JP5239801B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ハンドルと転舵輪を転舵駆動する舵取り機構とを機械的に分離した、いわゆるステア・バイ・ワイヤ方式の車両用操舵装置に関する。
ハンドルと転舵輪を転舵駆動する舵取り機構とが機械的に分離し(切り離され)、ハンドルの操舵角に基づいて舵取り機構によって転舵輪を駆動する、所謂ステア・バイ・ワイヤ方式の操舵装置が知られている。このようなステア・バイ・ワイヤ方式の操舵装置では、転舵反力が直接ハンドルに伝わらないため、一般的にハンドルと舵取り機構とが機械的に連結されたコンベンショナルな操舵装置の操舵反力特性を模擬する操舵反力をハンドルに付与する反力モータ(操舵反力付与手段)が備えられている。ところが、このような反力モータを備えたステア・バイ・ワイヤ方式の操舵装置においては、転舵輪(タイヤ)が旋回限界(グリップ限界とも言う)であることを操舵反力の減少としてドライバに認識させることが難しい。
そこで、車両が旋回限界に達したとき、意図的に操舵反力を小さくする特許文献1に記載の技術を適用することで、ドライバにタイヤの旋回限界を知らせることが考えられている。
特開2000−264237号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、路面μやタイヤスリップ角の推定値を用いてタイヤの旋回限界を判定して操舵反力低減するものであるが、路面μやタイヤスリップ角を正確に推定する事は困難であり、タイヤの旋回限界を操舵反力によって正確に運転者へ伝える事が困難であった。
本発明の目的は、コンベンショナルな操舵装置の操舵反力特性をより正確に模擬し、もってタイヤの旋回限界を操舵反力によって正確に運転者へ伝える事ができる車両用操舵装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明では、タイヤ横力と転舵軸力とを検出し、該検出したタイヤ横力と転舵軸力に応じて目標操舵反力を生成し、タイヤ横力がタイヤスリップ角に対して線形的に変化する線形領域ではタイヤ横力のみに応じて目標操舵反力を生成し、タイヤ横力がタイヤスリップ角に対して非線形的に変化する非線形領域ではタイヤ横力が大きくなるほど目標操舵反力のうちタイヤ横力に応じた操舵反力を小さくする一方、転舵軸力に応じた操舵反力を大きくする。
よって、本発明にあっては、実際のタイヤ横力と転舵軸力とに基づいてタイヤ横力がタイヤスリップ角に対して線形的に変化する線形領域ではタイヤ横力のみに応じて目標操舵反力を生成し、また、タイヤ非線形領域では、タイヤ横力が大きいほどタイヤ横力に応じた操舵反力を小さくすると共に転舵軸力に応じた操舵反力を大きくするため、ハンドルと舵取り機構とが機械的に連結されたコンベンショナルな操舵装置の操舵反力特性をより正確に模擬し、タイヤの旋回限界を操舵反力によって正確に運転者へ伝える事ができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づく実施例により説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1の車両用操舵装置を適用したステア・バイ・ワイヤシステムの全体構成図であり、実施例1の車両用操舵装置は、ハンドル1と前輪(転舵輪)2,2を転舵する舵取り機構3とを機械的に分離した、いわゆる、ステア・バイ・ワイヤ(SBW)システムである。
ハンドル1を支持するコラムシャフト4には、ハンドル1に操舵反力を付与する反力モータ(操舵反力付与手段)5と、コラムシャフト4の回転角を検出する回転角センサ6と、コラムシャフト4に設けられたトーションバーの捩れ角から操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ7と、反力モータ5の回転角度を検出する反力モータ角度センサ8とが設けられている。
