JP6206110B2 - 運転支援装置 - Google Patents
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Description
この従来技術では、車両のヨーレート及び横加速度に基づいて操舵反力を算出する。続いて、この従来技術では、算出した操舵反力をステアリングホイールに付与する。これにより、この従来技術では、車両の直進安定性を高めるようになっている。
本発明は、上記のような点に着目し、より適切な操舵反力を付与可能とすることを目的とする。
これにより、本発明の一態様によれば、より適切な操舵反力を付与できる。
(構成)
図1は、運転支援装置を搭載した車両Aを表すブロック図である。
図1に示すように、車両Aは、操舵部1、転舵部2、及びバックアップクラッチ3を備える。そして、車両Aは、操向輪である左右前輪4FL、4FR(転舵部2)とステアリングホイール5(操舵部1)とが機械的に切り離されたSBWシステムを構成している。
コラムシャフト6は、ステアリングホイール5と一体に回転する。
反力モータ7は、SBWコントローラ18からの指令(電流ドライバ24(後述)が出力した指令電流)に応じて、コラムシャフト6に操舵反力を出力する。反力モータ7としては、例えば、出力軸がコラムシャフト6と同軸のブラシレスモータ等を採用できる。
転舵部2は、ピニオンシャフト9、ステアリングギア10、転舵モータ11、及び転舵角センサ12を備える。
ステアリングギア10は、ピニオンシャフト9の回転に応じて、左右前輪4FL、4FRを転舵する。ステアリングギア10としては、例えば、ラック・アンド・ピニオン式のステアリングギア等を採用できる。
転舵角センサ12は、転舵モータ11の回転角を検出する。ここで、転舵モータ11の回転角と左右前輪4FL、4FRの転舵角とは、一意に定まる相関関係がある。それゆえ、左右前輪4FL、4FRの転舵角は、転舵モータ11の回転角から検出できる。そのため、左右前輪4FL、4FRの転舵角は、転舵モータ11の回転角から算出する。
また、車両Aは、カメラ15、各種センサ(車速センサ16a、加速度センサ16b、ペダル操作センサ16c)、及びナビゲーションシステム17を備える。
車速センサ16aは、車両Aの車速を検出する。続いて、車速センサ16aは、検出結果をSBWコントローラ18に出力する。
加速度センサ16bは、車両Aの前後方向の加速度(以下、前後加速度とも呼ぶ)、及び車両Aの車幅方向の加速度(以下、横加速度とも呼ぶ)を検出する。そして、加速度センサ16bは、検出結果をSBWコントローラ18に出力する。
ナビゲーションシステム17は、GPS(Global Positioning System)受信機、地図データベース、及び表示モニタを備える。そして、ナビゲーションシステム17は、GPS受信機及び地図データベースから車両Aの位置及び道路情報を取得する。続いて、ナビゲーションシステム17は、取得した車両Aの位置及び道路情報に基づいて経路探索を行う。続いて、ナビゲーションシステム17は、経路探索の結果を表示モニタに表表する。また、ナビゲーションシステム17は、取得した道路情報のうち、車両Aの走行路の道路情報(例えば、走行路の種別(高速道路、一般道)、及び現在の車両A位置の走行路の車線幅(以下、車線幅情報とも呼ぶ)をSBWコントローラ18に出力する。
SBWコントローラ18は、操舵角センサ8、転舵角センサ12、カメラ15、車速センサ16a、加速度センサ16b、ペダル操作センサ16c、及びナビゲーションシステム17が出力した検出結果(各種情報)を取得する。
また、SBWコントローラ18は、転舵角制御部19、操舵反力制御部20、映像処理部21、及び運転技量判定部22を備える。
操舵反力制御部20は、取得した各種情報に基づいて、コラムシャフト6に付与する操舵反力を制御する指令(以下、指令操舵反力とも呼ぶ)を算出する。そして、操舵反力制御部20は、算出した指令操舵反力を電流ドライバ24に出力する。操舵反力制御部20の詳細は後述する。
図2は、エラー値θe(乖離度合い)の算出方法を説明するための説明図である。
