JP2001239947A - 電気式動力舵取装置 - Google Patents

電気式動力舵取装置

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JP2001239947A JP2000052805A JP2000052805A JP2001239947A JP 2001239947 A JP2001239947 A JP 2001239947A JP 2000052805 A JP2000052805 A JP 2000052805A JP 2000052805 A JP2000052805 A JP 2000052805A JP 2001239947 A JP2001239947 A JP 2001239947A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行時の急操舵において遅れることなく操舵
力をアシストし、停車時の微速操舵や保舵においてはス
テアリングホイールの振動やモータのうなり音を抑制し
得る電気式動力舵取装置を提供する。 【解決手段】 電気式動力舵取装置では、電流指令決定
手段23により決定した電流指令値とモータ電流検出手
段26により検出したモータ電流との偏差に基づいて、
増幅手段33によりモータを帰還制御する一方、この増
幅手段33の帰還応答特性は、ステアリングホイール回
転速度演算手段32によるステアリングホイールの回転
速度に対応して増幅手段33の重み付けマップおよび乗
算器により変更される。これにより、走行時の急操舵に
おいて遅れることなく操舵力をアシストし、停車時の微
速操舵や保舵においてはステアリングホイールの振動や
モータのうなり音を抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステアリングホイ
ールによる操舵力をモータによってアシストする電気式
動力舵取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電気式動力舵取装置は、図5に示
すような構成を採用していた。即ち、操舵トルクを検出
するトルクセンサから出力されたトルク信号は、フィル
タ回路20によりノイズ成分が除去され、さらに位相補
償手段21によりトルクセンサ出力に対する応答性を速
くするために位相が進められた後、アシストトルク決定
手段22に入力される。一方、車速を検出する車速パル
ス検出手段27から出力された車速信号は、車速重み関
数決定手段28により車速に応じた重み付けをされた
後、アシストトルク決定手段22に入力される。
【0003】アシストトルク決定手段22では、位相補
償されたトルク信号と重み付けされた車速信号とに基づ
いて、操舵力を補助するためにモータに発生させるトル
ク(以下「アシストトルク」という。)に対応する電流
値を決定し、電流指令決定手段23に出力する。そし
て、電流指令決定手段23では、この電流値に基づいて
モータに送出すべき電流指令値を決定する。
【0004】このように決定された電流指令値は、増幅
手段24により所定のゲインで増幅された後、PWM回
路25により電流指令値に対応するパルス幅を有するパ
ルス信号に変換され、モータに出力される。そして、こ
のモータに流れたモータ電流は、モータ電流検出手段2
6により検出された後、増幅手段24の前段に設けられ
た加算回路29に帰還され、電流指令値とモータ電流の
検出値とが一致するように新たに与えられるモータ電流
がフィードバック制御される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、図4に示すよ
うに、操舵速度(周波数)に対する電流ループの周波数
応答ゲインの関係、即ち増幅手段24から出力されたモ
ータ電流値に対する実際にモータに流れた電流応答の関
係に着目すると、一般的に、電流指令値の周波数が高く
なるにつれてモータに流れる電流の応答が遅くなる特性
を有する。
【0006】これにより、ステアリングホイールを急激
に切ったときに、電流指令値に対してモータに流れる電
流の応答が遅れるため、モータによる操舵力のアシスト
が遅れて「ハンドルが急に重くなった」という操舵感を
運転者に与えるものである。この反面、モータに流れる
電流の応答速度を向上させると(図4に示す右下がり特
性部分を破線αにしたもの)、急操舵にも遅れることな
