JP4613976B2 - 車両の操舵制御装置 - Google Patents

車両の操舵制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4613976B2
JP4613976B2 JP2008099298A JP2008099298A JP4613976B2 JP 4613976 B2 JP4613976 B2 JP 4613976B2 JP 2008099298 A JP2008099298 A JP 2008099298A JP 2008099298 A JP2008099298 A JP 2008099298A JP 4613976 B2 JP4613976 B2 JP 4613976B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steering
vehicle
steering angle
output shaft
actual
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008099298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009248752A (ja
Inventor
隆博 小城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2008099298A priority Critical patent/JP4613976B2/ja
Priority to DE112009000853.4T priority patent/DE112009000853B4/de
Priority to PCT/IB2009/005190 priority patent/WO2009125271A1/en
Priority to CN200980112310.XA priority patent/CN101990508B/zh
Priority to US12/812,660 priority patent/US8666607B2/en
Publication of JP2009248752A publication Critical patent/JP2009248752A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4613976B2 publication Critical patent/JP4613976B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/001Mechanical components or aspects of steer-by-wire systems, not otherwise provided for in this maingroup
    • B62D5/003Backup systems, e.g. for manual steering
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/008Changing the transfer ratio between the steering wheel and the steering gear by variable supply of energy, e.g. by using a superposition gear

