JP6299087B2 - ステアリング制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のハンドル操作をアシストするアシストトルクを発生させるステアリング制御装置に関する。
従来、制御対象の測定値を目標値に一致させるように指令信号を出力する、PIまたはPID(P:比例、I:積分、D:微分)制御装置が知られている。積分演算を行うこの種の制御装置では、制御対象を保護するため、指令信号について上下限の制限を行う出力制限部を設ける構成が採用されている。これにより、指令信号が出力制限部の制限値を越えると、出力制限部から制限対象へ出力される指令信号は、制御値で飽和した状態となり、制御対象への過大な指令信号の出力が抑制される。
ただし、上述の制御装置では、積分要素(I)が積分した積分結果に対して出力制限部による制限をかける構成であると、積分結果が制限値以下になるまで指令信号が飽和状態を維持するという現象が生じ、応答特性が悪化することがある。そこで、このようなリセットワインドアップと呼ばれる現象を抑制するために、制御装置では種々の対策が行われている。
例えば、特許文献1に示されるステアリング制御装置は、モータにより発生するアシストトルクによってハンドル操舵時の操舵感を調整する装置(従来装置という)である。この従来装置に用いられるアシストコントローラは、操舵トルクを目標操舵トルクに一致させるようにモータを制御する指令信号(アシストトルク指令)を出力するように構成されている。
このアシストコントローラは、リセットワインドアップを抑制するために、目標操舵トルクと操舵トルクとのトルク偏差を無くすように演算を行う、少なくとも微分要素(D)を含む制御器と、該制御器の前段に設けられた、積分要素(I)である出力制限付き積分器とを備える。
特開2013−52793号公報
しかしながら、上記アシストコントローラでは、システムの安定性を確保するために、予め定めた周波数までは、微分要素(D)によって徐々にゲインが増加するよう設定され、これより高周波については、ゲインがほぼそのまま維持されるように設定されている。
このため、前段の出力制限付積分器からの出力が出力制限値に変化するときに生じる高周波成分が後段の制御器にて増幅され、アシストトルク指令信号に急峻な変化が生じ、これにより振動的なアシストトルクが発生するという問題があった。また、この振動的なアシストトルクがドライバの手元に伝わると、ドライバによる車両のハンドル操作時に違和感が生じるという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、車両のハンドル操作時にドライバが感じる違和感を抑制するステアリング制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされたステアリング制御装置は操舵部材に連結された操舵軸で検出される操舵トルクに応じたアシストトルクをモータにより出力することで操舵特性を制御する制御装置である。ステアリング制御装置にて、トルク偏差生成手段は、操舵トルクの目標値である目標操舵トルクと操舵トルクとの差をトルク偏差として生成する。 指令値生成手段は、トルク偏差に応じてモータを制御するためのアシストトルク指令値を生成する。指令値生成手段は、比例演算と積分演算と微分演算とに基づいて、トルク偏差を零にするようアシストトルク指令値を生成する。指令値生成手段において積分演算を行う積分手段(242)は、予め定められた値を超えないように入力された値を制限して出力する出力制限手段(302)を有し、積分手段への入力値と積分演算の前回の結果を表す前回出力値とを用いて積分演算を行った結果が出力制限手段によって制限された値である制限積分値、を出力するとともに、制限積分値を次回の積分演算における前回出力値として用いるように構成されている。
このように構成されたステアリング制御装置によると、積分演算の際に用いる積分手段の前回出力値として出力制限された出力値(積分上限値)を使用するため、アシストトルク指令値に急峻な変化が生じることを抑制することができる。その結果、車両のハンドル操作時にドライバが感じる違和感(振動的なアシストトルク)を抑制することができる。
