JP4636255B2 - 車輪横力推定装置及び操舵反力制御装置 - Google Patents

車輪横力推定装置及び操舵反力制御装置 Download PDF

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本発明は、車輪の横力を推定する横力推定装置に係り、更に詳細には操舵輪の横力を推定する横力推定装置及びこれを用いた操舵反力制御装置に係る。
自動車等の車輌に於いて車輪の横力を推定する方法の一つとして、例えば本願出願人の出願にかかる下記の特許文献1に記載されている如く、操舵角及び車速を検出し、操舵角及び車速に基づいて車輌の横力を推定し、車輌の横力に基づいて車輪の横力を推定する方法が知られている。
特開2004−74845号公報
しかし上述の如き従来の車輪横力推定方法に於いては、車輌の横加速度やヨーレートの如き実際の旋回状態量が考慮されず、操舵角及び車速に基づいて車輌の線形状態方程式を使用して車輌の横力が推定されるため、車輌の実際の旋回状況に応じて車輪の横力を正確に推定することができない。
また車輌の実際の旋回状態量として車輌の横加速度及びヨーレートを検出し、これらに基づいて車輪の横力を推定する方法も既に知られているが、この方法の場合にはヨーレートの微分値を演算する必要があるため、推定される車輪の横力にノイズが含まれ易く、そのため車輌の過渡旋回時の如く車輌の実際の旋回状態量の変化度合が高い状況に於ける車輪横力の推定精度が悪いという問題がある。またこの問題を解消すべく、推定される車輪の横力をローパスフィルタ処理すると、車輪の横力推定値の位相が遅れるという問題が生じる。
また自動車等の車輌に於けるステアバイワイヤ式ステアリング装置の操舵反力制御装置は、操舵輪の横力を推定し、操舵輪の横力に基づいてセルフアライニングトルクを推定し、セルフアライニングトルクに基づいて主要な目標操舵反力(比例項)を演算するようになっており、従ってかかる操舵反力制御装置に於いても、操舵輪の横力の推定に関する上述の問題に起因してセルフアライニングトルクを正確に推定することができず、そのため操舵反力を適正に制御することができないという問題がある。
本発明は、操舵角及び車速に基づいて車輪の横力を推定する従来の車輪横力推定方法及び操舵反力制御装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、車輌の実際の旋回状態量を考慮することにより、車輌の実際の旋回状況に応じて車輪の横力を正確に推定すると共に車輌の実際の旋回状態量の変化度合が高い状況に於いても車輪横力を高精度に推定することであり、更には正確に推定された操舵輪の横力に基づいてセルフアライニングトルクを正確に推定し、操舵反力を適正に制御することである。
上述の主要な課題は、本発明によれば、車速及び操舵角に基づいて第一の車輪横力を推定する第一の車輪横力推定手段と、車輌の横加速度及びヨーレートに基づいて第二の車輪横力を推定する第二の車輪横力推定手段と、前記第一及び第二の車輪横力に基づいて推定車輪横力を演算する車輪横力演算手段とを有する車輪横力推定装置に於いて、前記車輪横力演算手段は少なくとも前記第二の車輪横力の変化度合を示す指標値を演算し、前記指標値が大きいときには前記指標値が小さいときに比して前記推定車輪横力に対する前記第一の車輪横力の寄与度合を高くすることを特徴とする車輪横力推定装置(請求項1の構成)、又は上記請求項1乃至3に記載の車輪横力推定装置により演算された推定車輪横力を使用して操舵輪のセルフアライニングトルクを推定し、前記セルフアライニングトルクを使用して目標操舵反力を演算し、前記目標操舵反力に基づいて操舵反力を制御することを特徴とする操舵反力制御装置(請求項4の構成)によって達成される。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記指標値は少なくとも前記第二の車輪横力の高周波成分の含有度合であるよう構成される(請求項2の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記指標値は少なくとも前記第二の車輪横力の変化速度の大きさであるよう構成される(請求項3の構成)。