くモータによる操舵力のアシストが可能になる代わり
に、モータの電流に含まれる高周波成分やノイズにより
ステアリングホイールの振動やモータのうなり音として
現れ、運転者等に不快感を与えるものである。つまり、
「急操舵にも遅れることなく操舵力をアシストするこ
と」と、「ステアリングホイールの振動やモータのうな
り音を抑制すること」とは互いに背反関係にある要求で
ある。
【0007】このような要求が存在するなか、図5に示
したような従来の電気式動力舵取装置では、電流指令決
定手段23により決定された電流指令値は、増幅手段2
4により「所定のゲイン」で増幅される構成を採る。つ
まり、増幅手段24の増幅利得は固定されているため、
図4に示す右下がり特性部分は、斜線領域内のいずれか
で固定された特性に設定される。そのため、互いに背反
関係にある「急操舵にも遅れることなく操舵力をアシス
トすること」および「ステアリングホイールの振動やモ
ータのうなり音を抑制すること」のいずれかを重視した
設計にならざるを得ないという技術的な問題点を抱えて
いる。
【0008】特に停車時には、走行時に比べて周囲の雑
音が気になり易いところ、ステアリングホイールの振動
やモータのうなり音は耳障りな雑音となって運転者等の
乗員の耳に達する。そのため、「ステアリングホイール
の振動やモータのうなり音を抑制すること」は、より快
適な車内空間を乗員に提供するためにも解決すべき課題
である。
【0009】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、走行時
の急操舵において遅れることなく操舵力をアシストし、
停車時の微速操舵や保舵においてはステアリングホイー
ルの振動やモータのうなり音を抑制し得る電気式動力舵
取装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の電気式動力舵取装置では、ステアリング
シャフトに発生する操舵トルクに基づいて操舵力を補う
モータを備えた電気式動力舵取装置であって、前記操舵
トルクに基づいて前記モータへの電流指令値を決定する
電流指令手段と、前記モータに流れるモータ電流を検出
する電流検出手段と、前記電流指令値と前記モータ電流
との偏差に基づいて前記モータを帰還制御するモータ制
御手段と、前記ステアリングホイールの回転速度を検出
する回転速度検出手段と、前記回転速度検出手段により
検出した前記ステアリングホイールの回転速度に対応し
て前記モータ制御手段の帰還応答特性を変更する応答特
性変更手段と、を備えることを技術的特徴とする。
【0011】また、請求項2の電気式動力舵取装置で
は、請求項1において、前記応答特性変更手段は、前記
ステアリングホイールの回転速度に対して行われる重み
付け演算であることを技術的特徴とする。
【0012】さらに、請求項3の電気式動力舵取装置で
は、請求項1において、前記モータ制御手段は、増幅手
段であり、前記応答特性変更手段は、前記ステアリング
ホイールの回転速度に対して行われる前記増幅手段の増
幅利得の変更であることを技術的特徴とする。
【0013】請求項1の発明では、電流指令手段、電流
検出手段、モータ制御手段および応答特性変更手段を備
える。これにより、電流指令手段により決定した電流指
令値と電流検出手段により検出したモータ電流との偏差
に基づいて、モータ制御手段によりモータを帰還制御す
る一方、このモータ制御手段の帰還応答特性は、ステア
リングホイールの回転速度に対応して応答特性変更手段
により変更される。つまり、ステアリングホイールの操
舵力を補うモータは、ステアリングホイールの回転速度
に対応して変更される帰還応答特性を有する帰還制御に
よって、電流指令値とモータ電流との偏差に基づいて制
御される。
【0014】請求項2の発明では、応答特性変更手段
は、ステアリングホイールの回転速度に対して行われる
重み付け演算であることから、その重み付けの設定によ
り帰還応答特性の変更を任意に行うことができる。これ
により、一定の関数に基づいて帰還応答特性を変更する
場合に比べ、帰還応答特性の変更を高い自由度で設定す
ることができる。
【0015】請求項3の発明では、モータ制御手段は増
幅手段であり、応答特性変更手段はステアリングホイー
ルの回転速度に対して行われる増幅手段の増幅利得の変
