ21の駆動シャフト21bの回転角θb(以下、モータ角という)のうちの少なくとも一つに基づいて決定するように実施することも可能である。以下、この第1変形例を説明するが、上記実施形態と同一部分に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この第1変形例においても、VGRSECU51は、上記実施形態と同様に、ロック機構作動制御プログラムを実行する。ただし、この第1変形例においては、VGRSECU51は、ステップS16にて、図7に示す変化特性に基づいて決定したロック基準トルク値Tth1と入力トルクTmの絶対値とを比較する。
この第1変形例におけるロック基準トルク値Tth1は、操舵角、転舵角およびモータ角の各角度のうちの少なくとも一つの角度の大きさに応じて変更される。以下、第1変形例におけるロック基準トルク値Tth1について具体的に説明する。なお、操舵角、転舵角およびモータ角間における互いの関係はほぼ比例関係にあるため、これら角度のいずれを用いた場合であってもロック基準トルク値Tth1を同様に設定することができる。
運転者が操舵ハンドル11を大きな操舵角まで回動操作した場合には、この回動操作に応じて、左右前輪FW1,FW2が大きな転舵角まで転舵される。すなわち、操舵ハンドル11が回動操作されると、操舵入力軸12の回転角θa、駆動シャフト21bの回転角θbおよび転舵出力軸13の回転角θcが大きくなり、その結果、左右前輪FW1,FW2が大きな転舵角まで転舵される。
この場合、運転者がさらに操舵ハンドル11を回動操作した場合には、左右前輪FW1,FW2の転舵範囲を機械的に決定する転舵位置(以下、この転舵位置をメカエンド位置という)まで左右前輪FW1,FW2が転舵する。そして、左右前輪FW1,FW2は、メカエンド位置にて強制的に転舵操舵が停止されるため、可変ギア比アクチュエータ20に対して大きな衝撃トルクが入力される可能性がある。また、駆動シャフト21bが大きな回転角θbまで回転されるため、VGRSモータ21の負荷が大きくなり、路面反力が入力された場合にVGRSモータ21が逆転する可能性もある。
したがって、この大きな衝撃トルクの入力およびVGRSモータ21の逆転から可変ギア比アクチュエータ20を保護するために、図7に示すように、ロック基準トルク値Tth1は、操舵角、転舵角およびモータ角が大きな領域において小さく(例えば、図5におけるロック基準トルク値S2程度に)設定される。これにより、VGRSECU51は、左右前輪FW1,FW2がメカエンド位置に近接した転舵状態においては、ロック機構22を早期にロック状態に移行させることができる。一方、操舵角、転舵角およびモータ角が大きな領域外であるときには、ロック基準トルク値Tth1は大きく(例えば、図5におけるロック基準トルク値S1程度に)設定される。これにより、VGRSECU51は、通常操舵状態における意図しないロック状態への移行を防止することができる。
そして、VGRSECU51は、このように設定されるロック基準トルク値Tth1を用いて、上記実施形態と同様に、前記ステップS15にて入力したトルクTmの絶対値がロック基準トルク値Tth1よりも大きいか否かを判定する。ただし、この第1変形例においては、VGRSECU51は、前記ステップS11にて入力した検出回転角θa、検出回転角θbおよび検出回転角θcのうちの少なくとも一つを用いてロック基準トルク値Tth1を決定する。
また、この第1変形例においては、VGRSECU51は、ステップS24にて、図7に示す変化特性に基づいて決定したアンロック基準トルク値Tth2と入力トルクTmの絶対値とを比較する。この第1変形例におけるアンロック基準トルク値Tth2も、図7にて破線で示すように、上述したロック基準トルク値Tth1よりも所定量だけ小さく設定されるものである。したがって、アンロック基準トルク値Tth2も、操舵角、転舵角およびモータ角のうちの少なくとも一つの角度の大きさに応じて変更される。すなわち、アンロック基準トルク値Tth2は、操舵角、転舵角およびモータ角が大きな領域において小さく設定され、操舵角、転舵角およびモータ角が大きな領域外において大きく設定される。
