JP5359200B2 - 車両操舵制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両操舵制御装置に関し、特にステアバイワイヤ方式を採用した車両において運転者による操舵を補助する技術に関する。
特許文献1には、ステアリングホイールに操舵方向と逆方向の操舵反力を与えることができる車両の操舵反力制御装置が開示されている。この車両の操舵反力制御装置おいては、進行方向前方の道路の曲率が大きくなれば、操舵反力を減少させて、カーブ路のステアリング操作を容易にすることが開示されている。
特開平11−78938号公報
ところで、ステアバイワイヤ方式においては、ステアリングホイールの操舵角と車輪の転舵角との比率(以下、「伝達比」という)を自由に設計することができる。したがって、小さな操舵量に対して大きく転舵するように設計することもできる。しかしながら、従来の操舵量と転舵量がほぼ等しい車両に慣れ親しんだ者が、急にこれと異なる伝達比を有する車両を運転しようとすると、操舵角に対する転舵角の大きさにすぐに慣れることが難しい場合がある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、運転者の操舵を補助しつつ、従来の伝達比と異なる伝達比を有する車両の操舵を学習できる車両操舵制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両操舵制御装置は、運転者により操作されるステアリングホイールと、操作されたステアリングホイールを中立位置に戻すバネ反力トルクと、ステアリングホイールの操作に対して粘性抵抗を与える粘性反力トルクとを制御する操舵反力制御手段と、運転者による実操舵量を検出する操舵量検出手段と、車速と道路情報と車両の位置情報とにもとづいて進行方向の理想操舵量を演算する理想操舵量演算手段と、車両を旋回する際に旋回方向に対して実操舵量が理想操舵量より大きい旋回過剰操舵状態と、旋回過剰操舵状態から理想操舵量への復帰操作中に実操舵量が理想操舵量から離れる方向に向かう復帰過剰操舵状態と、を判定する判定手段と、旋回過剰操舵状態において操舵反力制御手段に制御されるバネ反力トルクに追加バネ反力トルクを加え、復帰過剰操舵状態において操舵反力制御手段に制御される粘性反力トルクに追加粘性反力トルクを加える操舵反力補正手段と、を備える。
例えば、操舵角に対して転舵角が比較的大きくなるように設定される、いわゆる小舵角ステアリングの車両においては、そのような操舵量と転舵量の関係性(以下、この特性を「転舵特性」という)に不慣れな者が運転すると、必要以上に大きくステアリングを操作してしまうおそれがある。そのような不慣れなステアリング操作の場合、操作量が多い分だけ操舵角を戻す修正動作も必要になり、その修正動作も必要以上に大きくステアリングを操作してしまうおそれがある。この態様によると、追加バネ反力トルクと追加粘性反力トルクにより運転者の操舵を安定させるように補助することができる。また、操舵状態に応じて異なる操舵反力トルクを変化させることができる。すなわち、追加バネ反力トルクにより運転者の実操舵量を理想的な操舵量に戻させ、追加粘性反力トルクにより実操舵量を理想的な操舵量以上に戻させ過ぎないように補助することで、運転者に理想的な操舵量を学習させることができる。
操舵反力補正手段は、実操舵量と理想操舵量との差分に応じた追加バネ反力トルクまたは追加粘性反力トルクを加えてもよい。これにより、実操舵量と理想操舵量との差分の大きさに応じた操舵反力トルクを加えることができる。
実操舵量と理想操舵量との差分を記憶する差分記憶手段と、記憶した差分にもとづいて運転者の操舵の慣れ度合いを演算する慣れ度合い演算手段と、追加バネ反力トルクおよび追加粘性反力トルクそれぞれの追加反力特性を慣れ度合いに応じて変化させる追加反力特性設定手段と、をさらに備えてもよい。この態様によれば、追加バネ反力トルクおよび追加粘性反力トルクそれぞれの反力特性を運転者の操舵の慣れ度合いに応じて設定することができる。この慣れ度合いによって運転者の操舵の上手さを判断でき、たとえば、運転者の操舵が上手いと判断すれば、追加バネ反力トルクおよび追加粘性反力トルクを小さくすることができる。
道路情報にもとづいて道路の操舵難度を導出する道路操舵難度導出手段をさらに備えてもよい。慣れ度合い演算手段は、道路操舵難度導出手段によって導出された道路操舵難度に応じて慣れ度合いを演算してもよい。これにより、道路の操舵難度に重み付けをした慣れ度合いを演算することができる。
慣れ度合い演算手段は、実操舵量の変化の滑らか度合いを演算し、滑らか度合いにもとづいて慣れ度合いを補正してもよい。これにより、たとえば実操舵量と理想操舵量との差分が大きくても、実操舵量の変化が滑らかである場合に、運転者の操舵が慣れているとする慣れ度合いを演算することができる。
車両を旋回する際の運転者による旋回開始時間と理想操舵量における理想旋回開始時間とを比較した情報によって運転者の旋回開始傾向を演算する旋回開始傾向演算手段をさらに備えてもよい。慣れ度合い演算手段は、運転者による旋回開始時間が旋回開始傾向演算手段によりあらかじめ演算された旋回開始傾向を満たすと判定される場合に、滑らか度合いを演算し、滑らか度合いにもとづいて慣れ度合いを演算してもよい。これにより、より正確に運転者の操舵の慣れ度合いを演算することができる。
本発明によれば、運転者の操舵を補助しつつ、従来の伝達比と異なる伝達比を有する車両の操舵を学習できる装置を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る車両10の基本的な構成を示す。本図は、四輪の車両のうち前輪部分の模式図である。転舵輪である右前輪FRおよび左前輪FLを操舵することによって車両の進行方向が定まる。
