JP6443204B2 - ステアリング制御装置 - Google Patents

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本発明は、アシストトルクによって操舵時のフィールを調整するステアリング制御装置に関する。
従来、車両の操舵部材に加わる操舵力を補助するステアリング制御装置において、ハンドルの戻され感等を変化させる操舵系の粘性減衰力を、操舵状態に応じて調整することで、操舵感やステアリングの収斂性を向上させる技術が知られている(特許文献1参照)。なお、粘性減衰力は、基本的には操舵角速度に応じて調整されるもので、操舵角速度を抑制する方向に作用するものである。
特開2014−213781号公報
ところで、路面の摩擦係数μの低い低μ路においては、路面負荷(路面反力)が低下し、ひいてはタイヤが路面に押し戻される力が低下する。従って、粘性減衰力が同じであれば、摩擦係数μが低いほどハンドルの戻りが緩やかになる。その結果、操舵角速度に応じて粘性減衰力を調整する従来装置では、雨や積雪などによって道路の状態(摩擦係数μ)が変化すると、粘性減衰力が的確に調整されず、操舵感や収斂性の悪化を招いてしまうおそれがあるという問題があった。
また、例えば交差点を旋回するためにハンドルを大きく切って、そこから切り返し始める(ハンドルを戻し始める)瞬間や、或いはコーナー旋回時に一定舵角で保舵している状態からハンドルを戻し方向に微修正するために保舵している力を少し緩める瞬間などでは、急ハンドルとならないようにハンドルの戻りをより緩やかにすることが求められる。しかしながら、上述のような瞬間では、操舵角度速度がゼロからの動き出しとなるため、十分に大きな粘性減衰力を得ることができないという問題もあった。
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、路面状態や操舵状態に応じた適切な粘性減衰力を実現する技術を提供することを目的とする。
なお、操舵角と路面負荷とは、図11に示すように、操舵角が所定領域(いわゆるタイヤ力飽和領域)以下では、ほぼ比例関係にある。そして、この性質によると一定の操舵速度で操舵するとき、路面負荷の時間変化率は路面の摩擦係数μが高いほど大きなものとなる。
従って、本発明によれば、路面負荷の時間変化率と路面の摩擦係数μとの間に相関関係が存在するため、路面負荷の時間変化率に応じた粘性減衰力を含むアシストトルクを生成することによって、路面の摩擦係数に応じた適切な粘性減衰力を実現することができる。
また、本発明では、路面負荷は操舵系機械要素の摩擦力を上乗せした値となるため、ハンドルの切り込み側と切り戻し側とで路面負荷の大きさが異なる。このため、操舵角に対する操舵トルクの軌跡は、図12に示すように、ヒステリシスを有する。そして、図から
わかるように、操舵角速度(操舵角の変化率)の符号が反転する箇所、即ち、ハンドルを切り返す瞬間に、路面負荷の時間変化率が急峻に立ち上がる。
つまり、路面負荷の時間変化率に応じて粘性調整トルクを制御することによって、ハンドルを切り返す操作の瞬間に粘性減衰力を増大させることができ、操舵状態に応じた適切な粘性減衰力を実現することができる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
電動パワーステアリングシステムの概略構成を表す構成図である。 ECUの制御機構の概略構成を表す構成図である。 ベースアシスト部の構成を表す構成図である。 変化量演算部の構成を表す構成図である。 操舵角速度および路面負荷の時間変化率が変化する様子を例示するグラフであり、(a)が高μ路の場合、(b)が低μ路の場合である。 操舵角と操舵トルクの関係を例示するグラフであり、(a)が操舵範囲全体を示したものであり、(b)が切り返し部分を拡大して示したものである。 調整マップの生成に使用する換算係数の算出に用いたモデルを表す説明図である。 第2実施形態におけるベースアシスト部の構成を表す構成図である。 粘性調整マップの特性を例示するグラフである。 第2実施形態における操舵角と操舵トルクの関係を例示するグラフであり、(a)が操舵範囲全体を示したものであり、(b)が切り返し部分を拡大して示したものである。 操舵角と路面負荷の概略的な関係を示すグラフである。 操舵系機械要素の摩擦力の影響を考慮した操舵角と路面負荷の関係を模式的に示したグラフである。
以下に本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1.1.全体構成]
