JPH05310110A - 車両の自動制動装置 - Google Patents

車両の自動制動装置

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JPH05310110A
JPH05310110A JP4116334A JP11633492A JPH05310110A JP H05310110 A JPH05310110 A JP H05310110A JP 4116334 A JP4116334 A JP 4116334A JP 11633492 A JP11633492 A JP 11633492A JP H05310110 A JPH05310110 A JP H05310110A
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vehicle
automatic braking
pressure
increase rate
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JP4116334A
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English (en)
Inventor
Tadayuki Niibe
忠幸 新部
Toshihiro Ishikawa
敏弘 石川
Takeshi Takagi
毅 高木
Naoyuki Hikita
尚之 疋田
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自車両の走行状態に応じて自動制動時の増圧
レートを変更して、安定性の確保及び制動ショックの低
減を図る。 【構成】 前方障害物との接触回避等のために各車輪の
ブレーキを自動的にかけるように構成する。また、セン
サ44により路面の摩擦係数μや車速等の自車両の走行
状態を検出し、変更手段57によりその走行状態に応じ
て自動制動時の増圧レートを変更する。例えば、路面の
摩擦係数又は車速が低い程増圧レートを低くし、またス
テアリング舵角が大きい程増圧レートを低くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、前方障害物との接触を
回避するときなどに各車輪のブレーキを自動的にかける
車両の自動制動装置に関し、特に、その自動ブレーキの
故障に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種車両の自動制動装置と
しては、例えば特公昭39−2565号公報及び特公昭
39−5668号公報等に開示されるように、光学的方
法または超音波周波数等を用いて自車両と前方の障害物
との間の距離及び相対速度を連続的に検出するととも
に、その検出結果から接触の可能性を判断し、接触の可
能性があるときアクチュエータを作動させて各車輪のブ
レーキを自動的にかけ、前方障害物との接触を回避する
ようにしたものは知られている。
【0003】そして、このような自動制動装置において
は、自車両の実際の減速度が接触を回避する上から設定
された目標の減速度になるようフィードバック制御が取
り入れられている。例えば特開昭52−121238号
公報には、自車両の実際の減速度を検出する減速度検出
手段と、該検出手段で検出された自車両の実際の減速度
と目標の減速度とを比較し、この比較値に応じてアクチ
ュエータに対する制御信号を補正する補正回路とを備
え、上記補正された制御信号によりアクチュエータの作
動をフィードバック制御することが開示されている。上
記アクチュエータは、通常、調圧用の切換弁を有し、自
動制動時には、この切換弁の開閉を所定のデューティー
比で切換えて調圧を段階的に行うようなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
自動制動装置では、デューティー比ひいては増圧レート
を常に一定としているため、自動制動時のブレーキの利
き方つまり減速度が自車両の車体速や走行路面の摩擦係
数等の走行状態によって異なり、車両の安定性を確保す
る上で不具合がある。また、制動ショックが大きく生じ
ることもある。