車両10は、運転者により操舵されるステアリングホイール12と、ステアリングホイール12に連結されたステアリングシャフト14と、ステアリングシャフト14の下端に設けられたギヤボックス44と、出力軸がギヤボックス44に接続された操舵反力用モータ46とを備える。操舵反力付与手段として機能する操舵反力用モータ46によって生成された回転力は、ギヤボックス44を介してステアリングシャフト14に伝達され、ステアリングホイール12に対して操舵反力を与える。この操舵反力は、路面と転舵輪との間の摩擦力やセルフアライニングトルクなどを運転者に感覚的に伝達するために与えられる。
ステアリングシャフト14には、ステアリングシャフト14に生じているトルクを検出する操舵トルクセンサ16と、ステアリングホイール12の操舵角を検出する操舵角センサ18とが操舵角検出手段として設置される。操舵トルクセンサ16および操舵角センサ18を含む操舵角検出手段の出力は、ステアリング制御ユニット100に送信される。
右前輪FRおよび左前輪FLは転舵機構20により転舵される。転舵機構20は、ステアリングシャフト14と機械的に分離された状態で配置され、ステアリングホイール12の操舵角と車輪の転舵角との伝達比に関しあらかじめ設定された転舵特性にしたがって車輪を転舵させる。なお、転舵特性とは、操舵量と転舵量の関係性をいう。転舵機構20は、車両の左右方向(車幅方向)に延設され軸長方向に摺動するラックバー22を含む。ラックバー22には、転舵用モータ24とボールねじ機構(図示せず)が組み合わされている。転舵用モータ24の回転は、ボールねじ機構によりラックバー22の左右方向への直線運動に変換される。ラックバー22の両端には、それぞれタイロッド26R、26Lの一端が接続される。タイロッド26R、26Lの他端は、右前輪FR、左前輪FLを支持するナックルアーム30R、30Lに連結されている。ナックルアーム30R、30Lは、それぞれキングピン32R、32Lを支点として回転する。ラックバー22が直線運動をすると、右前輪FRおよび左前輪FLが転舵される。
左前輪FLの近傍には、車輪の回転数を検出して車速を出力する車速センサ36が取り付けられる。また、ラックバー22の中立位置を基準とした左右方向の変位量を検出し、その変位量にもとづく左右輪の転舵角を出力する転舵角センサ34も設置される。
また、車両10は、道路情報、および車両の現在位置を把握するGPS(Global Positioning System)機能を有するナビゲーション装置40を備える。なお、道路情報には、道路の道幅や形状が含まれ、道路情報から道路の曲率が算出可能である。また、車両10は、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ42を備える。車速、転舵角、道路地図情報およびヨーレートは、ステアリング制御ユニット100に送信される。
ステアリング制御ユニット100は、操舵トルクセンサ16、操舵角センサ18、転舵角センサ34、車速センサ36、ナビゲーション装置40、およびヨーレートセンサ42の出力値を受け取る。そして、これらの値にもとづき操舵反力指令値および転舵角指令値を算出し、これらに応じた制御信号を操舵反力用モータ46および転舵用モータ24に出力する。なお、操舵角センサ18およびヨーレートセンサ42は、運転者による実操舵量を検出する操舵量検出手段として機能してよい。
図1に示すようなステアバイワイヤ方式の車両では、ステアリングホイールの操舵角と車輪の転舵角との伝達比を自由に設計することができる。例えば、車輪を中立位置から最大転舵角まで到達させるために必要なホイールの操舵角を半周程度に収めるように設計することも考えられている。こうすると、例えば車両の右左折中に、ステアリングホイールを回転させるために左右の腕を入れ替える必要がなくなるので、運転者のホイール取り回しの労力を低減することができる。このようなステアリングホイールの操舵角と車輪の転舵角の対応を、本明細書では「小舵角ステア」と呼ぶ。
小舵角ステアの車両では上述のような利点がある一方、旋回に対して必要とされるステアリングホイールの操舵角が小さいために、運転者がそのような特性に不慣れな場合に必要以上に操舵してしまう可能性がある。必要以上に操舵してしまうと操舵角を戻す修正動作も必要となり、修正動作においても必要以上に操舵してしまう可能性があり、煩瑣である。
そこで本実施の形態においては、車両を旋回する際の運転者の必要以上の操舵に対して操舵反力を加えることで運転の補助しつつ、その操舵反力のうち異なる操舵反力を使い分けることで従来の転舵特性と異なる転舵特性を有する車両の操舵を運転者に学習させる。
図2は、旋回に対する操舵量の変化を示す。本図のグラフにおいて、破線は転舵特性に不慣れな運転者による実操舵量の変化を示し、実線は理想操舵量の変化を示す。実線および破線ともに、同一の転舵特性である。横軸が時間で、縦軸が操作量を示す。ここでいう操作量は、例えばステアリングホイール12の操舵角、操舵角速度、トルク、ヨーレート等であってよく、操舵量であってよい。実線で示す理想的な波形は高周波成分の少ない滑らかな波形であるのに対し、破線で示す不慣れな運転操作の波形は高周波成分の多い波形であることが現れている。破線に示す時間t2から時間t6における操舵が、車両10を旋回する際に旋回方向に対して実操舵量が理想操舵量より大きい旋回過剰操舵状態である。破線に示す時間t6から時間t8における操舵が、旋回過剰操舵状態から理想操舵量への復帰操作中に実操舵量が理想操舵量から離れる方向に向かう復帰過剰操舵状態である。
図3は、図1に示したステアリング制御ユニット100のうち本実施形態に関与する部分の構成を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や電子回路、電気回路で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックとして描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