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Description

本発明は、入力軸と出力軸とを相対回転不能なロック状態に制御する機能を有する、例えばVGRS(Variable Gear Ratio Steering)等の操舵伝達比可変装置を搭載する車両における操舵制御装置の技術分野に関する。
この種の装置として、当該ロック状態の解除に関するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された車両用操舵装置(以下、「従来の技術」と称する)によれば、ロック状態を解除すべき条件が成立する場合であっても、入力軸に入力される操舵トルクの絶対値が所定時間以上継続して所定値よりも大きい場合にはロック状態を解除しないことにより、モータ及び駆動回路が高負荷となる状態を精度良く判定して適切にロック状態を解除することが可能であるとされている。
尚、操舵角の変化や操舵角速度の変化に基づいたロックオン解除条件が成立した場合に、温度が低い程長く設定される遅延時間が経過した時点でロックオン状態を解除する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−98968号公報 特開2004−58787号公報
操舵トルクをロック状態の解除に関する判断基準とすると、例えば一時的な手放し操舵がなされる等、操舵トルクが一時的に低下した場合に、未だロック状態を継続すべき負荷状態であるにもかかわらず誤ってロック状態が解除されることがある。この場合、入力軸と出力軸とは再びロック状態に制御される可能性が高く、結局は、ロック状態とロック解除状態とが繰り返されることとなり、ドライバに違和感を与え易い。即ち、従来の技術には、ロック状態の解除に関し、ドライバビリティの低下が生じかねないという技術的な問題点がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、適切なタイミングでロック状態を解除することが可能な車両の操舵制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る車両の操舵制御装置は、操舵入力の伝達に係る入力軸及び出力軸の少なくとも一方に対し前記入力軸と前記出力軸とを相対回転させる駆動力を付与可能な駆動力付与手段と、前記入力軸と前記出力軸とを相対回転不能なロック状態とすることが可能なロック手段とを備え、前記入力軸と前記出力軸との相対回転の度合いに応じて操舵伝達比を変化させることが可能に構成された車両における操舵制御装置であって、前記駆動力付与手段の負荷状態に基づいた所定のロック条件が満たされた場合に前記入力軸と前記出力軸とが前記ロック状態となるように前記ロック手段を制御する第1制御手段と、前記車両の実舵角に対応する実舵角指標値を取得する取得手段と、前記取得された実舵角指標値に応じて前記ロック状態が解除されるように前記ロック手段を制御する第2制御手段と、前記実舵角が所定のロック解除領域にあるか否かを規定する前記実舵角指標値の閾値を、車速に応じて設定する設定手段と、前記取得された実舵角指標値と前記設定された閾値とに基づいて前記実舵角が前記ロック解除領域にあるか否かを判別する判別手段とを具備し、前記第2制御手段は、前記実舵角が前記ロック解除領域にある旨が判別された場合に前記ロック状態を解除することを特徴とする。
本発明に係る「入力軸」及び「出力軸」とは、各々、例えばドライバのハンドル操作等として与えられる操舵入力の伝達に係る回転可能な軸体であって、操舵入力の伝達方向を基準とすれば、入力軸が出力軸に対し上流側(好適には、ハンドル側)に位置するが、その詳細な構成は、入出力軸相互間で相対回転が可能である限りにおいて夫々如何なる物理的又は機械的態様を有していてもよい。
尚、好適な一形態として、入力軸の回転角は、ハンドルと入力軸とが直結されているにせよ、これらの間に例えば減速手段、変速手段、差動手段或いはその他各種の動力伝達手段が介在するにせよ、操舵入力の度合いを規定する一指標値としての操舵角(例えば、ハンドルの操作角)と一義的な関係を有しており、出力軸の回転角は、操舵輪と出力軸との間に、減速手段、変速手段、差動手段、例えばラックアンドピニオン機構やボールナット機構等の各種操舵機構、或いはその他各種動力伝達手段が介在するにせよ、操舵輪の転舵の度合いを規定する一指標値としての実舵角と一義的な関係を有する。
本発明に係る「駆動力付与手段」とは、入力軸及び出力軸のうち少なくとも一方に対し、これらを相対回転させる駆動力(例えば、物理的、機械的、電気的又は磁気的な駆動力或いはそれらが適宜組み合わされた駆動力等)を直接的に又は例えば何らかの減速手段、変速手段若しくは差動手段等を介して間接的に付与可能な手段を包括する概念であって、好適な一形態としては、各種モータ又はそれに類する電動機を含む各種アクチュエータ等の形態を採る。本発明に係る車両では、係る駆動力の付与により生じる入出力軸相互間の相対回転の度合いに応じて、操舵角と実舵角との比たる操舵伝達比が、例えば二値的に、段階的に又は連続的に可変とされる。
一方、本発明に係る「ロック手段」とは、入力軸と出力軸とを相対回転不能な状態たるロック状態とする(以下、適宜「入出力軸をロックする」等と表現する)ことが可能な、物理的、機械的、機構的、電気的又は磁気的な手段或いはそれらが適宜組み合わされた手段を包括する概念であり、入力軸及び出力軸をして少なくとも係るロック状態と該ロック状態が解除されたロック解除状態(即ち、相対回転が許可され或いは可能とされ、操舵伝達比が可変とされ得る状態)とを選択的に採らしめ得る限りにおいて、その構成は何ら限定されない。
本発明に係る車両の操舵制御装置によれば、その動作時には、例えばECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第1制御手段により、所定のロック条件が満たされた場合に入力軸と出力軸とがロックされるようにロック手段が制御される。
ここで、「ロック条件」とは、駆動力付与手段の負荷状態に基づいて、入力軸と出力軸とをロックすべきものとして規定された条件であって、例えば、入出力軸を相対回転させた場合に、駆動力付与手段が、その物理的、機械的、電気的又は磁気的な動作限界(例えば、理論的、実質的又は現実的な最大トルク等)を超えた領域での、又は当該動作限界付近での動作を余儀なくされる条件、又は余儀なくされると推定される条件等を含む趣旨である。
ここで、入出力軸をロックすることによって、操舵輪を転舵させるに際し出力軸に直接的に又は間接的に加わる軸力が駆動力付与手段の動作限界を超える等といった、車両の操舵性を著しく悪化させる事態の発生は好適に防止される反面、操舵伝達比が可変であることによって奏され得る、操舵性の向上に係る各種の効果(例えば、低速域において単位操舵角に対する実舵角を相対的に大きくすることにより回頭性を向上させる、或いは高速域において単位操舵角に対する実舵角を相対的に小さくすることにより操安性を向上させる等の効果)に鑑みれば、入出力軸のロック状態は、可及的速やかに解除されるのが望ましい。
ところが、操舵伝達比が可変である期間においては、駆動力付与手段の負荷状態を特定する、又は近未来的な負荷状態を推定又は予見するといった動作が、駆動力付与手段に関連する各種の制御量(例えば、操舵トルク、駆動電圧又は駆動電流等)に基づいて比較的簡便になされ得るのに対し、一旦入出力軸がロックされた後では、ロック解除後の駆動力付与手段の負荷状態を高精度に推定することが実践上困難となるため、駆動力付与手段の保護及び最低限度の操舵性確保等の観点から、或いはロック状態とロック解除状態とが頻繁に切り替わることによる騒音及び振動の発生並びにドライバビリティの低下を防止する観点から、ロック状態の解除に際しては安全側にマージンが付与されることが多い。この際、操舵トルクに応じて当該負荷状態を推定しようとすると、一時的な手放し操舵がなされる等、出力軸に加わる軸力とは無関係に操舵トルクが小さくなった場合等に誤った判断が下され易く、上述したロック状態とロック解除状態との頻繁な切り替わりによる問題が顕在化し易い。
そこで、本発明に係る車両の操舵制御装置では、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る取得手段により、実舵角に対応する実舵角指標値が取得され、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る第2制御手段により、係る実舵角指標値に応じてロック状態が解除されるようにロック手段が制御される。ここで、「実舵角指標値」とは、例えば、実舵角、操舵角、車両の横加速度、或いはそれらから所定のアルゴリズムや算出式に従って導出される各種指標値を含む、実舵角と幾らかなり相関を有する指標値を包括する概念である。
尚、「取得」とは、検出手段や算出手段等から検出結果や算出結果を直接的に又は間接的に受け取ることの他に、算出、導出又は同定等を含む、何らかの形で特定することを包括する概念であって、取得手段は、実舵角指標値を、例えば実舵角センサから検出された実舵角の情報を受け取る、又は操舵角センサにより検出される操舵角を実舵角へ換算する等の措置によって、或いはこの種の受け取られた又は換算された実舵角に更に所定の演算処理を施すこと等によって、実舵角指標値を取得してもよい。
ここで重要となるのは、本発明に係る実舵角は、例えば予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて、車両の走行条件毎に実舵角の変化に対する軸力の変化特性を特定しておくこと等の措置を講じることにより(この種の対応関係をマップ化して然るべき記憶手段に記憶してもよいし、この種の対応関係を数値化してなる演算式に従ってその都度個別具体的に導出してもよい)、出力軸の軸力を表す指標値として代替され得る点にある。即ち、本発明に係る実舵角は、出力軸の軸力と実質的に等しく扱われ得る性質を有する。同様に、実舵角指標値もまた、操舵時に出力軸に作用する軸力を代替的に表し得る。
従って、本発明に係る車両の操舵制御装置によれば、入出力軸のロック状態を、実舵角指標値に応じて(無論、意味合いとしては結局、実舵角に応じて)解除することによって、実質的に出力軸の軸力に基づいたロック解除が可能となる。
出力軸の軸力は、駆動力付与手段の負荷状態を決定し得る要素であり、軸力の大小は、駆動力付与手段に加わる負荷の大小に対応する。従って、本発明によれば、入出力軸がロック状態にあっても、ロック解除後の駆動力付与手段の負荷状態を間接的であれ高精度に推定することが可能となり、入出力軸がロックされる期間を可及的に短縮化し得ると同時に、ロック状態とロック解除状態とが頻繁に切り替わるといった望ましくない事態を防止することができる。即ち、適切なタイミングでロック状態を解除することが可能となるのである。