本実施形態の電動パワーステアリングシステム1は、図1に示すように、ドライバによるハンドル(操舵部材)2の操作をモータ6によってアシストするものである。ハンドル2は、ステアリングシャフト3の一端に固定され、ステアリングシャフト3の他端にはトルクセンサ4が接続されており、このトルクセンサ4の他端には、インターミディエイトシャフト5が接続されている。なお、以下の説明では、ステアリングシャフト3からトルクセンサ4を経てインターミディエイトシャフト5に至る軸体全体を、まとめて操舵軸ともいう。また、以下では、操舵軸の回転角を舵角、操舵軸の回転角速度を操舵速度、操舵軸の回転角加速度を操舵加速度ともいう。
トルクセンサ4は、操舵トルクTsを検出するためのセンサである。具体的には、ステアリングシャフト3とインターミディエイトシャフト5とを連結するトーションバーを有し、このトーションバーのねじれ角に基づいてそのトーションバーに加えられているトルクを検出する。
モータ6は、ハンドル2の操舵力をアシスト(補助)するものであり、減速機構6aを
介してその回転がインターミディエイトシャフト5に伝達される。即ち、減速機構6aは、モータ6の回転軸の先端に設けられたウォームギアと、このウォームギアと噛み合った状態でインターミディエイトシャフト5に同軸状に設けられたウォームホイールとにより構成されており、これにより、モータ6の回転がインターミディエイトシャフト5に伝達される。逆に、ハンドル2の操作や路面からの反力(路面反力)によってインターミディエイトシャフト5が回転すると、その回転が減速機構6aを介してモータ6に伝達され、モータ6も回転することになる。
また、モータ6は、本実施形態ではブラシレスモータであり、内部にレゾルバ等の回転センサを備え、モータ6の回転状態を出力可能に構成されている。本実施形態のモータ6は、回転センサからの回転状態として、少なくともモータ速度ω(回転角速度を示す情報)を出力可能に構成されている。なお、モータ速度ωの代わりに、モータ速度ωに減速機構6aのギア比を乗じることで求められる操舵速度を用いてもよい。
インターミディエイトシャフト5における、トルクセンサ4が接続された一端とは反対側の他端は、ステアリングギアボックス7に接続されている。ステアリングギアボックス7は、ラックとピニオンギアからなるギア機構にて構成されており、インターミディエイトシャフト5の他端に設けられたピニオンギアに、ラックの歯が噛み合っている。そのため、ドライバがハンドル2を回すと、インターミディエイトシャフト5が回転(即ちピニオンギアが回転)し、これによりラックが左右に移動する。ラックの両端にはそれぞれタイロッド8が取り付けられており、ラックとともにタイロッド8が左右の往復運動を行う。これにより、タイロッド8がその先のナックルアーム9を引っ張ったり押したりすることで、操舵輪である各タイヤ10の向きが変わる。
また、車両における所定の部位には、車速Vを検出するための車速センサ11が設けられている。
このような構成により、ドライバがハンドル2を回転(操舵)させると、その回転がステアリングシャフト3、トルクセンサ4、およびインターミディエイトシャフト5を介してステアリングギアボックス7に伝達される。そして、ステアリングギアボックス7内で、インターミディエイトシャフト5の回転がタイロッド8の左右移動に変換され、タイロッド8が動くことによって、左右の両タイヤ10が操舵される。
ECU15は、図示しない車載バッテリからの電力によって動作し、トルクセンサ4にて検出された操舵トルクTs、モータ6のモータ速度ω、および車速センサ11にて検出された車速Vに基づいて、アシストトルク指令Taを演算する。そして、その演算結果に応じた駆動電圧Vdをモータ6へ印加することにより、ドライバがハンドル2を回す力(ひいては両タイヤ10を操舵する力)のアシスト量を制御する。
ECU15は、直接的にはモータ6へ印加する駆動電圧Vdを制御することによりモータ6を制御するものであるが、モータ6を制御することで結果としてそのモータ6により駆動される操舵系メカ100を制御するものであるといえ、よってECU15の制御対象はこの操舵系メカ100であるといえる。なお、操舵系メカ100は、図1に示したシステム構成図のうちECU15を除く機構全体、即ちハンドル2から各タイヤ10に至る、ハンドル2の操舵力が伝達される機構全体を示す。
[1.2.ECU]
次に、ECU15の概略構成(制御機構)を図2のブロック図に示す。なお、図2に示したECU15の制御機構のうち、電流フィードバック(FB)部42を除く各部、および電流FB部42の機能の一部は、実際には、ECU15が備える図示しないCPUが所定の制御プログラムを実行することによって実現されるものである。つまり、CPUによ