転舵制御部106は、ステアリングホイール12の操舵角に応じて転舵用モータ24の駆動制御を実行する。操舵反力制御部104は、ステアリングホイール12の操舵角に応じて操舵反力用モータ46の駆動制御を実行する。操舵補助部102は、ステアリングホイール12の操舵角、ヨーレート、車速、道路情報等の情報にもとづいて、追加バネ反力トルクおよび追加粘性反力トルクを操舵反力制御部104に出力する。
まず、転舵制御部106の各ブロックについて説明する。目標転舵角演算部136は、操舵角センサ18から操舵角を、車速センサ36から車速を受け取り、予め設定されているロジックにしたがって、車両の旋回を安定させるために車体に発生すべき目標ヨーレートを設定する。目標ヨーレートは、予め準備された転舵特性として、操舵角に対して目標ヨーレートが定まる三次元マップを参照して求めてもよいし、または所定の計算式に操舵角を代入することによって求めてもよい。次に、目標転舵角演算部136は、目標ヨーレートを実現するための目標転舵角を算出する。目標転舵角演算部136は、目標ヨーレートに対応する目標転舵角が定められている二次元マップを参照して目標転舵角を求めてよい。この場合、車速に応じて目標転舵角を補正するための補正係数を乗じるようにしてもよい。
転舵角指令部138は、目標転舵角を目標転舵角演算部136から受け取るとともに、転舵角センサ34から実転舵角を受け取る。そして、目標転舵角と実転舵角との差分にもとづき、周知のPID(比例、積分、微分)制御演算によって転舵角指令値を求める。さらに、転舵角指令値に対応する制御信号をモータ駆動回路140に供給する。
モータ駆動回路140は、転舵角指令部138からの制御信号に応じて転舵用モータ24を駆動する。転舵用モータ24はボールねじ機構を介してラックバー22を左右方向に移動させ、これに伴い左前輪FLおよび右前輪FRが転舵される。
次に、操舵反力制御部104の各ブロックについて説明する。操舵反力演算部130は、操舵角センサ18から実操舵角を受け取り、これに応じて目標操舵反力を設定する。目標操舵反力は、バネ反力トルク、および粘性反力トルクを含む。バネ反力トルクは、ステアリングホイール12を中立位置に戻そうとするトルクである。バネ反力トルクは、予め準備された、実操舵角に対して目標操舵反力が定まる二次元マップを参照して求められてもよいし、または所定の計算式に実操舵角を代入することによって求められてもよい。粘性反力トルクは、ステアリングホイール12の回動操作に対して粘性抵抗を与えるトルクである。粘性反力トルクは、予め準備された、実操舵角の角加速度に対して目標操舵反力が定まる二次元マップを参照して求められてもよいし、または所定の計算式に実操舵角の角加速度を代入することによって求められてもよい。なお、目標操舵反力は、ヨーレートセンサ42から出力される実ヨーレートおよび車速センサ36から出力される車速にもとづいて求められてよい。
操舵反力指令部132は、目標操舵反力を受け取るとともに、操舵トルクセンサ16で検出された実トルクを受け取る。そして、最終操舵反力と実トルクの差分にもとづき、周知のPID制御演算によって反力トルク指令値を求める。さらに、反力トルク指令値に対応する制御信号をモータ駆動回路134に供給する。なお、目標操舵反力には、操舵反力補正部114から供給される追加バネ反力トルクおよび追加粘性反力トルクが加えられる。
モータ駆動回路134は、操舵反力指令部132からの制御信号に応じて操舵反力用モータ46を駆動し、ステアリングホイール12の操舵反力が生じる。
次に、操舵補助部102の各ブロックについて説明する。理想操舵量演算部110は、あらかじめ設定された転舵特性、道路情報、位置情報および車速にもとづいて、走行中の道路を運転する場合の理想操舵量を演算する。理想操舵量とは、車両10にあらかじめ設定された転舵特性において、車両10が進行予定の道路を理想操舵量で操舵されれば、車両10が道路の走行車線内を安全で理想的に走行することができるように定められた操舵量である。具体的には、ナビゲーション装置40により車両10の現在位置を取得し、現在位置から進行方向の道路情報を取得し、進行方向の道路情報と車両10の車速にもとづき理想操舵量を演算する。なお、車両10の進行方向はシフトレバー(図示しない)の位置により判断してよい。理想操舵量は、所定の曲率以上を有するカーブ路について演算されてよい。理想操舵量には、左右の旋回すべき方向に関する情報が含まれてよい。なお、進行方向の道路に分岐点が存在する場合は、両方の理想操舵量を演算してよく、理想操舵量演算部110は、進行方向に分岐路が存在する場合、ステアリングホイール12の操舵角およびウインカースイッチ(図示しない)により車両10の旋回方向を判断してよい。理想操舵量は、理想操舵角または理想ヨーレートであってよい。理想操舵角および理想ヨーレートのそれぞれは、所定の計算式により互いに変換可能である。一方、実操舵量は、実操舵角または実ヨーレートであってよい。
比較判定部112は、実操舵量と、理想操舵量演算部110から受け取った理想操舵量を比較する。比較判定部112は、実操舵量として、目標転舵角演算部136から実操舵角を受け取り、操舵反力演算部130から実ヨーレートを受け取る。比較判定部112は、実操舵量と理想操舵量との差分を求める。実操舵量と理想操舵量との差分は、理想的な操舵からの乖離量を示す。比較判定部112は、この差分により、車両10を旋回する際に旋回方向に対して実操舵量が理想操舵量より大きい第1旋回過剰操舵状態を判定する。また、比較判定部112は、実操舵量から理想操舵量を減算した差分が所定の第1閾値Th1より大きければ、第2旋回過剰操舵状態であると判定してよい。第2旋回過剰操舵状態は、図2の時間t3からt5に示される状態である。所定の第1閾値Th1を用いることで、一意に定まる理想操舵量と、運転者の安全な範囲での自由な運転とのずれを許容することができる。所定の第1閾値Th1は、道路の道幅にもとづいて定められてよい。比較判定部112は、第1旋回過剰操舵状態または第2旋回過剰操舵状態を旋回過剰操舵状態と判定してよい。
