JP4997478B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents

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    • B62D6/003Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits computing target steering angles for front or rear wheels in order to control vehicle yaw movement, i.e. around a vertical axis

Description

本発明は、車両用操舵装置に関するものである。
近年、車速やヨーレイト等といった各種の状態量を検出することにより車両のステアリング特性(ステア特性)を判定し、その判定結果に基づいて、車両のヨーモーメントを制御すべく転舵輪の舵角(転舵角)を制御する所謂アクティブステア機能を備えた操舵制御システムが提案されている。
例えば、特許文献1に記載の車両用操舵装置は、ステアリング操作に基づく転舵輪の第1の舵角にモータ駆動に基づく転舵輪の第2の舵角(ACT角)を上乗せすることにより、ステアリングと転舵輪との間の伝達比(ギヤ比)を変更可能な伝達比可変装置を備えている。そして、そのステア特性がオーバーステアである場合には、ヨーモーメントと反対方向(カウンタ方向)の転舵角を発生させるべくACT角を制御し、ステア特性がアンダーステアである場合には、切り込み操作に対する転舵角の変更量が小さくなるようにその伝達比を変更する。即ち、その転舵輪の舵角を自動的に制御するアクティブステア機能を実現することにより、車両姿勢の安定化を図る構成となっている。
特開2005−292926号公報 特開平5−139327号公報
ところで、従来、このような車輌用操舵装置の多くは、車輌のヨーレイトを監視することにより、そのアクティブステア制御の開始判定を実行する。しかしながら、凍結路等、極めて路面μの低い状況においては、ごく僅かな舵角変化、或いは荷重変化により、その車輌姿勢が一気に不安定化する傾向がある。このため、そのアクティブステア制御の開始閾値に相当するヨーレイトが検出されたときには、既に車輌姿勢が不安定化している場合もある。そして、このような場合には、そのアクティブステア制御の収束、即ち車輌姿勢の安定化までに、より多くの時間を要する結果となるという課題を残しており、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
尚、特許文献2には、車輌のスリップ角微分値(車輌横滑り角速度)の絶対値が所定の閾値以上となった場合に、車輌が旋回限界に達した、即ち不安定化したものと判定する方法が開示されており、このようにスリップ角微分値を監視することにより、いち早く車輌姿勢の不安定化を検出することができる。
しかしながら、こうしたスリップ角微分値に基づく車輌の姿勢状態判定には、誤判定が多いという問題があり、その誤った姿勢状態判定基づいて上記アクティブステア制御を開始した場合には、かえって車輌姿勢の不安定化を助長する結果となるおそれがある。そのため、従来、上記のようなヨーレイトに基づく開始判定が一般的となっているのが実情である。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、誤判定なく早期にアクティブステア制御を開始して、より迅速に車輌姿勢を安定化させることのできる車両用操舵装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ステアリングと転舵輪との間の操舵伝達系の途中に設けられてステアリング操作に基づく前記転舵輪の第1の舵角にモータ駆動に基づく前記転舵輪の第2の舵角を上乗せすることにより前記ステアリングと前記転舵輪との間の伝達比を可変させる伝達比可変装置と、前記伝達比可変装置の作動を制御する制御手段とを備えるとともに、前記制御手段は、車輌姿勢の安定化を図るべく自動的に前記第2の舵角を変更するアクティブステア制御を実行する車両用操舵装置であって、前記伝達比可変装置の作動を制御する制御手段とを備えるとともに、前記制御手段は、車輌姿勢の安定化を図るべく自動的に前記第2の舵角を変更するアクティブステア制御を実行する車両用操舵装置であって、前記制御手段は、スリップ角微分値が所定の閾値以上、且つスリップ角微分値の符号とヨーレイトの符号とが同一、且つ操舵角の符号と操舵速度の符号とが同一、且つ車速が所定の閾値以上である場合に、前記アクティブステア制御を開始すること、を要旨とする。
上記構成のように、スリップ角微分値に基づく車輌の姿勢状態判定の実行によりアクティブステア制御を開始することで、当該アクティブステア制御の開始タイミングを早めることができ、その結果、迅速に車輌姿勢を安定化させることができるようになる。そして、その誤判定が引き起こされる蓋然性の高い状況を除外した上で、当該スリップ角微分値に基づくアクティブステア制御の開始判定を実行することにより、その高い判定精度を確保することができる。
即ち、スリップ角微分値に基づく車輌の姿勢状態判定処理における誤判定の発生は、そのスリップ角微分値を演算する際の基礎となる状態量(ヨーレイト及び横方向加速度)の位相遅れを一因とする。従って、上記構成のように、こうした位相遅れが発生している可能性の高い、「車輌の回転・滑り方向」を示す二つ状態量(スリップ角微分値及びヨーレイト)の符号が相反する場合を除外することで、その誤判定の発生を回避することができる。
また、こうした位相遅れの影響は、とりわけ、その操舵方向が切り替わる所謂「切り返し操舵」時において、より顕著なものとなる。従って、上記構成のように、当該切り返し操舵の発生時、即ち操舵角及び操舵速度の方向が相反する場合を除外することで、より効果的に、その誤判定の発生を回避することができる。
更に、スリップ角微分値の演算式には、車速を分母とする項が含まれる。即ち、車速が極低速にある場合、当該項が極めて大きな値となることから、上記誤判定が発生する可能性もまた極めて高くなる。従って、上記構成のように、車速が所定の閾値よりも低速である場合を除外することで、より効果的に、その誤判定の発生を回避することができる。
請求項2に記載の発明は、前記制御手段は、前記アクティブステア制御を実行するための前記第2の舵角の制御量を構成する制御成分として、前記スリップ角微分値に基づく制御成分を演算すること、を要旨とする。
