JP6252059B2 - ステアリング制御装置 - Google Patents

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本発明は、アシストトルクによって操舵時の操舵感を調整するステアリング制御装置に関する。
従来、車両のハンドル操作(操舵)に応じたアシストトルクをモータによって発生させる電動パワーステアリングシステムの一つとして、目標操舵トルクと実際の操舵トルクのトルク偏差に基づいてモータを制御するものが知られている。この種のシステムとして、操舵トルクを目標操舵トルクに一致させるように、つまりトルク偏差を無くすように、いわゆるPI制御又はPID制御を行う制御器を備える電動パワーステアリングシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
特許第4232471号公報
しかしながら、上記従来装置では、制御器の制御目標(目標操舵トルク)の特性、及び該制御目標を実現する上で要求される応答性や制御器の制約については、特に考慮されていない。このため、制御器の設定特性によっては、観測値である操舵トルクを適切に制御できないおそれがある。
本発明は、上記問題点を解決するために、制御目標に対して適切に制御するステアリング制御装置を提供することを目的とする。
本発明のステアリング制御装置は、負荷推定手段と、目標生成手段と、指令値生成手段とを備える。負荷推定手段は、操舵トルクに基づき、路面からの操舵輪に加えられる路面負荷の推定値である推定負荷を求める。目標生成手段は、推定負荷を用いて操舵トルクの目標値である目標操舵トルクを生成する。指令値生成手段は、操舵トルクを目標操舵トルクに一致させるように、モータを制御するための指令値を生成する。
ここで特に、指令値生成手段は、ドライバの操舵に対する応答と路面情報の伝達とに必要な周波数帯を第1の制御周波数帯とし、モータのトルク応答周波数帯を第2の制御周波数帯として、目標操舵トルクに対する操舵トルクの応答周波数が、第1の制御周波数帯の最大周波数と第2の制御周波数帯の最大周波数との間にあるように構成されている。ここでいう応答とは、目標操舵トルクに対する操舵トルクの応答特性(ゲイン特性)が−3dBとなる周波数をいう。なお、路面情報とは、走行路面の粗さや路面摩擦係数の変化、操舵したときの操舵輪の動いた感触などをいう。
このような構成によれば、路面負荷及び路面情報のうち少なくとも一方を反映した信号(目標操舵トルク)を制御目標とする場合、指令値生成手段によって観測値である操舵トルクを適切に制御することができる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
また、本発明は、前述したステアリング制御装置の他、ステアリング制御装置を構成要素とする各種システム、ステアリング制御装置を構成する各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム、ステアリング制御方法など、種々の形態で実現することができる。
電動パワーステアリングシステムの概略構成を表す構成図である。 ECUの制御機構の概略構成を表す構成図である。 第1実施形態におけるベースアシスト部の構成を表す構成図である。 目標操舵トルクから操舵トルクまでの伝達特性の一例を示すグラフである。 第2実施形態におけるベースアシスト部の構成を表す構成図である。 第1目標生成部において、推定負荷から目標操舵トルクを生成する際に使用する変換マップの特性を表すグラフである。 第2目標生成部の構成を表す構成図である。 BPFの周波数特性を表すグラフである。 車速感応ゲイン部において、車速から車速感応ゲインを生成する際に使用する変換マップの特性の一例を表すグラフである。 路面入力から操舵トルクまでの周波数特性を表すグラフである。 アシストコントローラの追従特性を変更した比較装置について、路面入力から操舵トルクまでの周波数特性を表すグラフである。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