ここで、本発明に係る車両の操舵制御装置においては、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る設定手段により、固定値又は可変値としての、実舵角指標値の閾値が設定される。この閾値は、実舵角が、好適な一形態として、入出力軸のロック状態を解除しても実践上差し支えない(例えば、解除後間を置かずして再び入出力軸がロックされる等の事態が生じない)領域としてのロック解除領域にあるか否かを規定する基準値であり、実舵角指標値の次元に応じて、それ以上である場合(例えば、実舵角指標値が実舵角の逆数の次元を採るような場合)又はそれ以下である場合に実舵角がロック解除領域にある旨を表すことができる。尚、「以上」及び「以下」とは、基準値の設定如何により容易に「より大きい」及び「未満」と置換され得る概念であって、基準値がいずれの領域に属するかは、設計事項であり発明の本質とは無関係である。
一方で、この設定された閾値は、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る判別手段により、取得された実舵角指標値と比較され、実舵角がロック解除領域にあるか否かの判別に供される。この際、実舵角がロック解除領域にある旨が判別された場合に、第2制御手段によりロック状態が解除される。尚、実舵角指標値が実舵角そのものであれば、閾値とは実舵角の閾値であり、総体的な傾向として実舵角の大小が軸力の大小に対応することに鑑みれば、実舵角指標値が閾値以下(未満)である場合に、実舵角がロック解除領域にあるとしてロック状態の解除が許可されてもよい。
従って、閾値と実舵角指標値との比較に基づいて、入出力軸のロック状態を解除すべきか否かの判別を比較的簡便に行うことが可能となる。
ここで特に、本発明に係る車両の操舵制御装置においては、車速に応じて実舵角指標値の閾値が設定される。出力軸の軸力は、実舵角が一定であっても車速に応じて変化する。従って、このように車速に応じて閾値が設定されることにより、入出力軸のロック状態を適切に解除することが可能となる。尚、このように実舵角が一定である場合に車速に応じて軸力が変化する点に鑑みれば、実舵角が一定又は略一定である場合等に限定すれば、少なくとも実践的態様としては、車速に応じてロック状態の解除がなされてもよい。
発明に係る車両の操舵制御装置の一の態様では、前記設定手段は、前記車速が所定の低速域にある場合に、前記車速の低下に伴って前記ロック解除領域が小さくなるように前記閾値を設定する。
例えば車速がゼロ(即ち、据え切り時)或いはそれに近い低速領域では、車速が低い程、転舵量(言い換えれば実舵角)を一定とした場合に出力軸に加わる軸力が大きくなる。従って、入出力軸のロック解除を許可し得る軸力(駆動力付与手段の負荷状態を規定し得る値である)が仮に一定であるとすれば(無論、本発明では、必ずしも一定である必要はない)、入出力軸のロック解除を許可し得る実舵角の範囲を規定するロック解除領域は、車速の低下に伴い狭くなる。
この態様によれば、例えば予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて、車速の低下に伴う軸力の増加が顕在化する領域等として設定される低速域において、車速の低下に伴いロック解除領域が小さくなるように実舵角指標値の閾値が設定されるため、入出力軸のロック状態をより適切に解除することが可能となる。
発明に係る車両の操舵制御装置の他の態様では、前記設定手段は、前記車速が所定の高速域にある場合に、前記車速の低下に伴って前記ロック解除領域が大きくなるように前記閾値を設定する。
上述した低速域とは異なり、実舵角の増加が横加速度やタイヤ横力の増加として顕在化し易い高速域(即ち、車両の挙動としては高速旋回状態に相当する)では、車速の低下に伴って、係る横加速度やタイヤ横力が減少するため、出力軸の軸力は減少する。従って、車速の低下に伴いロック解除領域を拡大することができる。
この態様によれば、例えば予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて、車速の低下に伴う軸力の減少が顕在化する領域等として設定される高速域において、車速の低下に伴いロック解除領域が大きくなるように実舵角指標値の閾値が設定されるため、入出力軸のロック状態をより適切に解除することが可能となる。また、上述した低速域の制御と合わせれば、車速に応じて精細に入出力軸のロック状態を解除することが可能となるため、実践上の利益が大となる。
発明に係る車両の操舵制御装置の他の態様では、前記車両は、前記出力軸に対しアシスト操舵力を付与可能なアシスト操舵力付与手段を更に備える。
この態様によれば、車両に、例えばEPS(Electronic controlled Power Steering:電子制御パワーステアリング)等の操舵力アシスト装置が備わり、その少なくとも一部として、例えばモータ又はそれに類する電動機を含む各種アクチュエータ等の形態を採るアシスト操舵力付与手段が備わる。この場合、出力軸が操舵輪を転舵させるべく出力する操舵力は、係るアシスト操舵力による補助を受けるため、駆動力付与手段の負荷状態に影響を与える出力軸の軸力は減少する。従って、駆動力付与手段の物理的、機械的又は電気的な体格を、それに応じて縮小することができる。
一方で、この種のアシスト操舵力付与手段の動作が、何らかの理由で制限或いは阻害された場合、元よりアシスト操舵力の付与を前提として体格の縮小が図られ得る駆動力付与手段の負荷状態は、過負荷状態となり易く、必然的に入出力軸はロックされ易くなる。従って、この場合、本発明に係る、適切なタイミングでロック状態を解除する旨の効果によってもたらされる実践上の利益が大となる。
尚、この態様では、前記アシスト操舵力付与手段は、熱負荷に応じて設定される上限値以下の範囲で設定される駆動電流に応じて前記アシスト操舵力を付与可能なモータを含み、前記設定手段は、前記上限値の低下に伴って前記ロック解除領域が小さくなるように前記閾値を設定してもよい。
この場合、モータの過熱保護等を目的として設定される上限値によって、モータの駆動電流が制限されるため、アシスト操舵力が制限される。一方、既に述べたように、操舵輪を転舵させるに際して出力軸に作用する軸力は、実舵角が大きい程大きく、必然的に、実舵角以外の走行条件が変化しなければ、駆動電流の上限値が低下する程、操舵力のアシストが可能となる実舵角の範囲が狭くなる。言い換えれば、駆動力付与手段が高負荷状態に陥りかねない実舵角の範囲が大きくなる(ロック解除領域が狭くなる)。このため、このように上限値の低下に伴ってロック解除領域が小さくなる(即ち、ロック状態が解除され難くなる)ように閾値が設定されることによって、駆動力付与手段の保護を好適に図ることが可能となる。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
以下、適宜図面を参照して本発明の車両の操舵制御装置に係る各種実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る車両10の構成について説明する。ここに、図1は、車両10の基本的な構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、車両10は、操舵輪として左右一対の前輪FL及びFRを備え、これら前輪が転舵することにより所望の方向に進行することが可能に構成されている。車両10は、ECU100、VGRSアクチュエータ200、VGRS駆動装置300、EPSモータ400及びEPS駆動装置500を備える。
ECU100は、夫々不図示のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備え、車両10の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「車両の操舵制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述するEPS制御及びVGRS制御を実行することが可能に構成されている。
尚、ECU100は、本発明に係る「第1制御手段」、「取得手段」、「第2制御手段」、「設定手段」及び「判別手段」の夫々一例として機能するように構成された一体の電子制御ユニットであり、これら各手段に係る動作は、全てECU100によって実行されるように構成されている。但し、本発明に係るこれら各手段の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、例えばこれら各手段は、複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
車両10では、ハンドル11を介してドライバより与えられる操舵入力が、ハンドル11と同軸回転可能に連結され、ハンドル11と同一方向に回転可能な軸体たるアッパーステアリングシャフト12に伝達される。アッパーステアリングシャフト12は、本発明に係る「入力軸」の一例である。アッパーステアリングシャフト12は、その下流側の端部において後述するVGRSアクチュエータ200に連結されている。
VGRSアクチュエータ200は、ハウジング201、VGRSモータ202、ロック機構203及び減速機構204を備える。
ハウジング201は、VGRSモータ202、ロック機構203及び減速機構204を収容してなるVGRSアクチュエータ200の筐体である。ハウジング201には、前述したアッパーステアリングシャフト12の下流側の端部が固定されており、ハウジング201は、アッパーステアリングシャフト12と一体に回転することが可能である。
VGRSモータ202は、回転子たるロータ202a、固定子たるステータ202b及び駆動力の出力軸たる回転軸202cを有する、本発明に係る「駆動力付与手段」の一例たるDCブラシレスモータである。ステータ202bは、ハウジング201内部に固定されており、ロータ202aは、ハウジング201内部で回転可能に保持されている。回転軸202cは、ロータ202aと同軸回転可能となるようにロータ202aに固定されており、ロータ202aと一体に回転可能に構成されると共に、その下流側の端部が減速機構204に連結されている。
減速機構204は、差動回転可能な複数の回転要素(サンギア、キャリア及びリングギア)を有する遊星歯車機構である。この複数の回転要素のうち、第1の回転要素たるサンギアは、VGRSモータ202の回転軸202cに連結されており、また、第2の回転要素たるキャリアは、ハウジング201に連結されている。そして第3の回転要素たるリングギアが、本発明に係る「出力軸」の一例たるロアステアリングシャフト15に連結されている。