比較判定部112は、旋回過剰操舵状態から理想操舵量への復帰操作中に実操舵量が理想操舵量から離れている第1復帰過剰操舵状態かどうかを判定する。第1復帰過剰操舵状態は、図2の時間t6からt8に示される状態である。比較判定部112は、実操舵量が理想操舵量より小さく、かつ、前回演算した理想操舵量と実操舵量との差分より新たに演算した差分の絶対値が大きければ、第1復帰過剰操舵状態であると判定する。第1復帰過剰操舵状態は、図2の時間t6からt8に示される状態である。また、比較判定部112は、実操舵量が理想操舵量より所定の第2閾値Th2以上小さく、かつ、前回演算した理想操舵量と実操舵量との差分より新たに演算した差分の絶対値が大きければ、第2復帰過剰操舵状態であると判定してよい。第2復帰過剰操舵状態は、図2の時間t7からt8に示される状態である。所定の第2閾値Th2を用いることで、一意に定まる理想操舵量と、運転者の安全な範囲での自由な運転とのずれを許容することができる。比較判定部112は、第1復帰過剰操舵状態または第2復帰過剰操舵状態を復帰過剰操舵状態と判定してよい。なお、比較判定部112は、旋回過剰操舵状態、および復帰過剰操舵状態でなければ、通常操舵状態と判定してよい。
操舵反力補正部114は、比較判定部112から操舵状態の判定結果と理想操舵量と実操舵量との差分を受け取り、旋回過剰操舵状態であれば、追加バネ反力トルクを導出し、復帰過剰操舵状態であれば、追加粘性反力トルクを導出する。追加バネ反力トルクおよび追加粘性反力トルクは、それぞれの2次元マップにもとづき理想操舵量と実操舵量との差分に応じて導出されてよい。操舵反力補正部114は、導出した追加バネ反力トルクおよび追加粘性反力トルクを操舵反力指令部132に供給する。操舵量のうちヨーレートを基準に用いれば、ステアリングホイール12の瞬間的な操作に対して操舵反力を追加するのではなく、実際の車両10の挙動に対して操舵反力を追加することができる。なお、追加バネ反力トルクおよび追加粘性反力トルクを導出するそれぞれの2次元マップは、追加反力特性設定部120により設定された追加反力特性に応じて変えてよい。追加反力特性とは、理想操舵量と実操舵量との差分と、追加する操舵反力トルクの関係性をいう。
差分記憶部118は、比較判定部112から受け取った理想操舵量と実操舵量との差分を順次記憶する。慣れ判定値演算部124は、差分記憶部118から受け取った複数の差分にもとづき慣れ判定値を演算する。具体的には、たとえば理想操舵量がカーブ路毎について演算される場合には、記憶されたカーブ路単位の差分にもとづき慣れ判定値が演算される。慣れ判定値演算部124は、1カーブ路において記憶された差分の絶対値を加算し、記憶された差分の個数で除算することで慣れ判定値を演算してよい。なお、慣れ判定値演算部124は、記憶された差分をもとに所定周期で慣れ判定値を演算してもよい。慣れ判定値は、記憶された差分の絶対値を平均化したものであってよい。また、慣れ判定値演算部124は、1カーブ路において記憶された差分の絶対値を加算した値、車両10がその1カーブ路を通過したときの平均車速、およびその1カーブ路の距離にもとづいて慣れ判定値を演算してよい。慣れ判定値保持部126は、慣れ判定値演算部124から慣れ判定値を受け取り、慣れ判定値を順次保持する。慣れ判定値保持部126は、慣れ判定値を所定数個保持すると、古い慣れ判定値を破棄し、新たに算出された慣れ判定値を保持してよい。
慣れ判定値演算部124は、実操舵量の変化の滑らか度合いを演算する。慣れ判定値演算部124は、実操舵量を、操舵角センサ18またはヨーレートセンサ42から受け取ってよく、操舵反力演算部130または目標転舵角演算部136から受け取ってもよい。実操舵量と理想操舵量との差分の大きさだけで慣れ度合いを演算すると、実際の運転は滑らかな操舵であっても、慣れ度合いでは操舵に慣れていないと示される場合が考えられる。これは、たとえば道幅を広く使った滑らかな運転である実操舵量が検出されたとしても、一意的に定まる理想操舵量とのずれが差分として算出されるおそれがあるためである。そこで、慣れ判定値演算部124は、実操舵量の変化の滑らか度合いを演算し、その滑らか度合いにもとづいて慣れ判定値を補正する。
滑らかな操舵であれば、図2で説明したように高周波成分の少ない滑らかな波形になる。そこで慣れ判定値演算部124は、所定期間検出された実操舵量に対して、フーリエ変換し、所定の遮断周波数によるハイパスフィルタ処理を加える。通常の運転に必要とされるステアリング操作量の変化はおおよそ1Hz以内の周波数成分と考えられるため、遮断周波数としても約1Hzといった値が用いられる。慣れ判定値演算部124は、ハイパスフィルタ処理を実行した実操舵量の高周波成分にもとづいて滑らか度合いを算出する。
滑らか度合いは0〜1の係数であってよく、滑らか度合いが0であれば高周波成分が少ない滑らかな運転であることを示し、滑らか度合いが1であれば高周波成分が多い乱れた運転であることを示す。慣れ判定値演算部124は、慣れ判定値に滑らか度合いを乗算して補正してよい。なお、慣れ判定値演算部124は、周波数解析により1Hz以上の高周波数成分に応じて滑らか度合いを算出してよい。