って実現される各種機能を機能ブロック毎に分けて図示したものが図2である。但し、これら各図に示した制御機構がソフトウェアにて実現されることはあくまでも一例であり、図2等に示した制御機構全体または一部を例えばロジック回路等のハードウェアにて実現するようにしてもよいことはいうまでもない。
ECU15は、図2に示すように、ベースアシスト指令Tb*を生成するベースアシスト部20と、補正トルク指令Trを生成する補正部30と、ベースアシスト指令Tb*と補正トルク指令Trを加算することによりアシストトルク指令Taを生成する加算器41と、アシストトルク指令Taに基づいてモータ6へ駆動電圧Vdを印加することによりモータ6を通電駆動する電流フィードバック(FB)部42とを備えている。
ベースアシスト部20は、路面反力(路面負荷)に応じた操舵反力(操舵トルク)の特性の実現、即ち路面負荷に対応した反応(反力)が準定常的にドライバへ伝達されるようにすることで車両の状態や路面の状態をドライバが把握しやすくなるようにすると共に、操舵状態に応じてドライバに与える手感(ハンドルからタイヤまでの感覚的硬さ,ねばり,重さ)を調整することで操舵時のフィールを向上させることを実現するためのブロックである。ベースアシスト部20は、操舵トルクTsとモータ速度ωと車速Vに基づき、上述した路面負荷に応じた伝達感や操舵状態に応じたフィールが実現されるようにハンドル2の操作をアシストするための、ベースアシスト指令Tb*を生成する。
補正部30は、車両全体としての操作安定性(車両運動特性)の実現、即ち、車両の挙動が不安定となることによってハンドルに伝わる不安定な挙動(振動的な挙動等)を抑制して、車両の挙動(各車輪10の操舵時の挙動)が所望の挙動特性となるように、具体的には車両が適切に収斂するようにするためのブロックである。補正部30は、操舵トルクTsとモータ速度ωと車速Vに基づき、上述した不安定な挙動を抑制(収斂)するための補正トルク指令Trを生成する。
加算器41は、ベースアシスト部20で生成されたベースアシスト指令Tb*と補正部30で生成された補正トルク指令Trとを加算することにより、アシストトルク指令Taを生成する。
電流FB部42は、アシストトルク指令Taに基づき、そのアシストトルク指令Taに対応したアシストトルク(アシスト操舵力)が操舵軸(特にトルクセンサ4よりもタイヤ10側)に付与されるようにモータ6へ駆動電圧Vdを印加する。具体的には、アシストトルク指令Taに基づいて、モータ6の各相へ通電すべき目標電流(相毎の目標電流)を設定する。そして、各相の通電電流Imを検出・フィードバックして、その検出値(各相の通電電流Im)がそれぞれ目標電流と一致するように駆動電圧Vdを制御(通電電流を制御)することで、操舵軸に対して所望のアシストトルクを発生させる。
なお、このような補正部30および電流FB部42は公知の技術(例えば、特開2013−52793号公報参照)であるため、ここでは説明を省略し、以下では、本発明の主要部に関わるベースアシスト部20について詳述する。
[1.3.ベースアシスト部]
ベースアシスト部20は、図3に示すように、負荷推定器21と、基本負荷量演算部22と、変化量演算部51と、微分器52と、剛性調整量演算部24と、粘性調整量演算部25と、慣性調整量演算部26と、目標演算器27と、偏差演算器28と、コントローラ部29とを備えている。
負荷推定器21は、ベースアシスト指令Tb*(アシストトルクに相当)と操舵トルク
Tsとに基づいて路面負荷を推定する。具体的には、ベースアシスト指令Tb*と操舵トルクTsとを加算する加算器と、その加算結果から所定の周波数以下の帯域の成分を抽出するローパスフィルタ(LPF)とで構成され、LPFにより抽出された周波数成分を推定負荷Txとして出力する。通常、ドライバは、主に10Hz以下の操舵反力情報を頼りに運転をしているため、概ね10Hz以下の周波数成分を通過(抽出)させ、10Hzより高い周波数成分を遮断する。
基本負荷量演算部22は、負荷推定器21にて推定された路面負荷(推定負荷Tx)と自車両の走行速度(車速V)とに基づき、予め用意されたマップを用いて、操舵トルクの目標値の基本成分である基本トルクTf*を生成する。基本トルクTf*は、路面反力に応じてドライバがハンドル操作を重いまたは軽いと感じることができるようにするための、或いは路面反力の上昇に対するドライバの操舵反力(或いは操舵トルク)の上昇度合い(勾配)を実現するためのものである。
変化量演算部51は、推定負荷Txを微分することで路面負荷の時間変化率αを生成する。具体的には、路面負荷の時間変化率αは、図4に示すように、推定負荷Txの現在値から、推定負荷Txの前回値を減じ、更に操舵トルクTsのサンプリング周期Tsampleで除した結果にLPFを施すことで生成する。このLPFは、例えば、1/(τs+1)で表現される周知の1次遅れフィルタを用いることができ、そのカットオフ周波数は、負荷推定器21におけるLPFと同様に、概ね10Hz以下の周波数成分を通過させるように設定する。