そして、VGRSECU51は、このように設定されたアンロック基準トルク値Tth2を用いて、上記実施形態と同様に、前記ステップS23にて入力したトルクTmの絶対値がアンロック基準トルク値Tth2よりも小さいか否かを判定する。ただし、この第1変形例においては、VGRSECU51は、前記ステップS11にて入力した検出回転角θa、検出回転角θbおよび検出回転角θcのうちの少なくとも一つを用いてアンロック基準トルク値Tth2を決定する。
以上の説明からも理解できるように、この第1変形例においては、検出回転角θa、検出回転角θbおよび検出回転角θcのうちの少なくとも一つを用いてロック基準トルク値Tth1を決定することができる。そして、検出回転角θa、検出回転角θbおよび検出回転角θcの値が大きい領域にあるときは、ロック基準トルク値Tth1を小さく決定することができる。したがって、この第1変形例においても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
上記実施形態においては、ロック基準トルク値Tth1およびアンロック基準トルク値Tth2を、操舵角速度、転舵角速度およびモータ角速度のうちの少なくとも一つに基づいて決定するように実施した。これに対して、ロック基準トルク値Tth1およびアンロック基準トルク値Tth2を、VGRSモータ21に流れる電流値(以下、モータ電流値という)および電圧値(以下、モータ電圧値という)の少なくとも一方に基づいて決定するように実施することも可能である。以下、この第2変形例を説明するが、上記実施形態と同一部分に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この第2変形例においては、図1にて破線で示すように、VGRSモータ21に流れるモータ電流値およびモータ電圧値を検出する操舵関連量検出手段としての電流,電圧検出センサ46が設けられている。電流,電圧検出センサ46は、VGRSモータ21に流れるモータ電流値Imおよびモータ電圧値Vmを検出し、VGRSECU51に出力する。
そして、この第2変形例においても、VGRSECU51は、上記実施形態と同様に、ロック機構作動制御プログラムを実行する。ただし、この第2変形例においては、VGRSECU51は、ステップS11にて、電流,電圧検出センサ46からモータ電流値Imおよびモータ電圧値Vmを入力する。
また、この第2変形例においては、VGRSECU51は、ステップS16にて、図8に示す変化特性に基づいて決定したロック基準トルク値Tth1と入力トルクTmの絶対値とを比較する。この第2変形例におけるロック基準トルク値Tth1は、モータ電流値およびモータ電圧値のうちの少なくとも一つの検出値の大きさに応じて変更される。以下、第2変形例におけるロック基準トルク値Tth1について具体的に説明する。ここで、モータ電流値およびモータ電圧値は、操舵角、転舵角およびモータ角の大きさとほぼ比例関係にある。このため、この第2変形例におけるロック基準トルク値Tth1の変化特性は、上記実施形態および第1変形例と同様の変化特性を有するように設定することができる。
運転者が操舵ハンドル11を回動操作した場合には、この回動操作に応じて、左右前輪FW1,FW2が転舵される。すなわち、操舵ハンドル11が回動操作されると、操舵入力軸12の回転角θa、駆動シャフト21bの回転角θbおよび転舵出力軸13の回転角θcが大きくなり、その結果、左右前輪FW1,FW2が転舵される。このため、VGRSモータ21に流れるモータ電流値およびモータ電圧値は、駆動シャフト21bの回転角θb(モータ角度)にほぼ比例して変化する。
この場合、運転者がさらに操舵ハンドル11を回動操作すると、左右前輪FW1,FW2の転舵操舵がメカエンド位置にて強制的に停止されるため、可変ギア比アクチュエータ20に対して大きな衝撃トルクが入力される可能性がある。また、駆動シャフト21bが大きな回転角θbまで回転されるため、VGRSモータ21の負荷が大きくなり、小さな路面反力が入力された場合であっても、VGRSモータ21が逆転する可能性もある。そして、このように、大きな衝撃トルクの入力やVGRSモータ21の負荷が大きくなる状況においては、モータ電流値およびモータ電圧値が増大する。