慣れ度合い演算部128は、慣れ判定値保持部126に保持される所定数個の慣れ判定値にもとづいて運転者の操舵の慣れ度合いを演算する。慣れ度合い演算部128は、所定数個の慣れ判定値を平均化することで、慣れ度合いを算出してよい。すなわち、慣れ度合いは、実操舵量と理想操舵量との差分にもとづく偏差平均値であってよい。追加反力特性設定部120は、慣れ判定値保持部126から慣れ度合いを受け取ると、慣れ度合いに応じた追加反力特性を設定する。具体的には、追加反力特性設定部120は、運転が上手であること示す慣れ度合いであれば、所定の差分に対する操舵反力は小さくなる追加反力特性を設定する。一方、追加反力特性設定部120は、運転が下手であることを示す慣れ度合いであれば、所定の差分に対する操舵反力は大きくなる追加反力特性を設定する。操舵反力補正部114は、設定された追加反力特性に応じた2次元マップにもとづいて追加バネ反力トルクおよび追加粘性反力トルクを導出する。これにより、操舵に慣れた運転者の操舵の自由度を高めることができる。なお、慣れ度合い演算部128は、慣れ判定値演算部124および慣れ判定値保持部126を含む構成であってよい。
道路操舵難度導出部116は、道幅および道路の曲率の道路情報にもとづいて道路の操舵難度を導出する。道路操舵難度は0〜1の係数であってよく、道路操舵難度が0であれば直線道路であることを示し、道路操舵難度が1であれば最大難度であることを示す。道路操舵難度は、道路情報に含まれるあらかじめ設定された値であってよい。実操舵量と理想操舵量との差分を道路操舵難度で乗算して調整することで、道路操舵難度に応じた慣れ判定値を演算してよい。なお、道路操舵難度は、1カーブ路毎に求められるカーブ操舵難度であってよく、1カーブ路毎に演算した慣れ判定値をカーブ操舵難度で調整してよい。これにより、道路の操舵難度に重み付けをした慣れ度合いを演算することができる。
旋回開始傾向演算部122は、車両10を旋回する際の運転者による旋回開始時間と理想操舵量における理想旋回開始時間とを比較した情報によって運転者の旋回開始傾向を演算する。旋回する際の運転者による旋回開始時間とは、たとえば、カーブ路において旋回する際に運転者がステアリングホイール12を切り始めた時をいう。旋回する際の運転者による旋回開始時間は、図2では、時間t1に示す時間である。運転者による旋回開始時間は、たとえば、検出された操舵角の変化量で判定してよい。理想操舵量における理想旋回開始時間とは、理想操舵量演算部110によって演算された理想操舵量にもとづく、旋回する際にステアリングホイール12を切り始める理想的な時間をいう。理想操舵量における理想旋回開始時間は、図2では、時間t2に示す時間である。旋回開始傾向演算部122は、直線的な道路からカーブ路に進行する場合における旋回開始傾向を判定してよい。
旋回開始傾向演算部122は、運転者による旋回開始時間が理想旋回開始時間より所定時間より早い場合、早操舵傾向と判定する。旋回開始傾向演算部122は、運転者による旋回開始時間が理想旋回開始時間より所定時間より遅い場合、遅操舵傾向と判定する。旋回開始傾向演算部122は、早操舵傾向および遅操舵傾向のいずれでもなければ、通常操舵傾向であると判定する。旋回開始傾向演算部122は、所定回数以上の判定結果にもとづき、運転者の旋回開始傾向が、早操舵傾向、遅操舵傾向、通常操舵傾向のいずれにあるか、多数をとって決定する。慣れ判定値演算部124は、旋回する際の運転者による旋回開始時間が運転者の旋回開始傾向を満たすと判定される場合に、滑らか度合いを演算し、滑らか度合いにもとづいて慣れ度合いを補正してよい。これにより、運転者の習癖を示す運転者の旋回開始傾向を許容するように慣れ度合いを演算することができる。
図4は、実施の形態における操舵補助処理を示すフローチャートである。理想操舵量演算部110は、ナビゲーション装置40から車両の進行方向、道路情報および現在位置を取得する(S10)。理想操舵量演算部110は、道路情報、現在位置、および進行方向にもとづいて、進行方向の道路に所定の曲率以上を有するカーブ路が有るかどうかを所定周期で判定する(S12)。理想操舵量演算部110は、カーブ路がなければ、操舵補助処理を終了する(S12のN)。
カーブ路が有ると判定された場合(S12のY)、理想操舵量演算部110は、車速センサ36から現在の車速を取得する(S14)。理想操舵量演算部110は、車速と、カーブ路の道幅、曲率、始点、および終点の道路情報とにもとづき理想操舵量を演算する(S16)。なお、所定の曲率以上を有するカーブ路の始点および終点は、所定の曲率以上を有する道路かどうかの境界点に設定される。
操舵反力補正部114は、理想操舵量および実操舵量にもとづき、バネ反力追加処理を実行する(S18)。次いで、操舵反力補正部114は、理想操舵量および実操舵量にもとづき、粘性反力追加処理を実行する(S20)。操舵反力補正部114は、粘性反力追加処理実行後、カーブ路を通過しているかどうかを判定する(S22)。なお、バネ反力追加処理(S18)、粘性反力追加処理(S20)については後で説明する。
操舵反力補正部114は、カーブ路を通過していれば(S22のY)、操舵補助処理を終了する。操舵反力補正部114は、カーブ路を通過していなければ(S22のN)、再びバネ反力追加処理(S18)、粘性反力追加処理(S20)を繰り返し実行する。これにより、運転者による実操舵量を理想操舵量に近づけるように、運転者の操舵を補助できる。バネ反力トルク処理と粘性反力トルク処理を交互に用いることで、バネ反力トルク処理によって過剰な操舵を修正させ、修正し過ぎることを粘性反力トルク処理によって規制することができる。さらに、バネ反力トルク処理と粘性反力トルク処理を用いて、運転者の操舵を理想的な操舵に修正させることで、理想的な操舵を運転者に効率よく学習させることができる。なお、操舵反力補正部114は、カーブ路を通過していなければ(S22のN)、さらに粘性反力追加処理(S20)を繰り返し実行してもよい。これにより、運転者の操舵を安定させることができる。