【0005】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、自車両の走行状態に応
じて自動制動時の増圧レートを変更することにより、安
定性を確保でき、また制動ショックの少ない適切な制動
をかけることができる車両の自動制動装置を提供せんと
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、所定の条件で各車輪のブレ
ーキを自動的にかけるように構成された車両の自動制動
装置において、自車両の走行状態を検出する走行状態検
出手段と、該検出手段からの信号を受け、自車両の走行
状態に応じて自動制動時の増圧レートを変更する増圧レ
ート変更手段とを備える構成とする。
【0007】請求項2〜4記載の発明は、いずれも請求
項1記載の発明をより具体的にしたものである。
【0008】すなわち、請求項2記載の発明では、上記
走行状態検出手段は、自車両が走行する路面の摩擦係数
を検出するものであり、上記増圧レート変更手段は、路
面の摩擦係数が低い程増圧レートを低くするようになっ
ている。
【0009】請求項3記載の発明では、上記走行状態検
出手段は、ステアリング舵角を検出するものであり、上
記増圧レート変更手段は、ステアリング舵角が大きい程
増圧レートを低くするようになっている。
【0010】さらに、請求項4記載の発明では、上記走
行状態検出手段は、自車両の車体速を検出するものであ
り、上記増圧レート変更手段は、自車両の車体速が低い
程増圧レートを低くするようになっている。
【0011】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
自動制動時には、その時の、自車両の車体速や走行路面
の摩擦係数等の走行状態が検出手段で検出され、該検出
手段からの信号を受ける増圧レート変更手段によって、
上記走行状態に応じて自動制動時の増圧レートが変更さ
れる。これにより、自車両の減速度が、走行状態に拘ら
ず常に略一定に確保されることになる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0013】図1及び図2は本発明の一実施例に係わる
車両の自動制動装置を示し、図1は同自動制動装置の油
圧回路図であり、図2は同自動制動装置のブロック構成
図である。
【0014】図1において、1は運転者によるブレーキ
ペダル2の踏込力を増大させるマスタバック、3は該マ
スタバック1により増大された踏込力に応じたブレーキ
圧を発生するマスタシリンダであって、該マスタシリン
ダ3で発生したブレーキ圧は、最初自動制動装置の油圧
アクチュエータ部4に送給され後、アンチスキッドブレ
ーキ装置(ABS)の油圧アクチュエータ部5を通して
4車輪(図では1車輪のみ示す)の各ブレーキ装置6に
供給されるようになっている。
【0015】上記自動制動装置の油圧アクチュエータ部
4は、上記マスタシリンダ3とブレーキ装置6側との連
通を遮断するシャッターバルブ11と増圧バルブ12と
減圧バルブ13とを有しており、これら三つのバルブ1
1〜13はいずれも電磁式の2ポート2位置切換バルブ
からなる。上記増圧バルブ12とマスタシリンダ3との
間には、モータ駆動式の油ポンプ14と、該油ポンプ1
4から吐出される圧油を貯溜して一定圧に保持するため
のアキュムレータ15とが介設されている。そして、上
記シャッターバルブ11が開位置にあるときには、ブレ
ーキペダル2の踏込力に応じて各車輪のブレーキ装置6
で制動がかかる。一方、シャッターバルブ11が閉位置
にあるとき、増圧バルブ12を開位置に、減圧バルブ1
3を閉位置にそれぞれ切換えると、上記アキュムレータ
15からの圧油が各車輪のブレーキ装置6に供給されて
ブレーキ圧が増圧され、増圧バルブ12を閉位置に、減
圧バルブ13を開位置にそれぞれ切換えると、上記ブレ
ーキ装置6から圧油が戻されてブレーキ圧が減圧される
ようになっている。
【0016】また、上記ABSの油圧アクチュエータ部
5は、各車輪毎に設けられた3ポート2位置切換バルブ
21を有しており、ABS作動時には該バルブ21の切
換えにより各ブレーキ装置6に印加されるブレーキ圧を
制御して各車輪がロックしないようになっている。油圧
アクチュエータ部5の構成は詳述しないが、上記切換バ
