JPH10315992A - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置

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JPH10315992A
JPH10315992A JP12690897A JP12690897A JPH10315992A JP H10315992 A JPH10315992 A JP H10315992A JP 12690897 A JP12690897 A JP 12690897A JP 12690897 A JP12690897 A JP 12690897A JP H10315992 A JPH10315992 A JP H10315992A
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JP
Japan
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steering
viscous
motor torque
abs
load
Prior art date
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JP12690897A
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English (en)
Inventor
Eiichi Tomioka
栄一 富岡
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Jidosha Kiki Co Ltd
Original Assignee
Jidosha Kiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ABSの作動時等の車体の振動に対し、ステ
アリング系の振動を抑え、操舵フィーリングの悪化を防
ぐ。 【解決手段】 ABS作動時に発せられるABSコント
ローラ7からのABS制動信号をFEPSコントローラ
1の粘性制動係数設定部1−32へ与える。粘性制動係
数設定部1−32は、ABS制動信号がオンとされる
と、それまでのDoff に代えてDon(Doff <Don)を
粘性制動係数Dとして粘性負荷算出部1−31へ出力す
る。これにより、算出される粘性負荷DnがABS非作
動時のそれよりも大きくなり、ABS非作動時よりも大
きな粘性負荷Dnで目標モータトルクTMTが補正され
る。この結果、ABS作動時のステアリング系振動を抑
えるようにモータは作用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アンチスキッド
ブレーキシステム(ABS)の作動時などに生じる車体
の振動に対し、操舵フィーリングの悪化を防ぐことので
きる電動式パワーステアリング装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、車両においては、アンチスキッド
ブレーキシステム、いわゆるABSが普及されつつあ
る。一般に、ABSでは、制動時に車輪がスキッド状態
となったことを検出したとき、その車輪のブレーキ力を
弱めてスキッド状態を解消し、その後再びブレーキ力を
大きくすることにより、車両の操縦を安定させると共
に、制動距離ができるだけ短くなるようにブレーキ制御
を行う。例えば、この種のABSとしては、本出願人に
よる特開平5−262216号公報に示されているよう
な「アンチスキッドブレーキシステム制御システム」が
ある。この制御システムでは、右側前輪,右側後輪およ
び左側前輪,左側後輪が独立して、そのスキッド傾向が
解消するまで、減圧,再増圧を繰り返すアンチスキッド
ブレーキ制御が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなABSの搭載された車両においては、ABSの作動
時、制動力の調整が周期的に行われるため、すなわち左
右のタイヤが独立して制動・回転されたり、各々振れる
ことにより、車体に振動が生じる場合がある。この影響
で、全電動式パワーステアリング装置(FEPS)のス
テアリング系に振動が発生して、操舵フィーリングが悪
化する。このような車体の振動は、ABSの作動時ばか