更であることから、モータ制御手段としての増幅手段の
増幅利得を変更することにより帰還応答特性の変更を任
意に行うことができる。これにより、モータ制御手段と
して増幅手段を用いるという一般的な構成を変えること
なく、その増幅利得の上げ下げによって帰還応答特性の
変更を任意に設定することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電気式動力舵取装
置の実施形態について図を参照して説明する。なお、以
下の実施形態では、本発明の電気式動力舵取装置とし
て、自動車等の車両に備えられた電気式動力舵取装置を
例に挙げて説明する。また、図5に示した従来の電気式
動力舵取装置と同一の構成については、同一の符号を用
いるものとし、その説明を省略する。
【0017】まず、電気式動力舵取装置の主な電気的構
成を図1に基づいて説明する。トルクセンサ11は、車
両の操舵ステアリングに連結された入力軸と操舵機構に
連結された出力軸とを相対回転可能に連結するトーショ
ンバー等のねじれ量から操舵トルクを検出する。この検
出された操舵トルクは、車速センサ12によって検出さ
れた車速とともに、ECU10に入力される。また操舵
ステアリングの操舵力をアシストするモータMの回転数
も、回転数センサ13によって検出されECU10に入
力される。ECU10に備えられたCPU15は、イン
ターフェース14を介して入力される操舵トルク、車速
およびモータ回転数に基づいて、モータ駆動回路16へ
送出すべき電流指令値を決定する。そして、モータ駆動
回路16では、CPU15から送出された電流指令値に
対応する駆動電流をモータMへ出力する。これにより、
モータMは操舵力を補助するためのアシストトルクを発
生し、あるいはステアリングホイールを復元するための
トルクを発生する。
【0018】次に、このECU10およびモータ駆動回
路16の主な電気的構成および動作を図2に基づいて説
明する。本実施形態に係る電気式動力舵取装置では、前
述した従来の電気式動力舵取装置の構成に加えてモータ
回転速度検出手段31およびステアリングホイール回転
速度演算手段32を備えている。即ち、ECU10およ
びモータ駆動回路16では、主に、フィルタ回路20、
位相補償手段21、アシストトルク決定手段22、電流
指令決定手段23、増幅手段33、PWM回路25、モ
ータ電流検出手段26、車速パルス検出手段27、車速
重み関数決定手段28、乗算器29、モータ回転速度検
出手段31およびステアリングホイール回転速度演算手
段32を備えており、モータ回転速度検出手段31およ
びステアリングホイール回転速度演算手段32が新たに
加わったほか、増幅手段33もその構成内容が従来のも
のと異なる。
【0019】モータ回転速度検出手段31は、操舵力を
補うモータMの回転速度を検出するもので、例えば前述
した回転数センサ13がこれに相当する。モータMの回
転数は、図示しない減速機を介してステアリングホイー
ルの回転数と比例関係にあるため、モータMの回転数を
検出することにより、相対的にステアリングホイールの
回転数を検出することができる。そのため、後段のステ
アリングホイール回転速度演算手段32により、ステア
リングホイールの回転速度を演算したり、ステアリング
ホイールが動いているか否かを判断することができる。
【0020】ステアリングホイール回転速度演算手段3
2は、所定の回転速度演算処理によって、モータ回転速
度検出手段31により検出したモータMの回転数をステ
アリングホイールの回転速度に変換する機能を有するも
のである。これにより、モータMの回転速度に基づいて
変換されたステアリングホイールの回転速度は次段の増
幅手段33に送出される。
【0021】図3(A) に示すように、この増幅手段33
は、主に、増幅器33a、重み付けマップ33b、乗算
器33cから構成されており、乗算器29から入力され
た電流偏差を図3(B) に示す比例積分制御(以下「PI
制御」という。)によって増幅した後、乗算器33cに
より重み付けマップ33bに従って与えられる値を乗
算、つまり重み付けしてPWM回路25に出力する機能
を有するものである。
【0022】図3(B) に示すように、増幅器33aはP
I制御によるアルゴリズムにより実現されるものであ
り、乗算器29から入力される、電流指令値と検出した
モータ電流との偏差に基づいてIゲインの高低を変化さ