電動パワーステアリングシステムの概略構成を示す構成図である。 ECUの制御機構の概略を示す構成図である。 ベースアシスト部の構成を示す構成図である。 アシストコントローラの構成を示す構成図である。 アシストコントローラの周波数特性を示すグラフであり、(a)はゲイン特性を示すグラフであり、(b)は位相特性を示すグラフである。 離散化した出力制限器付積分器について、構成を示す構成図である。 (a)は入力波形を示すグラフであり、(b)はアシストコントローラ24、24a、24bからの出力波形を示すグラフである。 (a)は、出力制限器を最後段に備えるアシストコントローラの構成を示す構成図であり、(b)はコントローラの前段に出力制限付積分器を備えるアシストコントローラの構成を示す構成図である。 離散化した出力制限付積分器について、別の構成を示す構成図である。
以下に本発明の一実施形態を図面と共に説明する。
<全体構成>
本実施形態の電動パワーステアリングシステム1は、図1に示すように、ドライバによるハンドル(操舵部材)2の操作をモータ6によってアシストするものである。ハンドル2は、ステアリングシャフト3の一端に固定され、ステアリングシャフト3の他端にはトルクセンサ4が接続されており、このトルクセンサ4の他端には、インターミディエイトシャフト5が接続されている。なお、以下の説明では、ステアリングシャフト3からトルクセンサ4を経てインターミディエイトシャフト5に至る軸体全体を、まとめて操舵軸ともいう。また、以下では、操舵軸の回転角を舵角、操舵軸の回転角速度を操舵速度、操舵軸の回転角加速度を操舵加速度ともいう。
トルクセンサ4は、操舵トルクTsを検出するためのセンサである。具体的には、ステアリングシャフト3とインターミディエイトシャフト5とを連結するトーションバーを有し、このトーションバーのねじれ角に基づいてそのトーションバーに加えられているトルクを検出する。
モータ6は、ハンドル2の操舵力をアシスト(補助)するものであり、減速機構6aを介してその回転がインターミディエイトシャフト5に伝達される。すなわち、減速機構6aは、モータ6の回転軸の先端に設けられたウォームギアと、このウォームギアと噛み合った状態でインターミディエイトシャフト5に同軸状に設けられたウォームホイールとにより構成されており、これにより、モータ6の回転がインターミディエイトシャフト5に伝達される。逆に、ハンドル2の操作や路面からの反力(路面反力)によってインターミディエイトシャフト5が回転すると、その回転が減速機構6aを介してモータ6に伝達され、モータ6も回転することになる。
また、モータ6は、本実施形態ではブラシレスモータであり、内部にレゾルバ等の回転センサを備え、モータ6の回転状態を出力可能に構成されている。本実施形態のモータ6は、回転センサからの回転状態として、少なくともモータ速度ω(回転角速度を示す情報)を出力可能に構成されている。なお、モータ速度ωの代わりに、モータ速度ωに減速機構6aのギア比を乗じることで求められる操舵速度を用いてもよい。
インターミディエイトシャフト5における、トルクセンサ4が接続された一端とは反対側の他端は、ステアリングギアボックス7に接続されている。ステアリングギアボックス7は、ラックとピニオンギアからなるギア機構にて構成されており、インターミディエイトシャフト5の他端に設けられたピニオンギアに、ラックの歯が噛み合っている。そのため、ドライバがハンドル2を回すと、インターミディエイトシャフト5が回転(すなわちピニオンギアが回転)し、これによりラックが左右に移動する。ラックの両端にはそれぞれタイロッド8が取り付けられており、ラックとともにタイロッド8が左右の往復運動を行う。これにより、タイロッド8がその先のナックルアーム9を引っ張ったり押したりすることで、操舵輪である各タイヤ10の向きが変わる。
また、車両における所定の部位には、車速Vを検出するための車速センサ11が設けられている。
このような構成により、ドライバがハンドル2を回転(操舵)させると、その回転がステアリングシャフト3、トルクセンサ4、およびインターミディエイトシャフト5を介してステアリングギアボックス7に伝達される。そして、ステアリングギアボックス7内で、インターミディエイトシャフト5の回転がタイロッド8の左右移動に変換され、タイロッド8が動くことによって、左右の両タイヤ10が操舵される。
ECU15は、図示しない車載バッテリからの電力によって動作し、トルクセンサ4にて検出された操舵トルクTs、モータ6のモータ速度ω、および車速センサ11にて検出された車速Vに基づいて、アシストトルク指令Taを演算する。そして、その演算結果に応じた駆動電圧Vdをモータ6へ印加することにより、ドライバがハンドル2を回す力(ひいては両タイヤ10を操舵する力)のアシスト量を制御するものである。