即ち、スリップ角微分値に基づき判定されるアクティブステア制御の開始タイミングは、その車輌姿勢の不安定化がヨーレイトやスリップ角等の車輌モデルに用いられる車輌状態量として表面化するよりも速い場合がある。しかしながら、上記構成によれば、その制御開始時点から、十分なアクティブステア制御を実行するための制御量を確保することが可能となる。そして、これにより、少ないカウンタ量で、より迅速に車輌姿勢を安定させることができ、その結果、速やかに通常制御へと復帰させることができるようになる。
請求項3に記載の発明は、前記制御手段は、前記アクティブステア制御として、車両がオーバーステア状態にある場合には、前記車両のヨーモーメントと逆方向に前記第2の舵角を変更すべく前記伝達比可変装置を作動させるオーバーステア制御を実行すること、を要旨とする。
即ち、ヨーモーメントの方向と逆方向の舵角(カウンタステア)を与えるべく第2の舵角を変更するオーバーステア制御は、その開始タイミングを早期化することにより得られる効果が絶大であるとともに、その誤判定の影響の大きさも極めて大きい。従って、こうしたオーバーステア制御の開始判定に適用することで、より顕著な効果を得ることができる。
本発明によれば、誤判定なく早期にアクティブステア制御を開始して、より迅速に車輌姿勢を安定化させることが可能な車両用操舵装置を提供することができる。
以下、本発明を伝達比可変装置を備えた車両用操舵装置に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態の車両用操舵装置1の概略構成図である。同図に示すように、ステアリング(ハンドル)2が固定されたステアリングシャフト3は、ラック&ピニオン機構4を介してラック5に連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラック&ピニオン機構4によりラック5の往復直線運動に変換される。そして、このラック5の往復直線運動により転舵輪6の舵角、即ち転舵角が可変することにより、車両の進行方向が変更される。
本実施形態の車両用操舵装置1は、ステアリング2と転舵輪6との間の操舵伝達系の途中に設けられてステアリング2の舵角(操舵角)に対する転舵輪6の伝達比(ギヤ比)を可変させる伝達比可変装置としてのギヤ比可変アクチュエータ7と、該ギヤ比可変アクチュエータ7の作動を制御するIFSECU8とを備えている。
詳述すると、ステアリングシャフト3は、ステアリング2が連結された第1シャフト9とラック&ピニオン機構4に連結される第2シャフト10とからなり、ギヤ比可変アクチュエータ7は、第1シャフト9及び第2シャフト10を連結する差動機構11と、該差動機構11を駆動するモータ12とを備えている。そして、ギヤ比可変アクチュエータ7は、ステアリング操作に伴う第1シャフト9の回転に、モータ駆動による回転を上乗せして第2シャフト10に伝達することにより、ラック&ピニオン機構4に入力されるステアリングシャフト3の回転を増速(又は減速)する。
つまり、図2及び図3に示すように、ギヤ比可変アクチュエータ7は、ステアリング操作に基づく転舵輪6の舵角(ステア転舵角θts)にモータ駆動に基づく転舵輪の舵角(ACT角θta)を上乗せすることにより、操舵角θsに対する転舵輪6の転舵角θtの比率、即ち伝達比(ギヤ比)を可変させる。そして、IFSECU8は、モータ12に対する駆動電力の供給を通じてギヤ比可変アクチュエータ7の制御を制御し、これにより操舵角θsと転舵角θtとの間の伝達比(ギヤ比)を制御する(ギヤ比可変制御)。
尚、この場合における「上乗せ」とは、加算する場合のみならず減算する場合をも含むものと定義し、以下同様とする。また、「操舵角θsに対する転舵角θtのギヤ比」をオーバーオールギヤ比(操舵角θs/転舵角θt)で表した場合、ステア転舵角θtsと同方向のACT角θtaを上乗せすることによりオーバーオールギヤ比は小さくなる(転舵角θt大、図2参照)。そして、逆方向のACT角θtaを上乗せすることによりオーバーオールギヤ比は大きくなる(転舵角θt小、図3参照)。そして、本実施形態では、ステア転舵角θtsが第1の舵角を構成し、ACT角θtaが第2の舵角を構成する。
また、図1に示すように、車両用操舵装置1は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置としてのEPSアクチュエータ17と、該EPSアクチュエータ17の作動を制御する制御手段としてのEPSECU18とを備えている。
本実施形態のEPSアクチュエータ17は、その駆動源であるモータ22がラック5に設けられた所謂ラックアシスト型のEPSアクチュエータであり、モータ22が発生するアシストトルクは、ボール螺子機構(図示略)を介してラック5に伝達される。そして、EPSECU18は、このモータ22が発生するアシストトルクを制御することにより、操舵系に付与するアシスト力を制御する(パワーアシスト制御)。
本実施形態では、上記のギヤ比可変アクチュエータ7を制御するIFSECU8、及びEPSアクチュエータ17を制御するEPSECU18は、車内ネットワーク(CAN:Controller Area Network)23を介して接続されており、該車内ネットワーク23には、車両状態量を検出するための複数のセンサが接続されている。具体的には、車内ネットワーク23には、操舵角センサ24、トルクセンサ25、車輪速センサ26a,26b、横Gセンサ28、車速センサ29、ブレーキセンサ30、及びヨーレイトセンサ31が接続されている。そして、上記各センサにより検出される複数の車両状態量、即ち操舵角θs、操舵トルクτ、車輪速Vtr,Vtl、転舵角θt、車速V、ブレーキ信号Sbk、横方向加速度Fs、ヨーレイトRy、及びスリップ角θspは、車内ネットワーク23を介してIFSECU8及びEPSECU18に入力される。
尚、本実施形態では、転舵角θtは、操舵角θsにラック&ピニオン機構4のベースギヤ比を乗じた値、即ちステア転舵角θtsにACT角θtaを加算することにより求められ、スリップ角θspは、横Gセンサ28により検出される横方向加速度Fs及びヨーレイトRyに基づいて求められる。また、IFSECU8及びEPSECU18は、車内ネットワーク23を介した相互通信により、制御信号の送受信を行う。そして、IFSECU8及びEPSECU18は、車内ネットワーク23を介して入力された上記各車両状態量及び制御信号に基づいて、上記のギヤ比可変制御及びパワーアシスト制御を統合的に実行する。