続いて、運転技量判定部22は、操舵角センサ8、加速度センサ16b、ペダル操作センサ16c、及びナビゲーションシステム17から取得した操舵角θ、前後加速度Xg、横加速度Yg、ペダル操作情報、及び道路情報に基づいて、車両Aの走行シーンを推定する。車両Aの走行シーンとしては、例えば、車両Aの走行路の路面摩擦係数(路面μ)、走行路の種別(高速道路、一般道)等、車両Aの走行環境を表すものがある。
電流ドライバ23は、転舵角センサ12から検出される転舵角をSBWコントローラ18が出力した指令転舵角と一致させる指令電流を設定する。そして、電流ドライバ23は、設定した指令電流を転舵モータ11に出力する。
電流ドライバ24は、反力モータ7の電流値から推定される操舵反力を操舵反力制御部20が出力した指令操舵反力と一致させる指令電流を設定する。そして、電流ドライバ24は、設定した指令電流を反力モータ7に出力する。
図3は、転舵角制御部19の構成を表すブロック図である。
図3に示すように、転舵角制御部19は、SBW指令転舵角演算部31、外乱抑制指令転舵角演算部32、及び加算器19aを備える。
SBW指令転舵角演算部31は、操舵角センサ8及び車速センサ16aが出力した検出結果(操舵角、車速)に基づいて、ステアリングホイール5の操舵に応じた左右前輪4FL、4FRの転舵角とするための転舵角(以下、SBW指令転舵角とも呼ぶ)を算出する。そして、SBW指令転舵角演算部31は、算出結果を加算器19aに出力する。
図4は、外乱抑制指令転舵角演算部32の構成を表すブロック図である。
ヨー角演算部32aは、車速センサ16a及び映像処理部21が出力した検出結果(車速、白線情報)に基づいて、前方注視点でのヨー角を算出する。前方注視点でのヨー角としては、例えば、設定時間(例えば、0.5秒)後に走行車線(道路白線)と車両A進行方向とのなす角度がある。そして、ヨー角演算部32aは、算出結果をヨー角に応じた反発力演算部37及び横位置に応じた反発力演算部38に出力する。
目標ヨーモーメント演算部32eは、加算器32dが出力した算出結果(横方向反発力)に基づいて、目標ヨーモーメントを算出する。具体的には、目標ヨーモーメント演算部32eは、横方向反発力、ホイールベースWHEELBASE、後輪軸重、及び前輪軸重に基づき、下記(2)式に従って目標ヨーモーメントM*を算出する。そして、目標ヨーモーメント演算部32eは、算出結果を目標ヨー加速度演算部32fに出力する。
目標ヨー加速度演算部32fは、目標ヨーモーメント演算部32eが出力した算出結果(目標ヨーモーメント)に基づいて、目標ヨー加速度を算出する。具体的には、目標ヨー加速度演算部32fは、目標ヨーモーメントに予め定めたヨー慣性モーメント係数を乗算する。そして、目標ヨー加速度演算部32fは、乗算結果を目標ヨー加速度として目標ヨーレイト演算部32gに出力する。
指令転舵角演算部32hは、目標ヨーレイト演算部32g及び車速センサ16aが出力した検出結果(目標ヨーレイト、車速)に基づいて、外乱抑制指令転舵角を算出する。具体的には、指令転舵角演算部32hは、目標ヨーレイトφ*、車速V、ホイールベースWHEELBASE、及び車両Aの特性速度Vchに基づき、下記(3)式に従って外乱抑制指令転舵角δst*を算出する。ここで、車両Aの特性速度Vchとしては、例えば、既知のアッカーマン方程式の中の、車両Aのセルフステアリング特性を表すパラメータがある。そして、指令転舵角演算部32hは、算出結果をリミッタ処理部32iに出力する。
なお、MPIは、予め定めた係数である。
リミッタ処理部32iは、指令転舵角演算部32hが出力した算出結果(外乱抑制指令転舵角δst*)の最大値及び変化率の上限を制限する。外乱抑制指令転舵角δst*の最大値は、コンベンショナルな操舵装置(操舵部1と転舵部2とが機械的に接続された操舵装置)において、ステアリングホイール5の操舵角が中立位置付近の遊びの角度範囲(例えば、左右3°)にあるときの当該遊びの範囲に対応する左右前輪4FL、4FRの転舵角範囲(例えば、左右0.2°)とする。そして、リミッタ処理部32iは、制限後の外乱抑制指令転舵角δst*を加算器19a(図3参照)に出力する。
図5に示すように、ヨー角に応じた反発力演算部37は、上下限リミッタ37a、設定ゲイン乗算部37b、ゲイン補正部37c、車速補正ゲイン乗算部37d、曲率補正ゲイン乗算部37e、及び乗算器37fを備える。
