JP3719085B2 - 電気式動力舵取装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステアリングホイールによる操舵力をモータによってアシストする電気式動力舵取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気式動力舵取装置は、図5に示すような構成を採用していた。即ち、操舵トルクを検出するトルクセンサから出力されたトルク信号は、フィルタ回路20によりノイズ成分が除去され、さらに位相補償手段21によりトルクセンサ出力に対する応答性を速くするために位相が進められた後、アシストトルク決定手段22に入力される。一方、車速を検出する車速パルス検出手段27から出力された車速信号は、車速重み関数決定手段28により車速に応じた重み付けをされた後、アシストトルク決定手段22に入力される。
【0003】
アシストトルク決定手段22では、位相補償されたトルク信号と重み付けされた車速信号とに基づいて、操舵力を補助するためにモータに発生させるトルク(以下「アシストトルク」という。)に対応する電流値を決定し、電流指令決定手段23に出力する。そして、電流指令決定手段23では、この電流値に基づいてモータに送出すべき電流指令値を決定する。
【0004】
このように決定された電流指令値は、増幅手段24により所定のゲインで増幅された後、PWM回路25により電流指令値に対応するパルス幅を有するパルス信号に変換され、モータに出力される。そして、このモータに流れたモータ電流は、モータ電流検出手段26により検出された後、増幅手段24の前段に設けられた加算回路29に帰還され、電流指令値とモータ電流の検出値とが一致するように新たに与えられるモータ電流がフィードバック制御される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、図4に示すように、操舵速度(周波数)に対する電流ループの周波数応答ゲインの関係、即ち増幅手段24から出力されたモータ電流値に対する実際にモータに流れた電流応答の関係に着目すると、一般的に、電流指令値の周波数が高くなるにつれてモータに流れる電流の応答が遅くなる特性を有する。
【0006】
これにより、ステアリングホイールを急激に切ったときに、電流指令値に対してモータに流れる電流の応答が遅れるため、モータによる操舵力のアシストが遅れて「ハンドルが急に重くなった」という操舵感を運転者に与えるものである。この反面、モータに流れる電流の応答速度を向上させると(図4に示す右下がり特性部分を破線αにしたもの)、急操舵にも遅れることなくモータによる操舵力のアシストが可能になる代わりに、モータの電流に含まれる高周波成分やノイズによりステアリングホイールの振動やモータのうなり音として現れ、運転者等に不快感を与えるものである。つまり、「急操舵にも遅れることなく操舵力をアシストすること」と、「ステアリングホイールの振動やモータのうなり音を抑制すること」とは互いに背反関係にある要求である。
【0007】
このような要求が存在するなか、図5に示したような従来の電気式動力舵取装置では、電流指令決定手段23により決定された電流指令値は、増幅手段24により「所定のゲイン」で増幅される構成を採る。つまり、増幅手段24の増幅利得は固定されているため、図4に示す右下がり特性部分は、斜線領域内のいずれかで固定された特性に設定される。そのため、互いに背反関係にある「急操舵にも遅れることなく操舵力をアシストすること」および「ステアリングホイールの振動やモータのうなり音を抑制すること」のいずれかを重視した設計にならざるを得ないという技術的な問題点を抱えている。
【0008】
特に停車時には、走行時に比べて周囲の雑音が気になり易いところ、ステアリングホイールの振動やモータのうなり音は耳障りな雑音となって運転者等の乗員の耳に達する。そのため、「ステアリングホイールの振動やモータのうなり音を抑制すること」は、より快適な車内空間を乗員に提供するためにも解決すべき課題である。
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、走行時の急操舵において遅れることなく操舵力をアシストし、停車時の微速操舵や保舵においてはステアリングホイールの振動やモータのうなり音を抑制し得る電気式動力舵取装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の電気式動力舵取装置では、
ステアリングシャフトに発生する操舵トルクに基づいて操舵力を補うモータを備えた電気式動力舵取装置であって、
前記操舵トルクに基づいて前記モータへの電流指令値を決定する電流指令手段と、
前記モータに流れるモータ電流を検出する電流検出手段と、