したがって、この大きな衝撃トルクの入力およびVGRSモータ21の逆転から可変ギア比アクチュエータ20を保護するために、図8に示すように、ロック基準トルク値Tth1は、モータ電流値およびモータ電圧値が大きな領域において小さく(例えば、図5におけるロック基準トルク値S2程度に)設定される。これにより、VGRSECU51は、左右前輪FW1,FW2がメカエンド位置に近接した転舵状態においては、ロック機構22を早期にロック状態に移行させることができる。一方、モータ電流値およびモータ電圧値が大きな領域外であるときには、ロック基準トルク値Tth1は大きく(例えば、図5におけるロック基準トルク値S1程度に)設定される。これにより、VGRSECU51は、通常操舵状態における意図しないロック状態への移行を防止することができる。
そして、VGRSECU51は、このように設定されるロック基準トルク値Tth1を用いて、上記実施形態と同様に、前記ステップS15にて入力したトルクTmの絶対値がロック基準トルク値Tth1よりも大きいか否かを判定する。ただし、この第2変形例においては、VGRSECU51は、前記ステップS11にて入力したモータ電流値Imおよびモータ電圧値Vmのうちの少なくとも一つを用いてロック基準トルク値Tth1を決定する。
また、この第2変形例においては、VGRSECU51は、ステップS24にて、図8に示す変化特性に基づいて決定したアンロック基準トルク値Tth2と入力トルクTmの絶対値とを比較する。この第2変形例におけるアンロック基準トルク値Tth2も、図8にて破線で示すように、上述したロック基準トルク値Tth1よりも所定量だけ小さく設定されるものである。したがって、アンロック基準トルク値Tth2も、モータ電流値およびモータ電圧値のうちの少なくとも一つの大きさに応じて変更される。すなわち、アンロック基準トルク値Tth2は、モータ電流値およびモータ電圧値が大きな領域において小さく設定され、モータ電流値およびモータ電圧値が大きな領域外において大きく設定される。
そして、VGRSECU51は、このように設定されたアンロック基準トルク値Tth2を用いて、上記実施形態と同様に、前記ステップS23にて入力したトルクTmの絶対値がアンロック基準トルク値Tth2よりも小さいか否かを判定する。ただし、この第2変形例においては、VGRSECU51は、前記ステップS11にて入力したモータ電流値Imおよびモータ電圧値Vmのうちの少なくとも一つを用いてアンロック基準トルク値Tth2を決定する。
以上の説明からも理解できるように、この第2変形例においては、モータ電流値およびモータ電圧値のうちの少なくとも一つを用いてロック基準トルク値Tth1を決定することができる。そして、モータ電流値およびモータ電圧値が大きい領域にあるときは、ロック基準トルク値Tth1を小さく決定することができる。したがって、この第2変形例においても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
上記実施形態においては、ロック基準トルク値Tth1およびアンロック基準トルク値Tth2を、操舵角速度、転舵角速度およびモータ角速度のうちの少なくとも一つに基づいて決定するように実施した。これに対して、ロック基準トルク値Tth1およびアンロック基準トルク値Tth2を、トルクセンサ45によって検出されたトルクTmの変化率、VGRSモータ21に流れるモータ電流値Imの変化率およびモータ電圧値Vmの変化率の少なくとも一方に基づいて決定するように実施することも可能である。以下、この第3変形例を説明するが、上記実施形態と同一部分に同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この第3変形例においては、VGRSECU51は、上記実施形態と同様に、ロック機構作動制御プログラムを実行する。ただし、この第3変形例においては、VGRSECU51は、ステップS11にて、電流,電圧検出センサ46からモータ電流値Imおよびモータ電圧値Vmを入力する。