本実施形態ではモータ6がブラシレスモータであるため、ECU15からモータ6へ出力(印加)される駆動電圧Vdは、詳しくは、3相(U、V、W)の駆動電圧Vdu、Vdv、Vdwである。ECU15からモータ6へこれら各相の駆動電圧Vdu、Vdv、Vdwを印加(各相の駆動電流を通電)することで、モータ6の回転トルクが制御される。ブラシレスモータを3相の駆動電圧で駆動(例えばPWM駆動)する方法やその3相の駆動電圧を生成する駆動回路(例えば3相インバータ)についてはよく知られているため、ここではその詳細説明は省略する。
ECU15は、直接的にはモータ6へ印加する駆動電圧Vdを制御することによりモータ6を制御するものであるが、モータ6を制御することで結果としてそのモータ6により駆動される操舵系メカ100を制御するものであると言え、よってECU15の制御対象はこの操舵系メカ100であると言える。なお、操舵系メカ100は、図1に示したシステム構成図のうちECU15を除く機構全体、すなわちハンドル2から各タイヤ10に至る、ハンドル2の操舵力が伝達される機構全体を示す。
<ECU>
次に、ECU15の概略構成(制御機構)を図2のブロック図に基づいて説明する。なお、図2に示したECU15の制御機構のうち、電流フィードバック(FB)部42を除く各部、および電流FB部42の機能の一部は、実際には、ECU15が備える図示しないCPUが所定の制御プログラムを実行することによって実現されるものである。つまり、CPUによって実現される各種機能を機能ブロック毎に分けて図示したものが図2である。但し、これら各図に示した制御機構がソフトウェアにて実現されることはあくまでも一例であり、図2等に示した制御機構全体または一部を例えばロジック回路等のハードウェアにて実現するようにしてもよいことはいうまでもない。
ECU15は、図2に示すように、ベースアシスト指令(ベース指令値)Tb*を生成するベースアシスト部20と、補正トルク指令Trを生成する補正部30と、ベースアシスト指令Tb*と補正トルク指令Trを加算することによりアシストトルク指令(アシストトルク指令値)Taを生成する加算器41と、アシストトルク指令Taに基づいてモータ6へ駆動電圧Vdを印加することによりモータ6を通電駆動する電流フィードバック(FB)部42と、を備えている。
ベースアシスト部20は、路面反力(路面負荷)に応じた操舵反力の特性の実現、すなわち路面負荷に対応した反応(反力)が準定常的にドライバへ伝達されるようにすることで車両の状態や路面の状態をドライバが把握しやすくなるようにすると共に、操舵状態に応じてドライバに与える手感(ハンドルからタイヤまでの感覚的硬さ、ねばり、重さ)を調整することで操舵時の操舵感を向上させることを実現するためのブロックである。ベースアシスト部20は、操舵トルクTsと車速Vとに基づき、上述した路面負荷に応じた伝達感や操舵状態に応じた操舵感(操舵特性)が実現されるようにハンドル2の操作をアシストするための、ベースアシスト指令Tb*を生成する。
補正部30は、ドライバのハンドル操作に対する車両運動特性や操舵メカ系の伝達を、ドライバの意図(具体的には車両が適切に収斂する、又はスムーズな車両旋回を発生させる等)に沿うようにするためのブロックである。補正部30は、操舵トルクTsとモータ速度ωと車速Vとに基づき、上述した不安定な挙動を抑制(収斂)するための補正トルク指令Trを生成する。
加算器41は、ベースアシスト部20で生成されたベースアシスト指令Tb*と補正部30で生成された補正トルク指令Trとを加算することにより、アシストトルク指令Taを生成する。
電流FB部42は、アシストトルク指令Taに基づき、そのアシストトルク指令Taに対応したアシストトルク(アシスト操舵力)が操舵軸(特にトルクセンサ4よりもタイヤ10側)に付与されるようにモータ6へ駆動電圧Vdを印加する。具体的には、アシストトルク指令Taに基づいて、モータ6の各相へ通電すべき目標電流(相毎の目標電流)を設定する。そして、各相の通電電流Imを検出・フィードバックして、その検出値(各相の通電電流Im)がそれぞれ目標電流と一致するように駆動電圧Vdを制御(通電電流を制御)することで、操舵軸に対して所望のアシスト操舵力を発生させる。