前記電流指令値と前記モータ電流との偏差に基づいて前記モータを帰還制御するモータ制御手段と、
前記ステアリングホイールの回転速度を検出する回転速度検出手段と、
前記回転速度検出手段により検出した前記ステアリングホイールの回転速度に対応した所定の重み付けを行う重み付け演算によって、前記モータ制御手段の帰還応答特性を変更する応答特性変更手段と、を備え、
前記重み付け演算は、
前記ステアリングホイールの回転速度に対応した重み関数によって重み値となる0以上1以下の間の値を与えるものであって、
前記ステアリングホイールの回転速度が所定区間の下限速度以下の場合には重み値をほぼ0に設定し、前記ステアリングホイールの回転速度が所定区間の上限速度以上の場合には重み値をほぼ1に設定し、当該所定区間においては前記ステアリングホイールの回転速度の増加に比例して重み値も増加および前記ステアリングホイールの回転速度の減少に比例して重み値も減少するように設定することを技術的特徴とする。
【0013】
請求項1の発明では、電流指令手段、電流検出手段、モータ制御手段および応答特性変更手段を備える。そして、応答特性変更手段による重み付け演算は、ステアリングホイールの回転速度に対応した重み関数によって重み値となる0以上1以下の間の値を与えるものであって、ステアリングホイールの回転速度が所定区間の下限速度以下の場合には重み値をほぼ0に設定し、ステアリングホイールの回転速度が所定区間の上限速度以上の場合には重み値をほぼ1に設定し、当該所定区間においてはステアリングホイールの回転速度の増加に比例して重み値も増加およびステアリングホイールの回転速度の減少に比例して重み値も減少するように設定する。これにより、電流指令手段により決定した電流指令値と電流検出手段により検出したモータ電流との偏差に基づいて、モータ制御手段によりモータを帰還制御する一方、このモータ制御手段の帰還応答特性は、ステアリングホイールの回転速度に対応して応答特性変更手段により変更される。つまり、ステアリングホイールの操舵力を補うモータは、ステアリングホイールの回転速度に対応して変更される帰還応答特性を有する帰還制御によって、電流指令値とモータ電流との偏差に基づいて制御される。そして、ステアリングホイールの回転速度が所定区間の下限速度以下の場合(遅い場合)には重み値をほぼ0に設定し、ステアリングホイールの回転速度が所定区間の上限速度以上の場合(速い場合)には重み値をほぼ1に設定するので、モータ制御手段の帰還応答特性は、ステアリングホイールの回転速度が遅い場合には遅く、回転速度が速い場合には速くなる。また、当該所定区間においてはステアリングホイールの回転速度の増加に比例して重み値も増加およびステアリングホイールの回転速度の減少に比例して重み値も減少するように設定するので、モータ制御手段の帰還応答特性は、ステアリングホイールの回転速度に比例した速さとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電気式動力舵取装置の実施形態について図を参照して説明する。なお、以下の実施形態では、本発明の電気式動力舵取装置として、自動車等の車両に備えられた電気式動力舵取装置を例に挙げて説明する。また、図5に示した従来の電気式動力舵取装置と同一の構成については、同一の符号を用いるものとし、その説明を省略する。
【0017】
まず、電気式動力舵取装置の主な電気的構成を図1に基づいて説明する。
トルクセンサ11は、車両の操舵ステアリングに連結された入力軸と操舵機構に連結された出力軸とを相対回転可能に連結するトーションバー等のねじれ量から操舵トルクを検出する。この検出された操舵トルクは、車速センサ12によって検出された車速とともに、ECU10に入力される。また操舵ステアリングの操舵力をアシストするモータMの回転数も、回転数センサ13によって検出されECU10に入力される。ECU10に備えられたCPU15は、インターフェース14を介して入力される操舵トルク、車速およびモータ回転数に基づいて、モータ駆動回路16へ送出すべき電流指令値を決定する。そして、モータ駆動回路16では、CPU15から送出された電流指令値に対応する駆動電流をモータMへ出力する。これにより、モータMは操舵力を補助するためのアシストトルクを発生し、あるいはステアリングホイールを復元するためのトルクを発生する。
【0018】
次に、このECU10およびモータ駆動回路16の主な電気的構成および動作を図2に基づいて説明する。本実施形態に係る電気式動力舵取装置では、前述した従来の電気式動力舵取装置の構成に加えてモータ回転速度検出手段31およびステアリングホイール回転速度演算手段32を備えている。