次に、本実施形態のステアリング装置の電気的構成及び制御態様について説明する。
図4は、本実施形態の車両用操舵装置1の制御ブロック図、図5は、IFSECU側の演算処理手順を示すフローチャート、そして、図6は、EPSECU側の演算処理手順を示すフローチャートである。尚、図4中の各制御ブロックは、IFSECU側及びEPSECU側にそれぞれ設けられた情報処理装置(マイコン)が実行するコンピュータプログラムにより実現されるものである。
図4に示すように、IFSECU8は、モータ制御信号を出力するマイコン33と、モータ制御信号に基づいてモータ12に駆動電力を供給する駆動回路34とを備えている。
本実施形態では、ギヤ比可変アクチュエータ7の駆動源であるモータ12には、ブラシレスモータが採用されている。そして、駆動回路34は、マイコン33から入力されるモータ制御信号に基づいて、モータ12に三相(U,V,W)の駆動電力を供給する構成となっている。
詳述すると、本実施形態のマイコン33は、IFS制御演算部35、ギヤ比可変制御演算部36、及びLeadSteer制御演算部37を備えており、各制御演算部は、それぞれ入力される車両状態量に基づいて、その目的に応じたACT角θtaの制御成分(及び制御信号)を演算する。そして、マイコン33は、その演算された各制御成分に基づいて、モータ12、即ちギヤ比可変アクチュエータ7の作動を制御するためのモータ制御信号を生成する。
IFS制御演算部35には、操舵角θs、転舵角θt、車速V、車輪速Vtr,Vtl、ブレーキ信号Sbk、横方向加速度Fs、ヨーレイトRy及びスリップ角θspが入力される。そして、IFS制御演算部35は、これらの車両状態量に基づいて、所謂アクティブステア機能、即ち車両モデルに基づき車両のヨーモーメントを制御するためのACT角θtaの制御成分の演算、並びに関連する制御信号の演算を行う(IFS制御演算)。
具体的には、IFS制御演算部35は、入力される上記各状態量に基づいて、車両のステアリング特性(ステア特性)を判定する。そして、そのステア特性に応じたアクティブステア機能を実現するためのACT角θtaの制御成分として、IFS_ACT指令角θifs*、及びUS制御ゲインKusを演算する。
IFS_ACT指令角θifs*は、主として車両のステア特性がオーバーステア(OS)である場合に対応する制御成分であり、このIFS_ACT指令角θifs*に基づいて、ヨーモーメントの方向と逆方向の舵角(カウンタステア)を与えるべくACT角θtaを変更するオーバーステア制御が実行される。また、US制御ゲインKusは、ステア特性がアンダーステア(US)である場合に、切り込み操作に対する転舵角θtの変化量を小さくする、即ち転舵輪6の切れ角を小さくするための制御ゲインであり、当該US制御ゲインKusは、上記ギヤ比可変制御演算部36へと出力される。そして、このUS制御ゲインKusにより、ギヤ比可変制御演算部36の演算する制御成分(の絶対値)が低減されることにより、上記のようなアンダーステア制御が実行される。
尚、本実施形態では、上記IFS_ACT指令角θifs*及びUS制御ゲインKusは、ステア特性判定の判定結果を示すOS/US特性値Val_stとともに、制御信号としてEPSECU18に出力される(図1参照)。そして、これらの各制御信号に基づいて、EPSECU18が、上記のようなアクティブステア制御と協調したパワーアシスト制御を実行する構成となっている。
一方、ギヤ比可変制御演算部36には、操舵角θs、転舵角θt及び車速Vが入力される。そして、ギヤ比可変制御演算部36は、これらの車両状態量(及び制御信号)に基づいて、車速Vに応じてギヤ比を可変させるための制御成分としてギヤ比可変ACT指令角θgr*を演算する(ギヤ比可変制御演算)。
また、LeadSteer制御演算部37には、車速V及び操舵速度ωsが入力される。尚、操舵速度ωsは、操舵角θsを微分することにより演算される(以下同様)。そして、LeadSteer制御演算部37は、これら車速V及び操舵速度ωsに基づいて操舵速度に応じて、車両の応答性を向上させるための制御成分としてLS_ACT指令角θls*を演算する(LeadSteer制御演算)。
IFS制御演算部35、ギヤ比可変制御演算部36及びLeadSteer制御演算部37は、上記各演算により演算された各制御成分、即ちIFS_ACT指令角θifs*、ギヤ比可変ACT指令角θgr*、及びLS_ACT指令角θls*を加算器38aに出力する。そして、この加算器38aにおいて、これらIFS_ACT指令角θifs*、ギヤ比可変ACT指令角θgr*、及びLS_ACT指令角θls*が重畳されることによりACT角θtaの制御目標となるACT指令角θta*が演算される。
加算器38aにて演算されたACT指令角θta*は、F/F制御演算部39及びF/B制御演算部40に入力される。また、F/B制御演算部40には、モータ12に設けられた回転角センサ41により検出されるACT角θtaが入力される。そして、F/F制御演算部39は、入力されたACT指令角θta*に基づくフィードフォワード演算により制御量εffを演算し、F/B制御演算部40は、ACT指令角θta*及びACT角θtaに基づくフィードバック演算により制御量εfbを演算する。
F/F制御演算部39及びF/B制御演算部40は、演算された制御量εff及び制御量εfbを加算器38bに出力する。そして、同加算器38bにおいて、これら制御量εff及び制御量εfbが重畳されることにより電流指令が演算され、当該電流指令は、モータ制御信号出力部42へと出力される。そして、モータ制御信号出力部42は、その入力された電流指令に基づいてモータ制御信号を生成し駆動回路34に出力する。
即ち、図5のフローチャートに示すように、マイコン33は、車両状態量として上記各センサからセンサ値を取り込むと(ステップ101)、先ずIFS制御演算を行い(ステップ102)、続いてギヤ比可変制御演算(ステップ103)、及びLeadSteer制御演算を行う(ステップ104)。そして、マイコン33は、上記ステップ102〜ステップ104の各演算処理を実行することにより演算されたIFS_ACT指令角θifs*、ギヤ比可変ACT指令角θgr*、及びLS_ACT指令角θls*を重畳し、これによりACT角θtaの制御目標となるACT指令角θta*を演算する。