上下限リミッタ37aは、ヨー角演算部32aが出力した算出結果(前方注視点でのヨー角)に上下限リミッタ処理を行う。上下限リミッタ処理では、例えば、ヨー角が正値の場合(道路白線と車両A進行方向の延長線とが交差するときのヨー角を正とする)には、外乱を抑制可能な設定値以上の値で、且つ、車両Aが振動的となる値及び運転者の操舵によって発生する値未満の正値(上限値。例えば、1°)とする。また、上下限リミッタ処理では、例えば、ヨー角が負の場合には0とする。そして、上下限リミッタ37aは、上下限リミッタ処理後のヨー角を設定ゲイン乗算部37bに出力する。これにより、上下限リミッタ処理後のヨー角は、ヨー角が発生した場合にのみ正値となる。
ゲイン補正部37cは、設定ゲイン乗算部37bが出力した乗算結果(上限値乗算後の設定ゲイン)を補正する。具体的には、運転技量判定部22が出力した判定結果等(初心者、中級者以上、エラー値θe)に基づいて補正ゲインKを設定する。まず、ゲイン補正部37cは、運転技量判定部22が判定した運転技量が低い、つまり、初心者であるか否かを判定する。そして、ゲイン補正部37cは、運転技量が低い(初心者)と判定した場合には、図6に示すように、補正ゲインKの最低値を1とするとともに、エラー値θeが大きいほど補正ゲインKを大きな値とする。一方、ゲイン補正部37cは、運転技量が高い(中級者以上)と判定した場合には、補正ゲインKを1とする。これにより、ゲイン補正部37cは、運転技量が高い(中級者以上)と判定した場合には、運転技量が低い(初心者)と判定した場合に比べ、補正ゲインKを小さくできる。また、ゲイン補正部37cは、車両Aの運転者の運転技量が低い(初級者)と判定した場合には、エラー値θeが大きいほど補正ゲインKを増大できる。続いて、ゲイン補正部37cは、設定した補正ゲインKを設定ゲイン乗算部37bが出力した乗算結果(上限値乗算後の設定ゲイン)に乗算する。そして、ゲイン補正部37cは、乗算結果(以下、ヨー角フィードバックゲインとも呼ぶ)を乗算器37fに出力する。これにより、ゲイン補正部37cは、車両Aの運転者の運転技量が高い(中級者以上)と判定した場合には、運転技量が低い(初心者)と判定した場合に比べ、ヨー角フィードバックゲインを低減できる。
また、乗算器37f(転舵角制御部19)は、前方注視点での曲率が大きいほど、ヨー角に応じた反発力の絶対値を低減できる。それゆえ、転舵角制御部19は、例えば、車両Aが曲率半径が小さいカーブ路を走行する場合に、ヨー角に応じた反発力を低減できる。そのため、転舵角制御部19は、ヨー角が低減する方向への左右前輪4FL、4FRの転舵を抑制できる。これにより、運転者は、より意図に応じた経路で車両Aを運転できる。
図7に示すように、横位置に応じた反発力演算部38は、減算器38a、上下限リミッタ38b、距離補正ゲイン乗算部38c、横位置フィードバックゲイン乗算部38d、車速補正ゲイン乗算部38e、及び曲率補正ゲイン乗算部38fを備える。
減算器38aは、予め定めた横位置閾値(例えば、90cm)から、横位置演算部32cが出力した算出結果(前方注視点での車両Aから道路白線までの距離(横位置))を減算する。そして、減算器38aは、減算結果(以下、横位置偏差とも呼ぶ)を上下限リミッタ38bに出力する。これにより、横位置偏差は、前方注視点での車両Aから道路白線までの距離が90cmより小さい場合(隣接車線側である場合)にのみ正値となる。
乗算器38gは、横位置フィードバックゲイン乗算部38d、車速補正ゲイン乗算部38e、及び曲率補正ゲイン乗算部38fが出力した算出結果を互いに乗算する。そして、乗算器38gは、乗算結果(以下、横位置に応じた反発力とも呼ぶ)を加算器32dに出力する。これにより、外乱抑制指令転舵角演算部32は、前方注視点での車両Aから道路白線までの距離が90cmより小さい場合、つまり、道路白線から90cmの位置より隣接車線側である場合にのみ横位置フィードバック制御を行う。すなわち、図8に示すように、走行車線中央付近は、横位置フィードバック制御を行わない領域(不感帯)となる。
図9は、操舵反力制御部20の構成を表すブロック図である。
図9に示すように、操舵反力制御部20は、横力演算部33、横力オフセット部34、減算器20a、SAT演算部35、操舵反力オフセット部36、加算器20b、加算器20c、及びオフセット量補正部41を備える。