また、この第3変形例においては、VGRSECU51は、ステップS16にて、図9に示す変化特性に基づいて決定したロック基準トルク値Tth1と入力トルクTmの絶対値とを比較する。この第3変形例におけるロック基準トルク値Tth1は、入力トルクの変化率、モータ電流値の変化率およびモータ電圧値の変化率のうちの少なくとも一つの検出値の大きさに応じて変更される。以下、第3変形例におけるロック基準トルク値Tth1について具体的に説明する。ここで、入力トルクの変化率、モータ電流値の変化率およびモータ電圧値の変化率間における互いの関係はほぼ比例関係にあるため、これら変化率のいずれを用いた場合であってもロック基準トルク値Tth1を同様に設定することができる。
左右前輪FW1,FW2が縁石などに接触して大きな衝撃トルクが入力された場合には、転舵出力軸13を介して大きな衝撃トルクが入力される。このため、衝撃トルクが入力されたときには、入力トルクの変化率、モータ電流値の変化率およびモータ電圧値の変化率が大きくなる。このため、減速機23においては、入力トルクの変化率、モータ電流値の変化率およびモータ電圧値の変化率が大きくなるのに伴って減速機23に対するダメージが大きくなる。
また、左右前輪FW1,FW2の転舵動作がメカエンド位置にて強制的に停止された場合にも、可変ギア比アクチュエータ20に対して大きな衝撃トルクが入力される可能性がある。この衝撃トルクが入力されたときにも、入力トルクの変化率、モータ電流値の変化率およびモータ電圧値の変化率が大きくなる。
したがって、このような大きな衝撃トルクの入力から可変ギア比アクチュエータ20を保護するために、図9に示すように、ロック基準トルク値Tth1は、入力トルクの変化率、モータ電流値の変化率およびモータ電圧値の変化率が大きな領域において小さく(例えば、図5におけるロック基準トルク値S2程度に)設定される。これにより、VGRSECU51は、大きな衝撃トルクが入力する状況においては、ロック機構22を早期にロック状態に移行させることができる。一方、入力トルクの変化率、モータ電流値の変化率およびモータ電圧値の変化率が大きな領域外であるときには、ロック基準トルク値Tth1は大きく(例えば、図5におけるロック基準トルク値S1程度に)設定される。これにより、VGRSECU51は、通常操舵状態における意図しないロック状態への移行を防止することができる。
そして、VGRSECU51は、このように設定されるロック基準トルク値Tth1を用いて、上記実施形態と同様に、前記ステップS15にて入力したトルクTmの絶対値がロック基準トルク値Tth1よりも大きいか否かを判定する。具体的に説明すると、VGRSECU51は、まず、前記ステップS11にて入力したモータ電流値Imおよびモータ電圧値Vmを用いて、モータ電流値の変化率およびモータ電圧値の変化率を計算する。また、VGRSECU51は、前記ステップS15にて入力したトルクTmを用いて、入力トルクの変化率を計算する。そして、VGRSECU51は、計算した入力トルクの変化率、モータ電流値の変化率およびモータ電圧値の変化率のうちの少なくとも一つを用いてロック基準トルク値Tth1を決定する。
また、この第3変形例においては、VGRSECU51は、ステップS24にて、図9に示す変化特性に基づいて決定したアンロック基準トルク値Tth2と入力トルクTmの絶対値とを比較する。この第3変形例におけるアンロック基準トルク値Tth2も、図9にて破線で示すように、上述したロック基準トルク値Tth1よりも所定量だけ小さく設定されるものである。したがって、アンロック基準トルク値Tth2も、入力トルクの変化率、モータ電流値の変化率およびモータ電圧値の変化率のうちの少なくとも一つの大きさに応じて変更される。すなわち、アンロック基準トルク値Tth2は、入力トルクの変化率、モータ電流値の変化率およびモータ電圧値の変化率が大きな領域において小さく設定され、入力トルクの変化率、モータ電流値の変化率およびモータ電圧値の変化率が大きな領域外において大きく設定される。
そして、VGRSECU51は、このように設定されたアンロック基準トルク値Tth2を用いて、上記実施形態と同様に、前記ステップS23にて入力したトルクTmの絶対値がアンロック基準トルク値Tth2よりも小さいか否かを判定する。具体的に説明すると、VGRSECU51は、まず、前記ステップS11にて入力したモータ電流値Imおよびモータ電圧値Vmを用いて、モータ電流値の変化率およびモータ電圧値の変化率を計算する。また、VGRSECU51は、前記ステップS23にて入力したトルクTmを用いて、入力トルクの変化率を計算する。そして、VGRSECU51は、計算した入力トルクの変化率、モータ電流値の変化率およびモータ電圧値の変化率のうちの少なくとも一つを用いてロック基準トルク値Tth2を決定する。