<全体構成>
本実施形態の電動パワーステアリングシステム1は、図1に示すように、ドライバによるハンドル(操舵部材)2の操作をモータ6によってアシストするものである。ハンドル2は、ステアリングシャフト3の一端に固定され、ステアリングシャフト3の他端にはトルクセンサ4が接続されており、このトルクセンサ4の他端には、インターミディエイトシャフト5が接続されている。なお、以下の説明では、ステアリングシャフト3からトルクセンサ4を経てインターミディエイトシャフト5に至る軸体全体を、まとめて操舵軸ともいう。また、以下では、操舵軸の回転角を舵角、操舵軸の回転角速度を操舵速度ともいう。
トルクセンサ4は、操舵トルクTsを検出するためのセンサである。具体的には、ステアリングシャフト3とインターミディエイトシャフト5とを連結するトーションバーを有し、このトーションバーのねじれ角に基づいてそのトーションバーに加えられているトルクを検出する。
モータ6は、ハンドル2の操舵力をアシスト(補助)するものであり、減速機構6aを介してその回転がインターミディエイトシャフト5に伝達される。すなわち、減速機構6aは、モータ6の回転軸の先端に設けられたウォームギアと、このウォームギアと噛み合った状態でインターミディエイトシャフト5に同軸状に設けられたウォームホイールとにより構成されており、これにより、モータ6の回転がインターミディエイトシャフト5に伝達される。逆に、ハンドル2の操作や路面からの反力(路面反力)によってインターミディエイトシャフト5が回転すると、その回転が減速機構6aを介してモータ6に伝達され、モータ6も回転することになる。
また、モータ6は、本実施形態ではブラシレスモータであり、内部にレゾルバ等の回転センサを備え、モータ6の回転状態を出力可能に構成されている。本実施形態のモータ6は、回転センサからの回転状態として、少なくともモータ速度ω(回転角速度を示す情報)を出力可能に構成されている。なお、モータ速度ωの代わりに、モータ速度ωに減速機構6aのギア比を乗じることで求められる操舵速度を用いてもよい。
インターミディエイトシャフト5における、トルクセンサ4が接続された一端とは反対側の他端は、ステアリングギアボックス7に接続されている。ステアリングギアボックス7は、ラックとピニオンギアからなるギア機構にて構成されており、インターミディエイトシャフト5の他端に設けられたピニオンギアに、ラックの歯が噛み合っている。そのため、ドライバがハンドル2を回すと、インターミディエイトシャフト5が回転(すなわちピニオンギアが回転)し、これによりラックが左右に移動する。ラックの両端にはそれぞれタイロッド8が取り付けられており、ラックとともにタイロッド8が左右の往復運動を行う。これにより、タイロッド8がその先のナックルアーム9を引っ張ったり押したりすることで、操舵輪である各タイヤ10の向きが変わる。
また、車両における所定の部位には、車速Vを検出するための車速センサ11が設けられている。
このような構成により、ドライバがハンドル2を回転(操舵)させると、その回転がステアリングシャフト3、トルクセンサ4、およびインターミディエイトシャフト5を介してステアリングギアボックス7に伝達される。そして、ステアリングギアボックス7内で、インターミディエイトシャフト5の回転がタイロッド8の左右移動に変換され、タイロッド8が動くことによって、左右の両タイヤ(操舵輪)10が操舵される。
ECU15は、図示しない車載バッテリからの電力によって動作し、トルクセンサ4にて検出された操舵トルクTs、モータ6のモータ速度ω、および車速センサ11にて検出された車速Vに基づいて、アシストトルク指令Taを演算する。そして、その演算結果に応じた駆動電圧Vdをモータ6へ印加することにより、ドライバがハンドル2を回す力(ひいては両タイヤ10を操舵する力)のアシスト量を制御するものである。