減算器20aは、横力演算部33が出力した算出結果(タイヤ横力)から、横力オフセット部34が出力した算出結果(横力オフセット量)を減算する。これにより、減算器20aは、図10に示すように、タイヤ横力によって発生するセルフアライニングトルクに応じた操舵反力を表す操舵反力特性(タイヤ横力−操舵反力変換マップ)をセルフアライニングトルクと同一符号方向へオフセットできる。そして、減算器20aは、減算結果(以下、オフセット後のタイヤ横力とも呼ぶ)をSAT演算部35に出力する。これにより、タイヤ横力によって発生するセルフアライニングトルクに応じた操舵反力を表す操舵反力特性(タイヤ横力−操舵反力変換マップ)は、道路白線の曲率が大きいほどセルフアライニングトルクと同一符号方向へオフセットする。なお、図10は、車両Aが右車線に近い場合であり、車両Aが左車線に近い場合には、図10の矢印方向と反対方向に操舵反力特性がオフセットする。これにより、操舵反力制御部20は、保舵トルクの変化量に対する操舵角の変化量が小さくなるため、操舵トルクに対する車両の感度を低減でき、車両の挙動変化を緩やかとし、運転者による進路修正の容易化を図ることができる。
加算器20cは、加算器20bが出力した算出結果(ステアリング特性に応じた操舵反力成分を加算後の操舵反力)に、操舵反力オフセット部36が出力した算出結果(操舵反力オフセット量)を加算する。これにより、加算器20cは、図11に示すように、操舵反力が大きくなる方向への操舵反力特性(タイヤ横力−操舵反力変換マップ)のオフセットを実質的に実現できる。そして、加算器20cは、加算結果をオフセット量補正部41に出力する。これにより、タイヤ横力によって発生するセルフアライニングトルクに応じた操舵反力を表す操舵反力特性(タイヤ横力−操舵反力変換マップ)は、車両Aから道路白線までの距離(横位置)が短くなるほど操舵反力が大きくなる方向へオフセットする。なお、図11は、車両Aが右車線に近い場合であり、車両Aが左車線に近い場合には、図11の矢印方向と反対方向に操舵反力特性がオフセットする。それゆえ、操舵反力制御部20は、操舵反力が一定であれば、ステアリングホイール5が少しずつ操舵角中立位置に戻されるため、運転者の不意な切り増し操作によって車両Aの走行位置が車線逸脱方向(例えば、右側)にずれるのを抑制できる。
図12は、横力オフセット部34の構成を表すブロック図である。
曲率演算部34aは、映像処理部21が出力した検出結果(白線情報)に基づいて、前方注視点での道路白線の曲率(設定時間(0.5秒)後の車両A位置の道路白線の曲率)を算出する。そして、曲率演算部34aは、算出結果を乗算器34dに出力する。
SATゲイン演算部34cは、上下限リミッタ34bが出力した算出結果(リミッタ処理後の車速)に基づいて、車速に応じたSATゲインを算出する。車速に応じたSATゲインは、例えば、車速が0〜70km/hの範囲で車速が大きくなるほど増大し、車速70km/h以上の範囲で最大値になる。また、車速に応じたSATゲインは、車速が大きいときは車速が小さいときよりも、車速の変化量に対する当該SATゲインの変化量が大きくなる。そして、SATゲイン演算部34cは、算出結果を乗算器34dに出力する。
図13は、操舵反力オフセット部36の構成を表すブロック図である。
ヨー角演算部36aは、映像処理部21が出力した検出結果(白線情報)に基づいて、前方注視点でのヨー角(道路白線と車両A進行方向とのなす角度)を算出する。そして、ヨー角演算部36aは、算出結を逸脱余裕時間に応じた反力演算部39に出力する。
リミッタ処理部36dは、反力選択部36cが出力した選択結果(操舵反力オフセット量)の最大値及び変化率の上限を制限する。操舵反力オフセット量の最大値は、2Nmとする。また、操舵反力オフセット量の変化量の上限は、10Nm/sとする。そして、リミッタ処理部36dは、制限後の操舵反力オフセット量をオフセット量補正部41(図9参照)に出力する。
図14に示すように、逸脱余裕時間に応じた反力演算部39は、乗算器39a、除算器39b、除算器39c、逸脱余裕時間選択部39d、及び逸脱余裕時間に応じた反力演算部39eを備える。
乗算器39aは、ヨー角演算部36aが出力した算出結果(ヨー角)に車速を乗算する。そして、乗算器39aは、乗算結果(以下、車両Aの横速度とも呼ぶ)を除算器39b及び除算器39cに出力する。