このような構成を有する減速機構204では、ハンドル11の操作量に応じたアッパーステアリングシャフト12の回転速度(即ち、キャリアに連結されたハウジング201の回転速度)と、VGRSモータ202の回転速度(即ち、サンギアに連結された回転軸202cの回転速度)とにより、残余の一回転要素たるリングギアに連結されたロアステアリングシャフト15の回転速度が一義的に決定される。この際、回転要素相互間の差動作用により、VGRSモータ202の回転速度を増減制御することによって、ロアステアリングシャフト15の回転速度を増減制御することが可能となる。即ち、VGRSモータ202及び減速機構204の作用により、アッパーステアリングシャフト12とロアステアリングシャフト15とは相対回転可能に構成されている。また、減速機構204における各回転要素の構成上、VGRSモータ202の回転速度は、各回転要素相互間のギア比に応じて定まる所定の減速比に従って減速された状態でロアステアリングシャフト15に伝達される。
このように、車両10では、アッパーステアリングシャフト12とロアステアリングシャフト15とが相対回転可能であることによって、アッパーステアリングシャフト12の回転量たる操舵角δstと、ロアステアリングシャフト15の回転量に応じて一義的に定まる(後述するラックアンドピニオン機構のギア比も関係する)実舵角δrとの比たる操舵伝達比Rvgrsとが、予め定められた範囲で連続的に可変に制御される構成となっている。
尚、減速機構204は、ここに例示した遊星歯車機構のみならず、他の態様(例えば、アッパーステアリングシャフト12及びロアステアリングシャフト15に夫々歯数の異なるギアを連結し、各ギアと一部分で接する可撓性のギアを設置すると共に、係る可撓性ギアを波動発生器を介して伝達されるモータトルクにより回転させることによって、アッパーステアリングシャフト12とロアステアリングシャフト15とを相対回転させる態様等)を有していてもよいし、遊星歯車機構であれ上記と異なる物理的、機械的、又は機構的態様を有していてよい。
尚、図示は省略するが、VGRSモータ202には、例えばロータリーエンコーダ等の回転センサが付設されており、回転軸202cとハウジング201との回転位相差Δδを検出可能に構成されている。この回転センサは、ECU100と電気的に接続されており、検出された回転位相差Δδは、ECU100により一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
ロック機構203は、ロックホルダ203a、ロックバー203b及びソレノイド203cを備えた、本発明に係る「ロック手段」の一例である。
ロックホルダ203aは、VGRSモータ202のロータ202aに固定され、ロータ202aと一体回転可能な円板状の部材である。ロックホルダ203aの外周部には、周方向に沿って複数の凹部が形成されている。
ロックバー203bは、VGRSアクチュエータ200のハウジング201に設けられた固定部位に一端部が固定され、且つ当該固定部位を軸支点として回動可能に構成されてなるレバー状の係合部材である。ロックバー203bの他端部には、ロックホルダ203aの外周部に形成された凹部と嵌合可能な凸部が形成されており、ロックバー203bは、当該凸部とロックホルダ203aの外周部に形成された凹部とが嵌合するロック位置から、これらが相互に離間するロック解除位置までの範囲で回動可能に構成されている。
ソレノイド203cは、ロックバー203bを回動させるための駆動力を付与可能な電磁アクチュエータである。ソレノイド203cは、その駆動力の付与によって、ロックバー203bを先に述べたロック位置とロック解除位置との間で回動させることが可能に構成されており、ロック機構203は、その動作状態として、ロックバー203bの凸部とロックホルダ203aの凹部とが嵌合してなるロック状態と、これらが相互に離間してなるロック解除状態とを採ることが可能に構成される。尚、ソレノイド203cは、ECU100と電気的に接続されており、その駆動状態がECU100によって制御される構成となっている。
ロック機構203がロック状態にある場合、ハウジング201とロータ202aとが物理的に固定されるため、これらが連結された減速機構204の二個の回転要素の回転速度が等しくなる。このため、ロアステアリングシャフト15と連結された残余の一回転要素の回転速度も一義的に決定される。その結果、ロック機構203がロック状態にある場合、アッパーステアリングシャフト12とロアステアリングシャフト15とは相対回転不能となり、先に述べた操舵伝達比Rvgrsは一の値に固定される。反対に、ロック機構203がロック解除状態にある場合、ロータ202aの回転は、ハウジング201による制約を受けないから、アッパーステアリングシャフト12とロアステアリングシャフト15とは相対回転可能となり、操舵伝達比Rvgrsは可変となる。即ち、ロック機構203がロック状態にある場合とは、本発明に係る「入力軸と出力軸とがロック状態にある」ことと等価であり、ロック機構203がロック解除状態にある場合とは、本発明に係る「ロック状態が解除された」ことと等価である。
尚、以下の説明では、ロック機構203がロック状態及びロック解除状態にあることを適宜、「VGRSモータ202がロック状態及びロック解除状態にある」等と表現することとする。
VGRS駆動装置300は、VGRSモータ202のステータ202bに対する通電が可能に構成された、PWM回路、トランジスタ回路及びインバータ等を含む電気駆動回路である。VGRS駆動装置300は、図示せぬバッテリと電気的に接続されており、当該バッテリから供給される電力によりVGRSモータ202に駆動電圧を供給することが可能に構成されている。また、VGRS駆動装置300は、ECU100と電気的に接続されており、その動作はECU100により制御される構成となっている。
EPSモータ400は、VGRSモータ202の下流側においてロアアームシャフト15に固定された、永久磁石が付設されてなる回転子たる不図示のロータと、当該ロータを取り囲む固定子であるステータとを備える、本発明に係る「操舵力アシスト手段」の一例たるDCブラシレスモータであり、EPS駆動装置500を介した当該ステータへの通電によりEPSモータ400内に形成される回転磁界の作用によってロータが回転することにより、その回転方向にアシストトルクTm(即ち、本発明に係る「アシスト操舵力」の一例)を発生する構成となっている。
EPS駆動装置500は、EPSモータ400のステータへの通電によりEPSモータ400内部に形成される回転磁界の状態を制御することが可能に構成された、電気駆動回路である。EPS駆動装置500は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によりその動作が制御される構成となっている。尚、これ以降の説明では、EPSモータ400及びEPS駆動装置500を包括する概念として適宜「EPS」なる言葉を使用することとする。
EPSモータ400によるアシストトルクTmの付与を適宜に受けるロアステアリングシャフト15の回転は、ラックアンドピニオン機構16に伝達される。ラックアンドピニオン機構16は、ロアステアリングシャフト15の下流側端部に接続されたピニオンギア16b及び当該ピニオンギアのギア歯と噛合するギア歯が形成されたラックバー16aを含む操舵機構であり、ピニオンギア16bの回転がラックバー16aの図中左右方向の運動に変換されることにより、ラックバー16aの下流側端部に連結されたタイロッド及びナックル(符号省略)を介して操舵力が各操舵輪に伝達される構成となっている。即ち、ラックアンドピニオン機構16により、車両10では所謂ラックアンドピニオン式の操舵方式が実現されている。
尚、車両10の操舵方式は、例えばボールナット方式或いはその他の操舵機構に準じる操舵機構が採用されていてもよい。また、ラックアンドピニオン方式の操舵機構であっても、例えば構成要素の種類、形状及び当該構成要素相互間の空間的配置態様等は、少なくとも設置スペース、コスト、耐久性或いは信頼性等に基づいた実質的な制約(そのような制約が存在するとして)の範囲内において如何様にも限定されない。
尚、本発明に係る「アシスト操舵力」の付与態様は、ここに例示するものに限定されず、例えば、EPSモータ400から出力されるアシストトルクTmは、不図示の減速ギアによる回転速度の減速を伴ってロアステアリングシャフト15に伝達されてもよいし、アシストトルクTmは、ロアステアリングシャフト15の回転運動ではなくラックバー16aの往復運動をアシストする力として、或いはピニオンギア16bの回転をアシストする力として付与されてもよい。即ち、EPSモータ400から出力されるアシストトルクTmが、最終的に各操舵輪を操舵させる操舵力の少なくとも一部として供され得る限りにおいて、本発明に係るアシスト操舵力の出力態様は何ら限定されない趣旨である。
一方で、車両10には、トルクセンサ13、舵角センサ14、温度センサ17及び回転センサ18の各種センサが備わっている。
トルクセンサ13は、ドライバの操舵トルクMTを検出することが可能に構成されたセンサである。より具体的には、アッパーステアリングシャフト12は、上流部と下流部とに分割され、図示せぬトーションバーにより相互に連結された構成を有している。係るトーションバーの上流側及び下流側の両端部には、回転位相差検出用のリングが固定されている。このトーションバーは、車両10のドライバがハンドル11を操作した際にアッパーステアリングシャフト12の上流部を介して伝達される操舵トルクに応じてその回転方向に捩れる構成となっており、係る捩れを生じさせつつ下流部に操舵トルクを伝達することが可能に構成されている。従って、操舵トルクの伝達に際して、先に述べた回転位相差検出用のリング相互間には回転位相差が発生する。トルクセンサ13は、係る回転位相差を検出すると共に、係る回転位相差を操舵トルクに換算して操舵トルクMTに対応する電気信号として出力することが可能に構成されている。また、トルクセンサ13は、ECU100と電気的に接続されており、検出された操舵トルクMTは、ECU100により一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
舵角センサ14は、アッパーステアリングシャフト12の回転量を表す操舵角δstを検出することが可能に構成されたセンサである。舵角センサ14は、ECU100と電気的に接続されており、検出された操舵角δstは、ECU100により一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