りでなく、路面状態によっても生じる。
【0004】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、その目的とするところは、ABSの作
動時等の車体の振動に対し、ステアリング系の振動を抑
え、操舵フィーリングの悪化を防ぐことのできる電動式
パワーステアリング装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、第1発明(請求項1に係る発明)は、操舵速
度,操舵トルクおよび実際のモータトルクから目標モー
タトルクを算出する目標モータトルク算出手段と、操舵
状態および走行状態に応じ所定の粘性制動係数を用いて
粘性負荷を算出する粘性負荷算出手段と、目標モータト
ルク算出手段により算出された目標モータトルクを粘性
負荷算出手段によって算出された粘性負荷によって補正
し、この補正された目標モータトルクに合致するように
操舵力アシストモータのモータトルクを制御するモータ
駆動手段と、車両の振動状態を示す信号に基づいて粘性
負荷算出手段にて算出される粘性負荷を大とする粘性負
荷増大手段とを設けたものである。この発明によれば、
車両の振動状態を示す信号(例えば、アンチスキッドブ
レーキ制動信号、所定の周波数範囲の操舵速度信号、所
定の周波数範囲の操舵トルク信号、振動センサからの振
動検出信号など)に基づいて、粘性負荷算出手段にて算
出される粘性負荷が大とされる。すなわち、ABS等の
作動によって車両に振動が生じると、目標モータトルク
の補正に用いられる粘性負荷が大とされ、ステアリング
系振動を抑えるようにモータは作用する。
【0006】第2発明(請求項2に係る発明)は、操舵
速度,操舵トルクおよび実際のモータトルクから目標モ
ータトルクを算出する目標モータトルク算出手段と、操
舵状態および走行状態に応じ所定の粘性制動係数を用い
て粘性負荷を算出する粘性負荷算出手段と、目標モータ
トルク算出手段により算出された目標モータトルクを粘
性負荷算出手段によって算出された粘性負荷によって補
正し、この補正された目標モータトルクに合致するよう
に操舵力アシストモータのモータトルクを制御するモー
タ駆動手段と、アンチスキッドブレーキシステムよりそ
の作動時に発せられるアンチスキッドブレーキ制動信号
に基づいて粘性負荷算出手段での粘性制動係数を大とす
る粘性制動係数増大手段とを設けたものである。この発
明によれば、ABSよりその作動時に発せられるアンチ
スキッドブレーキ制動信号基づいて、粘性負荷算出手段
での粘性制動係数が大とされる。すなわち、ABSが作
動すると、車両に振動が生じているとみなして、粘性負
荷算出手段での粘性制動係数が大とされる。これによ
り、目標モータトルクの補正に用いられる粘性負荷が大
とされ、ステアリング系振動を抑えるようにモータは作
用する。
【0007】第3発明(請求項3に係る発明)は、操舵
速度,操舵トルクおよび実際のモータトルクから目標モ
ータトルクを算出する目標モータトルク算出手段と、操
舵状態および走行状態に応じ所定の粘性制動係数を用い
て粘性負荷を算出する粘性負荷算出手段と、目標モータ
トルク算出手段により算出された目標モータトルクを粘
性負荷算出手段によって算出された粘性負荷によって補
正し、この補正された目標モータトルクに合致するよう
に操舵力アシストモータのモータトルクを制御するモー
タ駆動手段と、粘性負荷算出手段への所定周波数範囲の
操舵状態信号のゲインを増大させるゲイン増大手段とを
設けたものである。この発明によれば、粘性負荷算出手
段への所定周波数範囲の操舵状態信号、例えばABS制
動によるステアリング系振動周波数範囲の操舵速度信号
や操舵トルク信号のゲインが増大する。すなわち、AB
S等の作動によって車両に振動が生じると、粘性負荷算
出手段への操舵状態信号のゲインが増大し、目標モータ
トルクの補正に用いられる粘性負荷が大とされ、ステア
リング系振動を抑えるようにモータは作用する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態に基づ
き詳細に説明する。先ず、その具体的な説明に入る前
に、原理について説明する。
【0009】一般論として、回転体のトルクTと回転速
度nとの関係は、静止摩擦のような速度に関係しない負