微分器52は、操舵速度に相当するモータ速度ωを微分することで操舵加速度に相当するモータ加速度βを生成する。
剛性調整量演算部24は、剛性成分演算部241と乗算器242を備える。剛性成分演算部241は、ハンドル操作時にドライバに与える剛性感(ばね感)を調整するためのゲインK(機械インピーダンスの剛性成分に相当する値)を、操舵トルクTsおよび車速Vに応じて、予め用意された剛性調整マップを用いて生成する。乗算器242は、ゲインKに推定負荷Txを乗じることで、目標操舵トルクTs*に含まれる調整成分の一つであり、操舵時にドライバに与える操舵系メカ100の剛性感を調整するための剛性調整トルクTk*を生成する。つまり、ゲインKは、推定負荷Tx(即ち路面負荷)に対する調整ゲインといえる。
粘性調整量演算部25は、粘性成分演算部251と乗算器252を備える。粘性成分演算部251は、目標操舵トルクTs*に含まれる調整成分(調整トルク)の一つであり、操舵時にドライバに与える操舵系メカ100の粘性感を調整するために使用する粘性成分Cを、操舵トルクTsおよび車速Vに応じて、予め用意された粘性調整マップを用いて生成する。乗算器252は、粘性成分Cに路面負荷の時間変化率αを乗じることで粘性調整トルクTc*を生成する。つまり、粘性成分Cは、路面負荷の時間変化率αに対する調整ゲインといえる。
慣性調整量演算部26は、慣性成分演算部261と乗算器262を備える。慣性成分演算部261は、目標操舵トルクTs*に含まれる調整成分の一つであり、ハンドル操作時にドライバに与える操舵系メカ100の慣性感を調整するための慣性成分Jを、操舵トルクTsに応じて、予め用意された慣性調整マップを用いて生成する。乗算器262は、微分器52によって生成されたモータ加速度βに慣性成分Jを乗じることで慣性調整トルクTj*を演算する。つまり、慣性成分Jは、モータ加速度β(ひいては操舵加速度)に対する調整ゲインといえる。
目標演算器27は、基本トルクTf*、剛性調整トルクTk*、粘性調整トルクTc*
慣性調整トルクTj*を加算して目標操舵トルクTs*を演算する。偏差演算器28は、操舵トルクTsと目標操舵トルクTs*との差であるトルク偏差を演算する。
コントローラ部29は、トルク偏差(操舵トルクTsと目標操舵トルクTs*との差)に基づき、トルク偏差が0になるよう、即ち操舵トルクTsが目標操舵トルクTs*に追従するように制御することで、路面負荷に応じた伝達感や操舵状態量に応じたフィールを実現するアシストトルク(アシスト量ともいう)を発生させるためのベースアシスト指令Tb*を生成する。
[1.4.調整マップの生成]
ここで、各調整ゲインの生成に用いる調整マップの生成方法について説明する。
まず、一般的に、機械インピーダンス(剛性成分K,粘性成分C,慣性成分J)は、物体に加わる力Fと、物体の変位量xとの関係を規定するものであり、(1)式の関係式によって表される。
ここでは、物体に加わる力Fとして、ハンドル操作時にドライバに与えるフィールの調整に必要なトルクT*を求めるために、物体の変位量xとして、操舵角θ(モータの回転角)を用いると共に、操舵角θの1回微分値である操舵速度(モータ速度ω)、操舵角θの2回微分値である操舵加速度(操舵モータ加速度β)を用いている。但し、特許文献1に示された従来技術では、(2)式に示すように、剛性調整トルクTk*の算出に、操舵角θの代わりに路面負荷Txを使用しているため、剛性成分の代わりに剛性成分に相当する調整ゲインKが用いられている。更に、本発明では、(3)式に示すように、粘性調整トルクTc*の算出に、操舵角θの1回微分値の代わりに路面負荷Txの1回微分値を使用していため、粘性成分の代わりに粘性成分に相当する調整ゲインCが用いられている。
なお、路面負荷Txや路面負荷の微分値(時間変化率α)と操舵角θとの関係は、後述するように、操舵系メカ100の特性を表す関係式から求めることができ、細かなダイナミクスを除去した静的な状態で近似すると、これらはほぼ比例関係を有する。
つまり、通常の剛性成分K,粘性成分C,慣性成分Jに基づく、剛性調整マップ,粘性調整マップ,慣性調整マップは周知であり、これら周知の調整マップと、路面負荷Txと操舵角θや操舵角θの1回微分値との間に成立する比例関係を利用することで、路面負荷Txに対する調整ゲインKの生成に用いる剛性調整マップ、および路面負荷Txの時間変化率αに対する調整ゲインCの生成に用いる粘性調整マップを生成することができる。
[1.5.路面負荷およびその時間変化率と操舵角の関係]
剛性調整マップおよび粘性調整マップの引数として使用する路面負荷Txおよびその時間変化率αと操舵角θの関係について説明する。