せることにより、モータMに与えるモータ電流を帰還制
御し得る役割を果たすものである。重み付けマップ33
bは、前述したステアリングホイール回転速度演算手段
32からのステアリングホイールの回転速度に対応した
重み関数によって重み値となる0〜1の間の値を与えら
れたデータ群である。例えば所定区間においてはステア
リングホイールの回転速度の増加に比例して重み値も増
加するが、この所定区間外においては重み値が一定にな
るように、ステアリングホイールの右切り、左切りのそ
れぞれについて設定されている。即ち、ステアリングホ
イールの回転速度が所定区間の下限速度以下の場合には
重み値を0に設定し、ステアリングホイールの回転速度
が所定区間の上限速度以上の場合には重み値を1に設定
する。
【0023】これにより、ステアリングホイールの回転
速度が、所定区間内にあればステアリングホイールの回
転速度の増減に比例して重み値も増減する一方、当該下
限速度よりも遅いときには0の重み値が与えられ、当該
上限速度よりも速いときには1の重み値が与えられる。
なお、この重み付けマップ33bは、重み値となる0〜
1の間の値を与えるデータ群により構成されることか
ら、その値および配列を任意に変更することにより、一
定の関数に基づいて帰還応答特性を変更する場合に比
べ、帰還応答特性の変更を高い自由度の下で設定するこ
とができる。乗算器33cは、増幅器33aから出力さ
れた電流指令値に、重み付けマップ33bにより与えら
れた重み値(0〜1)を乗算し、ステアリングホイール
の回転速度に対応した重み付けを行うものである。
【0024】このように増幅手段33を構成することに
よって、モータMに与えられるモータ電流値は、電流指
令決定手段23による電流指令値とモータ電流検出手段
26により検出されたモータ電流との偏差に基づいて帰
還制御されるとともに、この帰還制御の応答特性、つま
り帰還応答特性は、重み付けマップ33bと乗算器33
cとによってステアリングホイールの回転速度に対応し
て重み付けされる。
【0025】そして、前述したように、ステアリングホ
イールの回転速度が遅い場合には、小さい重み値(0な
いしは0に近い値)を重み付けることにより、増幅手段
33の全体利得を低く設定する。これにより、図4に示
す操舵速度(周波数)に対する電流ループの周波数応答
ゲインの関係、即ち増幅手段33から出力されたモータ
電流指令値に対する実際にモータMに流れた電流応答の
関係は、同図に示す右下がり特性部分において実線βの
特性に設定される。一方、ステアリングホイールの回転
速度が速い場合には、大きい重み値(1ないしは1に近
い値)を重み付けることにより、増幅手段33の全体利
得をステアリングホイールの回転速度が遅い場合よりも
高く設定する。これにより、同図に示す右下がり特性部
分において破線αの特性に設定される。また、ステアリ
ングホイールの回転速度がこれらの間にある場合には、
回転速度の増減に比例した重み値を0〜1の間の値にす
ることにより、増幅手段33の全体利得を回転速度の増
減に応じた値に設定する。これによって同図に示す右下
がり特性部分は、実線βと破線αとの間である斜線範囲
内の特性に設定される。
【0026】つまり、増幅手段33の全体利得による帰
還応答は、ステアリングホイールの回転速度が遅い場合
には遅く、回転速度が速い場合には速くなるように、操
舵状態により変化して設定される。そのため、車両を停
車した状態でステアリングホイールを切る据え切り状態
で、ステアリングホイールをゆっくり、即ち微速操舵し
ている場合や、一定の切り角を維持、即ち保舵している
場合には、増幅手段33の帰還応答は遅く(重み付け
0)設定されるため、図4に示す右下がり特性部分は実
線βに移行する。このような帰還応答特性の変化により
周波数応答が低くなるところ、モータの電流に含まれる
高周波成分やノイズに対して帰還制御の反応は鈍くなる
ため、ステアリングホイールの振動やモータのうなり音
が発生するという事態を防止することができる。
【0027】一方、車両の走行中において、進路変更や
危険回避のためにステアリングホイールの急操舵があっ
た場合には、増幅手段33の帰還応答は速く(重み付け
1)設定されるため、図4に示す右下がり特性部分は破
線αに移行する。このような帰還応答特性の変化により
周波数応答が高くなるところ、帰還制御の反応が鋭敏に