次に、マイコン33は、この演算されたACT指令角θta*に基づいてフィードフォワード演算(ステップ105)及びフィードバック演算(ステップ106)を行うことにより電流指令を演算する。そして、その電流指令に基づいてモータ制御信号の出力を行う(ステップ107)。
一方、EPSECU18もまた、上記IFSECU8と同様に、マイコン43と、駆動回路44とを備えている。尚、本実施形態では、EPSアクチュエータ17の駆動源であるモータ22もまた、ブラシレスモータが採用されている。そして、駆動回路44は、マイコン43から入力されるモータ制御信号に基づいて、モータ22に三相(U,V,W)の駆動電力を供給する構成となっている。
詳述すると、マイコン43は、アシスト制御部45、トルク慣性補償制御部46、ステアリング戻し制御部47、及びダンパ補償制御部48を備え、これら各制御部は、それぞれ入力される車両状態量に基づいてモータ22が発生するアシストトルクの制御成分を演算する。
詳述すると、アシスト制御部45には、操舵トルクτ及び車速Vが入力されるようになっており、同アシスト制御部45は、これら操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、アシスト力の基礎的な制御成分として基本アシスト電流指令Ias*を演算する。具体的には、操舵トルクτ(の絶対値)が大きいほど、また車速Vが遅いほど大きな基本アシスト電流指令Ias*が演算される。
また、トルク慣性補償制御部46には、操舵トルクτの微分値である操舵トルク微分値dτ及び車速Vが入力される。そして、トルク慣性補償制御部46は、EPSの慣性による影響を補償するための制御成分として慣性補償電流指令Iti*を演算する。
尚、「トルク慣性補償制御」は、モータやアクチュエータ等の慣性により発生するステアリング操作における「切り始め」時の「引っ掛かり感(追従遅れ)」、及び「切り終わり」時の「流れ感(オーバーシュート)」を抑制するための制御である。そして、このトルク慣性補償制御には、転舵輪6への逆入力により生ずる操舵系の振動を抑制する効果がある。
ステアリング戻し制御部47には、車速V、操舵トルクτ、及び転舵角θtが入力され、同ステアリング戻し制御部47は、これら各状態量に基づいて、ステアリング2の戻り特性を改善するための制御成分であるステアリング戻し電流指令Isb*を演算する。
また、ダンパ補償制御部48には、車速V及び操舵速度ωsが入力される。そして、ダンパ補償制御部48は、これら操舵速度ωs及び車速V)に基づいて、操舵速度ωs減衰させる補償成分であるダンパ補償電流指令Idp*を演算する。尚、こうしたダンパ補償成分には、ステアリング特性の改善(主として高速走行時における過剰舵角の抑制)を図る効果がある。
また、マイコン43は、上記各制御部に加え、上述のアクティブステア制御時の操舵フィーリングを改善すべく、当該アクティブステア制御と協調したパワーアシスト制御を実行するためのIFSトルク補償ゲインKifsを演算するIFSトルク補償制御部49を備えている。
本実施形態では、IFSトルク補償制御部49には、操舵角θs及び操舵速度ωsとともに、車内ネットワーク23を介してIFSECU8側から出力された上記の各種制御信号、即ちIFS_ACT指令角θifs*、US制御ゲインKus、OS/US特性値Val_stが入力される。そして、IFSトルク補償制御部49は、これら入力される各状態量、及び制御信号に制御信号に基づいてIFSトルク補償ゲインKifsを演算する。
具体的には、IFSトルク補償制御部49は、オーバーステア時には、運転者にカウンタ操舵を促すアシスト力付与が実行されるようなIFSトルク補償ゲインKifsを演算し、アンダーステア時には、それ以上の操舵角の発生を抑制するアシスト力付与が実行されるようなIFSトルク補償ゲインKifsを演算する。
本実施形態では、IFSトルク補償制御部49において演算されたIFSトルク補償ゲインKifsは、アシスト制御部45において演算された基本アシスト電流指令Ias*とともに乗算器50に入力される。
乗算器50においてIFSトルク補償ゲインKifsが乗ぜられることにより補正された補正後の基本アシスト電流指令Ias**は、その他の各種補償成分、即ち慣性補償電流指令Iti*、ステアリング戻し電流指令Isb*、及びダンパ補償電流指令Idp*とともに、加算器51に入力される。そして、同加算器51において、これら各制御成分が基本アシスト電流指令Ias**に重畳されることにより、モータ22が発生するアシストトルクの制御目標である電流指令が演算される。
加算器51において演算された電流指令は、モータ制御信号出力部52に入力される。また、モータ制御信号出力部52には、電流センサ53により検出される実電流及び回転センサ54により検出される回転角が入力される。そして、モータ制御信号出力部52は、これら電流指令、実電流及び回転角に基づいてフィードバック制御を行うことによりモータ制御信号を生成し、そのモータ制御信号を駆動回路44に出力する。
即ち、図6のフローチャートに示すように、マイコン43は、車両状態量として上記各センサからセンサ値を取り込むと(ステップ201)、先ずアシスト制御演算を行う(ステップ202)。次に、トルク慣性補償制御演算(ステップ203)、ハンドル戻し制御演算(ステップ204)、及びダンパ補償制御演算を行い(ステップ205)、続いてIFSトルク補償制御演算(ステップ206)を行う。
次に、マイコン43は、上記ステップ202のアシスト制御演算により算出された基本アシスト電流指令Ias*にステップ206において算出されたIFSトルク補償ゲインKifsを乗ずることにより同基本アシスト電流指令Ias*を補正する。そして、この補正後の基本アシスト電流指令Ias**に上記ステップ203〜ステップ205の各演算処理により算出された慣性補償電流指令Iti*、ステアリング戻し電流指令Isb*、及びダンパ補償電流指令Idp*を重畳することにより制御目標となる電流指令を算出し、その電流指令に基づいてモータ制御信号の出力を行う(ステップ207)。
次に、IFS制御演算部におけるIFS制御演算処理について詳述する。
図7は、IFS制御演算部の制御ブロック図である。同図に示すように、IFS制御演算部35は、車両モデル演算部61、跨ぎ路判定部62、ステア特性演算部63、OS制御演算部65、US制御演算部66、制御ON/OFF判定部67、及びIFS_ACT指令角演算部68を備えている。