舵取り機構3には、ピニオンギヤ13a,13bに対し前輪2,2を転舵する転舵トルクを付与する第1,第2転舵モータ9a,9bと、前輪2,2の直進状態からの回転角である転舵角として第1,第2転舵モータ9a,9bの回転角度を検出する第1,第2転舵モータ角度センサ10a,10bとを設けられている。なお、第1転舵モータ9aはラック11とピニオンギヤ13aとを介して、第2転舵モータ9bはピニオンギヤ13bとラック11を介して前輪2,2と機械的に接続しているため、第1,第2転舵モータ9a,9bの回転角度を検出することで前輪2,2の転舵角を検出できる。
前輪2,2のハブ部(不図示)には、前輪2,2のタイヤ(以下の説明では、タイヤとは、前輪2,2のタイヤをいう。)に作用する横力を検出する第1,第2タイヤ横力センサ(タイヤ横力検出手段)12a,12bが設けられている。「横力(サイドフォース、ラテラルフォース)」とは、タイヤがあるスリップ角をもって旋回するときに、接地面に発生する摩擦力のうち、タイヤの中心面に直角に働く成分をいう。「スリップ角(横すべり角)」とは、旋回状態にあるタイヤを上から見たとき、タイヤの進行方向とタイヤ中心面の向きとのなす角度をいう。
反力モータ5と第1,第2転舵モータ9a,9bは、第1,第2,第3コントローラ(操舵反力制御手段)14,15,16により制御する。
第2コントローラ15には、回転角センサ6からのコラムシャフト回転角と、操舵トルクセンサ7からの操舵トルクと、反力モータ角度センサ8からの反力モータ角度と、第1,第2タイヤ横力センサ12a,12bからのタイヤ横力とを入力する。また、第2コントローラ15には、図外のCAN通信線を介して車輪速等の車両情報を入力する。
第2コントローラ15は、反力モータ角度センサ8からの反力モータ角度(すなわち操舵角)、CAN通信線からの車速に基づいて前輪2,2の目標転舵角を生成し、第1,第3コントローラ14,16へ送る。第1コントローラ14は、第2コントローラ15から送られた目標転舵角と第1転舵モータ角度センサ10aにより検出される前輪2,2の実際の転舵角との偏差を無くす指令電流を第1転舵モータ9aへ出力し、転舵角を制御する。第3コントローラ16は、第2コントローラ15から送られた目標転舵角と第2転舵モータ角度センサ10bにより検出される前輪2,2の実際の転舵角との偏差を無くす指令電流を第2転舵モータ9bへ出力し、転舵角を制御する。
尚、本実施例においては反力モータ角度センサ8からの反力モータ角度をハンドル1の操舵角度として用いているが、回転角センサ6からのコラムシャフト回転角を操舵角として用いても良い。
また、第2コントローラ15は、反力モータ角度センサ8からの反力モータ角度から算出されるハンドル1の操舵角速度と、第1,第2タイヤ横力センサ12a,12bからのタイヤ横力と、第1,第2転舵モータ9a,9bの電流値およびCAN通信線からの車速に基づいてハンドル1に付与する目標操舵反力を生成し、目標操舵反力に基づいた目標電流と反力モータ5に供給されている電流を検出する電流センサ(不図示)で検出された実電流との偏差を無くす指令電流を反力モータ5へ出力し、操舵反力を制御する。
第1,第2,第3コントローラ14,15,16は、バッテリ17から電源の供給を受けて作動する。また、第1,第2,第3コントローラ14,15,16は、通信線18を介して互いに入出力情報を共有しており、第2コントローラ15に故障が発生した場合であっても、残りの第1,第3コントローラ14,16の一方で目標転舵角および目標操舵反力を生成し、2つの第1,第3コントローラ14,16で第1,第2転舵モータ9a,9bおよび反力モータ5の制御を継続可能である。
[N1]
以下、説明の簡単のため、個々を別々に説明する必要がある場合を除き、第1,第2転舵モータ9a,9bを転舵モータ9、第1,第2転舵モータ角度センサ10a,10bを転舵モータ角度センサ10、第1,第2タイヤ横力センサ12a,12bをタイヤ横力センサ12、第1,第2,第3コントローラ14,15,16をコントローラ15という。すなわち、転舵モータ9、転舵モータ角度センサ10、タイヤ横力センサ12およびコントローラ15を1つと見なして説明する。