上記請求項1の構成によれば、車速及び操舵角に基づいて第一の車輪横力が推定され、車輌の横加速度及びヨーレートに基づいて第二の車輪横力が推定され、第一及び第二の車輪横力に基づいて推定車輪横力が演算される。よって車速及び操舵角に基づいて推定される車輪横力が推定車輪横力とされる場合に比して、車輌の実際の旋回状況に応じて車輪の横力を正確に推定することができ、また車輌の横加速度及びヨーレートに基づいて推定される車輪横力が推定車輪横力とされる場合に比して、車輌の過渡旋回時の如く車輌の実際の旋回状態量の変化度合が高い状況に於ける車輪横力の推定精度を高くすることができる。
特に上記請求項1の構成によれば、少なくとも第二の車輪横力の変化度合を示す指標値が演算され、指標値が大きいときには指標値が小さいときに比して推定車輪横力に対する第一の車輪横力の寄与度合が高くされる。よって車輌の定常旋回時の如く車輌の実際の旋回状態量の変化度合が低い状況に於いて車輌の実際の旋回状況に応じて車輪の横力を正確に推定することができると共に、車輌の過渡旋回時の如く車輌の実際の旋回状態量の変化度合が高い状況に於いても車輪横力を高精度に推定することができる。
また上記請求項2の構成によれば、指標値は少なくとも第二の車輪横力の高周波成分の含有度合であるので、少なくとも第二の車輪横力の高周波成分の含有度合が高く車輌の横加速度及びヨーレートに含まれるノイズのレベルが高いときには、確実に推定車輪横力に対する第一の車輪横力の寄与度合を高くすると共に推定車輪横力に対する第二の車輪横力の寄与度合を低くすることができる。
また上記請求項3の構成によれば、指標値は少なくとも第二の車輪横力の変化速度の大きさであるので、少なくとも第二の車輪横力の変化速度の大きさが大きく車輌の横加速度及びヨーレートに含まれるノイズのレベルが高いときには、確実に推定車輪横力に対する第一の車輪横力の寄与度合を高くすると共に推定車輪横力に対する第二の車輪横力の寄与度合を低くすることができる。
また上記請求項4の構成によれば、上記請求項1乃至3に記載の車輪横力推定装置により演算された推定車輪横力を使用して操舵輪のセルフアライニングトルクが推定され、セルフアライニングトルクを使用して目標操舵反力が演算され、目標操舵反力に基づいて操舵反力が制御される。よって車輌の旋回状況に拘らず操舵輪のセルフアライニングトルクを正確に推定し、目標操舵反力を正確に演算することができ、これにより操舵反力を適正に制御することができる。
〔課題解決手段の好ましい態様〕
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項乃至4の構成に於いて、車輪横力演算手段は第一及び第二の車輪横力の重み和として推定車輪横力を演算するよう構成される(好ましい態様1)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様1の構成に於いて、車輪横力演算手段は少なくとも第二の車輪横力の変化度合を示す指標値が大きいときには該指標値が小さいときに比して第一の車輪横力に対する重みを大きくすると共に第二の車輪横力に対する重みを小さくするよう構成される(好ましい態様2)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様2の構成に於いて、車輪横力演算手段は第一の車輪横力に対する重みの変化率の大きさ及び第二の車輪横力に対する重みの変化率の大きさを所定の変化率制限値以下に制限するよう構成される(好ましい態様3)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至4又は上記好ましい態様1乃至3の構成に於いて、第一の車輪横力推定手段は車輪の接地荷重及び路面の摩擦係数に基づいて第一の車輪横力の制限値を演算し、推定される第一の車輪横力の大きさを第一の車輪横力の制限値以下に制限するよう構成される(好ましい態様4)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2又は上記好ましい態様1乃至4の構成に於いて、車輪横力演算手段は所定の第一の時間に亘る第二の車輪横力を周波数解析し、基準周波数以上の周波数成分の含有度合を第二の車輪横力の変化度合を示す指標値として演算するよう構成される(好ましい態様5)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項3又は上記好ましい態様1乃至4の構成に於いて、車輪横力演算手段は所定の第二の時間に亘る第二の車輪横力の変化速度を演算し、第二の車輪横力の変化速度の平均値を第二の車輪横力の変化度合を示す指標値として演算するよう構成される(好ましい態様6)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項4の構成に於いて、操舵反力制御装置は操舵輪の横力及び路面の摩擦係数に基づき操舵輪のセルフアライニングトルクを推定するよう構成される(好ましい態様6)。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を好ましい実施例について詳細に説明する。
図1は本発明による車輪横力推定装置及び操舵反力制御装置の一つの実施例が適用されたステアバイワイヤ式ステアリング装置を示す概略構成図である。
図1に於いて、10FL及び10FRはそれぞれ車輌12の左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれぞれ車輌の左右の後輪を示している。操舵輪である左右の前輪10FL及び10FRは入力手段としてのステアリングホイール14が運転者により操舵操作されることに応答して駆動されるラック・アンド・ピニオン型のステアリング機構16によりラックバー18及びタイロッド20L及び20Rを介して転舵される。
ステアリングホイール14に連結されたステアリングシャフト22及びステアリング機構16のピニオンシャフト24は相互に連結されておらず、ステアリングシャフト22には図1には示されていない減速歯車機構を介して操舵反力付与手段としての操舵反力トルク付与用の電気モータ26が連結されており、電気モータ26により操舵反力トルクが付与される。ピニオンシャフト24には図1には示されていない減速歯車機構を介して転舵駆動手段としての転舵駆動用の電気モータ28が連結されており、電気モータ28により回転駆動される。
尚図示の実施例に於いては、ピニオンシャフト24の回転は回転−直線運動変換機構としてのラック・アンド・ピニオン型のステアリング機構16によりラックバー18の直線運動に変換されるようになっているが、回転−直線運動変換機構は例えばボールねじの如く当技術分野に於いて公知の任意の回転−直線運動変換機構であってよい。
ステアリングシャフト22には操舵角θsを検出する操舵角センサ30が設けられており、操舵角センサ30により検出された操舵角θsを示す信号は電子制御装置32へ入力される。電子制御装置32には車速センサ34により検出された車速Vを示す信号、ヨーレートセンサ36により検出された車輌のヨーレートγを示す信号、横加速度センサ38により検出された車輌の横加速度Gyを示す信号、μセンサ40により検出された路面の摩擦係数μを示す信号、回転角センサ42により検出されたピニオンシャフト24の回転角θpを示す信号も入力される。
尚図1には詳細に示されていないが、電子制御装置32はCPUとROMとRAMと入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続されたマイクロコンピュータ及び駆動回路よりなっていてよい。また操舵角センサ30、ヨーレートセンサ36、横加速度センサ38、回転角センサ42はそれぞれ車輌の左旋回方向への操舵の場合を正として操舵角θs、ヨーレートγ、横加速度Gy、回転角θpを検出する。
電子制御装置32は、操舵角θsの絶対値が小さい領域に於いてステアリングギヤ比Rsが大きく、車速Vが高いほどステアリングギヤ比Rsが大きくなるよう、操舵角θs及び車速Vに基づきステアリングギヤ比Rsを演算し、操舵角θs及びステアリングギヤ比Rsに基づきピニオンシャフト24の目標回転角θptを演算し、ピニオンシャフト24の回転角θpが目標回転角θptになるよう電気モータ28を制御し、これにより左右の前輪10FL及び10FRを転舵する。