なお、このような補正部30および電流FB部42は公知の技術(例えば、特開2013−52793号公報参照)であるため、ここでは説明を省略し、以下では、本発明の主要部に関わるベースアシスト部20について詳述する。
<ベースアシスト部>
ベースアシスト部20は、図3に示すように、負荷推定器21と、目標生成部22と、偏差演算器23と、アシストコントローラ24とを備えている。
負荷推定器21は、ベースアシスト指令Tb*と操舵トルクTsとに基づいて路面負荷を推定する。具体的には、負荷推定器21は、ベースアシスト指令Tb*と操舵トルクTsとを加算する加算器211と、その加算結果から所定の周波数以下の帯域の成分を抽出するローパスフィルタ(LPF)212とを備え、このLPF212により抽出された周波数成分を推定負荷Txとして出力する。通常、ドライバは、主に10Hz以下の操舵反力情報を頼りに運転をしているため、LPF21bは、概ね10Hz以下の周波数成分を通過(抽出)させ、10Hzより高い周波数成分は遮断するように設定されている。
目標生成部22は、負荷推定器21にて推定された路面反力(推定負荷Tx)に応じてドライバがハンドル操作を重いまたは軽いと感じることができるようにするための、或いは路面反力の上昇に対するドライバの操舵反力(或いは操舵トルク)の上昇度合い(勾配)を実現するための、操舵トルクTsの目標値である目標操舵トルクTs*を生成する。本実施形態の目標生成部22は、実際には、推定負荷Txおよび車速Vに対応する目標操舵トルクTs*がマップ化されており、そのマップをもとに目標操舵トルクTs*を生成する。
偏差演算器23は、操舵トルクTsと目標操舵トルクTs*との差であるトルク偏差を演算する。
アシストコントローラ24は、いわゆるPID制御を行うように構成されており、トルク偏差(操舵トルクTsと目標操舵トルクTs*との差)に基づき該トルク偏差が0になるように、すなわち操舵トルクTsが目標操舵トルクTs*に追従するように制御することで、路面負荷に応じた伝達感や操舵状態に応じた操舵感を実現するアシストトルク(アシスト量とも言う)を発生させるためのベースアシスト指令Tb*を生成する。
具体的には、アシストコントローラ24は、図4に示すように、コントローラ(制御器)241と出力制限付積分器242とを備える。アシストコントローラ24の周波数特性を図5(a)、(b)に実線で示す。ゲイン特性は、低周波(概ね1Hz以下)でハイゲイン(10倍以上)であり、操舵系メカ100の安定性を確保するために1Hzを超えたあたりから徐々にゲインを落とすとともに、10Hzから200Hz程度までは、微分要素を持たせることで徐々にゲインが増加するよう設定されている。このようなアシストコントローラ24の特性は、コントローラ241及び出力制限付積分器242の周波数特性を合成した特性として設定される。
コントローラ241は、微分要素(D)及び比例要素(P)を含むように構成されており、目標操舵トルクTs*と操舵トルクTsとのトルク偏差を入力とし、演算結果である演算トルク指令Tcを出力制限付積分器242に出力する。
コントローラ241の周波数特性を図5の点線に示す。ゲイン特性は、概ね10Hz以下の領域では0dBに設定され、10Hzから200Hz程度までは徐々に増加し、これより高周波では、そのままゲインを維持する特性に設定されている。
出力制限付積分器242は、ゲインK243と積分器244との直列接続からなり、その積分出力の絶対値に上限がかけられる構成となっている。具体的には、出力制限付積分器242は、自身の積分出力の絶対値が、コントローラ241から入力された演算トルク指令Tcの絶対値の所定倍(積分上限値という)を超えないように制限する、いわゆるリミッタとしての機能を備える。出力制限付積分器242の周波数特性を図5に一点鎖線で示す。ゲイン特性は、周波数の増加に伴い一定割合で減少する特性(K/s)を示す。
<出力制限付積分器>
図5に示す特性を有するアシストコントローラ24をマイクロコンピュータによるデジタル信号処理で実現するためには、各構成要素の伝達関数を離散化する必要がある。離散化法はどのようなものを用いても良いが、本実施形態では、双一次変換を用いることにより離散化を行う。
ここで、図4に示す出力制限付積分器242に、双一次変換s=2/T・(1−z−1)/(1+z−1)=2/T・(z−1)/(z+1)を代入し、離散化したブロック図を図6に示す。Tはサンプリング時間であり、図6にて、301は1遅延素子、302は出力制限器を示す。