ルブ21の他にモータ駆動式の油ポンプ22及びアキュ
ムレータ23,24等を備えている。各車輪のブレーキ
装置6は、車輪と一体的に回転するディスク26と、マ
スタシリンダ3側からブレーキ圧を受けて上記ディスク
26を挟持するキャリパ27とからなる。
【0017】一方、図2において、31は車体前部に設
けられる超音波レーダユニットであって、該超音波レー
ダユニット31は、図に詳示していないが、周知の如く
超音波を発信部から自車両の前方の車両等の障害物に向
けて発信するとともに、上記前方障害物に当たって反射
してくる反射波を受信部で受信する構成になっており、
このレーダユニット31からの信号を受ける演算部32
は、レーダ受信波の発信時点からの遅れ時間によって自
車両と前方障害物との間の距離及び相対速度を演算する
ようになっている。33及び34は車体前部の左右に各
々設けられる一対のレーダヘッドユニットであって、該
各レーダヘッドユニット33,34は、パルスレーザ光
を発信部から自車両の前方の障害物に向けて送信すると
ともに、上記前方障害物に当たって反射してくる反射光
を受信部で受信する構成になっており、上記演算部32
は、これらのレーダヘッドユニット33,34からの信
号を信号処理部35を通して受け、レーザ受信光の発信
時点からの遅れ時間によって自車両と前方障害物との間
の距離及び相対速度を演算するようになっている。そし
て、演算部32は、上記レーダヘッドユニット33,3
4の系統による距離及び相対速度の演算結果を優先し、
超音波レーダユニット31の系統による距離及び相対速
度の演算結果を補助的に用いるようになっており、ま
た、これらにより、自車両と前方障害物との間の距離及
び相対速度を検出する距離・相対速度検出手段36が構
成されている。
【0018】上記両レーダヘッドユニット33,34に
よるパルスレーザ光の送受信方向は、モータ37により
水平方向に変更可能に設けられており、上記モータ37
の作動は演算部32により制御される。38は上記モー
タ37の回転角からパルスレーザ光の送受信方向を検出
する角度センサであって、該角度センサ38の検出信号
は上記演算部32に入力され、該演算部32におけるレ
ーダヘッドユニット33,34の系統による距離及び相
対速度の演算にパルスレーザ光の送受信方向が加味され
るようになっている。
【0019】また、41は舵角を検出する舵角センサ、
42は自車速を検出する車速センサ、43は車両の前後
加速度(前後G)を検出する前後Gセンサ、44は走行
路面の摩擦係数(μ)を検出する路面μセンサであり、
これら各種センサ41〜44の検出信号並びに上記演算
部32で求められた自車両と前方障害物との間の距離及
び相対速度の信号は、いずれも接触可能性判断部45に
入力される。該接触可能性判断部45は、上記自車両と
前方障害物との間の距離及び相対速度に基づいて自車両
と前方障害物との接触の可能性を判断するようになって
おり、この判断部45で接触の可能性があると判断され
たときには、該判断部45から信号が自動制動装置の油
圧アクチュエータ部4の作動を制御する制御部50に対
し出力されて、接触を回避するように各車輪でブレーキ
が自動的にかかるようになっている。46は車室内のイ
ンストルメントパネルに設けられる警報表示ユニットで
あって、該警報表示ユニット46には、上記接触可能性
判断部45から各々信号を受ける警報ブザー47及び距
離表示部48が設けられている。
【0020】上記接触可能性判断部45は、先ず、予め
記憶されている、図3に示すようなしきい値マップを用
いて、前方障害物との接触を回避するために急制動(フ
ル制動ともいう)をかけなければならない距離のしきい
値L0 を算出する。次に、上記しきい値L0 に各々所定
距離を加算して、急制動の前に緩制動をかける距離及び
上記警報ブザー47により警報を発する距離を算出す
る。ここで、急制動またはフル制動とは、最大減速度
(約0.8G)でブレーキをかけることをいい、緩制動
とは、最大減速度よりも低い減速度(約0.3〜0.4
G)で一定にブレーキをかけることをいう。また、緩制
動をかける距離は、急制動をかける距離よりも数倍長く
設定されており、警報を発する距離は、この緩制動をか
ける距離よりも長く設定されている。