温度センサ17は、EPSモータ400の温度たるモータ温度Tepsを検出することが可能に構成されたセンサである。温度センサ17は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたモータ温度Tepsは、ECU100により一定又は不定の周期で把握される構成となっている。尚、モータ温度Tepsは、本発明に係る「熱負荷」の一例である。
回転センサ18は、EPSモータ400の回転速度たるモータ回転速度ωepsを検出することが可能に構成された一種のロータリーエンコーダである。回転センサ18は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたモータ回転速度ωepsは、ECU100により一定又は不定の周期で把握される構成となっている。尚、アシストモータ207の回転速度を検出する手段は、ロータリーエンコーダに限定されず、例えばレゾルバ等であってもよい。
<実施形態の動作>
以下、適宜図面を参照し、本実施形態の動作について説明する。
始めに、図2を参照し、ECU100により実行されるEPS制御の詳細について説明する。ここに、図2は、EPS制御のフローチャートである。
図2において、ECU100は、各センサ値を取得する(ステップS101)。この際、ECU100は、操舵トルクMT、操舵角δst、モータ温度Teps及びモータ回転速度ωepsを取得する。
次に、ECU100は、所定のEPSアシスト許可条件が満たされるか否かを判別する(ステップS102)。ここで、「EPSアシスト許可条件」とは、EPSモータ400を介したアシストトルクTmの付与が許可される条件を指す。
例えば、EPS駆動装置500の電源たるバッテリのSOC(State Of Charge:充電状態)が著しく低下している等の理由により、EPSモータ400に十分な駆動電圧を供給できない場合、EPSモータ400が過熱状態にあり、熱負荷からの保護を理由としてEPSモータ400の駆動を禁止すべき場合、或いは操舵輪が縁石や障害物の抵抗を受けることによって、操舵に際しロアステアリングシャフト15に加わる軸力がEPSモータ400の最大トルクを超えた状態となる又はなり得る場合等には、EPSモータ400の駆動が禁止される(即ち、これらの場合は、EPSアシスト許可条件が満たされない場合に相当する)。
ステップS102では、EPSモータ400がこの種の特殊な状況にあるか否かが、例えば、バッテリ電圧、モータ温度Teps又は操舵トルクMT等に基づいて判別される。EPSアシスト許可条件が満たされない場合(ステップS102:NO)、ECU100は、EPSモータ400からのアシストトルクTmの付与を禁止する(ステップS104)。EPSによる操舵力のアシストが禁止されると、処理はステップS101に戻される。
一方、EPSアシスト許可条件が満たされる場合(ステップS102:YES)、ECU100は、EPSモータ400から出力すべきアシストトルクTmの目標値たる目標アシストトルクTmtgを算出する(ステップS103)。この際、目標アシストトルクTmtgは、ステップS101において取得された操舵トルクMTに応じて、操舵トルクMTの増加に伴い非線形に増加する値として設定される。また、操舵トルクMTが基準値以下となる領域は不感帯とされ、目標アシストトルクTmtgはゼロとなる。ECU100は、予めROMに、操舵トルクMTと目標アシストトルクTmtgとの関係を規定する目標アシストトルクマップを保持しており、当該目標アシストトルクマップから、その時点の操舵トルクMTに対応する一の値を選択的に取得することによって、目標アシストトルクTmtgを算出する。尚、このように、本実施形態に係る「算出」とは、予め設定された対応関係に基づいて一の値を選択的に取得することを含む概念である。
目標アシストトルクTmtgを算出すると、ECU100は、アシスト電流Iqの目標値たる目標アシスト電流Iqtgの基準値Iqtgbsを算出する(ステップS105)。目標アシスト電流基準値Iqtgbsは、目標アシストトルクTmをEPSモータ400のモータトルク定数で除する旨の数値演算処理の結果として算出される。
目標アシスト電流基準値Iqtgbsを算出すると、ECU100は、最大駆動電流Iqmaxを算出する(ステップS106)。最大駆動電流Iqmaxとは、EPSモータ400を熱負荷から保護するために設定される駆動電流Iqの制御上の最大値であり、モータ温度Tepsの高低が夫々最大駆動電流Iqmaxの小大に対応するように、モータ温度Tepsに応じて設定される。
最大駆動電流Iqmaxが算出されると、ECU100は、ステップS105で算出した目標アシスト電流基準値Iqtgbsが係る最大駆動電流Iqmax未満であるか否かを判別する(ステップS107)。目標アシスト電流基準値Iqtgbsが最大駆動電流Iqmax未満である場合(ステップS107:YES)、ECU100は、目標アシスト電流基準値Iqtgbsを目標アシスト電流Iqtgとしてモータ指示電圧Vqを算出する(ステップSS108)。一方、目標アシスト電流基準値Iqtgbsが最大駆動電流Iqmax以上である場合(ステップS107:NO)、ECU100は、最大駆動電流Iqmaxを目標アシスト電流Iqtgとしてモータ指示電圧Vqを算出する(ステップS109)。尚、いずれにせよ、モータ指示電圧Vqは、モータ回転速度ωepsに応じて生じる逆起電力の影響がキャンセルされるように決定される。
モータ指示電圧Vqが算出されると、ECU100は、係るモータ指示電圧Vqに基づいてEPSモータ400を駆動する(ステップS110)。
補足すると、ECU100は、EPS駆動装置500を制御し、算出されたモータ指示電圧Vq(EPSモータ400のq軸電圧)に対応するPWM制御電圧信号を生成させ、三相に対応するFETを備えたFET駆動回路へ供給する。尚、モータ指示電圧Vqは、三相変換処理により、u相、v相及びw相の各々に対応する三相指示電圧Vu、Vv及びVwに変換された後にPWM制御電圧信号の生成に供される。FET駆動回路では、各FETのゲート端子にPWM制御電圧信号が入力される構成となっており、このゲート端子に入力されたPWM制御電圧信号に応じて当該ステータに駆動電流たるアシスト電流Iqが供給される。EPSモータ400では、この駆動電流Iqにより回転磁界が形成され、ロータが回転することによってアシストトルクTmが出力される。EPSモータ400が駆動されると、処理はステップS101に戻され、一連の処理が繰り返される。車両10における操舵力のアシストは、以上のようにして行われる。
次に、図3を参照し、VGRSアクチュエータ200の駆動制御について説明する。ここに、図3は、ECU100により実行されるVGRS制御のフローチャートである。
図3において、ECU100は、VGRSモータ202をロックすべきか否かを判別する(ステップS201)。VGRSモータ202をロックするとは、即ち、ロック機構203をロック状態とすることを意味し、ロックバー203bの位置が上述したロック位置となるようにソレノイド203cを駆動制御することを意味する。VGRSモータ202がロックされた場合には、アッパーステアリングシャフト12とロアステアリングシャフト15とが直結され相対回転不能な状態となるため、VGRSモータ202に過剰な負荷が加わる事態が防止される。
VGRSモータ202をロックすべきか否かは、VGRSモータ202の現時点の或いは予測的な負荷状態に応じて、その都度個別具体的に判断される。例えば、図2のステップS104においてEPSによる操舵力のアシストが禁止された場合には、操舵時にロアステアリングシャフト15に加わる軸力がVGRSモータ202の最大トルクを超える可能性が高い(元々、VGRSモータ202の体格は、EPSモータ400によるアシストトルクTmの付与によりVGRSモータ202に加わる負荷が軽減される前提で決定されている)ため、VGRSモータ202はロックされてもよい。また、トルクセンサ13により検出される操舵トルクMT或いはVGRS駆動装置300の駆動状態(例えば、VGRSモータ202の駆動電圧や駆動電流)に基づいて(例えば、これらの絶対値が大きい場合等にロックすべき旨の判断が下される等の態様を伴って)VGRSモータ202をロックすべきか否かが判断されてもよい。
いずれにせよVGRSモータ202をロックすべき旨が判別された場合(ステップS202:YES)、ECU100は、ロック機構203のソレノイド203cを駆動制御して、ロックバー203bを上述したロック位置に回動させ、ロック機構203をロック状態とすることによりVGRSモータ202をロック状態に制御する(ステップS203)。VGRSモータ202がロック状態に制御されると、ロック解除処理が実行される(ステップS300)。
一方、VGRSモータ202をロックする必要がない場合(ステップS202:NO)、ECU100は、車速Vを取得し(ステップS204)、取得された車速Vに基づいて操舵伝達比Rvgrsの目標値たる目標操舵伝達比Rvgrstgを設定する(ステップS205)。目標操舵伝達比Rvgrstgの設定に際しては、公知の各種態様を適用することが可能であり、例えば、車速Vを低速域、中速域及び高速域の三領域に分割し、操舵伝達比Rvgrsが、低速域においては少ない操舵角で大きな実舵角(尚、この種の操舵伝達比は設計事項であり、ここでは定性表現に留める)が得られるように相対的に小さい固定値に設定され、中速域では車速の上昇に応じて増大する可変値に設定され、高速域では操舵輪の挙動が安定するように(即ち、操舵角に対する実舵角の感度を低下させるべく)相対的に大きい固定値に設定されてもよい。無論、目標操舵伝達比の設定態様はこれに限定されない。
目標操舵伝達比Rvgrstgが設定されると、ECU100は、設定された目標操舵伝達比Rvgrstgが実現されるようにVGRS駆動装置300を介してVGRSモータ202を駆動制御する(ステップS206)。尚、VGRSモータ202の駆動態様としては、EPSモータ400と同様に三相に対応するPWM制御が行われる。
ロック解除処理が終了するか、或いはステップS206が実行されると、処理はステップS201に戻され、一連の処理が繰り返される。本実施形態においてVGRS制御はこのように実行される。
ここで、一旦VGRSモータ202がロック状態に移行すると、ロック状態を解除した場合におけるVGRSモータ202の負荷状態を高精度に推定することが難しくなる。未だ高負荷状態が継続しているにもかかわらずロック状態を解除した場合、VGRSモータ202はロック状態とロック解除状態とを繰り返すこととなり、車両10において騒音及び振動並びにドライバビリティの低下が実践上問題となる程度に顕在化しかねない。一方で安全側の配慮からロック状態を解除しなければ、操舵伝達比が固定されたままとなり、操舵性の低下を招きかねない。そこで、本実施形態では、ロック解除処理によって、VGRSモータ202のロック状態を適切に解除することが可能となっている。