即ち、ECU10およびモータ駆動回路16では、主に、フィルタ回路20、位相補償手段21、アシストトルク決定手段22、電流指令決定手段23、増幅手段33、PWM回路25、モータ電流検出手段26、車速パルス検出手段27、車速重み関数決定手段28、乗算器29、モータ回転速度検出手段31およびステアリングホイール回転速度演算手段32を備えており、モータ回転速度検出手段31およびステアリングホイール回転速度演算手段32が新たに加わったほか、増幅手段33もその構成内容が従来のものと異なる。
【0019】
モータ回転速度検出手段31は、操舵力を補うモータMの回転速度を検出するもので、例えば前述した回転数センサ13がこれに相当する。モータMの回転数は、図示しない減速機を介してステアリングホイールの回転数と比例関係にあるため、モータMの回転数を検出することにより、相対的にステアリングホイールの回転数を検出することができる。そのため、後段のステアリングホイール回転速度演算手段32により、ステアリングホイールの回転速度を演算したり、ステアリングホイールが動いているか否かを判断することができる。
【0020】
ステアリングホイール回転速度演算手段32は、所定の回転速度演算処理によって、モータ回転速度検出手段31により検出したモータMの回転数をステアリングホイールの回転速度に変換する機能を有するものである。これにより、モータMの回転速度に基づいて変換されたステアリングホイールの回転速度は次段の増幅手段33に送出される。
【0021】
図3(A) に示すように、この増幅手段33は、主に、増幅器33a、重み付けマップ33b、乗算器33cから構成されており、乗算器29から入力された電流偏差を図3(B) に示す比例積分制御(以下「PI制御」という。)によって増幅した後、乗算器33cにより重み付けマップ33bに従って与えられる値を乗算、つまり重み付けしてPWM回路25に出力する機能を有するものである。
【0022】
図3(B) に示すように、増幅器33aはPI制御によるアルゴリズムにより実現されるものであり、乗算器29から入力される、電流指令値と検出したモータ電流との偏差に基づいてIゲインの高低を変化させることにより、モータMに与えるモータ電流を帰還制御し得る役割を果たすものである。
重み付けマップ33bは、前述したステアリングホイール回転速度演算手段32からのステアリングホイールの回転速度に対応した重み関数によって重み値となる0〜1の間の値を与えられたデータ群である。例えば所定区間においてはステアリングホイールの回転速度の増加に比例して重み値も増加するが、この所定区間外においては重み値が一定になるように、ステアリングホイールの右切り、左切りのそれぞれについて設定されている。即ち、ステアリングホイールの回転速度が所定区間の下限速度以下の場合には重み値を0に設定し、ステアリングホイールの回転速度が所定区間の上限速度以上の場合には重み値を1に設定する。
【0023】
これにより、ステアリングホイールの回転速度が、所定区間内にあればステアリングホイールの回転速度の増減に比例して重み値も増減する一方、当該下限速度よりも遅いときには0の重み値が与えられ、当該上限速度よりも速いときには1の重み値が与えられる。なお、この重み付けマップ33bは、重み値となる0〜1の間の値を与えるデータ群により構成されることから、その値および配列を任意に変更することにより、一定の関数に基づいて帰還応答特性を変更する場合に比べ、帰還応答特性の変更を高い自由度の下で設定することができる。
乗算器33cは、増幅器33aから出力された電流指令値に、重み付けマップ33bにより与えられた重み値(0〜1)を乗算し、ステアリングホイールの回転速度に対応した重み付けを行うものである。
【0024】
このように増幅手段33を構成することによって、モータMに与えられるモータ電流値は、電流指令決定手段23による電流指令値とモータ電流検出手段26により検出されたモータ電流との偏差に基づいて帰還制御されるとともに、この帰還制御の応答特性、つまり帰還応答特性は、重み付けマップ33bと乗算器33cとによってステアリングホイールの回転速度に対応して重み付けされる。
【0025】
そして、前述したように、ステアリングホイールの回転速度が遅い場合には、小さい重み値(0ないしは0に近い値)を重み付けることにより、増幅手段33の全体利得を低く設定する。これにより、図4に示す操舵速度(周波数)に対する電流ループの周波数応答ゲインの関係、即ち増幅手段33から出力されたモータ電流指令値に対する実際にモータMに流れた電流応答の関係は、同図に示す右下がり特性部分において実線βの特性に設定される。一方、ステアリングホイールの回転速度が速い場合には、大きい重み値(1ないしは1に近い値)を重み付けることにより、増幅手段33の全体利得をステアリングホイールの回転速度が遅い場合よりも高く設定する。これにより、同図に示す右下がり特性部分において破線αの特性に設定される。また、ステアリングホイールの回転速度がこれらの間にある場合には、回転速度の増減に比例した重み値を0〜1の間の値にすることにより、増幅手段33の全体利得を回転速度の増減に応じた値に設定する。これによって同図に示す右下がり特性部分は、実線βと破線αとの間である斜線範囲内の特性に設定される。
