JP5327333B2 - 車両の走行制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、車両の走行制御装置に係り、更に詳細には運転者の操舵操作量に対する操舵輪の舵角の関係を変更する舵角制御装置を備えた車両の走行制御装置に係る。
自動車等の車両に於いて、操舵伝達比可変装置やステアバイワイヤ式の操舵輪転舵装置の如く、運転者の操舵操作量に対する操舵輪の舵角の関係を変更する舵角制御装置は既によく知られている。このような舵角制御装置を備えた車両に於いて、車両の旋回挙動の安定度を高める車両安定化制御を行う車両の走行制御装置も従来種々提案されている。
例えば特開2006−117070号公報には、目標走行ラインに沿って車両が走行するように舵角制御装置によって操舵輪の舵角を制御する車両の走行制御装置であって、舵角制御装置によって操舵輪の舵角が制御されているときには操舵輪の舵角が制御されていないときに比して、車両安定化制御の開始条件を緩和する車両の走行制御装置が記載されている。
上記従来の走行制御装置によれば、舵角制御装置によって操舵輪の舵角を制御する走行軌跡制御が実行されている状況に於いて、車両の旋回挙動が不安定になると、車両安定化制御の開始条件が緩和される。よって走行軌跡制御が実行されているときには、車両安定化制御を開始し易くすることができ、これにより早期に車両の旋回挙動を安定化させることができる。
しかし上記公開公報に記載されている如き従来の走行制御装置に於いては、走行軌跡制御が実行されると、舵角制御装置によって操舵角の如き運転者の操舵操作量と操舵輪の舵角との関係が通常時の関係より変更されるので、運転者の操舵操作量は操舵輪の実際の舵角に対応しなくなる。
しかるに上記公開公報に記載されている如き従来の走行制御装置に於いては、車両の目標旋回状態量が運転者の操舵操作量に基づいて演算され、車両の旋回状態量が車両の目標旋回状態量になるよう制御される。よって走行軌跡制御による操舵輪の舵角の変化を反映する適正な値になるよう車両安定化制御の目標制御量を演算することができず、これに起因して車両安定化制御を適正に行うことができない。
また上記問題を解消すべく、車両の目標旋回状態量を操舵輪の実際の舵角に基づいて演算することが考えられる。しかし車両安定化制御が各車輪の制駆動力の制御及び操舵輪の舵角の制御により達成される場合には、操舵輪の実際の舵角は走行軌跡制御及び車両安定化制御の両者の制御を反映した値になる。従って操舵輪の実際の舵角に基づいて演算される車両の目標旋回状態量には、車両安定化制御による操舵輪の舵角の制御量に相当する誤差成分が含まれ、これに起因して車両安定化制御を適正に行うことができない。
更に上記二つの問題は、操舵輪の舵角制御が走行軌跡制御である場合に限られるのではなく、例えば操舵伝達比を変更する操舵特性制御が行われる場合や走行軌跡制御及び操舵特性制御の両者が行われる場合にも生じる。
例えば特開2006−117070号公報には、目標走行ラインに沿って車両が走行するように舵角制御装置によって操舵輪の舵角を制御する車両の走行制御装置であって、舵角制御装置によって操舵輪の舵角が制御されているときには操舵輪の舵角が制御されていないときに比して、車両安定化制御の開始条件を緩和する車両の走行制御装置が記載されている。
上記従来の走行制御装置によれば、舵角制御装置によって操舵輪の舵角を制御する走行軌跡制御が実行されている状況に於いて、車両の旋回挙動が不安定になると、車両安定化制御の開始条件が緩和される。よって走行軌跡制御が実行されているときには、車両安定化制御を開始し易くすることができ、これにより早期に車両の旋回挙動を安定化させることができる。
しかし上記公開公報に記載されている如き従来の走行制御装置に於いては、走行軌跡制御が実行されると、舵角制御装置によって操舵角の如き運転者の操舵操作量と操舵輪の舵角との関係が通常時の関係より変更されるので、運転者の操舵操作量は操舵輪の実際の舵角に対応しなくなる。
しかるに上記公開公報に記載されている如き従来の走行制御装置に於いては、車両の目標旋回状態量が運転者の操舵操作量に基づいて演算され、車両の旋回状態量が車両の目標旋回状態量になるよう制御される。よって走行軌跡制御による操舵輪の舵角の変化を反映する適正な値になるよう車両安定化制御の目標制御量を演算することができず、これに起因して車両安定化制御を適正に行うことができない。
また上記問題を解消すべく、車両の目標旋回状態量を操舵輪の実際の舵角に基づいて演算することが考えられる。しかし車両安定化制御が各車輪の制駆動力の制御及び操舵輪の舵角の制御により達成される場合には、操舵輪の実際の舵角は走行軌跡制御及び車両安定化制御の両者の制御を反映した値になる。従って操舵輪の実際の舵角に基づいて演算される車両の目標旋回状態量には、車両安定化制御による操舵輪の舵角の制御量に相当する誤差成分が含まれ、これに起因して車両安定化制御を適正に行うことができない。
更に上記二つの問題は、操舵輪の舵角制御が走行軌跡制御である場合に限られるのではなく、例えば操舵伝達比を変更する操舵特性制御が行われる場合や走行軌跡制御及び操舵特性制御の両者が行われる場合にも生じる。
本発明の主要な目的は、運転者の操舵操作量に対する操舵輪の舵角の関係が舵角制御装置によって変更されても、車両の旋回挙動の安定度を高める挙動制御の目標制御量を適正な値に演算し、車両の挙動制御を適正に行うことである。
本発明によれば、運転者の操舵操作量に対する操舵輪の舵角の関係を変更する舵角制御手段と、舵角制御手段を使用して操舵輪の舵角を制御することにより車両の走行軌跡を制御する軌跡制御手段と、車両の旋回状態を目標旋回状態にするための目標旋回状態制御量を求め、目標旋回状態制御量に基づいて車両の旋回状態を制御する旋回状態制御手段とを備えた車両の走行制御装置であって、旋回状態制御手段は運転者の操舵操作量及び軌跡制御手段の制御量に基づいて目標旋回状態制御量を演算することを特徴とする車両の走行制御装置が提供される。
この構成によれば、運転者の操舵操作量及び軌跡制御手段の制御量に基づいて目標旋回状態制御量が演算される。よって走行軌跡の制御により操舵輪の舵角が変化される場合にも、走行軌跡の制御による操舵輪の舵角の変化を反映した適正な値に基づいて目標旋回状態制御量を演算することができ、これにより車両の旋回状態の制御を適正に行うことができる。
上記構成に於いて、舵角制御手段は所定の操舵特性が達成されるよう運転者の操舵操作量に対する操舵輪の舵角の関係を変更する操舵特性制御機能を有し、旋回状態制御手段は操舵特性制御機能による操舵輪の舵角の変更量を加味して目標旋回状態制御量を演算するようになっていてよい。
この構成によれば、操舵特性制御機能による操舵輪の舵角の変更量を加味して目標旋回状態制御量が演算される。よって操舵特性制御機能により操舵輪の舵角が変化される場合にも、操舵特性制御機能による操舵輪の舵角の変化を反映した適正な値に基づいて目標旋回状態制御量を演算することができ、これにより車両の旋回状態の制御を適正に行うことができる。
また上記構成に於いて、旋回状態制御手段は少なくとも舵角制御手段を使用して操舵輪の舵角を制御することにより車両の旋回状態を制御するが、車両の旋回状態を制御するための制御量を加味することなく運転者の操舵操作量及び軌跡制御手段の制御量に基づいて目標旋回状態制御量を演算するようになっていてよい。
この構成によれば、旋回状態制御手段により操舵輪の舵角が制御される場合にも、旋回状態を制御するための制御量を加味することなく運転者の操舵操作量及び軌跡制御手段の制御量に基づいて目標旋回状態制御量が演算される。従って旋回状態を制御するための操舵輪の舵角の変化が反映した不適切な値に基づいて目標旋回状態制御量が不適切な値に演算されることを防止することができる。
また上記構成に於いて、旋回状態制御手段は運転者の操舵操作量及び軌跡制御手段の制御量に基づいて車両の目標旋回状態量を演算すると共に、目標旋回状態量に基づいて目標旋回状態制御量を演算し、目標旋回状態量は車両の目標ヨーレート、操舵輪の目標舵角、舵角制御手段の目標制御量、運転者の目標操舵操作量の何れかであってよい。
この構成によれば、車両の目標ヨーレート、操舵輪の目標舵角、舵角制御手段の目標制御量、運転者の目標操舵操作量の何れかに基づいて目標旋回状態制御量を演算することができる。
また本発明によれば、運転者の操舵操作量に対する操舵輪の舵角の関係を変更する舵角制御手段と、舵角制御手段を使用して上記関係を変化させる関係制御手段と、車両の旋回状態を目標旋回状態にするための目標旋回状態制御量を求め、目標旋回状態制御量に基づいて舵角制御手段を使用して操舵輪の舵角を制御することにより車両の旋回状態を制御する旋回状態制御手段とを備えた車両の走行制御装置であって、旋回状態制御手段は操舵輪の舵角及び旋回状態制御手段の制御量に基づいて目標旋回状態制御量を演算することを特徴とする車両の走行制御装置が提供される。
この構成によれば、操舵輪の舵角及び旋回状態制御手段の制御量に基づいて目標旋回状態制御量が演算される。従って操舵輪の舵角より旋回状態制御手段の制御量に対応する舵角成分を排除した適正な値に基づいて目標旋回状態制御量を演算することができる。よって車両の旋回状態の制御による操舵輪の舵角の変化の影響を受けることなく車両の旋回状態の制御を適正に行うことができる。
また上記構成に於いて、関係制御手段は操舵輪の舵角を制御することにより車両の走行軌跡を制御する軌跡制御手段及び所定の操舵特性が達成されるよう運転者の操舵操作量に対する操舵輪の舵角の関係を変更する操舵特性制御手段の少なくとも一方であってよい。
この構成によれば、軌跡制御手段及び操舵特性制御手段の少なくとも一方により運転者の操舵操作量に対する操舵輪の舵角の関係が変更される場合にも、その制御による操舵輪の舵角の変化を反映した適正な値に基づいて目標旋回状態制御量を演算することができる。よって軌跡制御手段及び操舵特性制御手段の少なくとも一方による操舵輪の舵角の変化を反映させて車両の旋回状態の制御を適正に行うことができる。
上記構成に於いて、旋回状態制御手段は操舵輪の舵角及び旋回状態制御手段の制御量に基づいて車両の目標旋回状態量を演算すると共に、目標旋回状態量に基づいて目標旋回状態制御量を演算し、目標旋回状態量は車両の目標ヨーレート、操舵輪の目標舵角、舵角制御手段の目標制御量、運転者の目標操舵操作量の何れかであってよい。
この構成によれば、車両の目標ヨーレート、操舵輪の目標舵角、舵角制御手段の目標制御量、運転者の目標操舵操作量の何れかに基づいて目標旋回状態制御量を演算することができる。
また上記構成に於いて、旋回状態制御手段は少なくとも各車輪の制駆動力を制御することにより車両の旋回状態を制御するようになっていてよい。
この構成によれば、少なくとも各車輪の制駆動力を制御することにより車両の旋回状態が制御されるので、操舵輪の舵角を制御しなくても車両の旋回状態を制御することができる。
また上記構成に於いて、舵角制御手段は、操舵入力手段と、操舵輪の舵角を変化させる転舵手段と、操舵入力手段に対する運転者の操舵操作量を検出する手段と、運転者の操舵操作量に基づいて転舵手段を制御する制御手段とを有するバイワイヤ式の舵角制御手段であってよい。
また上記構成に於いて、舵角制御手段は、操舵入力手段に対し相対的に操舵輪を駆動することにより操舵輪の舵角を変化させる操舵伝達比可変手段と、操舵伝達比可変手段を制御する制御手段とを有するセミバイワイヤ式の舵角制御手段であってよい。
また上記構成に於いて、操舵輪の舵角は操舵輪を駆動する手段の駆動量に基づいて求められるようになっていてよい。
また上記構成に於いて、操舵輪の舵角は舵角制御手段の制御量に基づいて求められるようになっていてよい。
本発明によれば、運転者の操舵操作量に対する操舵輪の舵角の関係を変更する舵角制御手段と、舵角制御手段を使用して操舵輪の舵角を制御することにより車両の走行軌跡を制御する軌跡制御手段と、車両の旋回状態を目標旋回状態にするための目標旋回状態制御量を求め、目標旋回状態制御量に基づいて車両の旋回状態を制御する旋回状態制御手段とを備えた車両の走行制御装置であって、旋回状態制御手段は運転者の操舵操作量及び軌跡制御手段の制御量に基づいて目標旋回状態制御量を演算することを特徴とする車両の走行制御装置が提供される。
この構成によれば、運転者の操舵操作量及び軌跡制御手段の制御量に基づいて目標旋回状態制御量が演算される。よって走行軌跡の制御により操舵輪の舵角が変化される場合にも、走行軌跡の制御による操舵輪の舵角の変化を反映した適正な値に基づいて目標旋回状態制御量を演算することができ、これにより車両の旋回状態の制御を適正に行うことができる。
上記構成に於いて、舵角制御手段は所定の操舵特性が達成されるよう運転者の操舵操作量に対する操舵輪の舵角の関係を変更する操舵特性制御機能を有し、旋回状態制御手段は操舵特性制御機能による操舵輪の舵角の変更量を加味して目標旋回状態制御量を演算するようになっていてよい。