以上の説明からも理解できるように、この第3変形例においては、入力トルクの変化率、モータ電流値の変化率およびモータ電圧値の変化率のうちの少なくとも一つを用いてロック基準トルク値Tth1を決定することができる。そして、入力トルクの変化率、モータ電流値の変化率およびモータ電圧値の変化率が大きい領域にあるときは、ロック基準トルク値Tth1を小さく決定することができる。したがって、この第3変形例においても、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、本発明の実施にあたっては、上記実施形態および各変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態および各変形例においては、転舵出力軸13にトルクセンサ45を設けて実施した。しかし、操舵入力軸12にトルクセンサ45を設けて実施することも可能である。この場合においても、トルクセンサ45によって検出されたトルクTmを用いることによって、上記実施形態および各変形例と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態および各変形例においては、ロック基準トルク値Tth1およびアンロック基準トルク値Tth2を決定するにあたり、同一の物理量を用いて決定するように実施した。しかし、ロック基準トルク値Tth1を決定する物理量とアンロック基準トルク値Tth2を決定する物理量とを異ならせて実施することも可能である。このように、異なる物理量で決定したロック基準トルク値Tth1とアンロック基準トルク値Tth2とを用いることにより、例えば、車両の走行状態に応じてロック機構22をロック状態とアンロック状態とに適切に切り替えることが可能となる。
また、上記実施形態および各変形例においては、転舵出力軸13に転舵角センサ44を組み付けるように構成し、転舵出力軸13の回転角θcを直接的に検出するように実施した。しかし、ラックバー32の軸線方向変位が検出できる場合には、この軸線方向変位に対応させて転舵出力軸13の回転角θcを計算するように実施することも可能である。この場合においても、上記実施形態および各変形例と同様の効果が期待できる。
さらに、上記実施形態および各変形例においては、転舵ギアユニット30にEPSモータ33を設けてラックバー32にアシスト力を伝達するように構成して実施した。しかし、EPSモータ33の配置については、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対してアシスト力を伝達可能であれば、例えば、アシスト力を転舵出力軸13に伝達するように配置するなど、いかなる態様で配置してもよい。また、上記実施形態および各変形例においては、転舵ギアユニット30にラックアンドピニオン式を採用して実施したが、例えば、ボールねじ機構を採用して実施することもできる。
本発明の実施形態に係る車両の操舵装置の概略図である。 ロック機構の構造を説明するための図である 車速と伝達比の関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係り、図1のVGRSECUによって実行されるロック機構作動制御プログラムを示すフローチャートである。 入力される衝撃トルクおよび通常トルクの時間変化に対して、ロック基準トルク値を変更したときにおけるロック機構のロック状態完了時期を説明するための図である。 本発明の実施形態に係り、操舵角速度、転舵角速度およびモータ角速度の変化に対するロック基準トルク値およびアンロック基準トルク値の変化特性を示すグラフである。 本発明の実施形態の第1変形例に係り、操舵角、転舵角およびモータ角の変化に対するロック基準トルク値およびアンロック基準トルク値の変化特性を示すグラフである。 本発明の実施形態の第2変形例に係り、モータ電流値およびモータ電圧値の変化に対するロック基準トルク値およびアンロック基準トルク値の変化特性を示すグラフである。 本発明の実施形態の第3変形例に係り、トルク変化率、モータ電流値変化率およびモータ電圧値変化率に対するロック基準トルク値およびアンロック基準トルク値の変化特性を示すグラフである。