図5は、実施の形態におけるバネ反力追加処理を示すフローチャートである。比較判定部112は、カーブ中であるかどうかを判定する(S29)。カーブ中でないと判定すると(S29のN)、バネ反力追加処理を終了する。カーブ中であると判定すると(S29のY)、比較判定部112は、理想操舵量演算部110から理想操舵量を取得し、目標転舵角演算部136または操舵反力演算部130から実操舵量を取得する(S30)。比較判定部112は、理想操舵量と実操舵量との差分を算出する(S32)。比較判定部112は、理想操舵量と実操舵量との差分にもとづいて、運転者の操舵が旋回過剰操舵状態であるかどうかを判定する(S34)。具体的には、たとえば比較判定部112は、実操舵量から理想操舵量を減算した差分が所定の第1閾値以上であるか判定する。
比較判定部112は、差分が所定の第1閾値以上である場合(S34のY)、旋回過剰操舵状態であると判定する。次いで操舵反力補正部114は、判定結果と差分を受け取り、差分に応じた追加バネ反力トルクを導出する(S36)。操舵反力指令部132は、供給された追加バネ反力トルクを受け取り、操舵反力用モータ46によって追加バネ反力トルクをステアリングホイール12に付与する(S38)。追加バネ反力トルクを付与後、再びS29の処理に戻り、バネ反力追加処理を繰り返す。
比較判定部112は、差分が所定の第1閾値以上でない場合(S34のN)、旋回過剰操舵状態でないと判定し、復帰操舵に切替えたかどうかを判定する(S40)。具体的には、比較判定部112は、新たに算出した差分が前回算出した差分より小さければ、復帰操舵に切替えたと判定し、新たに算出した差分が前回算出した差分より小さくなければ、復帰操舵に切替えていないと判定する。比較判定部112は、復帰操舵中でないと判定すれば(S40のN)、再びS29の処理に戻り、バネ反力追加処理を繰り返す。一方、比較判定部112は、復帰操舵に切替えたと判定すれば(S40のY)、バネ反力追加処理を終了する。バネ反力追加処理により、ステアリングホイール12に対して理想操舵量に応じた操舵角に戻す力を加えることができる。
図6は、実施の形態における粘性反力追加処理を示すフローチャートである。比較判定部112は、カーブ中であるかどうかを判定する(S41)。カーブ中でないと判定すると(S41のN)、バネ反力追加処理を終了する。カーブ中であると判定すると(S41のY)、比較判定部112は、理想操舵量演算部110から理想操舵量を取得し、目標転舵角演算部136または操舵反力演算部130から実操舵量を取得する(S42)。比較判定部112は、理想操舵量と実操舵量との差分を算出する(S44)。
比較判定部112は、理想操舵量と実操舵量との差分にもとづき、運転者の操舵が復帰過剰操舵状態であるかどうかを判定する(S46)。具体的には、比較判定部112は、実操舵量が理想操舵量より所定の第2閾値Th2以上小さく、かつ、前回演算した理想操舵量と実操舵量との差分より新たに演算した差分の絶対値が大きければ、復帰過剰操舵状態であると判定してよい。また、比較判定部112は、実操舵量が理想操舵量より所定の第2閾値Th2以上大きく、または、前回演算した理想操舵量と実操舵量との差分より新たに演算した差分の絶対値が小さければ、復帰過剰操舵状態でないと判定してよい。
比較判定部112は、運転者の操舵が復帰過剰操舵状態であると判定する場合(S46のY)、操舵反力補正部114は、判定結果と差分を受け取り、差分に応じた追加粘性反力トルクを導出する(S48)。操舵反力指令部132は、供給された追加粘性反力トルクを受け取り、操舵反力用モータ46によって追加粘性反力トルクをステアリングホイール12に付与する(S50)。追加粘性反力トルクを付与後、再びS41の処理に戻り、粘性反力追加処理を繰り返す。
比較判定部112は、復帰過剰操舵状態でないと判定する場合(S46のN)、復帰操舵に切替えたかどうかを判定する(S52)。具体的には、たとえば比較判定部112は、新たに算出した差分の絶対値が前回算出した差分の絶対値より小さければ、復帰操舵に切替えたと判定し、新たに算出した差分の絶対値が前回算出した差分の絶対値より小さくなければ、復帰操舵に切替えていないと判定する。比較判定部112は、復帰操舵中でないと判定すれば(S52のN)、再びS41の処理に戻り、粘性反力追加処理を繰り返す。一方、比較判定部112は、復帰操舵に切替えたと判定すれば(S52のY)、粘性反力追加処理を終了する。粘性反力追加処理により、ステアリングホイール12に対して理想操舵量に応じた操舵角から離れないようにする力を加えることができる。
以上に説明した粘性反力追加処理は、バネ反力追加処理と粘性反力追加処理を交互に繰り返すように制御する場合の処理例である。一方、バネ反力追加処理後、粘性反力追加処理を繰り返すように制御する場合は、粘性反力追加処理における復帰過剰操舵状態を判定する条件を以下のように変更し、粘性反力追加処理を実行する。具体的には、たとえば比較判定部112は、実操舵量と理想操舵量との差分の絶対値が所定の第2閾値Th2以上大きく、かつ、前回演算した理想操舵量と実操舵量との差分より新たに演算した差分の絶対値が大きければ、第3復帰過剰操舵状態であると判定する。
図7は、実施の形態における追加反力特性の設定処理を示すフローチャートである。カーブ路が終了すると(S54)、慣れ判定値演算部124は、差分記憶部118からそのカーブ路を走行する間に算出された実操舵量と理想操舵量との差分を取得する(S56)。道路操舵難度導出部116は、カーブ路の曲率と道幅にもとづきカーブ路操舵難度を算出し(S58)、カーブ路操舵難度を慣れ判定値演算部124に供給する。慣れ判定値演算部124は、カーブ路を走行する間に算出された実操舵量と理想操舵量との差分にもとづき慣れ判定値を算出し、慣れ判定値をカーブ路操舵難度によって調整する(S60)。慣れ判定値演算部124は、算出した慣れ判定値を慣れ判定値保持部126に保持させる(S62)。慣れ度合い演算部128は、慣れ判定値保持部126に保持される慣れ判定値の数が所定数以上でなければ(S64のN)、慣れ度合いを算出せず、追加反力特性の設定処理を終了する。