荷(定数項)を含めないと、 T=J・dn/dt+Dn J=系の慣性モーメント dn/dt=角加速度 Dn=速度に比例する負荷トルク(粘性負荷) (Dn=D・n、D:系の粘性制動係数) と表せる。
【0010】ここで、粘性負荷Dnの値を大きくするこ
とは、系の粘性制動力が大きくなるということである。
これをFEPSに当てはめると、操舵速度であるnに粘
性制動係数Dを乗じたものを粘性負荷Dnとし、この粘
性負荷Dnが大きくなるようにすれば、早い操舵に対し
てハンドルは重くなり、外乱による振動に対して減衰的
となる。なお、FEPSでは、車両速度vも粘性負荷D
nに関与する。
【0011】〔実施の形態1〕図1は本発明に係るFE
PSの要部を示すブロック図である。同図において、1
はFEPSコントローラ、2は操舵力アシストモータ、
3は操舵速度検出部、4は操舵トルク検出部、5はモー
タトルク検出部、6は車両速度検出部、7はABSコン
トローラである。なお、ABSコントローラ7は、AB
Sの主要構成要素であり、ABSの作動時にABS制動
信号を発する(ABS制動信号をオンとする)。
【0012】FEPSコントローラ1は、目標モータト
ルク算出部1−1と、モータ駆動PWMデューティ比算
出部1−2と、粘性コントロール部1−3とを備えてい
る。目標モータトルク算出部1−1は、操舵速度検出部
(操舵速度センサ)3からの操舵速度n,操舵トルク検
出部(操舵トルクセンサ)4からの操舵トルクTdおよ
びモータトルク検出部5からのモータトルクTMRを入力
とし、目標モータトルクTMTを算出する。モータトルク
検出部5からのモータトルクTMRは、操舵力アシストモ
ータ2の実際のモータトルクを示し、モータ回転センサ
やモータ電流値から算出したものを用いる。また、それ
ぞれの信号は極性を有し、操舵方向により極性が切り換
わる。
【0013】粘性コントロール部1−3は、粘性負荷算
出部1−31と粘性制動係数設定部1−32とを有し、
粘性負荷算出部1−31は操舵速度検出部3からの操舵
速度nと車両速度検出部6からの車速vと粘性制動係数
設定部1−32からの粘性制動係数Dとから粘性負荷D
nを算出する。粘性制動係数設定部1−32は、ABS
コントローラ7からのABS制動信号を入力とし、すな
わちABSの作動時に発せられるABS制動信号を入力
とし、ABS制動信号が生じている場合(ABS制動信
号がオンとされている場合)、それまでのDoff に代え
てDon(Doff<Don)を粘性制動係数Dとして粘性負
荷算出部1−31へ出力する。
【0014】次に、FEPSコントローラ1での処理動
作について、図2に示すフローチャートを参照しながら
説明する。 〔ABS非作動時:ABSによる振動が生じていない場
合〕ABS非作動時にはABSコントローラ7からのA
BS制動信号が粘性制動係数設定部1−32に与えられ
ていない。この場合、FEPSコントローラ1では、操
舵速度検出部3からの操舵速度n,操舵トルク検出部4
からの操舵トルクTdおよびモータトルク検出部5から
のモータトルクTMRから、目標モータトルクTMTを算出
する(ステップ201)。また、ABSコントローラ7
からのABS制動信号がオフであることを確認し(ステ
ップ202)、粘性制動係数DをDoff として設定する
(ステップ203)。
【0015】そして、ステップ203で設定した粘性制
動係数Doff と操舵速度検出部3からの操舵速度nと車
両速度検出部6からの車速vとから粘性負荷Dnを算出
し(ステップ204)、ステップ201で求めた目標モ
ータトルクTMTをステップ204で求めた粘性負荷Dn
で補正する(ステップ205)。すなわち、目標モータ
トルクTMTと粘性負荷Dnとの差を求め、これを補正後
の目標モータトルクTMT’とする。そして、この補正さ
れた目標モータトルクTMT’に応じたモータ駆動PWM
デューティ比を算出し(ステップ206)、その算出し
たデューティ比のPWM電圧を操舵アシストモータ2へ
与える。なお、操舵アシストモータ2のモータ出力は、
モータ駆動PWMデューティ比算出部1−2へフィード
バックされる。
【0016】〔ABS作動時:ABSによる振動が生じ
ている場合〕ABS作動時にはABSコントローラ7か
らのABS制動信号が粘性制動係数設定部1−32に与
えられる。この場合、FEPSコントローラ1では、A
BSコントローラ7からのABS制動信号がオンである