この構成によれば、操舵特性制御機能による操舵輪の舵角の変更量を加味して目標旋回状態制御量が演算される。よって操舵特性制御機能により操舵輪の舵角が変化される場合にも、操舵特性制御機能による操舵輪の舵角の変化を反映した適正な値に基づいて目標旋回状態制御量を演算することができ、これにより車両の旋回状態の制御を適正に行うことができる。
また上記構成に於いて、旋回状態制御手段は少なくとも舵角制御手段を使用して操舵輪の舵角を制御することにより車両の旋回状態を制御するが、車両の旋回状態を制御するための制御量を加味することなく運転者の操舵操作量及び軌跡制御手段の制御量に基づいて目標旋回状態制御量を演算するようになっていてよい。
この構成によれば、旋回状態制御手段により操舵輪の舵角が制御される場合にも、旋回状態を制御するための制御量を加味することなく運転者の操舵操作量及び軌跡制御手段の制御量に基づいて目標旋回状態制御量が演算される。従って旋回状態を制御するための操舵輪の舵角の変化が反映した不適切な値に基づいて目標旋回状態制御量が不適切な値に演算されることを防止することができる。
また上記構成に於いて、旋回状態制御手段は運転者の操舵操作量及び軌跡制御手段の制御量に基づいて車両の目標旋回状態量を演算すると共に、目標旋回状態量に基づいて目標旋回状態制御量を演算し、目標旋回状態量は車両の目標ヨーレート、操舵輪の目標舵角、舵角制御手段の目標制御量、運転者の目標操舵操作量の何れかであってよい。
この構成によれば、車両の目標ヨーレート、操舵輪の目標舵角、舵角制御手段の目標制御量、運転者の目標操舵操作量の何れかに基づいて目標旋回状態制御量を演算することができる。
また本発明によれば、運転者の操舵操作量に対する操舵輪の舵角の関係を変更する舵角制御手段と、舵角制御手段を使用して上記関係を変化させる関係制御手段と、車両の旋回状態を目標旋回状態にするための目標旋回状態制御量を求め、目標旋回状態制御量に基づいて舵角制御手段を使用して操舵輪の舵角を制御することにより車両の旋回状態を制御する旋回状態制御手段とを備えた車両の走行制御装置であって、旋回状態制御手段は操舵輪の舵角及び旋回状態制御手段の制御量に基づいて目標旋回状態制御量を演算することを特徴とする車両の走行制御装置が提供される。
この構成によれば、操舵輪の舵角及び旋回状態制御手段の制御量に基づいて目標旋回状態制御量が演算される。従って操舵輪の舵角より旋回状態制御手段の制御量に対応する舵角成分を排除した適正な値に基づいて目標旋回状態制御量を演算することができる。よって車両の旋回状態の制御による操舵輪の舵角の変化の影響を受けることなく車両の旋回状態の制御を適正に行うことができる。
また上記構成に於いて、関係制御手段は操舵輪の舵角を制御することにより車両の走行軌跡を制御する軌跡制御手段及び所定の操舵特性が達成されるよう運転者の操舵操作量に対する操舵輪の舵角の関係を変更する操舵特性制御手段の少なくとも一方であってよい。
この構成によれば、軌跡制御手段及び操舵特性制御手段の少なくとも一方により運転者の操舵操作量に対する操舵輪の舵角の関係が変更される場合にも、その制御による操舵輪の舵角の変化を反映した適正な値に基づいて目標旋回状態制御量を演算することができる。よって軌跡制御手段及び操舵特性制御手段の少なくとも一方による操舵輪の舵角の変化を反映させて車両の旋回状態の制御を適正に行うことができる。
上記構成に於いて、旋回状態制御手段は操舵輪の舵角及び旋回状態制御手段の制御量に基づいて車両の目標旋回状態量を演算すると共に、目標旋回状態量に基づいて目標旋回状態制御量を演算し、目標旋回状態量は車両の目標ヨーレート、操舵輪の目標舵角、舵角制御手段の目標制御量、運転者の目標操舵操作量の何れかであってよい。
この構成によれば、車両の目標ヨーレート、操舵輪の目標舵角、舵角制御手段の目標制御量、運転者の目標操舵操作量の何れかに基づいて目標旋回状態制御量を演算することができる。
また上記構成に於いて、旋回状態制御手段は少なくとも各車輪の制駆動力を制御することにより車両の旋回状態を制御するようになっていてよい。
この構成によれば、少なくとも各車輪の制駆動力を制御することにより車両の旋回状態が制御されるので、操舵輪の舵角を制御しなくても車両の旋回状態を制御することができる。
また上記構成に於いて、舵角制御手段は、操舵入力手段と、操舵輪の舵角を変化させる転舵手段と、操舵入力手段に対する運転者の操舵操作量を検出する手段と、運転者の操舵操作量に基づいて転舵手段を制御する制御手段とを有するバイワイヤ式の舵角制御手段であってよい。
また上記構成に於いて、舵角制御手段は、操舵入力手段に対し相対的に操舵輪を駆動することにより操舵輪の舵角を変化させる操舵伝達比可変手段と、操舵伝達比可変手段を制御する制御手段とを有するセミバイワイヤ式の舵角制御手段であってよい。
また上記構成に於いて、操舵輪の舵角は操舵輪を駆動する手段の駆動量に基づいて求められるようになっていてよい。
また上記構成に於いて、操舵輪の舵角は舵角制御手段の制御量に基づいて求められるようになっていてよい。
図1はステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御により車両の挙動制御を行う本発明による走行制御装置の第一の実施形態を示す概略構成図である。
図2は第一の実施形態に於ける制御を示すブロック図である。
図3はステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御により車両の挙動制御を行う従来の走行制御装置に於ける制御を示すブロック図である。
図4はステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御及び左右前輪の舵角の制御により車両の挙動制御を行う本発明による走行制御装置の第二の実施形態に於ける制御を示すブロック図である。
図5はステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御及び左右前輪の舵角の制御により車両の挙動制御を行う従来の走行制御装置に於ける制御を示すブロック図である。
図6はセミステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御及び左右前輪の舵角の制御により車両の挙動制御を行う本発明による走行制御装置の第三の実施形態を示す概略構成図である。
図7は第三の実施形態に於ける制御を示すブロック図である。
図8はステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御及び左右前輪の舵角の制御により車両の挙動制御を行う本発明による走行制御装置の第四の実施形態に於ける制御を示すブロック図である。
図9はステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御及び左右前輪の舵角の制御により車両の挙動制御を行う本発明による走行制御装置の第五の実施形態に於ける制御を示すブロック図である。
図10は第四の実施形態の修正例に於ける制御を示すブロック図である。
図11は第五の実施形態の修正例に於ける制御を示すブロック図である。
図2は第一の実施形態に於ける制御を示すブロック図である。
図3はステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御により車両の挙動制御を行う従来の走行制御装置に於ける制御を示すブロック図である。
図4はステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御及び左右前輪の舵角の制御により車両の挙動制御を行う本発明による走行制御装置の第二の実施形態に於ける制御を示すブロック図である。
図5はステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御及び左右前輪の舵角の制御により車両の挙動制御を行う従来の走行制御装置に於ける制御を示すブロック図である。
図6はセミステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御及び左右前輪の舵角の制御により車両の挙動制御を行う本発明による走行制御装置の第三の実施形態を示す概略構成図である。
図7は第三の実施形態に於ける制御を示すブロック図である。
図8はステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御及び左右前輪の舵角の制御により車両の挙動制御を行う本発明による走行制御装置の第四の実施形態に於ける制御を示すブロック図である。
図9はステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御及び左右前輪の舵角の制御により車両の挙動制御を行う本発明による走行制御装置の第五の実施形態に於ける制御を示すブロック図である。
図10は第四の実施形態の修正例に於ける制御を示すブロック図である。
図11は第五の実施形態の修正例に於ける制御を示すブロック図である。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を好ましい実施形態について詳細に説明する。
第一の実施形態
図1はステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御により車両の挙動制御を行う本発明による走行制御装置の第一の実施形態を示す概略構成図である。
図1に於いて、150は第一の実施形態の走行制御装置を全体的に示している。また図1に於いて、10FL及び10FRはそれぞれ車両12の操舵輪である左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれぞれ車両の左右の後輪を示している。操舵入力手段としてのステアリングホイール14が運転者によって操舵操作されると、ラック・アンド・ピニオン型のステアリング機構16によりラックバー18及びタイロッド20L及び20Rが駆動され、これにより左右の前輪10FL及び10FRが転舵される。
ステアリングホイール14に連結されたステアリングシャフト22及びステアリング機構16のピニオンシャフト24は相互に連結されていない。ステアリングシャフト22には図1には示されていない減速歯車機構を介して操舵反力トルク付与用の電動機26が連結されている。電動機26は電子制御装置40の舵角制御部によって制御され、これによりステアリングホイール14に操舵反力トルクが付与される。ピニオンシャフト24には図1には示されていない減速歯車機構を介して転舵駆動用の電動機28が連結されている。電動機28も電子制御装置40の舵角制御部によって制御され、これによりピニオンシャフト24が回転駆動される。
尚図示の実施形態に於いては、ピニオンシャフト24の回転は回転−直線運動変換機構としてのラック・アンド・ピニオン型のステアリング機構16によりラックバー18の直線運動に変換されるようになっているが、ステアリング機構は当技術分野に於いて公知の任意の構成のものであってよい。
各車輪の制動力は制動装置30の油圧回路32によりホイールシリンダ34FL、34FR、34RL、34RRの制動圧が制御されることによって制御されるようになっている。図には示されていないが、油圧回路32はオイルリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧は通常時には運転者によるブレーキペダル36の踏み込み操作に応じて駆動されるマスタシリンダ38により制御され、また必要に応じて後に詳細に説明する如く電子制御装置40の制動力制御部又は挙動制御部により個別に制御される。
ステアリングシャフト22には操舵角θsを検出する操舵角センサ42が設けられており、操舵角センサ30により検出された操舵角θsを示す信号は電子制御装置40へ入力される。電子制御装置40には車速センサ44により検出された車速Vを示す信号、ヨーレートセンサ46により検出された車両のヨーレートγを示す信号、回転角センサ48により検出されたピニオンシャフト24の回転角θpを示す信号も入力される。尚操舵角センサ42、ヨーレートセンサ46、回転角センサ48はそれぞれ車両の左旋回方向への操舵の場合を正として操舵角θs、ヨーレートγ、回転角θpを検出する。
電子制御装置40の舵角制御部は、通常時には車速Vが高いほどステアリングギヤ比Rs(操舵伝達比の逆数)が大きくなるよう、所定の操舵特性を達成するためのステアリングギヤ比Rsを車速Vに基づいて演算する。そして電子制御装置40の舵角制御部は、操舵角θs及びステアリングギヤ比Rsに基づいてピニオンシャフト24の目標回転角θpt1を演算し、ピニオンシャフト24の回転角θpが目標回転角θpt1になるよう電動機28を制御する。これにより左右の前輪10FL及び10FRが運転者の操舵操作に応じて所定の操舵特性にて転舵される。