【0021】図3に示すしきい値マップにおいて、しき
い値線Aは、前方障害物としての前方車両がそれよりも
更に前方の障害物と接触して停車したときこの車両との
接触を回避するために必要な車間距離を示するものであ
り、相対速度V1 の大きさに拘らず常に、前方障害物が
停止物であるとき(つまり相対速度V1 が自車速v0と
同一のとき)と同じ値(数値式v0 2 /2μg)をと
る。しきい値線Bは前方車両がフル制動をかけたときこ
の車両との接触を回避するために必要な車間距離(数値
式V1 ・(2v0 −V1 )/2μg)を示し、しきい値
線Cは前方車両が減速度μ/2gの緩制動をかけたとき
この車両との接触を回避するために必要な車間距離を示
し、しきい値線Dは前方車両が一定車速を保ったときこ
の車両との接触を回避するために必要な車間距離(数値
式V1 2 /2μg)を示す。さらに、しきい値線Eは、
自車両が自動制動をかけても前方車両との接触を回避で
きないが、接触時の衝撃力を緩和できる車間距離を示
す。尚、しきい値線を横軸線上にとるとき(つまりしき
い値L0 を常に零とするとき)は、自動制動はかから
ず、これをキャンセルしたことになる。
【0022】そして、上記接触可能性判断部45は、上
記5種類のしきい値線A〜Eの中から、車両の運転状態
に応じて一つのしきい値線を選択し、このしきい値線に
おいて、自車両と前方障害物(前方車両)との相対速度
V1 に対応するしきい値L0を算出する。例えば、自車
速v0 が高車速のときにはしきい値線Bを、自車速v0
が中車速のときにはしきい値Dを、自車速v0 が低車速
のときにはしきい値線Eをそれぞれ選択することによ
り、車速が高い程接触の可能性のしきい値L0 を大きい
値に変更する。
【0023】自車両と前方障害物との間の距離が警報を
発する距離になったときには、上記接触可能性判断部4
5から作動指令信号が警報ブザー47に出力されて警報
音が鳴る。また、自車両と前方障害物との間の距離が更
に近付いて緩制動または急制動をかける距離になったと
きには、接触可能性判断部45から減速指令信号が制御
部50に出力され、該制御部50の制御の下に自動制動
装置の油圧アクチュエータ部4が作動して緩制動または
急制動がかかるようになっている。
【0024】上記制御部50は、図4に示すように、上
記接触可能性判断部45で設定された目標の減速度Gr
の信号と自車両の実際の減速度Ga を検出する減速度セ
ンサ51からの検出信号とを受け、自車両の実際の減速
度Ga と目標の減速度Gr との差eを算出する比較回路
52と、該比較回路52で算出された自車両の実際の減
速度Ga と目標の減速度Gr との差eが所定幅の不感帯
領域内にあるときブレーキ圧の増減調圧を規制する不感
帯領域設定手段53と、ブレーキ圧の増減圧時における
デューティー比(制動周期Tに対する増圧バルブ12又
は減圧バルブ13のON状態の時間Tonの比Ton/T)
を設定するデューティー比設定手段54と、上記不感帯
領域設定手段53及びデューティー比設定手段54から
の信号を受け、自車両の実際の減速度Ga と目標の減速
度Gr との差eが上記不感帯領域外のとき、設定手段5
4で設定されたデューティー比でもって自動制動装置の
油圧アクチュエータ部4における増圧バルブ12及び減
圧バルブ13の開閉切換えを指令する作動指令部55と
を備え、自車両の実際の減速度Ga が目標の減速度Gr
になるようフィードバック制御する構成になっている。
【0025】また、上記制御部50は、上記路面μセン
サ44からの信号を受ける補正手段56を備えており、
該補正手段56は、走行路面の摩擦係数μが低いとき上
記デューティー比設定手段54に対し、そのデューティ
ー比を小さい値に変更するよう補正指令を発するように
なっている。よって、本実施例では、路面μセンサ44
が自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段として
の機能を有し、また、デューティー比設定手段54と補
正手段56とにより、路面の摩擦係数が低い程デューテ
ィー比を小さくして増圧レートを低くする増圧レート変
更手段57が構成されている。
【0026】図5は上記制御部50によるフィードバッ