ことを確認し(ステップ202)、粘性制動係数DをD
off よりも大きなDonとして設定する(ステップ20
7)。
【0017】これにより、ステップ204では、ABS
非作動時の粘性制動係数Doff よりも大きなDonと操舵
速度nと車速vとから粘性負荷Dnが算出される。すな
わち、この場合、ステップ204で算出される粘性負荷
DnはABS非作動時のそれよりも大きくなる。この結
果、ABS非作動時よりも大きな粘性負荷Dnで目標モ
ータトルクTMTが補正されるものとなり、すなわちAB
S非作動時よりも目標モータトルクTMT’が小さくな
り、操舵力アシストモータ2は早い操舵に対して制動的
な作用を行う。これによって、ABS作動時のステアリ
ング系の振動が抑えられ、操舵フィーリングの悪化が防
止される。
【0018】〔実施の形態2〕実施の形態1では、粘性
負荷算出部1−31において、粘性制動係数設定部1−
32からの粘性制動係数Dと操舵速度検出部3からの操
舵速度nと車両速度検出部6からの車速vとから粘性負
荷Dnを算出するようにした。しかしながら、現実には
実用的な操舵角度センサの分解能では、ステアリング系
振動に相当する操舵速度変動を検出することが難しい。
そこで、この実施の形態2では、操舵トルクセンサによ
り検出される操舵トルクの微分値と操舵速度nと車速v
とにより操舵系粘性負荷を算出するものとし、ABS制
動信号を検出したら粘性制動係数Dを大きくする。
【0019】図3にこの場合のFEPSの要部を示す。
この実施の形態2では、操舵トルク検出部4からの操舵
トルクTdを微分処理部1−4で微分し、粘性負荷算出
部1−31へ与える。粘性負荷算出部1−31は、粘性
制動係数設定部1−32からの粘性制動係数Dと微分処
理部1−4からの操舵トルクTdの微分値と操舵速度検
出部3からの操舵速度nと車両速度検出部6からの車速
vとから粘性負荷Dn’を算出する。図2に示したフロ
ーチャートで言えば、ステップ204での粘性負荷Dn
の算出において、操舵速度n,車速vと共に操舵トルク
Tdの微分値が用いられるものとなる。その他の処理動
作は実施の形態1と同様である。
【0020】〔実施の形態3〕実施の形態1や2を用い
ればABS作動時のステアリング系振動の基本的な対策
はできる。しかしながら、一般的に、操舵速度検出部3
や操舵トルク検出部4からFEPSコントローラ1に入
力される信号のゲインや精度は、ステアリング系の振動
を防止するための粘性負荷Dnの算出に対して十分では
ない。この実施の形態3ではその対策を行う。
【0021】〔方式1〕ABS制動によるステアリング
系の振動周波数範囲は限定することができる。このた
め、方式1では、操舵速度変動周波数を限定すること
で、その周波数域の操舵速度信号ゲインを大きくしたも
のを用いて粘性負荷Dnの算出を行う。
【0022】図4にこの場合のFEPSの要部を示す。
この方式1では、操舵速度検出部3からの操舵速度nを
フィルタ1−5を介して粘性負荷算出部1−31へ与え
る。フィルタ1−5は、ABSコントローラ7からのA
BS制動信号を入力とし、このABS制動信号がオンの
場合、上記限定周波数帯域の操舵速度信号のみをゲイン
を大として通過させる。ABS制動信号がオフの場合に
は、フィルタ処理を行わず、ダイレクトに操舵信号を粘
性負荷算出部1−31へ送る。
【0023】なお、粘性制動係数設定部1−32での粘
性制動係数Dは、ABS制動信号のオン/オフに拘わら
ず一定としてもよい。すなわち、実施の形態1や2で
は、ABS作動時に粘性制動係数設定部1−32での粘
性制動係数DをDoff からDonへ切り換えるようにした
が、Doff からDonへ切り換えるようにしてもよいし、
Doff 一定としてもよい。Doff 一定としても、操舵速
度信号のゲインが大とされることから、粘性負荷算出部
1−31で算出される粘性負荷DnはABS非作動時の
それよりも大きくなる。どちらのタイプにするかは車両
の特性に合わせて選択する。具体的には、ABS作動時
のステアリング安定性を求める場合は粘性制動係数Dを
大きくした方がよく、操舵操作性を維持したい場合は粘
性制動係数Dは変更しない方がよい。
【0024】図5にこの場合の制御フローチャートを図
2と対応して示す。基本的には図2の制御フローと同じ
である。この制御フローに従えば、ABS非作動時に