つまり、本実施形態では、出力制限付積分器242は、積分演算の際に用いる前回出力値として、出力制限器302から出力された積分上限値を用いるように構成されている。
<効果>
以上説明したように、本実施形態の電動パワーステアリング装置1では、アシストコントローラ24が、その最後段に、積分出力の絶対値に上限を持たせた出力制限付積分器を備える。この出力制限付積分器は、前回出力値として出力制限器を通過した後の出力値を用いて積分演算を行うように構成されている。これにより、積分演算におけるリセットワインドアップを抑制することができる。
つまり、アシストコントローラ24では、操舵の切り返しによって積分値が必要以上に蓄積されることが抑制されるため、電動パワーステアリング装置1では、操舵の切り返し時においてそれまでの操舵方向へのアシストが必要以上に継続されることなく減少していき、積分値の蓄積による切り返し方向への操舵阻害を抑制することができる。結果として、電動パワーステアリング装置1では、車両のハンドル操作時にドライバが感じる違和感を抑制することができる。
図7は、本実施形態のアシストコントローラ24に、振幅1Nm、周波数1Hzの正弦波(同図(a)参照)を入力したときの出力波形(同図(b)実線 参照)を示すグラフである。但し、図中に一点鎖線及び点線で示す波形は、比較のため、アシストコントローラ24を本実施形態の構成とは異なる図8(a)及び(b)に示す構成としたときの出力波形である。
ここで、図8(a)に示すアシストコントローラ24aは、本実施形態のアシストコントローラ24を、出力制限器247とそれ以外のコントローラ部246とに分け、出力制限器247を最後段に備える構成としたものである。アシストコントローラ24aでは、図7に一点鎖線で示すように、入力信号が反転しても出力信号がこれに即応答できないという、応答性の悪化(リセットワインドアップ)が生じている。これに対し、本実施形態のアシストコントローラ24は、図7の実線に示すように、入力信号の変化に即対応した信号を出力できることがわかる。
一方、図8(b)に示すアシストコントローラ24bは、本実施形態のアシストコントローラ24と同様の構成要素を備えるが、コントローラ241の前段に出力制限付積分器242が設けられている点が本実施形態とは異なる(これは、特許文献1の図12(c)に示されている構成と同様である)。この場合、図7(点線)に示すように、アシストコントローラ24bから入力信号の変化に対応した信号が出力されるが、この出力信号において、積分上限値付近では急峻な変化が生じている。
最後段に設けたコントローラ241は、上述のように、システムの安定性確保のため比較的高い周波数帯域まで応答するように構成されている。また、出力制限付積分器242は、積分値が積分上限値に制限されたとき(変化したとき)に、その制限を受けたことにより、積分器の出力値に急な変動が生じる(高周波成分が発生する)。このため、コントローラ241に、出力制限された信号が入力されると、高周波成分が増幅され、これが出力信号に急峻な変化を生じさせるのである。これに対し、本実施形態のアシストコントローラ24では、図7の実線に示すように、出力信号における急峻な変化が抑制されていることがわかる。
なお、本実施形態のアシストコントローラ24は、出力制限付積分器242を図6に示すように構成することで上述の作用及び効果が得られるものである。出力制限付積分器を、例えば図9に示す出力制限付積分器292のように、最後段に出力制限器302を設ける構成とした場合は、積分演算にて出力制限される前の値を前回出力値として使用するため、図8(a)に示すアシストコントローラ24aと同様となる。
<請求項との対応>
ECU15がステアリング制御装置に相当し、偏差演算器23がトルク偏差生成手段に相当し、アシストコントローラ24が指令値生成手段に相当し、出力制限付積分器242が積分手段に相当し、出力制限器302が出力制限手段に相当する。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲にて様々な態様で実施することが可能である。例えば、一つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を一つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。