除算器39cは、横位置演算部36bが出力した算出結果のうち、前方注視点での車両Aから右道路白線までの距離(右道路白線に対する横位置)を、乗算器39aが出力した算出結果(横速度)で除算する。そして、除算器39bは、除算結果(以下、右道路白線に対する逸脱余裕時間とも呼ぶ)を逸脱余裕時間選択部39dに出力する。
逸脱余裕時間に応じた反力演算部39eは、逸脱余裕時間選択部39dが出力した算出結果(逸脱余裕時間)に基づいて、逸脱余裕時間に応じた反力を算出する。逸脱余裕時間に応じた反力は、逸脱余裕時間が3秒以上の範囲で最低値(例えば、ほぼ0)となり、逸脱余裕時間が0〜3秒の範囲で逸脱余裕時間が短いほど増大する(逸脱余裕時間に反比例した値となる)。そして、逸脱余裕時間に応じた反力演算部39eは、算出結果を逸脱余裕時間に応じた反力として反力選択部36c(図13参照)に出力する。これにより、逸脱余裕時間に応じた反力は、逸脱余裕時間が短いほど増大する。
図15に示すように、横位置に応じた反力演算部40は、減算器40a、減算器40b、横位置偏差選択部40c、及び横位置偏差に応じた反力演算部40dを備える。
減算器40aは、横位置演算部36bが出力した算出結果(車両Aの現在位置での車両Aから左道路白線までの距離(左道路白線に対する横位置))から予め定めた目標左横位置(例えば、90cm)を減算する。そして、減算器40aは、減算結果(以下、左道路白線に対する横位置偏差とも呼ぶ)を横位置偏差選択部40cに出力する。
横位置偏差選択部40cは、減算器40aが出力した算出結果(左道路白線に対する横位置偏差)及び減算器40bが出力した算出結果(右道路白線に対する横位置偏差)のうち大きいほうを選択する。そして、横位置偏差選択部40cは、選択結果(以下、横位置偏差とも呼ぶ)を横位置偏差に応じた反力演算部40dに出力する。
上述の構成により、本実施形態の運転支援装置では、運転技量判定部22が、過去の操舵角θに基づき操舵角推定値θhatを算出する。続いて、運転技量判定部22が、算出した操舵角推定値θhatと実際の操舵角θとの差(エラー値θe)を算出する。続いて、運転技量判定部22が、車両の走行シーン(例えば、走行環境)に基づいて、エラー値θeから運転者の運転技量を判定するための設定閾値θthを設定する。続いて、運転技量判定部22が、算出したエラー値θeが設定閾値θth未満であると判定した場合に、運転者の運転技量が高い(中級者以上)と判定する。これにより、本実施形態の運転支援装置では、滑らかな操舵が行われ、操舵角推定値θhatと実際の操舵角θとが近接し、乖離度合いが設定閾値θth未満に低減した場合に、運転者の運転技量が高いと判定できる。
ちなみに、例えば、補正ゲインKの大きさを切り替えるための切替スイッチを車両Aに備え、切替スイッチを車両Aの運転者に操作させる技術では、車両Aの運転者が切替スイッチの操作に気をとられ、操舵の滑らかさが損なわれてしまう可能性がある。
これに対し、本実施形態の運転支援装置では、補正ゲインKの大きさを車両Aの運転者の運転技量に応じた値に車両Aが調整する。それゆえ、本実施形態では、車両Aの運転者による切替スイッチの操作が不要となる。それゆえ、本実施形態の運転支援装置では、切替スイッチの操作によって、操舵の滑らかさが損なわれることを抑制できる。
本実施形態では、図1のステアリングホイール5がステアリングホイールを構成する。以下同様に、図1の操舵反力制御部20、図9の横力演算部33がタイヤ横力推定部を構成する。また、図1の操舵反力制御部20、図9のSAT演算部35が操舵反力制御部を構成する。さらに、図1の操舵反力制御部20、図9のオフセット量補正部41がオフセット部を構成する。また、図1の操舵角センサ8が操舵角検出部を構成する。さらに、エラー値θeが乖離度合いを構成する。また、図1の運転技量判定部22が操舵角推定値算出部、乖離度合算出部、走行シーン推定部、閾値設定部及び運転技量判定部を構成する。さらに、図4のヨー角演算部32aがヨー角検出部を構成する。また、ヨー角フィードバック制御が転舵角制御を構成する。さらに、ヨー角フィードバックゲインが制御ゲインを構成する。また、図4の外乱抑制指令転舵角演算部32、ヨー角に応じた反発力演算部37が転舵角制御部を構成する。
本実施形態は、次のような効果を奏する。