は、ステップ502でのNOに応じてステップ503へ
進み、操舵速度信号に対してフィルタ処理を行わない。
ABS作動時には、ステップ502でのYESに応じて
ステップ507へ進み、操舵速度信号に対してフィルタ
処理を施す。
【0025】〔方式2〕ABS制動によるステアリング
系の振動周波数範囲は限定することができる。このた
め、方式2では、操舵トルクの変動周波数を限定するこ
とで、その周波数域の操舵トルクの微分値ゲインを大き
くしたものを用いて粘性負荷算出を行う。
【0026】すなわち、図3に示した構成において、微
分処理部1−4の前段あるいは後段に図4で用いたフィ
ルタ1−5と同様のフィルタを入れる。なお、この方式
2でも方式1と同様、粘性制動係数設定部1−32での
粘性制動係数Dは、ABS制動信号のオン/オフに拘わ
らず一定としてもよい。また、この場合の制御フロー
も、操舵速度nに代わって操舵トルクTdがフィルタ処
理の対象となる以外は、図5と同様となる。
【0027】実施の形態3では、ABSコントローラ7
からのABS制動信号がオンとされた場合に、フィルタ
1−5でのフィルタ処理を行うようにした。すなわち、
ABS制動信号がオンとされた場合にのみ、限定周波数
帯域の信号ゲインを大きくして、算出される粘性負荷D
nを大きくするようにした。ここで、ABS制動信号の
オン/オフに拘わらず、フィルタ処理を行わせることが
考えられる。しかし、このような方式とした場合、ある
操舵速度での粘性感が大きくなる。このため、ABS非
作動時において、操舵操舵フィーリングが多少悪化する
という問題がある。
【0028】〔実施の形態4〕実施の形態1〜3ではA
BSコントローラ7からABS制動信号が得られるもの
とした。ABSコントローラ7からABS制動信号が必
ずしも得られるとは限らない。そこで、この実施の形態
4では、ABSコントローラ7からABS制動信号が得
られないことを想定し、ABSが制御している電磁弁や
ポンプモータの動作を検出することでABSが作動して
いるか否かを判断する。
【0029】図6にこの場合のFEPSの要部を示す。
この実施の形態4では、ABSコントローラ7の制御管
理下にあるABSモジュレータ8の電磁弁信号(あるい
はポンプモータ駆動信号)をABS制動信号の代わりに
粘性制動係数設定部1−32へ与える。
【0030】一般的なABSの構成として、ABSコン
トローラ7は、車輪速度を検出する車輪速度センサ(図
示せず)からの信号を基にABSモジュレータ8を動作
させてブレーキ油圧を調整する。ABSモジュレータ8
はいくつかの電磁弁とモータで駆動されるポンプ等で構
成されている。ABS作動時、ABSモジュレータ8で
の電磁弁やポンプ等が動作することによって、車両がロ
ックしないようなブレーキ油圧に調整される。したがっ
て、ABSモジュレータ8の電磁弁信号もしくはポンプ
モータ駆動信号を検出することで、ABSが作動してい
るか否かを判断することができる。
【0031】この方式で注意しなければならないこと
は、ABSが作動しているか否かの判断に際し、ABS
非作動時にABSコントローラ7がモジュレータ8の電
磁弁やモータに対して故障検出のための信号を出力して
いる例についてである。多くのABSにおいて、ABS
非作動時に電磁弁やモータに対して短い作動信号を加え
ることで、それらの電気的導通といったものを確認し、
故障検出の一部としている。よって、単に電磁弁やモー
タへの通電があったという検出だけでは、ABS作動を
誤判断してしまう虞れがある。しかしながら、故障検出
用の電磁弁やモータへの通電はごく短時間であったり、
周期性のあるものや、ある限られた条件下でしか行われ
ないといった限定がある。この限定により、ABS作動
時の通電とは分けて検出することができ、これによりA
BS作動の誤判断をなくすことがで可能となる。
【0032】なお、図6は実施の形態1に対して適用し
た場合を示しているが、他の実施の形態2〜3について
も同様にして適用することが可能である。また、上述し
た各実施の形態では、ステアリング系の振動をABSの
作動・非作動の判断により検出するようにしたが、振動
センサ等により直接ステアリング系の振動を検出するよ
うにしてもよい。この場合、ABS作動時のみならず、
路面状態による車両振動時にもステアリング系の振動が