本実施形態ではモータ6がブラシレスモータであるため、ECU15からモータ6へ出力(印加)される駆動電圧Vdは、詳しくは、3相(U,V,W)の駆動電圧Vdu,Vdv,Vdwである。ECU15からモータ6へこれら各相の駆動電圧Vdu,Vdv,Vdwを印加(各相の駆動電流を通電)することで、モータ6の回転トルクが制御される。ブラシレスモータを3相の駆動電圧で駆動(例えばPWM駆動)する方法やその3相の駆動電圧を生成する駆動回路(例えば3相インバータ)についてはよく知られているため、ここではその詳細説明は省略する。
ECU15は、直接的にはモータ6へ印加する駆動電圧Vdを制御することによりモータ6を制御するものであるが、モータ6を制御することで結果としてそのモータ6により駆動される操舵系メカ100を制御するものであると言え、よってECU15の制御対象はこの操舵系メカ100であると言える。なお、操舵系メカ100は、図1に示したシステム構成図のうちECU15を除く機構全体、すなわちハンドル2から各タイヤ10に至る、ハンドル2の操舵力が伝達される機構全体を示す。
<ECU>
ECU15は、図2に示すように、ベースアシスト指令(ベース指令値)Tb*を生成するベースアシスト部20と、補正トルク指令Trを生成する補正部30と、ベースアシスト指令Tb*と補正トルク指令Trを加算することによりアシストトルク指令Taを生成する加算器41と、アシストトルク指令Taに基づいてモータ6へ駆動電圧Vdを印加することによりモータ6を通電駆動する電流フィードバック(FB)部42と、を備えている。
ベースアシスト部20は、路面反力(路面負荷)に応じた操舵反力(操舵トルク)の特性の実現、すなわち路面負荷に対応した反応(反力)が準定常的にドライバへ伝達されるようにすることで車両の状態や路面の状態をドライバが把握しやすくなるようにすると共に、操舵状態に応じてドライバに与える手感(ハンドルからタイヤまでの感覚的硬さ、ねばり、重さ)を調整することで操舵時の操舵感(操舵特性)を向上させることを実現するためのブロックである。ベースアシスト部20は、操舵トルクTsと車速Vに基づき、上述した路面負荷に応じた伝達感や操舵状態に応じた操舵感が実現されるようにハンドル2の操作をアシストするための、ベースアシスト指令Tb*を生成する。
補正部30は、車両全体としての操作安定性(車両運動特性)の実現、すなわち、車両の挙動が不安定となることによってハンドルに伝わる不安定な挙動(振動的な挙動等)を抑制して、車両の挙動(各車輪10の操舵時の挙動)が所望の挙動特性となるように(具体的には車両が適切に収斂するように)するためのブロックである。補正部30は、操舵トルクTsとモータ速度ωと車速Vに基づき、上述した不安定な挙動を抑制(収斂)するための補正トルク指令Trを生成する。
加算器41は、ベースアシスト部20で生成されたベースアシスト指令Tb*と補正部30で生成された補正トルク指令Trとを加算することにより、アシストトルク指令Taを生成する。
電流FB部42は、アシストトルク指令Taに基づき、そのアシストトルク指令Taに対応したアシストトルク(アシスト操舵力)が操舵軸(特にトルクセンサ4よりもタイヤ10側)に付与されるようにモータ6へ駆動電圧Vdを印加する。具体的には、アシストトルク指令Taに基づいて、モータ6の各相へ通電すべき目標電流(相毎の目標電流)を設定する。そして、各相の通電電流Imを検出・フィードバックして、その検出値(各相の通電電流Im)がそれぞれ目標電流と一致するように駆動電圧Vdを制御(通電電流を制御)することで、操舵軸に対して所望のアシストトルクを発生させる。
なお、このような補正部30および電流FB部42は公知の技術(例えば、特開2013−52793号公報参照)であるため、ここでは説明を省略し、以下では、本発明の主要部に関わるベースアシスト部20について詳述する。
<ベースアシスト部>
ベースアシスト部20は、図3に示すように、負荷推定器21と、目標生成部22と、偏差演算器23と、コントローラ部24とを備えている。