なるため、運転者の急操舵に対応した迅速なアシストが
可能なる。これにより「ハンドルが急に重くなった」と
いう操舵感を運転者に与える事態を防止することができ
る。なお、このような帰還応答特性の変化により周波数
応答が高くなることにでステアリングホイールの振動や
モータのうなり音が発生しても、走行中においては、車
両周囲の風切り音やエンジン音等の方が大きいことか
ら、運転者や乗員に及ぼす影響は極めて少ないと考えら
れる。
【0028】ここで、ステアリングホイールの回転速度
を、図2に示す電流指令決定手段23に入力し、ステア
リングホイールの回転速度に対応した利得により電流指
令値を変化させる構成も考えられる。しかし、このよう
な構成だけでは、その後段に位置する増幅手段の帰還利
得自体を変化させることができない。したがって、急操
舵や微速操舵に対応したモータによるアシストの軽重は
制御できても、本実施形態に係る電気式動力舵取装置の
ように、モータの電流に含まれる高周波成分やノイズに
対する影響までをも回避することはできない。
【0029】以上説明したように、本実施形態に係る電
気式動力舵取装置によると、電流指令決定手段23によ
り決定した電流指令値とモータ電流検出手段26により
検出したモータ電流との偏差に基づいて、増幅手段33
によりモータを帰還制御する一方、この増幅手段33の
帰還応答特性は、モータ回転速度検出手段31およびス
テアリングホイール回転速度演算手段32によるステア
リングホイールの回転速度に対応して増幅手段33の重
み付けマップ33bおよび乗算器33cにより変更され
る。つまり、ステアリングホイールの操舵力を補うモー
タMは、ステアリングホイールの回転速度に対応して変
更される帰還応答特性を有する帰還制御によって、電流
指令値とモータ電流との偏差に基づいて制御される。し
たがって、ステアリングホイールの回転速度が遅い場合
には帰還応答を遅く設定し、回転速度が速い場合には帰
還応答を速く設定することにより、走行時の急操舵にお
いて遅れることなく操舵力をアシストし、停車時の微速
操舵や保舵においてはステアリングホイールの振動やモ
ータのうなり音を抑制し得る効果がある。
【0030】なお、上述した本実施形態では、増幅手段
33を構成する増幅器33aの後段で重み付けマップ3
3bおよび乗算器33cにより所定の重み付けを行うこ
とによって、応答特性変更手段を構成したが、本発明で
はこれに限られることなく、増幅器33aのPゲインや
Iゲインの高低を直接変化させる構成により、応答特性
変更手段を構成しても良い。これにより、モータMを制
御する手段としてPI制御による増幅器を用いるという
一般的な構成を変えることなく、その増幅器のPIゲイ
ンの上げ下げによって帰還応答特性の変更を任意に設定
することができる。したがって、かかる一般的な構成の
下で、走行時の急操舵において遅れることなく操舵力を
アシストし、停車時の微速操舵や保舵においてはステア
リングホイールの振動やモータのうなり音を抑制し得る
効果がある。
【0031】
【発明の効果】請求項1の発明では、電流指令手段、電
流検出手段、モータ制御手段および応答特性変更手段を
備える。これにより、電流指令手段により決定した電流
指令値と電流検出手段により検出したモータ電流との偏
差に基づいて、モータ制御手段によりモータを帰還制御
する一方、このモータ制御手段の帰還応答特性は、ステ
アリングホイールの回転速度に対応して応答特性変更手
段により変更される。つまり、ステアリングホイールの
操舵力を補うモータは、ステアリングホイールの回転速
度に対応して変更される帰還応答特性を有する帰還制御
によって、電流指令値とモータ電流との偏差に基づいて
制御される。したがって、ステアリングホイールの回転
速度が遅い場合には帰還応答を遅く設定し、回転速度が
速い場合には帰還応答を速く設定することにより、走行
時の急操舵において遅れることなく操舵力をアシスト
し、停車時の微速操舵や保舵においてはステアリングホ
イールの振動やモータのうなり音を抑制し得る効果があ
る。
【0032】請求項2の発明では、応答特性変更手段
は、ステアリングホイールの回転速度に対して行われる
重み付け演算であることから、その重み付けの設定によ
り帰還応答特性の変更を任意に行うことができる。これ
により、一定の関数に基づいて帰還応答特性を変更する