図7(a)は、前輪が操舵される車両を表す簡易的なモデルであり、このモデルから(4)(5)式が得られる。
但し、Izはヨー慣性モーメント、γはヨーレート、γ’はヨーレートを微分したヨー角加速度、Lfは前輪と重心間の距離、Lrは後輪と重心間の距離、FyfとFyrは、タイヤスリップ角αfとαrで発生するタイヤ横力、Mは車両重量、Gyは横加速度(横G)である。ホイールベースをL(=Lf+Lr)として、(4)(5)式からFyrを消去すると(6)式が得られる。
図7(b)は、ハンドルの回転がタイヤの転舵に至るまでの機械的な接続をモデル化したものである。ハンドルとモータによって操舵軸に加わるトルクTxがピニオン半径Npのピニオンを回転させる。これにより、トルクTxはラック&ピニオン機構によってラック推力Frに変換され、タイヤに伝達される。実際には、左右輪があるが、図では1輪にまとめて表現している。
ラック推力Frにより、タイヤの転舵中心でタイヤを転舵させようとするトルクFr・aが発生し、一方で、タイヤ横力Fyfにより、その接地面における作用力中心でタイヤの転舵を復元させようというトルク(セルフアライニングトルク)Fyf・bが発生する。なお、aは転舵中心からラック推力Frの作用点までの距離、bは転舵中心からタイヤ接地面までの距離を表す。
機械的な慣性や摩擦、距離a,bの変動を無視した近似式は、(7)(8)式で表される。
(6)〜(8)式より、横加速度Gyは(9)式で推定することができる。
(9)式の右辺第2項には、ヨー角加速度γ’という過渡項が含まれているので、静的にはこれを無視することができる。つまり、右辺第2項を無視した場合、横加速度GyとトルクTxには比例関係があることがわかり、その比例係数Ktxgは、(10)式で表される。
また、細かなダイナミクスを無視して静的な横加速度Gyと操舵角θsの関係は、Ksをスタビリティファクタ、Nをステアリングギア比として、(11)式で表される。
(9)式の右辺第2項を省略した近似式および(11)式より、トルクTxと操舵角θsとの間の比例係数Ktxthは、(12)式で表される。
[1.6.動作]
粘性調整量演算部25では、粘性調整トルクTc*の生成に、操舵角速度(モータ速度ω)ではなく、路面負荷の時間変化率αを用いている。これによる一番の違いは、路面の摩擦係数μが変化したときの振る舞いにある。具体的には、図11に示すように、タイヤとの摩擦が小さい路面(低μ路)では、タイヤとの摩擦が大きい路面(高μ路)と比較して、同じ操舵角でも路面負荷Txが低下する。これに伴い、低μ路では高μ路と比較して、路面負荷の時間変化率αも小さくなる。従って、本実施形態では、路面の摩擦係数μに応じて粘性調整ゲインCが変化することになる。
実際に、図5(a)(b)に示すように、路面負荷の時間変化率αの時間波形は、操舵角速度(モータ速度ω)の時間波形と類似した形状となるが、摩擦係数μが小さい程、その変化の絶対値は小さくなる。
また、計測される操舵トルクTs(ひいては推定負荷Tx)は、実際の路面負荷に操舵系機械要素の摩擦力が上乗せされた値となる。従って、路面負荷の時間変化率αも、操作系機械要素の摩擦力の変化率が上乗せされた値となる。操舵系機械要素の摩擦力は、操作の方向によって変化するため、操舵角と操舵トルクとの関係は、図6(a)に示すように、ヒステリシスを有する。なお、粘性調整トルクTc*を大きくすると、図中のリサージュ波形は、上下に膨らむように変化する。
ところで、操舵系機械要素の摩擦力は、操舵方向が反転する瞬間、即ち切り返しの瞬間に大きく変化する。このため、図5(a)(b)に示すように、路面負荷の時間変化率αは、操舵角速度が0[deg/sec]を跨いだ直後に大きく変化する。
[1.7.効果]
以上説明したように、電動パワーステアリングシステム1では、粘性調整トルクTc*を、路面負荷の時間変化率αに応じて変化させるため、路面の摩擦係数μの減少に応じて粘性調整トルクTc*を減少させることができる。その結果、粘性調整トルクTc*に起因する低μ路での操作性の悪化を抑制することができる。
即ち、粘性調整で期待される主な効果は、ハンドルの戻りを緩やかにすることで、戻され感を低減することにある。そもそも、ハンドルが戻されるのは、路面負荷によりタイヤが押し戻されるからであり、路面負荷が低下する低μ路においては、ハンドルが戻りにくくなるため、ハンドルの戻りを緩やかにする必要がない。むしろ、粘性を大きくし過ぎると、ハンドルが戻ってこなくなり、操作性の悪化を招くことになるが、このような事態が生じることを防止することができる。
また、電動パワーステアリングシステム1では、粘性調整トルクTc*を、路面負荷の