また電子制御装置32は、後述の図2に示されたフローチャートに従って車速V及び操舵角θsに基づいて第一の前輪横力Fyf1を推定により演算し、車輌の横加速度Gy及びヨーレートγに基づいて第二の前輪横力Fyf2を推定により演算し、第一の前輪横力Fyf1及び第二の前輪横力Fyf2に基づいてこれらの重み和として推定前輪横力Fyfを演算する。そして電子制御装置32は、推定前輪横力Fyf及び路面の摩擦係数μに基づいて左右の前輪10FL及び10FRのセルフアライニングトルクSATを演算する。
特に図示の実施例に於いては、電子制御装置32は、現在までの予め設定された第一の時間(正の定数)に於ける第二の前輪横力Fyf2について周波数解析を行い、基準周波数(正の定数)以上の高周波成分の含有度合が大きいほど大きくなるよう、高周波成分の含有度合に基づいて第一の前輪横力Fyf1に対する重みn(0≦n≦1)を演算し、下記の式1に従って推定前輪横力Fyfを演算する。
Fyf=nFyf1+(1−n)Fyf2 ……(1)
更に電子制御装置32は、左右の前輪10FL及び10FRのセルフアライニングトルクSATに基づいてセルフアライニングトルク対応目標反力トルクTtsatを演算し、操舵角速度θdに基づきダンピング目標反力トルクTtdmpを演算し、操舵角加速度θddに基づき慣性補償目標反力トルクTtintを演算し、目標摩擦反力トルクTtfとセルフアライニングトルク対応目標反力トルクTtsatとダンピング目標反力トルクTtdmpと慣性補償目標反力トルクTtintとの和を目標反力トルクTtとして電気モータ26を制御し、これにより目標反力トルクTtに対応する操舵反力トルクをステアリングホイール14に付与する。
尚電子制御装置32はステアリングホイール14を車輌の右旋回方向へ付勢する反力トルクを正として暫定目標摩擦反力トルクTtfp、目標摩擦反力トルクTtf、セルフアライニングトルク対応目標反力トルクTtsat、ダンピング目標反力トルクTtdmp、慣性補償目標反力トルクTtintを演算する。
次に図2に示されたフローチャートを参照して図示の実施例に於ける操舵反力制御ルーチンについて説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
まずステップ10に於いては操舵角θsを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては後述の如く図3に示されたフローチャートに従って推定前輪横力Fyfが演算される。
ステップ40に於いては推定前輪横力Fyf及び路面の摩擦係数μに基づき図4に示されたグラフに対応するマップより左右前輪のセルフアライニングトルクSATが演算され、Ksatを所定の係数としてセルフアライニングトルク対応目標反力トルクTtsatが係数KsatとセルフアライニングトルクSATとの積として演算される。
ステップ50に於いては操舵角θに基づき図5に示されたグラフに対応するマップより目標摩擦反力トルクTtfが演算される。
ステップ60に於いては操舵角θsの時間微分値として操舵角速度θsdが演算されると共に、操舵角速度θsdに基づき図6に示されたグラフに対応するマップよりダンピング目標反力トルクTtdmpが演算される。
ステップ70に於いては操舵角速度θsdの時間微分値として操舵角加速度θsddが演算されると共に、操舵角加速度θsddに基づき図7に示されたグラフに対応するマップより慣性補償目標反力トルクTtintが演算される。
ステップ80に於いては目標摩擦反力トルクTtfとセルフアライニングトルク対応目標反力トルクTtsatと目標摩擦反力トルクTtfとダンピング目標反力トルクTtdmpと慣性補償目標反力トルクTtintとの和として目標反力トルクTtが演算される。