負荷推定器21は、ベースアシスト指令Tb*と操舵トルクTsとに基づいて路面負荷を推定する。具体的には、負荷推定器21は、ベースアシスト指令Tb*と操舵トルクTsとを加算する加算器211と、その加算結果から所定の周波数以下の帯域の成分を抽出するローパスフィルタ(LPF)212とを備え、このLPF212により抽出された周波数成分を推定負荷Txとして出力する。通常、ドライバは、主に10Hz以下の操舵反力情報を頼りに運転をしているため、概ね10Hz以下の周波数成分を通過(抽出)させ、10Hzより高い周波数成分は遮断するようにしている。
目標生成部22は、負荷推定器21にて推定された路面負荷(推定負荷Tx)と自車両の走行速度(車速V)とに基づいて、操舵トルクの目標値である目標操舵トルクTidを生成する。
偏差演算器23は、操舵トルクTsと目標操舵トルクTidとの差であるトルク偏差を演算する。
コントローラ部24は、いわゆるPID制御を実現するように構成されており、トルク偏差に基づき、トルク偏差が0になるような、すなわち操舵トルクTsが目標操舵トルクTidに追従するようなアシストトルク(アシスト量ともいう)を発生させるためのベースアシスト指令Tb*を生成する。
本実施形態のコントローラ部24は、比例要素(P)、積分要素(I)及び微分要素(D)を備える。偏差演算器23およびコントローラ部24によって実現される目標操舵トルクTidから操舵トルクTsまでの伝達特性(応答特性)を、図4に示す。
コントローラ部24は、図4に示すように、目標操舵トルクTidに対する操舵トルクTsの応答周波数が、第1制御周波数帯の最大周波数以上であり、且つ、第2制御周波数帯の最大周波数以下の範囲にあるように構成されている。ここでいう応答周波数とは、目標操舵トルクに対する操舵トルクの応答特性(ゲイン特性)が−3dBとなる周波数をいう。
また、第1制御周波数帯とは、ドライバの操舵に対する応答と後述する路面情報の伝達とに必要な周波数帯をいい、第2制御周波数帯とは、モータ6のトルク応答周波数帯をいう。ここでは、第1制御周波数帯はDC〜30Hzに設定されており、第2制御周波数帯はDC〜100Hzに設定されている。
さらに、コントローラ部24は、目標操舵トルクTidに対する操舵トルクTsの応答が、第1制御周波数帯で−3dB以上であり、且つ、第2制御周波数帯より高い周波数で−3dB以下であるように構成されている。
このようなゲイン特性(周波数特性)の調整は、比例要素(P)、積分要素(I)及び微分要素(D)のゲインを変更することにより行われる。例えば、図中の周波数全域にわたるゲインの増減は比例要素(P)のゲインによって変更され、低い周波数領域(例えば数Hz)におけるゲインは積分要素(I)のゲインによって調整され、約20Hz付近におけるゲインのピーク値は微分要素(D)のゲインによって調整される。比例要素(P)、積分要素(I)及び微分要素(D)の各ゲインによる応答特性の調整は周知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
<効果>
以上説明したように、本実施形態では、PID制御を実現するコントローラ部24は、目標操舵トルクTidに対する操舵トルクTsの応答周波数が、第1制御周波数帯の最大周波数以上であり、且つ、第2制御周波数帯の最大周波数以下の範囲にあるように構成されている(図4参照)。
ここで、ドライバの操舵周波数は概ね10Hz以下であることから、そこに生じる10Hz以下の操舵反力を適切に制御するための目標操舵トルクTidは、10Hz程度までの成分からなる。
さらに路面情報(走行路面の粗さや路面摩擦係数の変化、操舵したときのタイヤ10が動いた感触など)は、タイヤからハンドルに伝達してくる力の周波数成分(10〜30Hz)の強弱によって変わることが実験的に確認されている。コントローラ部24は、このような10〜30Hzの路面情報の伝達量を調整できるように構成されていることが望ましい。
そして、このようなドライバの操舵に対する応答と路面情報の伝達のためには、コントローラ部24において、30Hzまでの目標操舵トルクTidに対して操舵トルクTsが追従することが必要となる。つまり、コントローラ部24は、目標操舵トルクから操舵トルクまでのゲイン特性が、30Hzまでは−3dB以上となるように構成されていることが望ましい。