時間変化率αに応じて変化させるため、操舵方向が反転する切り返しの瞬間に、操舵角速度に応じた粘性調整トルクを発生させる従来技術と比較して、粘性調整トルクの絶対値を増加させることができる。その結果、図6(b)に示すように、切り返した直後では、従来技術と比較して操舵トルクの絶対値が小さくなる。これにより、ハンドル切り返し時の戻され感が低減され、操作性を向上させることができる。
即ち、ドライバが最も戻され感を感じやすいのは、例えば、交差点を旋回するためにハンドルを切って、そこから切り返し始める(ハンドルを戻し始める)瞬間や、コーナー旋回時に一定舵角で保舵していて、ハンドルを戻し方向に微修正するために、保舵していた力を少し緩める瞬間等である。つまり、操舵方向が反転する瞬間(操舵角速度が0を跨いで変化する瞬間)に、よりハンドルの戻りを緩やかにすることが求められる。本実施形態では、操舵方向が反転する瞬間に、路面負荷の時間変化率αが大きくなり、これに伴って大きな粘性調整トルクTc*を与えることができるため、戻され感の低減を実現することができる。
[2.第2実施形態]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、共通する構成については説明を省略し、相違点を中心に説明する。
前述した第1実施形態では、調整ゲインK,C,Jの設定に操舵トルクTsを用いている。これに対し、第2実施形態では、操舵トルクTsおよびモータ速度ωから生成されるドライバ仕事率Wを用いる点で第1実施形態とは相違する。
[2.1.構成]
本実施形態では、第1実施形態のベースアシスト部20の代わりに、ベースアシスト部20aを備える。
ベースアシスト部20aは、図ベースアシスト部20の構成に加えて、ドライバ仕事率演算部23を備え、剛性調整量演算部24、粘性調整量演算部25、慣性調整量演算部26の代わりに剛性調整量演算部24a、粘性調整量演算部25a、慣性調整量演算部26aを備える。そして、剛性調整量演算部24a、粘性調整量演算部25a、慣性調整量演算部26aには、操舵トルクTsの代わりにドライバ仕事率演算部23で生成されたドライバ仕事率Wが供給されるように構成されている。
ドライバ仕事率演算部23は、モータ速度ωに減速機構6aのギア比を乗じることで求めた操舵速度に、操舵トルクTsを乗じることでドライバ仕事率Wを算出する。但し、操舵トルクTsおよびモータ速度ω(ひいては操舵速度)は、いずれもハンドル2を右回転させた場合と、左回転させた場合とで逆極性の値となる。また、操舵トルクTsは、Ts=0となるハンドル2の位置を中立位置として、中立位置から右回転させた場合と左回転させた場合とで逆極性の値となる。中立位置は、タイヤがグリップしている通常走行時には、車両を直進させる位置が中立位置となり、オーバステアによるスピン発生時にはタイヤが横滑りしている方向が中立位置となる。ここでは、右回転時に正、左回転時に負となるものとする。
従って、操舵トルクTsとモータ速度ωの極性が同じでありドライバ仕事率Wが正極性となる場合は、ハンドルを切り込む操作によって生じた値であることを表し、操舵トルクTsとモータ速度ωの極性が異なっておりドライバ仕事率Wが負極性となる場合は、ハンドルを切り戻す操作によって生じた値であることを表し、ドライバ仕事率Wがゼロであれば保舵の状態であることを表す。
つまり、ハンドルを中立位置から左右どちらかに切り込んだ場合、操舵トルクTs、モータ速度ωの極性は同じであるため、ドライバ仕事率Wは正極性の値となる。ハンドルを切った状態で保持すると(保舵の状態)、モータ速度ωは0であるため、ドライバ仕事率は0となる。この保舵の状態から、ハンドルを切り戻した場合、切り込んだときとはモータ速度ωの極性が反転し、操舵トルクTsとモータ速度ωの極性が互いに異なったものとなるため、ドライバ仕事率Wは負極性の値となる。なお、操舵トルクTsは、タイヤの向きが車両の進行方向から外れるほど大きな値となり、また、モータ速度ωが急な操舵を行うほど大きな値となり、これらの操作の度合い(操作量)に応じて、ドライバ仕事率Wの絶対値は大きな値をとる。
なお、操舵速度はモータ速度ωに比例した値であるため、モータ速度ωを操舵速度と見なして、モータ速度ωに操舵トルクTsを乗じたものをドライバ仕事率Wとして用いてもよい。
剛性調整量演算部24a,粘性調整量演算部25a,慣性調整量演算部26aは、操舵トルクTsおよび車速Vから調整ゲインK,C,Jを生成する剛性成分演算部241、粘性成分演算部251,慣性成分演算部261の代わりに、ドライバ仕事率Wおよび車速Vから調整ゲインK,C,Jを生成する剛性成分演算部241a、粘性成分演算部251a,慣性成分演算部261aを備える。つまり、調整ゲインK,C,Jの生成に使用する剛性調整マップ、粘性調整マップ、慣性粘性マップが第1実施形態とは異なる。なお、ドライバ仕事率Wから調整ゲインK,C,Jを求める各調整マップの例は、例えば、特開2014−213781に詳述されているため、ここでは本発明の主要部に関わる粘性調整マップの概要についてのみ説明する。