車両モデル演算部61には、転舵角θt及び車速Vが入力される。そして、車両モデル演算部61は、この転舵角θt及び車速Vに基づく車両モデル演算を実行することにより、車両のヨーモーメントに関連する車両状態量の目標値、即ち目標状態量としての目標ヨーレイトRy0及び目標スリップ角θsp0を演算する。
尚、本実施形態の車両モデル演算部61における車両モデル演算、即ち車両モデルに基づき転舵角θt及び車速Vから目標ヨーレイトRy0及び目標スリップ角θsp0を演算する方法については、例えば特開2002−254964号公報等を参考されたい。
跨ぎ路判定部62には、車輪速Vtr,Vtl、転舵角θt、車速V、及びブレーキ信号Sbkが入力される。そして、跨ぎ路判定部62は、これらの車両状態量に基づいて、車両が跨ぎ路、即ち車両の左右の車輪がそれぞれ路面抵抗の著しく異なる2つの路面(μスプリット路面)上にあるか否かの判定を行う。詳しくは、μスプリット状態における制動、即ちμスプリット制動状態にあるか否かの判定を行う(跨ぎ路判定)。
ステア特性判定手段としてのステア特性演算部63には、転舵角θt、車速V、及びヨーレイトRy、並びに車両モデル演算部61において演算された目標ヨーレイトRy0が入力される。そして、ステア特性演算部63は、これらの車両状態量に基づいて、車両のステア特性、即ち、車両がオーバーステア、アンダーステア、又はニュートラルステアの何れの状態にあるかを演算し、その特性を示すOS/US特性値Val_stを演算する(ステア特性演算)。尚、本実施形態では、OS/US特性値Val_stは次式、Val_st=(L×Ry/V−θt)×Ry、L:ホイールベース、に基づくアナログ信号として出力される。
OS制御演算部65は、ヨーレイトF/B演算部71、スリップ角F/B演算部72を備えており、これらヨーレイトF/B演算部71及びスリップ角F/B演算部72は、それぞれ対応する車両状態量の実際値がその目標値に追従するようフィードバック演算を行う。そして、OS制御演算部65は、これら各F/B演算部におけるフィードバック演算に基づいて、ステア特性がオーバーステアである場合のACT角θtaの制御目標成分、即ちヨーモーメントと逆方向の舵角(カウンタステア)を発生させるための制御目標成分として、OS制御時ACT指令角θos*を演算する(OS制御演算)。
さらに詳述すると、ヨーレイトF/B演算部71には、ヨーレイトRy、及び目標ヨーレイトRy0が入力され、ヨーレイトF/B演算部71は、その偏差ΔRyに基づいてフィードバック演算を行う。具体的には、ヨーレイトF/B演算部71は、偏差ΔRyに比例F/BゲインKPを乗ずることによりヨーレイト比例F/B指令角θRyp*を演算し、偏差ΔRyの微分量に微分F/BゲインKDを乗ずることによりヨーレイト微分F/B指令角θRyd*を演算する(ヨーレイトF/B演算)。同様に、スリップ角F/B演算部72には、スリップ角θsp、及び目標スリップ角θsp0が入力され、スリップ角F/B演算部72は、その偏差Δθspにスリップ角F/BゲインKslipを乗ずることにより、スリップ角F/B指令角θsp*を演算する(スリップ角F/B演算)。
また、本実施形態のOS制御演算部65は、上記ヨーレイトF/B演算部71及びスリップ角F/B演算部72に加え、所謂μスプリット制動時の安定性を確保するための制御成分を演算するヨー角F/B演算部73を備えている。そして、ヨー角F/B演算部73は、上記跨ぎ路判定部62における判定結果をトリガとして目標ヨー角θy0及びヨー角θyに基づくヨー角F/B演算を実行し、その偏差Δθyにヨー角ゲインKyawを乗ずることによりヨー角F/B指令角θy*を演算する。
これらヨーレイトF/B演算部71において演算されたヨーレイト比例F/B指令角θRyp*及びヨーレイト微分F/B指令角θRyd*、スリップ角F/B演算部72において演算されたスリップ角F/B指令角θsp*、並びにヨー角F/B演算部73において演算されたヨー角F/B指令角θy*は、加算器76に入力される。また、この加算器76には、後述するスリップ角微分値F/F演算部81において演算されるスリップ角微分値F/F指令角dθsp*が入力される。そして、OS制御演算部65は、同加算器76において、これらの各制御目標成分を重畳することにより、OS制御時ACT指令角θos*を演算する(OS制御演算)。
US制御演算部66には、操舵角θs及び操舵速度ωs、並びにステア特性演算部63において演算されたOS/US特性値Val_stが入力される。そして、US制御演算部66は、これら車両状態量に基づいて上記US制御ゲインKusを演算する(US制御演算)。
また、制御ON/OFF判定部67は、上記OS制御演算部65で演算されたOS制御時ACT指令角θos*に基づくオーバーステア制御(OS制御)、及びUS制御演算部66で演算されたUS制御時ACT指令角θus*に基づくアンダーステア制御(US制御)、即ちアクティブステア制御の開始判定を実行する判定手段としての機能を有している。
本実施形態では、制御ON/OFF判定部67には、ステア特性演算部63において演算されたOS/US特性値Val_st等、各種の状態量(及び制御信号)が入力されるようになっており、制御ON/OFF判定部67は、これらの状態量(及び制御信号)に基づいて上記アクティブステア制御の開始判定を実行する。そして、その判定結果を制御ON/OFF信号Scとして出力する(制御ON/OFF判定)。尚、本実施形態の制御ON/OFF判定部67は、OS制御に関する制御ON/OFF信号Scは、OS制御信号Sc_osとして出力し、US制御に関する制御ON/OFF信号Scは、US制御信号Sc_usとして出力する構成となっている。
IFS_ACT指令角演算部68には、OS制御演算部65により演算されたOS制御時ACT指令角θos*及び制御ON/OFF判定部67の出力する制御ON/OFF信号Sc(OS制御信号Sc_os)が入力される。そして、IFS_ACT指令角演算部68は、入力された制御ON/OFF信号Scが「OS制御ON」を示すものである場合には、OS制御時ACT指令角θos*をIFS_ACT指令角θifs*として出力する(IFS_ACT指令角演算)。
即ち、図8のフローチャートに示すように、IFS制御演算部35は、先ず、車両モデル演算を実行し(ステップ301)、次に跨ぎ路判定を実行する(ステップ302)。そして、ステア特性演算を実行し(ステップ303)、後述するスリップ角微分値演算を実行する(ステップ305)。