【0026】
つまり、増幅手段33の全体利得による帰還応答は、ステアリングホイールの回転速度が遅い場合には遅く、回転速度が速い場合には速くなるように、操舵状態により変化して設定される。そのため、車両を停車した状態でステアリングホイールを切る据え切り状態で、ステアリングホイールをゆっくり、即ち微速操舵している場合や、一定の切り角を維持、即ち保舵している場合には、増幅手段33の帰還応答は遅く(重み付け0)設定されるため、図4に示す右下がり特性部分は実線βに移行する。このような帰還応答特性の変化により周波数応答が低くなるところ、モータの電流に含まれる高周波成分やノイズに対して帰還制御の反応は鈍くなるため、ステアリングホイールの振動やモータのうなり音が発生するという事態を防止することができる。
【0027】
一方、車両の走行中において、進路変更や危険回避のためにステアリングホイールの急操舵があった場合には、増幅手段33の帰還応答は速く(重み付け1)設定されるため、図4に示す右下がり特性部分は破線αに移行する。このような帰還応答特性の変化により周波数応答が高くなるところ、帰還制御の反応が鋭敏になるため、運転者の急操舵に対応した迅速なアシストが可能なる。これにより「ハンドルが急に重くなった」という操舵感を運転者に与える事態を防止することができる。なお、このような帰還応答特性の変化により周波数応答が高くなることにでステアリングホイールの振動やモータのうなり音が発生しても、走行中においては、車両周囲の風切り音やエンジン音等の方が大きいことから、運転者や乗員に及ぼす影響は極めて少ないと考えられる。
【0028】
ここで、ステアリングホイールの回転速度を、図2に示す電流指令決定手段23に入力し、ステアリングホイールの回転速度に対応した利得により電流指令値を変化させる構成も考えられる。しかし、このような構成だけでは、その後段に位置する増幅手段の帰還利得自体を変化させることができない。したがって、急操舵や微速操舵に対応したモータによるアシストの軽重は制御できても、本実施形態に係る電気式動力舵取装置のように、モータの電流に含まれる高周波成分やノイズに対する影響までをも回避することはできない。
【0029】
以上説明したように、本実施形態に係る電気式動力舵取装置によると、電流指令決定手段23により決定した電流指令値とモータ電流検出手段26により検出したモータ電流との偏差に基づいて、増幅手段33によりモータを帰還制御する一方、この増幅手段33の帰還応答特性は、モータ回転速度検出手段31およびステアリングホイール回転速度演算手段32によるステアリングホイールの回転速度に対応して増幅手段33の重み付けマップ33bおよび乗算器33cにより変更される。つまり、ステアリングホイールの操舵力を補うモータMは、ステアリングホイールの回転速度に対応して変更される帰還応答特性を有する帰還制御によって、電流指令値とモータ電流との偏差に基づいて制御される。したがって、ステアリングホイールの回転速度が遅い場合には帰還応答を遅く設定し、回転速度が速い場合には帰還応答を速く設定することにより、走行時の急操舵において遅れることなく操舵力をアシストし、停車時の微速操舵や保舵においてはステアリングホイールの振動やモータのうなり音を抑制し得る効果がある。
【0030】
なお、上述した本実施形態では、増幅手段33を構成する増幅器33aの後段で重み付けマップ33bおよび乗算器33cにより所定の重み付けを行うことによって、応答特性変更手段を構成したが、本発明ではこれに限られることなく、増幅器33aのPゲインやIゲインの高低を直接変化させる構成により、応答特性変更手段を構成しても良い。これにより、モータMを制御する手段としてPI制御による増幅器を用いるという一般的な構成を変えることなく、その増幅器のPIゲインの上げ下げによって帰還応答特性の変更を任意に設定することができる。したがって、かかる一般的な構成の下で、走行時の急操舵において遅れることなく操舵力をアシストし、停車時の微速操舵や保舵においてはステアリングホイールの振動やモータのうなり音を抑制し得る効果がある。
【0031】
【発明の効果】