次に、コントローラ15による目標操舵反力の生成方法について説明する。
実施例1では、タイヤ横力センサ12により検出された実際のタイヤ横力Fyと、転舵モータ9の電流値から算出した転舵軸力Fr(ラック11の軸方向に作用する力)とから、下記の式を参照して目標操舵反力Thを生成する。転舵軸力Frは、転舵モータ9の電流値を転舵モータ9の出力トルク(転舵モータ9a,9bの出力トルク合計値)に換算して算出する(転舵軸力検出手段)。
Th=K1×Fr+K2×Fy
ここで、K1は転舵軸力ゲイン,K2は転舵軸力ゲインである。これら2つのゲインK1,K2は、タイヤ横力センサ12により検出されたタイヤ横力Fyに応じて、図2に示すマップを参照して決定する。
図2は、実施例1のタイヤ横力ゲインK1および転舵軸力ゲインK2の設定マップである。タイヤ横力ゲインK1は、タイヤ横力Fyが第1閾値Fy1以下の領域では一定値であり、タイヤ横力Fyが第1閾値Fy1と第2閾値Fy2との間の領域では、タイヤ横力Fyが大きくなるほど小さくなり、タイヤ横力Fyが第2閾値Fy2を超えた領域で一定となる特性を有する。
一方、転舵軸力ゲインK2は、タイヤ横力Fyが第1閾値Fy1以下の領域ではゼロであり、タイヤ横力Fyが第1閾値Fy1と第2閾値Fy2との間の領域ではタイヤ横力Fyが大きくなるほど大きくなり、タイヤ横力Fyが第2閾値Fy2を超えた領域で一定となる特性を有する。
次に、第1閾値Fy1と第2閾値Fy2について説明する。
第1閾値Fy1は、図3に示すように、タイヤ横力Fyがタイヤスリップ角βに対して線形的に変化する線形領域内におけるタイヤ横力の最大値とする。また、第2閾値Fy2は、タイヤ横力Fyがタイヤスリップ角βに対して非線形的に変化する非線形領域内であって、タイヤ横力Fyの飽和値(タイヤ横力Fyが略一定となる時の値)とする。
第1閾値Fy1および第2閾値Fy2は、タイヤの諸元で決まる値であるため、あらかじめ実験等により求め、記憶しておく。
次に、作用を説明する。
(タイヤ線形領域の反力生成)
ハンドル1を操作したとき、前輪2,2からラック11の軸方向に入力する転舵軸力は、セルフアライニングトルクSATとタイヤ横力Fy×キャスタートレール(正確には各々にcos(キャスター角)をかけたもの)のモーメントがキングピン回りに働く。「キャスタートレール」とは、タイヤを横から見て、キングピン軸が鉛直方向となす角をいう。
ここで、セルフアライニングトルクSATは、タイヤ横力Fy×ニューマチックトレールである。「ニューマチックトレール」とは、スリップ角βがついた状態で転動しているタイヤで、タイヤ横力Fyの作用点と、タイヤの接地中心を結ぶ直線を、タイヤの進行方向またはタイヤの向きに平行な垂直面に投影したときの距離をいう。
そして、図3に示したように、タイヤ横力Fyが第1閾値Fy1よりも小さなタイヤ線形領域では、タイヤ横力FyおよびセルフアライニングトルクSATは、タイヤスリップ角βに対して線形的に変化するため、タイヤ線形領域において、転舵軸力Frは、タイヤ横力Fyに比例して大きさが決まる値であるということができる。なお、転舵軸力Frには、操舵系の粘性や慣性に応じた反力分も含まれるが、タイヤ横力Fyに応じた反力分と比較して微小であるため、無視できる値である。
実施例1の操舵装置では、タイヤ横力Fyと転舵軸力Frに応じて目標操舵反力Thを生成し、タイヤ横力Fyがタイヤスリップ角βに対して線形的に変化する線形領域では、タイヤ横力Fyにタイヤ横力ゲインK1をかけた値を目標操舵反力Thとする。すなわち、タイヤ横力センサ12により実測したタイヤ横力Fyのみに応じて目標操舵反力Thを生成している。
ところで、実施例1では、転舵モータ9の電流値を出力トルクに換算することで転舵軸力Frを算出しているものの、タイヤ横力Fyよりも線形性に劣り、さらに、推定値である以上、実際の転舵軸力の変化特性に対して誤差が大きい。一方、タイヤ横力センサ12により実際に検出したタイヤ横力Fyは、推定した転舵軸力Frよりも実際の転舵軸力の変化特性に近い特性となる。