ここで、図4を参照し、ロック解除処理の詳細について説明する。ここに、図4は、ロック解除処理のフローチャートである。
図4において、ECU100は、実舵角δrを算出する(ステップS301)。ここで、実舵角δrは、本発明に係る「実舵角指標値」の一例であり、舵角センサ14により検出される操舵角δst、VGRSモータ202に付設された回転センサにより検出される回転位相差Δδ、減速機構204の減速比及びラックアンドピニオン機構16のギア比等に基づいて算出される。尚、本発明に係る「実舵角指標値」とは、実舵角と相関する値であり、必ずしも実舵角δrに限定されない。また、実舵角δrは、車両10に実舵角δrを直接検出可能な実舵角センサが備わる場合には、係る実舵角センサから直接取得されてもよい。
実舵角δrを算出すると、ECU100は、本発明に係る「閾値」の一例たるロック解除閾値δrthを算出する(ステップS302)。
ここで、ロック解除閾値δrthは、予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーション等に基づいて、VGRSモータ202のロック状態を可及的速やかに解除しつつ、ロック状態の解除後、間を置かずしてVGRSモータ202が再びロック状態に移行することのないように設定されている。より具体的には、ECU100のROMには、車速V及び最大駆動電流Iqmaxとロック解除閾値δrthとを対応付けてなる閾値マップが格納されており、ECU100は、当該閾値マップから現時点の車速V及び最大駆動電流Iqmaxに対応する一の値を選択的に取得することにより、ロック解除閾値δrthを算出する。
ロック解除閾値δrthを算出すると、ECU100は、ステップS301において算出した実舵角δrが係るロック解除閾値δrth以下であるか否かを判別する(ステップS303)。実舵角δrがロック解除閾値δrth以下である場合(ステップS303:YES)、ECU100は、ロック機構204のソレノイド204cを駆動制御し、ロックバー204bをロック解除位置まで回動させることにより、VGRSモータ202のロック状態を解除する(ステップS304)。ロック状態が解除されると、ロック解除処理は終了する。一方で、実舵角δrがロック解除閾値δrthよりも大きい場合(ステップS303:NO)、処理はステップS301に戻され、VGRSモータ202のロック状態は解除されぬまま一連の処理が繰り返される。
ここで、図5を参照し、ロック解除閾値δrthの特性について説明する。ここに、図5は、ロック解除閾値δrthの一特性を例示する模式図である。
図5において、ロック解除閾値δrthは、車速Vに対し図示PRF_δrthに表される如くに変化する。即ち、ロック解除閾値δrthは、車速VがV0未満である低速域(即ち、本発明に係る「所定の低速域」の一例)においては、車速Vが低下するのに応じて小さくなるように(即ち、ロック状態が解除され難くなることを意味し、本発明に係る「ロック解除領域が小さくなる」旨に相当する)設定され、特に車両10が停止している状態では、δrth0に設定される。一方、車速VがV1(V1>V0)以上の高速域(即ち、本発明に係る「所定の高速域」の一例)では、ロック解除閾値δrthは、車速Vが低下するのに応じて大きくなるように(即ち、ロック状態が解除され易くなることを意味し、本発明に係る「ロック解除領域が大きくなる」旨に相当する)設定される。また、車速VがV0以上V1未満となる中速域において、ロック解除閾値δrthは固定値δrth1(δrth1>δrth0)を採る。尚、本実施形態において、低速域を規定する基準値V0は、例えば15km/h近傍の値を採り、高速域を規定する基準値V1は、例えば100km/h近傍の値を採る。
ここで、このようなロック解除閾値δrthの特性について補足すると、低速域では、車速が低い程、一の実舵角δrにおいてロアステアリングシャフト15に作用する軸力が大きくなる。一方で、VGRSモータ202に許容される負荷は、車速との関係性が薄いから、低速域では相対的に、ロック解除閾値δrthの値を小さくするのが望ましいのである。また、高速域では、車速が高い程、一の実舵角δrにおいてロアステアリングシャフト15に作用する軸力が大きくなる。これは、高速域において操舵輪が転舵すると車両10に車速に応じた横加速度が生じるためであり、低速域と同様の考え方により、ロック解除閾値δrthの値を小さくするのが望ましいのである。
一方、図示PRF_δrthは、先に述べたEPSモータ400の最大駆動電流Iqmaxが任意の値を採る場合についての特性に相当する。本実施形態において、最大駆動電流Iqmaxの変化に対しては、図示矢線で示すように、Iqmaxが低下するのに伴い一車速におけるロック解除閾値δrthが小さく設定される。最大駆動電流Iqmaxは、EPSモータ400の最大アシストトルクと意味合い的に等価であり、また実舵角δは基本的にその増減が軸力の増減に対応する。従って、最大アシストトルクが低下すれば、軸力に抗し得るアシストトルクを出力可能な実舵角δrの限界値は小さくなり、EPSモータ400のアシスト可能範囲が縮小される。アシスト可能範囲が縮小されれば、VGRSモータ202が過負荷に陥る実舵角の範囲は拡大する。このため、ロック解除閾値δrthは、最大駆動電流Iqmaxの増加及び減少に対し夫々増加及び減少されるのが望ましいのである。
このように、本実施形態に係るロック解除処理では、実舵角δrを本発明に係る実舵角指標値として使用し、この実舵角δrと、操舵の際にロアステアリングシャフト15に加わる軸力を考慮してVGRSモータ202のロック状態を解除し得るように設定されたロック解除閾値δrthとの比較に基づいて、VGRSモータ202のロック状態を解除すべきか否かの判断を適切に行うことが可能となっている。従って、ロック解除状態とロック状態とが頻繁に切り替わることによる騒音及び振動の発生並びにドライバビリティの低下を防止しつつ、可及的迅速にロック状態を解除することが可能となるのである。
補足すれば、本発明に係る実舵角指標値とは、操舵時に出力軸(本実施形態では、ロアステアリングシャフト15)に作用する軸力を代替的に表し得る性質を有するものであって、上述したロック解除閾値との比較によるロック状態の解除制御は、例えば、実舵角又は操舵角がステアリングエンド付近にあるか等といった、角度概念を逸脱することのない実舵角や操舵角の大小に応じてロック状態の解除判断を行う制御とは本質的に異なるものである。
<第2実施形態>
次に、図6を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。ここに、図6は、本発明の第2実施形態に係る車両20の基本的な構成を概念的に表してなる概略構成図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図6において、車両20は、横加速度センサ19を備える点において、車両10と相異している。横加速度センサ19は、車両20に作用する横加速度Gsを検出することが可能に構成されたセンサである。横加速度センサ19は、ECU100と電気的に接続されており、検出された横加速度Gsは、ECU100により一定又は不定の周期で把握される構成となっている。
ここで、図4に例示した、第1実施形態と同様のロック解除処理が行われる場合、上述した高速域、或いは上述した高速域の一部又は上述した高速域を含む更に大きな車速領域において、実舵角δrに替えて又は加えて横加速度Gsを本発明に係る実舵角指標値の一例として使用することができる。
一般に、車両に作用する横加速度Gsは、高速域程、実舵角δr(操舵角δstであってもよい)に対する感度が高くなる(例えば、単位実舵角当たりの横加速度が大きくなる)傾向を有する。また、横加速度Gsは、操舵時にロアステアリングシャフト15に作用する軸力と相関しており、横加速度Gsが大きい程軸力は大きくなる(即ち、操舵し難くなる)。この際、実舵角δrがロック解除閾値δrth以下となり、ロック解除範囲内に収まっている旨の判断を下し得る場合であっても、横加速度Gsが、VGRSモータ202が過負荷状態に陥りかねない軸力が作用する程度に大きい場合がある。このような場合にロック状態を解除すれば、結局はロック解除後に、図3に示すVGRS制御によって再びVGRSモータ202がロック状態に制御され、ロック状態とロック解除状態とが頻繁に切り替わりかねない。
そこで、横加速度Gsに対し、予め実験的に、経験的に、理論的に又はシミュレーションに基づいて、軸力がVGRSモータ202のロック状態を解除し得る範囲に収まるように閾値を設定しておく(その都度、然るべきアルゴリズムや演算式に従って導出してもよい)ことにより、高速域に関し、第1実施形態と同様適切に、或いは第1実施形態と較べて更に適切に、ロック状態を解除し得るか否かの判断を下すことが可能となるのである。尚、この場合の高速域とは、実舵角δrに対する横加速度Gsの感度が、少なくとも実践上不足無い程度に高くなる車速領域であってよい。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両の操舵制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係る車両の基本的な構成を概念的に表してなる概略構成図である。 図1の車両においてECUにより実行されるEPS制御のフローチャートである。 図1の車両においてECUにより実行されるVGRS制御のフローチャートである。 図3のVGRS制御において適宜実行されるロック解除処理のフローチャートである。 図4のロック解除処理において参照されるロック解除閾値δrthの車速に対する一特性を例示する模式図である。 本発明の第2実施形態に係る車両の基本的な構成を概念的に表してなる概略構成図である。
符号の説明
FL、FR…車輪、10…車両、11…ハンドル、12…アッパーステアリングシャフト、13…トルクセンサ、14…舵角センサ、15…ロアステアリングシャフト、16…ラックアンドピニオン機構、17…温度センサ、18…舵角センサ、19…横加速度センサ、20…車両、100…ECU、200…VGRSアクチュエータ、201…ハウジング、202…VGRSモータ、202a…ロータ、202b…ステータ、202c…回転軸、203…ロック機構、203a…ロックホルダ、203b…ロックバー、203c…ソレノイド、204…減速機構、300…VGRS駆動装置、400…EPSモータ、500…EPS駆動装置。