防止されるようになる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように本
発明によれば、ABS等の作動によって車両に振動が生
じると、目標モータトルクの補正に用いられる粘性負荷
が大とされ、ステアリング系の振動が抑えられ、操舵フ
ィーリングの悪化が防止されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るFEPSの要部を示すブロック
図(実施の形態1)である。
【図2】 図1におけるFEPSコントローラでの処理
動作を説明するフローチャートである。
【図3】 本発明に係るFEPSの要部を示すブロック
図(実施の形態2)である。
【図4】 本発明に係るFEPSの要部を示すブロック
図(実施の形態3)である。
【図5】 図4におけるFEPSコントローラでの処理
動作を説明するフローチャートである。
【図6】 本発明に係るFEPSの要部を示すブロック
図(実施の形態4)である。
【符号の説明】
1…FEPSコントローラ、1−1…目標モータトルク
算出部、1−2…モータ駆動PWMデューティ比算出
部、1−3…粘性コントロール部、1−31…粘性負荷
算出部、1−32…粘性制動係数設定部、1−4…微分
処理部、1−5…フィルタ、2…操舵力アシストモー
タ、3…操舵速度検出部、4…操舵トルク検出部、5…
モータトルク検出部、6…車両速度検出部、7…ABS
コントローラ、8…ABSモジュレータ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵速度,操舵トルクおよび実際のモー
    タトルクから目標モータトルクを算出する目標モータト
    ルク算出手段と、 操舵状態および走行状態に応じ所定の粘性制動係数を用
    いて粘性負荷を算出する粘性負荷算出手段と、 前記目標モータトルク算出手段により算出された目標モ
    ータトルクを前記粘性負荷算出手段によって算出された
    粘性負荷によって補正し、この補正された目標モータト
    ルクに合致するように操舵力アシストモータのモータト
    ルクを制御するモータ駆動手段と、 車両の振動状態を示す信号に基づいて前記粘性負荷算出
    手段にて算出される粘性負荷を大とする粘性負荷増大手
    段とを備えたことを特徴とする電動式パワーステアリン
    グ装置。
  2. 【請求項2】 操舵速度,操舵トルクおよび実際のモー
    タトルクから目標モータトルクを算出する目標モータト
    ルク算出手段と、 操舵状態および走行状態に応じ所定の粘性制動係数を用
    いて粘性負荷を算出する粘性負荷算出手段と、 前記目標モータトルク算出手段により算出された目標モ
    ータトルクを前記粘性負荷算出手段によって算出された
    粘性負荷によって補正し、この補正された目標モータト
    ルクに合致するように操舵力アシストモータのモータト
    ルクを制御するモータ駆動手段と、 アンチスキッドブレーキシステムよりその作動時に発せ
    られるアンチスキッドブレーキ制動信号に基づいて前記
    粘性負荷算出手段での粘性制動係数を大とする粘性制動
    係数増大手段とを備えたことを特徴とする電動式パワー
    ステアリング装置。
  3. 【請求項3】 操舵速度,操舵トルクおよび実際のモー
    タトルクから目標モータトルクを算出する目標モータト
    ルク算出手段と、 操舵状態および走行状態に応じ所定の粘性制動係数を用
    いて粘性負荷を算出する粘性負荷算出手段と、 前記目標モータトルク算出手段により算出された目標モ
    ータトルクを前記粘性負荷算出手段によって算出された
    粘性負荷によって補正し、この補正された目標モータト
    ルクに合致するように操舵力アシストモータのモータト
    ルクを制御するモータ駆動手段と、 前記粘性負荷算出手段への所定周波数範囲の操舵状態信
    号のゲインを増大させるゲイン増大手段とを備えたこと
    を特徴とする電動式パワーステアリング装置。
JP12690897A 1997-05-16 1997-05-16 電動式パワーステアリング装置 Pending JPH10315992A (ja)

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