よって、タイヤ線形領域では、タイヤ横力センサ12により検出したタイヤ横力Fyのみに基づいて目標操舵反力Thを生成することにより、実際の転舵軸力の変化特性に合致した操舵反力をハンドル1に付与できる。つまり、ハンドルと舵取り機構とが機械的に連結されたコンベンショナルな操舵装置の操舵反力特性を正確に模擬できる。
また、実施例1では、タイヤ横力センサ12を設けて実際のタイヤ横力Fyを検出しているため、タイヤ横力Fyがタイヤ線形領域にあるのか、またはタイヤ非線形領域にあるのかを正確に検出できる。
(タイヤ非線形領域の反力生成)
タイヤ横力Fyが第1閾値Fy1以上となるタイヤ非線形領域(すなわちタイヤの旋回限界以上の領域)では、タイヤ線形領域と異なり、タイヤ横力Fyはタイヤスリップ角βに比例して増加せず、ある値(第2閾値Fy2)で飽和する。また、セルフアライニングトルクSATは、タイヤ非線形領域ではタイヤ横力Fyが第1閾値Fy1から第2閾値Fy2まで増加しているのに対し、タイヤ非線形領域では第1閾値Fy1から急減している。これは、タイヤ横力Fyが第1閾値Fy1以上のとき、ニューマチックトレールが車両前方側へ移動するためである。
このため、実際の転舵軸力は、タイヤ横力Fyに応じた値とはならず、例えば、タイヤ線形領域と同様にタイヤ横力Fyのみに応じて目標操舵反力Thを生成した場合、セルフアライニングトルクSATの減少を模擬できず、ドライバ(運転者)にタイヤ横力Fyがタイヤ非線形領域にあること、すなわち、タイヤが旋回限界にあること、または旋回限界に近いことを操舵反力により知らせることができない。すなわちタイヤ横力Fyのみに応じて目標操舵反力Thを生成した場合には、車両のドライバは操舵反力に基づいてタイヤが旋回限界もしくは旋回限界に近い事を感知する事が困難となる。
これに対し、実施例1の操舵装置では、タイヤ横力Fyがタイヤスリップ角βに対して非線形的に変化する非線形領域(タイヤ横力がFy1以上となる領域)ではタイヤ横力Fyが大きくなるほど目標操舵反力Thのうちタイヤ横力Fyに応じた操舵反力(K1×Fy)を小さくする一方、転舵軸力Frに応じた操舵反力(K2×Fr)を大きくする。
すなわち、タイヤ非線形領域におけるセルフアライニングトルクSATの減少は、転舵モータ9の電流値から算出した転舵軸力Frに反映されるため、転舵軸力Frに応じた反力分を大きくすることで、セルフアライニングトルクSATの急減に伴い操舵反力が減少するコンベンショナルな操舵装置の操舵反力特性を模擬でき、ドライバにタイヤ横力Fyがタイヤ非線形領域にあることを知らせることができる。
また、実施例1の操舵装置では、タイヤ横力Fyが第2閾値Fy2以上、すなわち、タイヤ横力Fyが飽和したとき、タイヤ横力ゲインK1および転舵軸力ゲインK2を固定し、タイヤ横力Fyに応じた操舵反力(K1×Fy)および転舵軸力Frに応じた操舵反力(K2×Fr)を一定とする。
セルフアライニングトルクSATは、タイヤ横力Fyが第1閾値Fy1以上になると、タイヤスリップ角βが大きくなるほど減少し、タイヤ特性によっては、タイヤ横力Fyが第2閾値Fy2を超えたとき、負の値になることがある。このとき、転舵軸力Frに応じた操舵反力は負の値となる。一方、タイヤ横力Fyは、第2閾値Fy2以上では飽和して一定であるため、タイヤ横力Fyに応じた操舵反力は変化しない。
つまり、タイヤ横力Fyが第2閾値Fy2以上の領域では、目標操舵反力Thが負の値、すなわち、ハンドル1をさらに切り増す方向へと転舵モータ9が駆動され、車両がより不安定となる可能性がある。
そこで、実施例1では、タイヤ横力Fyが第2閾値Fy2以上の場合には、目標操舵反力Thを一定とすることで、ハンドル1を切り増す方向に転舵モータ9が駆動することを防ぎ、車両がより不安定となるのを防止できる。
次に、効果を説明する。
実施例1の車両用操舵装置にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