図1には示されていないが、走行制御装置150はレーンキープアシスト、インテリジェントパーキングアシスト、自動運転の如く、車両の走行軌跡を制御する走行軌跡制御のオン、オフを制御する走行軌跡制御スイッチを備えている。電子制御装置40の軌跡制御部は、走行軌跡制御スイッチがオン状態にあり、走行軌跡制御が実行されているときには、車両の目標走行軌跡及び目標車速を演算する。そして電子制御装置40の軌跡制御部は、車両の走行軌跡が目標走行軌跡になると共に車速Vが目標車速になるよう、運転者の操舵操作に関係なく左右の前輪10FL及び10FRを転舵し、車速Vを制御する。尚走行軌跡制御は複数行われるのではなく、一つの走行軌跡制御しか行われなくてもよい。
また電子制御装置40の挙動制御部は、車両の目標ヨーレートγtを演算すると共に、目標ヨーレートγtとヨーレートセンサ46により検出された車両の実際のヨーレートγとの偏差Δγを演算する。そして電子制御装置40の挙動制御部は、ヨーレート偏差Δγの大きさが基準値γo以上であるときには、車両の旋回挙動を安定化させるための車両の目標ヨーモーメントMt及び目標前後力Ftをヨーレート偏差Δγに基づいて演算する。
更に電子制御装置40の挙動制御部は、目標ヨーモーメントMt及び目標前後力Ftに基づいて各車輪の目標制駆動力Fwti(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、各車輪の制駆動力を対応する目標制駆動力Fwtiになるよう制御し、これによりヨーレート偏差Δγを低減して車両の旋回挙動を安定化させる。
尚図1には詳細に示されていないが、電子制御装置40の舵角制御部、軌跡制御部、制動力制御部、挙動制御部はそれぞれCPUとROMとRAMと入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続されたマイクロコンピュータ及び駆動回路よりなっていてよい。また電子制御装置40の各制御部のマイクロコンピュータは相互に通信可能に互いに接続されている。
次に図2に示されたブロック図を参照して第一の実施形態の構成及び作動を更に説明する。
図2に示されている如く、運転者50によりステアリングホイール14が操舵操作されると、それに応じて操舵角θsが変化する。操舵角θsはギヤ比可変ブロック54によってステアリングギヤ比Rsにて除算され、これにより所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1が演算され、調停ブロック56へ入力される。
またレーンキープアシスト、インテリジェントパーキングアシスト、自動運転の如き車両の走行軌跡制御を実行する軌跡制御ブロック58−1〜58−Nの何れかの制御がオン状態にあるときには、調停ブロック56にはその軌跡制御ブロックより走行軌跡制御についてのピニオンシャフト24の目標回転角θpt2が入力される。
調停ブロック56は所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1及び走行軌跡制御についてのピニオンシャフト24の目標回転角θpt2を調停することにより、調停後のピニオンシャフト24の目標回転角θptを演算する。
尚調停ブロック56による調停の内容自体は本発明の要旨をなすものではないので、調停後のピニオンシャフト24の目標回転角θptが目標回転角θpt1及びθpt2の両者を考慮して演算される限り任意の要領にて行われてよい。例えば所定の操舵特性の制御を行わない場合の操舵角θsに対応するピニオンシャフト24の回転角をθpt0とし、目標回転角θpt1と回転角θpt0との偏差をΔθpt1とし、目標回転角θpt2と回転角θpt0との偏差をΔθpt2として、調停後のピニオンシャフト24の目標回転角θptはθpt0+K1Δθpt1+K2Δθpt2に演算されてよい。この場合係数K1及びK2はそれぞれ1に設定されてもよく、また車両の挙動や周辺情報等に応じて0以上で1以下の値に可変設定されてもよい。また調停後のピニオンシャフト24の目標回転角θptは必要に応じて目標回転角θpt1及びθpt2のうちの大きい方の値に設定されてもよい。
調停後のピニオンシャフト24の目標回転角θptの情報は、電動機28を制御することにより左右の前輪10FL及び10FRの舵角を制御する舵角制御ブロック58へ入力される。舵角制御ブロック58はピニオンシャフト24の目標回転角θpが調停後の目標回転角θptになるよう、電動機28を調停後の目標回転角θptに基づいて制御する。これにより左右の前輪10FL及び10FRの舵角が調停後の目標回転角θptに対応する舵角θwtに制御される。
また調停後のピニオンシャフト24の目標回転角θptの情報は、各車輪の制駆動力を制御することにより車両の旋回挙動を安定化させる挙動安定化制御ブロック60へ入力される。また挙動安定化制御ブロック60には運動情報検出センサ62より車両の横加速度Gyの如き運動情報が入力される。挙動安定化制御ブロック60は調停後の目標回転角θptに対応する舵角θwt及び車両の横加速度Gy等に基づいて車両の目標ヨーレートγtを演算する。
例えば車両のホイールベースをLとし、車両のスタビリティファクタをKhとして、挙動安定化制御ブロック60は調停後の目標回転角θptに対応する舵角θwt、車両の横加速度Gy、車速Vに基づいて下記の式1に従って車両の目標ヨーレートγtを演算するようになっていてよい。
そして挙動安定化制御ブロック60は電子制御装置40の挙動制御部の上記機能を果たすことにより、車両の目標ヨーモーメントMt及び目標前後力Ftを演算する。更に挙動安定化制御ブロック60は目標ヨーレートγt及び目標前後力Ftを達成するための各車輪の目標制駆動力Ftiを演算し、各車輪の制駆動力が目標制駆動力Ftiになるよう制動装置30及びエンジン制御装置64を制御する。かくして挙動安定化制御ブロック60はヨーレート偏差Δγが低減されるよう各車輪の制駆動力を制御することにより車両12の旋回挙動を安定化させる。
この第一の実施形態によれば、所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1及び走行軌跡制御についてのピニオンシャフト24の目標回転角θpt2が調停されることにより、調停後のピニオンシャフト24の目標回転角θptが演算される。そして調停後の目標回転角θptに対応する舵角θwt及び車両の横加速度Gy等に基づいて車両の目標ヨーレートγtが演算され、目標ヨーレートγtと車両の実際のヨーレートγとの偏差Δγが低減されるよう各車輪の制駆動力が制御されることにより車両12の旋回挙動が安定化される。
従って調停後の目標回転角θptに対応する舵角θwtは、所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1に対応する舵角とは異なり、走行軌跡制御による左右前輪10FL、10FRの舵角の変化を反映させた値になる。また調停後の目標回転角θptに対応する舵角θwtは、左右前輪10FL、10FRの実際の舵角に比して、運転者の操舵操作を好ましく反映させた値になる。
図3はステアバイワイヤ式の車両に適用された従来の走行制御装置を示す図2と同様のブロック図である。図3に示された従来の走行制御装置に於いては、軌跡制御ブロック58−1〜58−Nの何れかにより走行軌跡制御についてのピニオンシャフト24の回転角の目標修正量Δθpt2が演算される。また所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1及び走行軌跡制御についてのピニオンシャフト24の回転角の目標修正量Δθpt2が加算器66によって加算される。そしてθpt1+Δθpt2を目標回転角θptとして左右前輪10FL、10FRの舵角が制御される。
しかし挙動安定化制御ブロック60には所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1しか入力されず、車両の目標ヨーレートγtは目標回転角θpt1に対応する舵角に基づいて演算され、走行軌跡制御による左右前輪10FL、10FRの舵角の変化を反映させた値にならない。
よって図3に示された従来の走行制御装置に於いては、走行軌跡制御が行われる場合に、走行軌跡制御による左右前輪10FL、10FRの舵角の変化を反映させて車両の旋回挙動を安定化させることができない。これに対し第一の実施形態によれば、走行軌跡制御が行われる場合には、走行軌跡制御による左右前輪10FL、10FRの舵角の変化を確実に反映させて車両の目標ヨーレートγtを演算することができる。
また左右前輪10FL、10FRの実際の舵角に基づいて車両の目標ヨーレートγtが演算される場合には、左右前輪の実際の舵角を検出する手段が必要である。これに対し第一の実施形態によれば、左右前輪の実際の舵角を検出する手段を備えていない車両に於いても、走行軌跡制御による左右前輪の舵角の変化を反映させて車両の目標ヨーレートγtを演算することができる。
第二の実施形態
図4はステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御及び左右前輪の舵角の制御により車両の挙動制御を行う本発明による走行制御装置の第二の実施形態に於ける制御を示すブロック図である。
この第二の実施形態に於いては、左右の前輪10FL及び10FRは上述の第一の実施形態の場合と同様にステアバイワイヤ式に転舵されるが、車両の旋回挙動が不安定であるときには各車輪の制駆動力が制御されると共に左右の前輪10FL及び10FRが転舵されることにより旋回挙動が安定化される。
図4に示されている如く、調停後のピニオンシャフト24の目標回転角θptの情報は、挙動安定化制御ブロック60へ入力されると共に、加算器68へ入力される。この実施形態に於いても、挙動安定化制御ブロック60は調停ブロック56により調停された後のピニオンシャフト24の目標回転角θptに基づいて車両の目標ヨーレートγtを演算し、該目標ヨーレートγtに基づいてヨーレート偏差Δγを演算する。
そして挙動安定化制御ブロック60はヨーレート偏差Δγの大きさが基準値γo以上であるときには、車両の旋回挙動を安定化させるための車両の目標ヨーモーメントMt及び目標前後力Ftをヨーレート偏差Δγに基づいて演算する。また挙動安定化制御ブロック60は車両の目標ヨーモーメントMtを各車輪の制駆動力の制御による目標ヨーモーメントMbt及び左右前輪10FL、10FRの舵角の制御による目標ヨーモーメントMstに分配する。
更に挙動安定化制御ブロック60は目標ヨーモーメントMbtに基づいて各車輪の目標制駆動力Fwtiを演算し、これらに基づいて各車輪の制駆動力を制御すると共に、目標ヨーモーメントMstを達成するための左右前輪10FL、10FRの舵角に基づいてピニオンシャフト24の回転角の目標修正量Δθptvを演算する。
舵角の目標修正量Δθptvの情報は加算器68へ入力され、加算器68により目標回転角θptと目標修正量Δθptvとが加算されることにより、修正後の目標回転角θptaが演算され、舵角制御ブロック58へ入力される。舵角制御ブロック58はピニオンシャフト24の回転角θpが修正後の目標回転角θptaになるよう、電動機28を修正後の目標回転角θptaに基づいて制御する。これにより左右の前輪10FL及び10FRの舵角が修正後の目標回転角θptaに対応する舵角θwtaに制御される。
この第二の実施形態によれば、所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1及び走行軌跡制御についてのピニオンシャフト24の目標回転角θpt2が調停される。そして調停後の目標回転角θptに対応する舵角θwt等に基づいて車両の目標ヨーレートγtが演算され、目標ヨーレートγtと車両の実際のヨーレートγとの偏差Δγが低減されるよう各車輪の制駆動力及び左右前輪10FL、10FRの舵角が制御されることにより車両12の旋回挙動が安定化される。
図5はステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御及び左右前輪の舵角の制御により車両の挙動制御を行う従来の走行制御装置に於ける制御を示すブロック図である。
図5に示された従来の走行制御装置に於いては、所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1、走行軌跡制御についてのピニオンシャフト24の回転角の目標修正量Δθpt2、車両の旋回挙動を安定化させるためのピニオンシャフト24の回転角の目標修正量Δθptvが加算器70によって加算される。そしてθpt1+Δθpt2+Δθptvを修正後の目標回転角θptaとして左右前輪10FL、10FRの舵角が制御される。