粘性調整マップは、例えば、図9に示すものが用いられる。即ち、ドライバ仕事率Wが0(保舵の状態)および保舵の状態からドライバ仕事率Wが正極方向に増加するとき(ハンドルの切り込み時)には、粘性調整ゲインCは0となるように設定されている。また、保舵の状態からドライバ仕事率Wが負極方向に増加する(ハンドルの切り戻し)に従って粘性調整ゲインCは増大し、ドライバ仕事率Wが所定値以下であるときは一定の値をとるように設定されている。但し、図8に示したマップは、車速Vがある一定値である場合について示したものである。従って、実際には図8に示した特性は車速Vによって変化する。
[2.2.効果]
本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、次の効果が得られる。即ち、機械インピーダンスを変化させるパラメータとして切り込み、切り戻し、保舵等の操舵状態を識別可能なドライバ仕事率Wを用いているため、簡易な制御によってより細やかにフィールの調整を行うことができる。
具体的には、粘性成分演算部251aで使用する粘性調整マップとして、図9に例示したものを使用している。これにより、ハンドルの切り戻し時にのみ粘性調整トルクTc*が付与されるため、操舵角と操舵トルクとの関係を表すリサージュ波形は、図10(a)(b)に示すものとなる。つまり、切り込み時の特性を変化させることなく、切り戻し時のみ操舵トルクTsの絶対値を低下させることができる。その結果、第1実施形態の効果を保持したまま、ハンドルの切り込み時に生じる不要な戻され感を低減することができるという効果を得ることができる。
[3.他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得る。
(1)上記実施形態では、変化量演算部51を構成するLPFとして、1次遅れのフィルタを用いているが、これに限定されるものではない。例えば、周波数ノイズに対してより頑健にするために、1次遅れのフィルタを複数段重ねたり、多次数のフィルタを使用してもよい。また、マイクロコンピュータによるデジタル信号処理で実現するために離散化が必要であり、例えば、(13)式で表される双一次変換のような離散化法を用いることができる。
(2)上記実施形態では、変化量演算部51は、差分微分の演算後にLPFを施すことで路面負荷の時間変化率αを求めているが、これに限定されるものではない。例えば、τs/(τs+1)で表現され、疑似微分演算として使用される周知のハイパスフィルタを用いて構成してもよい。この場合、カットオフ周波数は、ドライバが操舵する周波数を鑑みて10Hz以下の周波数に設定すればよい。また、周波数ノイズに対してより頑健にするために、例えば、2ζωs/(s2+2ζωs+ω2)で表現され、低周波域の入力に対しては微分特性となる周知のバンドパスフィルタを使用してもよい。
(3)上記第2実施形態では、機械インピーダンスを変化させるパラメータとして、操舵トルクTsと操舵速度(モータ速度ω)の積からなるドライバ仕事率Wを用いているが、これに限るものではなく、少なくとも切り込み、切り戻し、保舵の状態を識別し、且つ、切り込み、切り戻しの操作量を表現する物理量(操舵状態量)であればよい。
(4)上記実施形態では、ベースアシスト部20で生成されたベースアシスト指令Tb*に補正部30で生成された補正トルク指令Trを加えたものを電流FB部42に供給するアシストトルク指令Taとしているが、補正部30を省略し、ベースアシスト指令Tb*をそのままアシストトルク指令Taとするように構成してもよい。
(5)上記実施形態では、機械インピーダンスとして、剛性成分、粘性成分、慣性成分の全てを調整しているが、剛性成分、慣性成分のいずれか一つまたは両方を省略してもよい。
(6)上記実施形態では、負荷推定器21において、ベースアシスト指令Tb*と操舵トルクTsから推定負荷Txを生成しているが、ベースアシスト指令Tb*の代わりに電流FB部42で検出される通電電流Imを用いてもよい。あるいは、操舵トルクTsの代わりに目標操舵トルクTs*を用いてもよい。
(7)上記実施形態では、基本トルクTf*を、推定負荷Txから生成しているが、操舵角から生成するように構成してもよい。
(8)上記実施形態では、本発明をEPSに適用した例を示したが、これに限定されるものではなく、ハンドルと操舵輪とが機械的に切り離された構成を有するステア・バイ・ワイヤに適用してもよい。この場合、基本トルクTf*を用いることなく、剛性調整トルクTk*と粘性調整トルクTc*と慣性調整トルクTj*を加算したものを目標操舵トルクTs*とすればよい。