請求項1の発明では、ステアリングホイールの回転速度が所定区間の下限速度以下の場合(遅い場合)には重み値をほぼ0に設定し、ステアリングホイールの回転速度が所定区間の上限速度以上の場合(速い場合)には重み値をほぼ1に設定するので、モータ制御手段の帰還応答特性は、ステアリングホイールの回転速度が遅い場合には遅く、回転速度が速い場合には速くなる。また、当該所定区間においてはステアリングホイールの回転速度の増加に比例して重み値も増加およびステアリングホイールの回転速度の減少に比例して重み値も減少するように設定するので、モータ制御手段の帰還応答特性は、ステアリングホイールの回転速度に比例した速さとなる。このため、例えば、車両を停車した状態でステアリングホイールを切る据え切りの場合、ステアリングホイールをゆっくり、即ち微速操舵している場合や一定の切り角を維持、即ち保舵している場合には、モータ制御手段の帰還応答特性は遅く(重み付けほぼ0)設定される。これにより、帰還応答特性の変化により周波数応答が低くなるため、モータの電流に含まれる高周波成分やノイズに対して帰還制御の反応は鈍くなるので、ステアリングホイールの振動やモータのうなり音が発生するという事態を防止することができる。一方、車両の走行中において、進路変更や危険回避のためにステアリングホイールの急操舵があった場合には、モータ制御手段の帰還応答特性は速く(重み付けほぼ1)設定される。これにより、帰還応答特性の変化により周波数応答が高くなり、帰還制御の反応が鋭敏になるので、運転者の急操舵に対応した迅速なアシストができる。したがって、ステアリングホイールの回転速度が遅い場合には帰還応答を遅く設定し、回転速度が速い場合には帰還応答を速く設定することにより、走行時の急操舵において遅れることなく操舵力をアシストし、停車時の微速操舵や保舵においてはステアリングホイールの振動やモータのうなり音を抑制し得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電気式動力舵取装置の主な電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すECUおよびモータ駆動回路の主な電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図3(A) は図2に示す増幅手段の構成を示すブロック図で、図3(B) は増幅器の概念を示すブロック線図である。
【図4】操舵速度(周波数)に対する電流ループの周波数応答ゲインの関係を示す説明図である。
【図5】従来の電気式動力舵取装置の主な電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 ECU
11 トルクセンサ
12 車速センサ
13 回転数センサ
15 CPU
16 モータ駆動回路
22 アシストトルク決定手段
23 電流指令決定手段 (電流指令手段)
25 PWM回路 (モータ制御手段)
26 モータ電流検出手段 (電流検出手段)
29 加算回路 (モータ制御手段)
31 モータ回転速度検出手段(回転速度検出手段)
32 ステアリングホイール回転速度演算手段(回転速度検出手段)
33 増幅手段 (モータ制御手段)
33a 増幅器 (モータ制御手段)
33b 重み付けマップ (モータ制御手段、応答特性変更手段)
33c 乗算器 (モータ制御手段、応答特性変更手段)
M モータ

Claims (1)

  1. ステアリングシャフトに発生する操舵トルクに基づいて操舵力を補うモータを備えた電気式動力舵取装置であって、
    前記操舵トルクに基づいて前記モータへの電流指令値を決定する電流指令手段と、
    前記モータに流れるモータ電流を検出する電流検出手段と、
    前記電流指令値と前記モータ電流との偏差に基づいて前記モータを帰還制御するモータ制御手段と、
    前記ステアリングホイールの回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    前記回転速度検出手段により検出した前記ステアリングホイールの回転速度に対応した所定の重み付けを行う重み付け演算によって、前記モータ制御手段の帰還応答特性を変更する応答特性変更手段と、を備え、
    前記重み付け演算は、
    前記ステアリングホイールの回転速度に対応した重み関数によって重み値となる0以上1以下の間の値を与えるものであって、
    前記ステアリングホイールの回転速度が所定区間の下限速度以下の場合には重み値をほぼ0に設定し、前記ステアリングホイールの回転速度が所定区間の上限速度以上の場合には重み値をほぼ1に設定し、当該所定区間においては前記ステアリングホイールの回転速度の増加に比例して重み値も増加および前記ステアリングホイールの回転速度の減少に比例して重み値も減少するように設定することを特徴とする電気式動力舵取装置。
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