しかし挙動安定化制御ブロック60には所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1しか入力されず、車両の目標ヨーレートγtは目標回転角θpt1に対応する舵角に基づいて演算され、走行軌跡制御による左右前輪10FL、10FRの舵角の変化を反映させた値にならない。
よって図5に示された従来の走行制御装置に於いては、走行軌跡制御が行われる場合に、走行軌跡制御による左右前輪10FL、10FRの舵角の変化を反映させて車両の旋回挙動を安定化させることができない。これに対し第二の実施形態によれば、走行軌跡制御が行われる場合には、第一の実施形態の場合と同様に走行軌跡制御による左右前輪10FL、10FRの舵角の変化を確実に反映させて車両の目標ヨーレートγtを演算することができる。
また第二の実施形態によれば、左右前輪10FL、10FRの実際の舵角に基づいて車両の目標ヨーレートγtが演算される場合に比して、運転者の操舵操作を効果的に反映させて車両の目標ヨーレートγtを演算することができる。また舵角の制御による車両の挙動制御が行われる場合にも、舵角の制御による挙動制御の影響を受けることなく車両の目標ヨーレートγtを演算することができる。よって舵角の制御による挙動制御の影響を排除しつつ運転者の操舵操作を効果的に反映させて車両の旋回挙動を安定化させることができる。
また第二の実施形態によれば、調停後の目標回転角θptと車両の旋回挙動を安定化させるためのピニオンシャフト24の回転角の目標修正量Δθptvとが加算されることにより、修正後の目標回転角θptaが演算される。そして修正後の目標回転角θptaを目標回転角として左右前輪10FL、10FRの舵角が制御される。よって舵角の制御による挙動制御の影響を排除しつつ、各車輪の制駆動力の制御のみにより車両の旋回挙動の安定化が行われる場合に比して効果的に車両の旋回挙動を安定化させることができる。
第三の実施形態
図6はセミステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御及び左右前輪の舵角の制御により車両の挙動制御を行う本発明による走行制御装置の第三の実施形態を示す概略構成図である。図7は第三の実施形態に於ける制御を示すブロック図である。
図6に於いて、200は第三の実施形態の走行制御装置を全体的に示しており、走行制御装置200は操舵伝達比可変装置(VGRS)72を含んでいる。操舵伝達比可変装置72は電子制御装置40の舵角制御部により制御される。
また図6に於いて、操舵輪である左右の前輪10FL及び10FRは運転者によるステアリングホイール14の操作に応答してパワーステアリング装置74が駆動されることによりラックバー18及びタイロッド20L及び20Rを介して転舵駆動される。
ステアリングホイール14はアッパステアリングシャフト76、操舵伝達比可変装置72、ロアステアリングシャフト78、ユニバーサルジョイント80を介してパワーステアリング装置74のピニオンシャフト82に駆動接続されている。図示の第三の実施形態に於いては、操舵伝達比可変装置72は電子制御装置40の舵角制御部により制御される補助転舵駆動用の電動機84を含んでいる。電動機84は、ハウジング84Aの側にてアッパステアリングシャフト76の下端に連結され、回転子84Bの側にてロアステアリングシャフト78の上端に連結されている。
かくして操舵伝達比可変装置72は、アッパステアリングシャフト76に対し相対的にロアステアリングシャフト78を回転駆動することにより、ステアリングホイール14の回転角度に対する左右の前輪10FL及び10FRの舵角の比、即ち操舵伝達比を変化させ、また左右の前輪10FL及び10FRをステアリングホイール14に対し相対的に補助転舵駆動する。
特に操舵伝達比可変装置72は、通常時には操舵伝達比の逆数であるステアリングギヤ比が所定の操舵特性を達成するギヤ比になるよう電動機84によりアッパステアリングシャフト76に対し相対的にロアステアリングシャフト78を回転させる。また操舵伝達比可変装置72は、挙動制御による補助転舵駆動時には電動機84によりアッパステアリングシャフト76に対し相対的にロアステアリングシャフト78を積極的に回転させ、これにより運転者の操舵操作に依存せずに左右の前輪10FL及び10FRを自動的に転舵する。
尚パワーステアリング装置74は油圧式パワーステアリング装置及び電動式パワーステアリング装置の何れであってもよいが、操舵伝達比可変装置72による前輪の補助転舵駆動により発生されステアリングホイール14に伝達される反力トルクを低減する補助操舵トルクが発生されるよう、例えば電動機と、電動機の回転トルクをラックバー18の往復動方向の力に変換するボールねじ式の如き変換機構とを有するラック同軸型の電動式パワーステアリング装置であることが好ましい。
各車輪の制動力は、他の実施形態の場合と同様に、ホイールシリンダ34FL、34FR、34RL、34RRの制動圧が制動装置30の油圧回路32によって制御されることにより制御される。
図示の第三の実施形態に於いては、アッパステアリングシャフト76には該アッパステアリングシャフトの回転角度を操舵角θsとして検出する操舵角センサ86が設けられている。また操舵伝達比可変装置72にはハウジング72A及び回転子72Bの相対回転角度をアッパステアリングシャフト76に対するロアステアリングシャフト78の相対回転角度θreとして検出する回転角度センサ88が設けられている。これらのセンサの出力は電子制御装置40の舵角制御部へ供給される。尚回転角度センサ88はピニオンシャフト82又はロアステアリングシャフト78の回転角度θpを検出する回転角度センサに置き換えられ、θp−θsが相対回転角度θreとして演算されてもよい。
また第三の実施形態に於いては、図7に示されている如く、加算器90によって所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト82の目標回転角θpt1より操舵角θsが減算される。操舵角θsは所定の操舵特性を達成するためのギヤ比可変制御が行われない場合のピニオンシャフト82の回転角θpに等しい。よって加算器90による減算により、所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト82の回転角の目標修正量Δθpt1が演算される。また軌跡制御ブロック58−1〜58−Nの何れかにより走行軌跡制御についてのピニオンシャフト82の回転角の目標修正量Δθpt2が演算される。
所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト82の回転角の目標修正量Δθpt1及び走行軌跡制御についてのピニオンシャフト82の回転角の目標修正量Δθpt2が調停ブロック92によって調停され、これによりピニオンシャフト82の回転角の調停後の目標修正量Δθptが演算される。尚調停ブロック92による調停は、回転角θpt0を含まない点を除き、調停ブロック56による調停と同様の要領にて行われてよい。
ピニオンシャフト82の回転角の調停後の目標修正量Δθptは加算器94によって操舵角θsと加算され、これにより所定の操舵特性及び所定の走行軌跡制御を達成するためのピニオンシャフト82の目標回転角θptが演算される。ピニオンシャフト82の目標回転角θptの情報は挙動安定化制御ブロック60へ入力される。
挙動安定化制御ブロック60はピニオンシャフト82の目標回転角θptに対応する舵角θwt及び車両の横加速度Gy等に基づいて車両の目標ヨーレートγtを演算する。また挙動安定化制御ブロック60は目標ヨーレートγtと車両のヨーレートγとの偏差Δγの大きさが基準値γo以上であるときには、車両の旋回挙動を安定化させるための車両の目標ヨーモーメントMt及び目標前後力Ftをヨーレート偏差Δγに基づいて演算する。そして挙動安定化制御ブロック60は、第二の実施形態の場合と同様に、目標ヨーモーメントMtを各車輪の制駆動力の制御による目標ヨーモーメントMbt及び左右前輪の舵角の制御による目標ヨーモーメントMstに分配する。
またこの実施形態に於いても、挙動安定化制御ブロック60は目標ヨーモーメントMbt及び目標前後力Ftに基づいて各車輪の目標制駆動力Fwtiを演算し、これらに基づいて制動装置30及びエンジン制御装置64を制御することによって各車輪の制駆動力を制御する。また挙動安定化制御ブロック60は目標ヨーモーメントMstに基づいてこれを達成するためのピニオンシャフト82の回転角度の目標修正量Δθptvを演算する。
ピニオンシャフト82の回転角の調停後の目標修正量Δθpt及び挙動制御のためのピニオンシャフト82の回転角度の目標修正量Δθptvは、加算器96によって加算される。これによりピニオンシャフト82の回転角度の修正後の目標修正量Δθptaが演算され、舵角制御ブロック98へ入力される。舵角制御ブロック98は、修正後の目標修正量Δθptaに基づいて、ピニオンシャフト82の回転角θpを修正後の目標修正量Δθpta修正するための操舵伝達比可変装置72の目標相対回転角度θretを演算する。この場合目標相対回転角度θretは修正後の目標修正量Δθptaと同一であってもよく、また修正後の目標修正量Δθptaに1以下のゲインを乗算した値であってもよい。
図7に於いて加算器100として示されている如く、操舵伝達比可変装置72はピニオンシャフト82の回転角度が操舵角θsと目標相対回転角度θretとの和になるよう電動機84を制御する。これにより左右の前輪10FL及び10FRの舵角が操舵角θsと目標相対回転角度θretとの和に対応する舵角θwtに制御される。
この第三の実施形態によれば、所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト82の回転角の目標修正量Δθpt1及び走行軌跡制御についてのピニオンシャフト82の回転角の目標修正量Δθpt2が調停される。また調停後の目標修正量Δθptと操舵角θsとが加算され、これにより所定の操舵特性及び所定の走行軌跡制御を達成するためのピニオンシャフト82の目標回転角θptが演算される。そして目標回転角θptに対応する舵角θwt等に基づいて車両の目標ヨーレートγtが演算され、目標ヨーレートγtと車両の実際のヨーレートγとの偏差Δγが低減されるよう各車輪の制駆動力及び左右前輪10FL、10FRの舵角が制御されることにより車両12の旋回挙動が安定化される。
また第三の実施形態によれば、第一及び第二の実施形態の場合と同様に、走行軌跡制御が行われる場合には、走行軌跡制御による左右前輪10FL、10FRの舵角の変化を確実に反映させて車両の目標ヨーレートγtを演算することができる。また第一の実施形態の場合と同様に、左右前輪の実際の舵角を検出する手段を備えていない車両に於いても、走行軌跡制御による左右前輪の舵角の変化を反映させて車両の目標ヨーレートγtを演算することができる。
また第三の実施形態によれば、操舵伝達比可変装置72によって左右前輪の舵角が制御されることにより車両の挙動制御が行われる場合にも、舵角の制御による挙動制御の影響を受けることなく車両の目標ヨーレートγtを演算することができる。よって第三の実施形態に於いても舵角の制御による挙動制御の影響を排除しつつ運転者の操舵操作を効果的に反映させて車両の旋回挙動を安定化させることができる。
また第三の実施形態によれば、調停後の目標修正量Δθptと挙動制御のための目標修正量Δθptvとが加算され、これによりピニオンシャフト82の回転角度の修正後の目標修正量Δθptaが演算される。また修正後の目標修正量Δθptaに基づく操舵伝達比可変装置72の目標相対回転角度θretと操舵角θsとの和θret+θsをピニオンシャフト82の目標回転角として左右前輪10FL、10FRの舵角が制御される。よって操舵伝達比可変装置72によって左右前輪の舵角が制御されることによる挙動制御の影響を排除しつつ、各車輪の制駆動力の制御のみにより車両の旋回挙動の安定化が行われる場合に比して効果的に車両の旋回挙動を安定化させることができる。
第四の実施形態
図8はステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御及び左右前輪の舵角の制御により車両の挙動制御を行う本発明による走行制御装置の第四の実施形態に於ける制御を示すブロック図である。
この第四の実施形態に於いては、図5に示された従来の走行制御装置の場合と同様に、所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1、走行軌跡制御についてのピニオンシャフト24の回転角の目標修正量Δθpt2、車両の旋回挙動を安定化させるためのピニオンシャフト24の回転角の目標修正量Δθptvが加算器70によって加算される。そしてθpt1+Δθpt2+Δθptvを修正後の目標回転角θptaとして左右前輪10FL、10FRの舵角が制御される。