(9)上記実施形態における一つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を一つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えても
よい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加または置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
(10)本発明はステアリング制御装置の他、当該ステアリング制御装置を構成要素とするシステム、当該ステアリング制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した媒体、粘性調整トルクの調整方法など、種々の形態で実現することもできる。
1…電動パワーステアリングシステム 2…ハンドル 3…ステアリングシャフト 4…トルクセンサ 5…インターミディエイトシャフト 6…モータ 6a…減速機構 7…ステアリングギアボックス 8…タイロッド 9…ナックルアーム 10…タイヤ 11…車速センサ 20,20a…ベースアシスト部 21…負荷推定器 22…基本負荷量演算部 23…ドライバ仕事率演算部 24,24a…剛性調整量演算部 25,25a…粘性調整量演算部 26,26a…慣性調整量演算部 27…目標演算器 28…偏差演算器 29…コントローラ部 30…補正部 41…加算器 42…電流FB部 51…変化量演算部 52…微分器 100…操舵系メカ 241,241a…剛性成分演算部 242,252,262…乗算器 251,251a…粘性成分演算部 261,261a…慣性成分演算部

Claims (8)

  1. 操舵部材に連結された操舵軸に加わる操舵トルクに応じたアシストトルクをモータによって出力することで操舵特性を制御するステアリング制御装置であって、
    前記操舵トルクに応じたアシストトルクを生成するアシストトルク生成手段(20)を備え、
    前記アシストトルク生成手段は、路面負荷と操舵角との関係を示す関係式を利用し、前記路面負荷の時間変化率から粘性減衰力を含むアシストトルクを生成することを特徴とするステアリング制御装置。
  2. 前記アシストトルク生成手段は、
    前記操舵トルクの目標値を生成する目標操舵トルク生成手段(21〜27、51,52)と、
    前記目標操舵トルク生成手段にて生成された目標操舵トルクに基づいて、前記モータを制御するための指令値を生成する指令値生成手段(28,29)と、
    を備え、
    前記目標操舵トルク生成手段は、
    路面負荷の時間変化率に応じた粘性減衰力を発生させるための粘性調整トルクを、前記目標操舵トルクに付加する調整トルク付加手段(25,51)を備えることを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
  3. 前記調整トルク付加手段は、前記操舵部材に加わる操作を表す操舵状態量に応じて前記粘性調整トルクを生成することを特徴とする請求項2に記載のステアリング制御装置。
  4. 前記操舵状態量は、少なくとも切り込み、切り戻し、保舵の状態を識別し、且つ、切り込み、切り戻しの操作量を表現する物理量であることを特徴とする請求項3に記載のステアリング制御装置。
  5. 前記調整トルク付加手段は、前記操舵状態量が切り戻しの状態を示す場合に、該操舵状態量が切り込みの状態を示す場合と比較して、前記粘性減衰力が大きくなるような前記粘性調整ゲインを生成することを特徴とする請求項4に記載のステアリング制御装置。
  6. 前記操舵状態量は、前記操舵軸で検出される操舵トルクまたは前記目標操舵トルクと前記操舵軸の角速度との積からなるドライバ仕事率であることを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれか1項に記載のステアリング制御装置。
  7. 前記指令値は、前記目標操舵トルクに前記操舵トルクを追従させるためのものであることを特徴とする請求項2ないし請求項6のいずれか1項に記載のステアリング制御装置。
  8. 前記路面負荷は、前記操舵軸で検出される操舵トルクと前記アシストトルクの和、または前記目標操舵トルクと前記アシストトルクの和から求めることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のステアリング制御装置。
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