ステップ90に於いては目標反力トルクTt及び車速Vに基づき図8に示されたグラフに対応するマップよりパワーステアリング装置の特性を補償する補正後の目標反力トルクTtが演算され、ステップ100に於いては操舵反力トルクが補正後の目標反力トルクTtになるよう補正後の目標反力トルクTtに基づき電気モータ26がフィードフォワード式に制御され、これにより補正後の目標反力トルクTtに対応する操舵反力トルクがステアリングホイール14に付与される。
次に図3に示されたフローチャートを参照して上記ステップ20に於ける推定前輪横力演算ルーチンについて説明する。
まずステップ22に於いては車輌の質量Mとし、Izを車輌のヨー慣性モーメントとし、Lf及びLrをそれぞれ車輌の重心と前輪車軸及び後輪車軸との間の車輌前後方向の距離とし、Kf及びKrをそれぞれ前輪及び後輪のコーナリングパワーとして、下記の式2に従って車輌の横速度Vyが演算される。また車輌のヨーレートγ及び横速度Vyに基づき下記の式3に従って前輪のスリップ角αfが演算され、前輪のスリップ角αfに基づいて下記の式4に従って車速V及び操舵角θsに基づく第一の前輪横力Fyf1が演算される。
Figure 0004636255
ステップ24に於いては当技術分野に於いて公知の要領にて左右前輪の接地荷重Fzfl及びFzfrが演算されると共に、それらの平均値として前輪の接地荷重Fzfが演算され、路面の摩擦係数μ及び前輪の接地荷重Fzfに基づいて下記の式5に従って推定前輪横力Fyfのガード値Fyfmaxが演算される。そして第一の前輪横力Fyf1の大きさがガード値Fyfmaxを越えているときには第一の前輪横力Fyf1の大きさがガード値Fyfmaxに制限される。
Fyfmax=μFzf ……(5)
ステップ26に於いては車輌のヨーレートγの微分値γdが演算されると共に、下記の式6に従って車輌の横加速度Gy及びヨーレートγに基づく第二の前輪横力Fyf2が演算される。
Fyf2=(Izγd+MLrGy)/(Lf+Lr) ……(6)
ステップ28に於いては現在までの予め設定された第一の時間(正の定数)に於ける第二の前輪横力Fyf2について周波数解析が行われ、基準周波数(正の定数)以上の高周波成分の含有度合が大きいほど大きくなるよう、高周波成分の含有度合に基づいて図9に示されたグラフに対応するマップより第一の前輪横力Fyf1に対する重みn(0≦n≦1)が演算される。例えば図11は第二の前輪横力Fyf2についての周波数解析の結果の例を示しており、周波数解析の結果全体の面積をSallとし、基準周波数fo以上の高周波成分の面積をSoとすると、高周波成分の含有度合はSo/Sallとして演算される。
ステップ30に於いては重みnの変化率Δn(前回の重みnfと今回の重みnfとの偏差)の大きさがガード値Δnmax(正の定数)を越えているときには、重みnの変化率Δnの大きさがガード値Δnmaxになるよう重みnの変化率が制限され、ステップ32に於いては上記式1に従って推定前輪横力Fyfが演算され、しかる後図2のステップ40へ進む。
かくして図示の実施例によれば、ステップ20に於いて推定前輪横力Fyfが演算され、ステップ40に於いて推定前輪横力Fyf及び路面の摩擦係数μに基づき左右前輪のセルフアライニングトルクSATが演算されると共に、セルフアライニングトルクSATに基づいてセルフアライニングトルク対応目標反力トルクTtsatが演算され、ステップ50に於いて目標摩擦反力トルクTtfが演算され、ステップ60に於いてダンピング目標反力トルクTtdmpが演算され、ステップ70に於いて慣性補償目標反力トルクTtintが演算される。
そしてステップ80に於いてセルフアライニングトルク対応目標反力トルクTtsatと目標摩擦反力トルクTtfと目標摩擦反力トルクTtfとダンピング目標反力トルクTtdmpと慣性補償目標反力トルクTtintとの和として目標反力トルクTtが演算され、ステップ90に於いて補正後の目標反力トルクTtが演算され、ステップ100に於いて操舵反力トルクが補正後の目標反力トルクTtになるよう電気モータ26がフィードフォワード式に制御され、これにより補正後の目標反力トルクTtに対応する操舵反力トルクがステアリングホイール14に付与される。