また車両の旋回挙動を安定化させる挙動制御のための左右前輪の舵角θwcが舵角推定ブロック102によって推定される。舵角推定ブロック102は左右前輪の実際の舵角θwaを検出する手段を含んでいる。舵角推定ブロック102は挙動制御のためのピニオンシャフト24の回転角の目標修正量Δθptvに対応する左右前輪の舵角の修正量Δθwcを演算する。そして舵角推定ブロック102は検出された実際の舵角θwaより舵角の修正量Δθwcを減算することにより、挙動制御のための左右前輪の舵角θwcを演算する。左右前輪の舵角θwcの情報は挙動安定化制御ブロック60へ入力される。
図5に示された従来の走行制御装置の場合とは異なり、挙動安定化制御ブロック60には所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1の情報は入力されない。挙動安定化制御ブロック60は舵角推定ブロック102より入力される左右前輪の舵角θwcに基づき下記の式2に従って車両の目標ヨーレートγtを演算する。
尚舵角制御ブロック58による左右前輪10FL、10FRの舵角の制御及び挙動安定化制御ブロック60による目標ヨーレートγtに基づく挙動安定化制御は、上述の第二の実施形態の場合と同様に実行される。
第五の実施形態
図9はセミステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御及び左右前輪の舵角の制御により車両の挙動制御を行う本発明による走行制御装置の第五の実施形態に於ける制御を示すブロック図である。
この第五の実施形態に於いては、調停ブロック92による調停、舵角制御ブロック98による修正後の目標修正量Δθptaの演算、操舵伝達比可変装置72(加算器100)による電動機84の制御は、第三の実施形態の場合と同様に行われる。
しかし第五の実施形態に於いては、第三の実施形態に於ける加算器94は設けられておらず、従って挙動安定化制御ブロック60にはピニオンシャフト82の目標回転角θptの情報は入力されない。
また第五の実施形態に於いては、上述の第四の実施形態の場合と同様に、左右前輪の実際の舵角θwaを検出する手段を含む舵角推定ブロック102が設けられている。舵角推定ブロック102は挙動制御のためのピニオンシャフト82の回転角の目標修正量Δθptvに対応する左右前輪の舵角の修正量Δθwcを演算し、実際の舵角θwaより舵角の修正量Δθwcを減算することにより、挙動制御のための左右前輪の舵角θwcを演算する。
挙動安定化制御ブロック60は舵角推定ブロック102より入力される左右前輪の舵角θwcに基づき上記式2に従って車両の目標ヨーレートγtを演算し、上述の第四の実施形態の場合と同様に目標ヨーレートγtに基づいて挙動安定化制御を実行する。
また挙動安定化制御ブロック60により演算される挙動制御のためのピニオンシャフト82の回転角の目標修正量Δθptvの情報は、加算器96によってピニオンシャフト82の回転角の調停後の目標修正量Δθptと加算される。これによりピニオンシャフト82の回転角度の修正後の目標修正量Δθptaが演算される。
かくして第四及び第五の実施形態によれば、挙動制御のための左右前輪の舵角θwcは、左右前輪の実際の舵角θwaより挙動制御のための舵角の修正量Δθwcが減算されることにより演算される。従って挙動制御のための左右前輪の舵角θwcは、所定の操舵特性を達成するための舵角の変化や走行軌跡制御による舵角の変化を反映しているが、挙動制御の影響を受けていない値である。
よって第四及び第五の実施形態によれば、第二及び第三の実施形態の場合と同様に、走行軌跡制御が行われる場合には、走行軌跡制御による左右前輪10FL、10FRの舵角の変化を確実に反映させて車両の目標ヨーレートγtを演算することができる。よって走行軌跡制御による左右前輪の舵角の変化を確実に反映させて車両の挙動制御を行うことができる。
また第四及び第五の実施形態によれば、左右前輪10FL、10FRの実際の舵角そのものに基づいて車両の目標ヨーレートγtが演算される場合に比して、運転者の操舵操作を効果的に反映させると共に、舵角の制御による挙動制御の影響を受けることなく車両の目標ヨーレートγtを演算することができる。よって舵角の制御による挙動制御の影響を排除しつつ運転者の操舵操作を効果的に反映させて車両の旋回挙動を安定化させることができる。
また第四の実施形態によれば、所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1と、走行軌跡制御についての目標修正量Δθp2と、車両の旋回挙動を安定化させるための目標修正量Δθptvとが加算されることにより、修正後の目標回転角θptaが演算される。そして修正後の目標回転角θptaを目標回転角として左右前輪10FL、10FRの舵角が制御される。
また第五の実施形態によれば、所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の回転角の目標修正量Δθpt1と、走行軌跡制御についての目標修正量Δθpt2と、車両の旋回挙動を安定化させるための目標修正量Δθptvとが加算されることにより、修正後の回転角の目標修正量Δθptaが演算される。そして修正後の回転角の目標修正量Δθptaに基づく値を操舵伝達比可変装置72の目標相対回転角として左右前輪10FL、10FRの舵角が制御される。
よって第四及び第五の実施形態によれば、舵角の制御による挙動制御の影響を排除しつつ、各車輪の制駆動力の制御のみにより車両の旋回挙動の安定化が行われる場合に比して効果的に車両の旋回挙動を安定化させることができる。
特に第四の実施形態によれば、図4と図8との比較より解る如く、調停ブロック56に於ける調停処理に代えて加算器70による単純な加算処理でよく、舵角推定ブロック102に於ける演算も単純であるので、上述の第二の実施形態に比して単純な構成にすることができる。
尚第四及び第五の実施形態に於いては、舵角推定ブロック102は左右前輪の実際の舵角θwaを検出する手段を含み、実際の舵角θwaより舵角の修正量Δθwcを減算することにより、挙動制御のための左右前輪の舵角θwcを演算するようになっている。しかしそれぞれ第四及び第五の実施形態の修正例を示す図10及び図11に示されている如く、実際の舵角θwaは左右前輪10FL、10FRの舵角を変化させる手段の作動量、即ち電動機28や操舵伝達比可変装置72の作動量に基づいて推定されてもよい。
以上に於いては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば上述の各実施形態に於いては、舵角制御ブロック58、98への入力、即ち舵角制御の目標旋回状態量は、ピニオンシャフトの目標回転角又はピニオンシャフトの回転角の目標修正量である。しかし舵角制御の目標旋回状態量は車両の目標ヨーレート、操舵輪の目標舵角、舵角制御手段(例えば電動機28や操舵伝達比可変装置72)の目標制御量、運転者による目標操舵操作量の何れかであってもよい。
また上述の各実施形態に於いては、走行軌跡制御に於ける車両の旋回は左右前輪10FL、10FRの舵角を制御することにより達成されるようになっているが、左右前輪10FL、10FRの舵角及び各車輪の制駆動力を制御することにより達成されるよう修正されてもよい。
また上述の各実施形態に於いては、目標ヨーレートγtと実際のヨーレートγとの偏差Δγが演算され、各車輪の目標制駆動力又は各車輪の目標制駆動力と共に左右前輪の舵角が制御されることにより車両の旋回挙動が安定化される。しかし車両の挙動制御は車両の旋回状態を目標旋回状態にするための目標旋回状態制御量が求められ、目標旋回状態制御量に基づいて車両の旋回状態が制御される限り、任意の要領にて実行されてよい。
例えばヨーレート偏差Δγを低減するフィードバック制御量に加えてフィードフォワード制御量が付加されてもよく、また各車輪の制駆動力の制御は制動力の制御のみにより達成されてもよい。
更に上述の各実施形態に於いては、左右前輪の舵角が制御されるようになっているが、本発明の走行制御装置は左右前輪に加えて左右後輪も舵角制御される車両に適用されてもよい。
特に前後輪がステアバイワイヤ式に舵角制御される場合には、後輪の目標舵角も演算され、調停ブロック56による調停が前輪及び後輪の両者について行われる。また挙動制御が前輪及び後輪の舵角制御によっても行われる場合には、例えば目標ヨーモーメントMstが前後輪に分配されることにより、挙動制御のための前輪及び後輪の舵角の修正量が演算され、前輪及び後輪の各々について調停後の目標値に挙動制御のための修正量が加算された値が修正後の目標値とされる。
また前輪がセミステアバイワイヤ式に舵角制御され、後輪がステアバイワイヤ式に舵角制御される場合には、前輪が第三の実施形態と同様に制御され、前後輪がステアバイワイヤ式に舵角制御される場合と同様の要領にて後輪が制御されてよい。
第一の実施形態
図1はステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御により車両の挙動制御を行う本発明による走行制御装置の第一の実施形態を示す概略構成図である。
図1に於いて、150は第一の実施形態の走行制御装置を全体的に示している。また図1に於いて、10FL及び10FRはそれぞれ車両12の操舵輪である左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれぞれ車両の左右の後輪を示している。操舵入力手段としてのステアリングホイール14が運転者によって操舵操作されると、ラック・アンド・ピニオン型のステアリング機構16によりラックバー18及びタイロッド20L及び20Rが駆動され、これにより左右の前輪10FL及び10FRが転舵される。
ステアリングホイール14に連結されたステアリングシャフト22及びステアリング機構16のピニオンシャフト24は相互に連結されていない。ステアリングシャフト22には図1には示されていない減速歯車機構を介して操舵反力トルク付与用の電動機26が連結されている。電動機26は電子制御装置40の舵角制御部によって制御され、これによりステアリングホイール14に操舵反力トルクが付与される。ピニオンシャフト24には図1には示されていない減速歯車機構を介して転舵駆動用の電動機28が連結されている。電動機28も電子制御装置40の舵角制御部によって制御され、これによりピニオンシャフト24が回転駆動される。
尚図示の実施形態に於いては、ピニオンシャフト24の回転は回転−直線運動変換機構としてのラック・アンド・ピニオン型のステアリング機構16によりラックバー18の直線運動に変換されるようになっているが、ステアリング機構は当技術分野に於いて公知の任意の構成のものであってよい。
各車輪の制動力は制動装置30の油圧回路32によりホイールシリンダ34FL、34FR、34RL、34RRの制動圧が制御されることによって制御されるようになっている。図には示されていないが、油圧回路32はオイルリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧は通常時には運転者によるブレーキペダル36の踏み込み操作に応じて駆動されるマスタシリンダ38により制御され、また必要に応じて後に詳細に説明する如く電子制御装置40の制動力制御部又は挙動制御部により個別に制御される。
ステアリングシャフト22には操舵角θsを検出する操舵角センサ42が設けられており、操舵角センサ30により検出された操舵角θsを示す信号は電子制御装置40へ入力される。電子制御装置40には車速センサ44により検出された車速Vを示す信号、ヨーレートセンサ46により検出された車両のヨーレートγを示す信号、回転角センサ48により検出されたピニオンシャフト24の回転角θpを示す信号も入力される。尚操舵角センサ42、ヨーレートセンサ46、回転角センサ48はそれぞれ車両の左旋回方向への操舵の場合を正として操舵角θs、ヨーレートγ、回転角θpを検出する。
電子制御装置40の舵角制御部は、通常時には車速Vが高いほどステアリングギヤ比Rs(操舵伝達比の逆数)が大きくなるよう、所定の操舵特性を達成するためのステアリングギヤ比Rsを車速Vに基づいて演算する。そして電子制御装置40の舵角制御部は、操舵角θs及びステアリングギヤ比Rsに基づいてピニオンシャフト24の目標回転角θpt1を演算し、ピニオンシャフト24の回転角θpが目標回転角θpt1になるよう電動機28を制御する。これにより左右の前輪10FL及び10FRが運転者の操舵操作に応じて所定の操舵特性にて転舵される。