符号の説明
FW1,FW2…前輪、11…操舵ハンドル、12…操舵入力軸、13…転舵出力軸、20…可変ギア比アクチュエータ、21…VGRSモータ、21a…モータハウジング、21b…駆動シャフト、22…ロック機構、22a…ロックホルダ、22b…ロックレバー、22d…ソレノイド、23…減速機、30…転舵ギアユニット、31…ピニオンギア、32…ラックバー、33…EPSモータ、41…車速センサ、42…操舵角センサ、43…回転角センサ、44…転舵角センサ、45…トルクセンサ、46…電流,電圧検出センサ、51…VGRSECU、52…EPSECU、53,54,55…駆動回路

Claims (7)

  1. 操舵ハンドルの回動操作に伴って一体的に回転する操舵入力軸と、転舵輪を転舵する転舵機構に接続される転舵出力軸と、前記操舵入力軸側に接続された電動モータと前記転舵出力軸側に接続されて前記電動モータの回転を減速する減速機とから構成されて前記操舵入力軸の回転量に対する前記転舵出力軸の回転量の伝達比を変更して前記転舵出力軸を回転させる伝達比可変アクチュエータと、前記操舵入力軸と前記転舵出力軸との相対的な回転を制限するロック機構と、前記ロック機構の作動を制御するロック機構作動制御装置とを備えた伝達比可変操舵装置において、前記ロック機構作動制御装置を、
    前記伝達比可変アクチュエータに作用する外力を検出する外力検出手段と、
    前記検出された外力が前記ロック機構を前記操舵入力軸と前記転舵出力軸との相対的な回転を制限するロック状態に移行させるか否かを決定するロック基準値よりも大きいか否かを判定する外力判定手段と、
    前記操舵ハンドルの回動操作に起因して変化する操舵関連量を検出する操舵関連量検出手段と、
    前記検出された操舵関連量の増大に伴って前記ロック基準値を小さな値に変更する基準値変更手段と、
    前記操舵入力軸と前記転舵出力軸との相対的な回転を許容するアンロック状態と前記ロック状態とに前記ロック機構を切替制御する切替制御手段とで構成したことを特徴とする伝達比可変操舵装置。
  2. 請求項1に記載した伝達比可変操舵装置において、
    前記外力検出手段は、
    前記転舵輪に対して路面側から入力される外力であって、前記転舵出力軸を介して前記伝達比可変アクチュエータの減速機に伝達される外力を検出することを特徴とする伝達比可変操舵装置。
  3. 請求項1に記載した伝達比可変操舵装置において、
    前記外力判定手段は、
    前記外力検出手段によって検出された外力が前記ロック基準値よりも大きい状態で所定時間だけ継続しているか否かを判定することを特徴とする伝達比可変操舵装置。
  4. 請求項に記載した伝達比可変操舵装置において、
    前記操舵関連量検出手段は、
    前記操舵入力軸の回転量、前記転舵出力軸の回転量および前記伝達比可変アクチュエータの電動モータの回転量のうちの少なくとも一つを前記操舵関連量として検出することを特徴とする伝達比可変操舵装置。
  5. 請求項に記載した伝達比可変操舵装置において、
    前記操舵関連量検出手段は、
    前記操舵入力軸の回転角速度、前記転舵出力軸の回転角速度および前記伝達比可変アクチュエータの電動モータの回転角速度のうちの少なくとも一つを前記操舵関連量として検出することを特徴とする伝達比可変操舵装置。
  6. 請求項に記載した伝達比可変操舵装置において、
    前記操舵関連量検出手段は、
    前記伝達比可変アクチュエータの電動モータに流れる電流値および電圧値のうちの少なくとも一つを前記操舵関連量として検出することを特徴とする伝達比可変操舵装置。
  7. 請求項に記載した伝達比可変操舵装置において、
    前記操舵関連量検出手段は、
    前記外力検出手段によって検出された外力の変化率、前記伝達比可変アクチュエータの電動モータに流れる電流値の変化率および電圧値の変化率のうちの少なくとも一つを前記操舵関連量として検出することを特徴とする伝達比可変操舵装置。
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