次に、IFS制御演算部35は、上記ステップ301の車両モデル演算において演算された目標ヨーレイトRy0及び目標スリップ角θsp0に基づいて、ヨーレイトF/B演算及びスリップ角F/B演算、並びに上記スリップ角微分値に基づくスリップ角微分値F/F演算を実行することによりOS制御時ACT指令角θos*を演算する(OS制御演算、ステップ306)。尚、上記ステップ302にてμスプリット制動状態にある旨の判定がなされた場合には、その判定結果をトリガとしてヨー角F/B演算が実行される。
続いて、IFS制御演算部35は、US制御演算を実行することによりUS制御ゲインKusを演算する(ステップ307)。そして、制御ON/OFF判定を実行し(ステップ306)、その制御ON/OFF判定の結果に基づいて、アクティブステア機能を実現するための制御目標成分としてIFS_ACT指令角θifs*を出力する(IFS_ACT指令角演算、ステップ308)。尚、制御ON/OFF判定の結果が、US制御を開始すべき旨を示すものである場合には、US制御演算の実行により演算されたUS制御ゲインKusを出力する。
(アクティブステア制御の開始判定)
次に、本実施形態の車両用操舵装置におけるアクティブステア制御の開始判定の態様について説明する。
上述のように、車輌のヨーレイトに基づいてアクティブステア制御の開始判定を行う構成では、凍結路等、極めて路面μの低い状況において、そのアクティブステア制御の開始が遅れる傾向がある。そして、車輌のスリップ角微分値(車輌横滑り角速度)に基づく開始判定は、迅速に車輌姿勢の不安定化を検知することが可能ではあるものの、誤判定が多いという問題がある。
この点を踏まえ、本実施形態のIFSECU8(マイコン33)は、その誤判定が引き起こされる蓋然性の高い状況を除外した上で、スリップ角微分値に基づくアクティブステア制御の開始判定を実行する。そして、これにより、迅速且つ高精度に車輌姿勢の不安定化を検知して、速やかにその安定化を図るためのアクティブステア制御を実行する構成となっている。
詳述すると、図7に示すように、本実施形態のIFS制御演算部35には、スリップ角微分値dθspを演算するスリップ角微分値演算部80が設けられている。そして、制御ON/OFF判定部67は、これらの状態量(及び制御信号)に基づいて上記アクティブステア制御、詳しくはオーバーステア制御の開始判定を実行する。
本実施形態では、スリップ角微分値演算部80には、横方向加速度Fs、ヨーレイトRy及び車速Vが入力される。そして、同スリップ角微分値演算部80は、次の(1)式に基づいて、スリップ角微分値dθspの演算を実行する。
dθsp=Ry−(Fs/V) ・・・(1)
制御ON/OFF判定部67には、このスリップ角微分値dθsp及びステア特性演算部63において演算されたOS/US特性値Val_stに加え、ヨーレイトRy、車速V、操舵角θs及び操舵速度ωsが入力される。そして、制御ON/OFF判定部67は、これらの各状態量を用いた以下の各判定条件の全てを満たす場合に、オーバーステア制御を開始すべきと判定する。
− スリップ角微分値dθspの絶対値が所定の閾値α以上
− スリップ角微分値dθspの符号とヨーレイトRyの符号とが同一
− 操舵角θsの符号と操舵速度ωsの符号とが同一
− 車速Vが所定の閾値V0以上
即ち、上記(1)式の第1項である「ヨーレイトRy」は車輌の「自転」を示し、その第2項である「横方向加速度Fs/車速V」は、車輌の「公転」を示す。従って、その「自転」と「公転」とのバランスを監視することで、いち早く、車輌姿勢の不安定化を検知することが可能である。
ここで、多くの場合、車輌の各種制御に用いられる各状態量には、ノイズ除去の観点からフィルタ処理(ローパスフィルタ)が施される。そして、これは、上記(1)式に用いられるヨーレイトRy、及び横方向加速度Fsもまた同様である。しかしながら、こうしたフィルタ処理を施すことにより、その検出されたヨーレイトRy、及び横方向加速度Fsを示す信号には、それぞれ位相遅れが発生する。そして、この位相遅れが上記(1)式を用いた場合における誤判定の一因となっている。
そこで、本実施形態では、このようなフィルタ処理によって発生した位相遅れに起因する誤判定を排除すべく、上記のように「スリップ角微分値dθspの符号とヨーレイトRyの符号とが同一であるか否か」を判定する。そして、「車輌の回転・滑り方向」を示す状態量であるこれら二つの状態量の符号が相反する場合には、上記位相遅れの影響を考慮し、オーバーステア制御を開始すべき旨の判定を行わないことにより、上記誤判定の発生を回避する構成となっている。
また、こうした位相遅れの影響は、とりわけ、その操舵方向が切り替わる所謂「切り返し操舵」時において、より顕著なものとなる。従って、本実施形態では、この点を考慮して、上記のように「操舵角θsの符号と操舵速度ωsの符号とが同一であるか否か」を判定する。そして、このような切り返し操舵の発生時には、オーバーステア制御を開始すべき旨の判定を行わないことにより、その誤判定の発生を回避する構成となっている。
尚、上記(1)式を用いることで、基本的には、運転者よりも早く車輌姿勢の不安定化を検知することができるものの、一部の優れた運転者は、その検知に先んじてカウンタ操舵を行う場合がある。そして、このような場合、その遅れて開始されるオーバーステア制御分が過剰となって、車輌姿勢が不安定化する、即ち所謂「おつりがでる」状態となるおそれがある。しかしながら、上記構成によれば、このように運転者が素早く適切なカウンタ操舵を行った場合には、オーバーステア制御は行われない。そして、本実施形態では、これにより、より優れたステアリング特性、及び良好な操舵フィーリングの実現を図る構成となっている。
更に、上記(1)式の第2項は、車速Vを分母とする分数により表される。従って、その車速Vが極低速にある場合、当該第2項が極めて大きな値となることから、上記誤判定が発生する可能性もまた極めて高くなる。そこで、本実施形態では、上記のように「車速Vが所定の閾値V0以上であるか否か」を判定する。そして、車速Vが所定の閾値V0よりも低速である場合には、オーバーステア制御を開始すべき旨の判定を行わないことにより、その誤判定の発生を回避する構成となっている。尚、極低車速領域では、基本的に車輌姿勢も安定することになる。従って、そのオーバーステア制御を実行しないことのデメリットは小さいと推測される。
次に、制御ON/OFF判定部よるOS制御開始判定の処理手順について説明する。