上記実施形態では、出力制限付積分器242の出力の絶対値の上限値(積分上限値)を操舵トルクTsの絶対値の所定倍に設定していたが、積分上限値の設定はこれに限るものではない。積分上限値をどのように設定するかは適宜きめることができ、操舵トルクTs以外に、例えばハンドルの回転角、モータ6の回転角、又はベースアシスト指令Tb*などの状態量に基づき、その状態量が大きくなるほど積分上限値も大きくなるように設定するとよい。
上記実施形態に記載の出力制限付積分器242を、出力制限器302前後の信号の差分が予め定められたある値以上になった場合に、積分器が前回値を保持する(積分が無効になる)ように構成してもよい。
上記実施系形態では、ベースアシスト部20は、操舵トルクTsと車速Vとに基づき、ベースアシスト指令Tb*を生成するように構成されていたが、これに限るものではない。ベースアシスト部20は、例えば操舵トルクTsのみに基づき、または操舵トルクTsとモータ速度ωと車速Vとに基づき、ベースアシスト指令Tb*を生成するように構成されていてもよい。
上記実施形態では、ベースアシスト部20で生成されたベースアシスト指令Tb*に補正部30で生成された補正トルク指令Trを加えたものを電流FB部42に供給するアシストトルク指令Taとしているが、補正部30を省略し、ベースアシスト指令Tb*をそのままアシストトルク指令Taとするように構成してもよい。
上記実施形態では、負荷推定器21において、ベースアシスト指令Tb*と操舵トルクTsとから推定負荷Txを生成しているが、ベースアシスト指令Tb*の代わりに電流FB部42で検出される通電電流Imを用いてもよい。
1…電動パワーステアリングシステム 2…ハンドル 3…ステアリングシャフト 4…トルクセンサ 5…インターミディエイトシャフト 6…モータ 6a…減速機構 7…ステアリングギアボックス 8…タイロッド 9…ナックルアーム 10…タイヤ 11…車速センサ 15…ECU 20…ベースアシスト部 21…負荷推定器 21a,41…加算器 21b…LPF 22…目標生成部 23…偏差演算器 24…コントローラ部 30…補正部 42…電流フィードバック部 100…操舵系メカ 242…出力制限付積分器 302…出力制限器

Claims (4)

  1. 運転者によって入力されるトルクである操舵トルクと目標操舵トルクとの差をトルク偏差として生成するトルク偏差生成手段(23)と、
    前記トルク偏差を入力として、比例演算と積分演算と微分演算とに基づいて、前記トルク偏差を零とするようなアシストトルクをモータで発生させるためのベースアシスト指令値を生成する指令値生成手段(24)と、
    少なくとも前記ベースアシスト指令値に基づいて前記モータの出力を制御する制御手段と、
    を備え、
    記積分演算を行う積分手段(242)は、
    予め定められた値を超えないように入力された値を制限して出力する出力制限手段(302)を有し、
    前記積分手段への入力値と前記積分演算の前回の結果を表す前回出力値とを用いて前記積分演算を行った結果が前記出力制限手段によって制限された値である制限積分値、を出力するとともに、前記制限積分値を次回の前記積分演算における前記前回出力値として用いるように構成され、
    前記指令値生成手段において、少なくとも前記微分演算を行う手段よりも後段に設けられ、
    生成された前記ベースアシスト指令値は前記目標操舵トルクの生成に用いられる
    ステアリング制御装置。
  2. 前記積分手段は、前記指令値生成手段の中で最後段に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
  3. 前記積分手段は、前記制限積分値の絶対値が予め定められた積分上限値以下に制限されるように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項に記載のステアリング制御装置。
  4. 前記積分上限値は、少なくとも、前記操舵トルク、前記操舵部材の回転角、前記モータの回転角、及び前記ベースアシスト指令値のうちのいずれかに基づき設定されることを特徴とする請求項に記載のステアリング制御装置。
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