従って図示の実施例によれば、ステアバイワイヤ式のステアリング装置に於ける操舵反力トルクをパワーステアリング装置を備えた通常の機械式のステアリング装置に於ける操舵反力トルクに近づけることができ、これにより運転者が操舵フィーリングに異和感を覚える虞れを効果的に低減することができる。
特に図示の実施例によれば、図3に示されたフローチャートのステップ22に於いて車速V及び操舵角θsに基づく第一の前輪横力Fyf1が演算され、ステップ26に於いて車輌の横加速度Gy及びヨーレートγに基づく第二の前輪横力Fyf2が演算され、ステップ32に於いて第一の前輪横力Fyf1及び第二の前輪横力Fyf2の重み和として推定前輪横力Fyfが演算される。
従って車速V及び操舵角θsに基づく第一の前輪横力Fyf1が推定前輪横力Fyfとされる場合に比して、車輌の実際の旋回状況に応じて前輪横力を正確に推定することができ、また車輌の横加速度Gy及びヨーレートγに基づく第二の前輪横力Fyf2が推定車輪横力Fyfとされる場合に比して、車輌の過渡旋回時の如く車輌の実際の旋回状態量の変化度合が高い状況に於ける横力の推定精度を高くすることができる。
また図示の実施例によれば、ステップ28に於いて第二の前輪横力Fyf2について周波数解析が行われ、基準周波数以上の高周波成分の含有度合が大きいほど大きくなるよう、高周波成分の含有度合に基づいて第一の前輪横力Fyf1に対する重みnが演算され、重みnに基づく第一の前輪横力Fyf1及び第二の前輪横力Fyf2の重み和として推定前輪横力Fyfが演算されるので、車輌の定常旋回時の如く車輌の実際の旋回状態量の変化度合が低い状況に於いて車輌の実際の旋回状況に応じて前輪横力を正確に推定することができると共に、車輌の過渡旋回時の如く車輌の実際の旋回状態量の変化度合が高い状況に於いても前輪横力を高精度に推定することができる。
また図示の実施例によれば、ステップ24に於いて前輪の接地荷重Fzfが演算され、路面の摩擦係数μ及び前輪の接地荷重Fzfに基づいて推定前輪横力Fyfのガード値Fyfmaxが演算され、第一の前輪横力Fyf1の大きさがガード値Fyfmaxを越えないよう第一の前輪横力Fyf1の大きさがガード値Fyfmaxにてガード処理されるので、推定前輪横力Fyfが過大な値に演算されることを確実に防止することができる。
また図示の実施例によれば、ステップ30に於いて重みnの変化率Δnの大きさがガード値Δnmaxを越えないよう重みnの変化率が制限されるので、重みnが急激に変化することにより推定される推定前輪横力Fyfが急激に変化すること及びこれに起因して操舵反力トルクが急激に変化することを防止し、これにより運転者が操舵反力トルクの急変に起因して操舵フィーリングに異和感を覚える虞れを確実に低減することができる。
以上に於いては本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば上述の実施例に於いては、ステップ28に於いて現在までの予め設定された第一の時間に於ける第二の前輪横力Fyf2について基準周波数以上の高周波成分の含有度合が少なくとも第二の前輪横力の変化度合として演算され、高周波成分の含有度合が大きいほど大きくなるよう、高周波成分の含有度合に基づいて第一の前輪横力Fyf1に対する重みnが演算されるようになっているが、少なくとも第二の前輪横力の変化度合として現在までの予め設定された第二の時間(正の定数)に於ける第の前輪横力Fyf2の変化速度(微分値)の平均値が演算され、重みnは変化速度の平均値の大きさが大きいほど大きくなるよう、例えば図10に示されたグラフに対応するマップより演算されるよう修正されてもよい。
また上述の実施例に於いては、少なくとも第二の前輪横力の高周波成分の含有度合は第二の前輪横力Fyf2の高周波成分の含有度合であるが、現在までの予め設定された第一の時間に於ける推定前輪横力Fyfについて基準周波数以上の高周波成分の含有度合が少なくとも第二の前輪横力の変化度合として演算されるよう修正されてもよい。同様に上述の修正例に於いて、現在までの予め設定された第二の時間に於ける推定前輪横力Fyfの変化速度の平均値が少なくとも第二の前輪横力の変化度合として演算されるよう修正されてもよい。