図9のフローチャートに示すように、制御ON/OFF判定部67は、先ず、入力されるOS/US特性値Val_stがオーバーステアを示すか否かを判定し(ステップ401)、オーバーステアであると判定した場合(ステップ401:YES)には、続いてスリップ角微分値dθspの絶対値が所定の閾値α以上であるか否かを判定する(ステップ402)。そして、スリップ角微分値dθspの絶対値が所定の閾値α以上であると判定した場合(|dθsp|≧α、ステップ402:YES)には、上記のような、その他の各判定条件を満たすか否かを判定する(ステップ403〜ステップ405)。
つまり、制御ON/OFF判定部67は、スリップ角微分値dθspの符号とヨーレイトRyの符号とが同一であるか否かの判定(ステップ403)、操舵角θsの符号と操舵速度ωsの符号とが同一であるか否かの判定(ステップ404)、及び車速Vが所定の閾値V0以上であるか否かの判定(ステップ405)を実行する。そして、これらステップ403〜ステップ404の各判定条件を全て満たす場合(ステップ403:YES、且つステップ404:YES、且つステップ405:YES)には、「OS制御ON」と判定する(ステップ406)。
即ち、本実施形態の制御ON/OFF判定部67は、スリップ角微分値dθspが所定の閾値α以上、且つスリップ角微分値dθspの符号とヨーレイトRyの符号とが同一、且つ操舵角θsの符号と操舵速度ωsの符号とが同一、且つ車速Vが所定の閾値V0以上である場合に、即ちオーバーステア制御を開始すべきと判定する。
そして、上記ステップ401〜ステップ405の何れかにおいて、その判定条件を満たさない場合(ステップ401:NO、又はステップ402:NO、又はステップ403:NO、又はステップ404:NO、又はステップ405:NO)には、「OS制御OFF」と判定する。
また、図7に示すように、本実施形態では、OS制御演算部65には、上記ヨーレイトF/B演算部71及びスリップ角F/B演算部72(並びにヨー角F/B演算部73)とともに、スリップ角微分値dθspに基づく制御成分としてスリップ角微分値F/F指令角dθsp*を演算するスリップ角微分値F/F演算部81が設けられている。
詳述すると、図10に示すように、本実施形態のスリップ角微分値F/F演算部81は、スリップ角微分値F/F指令角dθsp*の基礎成分である基礎制御量εspとスリップ角微分値dθspとが関連付けられたマップ81aを備えている。このマップ81aにおいて、基礎制御量εspは、スリップ角微分値dθspの絶対値が大きいほど、より大きな絶対値を有する当該スリップ角微分値dθspと同符号の値となるように設定されている。そして、スリップ角微分値F/F演算部81は、このマップ81aに入力されるスリップ角微分値dθspを参照することにより求められる基礎制御量εspに基づいてスリップ角微分値F/F指令角dθsp*を演算する。
具体的には、本実施形態のスリップ角微分値F/F演算部81には、車速Vと車速ゲインKvとが関連付けられたマップ81bが設けられており、スリップ角微分値F/F演算部81は、このマップ81bを参照することにより車速ゲインKvを演算する。そして、その車速ゲインKvを上記基礎制御量εspに乗ずることにより、スリップ角微分値F/F指令角dθsp*を演算する。尚、同マップ81bにおいて、車速ゲインKvは、車速Vが所定の閾値V1以下の領域においては「1」、そして、当該所定の閾値V1を超える領域においては、高車速となるほど小さな値(最終的には「0」)となるように設定されている。
図7に示すように、スリップ角微分値F/F演算部81により演算されたスリップ角微分値F/F指令角dθsp*は、上記ヨーレイト比例F/B指令角θRyp*、ヨーレイト微分F/B指令角θRyd*、及びスリップ角F/B指令角θsp*(並びにヨー角F/B指令角θy*)とともに加算器76へと入力される。そして、OS制御時ACT指令角θos*を構成する一制御成分として、上記その他の各制御目標成分に重畳されることにより、当該OS制御時ACT指令角θos*の立ち上がりを早める構成となっている。
以上のように構成することで、制御ON/OFF判定部67の出力するOS制御信号Sc_osが「ON」となるタイミングは、従来よりも早くなり、具体的には、車輌の滑り始め、即ち車輌が不安定化するタイミングと略等しくなる(図11参照)。また、オーバーステア制御を実行するための制御量、即ちOS制御演算部65の出力するOS制御時ACT指令角θos*を構成する一制御成分として、スリップ角微分値dθspに基づくスリップ角微分値F/F指令角dθsp*を演算することにより、その制御開始時点から十分な量の当該OS制御時ACT指令角θos*が確保される。そして、これにより、少ないOS制御量(カウンタ量)で、より迅速に車輌姿勢を安定させることができ、その結果、速やかに通常制御へと復帰させることが可能な構成となっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)制御ON/OFF判定部67は、スリップ角微分値dθspが所定の閾値α以上、且つスリップ角微分値dθspの符号とヨーレイトRyの符号とが同一、且つ操舵角θsの符号と操舵速度ωsの符号とが同一、且つ車速Vが所定の閾値V0以上である場合に、即ちアクティブステア制御を開始すべきと判定する。
上記構成のように、スリップ角微分値dθspに基づく車輌の姿勢状態判定の実行によりアクティブステア制御を開始することで、当該アクティブステア制御の開始タイミングを早めることができ、その結果、迅速に車輌姿勢を安定化させることができるようになる。そして、その誤判定が引き起こされる蓋然性の高い状況を除外した上で、当該スリップ角微分値に基づくアクティブステア制御の開始判定を実行することにより、その高い判定精度を確保することができる。
即ち、スリップ角微分値dθspに基づく車輌の姿勢状態判定処理における誤判定の発生は、そのスリップ角微分値dθspを演算する際の基礎となるヨーレイトRy及び横方向加速度Fsに施されたフィルタ処理により発生する位相遅れを一因とする。従って、上記構成のように、こうした位相遅れが発生している可能性の高い、「車輌の回転・滑り方向」を示す二つ状態量(スリップ角微分値dθsp及びヨーレイトRy)の符号が相反する場合を除外することで、その誤判定の発生を回避することができる。
また、こうした位相遅れの影響は、とりわけ、その操舵方向が切り替わる所謂「切り返し操舵」時において、より顕著なものとなる。従って、上記構成のように、当該切り返し操舵の発生時、即ち操舵角θs及び操舵速度ωsの方向が相反する場合を除外することで、より効果的に、その誤判定の発生を回避することができる。