慣れ度合い演算部128は、慣れ判定値保持部126に保持される慣れ判定値の数が所定数以上であれば(S64のY)、保持された複数の慣れ判定値を平均化することで、運転者の操舵の慣れ度合いを算出する(S66)。追加反力特性設定部120は、新たに算出された慣れ度合いを受け取り、新たに算出された慣れ度合いが前回算出された慣れ度合いと比較して変更されたかどうかを判定する(S68)。
追加反力特性設定部120は、新たに算出された慣れ度合いが前回算出された慣れ度合いと比較して変更されていなければ(S68のN)、追加反力特性の設定処理を終了する。追加反力特性設定部120は、新たに算出された慣れ度合いが前回算出された慣れ度合いと比較して変更されていれば(S68のY)、新たに算出された慣れ度合いに応じた追加反力特性を設定する(S70)。操舵反力補正部114は、設定された追加反力特性に応じた2次元マップを参照して、追加バネ反力トルクおよび追加粘性反力トルクを導出する。これにより、運転者の操舵の慣れ度合いに応じて操舵を補助することができる。具体的には、たとえば運転者が小舵角ステアの操舵に慣れてきたならば、追加バネ反力トルクおよび追加粘性反力トルクによる補助を緩和することができる。また、慣れ判定値を道路操舵難度によって調整することで、道路の操舵難度を慣れ度合いに反映することができ、運転者の操舵の慣れ度合いを精度よく算出することができる。
図8は、実施の形態における旋回開始傾向の演算処理を示すフローチャートである。本図に示す旋回開始傾向の演算処理は、所定周期で実行されてよい。まず、旋回開始傾向演算部122は、ナビゲーション装置40から供給される位置情報および道路情報にもとづき、車両10が直線道路からカーブ路に進行予定であるかどうかを判定する(S72)。旋回開始傾向演算部122は、車両10が直線道路からカーブ路に進行予定でないと判定すれば(S72のN)、旋回開始傾向の演算処理を終了する。
旋回開始傾向演算部122は、車両10が直線道路からカーブ路に進行予定であると判定すれば(S72のY)、車両10を旋回する際に運転者が旋回を開始した時間(T1)を比較判定部112から取得する(S74)。具体的には、実操舵角が所定角度より大きくなった時を運転者が旋回を開始した時と判定する。また、旋回開始傾向演算部122は、理想操舵量における理想旋回開始時間(T2)を比較判定部112から取得する(S76)。
旋回開始傾向演算部122は、運転者による旋回開始時間(T1)と理想旋回開始時間(T2)を比較し、運転者による旋回開始時間(T1)が理想旋回開始時間(T2)より所定時間以上早いかどうかを判定する(S78)。運転者による旋回開始時間(T1)が理想旋回開始時間(T2)より所定時間以上早いと判定する場合(S78のY)、旋回開始傾向演算部122は、旋回開始が早いと判定し、判定結果を記録する(S80)。そして、旋回開始傾向演算部122は、判定回数を記録する(S86)。
運転者による旋回開始時間(T1)が理想旋回開始時間(T2)より所定時間以上早くないと判定する場合(S78のN)、旋回開始傾向演算部122は、運転者による旋回開始時間(T1)が理想旋回開始時間(T2)より所定時間以上遅いかどうかを判定する(S82)。運転者による旋回開始時間(T1)が理想旋回開始時間(T2)より所定時間以上遅いと判定する場合(S82のY)、旋回開始傾向演算部122は、旋回開始が遅いと判定し、判定結果を記録する(S84)。そして、旋回開始傾向演算部122は、判定回数を記録する(S86)。また、運転者による旋回開始時間(T1)が理想旋回開始時間(T2)より所定時間以上遅くないと判定する場合も(S82のN)、旋回開始傾向演算部122は、判定回数を記録する(S86)。
旋回開始傾向演算部122は、記録された判定回数が所定回数以上であるかどうかを判定する(S88)。旋回開始傾向演算部122は、記録された判定回数が所定回数以上でなければ(S88のN)、旋回開始傾向の演算処理を終了する。旋回開始傾向演算部122は、記録された判定回数が所定回数以上であれば(S88のY)、旋回開始傾向が、早操舵傾向、遅操舵傾向、または通常操舵傾向のいずれであるかを判定し、記録する(S90)。そして、慣れ判定値演算部124は、旋回する際の運転者による旋回開始時間が運転者の旋回開始傾向を満たすと判定される場合に、滑らか度合いを演算し、滑らか度合いにもとづいて慣れ度合いを補正してよい。これにより、運転者の習癖を示す旋回開始傾向を許容するように慣れ度合いを演算することができる。
以上、本発明をいくつかの実施の形態をもとに説明した。本発明によれば、小舵角ステアである車両に対して好適である。すなわち、小舵角ステアである車両の運転に不慣れな運転者が、車両を旋回する際に旋回方向に過剰に操舵してしまうおそれがあり、本発明によれば、そのような操舵を補助することができる。
以上に説明した実施の形態はあくまで例示であり、実施の形態どうしの任意の組合せ、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスの任意の組合せなどの変形例もまた、本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を例示する。
たとえば、バネ反力追加処理および粘性反力追加処理を複数回実行する場合、所定の第1閾値および所定の第2閾値を徐々に小さくしてよい。これにより、運転者の操舵を理想操舵量により近づけることができ、運転者は理想操舵量をより効率的に学習することができる。