(1)SBWコントローラ18が、推定したタイヤ横力と、タイヤ横力によって発生するセルフアライニングトルクに応じた操舵反力を表す操舵反力特性(タイヤ横力−操舵反力変換マップ)とに基づいて、ステアリングホイール5に操舵反力を付与する。また、SBWコントローラ18が、操舵反力が大きくなる方向へ操舵反力特性をオフセットする。その際、SBWコントローラ18が、操舵角推定値θhatと実際の操舵角θとの差であるエラー値θeを算出する。続いて、SBWコントローラ18が、車両Aの走行シーンに応じた設定閾値θthを設定する。続いて、SBWコントローラ18が、算出したエラー値θeが設定閾値θth未満であると判定した場合に、オフセット量(横力オフセット量、操舵反力オフセット量)を低減する。
このような構成によれば、操舵の滑らかさが低いほど操舵反力を増大できる。これにより、運転者の操舵入力に対する車両Aの安定性を向上できる。
このような構成によれば、例えば、滑らかな操舵が行われ、操舵角推定値θhatと実際の操舵角θとが近接し、エラー値θeが設定閾値θth未満に低減した場合に、転舵角制御(ヨー角フィードバック制御)で用いる制御ゲイン(ヨー角フィードバックゲイン)を低減できる。そのため、操舵角の制御量を低減でき、運転技量の高い運転者(中級者以上)に対する、制御量の過剰を抑制できる。これにより、より適切な転舵を実行できる。
8 操舵角センサ(操舵角検出部)
20 操舵反力制御部(タイヤ横力推定部、操舵反力制御部、オフセット部)
22 運転技量判定部(操舵角推定値算出部、乖離度合算出部、走行シーン推定部、閾値設定部及び運転技量判定部)
32 外乱抑制指令転舵角演算部(転舵角制御部)33 横力演算部(タイヤ横力推定部)
32a ヨー角演算部(ヨー角検出部)
35 SAT演算部(操舵反力制御部)
37 ヨー角に応じた反発力演算部(転舵角制御部)
41 オフセット量補正部(オフセット部)
Claims (4)
- 操向輪と機械的に分離されたステアリングホイールと、
前記操向輪に作用するタイヤ横力を推定するタイヤ横力推定部と、
前記タイヤ横力推定部が推定したタイヤ横力と、タイヤ横力によって発生するセルフアライニングトルクに応じた操舵反力を表す操舵反力特性とに基づいて、前記ステアリングホイールに操舵反力を付与する操舵反力制御部と、
操舵反力が大きくなる方向へ前記操舵反力特性をオフセットするオフセット部と、
前記ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検出部と、
前記操舵角検出部が検出した過去の操舵角に基づいて現在の操舵角の推定値である操舵角推定値を算出する操舵角推定値算出部と、
前記操舵角推定値算出部が算出した操舵角推定値と前記操舵角検出部が検出した操舵角との差である乖離度合いを算出する乖離度合算出部と、を備え、
前記オフセット部は、前記乖離度合算出部が算出した乖離度合いが閾値未満であると判定した場合に、オフセット量を低減することを特徴とする運転支援装置。 - 前記オフセット部は、前記乖離度合算出部が算出した乖離度合いが前記閾値以上であると判定した場合に、前記乖離度合算出部が算出した乖離度合いが大きいほどオフセット量を増大することを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
- 走行車線と車両進行方向とのなす角度であるヨー角を検出するヨー角検出部と、
前記ヨー角検出部が検出したヨー角に基づいて当該ヨー角が低減する方向へ前記操向輪の転舵角を制御する転舵角制御を行う転舵角制御部と、を備え、
前記転舵角制御部は、前記乖離度合算出部が算出した乖離度合いが前記閾値未満であると判定した場合に、前記転舵角制御で用いる制御ゲインを低減することを特徴とする請求項1または2に記載の運転支援装置。 - 車両の走行シーンを推定する走行シーン推定部と、
前記走行シーン推定部が推定した走行シーンに応じて前記閾値を設定する閾値設定部と、
を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の運転支援装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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