更に、スリップ角微分値dθspの演算式には、車速Vを分母とする項が含まれる。即ち、車速Vが極低速にある場合、当該項が極めて大きな値となることから、上記誤判定が発生する可能性もまた極めて高くなる。従って、上記構成のように、車速Vが所定の閾値V0よりも低速である場合を除外することで、より効果的に、その誤判定の発生を回避することができる。
(2)制御ON/OFF判定部67は、スリップ角微分値に基づくアクティブステア制御の開始判定として、オーバーステア制御(OS制御)の開始判定を実行する。
即ち、ヨーモーメントの方向と逆方向の舵角(カウンタステア)を与えるべくACT角θtaを変更するOS制御は、その開始タイミングを早期化することにより得られる効果が絶大であるとともに、その誤判定の影響の大きさも極めて大きい。従って、こうしたオーバーステア制御(OS制御)の開始判定に適用することで、より顕著な効果を得ることができる。
(3)OS制御演算部65は、スリップ角微分値F/F演算部81を備え、同スリップ角微分値F/F演算部81は、オーバーステア制御を実行するための制御量として出力するOS制御時ACT指令角θos*を構成する一制御成分として、スリップ角微分値dθspに基づくスリップ角微分値F/F指令角dθsp*を演算する。
即ち、スリップ角微分値に基づき判定されるOS制御の開始タイミングは、その車輌姿勢の不安定化がヨーレイトRyやスリップ角θspとして表面化するよりも速い場合がある。しかしながら、上記構成によれば、その制御開始時点から十分な量のOS制御時ACT指令角θos*を確保することが可能となる。そして、これにより、少ないカウンタ量で、より迅速に車輌姿勢を安定させることができ、その結果、速やかに通常制御へと復帰させることができるようになる。
なお、本実施形態は、以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、スリップ角微分値に基づくアクティブステア制御の開始判定として、オーバーステア制御(OS制御)の開始判定を実行することとしたが、アンダーステア制御(US制御)の開始判定に、こうしたスリップ角微分値を基礎とする判定条件を加える構成としてもよい。
・本実施形態では、アクティブステア制御の開始判定は、IFSECU8において自動的に実行することとした。しかし、これに限らず、機械的なスイッチ等により、運転者の意思に基づいて上記アクティブステア制御を「OFF」とすることが可能な構成としてもよい。
即ち、一部の優れた運転者は、上記のようなスリップ角微分値に基づく車輌姿勢状態判定に先んじて、車輌姿勢の不安定化を察知してカウンタ操舵を実行する場合があり、その場合、当該アクティブステア制御の実行により過剰なカウンタが発生する可能性がある。また、このような上級者の中には、積極的に、そのステアリング特性をオーバーステア状態又はアンダーステア状態とするようなステアリング操作を行う場合があり、上記アクティブステア制御は、その妨げとなる場合がある。この点、上記構成によれば、このような問題の発生を回避して、より幅広いユーザに対応することができるようになる。
・本実施形態では、車両用操舵装置1は、モータ22を駆動源とするEPSアクチュエータ17を備えることとしたが、パワーアシスト装置は、油圧式でもよい。また、パワーアシスト装置を備えない車両用操舵装置に具体化してもよい。
車両用操舵装置の概略構成図。 ギヤ比可変制御の説明図。 ギヤ比可変制御の説明図。 車両用操舵装置の制御ブロック図。 IFSECUにおける演算処理の処理手順を示すフローチャート。 EPSECUにおける演算処理の処理手順を示すフローチャート。 IFS制御演算部の制御ブロック図。 IFS制御演算の処理手順を示すフローチャート。 OS制御開始判定の処理手順を示すフローチャート。 スリップ角微分値F/F演算部の制御ブロック図。 スリップ角微分値を用いたOS制御開始判定の作用説明図。
符号の説明
1…車両用操舵装置、2…ステアリング、6…転舵輪、7…ギヤ比可変アクチュエータ、8…IFSECU、33…マイコン、35…IFS制御演算部、63…ステア特性演算部、65…OS制御演算部、67…制御ON/OFF判定部、80…スリップ角微分値演算部、81…スリップ角微分値F/F演算部、θs…操舵角、ωs…操舵速度、θt…転舵角、θts…ステア転舵角、θta…ACT角、θta*…ACT指令角、θifs*…IFS_ACT指令角、θos*…OS制御時ACT指令角、dθsp*…スリップ角微分値F/F指令角、Ry…ヨーレイト、Fs…横方向加速度、θsp…スリップ角、dθsp…スリップ角微分値、α…閾値、V…車速、V0…閾値、Val_st…OS/US特性値、Sc…制御ON/OFF信号、Sc_os…OS制御信号。

Claims (3)

  1. ステアリングと転舵輪との間の操舵伝達系の途中に設けられてステアリング操作に基づく前記転舵輪の第1の舵角にモータ駆動に基づく前記転舵輪の第2の舵角を上乗せすることにより前記ステアリングと前記転舵輪との間の伝達比を可変させる伝達比可変装置と、前記伝達比可変装置の作動を制御する制御手段とを備えるとともに、前記制御手段は、車輌姿勢の安定化を図るべく自動的に前記第2の舵角を変更するアクティブステア制御を実行する車両用操舵装置であって、
    前記制御手段は、スリップ角微分値が所定の閾値以上、且つスリップ角微分値の符号とヨーレイトの符号とが同一、且つ操舵角の符号と操舵速度の符号とが同一、且つ車速が所定の閾値以上である場合に、前記アクティブステア制御を開始すること、
    を特徴とする車両用操舵装置。
  2. 請求項1に記載の車両用操舵装置において、
    前記制御手段は、前記アクティブステア制御を実行するための前記第2の舵角の制御量を構成する制御成分として、前記スリップ角微分値に基づく制御成分を演算すること、
    を特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両用操舵装置において、
    前記制御手段は、前記アクティブステア制御として、車両がオーバーステア状態にある場合には、前記車両のヨーモーメントと逆方向に前記第2の舵角を変更すべく前記伝達比可変装置を作動させるオーバーステア制御を実行すること、
    を特徴とする車両用操舵装置。
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