ク制御のフローチャートを示す。このフローチャートに
おいては、スタートした後、先ず始めに、ステップS1
で目標の減速度Gr 及び自車両の実際の減速度Ga を取
り込んだ後、ステップS2 で上記目標の減速度Gr と自
車両の実際の減速度Ga との差eを算出する。
【0027】続いて、ステップS3 で上記差eが正の値
であるか否か、つまり目標の減速度Gr が自車両の実際
の減速度Ga よりも大きいか否かを判定する。この判定
がYESのときには、ステップS4 で上記差eの絶対値
が不感帯領域の幅δよりも大きいか否か、つまり実際の
減速度Ga が不感帯領域外にあるか否かを判定する。
【0028】上記ステップS4 の判定がYESの不感帯
領域外のときには、ステップS5 で更に路面μセンサ4
4で検出された走行路面の摩擦係数μが0.3以上であ
るか否かを判定する。この判定がYESの路面摩擦係数
μが高いときには、ステップS6 で比較的大きいデュー
ティー比D1 でブレーキ圧を増圧した後、リターンする
一方、判定がNOの路面摩擦係数μが低いときには、ス
テップS7 で比較的小さいデューティー比D2 (<D1
)でブレーキ圧を増圧した後、リターンする。
【0029】一方、上記ステップS4 の判定がNOのと
き、つまり自車両の実際の減速度Ga が不感帯領域内に
あるときには、ステップS8 でブレーキ圧を増減するこ
となくそのまま一定に保持し、リターンする。
【0030】また、上記ステップS3 がNOのとき、つ
まり自車両の実際の減速度Ga が目標の減速度Gr より
も大きいときには、ステップS9 で目標の減速度Gr と
自車両の実際の減速度Ga との差eの絶対値が不感帯領
域の幅δよりも大きいか否か、つまり自車両の実際の減
速度Ga が不感帯領域外にあるか否かを判定する。この
判定がYESの不感帯領域外のときには、ステップS10
で所定のデューティー比(例えばD1 )でブレーキ圧を
減圧した後、リターンする一方、判定がNOの不感帯領
域内のときにはステップS8 へ移行してブレーキ圧を保
持する。
【0031】したがって、このようなフローチャートに
従うフィードバック制御によれば、自車両の実際の減速
度Ga が零から目標の減速度Gr に向って増加する自動
制動時の初期段階では、その際の走行路面の摩擦係数μ
が高いとき、各車輪のブレーキ圧は、比較的大きいデュ
ーティー比D1 で増圧され、図6中の曲線Aに示す如く
短時間で目標のブレーキ圧Pr に達する。このため、急
制動時での制動距離を可及的に短くすることができ、接
触回避を図る上で有利なものとなる。
【0032】一方、走行路面の摩擦係数μが低いとき、
各車輪のブレーキ圧は、比較的小さいデューティー比D
2 で増圧され、図6中の曲線Bに示す如く緩やかに目標
のブレーキ圧Pr に達する。このため、車輪のスリップ
の発生を防止しながら自動制動を作動させることがで
き、走行安定性の確保を図ることができる。
【0033】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、その他種々の変形例を包含するものである。
例えば、上記実施例では、走行路面の摩擦係数μの大き
さに応じて自動制動時の増圧レートを変更するようにし
たが、本発明は、この走行路面の摩擦係数μの代りに、
又は走行路面の摩擦係数μと共に、舵角センサ41によ
り検出されるステアリング舵角及び車速センサ42によ
り検出される自車両の車体速に応じて自動制動時の増圧
レートを変更するようにしてもよい。この場合、ステア
リング舵角が大きい程増圧レートを低くすれば車両の走
行安定性を確保することができる。また、低車速時には
ブレーキがかかり易いことから増圧レートを低くすれば
制動ショックを低減することができる。上記舵角センサ
41及び車速センサ42は、路面μセンサ44と同様に
走行状態検出手段としての機能を有する。
【0034】また、上記実施例では、デューティー比を
変更可能に設けて自動制動時の増圧レートを変更するよ
うに構成したが、本発明は、その他の構成により自動制
動時の増圧レートを変更するようにしてもよい。図7は
その一例として自動制動装置の油圧アクチュエータ部の
変形例を示す。この変形例では、油ポンプ14から吐出
される圧油を一定圧に保持貯溜するするアキュムレータ