(1) 運転者によって操舵されるハンドル1と、前輪2,2に接続されるとともに当該前輪2,2を転舵駆動する舵取り機構3とが機械的に分離し、ハンドル1の操舵角に応じて舵取り機構3によって前輪2,2を駆動すると共に、ハンドル1に操舵反力を付与する反力モータ5を有する車両用操舵装置において、タイヤ横力Fyを検出する第1,第2タイヤ横力センサ12a,12bと、舵取り機構3のラック軸11に作用する転舵軸力Frを検出する転舵軸力検出手段(コントローラ15)と、反力モータ5によってハンドル1に付与する操舵反力の目標値である目標操舵反力Thをタイヤ横力と転舵軸力に応じて生成すると共に、該生成した目標操舵反力Thに基づいて反力モータ5を制御するコントローラ15と、を設け、コントローラ15は、タイヤ横力Fyがタイヤスリップ角βに対して線形的に変化する線形領域ではタイヤ横力Fyのみに応じて目標操舵反力Thを生成し、タイヤ横力Fyがタイヤスリップ角βに対して非線形的に変化する非線形領域ではタイヤ横力Fyが大きくなるほど目標操舵反力Thのうちタイヤ横力Fyに応じた操舵反力を小さくする一方、転舵軸力Frに応じた操舵反力を大きくする。これにより、コンベンショナルな操舵装置の操舵反力特性をより正確に模擬できる。
(2) コントローラ15は、タイヤ横力Fyが飽和しているとき、タイヤ横力Fyに応じた操舵反力および転舵軸力Frに応じた目標操舵反力Thを、タイヤ横力Fyが飽和した際の目標操舵反力Thに維持するため、目標操舵反力Thが負の値となってハンドル1を切り増す方向に転舵モータ9が駆動することを防ぎ、車両がより不安定となるのを防止できる。
実施例2の車両用操舵装置は、タイヤ横力ゲインK1および転舵軸力ゲインK2の設定方法のみ実施例1と異なり、他の構成は同一であるため、同一部分の図示ならびに説明は省略する。
図4は、実施例2のタイヤ横力ゲインK1および転舵軸力ゲインK2の設定マップである。タイヤ横力ゲインK1は、Fy>SATとなる領域において、タイヤ横力Fyと転舵軸力Frとの差の絶対値|Fy−Fr|が第1閾値ΔF1以下の領域では一定値であり、|Fy−Fr|が第1閾値ΔF1と第2閾値ΔF2との間の領域では、タイヤ横力Fyが大きくなるほど小さくなり、|Fy−Fr|が第2閾値ΔF2を超えた領域で一定となる特性を有する。
一方、転舵軸力ゲインK2は、Fy>SATとなる領域において、タイヤ横力Fyと転舵軸力Frとの差の絶対値|Fy−Fr|が第1閾値ΔF1以下の領域ではゼロであり、|Fy−Fr|が第1閾値ΔF1と第2閾値ΔF2との間の領域ではタイヤ横力Fyが大きくなるほど大きくなり、|Fy−Fr|が第2閾値ΔF2を超えた領域で一定となる特性を有する。
第1閾値ΔF1は、図3においてセルフアライニングトルクSATがタイヤスリップ角βの増加に応じて最大値を迎えた後減少傾向となり、横力Fyよりも所定値だけ小さくなったときの当該所定値とする。つまり、タイヤ横力Fyが非線形領域であり、かつ、セルフアライニングトルクSATが減少している事が判別できる値を予め実験等によって求めて第1閾値ΔF1に設定する。また、第2閾値ΔF2は、タイヤ横力Fyが飽和したときのタイヤ横力Fyと転舵軸力Frとの差の絶対値とする。
また、実施例2では、コントローラ15は、第1,第2転舵モータ角度センサ10a,10bによって検出された回転角の変化量から前輪2,2の転舵角速度を算出し(転舵角速度検出手段)、転舵角速度に応じて転舵軸力Frを補正する。補正方法は、転舵角速度に応じて設定した転舵軸力補正係数を、転舵モータ9の電流値から算出した転舵軸力Frにかけることで行う。
図5は、転舵角速度に応じた転舵軸力補正係数の補正マップであり、転舵軸力補正係数は、転舵角速度が高いほど小さくなる特性とする。なお、転舵軸力補正係数の上下限値には、転舵軸力Frが過大または過小となるのを回避するための制限値を設けている。
次に、作用を説明する。