図1には示されていないが、走行制御装置150はレーンキープアシスト、インテリジェントパーキングアシスト、自動運転の如く、車両の走行軌跡を制御する走行軌跡制御のオン、オフを制御する走行軌跡制御スイッチを備えている。電子制御装置40の軌跡制御部は、走行軌跡制御スイッチがオン状態にあり、走行軌跡制御が実行されているときには、車両の目標走行軌跡及び目標車速を演算する。そして電子制御装置40の軌跡制御部は、車両の走行軌跡が目標走行軌跡になると共に車速Vが目標車速になるよう、運転者の操舵操作に関係なく左右の前輪10FL及び10FRを転舵し、車速Vを制御する。尚走行軌跡制御は複数行われるのではなく、一つの走行軌跡制御しか行われなくてもよい。
また電子制御装置40の挙動制御部は、車両の目標ヨーレートγtを演算すると共に、目標ヨーレートγtとヨーレートセンサ46により検出された車両の実際のヨーレートγとの偏差Δγを演算する。そして電子制御装置40の挙動制御部は、ヨーレート偏差Δγの大きさが基準値γo以上であるときには、車両の旋回挙動を安定化させるための車両の目標ヨーモーメントMt及び目標前後力Ftをヨーレート偏差Δγに基づいて演算する。
更に電子制御装置40の挙動制御部は、目標ヨーモーメントMt及び目標前後力Ftに基づいて各車輪の目標制駆動力Fwti(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、各車輪の制駆動力を対応する目標制駆動力Fwtiになるよう制御し、これによりヨーレート偏差Δγを低減して車両の旋回挙動を安定化させる。
尚図1には詳細に示されていないが、電子制御装置40の舵角制御部、軌跡制御部、制動力制御部、挙動制御部はそれぞれCPUとROMとRAMと入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続されたマイクロコンピュータ及び駆動回路よりなっていてよい。また電子制御装置40の各制御部のマイクロコンピュータは相互に通信可能に互いに接続されている。
次に図2に示されたブロック図を参照して第一の実施形態の構成及び作動を更に説明する。
図2に示されている如く、運転者50によりステアリングホイール14が操舵操作されると、それに応じて操舵角θsが変化する。操舵角θsはギヤ比可変ブロック54によってステアリングギヤ比Rsにて除算され、これにより所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1が演算され、調停ブロック56へ入力される。
またレーンキープアシスト、インテリジェントパーキングアシスト、自動運転の如き車両の走行軌跡制御を実行する軌跡制御ブロック58−1〜58−Nの何れかの制御がオン状態にあるときには、調停ブロック56にはその軌跡制御ブロックより走行軌跡制御についてのピニオンシャフト24の目標回転角θpt2が入力される。
調停ブロック56は所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1及び走行軌跡制御についてのピニオンシャフト24の目標回転角θpt2を調停することにより、調停後のピニオンシャフト24の目標回転角θptを演算する。
尚調停ブロック56による調停の内容自体は本発明の要旨をなすものではないので、調停後のピニオンシャフト24の目標回転角θptが目標回転角θpt1及びθpt2の両者を考慮して演算される限り任意の要領にて行われてよい。例えば所定の操舵特性の制御を行わない場合の操舵角θsに対応するピニオンシャフト24の回転角をθpt0とし、目標回転角θpt1と回転角θpt0との偏差をΔθpt1とし、目標回転角θpt2と回転角θpt0との偏差をΔθpt2として、調停後のピニオンシャフト24の目標回転角θptはθpt0+K1Δθpt1+K2Δθpt2に演算されてよい。この場合係数K1及びK2はそれぞれ1に設定されてもよく、また車両の挙動や周辺情報等に応じて0以上で1以下の値に可変設定されてもよい。また調停後のピニオンシャフト24の目標回転角θptは必要に応じて目標回転角θpt1及びθpt2のうちの大きい方の値に設定されてもよい。
調停後のピニオンシャフト24の目標回転角θptの情報は、電動機28を制御することにより左右の前輪10FL及び10FRの舵角を制御する舵角制御ブロック58へ入力される。舵角制御ブロック58はピニオンシャフト24の目標回転角θpが調停後の目標回転角θptになるよう、電動機28を調停後の目標回転角θptに基づいて制御する。これにより左右の前輪10FL及び10FRの舵角が調停後の目標回転角θptに対応する舵角θwtに制御される。
また調停後のピニオンシャフト24の目標回転角θptの情報は、各車輪の制駆動力を制御することにより車両の旋回挙動を安定化させる挙動安定化制御ブロック60へ入力される。また挙動安定化制御ブロック60には運動情報検出センサ62より車両の横加速度Gyの如き運動情報が入力される。挙動安定化制御ブロック60は調停後の目標回転角θptに対応する舵角θwt及び車両の横加速度Gy等に基づいて車両の目標ヨーレートγtを演算する。
例えば車両のホイールベースをLとし、車両のスタビリティファクタをKhとして、挙動安定化制御ブロック60は調停後の目標回転角θptに対応する舵角θwt、車両の横加速度Gy、車速Vに基づいて下記の式1に従って車両の目標ヨーレートγtを演算するようになっていてよい。
そして挙動安定化制御ブロック60は電子制御装置40の挙動制御部の上記機能を果たすことにより、車両の目標ヨーモーメントMt及び目標前後力Ftを演算する。更に挙動安定化制御ブロック60は目標ヨーレートγt及び目標前後力Ftを達成するための各車輪の目標制駆動力Ftiを演算し、各車輪の制駆動力が目標制駆動力Ftiになるよう制動装置30及びエンジン制御装置64を制御する。かくして挙動安定化制御ブロック60はヨーレート偏差Δγが低減されるよう各車輪の制駆動力を制御することにより車両12の旋回挙動を安定化させる。
この第一の実施形態によれば、所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1及び走行軌跡制御についてのピニオンシャフト24の目標回転角θpt2が調停されることにより、調停後のピニオンシャフト24の目標回転角θptが演算される。そして調停後の目標回転角θptに対応する舵角θwt及び車両の横加速度Gy等に基づいて車両の目標ヨーレートγtが演算され、目標ヨーレートγtと車両の実際のヨーレートγとの偏差Δγが低減されるよう各車輪の制駆動力が制御されることにより車両12の旋回挙動が安定化される。
従って調停後の目標回転角θptに対応する舵角θwtは、所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1に対応する舵角とは異なり、走行軌跡制御による左右前輪10FL、10FRの舵角の変化を反映させた値になる。また調停後の目標回転角θptに対応する舵角θwtは、左右前輪10FL、10FRの実際の舵角に比して、運転者の操舵操作を好ましく反映させた値になる。
図3はステアバイワイヤ式の車両に適用された従来の走行制御装置を示す図2と同様のブロック図である。図3に示された従来の走行制御装置に於いては、軌跡制御ブロック58−1〜58−Nの何れかにより走行軌跡制御についてのピニオンシャフト24の回転角の目標修正量Δθpt2が演算される。また所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1及び走行軌跡制御についてのピニオンシャフト24の回転角の目標修正量Δθpt2が加算器66によって加算される。そしてθpt1+Δθpt2を目標回転角θptとして左右前輪10FL、10FRの舵角が制御される。
しかし挙動安定化制御ブロック60には所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1しか入力されず、車両の目標ヨーレートγtは目標回転角θpt1に対応する舵角に基づいて演算され、走行軌跡制御による左右前輪10FL、10FRの舵角の変化を反映させた値にならない。
よって図3に示された従来の走行制御装置に於いては、走行軌跡制御が行われる場合に、走行軌跡制御による左右前輪10FL、10FRの舵角の変化を反映させて車両の旋回挙動を安定化させることができない。これに対し第一の実施形態によれば、走行軌跡制御が行われる場合には、走行軌跡制御による左右前輪10FL、10FRの舵角の変化を確実に反映させて車両の目標ヨーレートγtを演算することができる。
また左右前輪10FL、10FRの実際の舵角に基づいて車両の目標ヨーレートγtが演算される場合には、左右前輪の実際の舵角を検出する手段が必要である。これに対し第一の実施形態によれば、左右前輪の実際の舵角を検出する手段を備えていない車両に於いても、走行軌跡制御による左右前輪の舵角の変化を反映させて車両の目標ヨーレートγtを演算することができる。
第二の実施形態
図4はステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御及び左右前輪の舵角の制御により車両の挙動制御を行う本発明による走行制御装置の第二の実施形態に於ける制御を示すブロック図である。
この第二の実施形態に於いては、左右の前輪10FL及び10FRは上述の第一の実施形態の場合と同様にステアバイワイヤ式に転舵されるが、車両の旋回挙動が不安定であるときには各車輪の制駆動力が制御されると共に左右の前輪10FL及び10FRが転舵されることにより旋回挙動が安定化される。
図4に示されている如く、調停後のピニオンシャフト24の目標回転角θptの情報は、挙動安定化制御ブロック60へ入力されると共に、加算器68へ入力される。この実施形態に於いても、挙動安定化制御ブロック60は調停ブロック56により調停された後のピニオンシャフト24の目標回転角θptに基づいて車両の目標ヨーレートγtを演算し、該目標ヨーレートγtに基づいてヨーレート偏差Δγを演算する。
そして挙動安定化制御ブロック60はヨーレート偏差Δγの大きさが基準値γo以上であるときには、車両の旋回挙動を安定化させるための車両の目標ヨーモーメントMt及び目標前後力Ftをヨーレート偏差Δγに基づいて演算する。また挙動安定化制御ブロック60は車両の目標ヨーモーメントMtを各車輪の制駆動力の制御による目標ヨーモーメントMbt及び左右前輪10FL、10FRの舵角の制御による目標ヨーモーメントMstに分配する。
更に挙動安定化制御ブロック60は目標ヨーモーメントMbtに基づいて各車輪の目標制駆動力Fwtiを演算し、これらに基づいて各車輪の制駆動力を制御すると共に、目標ヨーモーメントMstを達成するための左右前輪10FL、10FRの舵角に基づいてピニオンシャフト24の回転角の目標修正量Δθptvを演算する。
舵角の目標修正量Δθptvの情報は加算器68へ入力され、加算器68により目標回転角θptと目標修正量Δθptvとが加算されることにより、修正後の目標回転角θptaが演算され、舵角制御ブロック58へ入力される。舵角制御ブロック58はピニオンシャフト24の回転角θpが修正後の目標回転角θptaになるよう、電動機28を修正後の目標回転角θptaに基づいて制御する。これにより左右の前輪10FL及び10FRの舵角が修正後の目標回転角θptaに対応する舵角θwtaに制御される。
この第二の実施形態によれば、所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1及び走行軌跡制御についてのピニオンシャフト24の目標回転角θpt2が調停される。そして調停後の目標回転角θptに対応する舵角θwt等に基づいて車両の目標ヨーレートγtが演算され、目標ヨーレートγtと車両の実際のヨーレートγとの偏差Δγが低減されるよう各車輪の制駆動力及び左右前輪10FL、10FRの舵角が制御されることにより車両12の旋回挙動が安定化される。
図5はステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御及び左右前輪の舵角の制御により車両の挙動制御を行う従来の走行制御装置に於ける制御を示すブロック図である。
図5に示された従来の走行制御装置に於いては、所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1、走行軌跡制御についてのピニオンシャフト24の回転角の目標修正量Δθpt2、車両の旋回挙動を安定化させるためのピニオンシャフト24の回転角の目標修正量Δθptvが加算器70によって加算される。そしてθpt1+Δθpt2+Δθptvを修正後の目標回転角θptaとして左右前輪10FL、10FRの舵角が制御される。