Claims (5)

  1. 操舵入力の伝達に係る入力軸及び出力軸の少なくとも一方に対し前記入力軸と前記出力軸とを相対回転させる駆動力を付与可能な駆動力付与手段と、前記入力軸と前記出力軸とを相対回転不能なロック状態とすることが可能なロック手段とを備え、前記入力軸と前記出力軸との相対回転の度合いに応じて操舵伝達比を変化させることが可能に構成された車両における操舵制御装置であって、
    前記駆動力付与手段の負荷状態に基づいた所定のロック条件が満たされた場合に前記入力軸と前記出力軸とが前記ロック状態となるように前記ロック手段を制御する第1制御手段と、
    前記車両の実舵角に対応する実舵角指標値を取得する取得手段と、
    前記取得された実舵角指標値に応じて前記ロック状態が解除されるように前記ロック手段を制御する第2制御手段と
    前記実舵角が所定のロック解除領域にあるか否かを規定する前記実舵角指標値の閾値を、車速に応じて設定する設定手段と、
    前記取得された実舵角指標値と前記設定された閾値とに基づいて前記実舵角が前記ロック解除領域にあるか否かを判別する判別手段と
    を具備し、
    前記第2制御手段は、前記実舵角が前記ロック解除領域にある旨が判別された場合に前記ロック状態を解除する
    ことを特徴とする車両の操舵制御装置。
  2. 前記設定手段は、前記車速が所定の低速域にある場合に、前記車速の低下に伴って前記ロック解除領域が小さくなるように前記閾値を設定する
    ことを特徴とする請求項に記載の車両の操舵制御装置。
  3. 前記設定手段は、前記車速が所定の高速域にある場合に、前記車速の低下に伴って前記ロック解除領域が大きくなるように前記閾値を設定する
    ことを特徴とする請求項又はに記載の車両の操舵制御装置。
  4. 前記車両は、前記出力軸に対しアシスト操舵力を付与可能なアシスト操舵力付与手段を更に備える
    ことを特徴とする請求項からのいずれか一項に記載の車両の操舵制御装置。
  5. 前記アシスト操舵力付与手段は、熱負荷に応じて設定される上限値以下の範囲で設定される駆動電流に応じて前記アシスト操舵力を付与可能なモータを含み、
    前記設定手段は、前記上限値の低下に伴って前記ロック解除領域が小さくなるように前記閾値を設定する
    ことを特徴とする請求項に記載の車両の操舵制御装置。
JP2008099298A 2008-04-07 2008-04-07 車両の操舵制御装置 Expired - Fee Related JP4613976B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008099298A JP4613976B2 (ja) 2008-04-07 2008-04-07 車両の操舵制御装置
DE112009000853.4T DE112009000853B4 (de) 2008-04-07 2009-04-06 Lenksteuersystem und Lenksteuerverfahren für ein Fahrzeug
PCT/IB2009/005190 WO2009125271A1 (en) 2008-04-07 2009-04-06 Vehicular steering control system and steering control method
CN200980112310.XA CN101990508B (zh) 2008-04-07 2009-04-06 车辆转向控制系统和转向控制方法
US12/812,660 US8666607B2 (en) 2008-04-07 2009-04-06 Vehicular steering control system and steering control method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008099298A JP4613976B2 (ja) 2008-04-07 2008-04-07 車両の操舵制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009248752A JP2009248752A (ja) 2009-10-29
JP4613976B2 true JP4613976B2 (ja) 2011-01-19