一方、コントローラ部24の指令先であるモータ6では、電流応答(トルク応答と等価)において磁気振動やモータハウジング共鳴、電流検出ノイズといった高周波振動を増幅しないように、応答周波数の上限値が定められている。
モータ6のトルク応答周波数帯の上限値を超えた指令値を出さないようにするため、コントローラ部24は、目標操舵トルクから操舵トルクまでのゲイン特性が、モータ6の応答周波数帯の上限値(例えば200Hz)以上の周波数では−3dB以下となるように構成されていることが望ましい。なお、本実施形態では、モータ6の応答周波数の上限値が100Hzに定められているため、コントローラ部24は、前述したゲイン特性が100Hz以上の周波数では−3dB以下となるように設定されていることがより望ましい。
本実施形態では、上述のように、第1制御周波数帯をDC〜30Hzとし、第2制御周波数帯をDC〜100Hzとして、コントローラ部24は、目標操舵トルクから操舵トルクまでのゲイン特性が、第1制御周波数帯では−3dB以上、第2制御周波数帯では−3dB以下となるように構成されている。従って、ドライバの操舵反力を適切に制御するとともに、路面情報の伝達を適切に制御することができる。また、コントローラ部24の指令先であるモータ6を高周波振動なく適切に作動させることができる。
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。
上記実施形態では、推定負荷Txから目標操舵トルクTidを生成しているが、本実施形態では、推定負荷Txから生成した第1目標操舵トルクTid1と、操舵トルクTs及び車速Vから生成した第2目標操舵トルクTid2とから目標操舵トルクTidを生成する点が異なっている。
つまり、本実施形態では、図5に示すように、目標生成部22aが、上記実施形態の目標生成部22とは構成が一部異なっている。以下では、目標生成部22aについて、目標生成部22と同一の構成要素については、同一符号を付して説明を省略して、構成の相違する部分を中心に説明する。
<目標生成部>
目標生成部22aは、第1目標生成部221と、第2目標生成部222と、加算器25とを備える。
加算器25は、第1目標生成部221から出力された第1目標操舵トルクTid1に、第2目標生成部222から出力された第2目標操舵トルクTid2を加算する演算を行い、目標操舵トルクTidとして出力する。
第1目標生成部221は、負荷推定器21によって推定された推定負荷(路面側からの力と準定常的に釣り合う力)Txに基づいて第1目標操舵トルクTid1を生成する。これは、基本となるアシスト力を決定づけるものであり、路面反力に応じてドライバの操舵反力を得るものである。
具体的には、第1目標生成部221は、推定負荷Txから第1目標操舵トルクTid1への変換特性を表す変換マップを用いて、第1目標操舵トルクTid1を生成するように構成されている。第1目標生成部221で使用する変換マップは、図6に示すように、推定負荷Txに対応する第1目標操舵トルクTid1を、予め設定された複数種類の車速V毎にマップ化したものである。第1目標生成部221は、設定された車速V以外の車速では、マップの値から補間して第1目標操舵トルクTid1を求める。
第2目標生成部222は、ドライバがハンドルを通じて感じたい路面情報を調整するための第2目標操舵トルクTid2を生成する。上述のように、路面情報(ドライバの感じる印象)は、タイヤ10側からラックを通じてハンドルに伝達してくる力の周波数成分(約10〜30Hz)の強弱によって変わることが実験的に確認されている。そこで、このような力の周波数成分(路面情報)の伝達量を調整するために、本実施形態では、操舵トルクTsをバンドパスフィルタ(BPF)に通過させた信号に基づいて第2目標操舵トルクTid2を生成している。なお、本実施形態では、特に路面情報を表す成分(路面情報)として操舵トルクの10〜30Hzの周波数成分を扱うものとする。
具体的には、第2目標生成部222は、図7に示すように、BPF301と車速感応部302と乗算器303とを備える。