15と各車輪のブレーキ装置との間に、オリフィス径の
小さい増圧バルブ61とオリフィス径の大きいバルブ6
2とが並列に設けられている。そして、上記増圧バルブ
61が開き、上記増圧バルブ62が閉じたときには、図
8中の直線Aに示す如く増圧レートが低くなる。上記増
圧バルブ61が閉じ、上記増圧バルブ62が開いたとき
には、図8中の直線Bに示す如く増圧レートが中程度に
なる。更に、上記両増圧バルブ61,62が共に開いた
ときには、図8中の直線Cに示す如く増圧レートが高く
なる。
【0035】
【発明の効果】以上の如く、本発明における車両の自動
制動装置によれば、自車両の走行状態に応じて、自動制
動時の増圧レートが変更されることにより、自車両の減
速度を走行状態に拘らず常に略一定にすることができ、
適切な制動を確保することができる。
【0036】特に、請求項2記載の発明によれば、走行
路面の摩擦係数が低い程つまり車輪がスリップし易い路
面程、増圧レートが低くなるので、スリップの発生を防
止することができ、走行安定性の向上を図ることができ
る。
【0037】また、請求項3記載の発明によれば、ステ
アリング舵角が大きい程増圧レートが低くなるので、操
舵の影響によるスリップの発生を防止することができ、
走行安定性の向上を図ることができる。
【0038】さらに、請求項4記載の発明では、自車両
の車体速が低い程増圧レートが低くなるので、ブレーキ
が利き易い低車速時にも減速度が過大となって制動ショ
ックが発生するのを防止することができ、乗心地の向上
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる車両の自動制動装置の
油圧回路図である。
【図2】同じく自動制動装置のブロック構成図である。
【図3】接触回避のしきい値を算出するためのマップを
示す図である。
【図4】制御部のブロック構成図である。
【図5】フィードバック制御のフローチャート図であ
る。
【図6】自動制動時のブレーキ圧の変化状態を示す図で
ある。
【図7】本発明の変形例に係わる自動制動装置の油圧ア
クチュエータ部の油圧回路図である。
【図8】同変形例の図6相当図である。
【符号の説明】
36 距離・相対速度検出手段 41 舵角センサ(走行状態検出手段) 42 車速センサ(走行状態検出手段) 44 路面μセンサ(走行状態検出手段) 45 接触可能性判断部 50 制御部 57 増圧レート変更手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 疋田 尚之 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の条件で各車輪のブレーキを自動的
    にかけるように構成された車両の自動制動装置におい
    て、 自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、 該検出手段からの信号を受け、自車両の走行状態に応じ
    て自動制動時の増圧レートを変更する増圧レート変更手
    段とを備えたことを特徴とする車両の自動制動装置。
  2. 【請求項2】 上記走行状態検出手段は、自車両が走行
    する路面の摩擦係数を検出するものであり、上記増圧レ
    ート変更手段は、路面の摩擦係数が低い程増圧レートを
    低くするようになっている請求項1記載の車両の自動制
    動装置。
  3. 【請求項3】 上記走行状態検出手段は、ステアリング
    舵角を検出するものであり、上記増圧レート変更手段
    は、ステアリング舵角が大きい程増圧レートを低くする
    ようになっている請求項1記載の車両の自動制動装置。
  4. 【請求項4】 上記走行状態検出手段は、自車両の車体
    速を検出するものであり、上記増圧レート変更手段は、
    自車両の車体速が低い程増圧レートを低くするようにな
    っている請求項1記載の車両の自動制動装置。
JP4116334A 1992-05-08 1992-05-08 車両の自動制動装置 Pending JPH05310110A (ja)

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