場合に比べ、帰還応答特性の変更を高い自由度の下で設
定することができる。したがって、より最適化された設
定の下で、走行時の急操舵において遅れることなく操舵
力をアシストし、停車時の微速操舵や保舵においてはス
テアリングホイールの振動やモータのうなり音を抑制し
得る効果がある。
【0033】請求項3の発明では、モータ制御手段は増
幅手段であり、応答特性変更手段はステアリングホイー
ルの回転速度に対して行われる増幅手段の増幅利得の変
更であることから、モータ制御手段としての増幅手段の
増幅利得を変更することにより帰還応答特性の変更を任
意に行うことができる。これにより、モータ制御手段と
して増幅手段を用いるという一般的な構成を変えること
なく、その増幅利得の上げ下げによって帰還応答特性の
変更を任意に設定することができる。したがって、かか
る一般的な構成の下で、走行時の急操舵において遅れる
ことなく操舵力をアシストし、停車時の微速操舵や保舵
においてはステアリングホイールの振動やモータのうな
り音を抑制し得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電気式動力舵取装置
の主な電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すECUおよびモータ駆動回路の主な
電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図3(A) は図2に示す増幅手段の構成を示すブ
ロック図で、図3(B) は増幅器の概念を示すブロック線
図である。
【図4】操舵速度(周波数)に対する電流ループの周波
数応答ゲインの関係を示す説明図である。
【図5】従来の電気式動力舵取装置の主な電気的構成を
示すブロック図である。
【符号の説明】
10 ECU 11 トルクセンサ 12 車速センサ 13 回転数センサ 15 CPU 16 モータ駆動回路 22 アシストトルク決定手段 23 電流指令決定手段 (電流指令手段) 25 PWM回路 (モータ制御手段) 26 モータ電流検出手段 (電流検出手段) 29 加算回路 (モータ制御手段) 31 モータ回転速度検出手段(回転速度検出手段) 32 ステアリングホイール回転速度演算手段(回転
速度検出手段) 33 増幅手段 (モータ制御手段) 33a 増幅器 (モータ制御手段) 33b 重み付けマップ (モータ制御手段、応
答特性変更手段) 33c 乗算器 (モータ制御手段、応
答特性変更手段) M モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 浩 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 Fターム(参考) 3D032 DA09 DA23 EC22 3D033 CA13 CA19 CA20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングシャフトに発生する操舵ト
    ルクに基づいて操舵力を補うモータを備えた電気式動力
    舵取装置であって、 前記操舵トルクに基づいて前記モータへの電流指令値を
    決定する電流指令手段と、 前記モータに流れるモータ電流を検出する電流検出手段
    と、 前記電流指令値と前記モータ電流との偏差に基づいて前
    記モータを帰還制御するモータ制御手段と、 前記ステアリングホイールの回転速度を検出する回転速
    度検出手段と、 前記回転速度検出手段により検出した前記ステアリング
    ホイールの回転速度に対応して前記モータ制御手段の帰
    還応答特性を変更する応答特性変更手段と、 を備えることを特徴とする電気式動力舵取装置。
  2. 【請求項2】 前記応答特性変更手段は、 前記ステアリングホイールの回転速度に対して行われる
    重み付け演算であることを特徴とする請求項1記載の電
    気式動力舵取装置。
  3. 【請求項3】 前記モータ制御手段は、増幅手段であ
    り、 前記応答特性変更手段は、前記ステアリングホイールの
    回転速度に対して行われる前記増幅手段の増幅利得の変
    更であることを特徴とする請求項1記載の電気式動力舵
    取装置。
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