タイヤ横力Fyと転舵軸力Fr(セルフアライニングトルクSAT)との差の絶対値が第1閾値ΔF1以上であるということは、タイヤ横力Fyが非線形領域であり、かつ、セルフアライニングトルクSATが減少していることを示すものである。また、タイヤ横力Fyと転舵軸力Frとの差の絶対値が第2閾値ΔF2以上であるということは、タイヤ横力Fyが飽和していることを示すものである。
よって、実施例2の操舵装置にあっては、タイヤ非線形領域において、ハンドルと舵取り機構とが機械的に連結されたコンベンショナルな操舵装置の操舵反力特性を正確に模擬できる。
また、実施例2の操舵装置では、転舵角速度が高いほど転舵モータ9の電流値から算出した転舵軸力Frを減少補正している。これは、転舵角速度が高い場合、転舵モータ9のフリクションが大きくなることで、転舵モータ9の負荷が高くなり、実際の転舵軸力よりも大きな転舵軸力Frが算出されるためである。つまり、転舵角速度が高いほど転舵軸力Frを減少補正することで、タイヤ横力Fyと転舵軸力Frとの差を正確に計算できる。
次に、効果を説明する。
実施例2の車両用操舵装置にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
(3) 運転者によって操舵されるハンドル1と、前輪2,2に接続されるとともに当該前輪2,2を転舵駆動する舵取り機構3とが機械的に分離し、ハンドル1の操舵角に応じて舵取り機構3によって前輪2,2を駆動すると共に、ハンドル1に操舵反力を付与する反力モータ5を有する車両用操舵装置において、タイヤ横力Fyを検出する第1,第2タイヤ横力センサ12a,12bと、舵取り機構3のラック軸11に作用する転舵軸力Frを検出する転舵軸力検出手段(コントローラ15)と、反力モータ5によってハンドル1に付与する操舵反力の目標値である目標操舵反力Thをタイヤ横力と転舵軸力に応じて生成すると共に、該生成した目標操舵反力Thに基づいて反力モータ5を制御するコントローラ15と、を設け、コントローラ15は、タイヤ横力Fyと転舵軸力Frとの差の絶対値が、タイヤ横力Fyがタイヤスリップ角βに対して線形的に変化する線形領域を示す値である場合にはタイヤ横力Fyのみに応じて目標操舵反力Thを生成し、差の絶対値が、タイヤ横力Fyがタイヤスリップ角βに対して非線形的に変化する非線形領域を示す値である場合にはタイヤ横力Fyが大きくなるほど目標操舵反力Thのうちタイヤ横力Fyに応じた操舵反力を小さくする一方、転舵軸力Frに応じた操舵反力を大きくする。これにより、タイヤ非線形領域を正確に検出でき、コンベンショナルな操舵装置の操舵反力特性を模擬できる。
(4) タイヤの転舵角速度を検出する転舵角速度検出手段(コントローラ15)を設け、コントローラ15は、転舵角速度が高いほど転舵軸力Frを減少補正するため、タイヤ横力Fyと転舵軸力Frとの差を正確に計算できる。
〔他の実施例〕
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施例に示した構成に限定されるものではない。
例えば、実施例では、転舵モータの電流値を出力トルクに換算して転舵軸力を算出する例を示したが、舵取り機構のラック軸に作用する転舵軸力を直接検出可能な軸力センサを設けた構成としてもよい。
また、上記実施例2においては、コントローラ15は前輪2,2の転舵角速度を算出し、転舵角速度に応じて設定した転舵軸力補正係数を、転舵軸力Frにかけ転舵軸力Frを補正しているが、これを実施例1に記載の転舵装置に適用してもよい。
実施例1の車両用操舵装置を適用したステア・バイ・ワイヤシステムの全体行成図である。 実施例1のタイヤ横力ゲインK1および転舵軸力ゲインK2の設定マップである。 タイヤスリップ角βに対するタイヤ横力FyおよびセルフアライニングトルクSATの特性図である。 実施例2のタイヤ横力ゲインK1および転舵軸力ゲインK2の設定マップである。 実施例2の転舵角速度に応じた転舵軸力補正係数の補正マップである。
符号の説明
1 ハンドル
2 前輪
3 舵取り機構
4 コラムシャフト
5 反力モータ(操舵反力付与手段)