しかし挙動安定化制御ブロック60には所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1しか入力されず、車両の目標ヨーレートγtは目標回転角θpt1に対応する舵角に基づいて演算され、走行軌跡制御による左右前輪10FL、10FRの舵角の変化を反映させた値にならない。
よって図5に示された従来の走行制御装置に於いては、走行軌跡制御が行われる場合に、走行軌跡制御による左右前輪10FL、10FRの舵角の変化を反映させて車両の旋回挙動を安定化させることができない。これに対し第二の実施形態によれば、走行軌跡制御が行われる場合には、第一の実施形態の場合と同様に走行軌跡制御による左右前輪10FL、10FRの舵角の変化を確実に反映させて車両の目標ヨーレートγtを演算することができる。
また第二の実施形態によれば、左右前輪10FL、10FRの実際の舵角に基づいて車両の目標ヨーレートγtが演算される場合に比して、運転者の操舵操作を効果的に反映させて車両の目標ヨーレートγtを演算することができる。また舵角の制御による車両の挙動制御が行われる場合にも、舵角の制御による挙動制御の影響を受けることなく車両の目標ヨーレートγtを演算することができる。よって舵角の制御による挙動制御の影響を排除しつつ運転者の操舵操作を効果的に反映させて車両の旋回挙動を安定化させることができる。
また第二の実施形態によれば、調停後の目標回転角θptと車両の旋回挙動を安定化させるためのピニオンシャフト24の回転角の目標修正量Δθptvとが加算されることにより、修正後の目標回転角θptaが演算される。そして修正後の目標回転角θptaを目標回転角として左右前輪10FL、10FRの舵角が制御される。よって舵角の制御による挙動制御の影響を排除しつつ、各車輪の制駆動力の制御のみにより車両の旋回挙動の安定化が行われる場合に比して効果的に車両の旋回挙動を安定化させることができる。
第三の実施形態
図6はセミステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御及び左右前輪の舵角の制御により車両の挙動制御を行う本発明による走行制御装置の第三の実施形態を示す概略構成図である。図7は第三の実施形態に於ける制御を示すブロック図である。
図6に於いて、200は第三の実施形態の走行制御装置を全体的に示しており、走行制御装置200は操舵伝達比可変装置(VGRS)72を含んでいる。操舵伝達比可変装置72は電子制御装置40の舵角制御部により制御される。
また図6に於いて、操舵輪である左右の前輪10FL及び10FRは運転者によるステアリングホイール14の操作に応答してパワーステアリング装置74が駆動されることによりラックバー18及びタイロッド20L及び20Rを介して転舵駆動される。
ステアリングホイール14はアッパステアリングシャフト76、操舵伝達比可変装置72、ロアステアリングシャフト78、ユニバーサルジョイント80を介してパワーステアリング装置74のピニオンシャフト82に駆動接続されている。図示の第三の実施形態に於いては、操舵伝達比可変装置72は電子制御装置40の舵角制御部により制御される補助転舵駆動用の電動機84を含んでいる。電動機84は、ハウジング84Aの側にてアッパステアリングシャフト76の下端に連結され、回転子84Bの側にてロアステアリングシャフト78の上端に連結されている。
かくして操舵伝達比可変装置72は、アッパステアリングシャフト76に対し相対的にロアステアリングシャフト78を回転駆動することにより、ステアリングホイール14の回転角度に対する左右の前輪10FL及び10FRの舵角の比、即ち操舵伝達比を変化させ、また左右の前輪10FL及び10FRをステアリングホイール14に対し相対的に補助転舵駆動する。
特に操舵伝達比可変装置72は、通常時には操舵伝達比の逆数であるステアリングギヤ比が所定の操舵特性を達成するギヤ比になるよう電動機84によりアッパステアリングシャフト76に対し相対的にロアステアリングシャフト78を回転させる。また操舵伝達比可変装置72は、挙動制御による補助転舵駆動時には電動機84によりアッパステアリングシャフト76に対し相対的にロアステアリングシャフト78を積極的に回転させ、これにより運転者の操舵操作に依存せずに左右の前輪10FL及び10FRを自動的に転舵する。
尚パワーステアリング装置74は油圧式パワーステアリング装置及び電動式パワーステアリング装置の何れであってもよいが、操舵伝達比可変装置72による前輪の補助転舵駆動により発生されステアリングホイール14に伝達される反力トルクを低減する補助操舵トルクが発生されるよう、例えば電動機と、電動機の回転トルクをラックバー18の往復動方向の力に変換するボールねじ式の如き変換機構とを有するラック同軸型の電動式パワーステアリング装置であることが好ましい。
各車輪の制動力は、他の実施形態の場合と同様に、ホイールシリンダ34FL、34FR、34RL、34RRの制動圧が制動装置30の油圧回路32によって制御されることにより制御される。
図示の第三の実施形態に於いては、アッパステアリングシャフト76には該アッパステアリングシャフトの回転角度を操舵角θsとして検出する操舵角センサ86が設けられている。また操舵伝達比可変装置72にはハウジング72A及び回転子72Bの相対回転角度をアッパステアリングシャフト76に対するロアステアリングシャフト78の相対回転角度θreとして検出する回転角度センサ88が設けられている。これらのセンサの出力は電子制御装置40の舵角制御部へ供給される。尚回転角度センサ88はピニオンシャフト82又はロアステアリングシャフト78の回転角度θpを検出する回転角度センサに置き換えられ、θp−θsが相対回転角度θreとして演算されてもよい。
また第三の実施形態に於いては、図7に示されている如く、加算器90によって所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト82の目標回転角θpt1より操舵角θsが減算される。操舵角θsは所定の操舵特性を達成するためのギヤ比可変制御が行われない場合のピニオンシャフト82の回転角θpに等しい。よって加算器90による減算により、所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト82の回転角の目標修正量Δθpt1が演算される。また軌跡制御ブロック58−1〜58−Nの何れかにより走行軌跡制御についてのピニオンシャフト82の回転角の目標修正量Δθpt2が演算される。
所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト82の回転角の目標修正量Δθpt1及び走行軌跡制御についてのピニオンシャフト82の回転角の目標修正量Δθpt2が調停ブロック92によって調停され、これによりピニオンシャフト82の回転角の調停後の目標修正量Δθptが演算される。尚調停ブロック92による調停は、回転角θpt0を含まない点を除き、調停ブロック56による調停と同様の要領にて行われてよい。
ピニオンシャフト82の回転角の調停後の目標修正量Δθptは加算器94によって操舵角θsと加算され、これにより所定の操舵特性及び所定の走行軌跡制御を達成するためのピニオンシャフト82の目標回転角θptが演算される。ピニオンシャフト82の目標回転角θptの情報は挙動安定化制御ブロック60へ入力される。
挙動安定化制御ブロック60はピニオンシャフト82の目標回転角θptに対応する舵角θwt及び車両の横加速度Gy等に基づいて車両の目標ヨーレートγtを演算する。また挙動安定化制御ブロック60は目標ヨーレートγtと車両のヨーレートγとの偏差Δγの大きさが基準値γo以上であるときには、車両の旋回挙動を安定化させるための車両の目標ヨーモーメントMt及び目標前後力Ftをヨーレート偏差Δγに基づいて演算する。そして挙動安定化制御ブロック60は、第二の実施形態の場合と同様に、目標ヨーモーメントMtを各車輪の制駆動力の制御による目標ヨーモーメントMbt及び左右前輪の舵角の制御による目標ヨーモーメントMstに分配する。
またこの実施形態に於いても、挙動安定化制御ブロック60は目標ヨーモーメントMbt及び目標前後力Ftに基づいて各車輪の目標制駆動力Fwtiを演算し、これらに基づいて制動装置30及びエンジン制御装置64を制御することによって各車輪の制駆動力を制御する。また挙動安定化制御ブロック60は目標ヨーモーメントMstに基づいてこれを達成するためのピニオンシャフト82の回転角度の目標修正量Δθptvを演算する。
ピニオンシャフト82の回転角の調停後の目標修正量Δθpt及び挙動制御のためのピニオンシャフト82の回転角度の目標修正量Δθptvは、加算器96によって加算される。これによりピニオンシャフト82の回転角度の修正後の目標修正量Δθptaが演算され、舵角制御ブロック98へ入力される。舵角制御ブロック98は、修正後の目標修正量Δθptaに基づいて、ピニオンシャフト82の回転角θpを修正後の目標修正量Δθpta修正するための操舵伝達比可変装置72の目標相対回転角度θretを演算する。この場合目標相対回転角度θretは修正後の目標修正量Δθptaと同一であってもよく、また修正後の目標修正量Δθptaに1以下のゲインを乗算した値であってもよい。
図7に於いて加算器100として示されている如く、操舵伝達比可変装置72はピニオンシャフト82の回転角度が操舵角θsと目標相対回転角度θretとの和になるよう電動機84を制御する。これにより左右の前輪10FL及び10FRの舵角が操舵角θsと目標相対回転角度θretとの和に対応する舵角θwtに制御される。
この第三の実施形態によれば、所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト82の回転角の目標修正量Δθpt1及び走行軌跡制御についてのピニオンシャフト82の回転角の目標修正量Δθpt2が調停される。また調停後の目標修正量Δθptと操舵角θsとが加算され、これにより所定の操舵特性及び所定の走行軌跡制御を達成するためのピニオンシャフト82の目標回転角θptが演算される。そして目標回転角θptに対応する舵角θwt等に基づいて車両の目標ヨーレートγtが演算され、目標ヨーレートγtと車両の実際のヨーレートγとの偏差Δγが低減されるよう各車輪の制駆動力及び左右前輪10FL、10FRの舵角が制御されることにより車両12の旋回挙動が安定化される。
また第三の実施形態によれば、第一及び第二の実施形態の場合と同様に、走行軌跡制御が行われる場合には、走行軌跡制御による左右前輪10FL、10FRの舵角の変化を確実に反映させて車両の目標ヨーレートγtを演算することができる。また第一の実施形態の場合と同様に、左右前輪の実際の舵角を検出する手段を備えていない車両に於いても、走行軌跡制御による左右前輪の舵角の変化を反映させて車両の目標ヨーレートγtを演算することができる。
また第三の実施形態によれば、操舵伝達比可変装置72によって左右前輪の舵角が制御されることにより車両の挙動制御が行われる場合にも、舵角の制御による挙動制御の影響を受けることなく車両の目標ヨーレートγtを演算することができる。よって第三の実施形態に於いても舵角の制御による挙動制御の影響を排除しつつ運転者の操舵操作を効果的に反映させて車両の旋回挙動を安定化させることができる。
また第三の実施形態によれば、調停後の目標修正量Δθptと挙動制御のための目標修正量Δθptvとが加算され、これによりピニオンシャフト82の回転角度の修正後の目標修正量Δθptaが演算される。また修正後の目標修正量Δθptaに基づく操舵伝達比可変装置72の目標相対回転角度θretと操舵角θsとの和θret+θsをピニオンシャフト82の目標回転角として左右前輪10FL、10FRの舵角が制御される。よって操舵伝達比可変装置72によって左右前輪の舵角が制御されることによる挙動制御の影響を排除しつつ、各車輪の制駆動力の制御のみにより車両の旋回挙動の安定化が行われる場合に比して効果的に車両の旋回挙動を安定化させることができる。
第四の実施形態
図8はステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御及び左右前輪の舵角の制御により車両の挙動制御を行う本発明による走行制御装置の第四の実施形態に於ける制御を示すブロック図である。
この第四の実施形態に於いては、図5に示された従来の走行制御装置の場合と同様に、所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1、走行軌跡制御についてのピニオンシャフト24の回転角の目標修正量Δθpt2、車両の旋回挙動を安定化させるためのピニオンシャフト24の回転角の目標修正量Δθptvが加算器70によって加算される。そしてθpt1+Δθpt2+Δθptvを修正後の目標回転角θptaとして左右前輪10FL、10FRの舵角が制御される。