乗算器303は、BPF301により抽出された周波数成分に、車速感応部302で設定された車速感応ゲインKvを乗算する演算を行い、第2目標操舵トルクTid2として出力する。
BPF301は、(1)式に示される伝達関数(2次伝達関数)の式において、本実施形態では、中心周波数fn=30Hz(ωn=2π×30(Hz))、減衰定数ζ=0.4に設定されている。
この場合の周波数特性((1)式より車速感応ゲインKvを除いた部分による周波数特性)を図8に示す。
車速感応部302は、車速Vから車速感応ゲインKvへの変換特性を表す変換マップを用いて、車速感応ゲインKvを生成するように構成されている。車速感応部302で使用する変換マップは、図9に示すように、車速Vが大きくなるほど大きな値となる特性を有する。但し、予め定められたある車速以上では、車速Vの上昇に伴って低下する特性を有する。なお、図9に示す変換特性は、一例であり、車両の諸元やコンセプト等に基づいて設定される。
<効果>
以上説明したように、本実施形態では、目標生成部22aは、推定負荷Txに基づき基本となるアシスト力を決定づける第1目標操舵トルクTid1に、路面情報を伝達する第2目標操舵トルクTid2を加算して、目標操舵トルクTidを生成するように構成されている。
これによると、第1実施形態と同様の効果に加えて、本実施形態では、ドライバに路面状態やタイヤの動いた感触(路面情報)を把握させることができる。
また、本実施形態は、第2目標操舵トルクTid2を、操舵トルクTsにおける路面情報の周波数帯の信号と、車速Vに応じて設定された車速感応ゲインKvとの積として生成するように構成されている。これによると、車速感応ゲインKvは車速感応部302で使用する変換マップによって車速Vに応じた値に定められるため、路面情報の伝達量を車速Vに応じて調整することができる。
ここで、コントローラ部24の設定特性の違いによって、路面入力から操舵トルクへの伝達特性がどのように異なるのかを、図10及び図11を用いて説明する。
図10は、本実施形態において、路面入力から操舵トルクへの伝達特性を示す特性図である(本実施形態のコントローラ部24の設定特性については、図4を参照)。路面入力から操舵トルクへの伝達特性は、具体的に言うと、路面側からタイヤ10またはラックにホワイトノイズが入力されたときに、どのような周波数成分がハンドル側に操舵トルクTsとして現れるかを示している。
図示されているように、本実施形態では、車速感応ゲインKvの値によって、路面入力から操舵トルクTsへの伝達が、10〜30Hzの帯域で増減することがわかる。つまり、車速感応ゲインKvの値によって、路面情報(特に10〜30Hz)の操舵トルクTsへの伝達量が調整されていることがわかる。
一方、図11は、本実施形態のコントローラ部24に代えて、目標操舵トルクTidに対する操舵トルクTsの応答(目標操舵トルクから操舵トルクまでのゲイン特性が−3dBとなる周波数)が約10Hzとなるように構成したコントローラ部を用いた、比較用の装置における、路面入力から操舵トルクへの伝達特性を示す特性図である。
この場合、車速感応ゲインKvの値によって、路面入力から操舵トルクTsへの伝達が、10〜30Hzの帯域(特に20〜30Hzの帯域)では、十分には増減しないことがわかる。つまり、車速感応ゲインKvの値によって、路面情報(10〜30Hz)の操舵トルクTsへの伝達量を、本実施形態のように調整できないことがわかる。
ところで、このような応答特性が低いコントローラ部を用いた比較用の装置において、路面情報の伝達量を車速感応ゲインKvによって調整するためには、例えば、BPFを高次のフィルタとして設定する、または、図8に示すBPFの周波数特性において中心周波数付近における尖頭値を高くするというように、BPFの設計変更を行うことが必要となる。しかしながら、このような設計変更を必要とするBPFでは、固定小数演算での実装が困難になり、精度を実現できないという問題が生じるおそれがある。
つまり、応答特性が低いコントローラ部を用いた比較用の装置では、路面情報の伝達量を調整することは非常に困難である。