6 回転角センサ
7 操舵トルクセンサ
8 反力モータ角度センサ
9a,9b 転舵モータ
10a,10b 転舵モータ角度センサ
11 ラック
12a,12b タイヤ横力センサ(タイヤ横力検出手段)
13 ピニオンシャフト
14 第1コントローラ(操舵反力制御手段,転舵軸力検出手段,転舵角速度検出手段)
15 第2コントローラ(操舵反力制御手段,転舵軸力検出手段,転舵角速度検出手段)
16 第3コントローラ(操舵反力制御手段,転舵軸力検出手段,転舵角速度検出手段)
17 バッテリ
18 通信線

Claims (4)

  1. 運転者によって操舵されるハンドルと、転舵輪に接続されるとともに当該転舵輪を転舵駆動する舵取り機構とが機械的に分離し、前記ハンドルの操舵角に応じて前記舵取り機構によって前記転舵輪を駆動すると共に、前記ハンドルに操舵反力を付与する操舵反力付与手段を有する車両用操舵装置において、
    タイヤ横力を検出するタイヤ横力検出手段と、
    前記舵取り機構のラック軸に作用する転舵軸力を検出する転舵軸力検出手段と、
    前記操舵反力付与手段によって前記ハンドルに付与する操舵反力の目標値である目標操舵反力を前記タイヤ横力と前記転舵軸力に応じて生成すると共に、該生成した目標操舵反力に基づいて前記操舵反力付与手段を制御する操舵反力制御手段と、
    を設け、
    前記操舵反力制御手段は、前記タイヤ横力がタイヤスリップ角に対して線形的に変化する線形領域では前記タイヤ横力のみに応じて前記目標操舵反力を生成し、前記タイヤ横力が前記タイヤスリップ角に対して非線形的に変化する非線形領域では前記タイヤ横力が大きくなるほど前記目標操舵反力のうち前記タイヤ横力に応じた操舵反力を小さくする一方、前記転舵軸力に応じた操舵反力を大きくすることを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 請求項1に記載の車両用操舵装置において、
    前記操舵反力制御手段は、前記タイヤ横力が飽和しているとき、前記タイヤ横力に応じた操舵反力および前記転舵軸力に応じた目標操舵反力を、タイヤ横力が飽和した際の目標操舵反力に維持することを特徴とする車両用操舵装置。
  3. 運転者によって操舵されるハンドルと、転舵輪に接続されるとともに当該転舵輪を転舵駆動する舵取り機構とが機械的に分離し、前記ハンドルの操舵角に応じて前記舵取り機構によって前記転舵輪を駆動すると共に、前記ハンドルに操舵反力を付与する操舵反力付与手段を有する車両用操舵装置において、
    タイヤ横力を検出するタイヤ横力検出手段と、
    前記舵取り機構のラック軸に作用する転舵軸力を検出する転舵軸力検出手段と、
    前記操舵反力付与手段によって前記ハンドルに付与する操舵反力の目標値である目標操舵反力を前記タイヤ横力と前記転舵軸力に応じて生成すると共に、該生成した目標操舵反力に基づいて前記操舵反力付与手段を制御する操舵反力制御手段と、
    を設け、
    前記操舵反力制御手段は、前記タイヤ横力と前記転舵軸力との差の絶対値が、前記タイヤ横力がタイヤスリップ角に対して線形的に変化する線形領域を示す値である場合には前記タイヤ横力のみに応じて前記目標操舵反力を生成し、前記差の絶対値が、前記タイヤ横力が前記タイヤスリップ角に対して非線形的に変化する非線形領域を示す値である場合には前記タイヤ横力が大きくなるほど前記目標操舵反力のうち前記タイヤ横力に応じた操舵反力を小さくする一方、前記転舵軸力に応じた操舵反力を大きくすることを特徴とする車両用操舵装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用操舵装置において、
    前記タイヤの転舵角速度を検出する転舵角速度検出手段を設け、
    前記操舵反力制御手段は、前記転舵角速度が高いほど前記転舵軸力を減少補正することを特徴とする車両用操舵装置。
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