また上述の実施例に於いては、第一の前輪横力Fyf1のガード値Fyfmaxは左右前輪の接地荷重Fzfl及びFzfrの平均値としての前輪の接地荷重Fzf及び路面の摩擦係数μに基づいて演算されるようになっているが、左右前輪の接地荷重Fzfl及びFzfrのうちの小さい方の値及び路面の摩擦係数μに基づいて演算されるよう修正されてもよい。
また上述の実施例に於いては、目標反力トルクTtはセルフアライニングトルク対応目標反力トルクTtsatと目標摩擦反力トルクTtfと目標摩擦反力トルクTtfとダンピング目標反力トルクTtdmpと慣性補償目標反力トルクTtintとの和として演算されるようになっているが、目標反力トルクTtが上述の如く演算されるセルフアライニングトルク対応目標反力トルクTtsatを含んでいる限り、目標反力トルクTtは任意の要領にて演算されてよい。
更に上述の実施例に於いては、ステップ100に於いて操舵反力トルクが補正後の目標反力トルクTtになるよう補正後の目標反力トルクTtに基づき電気モータ26がフィードフォワード式に制御されるようになっているが、ステアリングシャフト22にトルクセンサが設けられ、補正後の目標反力トルクTtとトルクセンサにより検出されるトルクとの偏差が0になるようが操舵反力トルクがフィードバック式に制御されるよう修正されてもよい。
本発明による車輪横力推定装置及び操舵反力制御装置の一つの実施例が適用されたステアバイワイヤ式ステアリング装置を示す概略構成図である。 実施例に於ける操舵反力制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施例に於ける推定前輪横力演算ルーチンを示すフローチャートである。 推定前輪横力FyfとセルフアライニングトルクSATとの間の関係を示すグラフである。 操舵角θsと目標摩擦反力トルクTtfとの間の関係を示すグラフである。 操舵角速度θsdとダンピング目標反力トルクTtdmpとの間の関係を示すグラフである。 操舵角加速度θsddと慣性補償目標反力トルクTtintとの間の関係を示すグラフである。 目標反力トルクTtと補正後の目標反力トルクTtとの間の関係を示すグラフである。 第二の前輪横力Fyf2の高周波成分の含有度合と第一の前輪横力Fyf1に対する重みnとの間の関係を示すグラフである。 第二の前輪横力Fyf2の変化速度の平均値の絶対値と第一の前輪横力Fyf1に対する重みnとの間の関係を示すグラフである。 第二の前輪横力Fyf2についての周波数解析の結果の例及び高周波成分の含有度合の演算要領を示すグラフである。
符号の説明
14 ステアリングホイール
16 ステアリング機構
22 ステアリングシャフト
24 ピニオンシャフト
26、28 電気モータ
30 操舵角センサ
32 電子制御装置
34 車速センサ
36 ヨーレートセンサ
38 横加速度センサ
40 μセンサ

Claims (4)

  1. 車速及び操舵角に基づいて第一の車輪横力を推定する第一の車輪横力推定手段と、車輌の横加速度及びヨーレートに基づいて第二の車輪横力を推定する第二の車輪横力推定手段と、前記第一及び第二の車輪横力に基づいて推定車輪横力を演算する車輪横力演算手段とを有する車輪横力推定装置に於いて、前記車輪横力演算手段は少なくとも前記第二の車輪横力の変化度合を示す指標値を演算し、前記指標値が大きいときには前記指標値が小さいときに比して前記推定車輪横力に対する前記第一の車輪横力の寄与度合を高くすることを特徴とする車輪横力推定装置。
  2. 前記指標値は少なくとも前記第二の車輪横力の高周波成分の含有度合であることを特徴とする請求項1に記載の車輪横力推定装置。
  3. 前記指標値は少なくとも前記第二の車輪横力の変化速度の大きさであることを特徴とする請求項1に記載の車輪横力推定装置。
  4. 請求項1乃至3に記載の車輪横力推定装置により演算された推定車輪横力を使用して操舵輪のセルフアライニングトルクを推定し、前記セルフアライニングトルクを使用して目標操舵反力を演算し、前記目標操舵反力に基づいて操舵反力を制御することを特徴とする操舵反力制御装置。
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