また、実施の形態では、バネ反力トルク処理と粘性反力トルク処理とを組み合わせた処理を説明したが、バネ反力トルク処理または粘性反力トルク処理のどちらか一方を用いてよい。具体的には、実操舵量が理想操舵量と所定の閾値以上乖離する過剰操舵状態であれば、バネ反力トルク処理を繰り返すか、または粘性反力トルク処理を繰り返すように制御する。または、旋回過剰操舵状態であれば、バネ反力トルク処理を、または粘性反力トルク処理をするように制御する。これにより運転者の操舵を補助することができる。
また、操舵補助部102は、操舵補助機能を停止する手動スイッチを備えてよい。これにより、運転者は、自己の判断によって、操舵補助を実行するかどうかを選択できる。
このように、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識にもとづいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能である。各図に示す構成は、一例を説明するためのもので、同様な機能を達成できる構成であれば、適宜変更可能である。
本発明の実施形態に係る車両の基本的な構成を示す図である。 旋回に対する操舵量の変化を示す図である。 図1に示したステアリング制御ユニットのうち本実施形態に関与する部分の構成を示すブロック図である。 実施の形態における操舵補助処理を示すフローチャートである。 実施の形態におけるバネ反力追加処理を示すフローチャートである。 実施の形態における粘性反力追加処理を示すフローチャートである。 実施の形態における追加反力特性の設定処理を示すフローチャートである。 実施の形態における旋回開始傾向の演算処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10 車両、 12 ステアリングホイール、 14 ステアリングシャフト、 16 操舵トルクセンサ、 18 操舵角センサ、 20 転舵機構、 24 転舵用モータ、 34 転舵角センサ、 36 車速センサ、 40 ナビゲーション装置、 42 ヨーレートセンサ、 44 ギヤボックス、 46 操舵反力用モータ、 100 ステアリング制御ユニット、 102 操舵補助部、 104 操舵反力制御部、 106 転舵制御部、 110 理想操舵量演算部、 112 比較判定部、 114 操舵反力補正部、 116 道路操舵難度導出部、 118 差分記憶部、 120 追加反力特性設定部、 122 旋回開始傾向演算部、 124 慣れ判定値演算部、 126 慣れ判定値保持部、 128 慣れ度合い演算部、 130 操舵反力演算部、 132 操舵反力指令部、 134 モータ駆動回路、 136 目標転舵角演算部、 138 転舵角指令部、 140 モータ駆動回路。

Claims (6)

  1. 運転者により操作されるステアリングホイールと、
    操作された前記ステアリングホイールを中立位置に戻すバネ反力トルクと、前記ステアリングホイールの操作に対して粘性抵抗を与える粘性反力トルクとを制御する操舵反力制御手段と、
    運転者による実操舵量を検出する操舵量検出手段と、
    車速と道路情報と車両の位置情報とにもとづいて進行方向の理想操舵量を演算する理想操舵量演算手段と、
    車両を旋回する際に旋回方向に対して前記実操舵量が前記理想操舵量より大きい旋回過剰操舵状態と、前記旋回過剰操舵状態から前記理想操舵量への復帰操作中に前記実操舵量が前記理想操舵量から離れる方向に向かう復帰過剰操舵状態と、を判定する判定手段と、
    前記旋回過剰操舵状態において前記操舵反力制御手段に制御される前記バネ反力トルクに追加バネ反力トルクを加え、前記復帰過剰操舵状態において前記操舵反力制御手段に制御される前記粘性反力トルクに追加粘性反力トルクを加える操舵反力補正手段と、を備えることを特徴とする車両操舵制御装置。
  2. 前記操舵反力補正手段は、前記実操舵量と前記理想操舵量との差分に応じた前記追加バネ反力トルクまたは前記追加粘性反力トルクを加えることを特徴とする請求項1に記載の車両操舵制御装置。
  3. 前記実操舵量と前記理想操舵量との差分を記憶する差分記憶手段と、
    記憶した前記差分にもとづいて運転者の操舵の慣れ度合いを演算する慣れ度合い演算手段と、
    前記追加バネ反力トルクおよび前記追加粘性反力トルクそれぞれの追加反力特性を前記慣れ度合いに応じて変化させる追加反力特性設定手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の車両操舵制御装置。
  4. 道路情報にもとづいて道路の操舵難度を導出する道路操舵難度導出手段をさらに備え、
    前記慣れ度合い演算手段は、前記道路操舵難度導出手段によって導出された道路操舵難度に応じて前記慣れ度合いを演算することを特徴とする請求項3に記載の車両操舵制御装置。
  5. 前記慣れ度合い演算手段は、前記実操舵量の変化の滑らか度合いを演算し、前記滑らか度合いにもとづいて前記慣れ度合いを補正することを特徴とする請求項3または4に記載の車両操舵制御装置。
  6. 車両を旋回する際の運転者による旋回開始時間と前記理想操舵量における理想旋回開始時間とを比較した情報によって運転者の旋回開始傾向を演算する旋回開始傾向演算手段をさらに備え、
    前記慣れ度合い演算手段は、前記運転者による旋回開始時間が前記旋回開始傾向演算手段によりあらかじめ演算された前記旋回開始傾向を満たすと判定される場合に、前記滑らか度合いを演算し、前記滑らか度合いにもとづいて前記慣れ度合いを演算することを特徴とする請求項5に記載の車両操舵制御装置。
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