また車両の旋回挙動を安定化させる挙動制御のための左右前輪の舵角θwcが舵角推定ブロック102によって推定される。舵角推定ブロック102は左右前輪の実際の舵角θwaを検出する手段を含んでいる。舵角推定ブロック102は挙動制御のためのピニオンシャフト24の回転角の目標修正量Δθptvに対応する左右前輪の舵角の修正量Δθwcを演算する。そして舵角推定ブロック102は検出された実際の舵角θwaより舵角の修正量Δθwcを減算することにより、挙動制御のための左右前輪の舵角θwcを演算する。左右前輪の舵角θwcの情報は挙動安定化制御ブロック60へ入力される。
図5に示された従来の走行制御装置の場合とは異なり、挙動安定化制御ブロック60には所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1の情報は入力されない。挙動安定化制御ブロック60は舵角推定ブロック102より入力される左右前輪の舵角θwcに基づき下記の式2に従って車両の目標ヨーレートγtを演算する。
尚舵角制御ブロック58による左右前輪10FL、10FRの舵角の制御及び挙動安定化制御ブロック60による目標ヨーレートγtに基づく挙動安定化制御は、上述の第二の実施形態の場合と同様に実行される。
第五の実施形態
図9はセミステアバイワイヤ式の車両に適用され各車輪の制駆動力の制御及び左右前輪の舵角の制御により車両の挙動制御を行う本発明による走行制御装置の第五の実施形態に於ける制御を示すブロック図である。
この第五の実施形態に於いては、調停ブロック92による調停、舵角制御ブロック98による修正後の目標修正量Δθptaの演算、操舵伝達比可変装置72(加算器100)による電動機84の制御は、第三の実施形態の場合と同様に行われる。
しかし第五の実施形態に於いては、第三の実施形態に於ける加算器94は設けられておらず、従って挙動安定化制御ブロック60にはピニオンシャフト82の目標回転角θptの情報は入力されない。
また第五の実施形態に於いては、上述の第四の実施形態の場合と同様に、左右前輪の実際の舵角θwaを検出する手段を含む舵角推定ブロック102が設けられている。舵角推定ブロック102は挙動制御のためのピニオンシャフト82の回転角の目標修正量Δθptvに対応する左右前輪の舵角の修正量Δθwcを演算し、実際の舵角θwaより舵角の修正量Δθwcを減算することにより、挙動制御のための左右前輪の舵角θwcを演算する。
挙動安定化制御ブロック60は舵角推定ブロック102より入力される左右前輪の舵角θwcに基づき上記式2に従って車両の目標ヨーレートγtを演算し、上述の第四の実施形態の場合と同様に目標ヨーレートγtに基づいて挙動安定化制御を実行する。
また挙動安定化制御ブロック60により演算される挙動制御のためのピニオンシャフト82の回転角の目標修正量Δθptvの情報は、加算器96によってピニオンシャフト82の回転角の調停後の目標修正量Δθptと加算される。これによりピニオンシャフト82の回転角度の修正後の目標修正量Δθptaが演算される。
かくして第四及び第五の実施形態によれば、挙動制御のための左右前輪の舵角θwcは、左右前輪の実際の舵角θwaより挙動制御のための舵角の修正量Δθwcが減算されることにより演算される。従って挙動制御のための左右前輪の舵角θwcは、所定の操舵特性を達成するための舵角の変化や走行軌跡制御による舵角の変化を反映しているが、挙動制御の影響を受けていない値である。
よって第四及び第五の実施形態によれば、第二及び第三の実施形態の場合と同様に、走行軌跡制御が行われる場合には、走行軌跡制御による左右前輪10FL、10FRの舵角の変化を確実に反映させて車両の目標ヨーレートγtを演算することができる。よって走行軌跡制御による左右前輪の舵角の変化を確実に反映させて車両の挙動制御を行うことができる。
また第四及び第五の実施形態によれば、左右前輪10FL、10FRの実際の舵角そのものに基づいて車両の目標ヨーレートγtが演算される場合に比して、運転者の操舵操作を効果的に反映させると共に、舵角の制御による挙動制御の影響を受けることなく車両の目標ヨーレートγtを演算することができる。よって舵角の制御による挙動制御の影響を排除しつつ運転者の操舵操作を効果的に反映させて車両の旋回挙動を安定化させることができる。
また第四の実施形態によれば、所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の目標回転角θpt1と、走行軌跡制御についての目標修正量Δθp2と、車両の旋回挙動を安定化させるための目標修正量Δθptvとが加算されることにより、修正後の目標回転角θptaが演算される。そして修正後の目標回転角θptaを目標回転角として左右前輪10FL、10FRの舵角が制御される。
また第五の実施形態によれば、所定の操舵特性を達成するためのピニオンシャフト24の回転角の目標修正量Δθpt1と、走行軌跡制御についての目標修正量Δθpt2と、車両の旋回挙動を安定化させるための目標修正量Δθptvとが加算されることにより、修正後の回転角の目標修正量Δθptaが演算される。そして修正後の回転角の目標修正量Δθptaに基づく値を操舵伝達比可変装置72の目標相対回転角として左右前輪10FL、10FRの舵角が制御される。
よって第四及び第五の実施形態によれば、舵角の制御による挙動制御の影響を排除しつつ、各車輪の制駆動力の制御のみにより車両の旋回挙動の安定化が行われる場合に比して効果的に車両の旋回挙動を安定化させることができる。
特に第四の実施形態によれば、図4と図8との比較より解る如く、調停ブロック56に於ける調停処理に代えて加算器70による単純な加算処理でよく、舵角推定ブロック102に於ける演算も単純であるので、上述の第二の実施形態に比して単純な構成にすることができる。
尚第四及び第五の実施形態に於いては、舵角推定ブロック102は左右前輪の実際の舵角θwaを検出する手段を含み、実際の舵角θwaより舵角の修正量Δθwcを減算することにより、挙動制御のための左右前輪の舵角θwcを演算するようになっている。しかしそれぞれ第四及び第五の実施形態の修正例を示す図10及び図11に示されている如く、実際の舵角θwaは左右前輪10FL、10FRの舵角を変化させる手段の作動量、即ち電動機28や操舵伝達比可変装置72の作動量に基づいて推定されてもよい。
以上に於いては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば上述の各実施形態に於いては、舵角制御ブロック58、98への入力、即ち舵角制御の目標旋回状態量は、ピニオンシャフトの目標回転角又はピニオンシャフトの回転角の目標修正量である。しかし舵角制御の目標旋回状態量は車両の目標ヨーレート、操舵輪の目標舵角、舵角制御手段(例えば電動機28や操舵伝達比可変装置72)の目標制御量、運転者による目標操舵操作量の何れかであってもよい。
また上述の各実施形態に於いては、走行軌跡制御に於ける車両の旋回は左右前輪10FL、10FRの舵角を制御することにより達成されるようになっているが、左右前輪10FL、10FRの舵角及び各車輪の制駆動力を制御することにより達成されるよう修正されてもよい。
また上述の各実施形態に於いては、目標ヨーレートγtと実際のヨーレートγとの偏差Δγが演算され、各車輪の目標制駆動力又は各車輪の目標制駆動力と共に左右前輪の舵角が制御されることにより車両の旋回挙動が安定化される。しかし車両の挙動制御は車両の旋回状態を目標旋回状態にするための目標旋回状態制御量が求められ、目標旋回状態制御量に基づいて車両の旋回状態が制御される限り、任意の要領にて実行されてよい。
例えばヨーレート偏差Δγを低減するフィードバック制御量に加えてフィードフォワード制御量が付加されてもよく、また各車輪の制駆動力の制御は制動力の制御のみにより達成されてもよい。
更に上述の各実施形態に於いては、左右前輪の舵角が制御されるようになっているが、本発明の走行制御装置は左右前輪に加えて左右後輪も舵角制御される車両に適用されてもよい。
特に前後輪がステアバイワイヤ式に舵角制御される場合には、後輪の目標舵角も演算され、調停ブロック56による調停が前輪及び後輪の両者について行われる。また挙動制御が前輪及び後輪の舵角制御によっても行われる場合には、例えば目標ヨーモーメントMstが前後輪に分配されることにより、挙動制御のための前輪及び後輪の舵角の修正量が演算され、前輪及び後輪の各々について調停後の目標値に挙動制御のための修正量が加算された値が修正後の目標値とされる。
また前輪がセミステアバイワイヤ式に舵角制御され、後輪がステアバイワイヤ式に舵角制御される場合には、前輪が第三の実施形態と同様に制御され、前後輪がステアバイワイヤ式に舵角制御される場合と同様の要領にて後輪が制御されてよい。
Claims (8)
- 運転者により操舵操作される操舵入力手段を駆動することなく操舵輪を転舵駆動することにより運転者の操舵操作量に対する操舵輪の舵角の関係を変更する舵角制御手段と、前記舵角制御手段を使用して前記操舵輪の舵角を制御することにより車両の走行軌跡を制御する軌跡制御手段と、車両の旋回状態を目標旋回状態にするための目標旋回状態制御量を求め、前記目標旋回状態制御量に基づいて車両の旋回状態を制御する旋回状態制御手段とを備えた車両の走行制御装置であって、前記走行制御装置は前記操舵入力手段に対する運転者の操舵操作量及び前記軌跡制御手段の目標制御量に基づいて前記操舵輪の目標舵角を演算し、前記旋回状態制御手段は前記操舵輪の目標舵角に基づいて前記目標旋回状態制御量を演算することを特徴とする車両の走行制御装置。
- 前記舵角制御手段は所定の操舵特性が達成されるよう前記関係を変更する操舵特性制御機能を有し、前記走行制御装置は前記操舵特性制御機能による前記操舵輪の舵角の変更量を含む値として前記操舵輪の目標舵角を演算することを特徴とする請求項1に記載の車両の走行制御装置。
- 前記旋回状態制御手段は少なくとも前記舵角制御手段を使用して前記操舵輪の舵角を制御することにより車両の旋回状態を制御するが、前記走行制御装置は車両の旋回状態を制御するための前記操舵輪の舵角の制御量を考慮することなく前記操舵入力手段に対する運転者の操舵操作量及び前記軌跡制御手段の目標制御量に基づいて前記操舵輪の目標舵角を演算することを特徴とする請求項1に記載の車両の走行制御装置。
- 前記旋回状態制御手段は前記操舵輪の目標舵角に基づいて車両の目標旋回状態量を演算すると共に、前記目標旋回状態量に基づいて前記目標旋回状態制御量を演算し、前記目標旋回状態量は車両の目標ヨーレート、前記操舵輪の目標舵角、前記舵角制御手段の目標制御量、運転者の目標操舵操作量の何れかであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の車両の走行制御装置。
- 運転者により操舵操作される操舵入力手段を駆動することなく操舵輪を転舵駆動することにより運転者の操舵操作量に対する操舵輪の舵角の関係を変更する舵角制御手段と、前記舵角制御手段を使用して前記関係を変化させる関係制御手段と、車両の旋回状態を目標旋回状態にするための目標旋回状態制御量を求め、前記目標旋回状態制御量に基づいて前記舵角制御手段を使用して前記操舵輪の舵角を制御することにより車両の旋回状態を制御する旋回状態制御手段とを備えた車両の走行制御装置であって、前記旋回状態制御手段は前記操舵輪の実際の舵角より前記旋回状態制御手段による前記操舵輪の舵角の制御量を減算した値に基づいて前記目標旋回状態制御量を演算することを特徴とする車両の走行制御装置。
- 前記関係制御手段は前記操舵輪の舵角を制御することにより車両の走行軌跡を制御する軌跡制御手段及び所定の操舵特性が達成されるよう前記関係を変更する操舵特性制御手段の少なくとも一方であることを特徴とする請求項5に記載の車両の走行制御装置。
- 前記旋回状態制御手段は前記操舵輪の実際の舵角より前記旋回状態制御手段による前記操舵輪の舵角の制御量を減算した値に基づいて車両の目標旋回状態量を演算すると共に、前記目標旋回状態量に基づいて前記目標旋回状態制御量を演算し、前記目標旋回状態量は車両の目標ヨーレート、前記操舵輪の目標舵角、前記舵角制御手段の目標制御量、運転者の目標操舵操作量の何れかであることを特徴とする請求項5に記載の車両の走行制御装置。
- 前記目標旋回状態量は車両の目標ヨーレートであり、前記旋回状態制御手段は前記目標ヨーレートに基づいて少なくとも各車輪の制駆動力を制御することにより車両の旋回状態を制御することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一つに記載の車両の走行制御装置。
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