このように、本実施形態では、コントローラ部24の設定特性が(図4で説明したように)適切に設定されているため、車速感応ゲインKvの値によって、路面情報の操舵トルクTsへの伝達量を調整することができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。例えば、一つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を一つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。
上記実施形態では、目標生成部22は、路面負荷と自車両の走行速度(車速V)とに基づいて、目標操舵トルクTidを生成するように構成されていたが、車速Vによらず路面負荷のみに基づいて、目標操舵トルクTidを生成するように構成されてもいてもよい。
上記実施形態では、ベースアシスト部20で生成されたベースアシスト指令Tb*に補正部30で生成された補正トルク指令Trを加えたものを電流FB部42に供給するアシストトルク指令Taとしているが、補正部30を省略し、ベースアシスト指令Tb*をそのままアシストトルク指令Taとするように構成してもよい。
上記実施形態では、負荷推定器21において、ベースアシスト指令Tb*と操舵トルクTsから推定負荷Txを生成しているが、ベースアシスト指令Tb*の代わりに電流FB部42で検出される通電電流Imを用いてもよい。
1…電動パワーステアリングシステム 15…ECU 20、20a、20b…ベースアシスト部 21…負荷推定器 22,22a…目標生成部 23…偏差演算器 24…コントローラ部 30…補正部 41…加算器 42…電流フィードバック(FB)部 221…第1目標生成部 222…第2目標生成部

Claims (4)

  1. 操舵部材(2)に連結された操舵軸(3、5)で検出される操舵トルクに応じたアシストトルクをモータ(6)によって出力することで操舵特性を制御するステアリング制御装置(15)であって、
    少なくとも前記操舵トルクに基づき、路面からの操舵輪(10)に加えられる路面負荷の推定値である推定負荷を求める負荷推定手段(21)と、
    前記推定負荷を用いて前記操舵トルクの目標値である目標操舵トルクを生成する目標生成手段(22、22a)と、
    前記操舵トルクを前記目標操舵トルクに一致させるように、前記モータを制御するための指令値を生成する指令値生成手段(23、24)と、
    を備え、
    前記指令値生成手段は、ドライバの操舵に対する応答と路面情報の伝達とに必要な周波数帯を第1の制御周波数帯とし、前記モータのトルク応答周波数帯を第2の制御周波数帯として、前記目標操舵トルクに対する前記操舵トルクの応答周波数が前記第1の制御周波数帯の最大周波数と前記第2の制御周波数帯の最大周波数との間にあるように構成されており
    前記目標生成手段は、
    前記推定負荷に基づいて第1目標操舵トルクを生成する第1目標生成部(221)と、
    前記路面情報の伝達を調整する第2目標操舵トルクを生成する第2目標生成部(222)と、
    を更に備え、
    前記第1目標操舵トルクに前記第2目標操舵トルクを加算して前記目標操舵トルクを生成するように構成されていること、
    を特徴とするステアリング制御装置。
  2. 前記第1の制御周波数帯はDC〜30Hzであり、前記第2の制御周波数帯はDC〜200Hzであることを特徴とする請求項1に記載のステアリング制御装置。
  3. 前記目標操舵トルクに対する前記操舵トルクの応答は、第1の制御周波数帯で−3dB以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のステアリング制御装置。
  4. 前記第2の制御周波数帯より高い周波数で、前記目標操舵トルクに対する前記操舵トルクの応答は、−3dB以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のステアリング制御装置。
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