Family

ID=40902769

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008099298A Expired - Fee Related JP4613976B2 (ja) 2008-04-07 2008-04-07 車両の操舵制御装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8666607B2 (ja)
JP (1) JP4613976B2 (ja)
CN (1) CN101990508B (ja)
DE (1) DE112009000853B4 (ja)
WO (1) WO2009125271A1 (ja)

Families Citing this family (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4788618B2 (ja) * 2007-01-29 2011-10-05 株式会社ジェイテクト 車両用操舵装置
ITTO20090699A1 (it) * 2009-09-11 2011-03-12 Cnh Italia Spa Veicolo
JP5327333B2 (ja) * 2009-10-30 2013-10-30 トヨタ自動車株式会社 車両の走行制御装置
JP4858600B2 (ja) * 2009-11-20 2012-01-18 トヨタ自動車株式会社 操舵伝達比可変装置の制御装置
GB2464413B (en) * 2010-01-05 2014-07-02 Protean Electric Ltd Control Device for a Vehicle
CN102933443B (zh) * 2011-06-07 2015-11-25 大星电机工业株式会社 双控制器系统的错误检测装置和方法
CN103987613A (zh) * 2011-12-12 2014-08-13 丰田自动车株式会社 转向装置
RU2571679C1 (ru) * 2012-05-16 2015-12-20 Ниссан Мотор Ко., Лтд. Устройство управления рулением транспортного средства и способ управления рулением
DE102013100187A1 (de) * 2013-01-10 2014-07-10 Zf Lenksysteme Gmbh Lenksystem in einem Fahrzeug mit elektrischem Servomotor
US9676409B2 (en) 2013-03-11 2017-06-13 Steering Solutions Ip Holding Corporation Road wheel disturbance rejection based on hand wheel acceleration
PL2799310T3 (pl) 2013-04-30 2018-06-29 Steering Solutions Ip Holding Corporation Dostarczanie momentu obrotowego wspomagania bez czujnika momentu obrotowego kierownicy
FR3006277B1 (fr) 2013-06-04 2017-02-17 Jtekt Europe Sas Utilisation d’un moteur d’assistance de direction pour simuler une butee de fin de course de ladite direction
US9540044B2 (en) 2013-11-15 2017-01-10 Steering Solutions Ip Holding Corporation Hand wheel angle from vehicle dynamic sensors or wheel speeds
US9540040B2 (en) 2014-06-26 2017-01-10 Steering Solutions Ip Holding Corporation Phase plane based transitional damping for electric power steering
US10144445B2 (en) 2014-09-15 2018-12-04 Steering Solutions Ip Holding Corporation Modified static tire model for providing assist without a torque sensor for zero to low vehicle speeds
US9409595B2 (en) * 2014-09-15 2016-08-09 Steering Solutions Ip Holding Corporation Providing assist torque without hand wheel torque sensor for zero to low vehicle speeds
US20160375931A1 (en) * 2015-06-25 2016-12-29 Steering Solutions Ip Holding Corporation Rotation control system for a steering wheel and method
JP6376352B2 (ja) 2015-08-07 2018-08-22 トヨタ自動車株式会社 車両の走行制御装置
US10336363B2 (en) 2015-09-03 2019-07-02 Steering Solutions Ip Holding Corporation Disabling controlled velocity return based on torque gradient and desired velocity error
US10464594B2 (en) 2015-09-03 2019-11-05 Steering Solutions Ip Holding Corporation Model based driver torque estimation
US10252697B2 (en) * 2016-04-06 2019-04-09 Ford Global Technologies, Llc Systems and methods for estimating torque in a locked vehicle system
KR101806682B1 (ko) * 2016-04-12 2017-12-07 현대자동차주식회사 차량의 어댑티브 프론트 스티어링 시스템
US9919732B2 (en) 2016-05-06 2018-03-20 Dura Operating, Llc Control assembly for a vehicle steer-by-wire system
US10155534B2 (en) 2016-06-14 2018-12-18 Steering Solutions Ip Holding Corporation Driver intent estimation without using torque sensor signal
KR102262132B1 (ko) * 2017-03-27 2021-06-10 현대자동차주식회사 차량용 조향 제어방법
GB2567184B (en) * 2017-10-05 2022-07-27 Arrival Ltd Vehicle steering system
KR102532338B1 (ko) 2018-06-21 2023-05-16 현대자동차주식회사 차량용 조향 제어방법
CN110667694B (zh) * 2019-09-29 2021-10-22 深圳市元征科技股份有限公司 一种转向助力调整方法及相关装置
US11654956B2 (en) * 2019-12-23 2023-05-23 Robert Bosch Gmbh Method and system for steering intervention by electronic power steering unit to prevent vehicle rollover or loss of control
CN114080345B (zh) * 2020-04-21 2023-08-08 日本精工株式会社 转向装置
FR3125003B1 (fr) * 2021-07-08 2024-08-30 Jtekt Europe Sas Procede de determination de couple de frottements

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11301507A (ja) * 1998-04-17 1999-11-02 Toyota Motor Corp 車両用操舵制御装置
JP2004058787A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Toyota Motor Corp 車輌用操舵制御装置
JP2007098968A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Jtekt Corp 車両用操舵装置
JP2008062786A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Toyota Motor Corp 伝達比可変操舵装置

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6130462A (ja) 1984-07-20 1986-02-12 Honda Motor Co Ltd 電磁型倍力装置
JP3554841B2 (ja) * 1997-02-07 2004-08-18 光洋精工株式会社 自動車の舵取装置
US6164150A (en) * 1997-05-23 2000-12-26 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle steering apparatus
JP4019873B2 (ja) 2001-10-12 2007-12-12 日産自動車株式会社 舵角比制御装置
JP3986315B2 (ja) 2002-01-17 2007-10-03 株式会社ジェイテクト 車両用操舵装置、プログラム、記録媒体
JP3967642B2 (ja) * 2002-07-26 2007-08-29 株式会社ジェイテクト 車両用操舵制御システム
JP2004330883A (ja) * 2003-05-07 2004-11-25 Denso Corp 伝達比可変操舵装置
JP4248960B2 (ja) * 2003-07-23 2009-04-02 株式会社デンソー 伝達比可変操舵装置
DE112004002447A5 (de) 2003-12-24 2008-06-19 Continental Teves Ag & Co. Ohg Verfahren zum Lenken eines Fahrzeugs und Fahrzeuglenkung
JP4388383B2 (ja) * 2004-01-07 2009-12-24 本田技研工業株式会社 車両用操舵装置
DE102004009522B4 (de) 2004-02-27 2020-08-06 Volkswagen Ag Überlagerungslenkung für ein Kraftfahrzeug
JP4569280B2 (ja) 2004-12-03 2010-10-27 トヨタ自動車株式会社 車輌用操舵制御装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11301507A (ja) * 1998-04-17 1999-11-02 Toyota Motor Corp 車両用操舵制御装置
JP2004058787A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Toyota Motor Corp 車輌用操舵制御装置
JP2007098968A (ja) * 2005-09-30 2007-04-19 Jtekt Corp 車両用操舵装置
JP2008062786A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Toyota Motor Corp 伝達比可変操舵装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN101990508A (zh) 2011-03-23
DE112009000853A5 (de) 2012-01-05
DE112009000853T5 (de) 2011-04-28
DE112009000853B4 (de) 2016-11-10
US8666607B2 (en) 2014-03-04
JP2009248752A (ja) 2009-10-29
US20110022268A1 (en) 2011-01-27
CN101990508B (zh) 2014-02-12
WO2009125271A1 (en) 2009-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4613976B2 (ja) 車両の操舵制御装置
JP4019873B2 (ja) 舵角比制御装置
US20130131927A1 (en) Four-wheel steering control system
JP5224419B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
EP2279927B1 (en) Electric power steering system
JP5971512B2 (ja) 車両用操舵装置
EP2599687B1 (en) Vehicle steering system
US20130013154A1 (en) Electric power steering system
US20200307680A1 (en) Steering control device
CN104875786A (zh) 车辆用转向操作装置、该装置的故障判断方法
US9061699B2 (en) Vehicle steering system
JP7103090B2 (ja) パワーステアリング装置
US8972113B2 (en) Electric power steering system
JP5224032B2 (ja) 操舵制御装置
JP6137534B2 (ja) 車両用操舵装置
US20200307681A1 (en) Steering control device
JP2015229385A (ja) 電動パワーステアリング装置
US10343710B2 (en) Vehicle steering system
JP2008307913A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP5817936B2 (ja) 車両用操舵制御装置
JP2011251640A (ja) 車両のステアリング装置
JP2011025809A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2010137627A (ja) 電動パワーステアリング装置
US20220379954A1 (en) Steering control device and method
JP2018047876A (ja) 車両用操舵装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100302

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100506

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100921

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101004

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131029

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees