JP2008018825A - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外乱の周波数帯域の全域において外乱振動を抑制できるようにして快適な操舵性能が得られる電動パワーステアリング装置の制御装置を提供する。
【解決手段】ステアリングシャフトに発生する操舵トルク及び車速に基づいて操舵補助指令値を演算し、操舵補助指令値を用いてトルク制御を行う電流指令値を求めるトルク系制御部と、電流指令値に基づいてステアリング機構に操舵補助力を付与するモータを制御するモータ系制御部とを具備した電動パワーステアリング装置の制御装置において、SAT値を求めるSAT推定部若しくはSAT測定部と、前記SAT値を入力するバンドパスフィルタを含む伝達関数部と、前記伝達関数部からの出力を位相調整する位相調整部と、前記位相調整部の出力ゲインを変化させるゲイン部とを設け、前記ゲイン部の出力を前記電流指令値に加算する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の操舵系にモータによる操舵補助力(アシストトルク)を付与するようにした電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、特に路面からの外乱振動を抑制した快適な操舵性能が得られる電動パワーステアリング装置の制御装置に関する。
車両のステアリング装置をモータの回転力で補助負荷付勢する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を、減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に補助負荷付勢するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、アシストトルクを正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、電流指令値とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデュ−ティ比の調整で行っている。
ここで、電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図5に示して説明すると、操向ハンドル1のコラム軸2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4A及び4B、ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロッド6に連結されている。コラム軸2には、操向ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、操向ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット100には、バッテリ14から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力され、コントロールユニット100は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTrと車速センサ12で検出された車速Velとに基づいてアシスト指令の操舵補助指令値(電流指令値)Iの演算を行い、演算された操舵補助指令値(電流指令値)Iに基づいてモータ20に供給する電流を制御する。
このような電動パワーステアリング装置において、従来は例えば特開平8−290778号公報に示すように、コントロールユニット100内のロバスト安定化補償器により、システムの安定性と路面情報及び外乱情報の感度特性が同時に設計されるようになっている。
しかしながら、かかる従来の制御装置では、ステアリング中立点付近の操舵時の反力が小さいため、摩擦の影響により、路面情報をドライバに正確に伝えることが困難である。また、従来の電動パワーステアリング装置では、操舵角と操舵力との間のヒステリシス特性を、油圧式パワーステアリング並みの特性にすることが困難である。
このような問題を解決する装置として、特開2002−369565号公報(特許文献1)に開示されているものがある。
特許文献1に開示されている装置の概略を図6に示して説明する。ステアリング装置の補助操舵力(アシストトルク)を発生するモータ20はモータ駆動部21によって駆動され、モータ駆動部21は二点鎖線で示すコントロールユニット100で制御され、コントロールユニット100にはトルクセンサ10からの操舵トルクTr及び車速センサ12等の車速検出系からの車速Velが入力される。モータ20では、モータ端子間電圧Vm及びモータ電流値iが計測されて出力される。
コントロールユニット100は操舵トルクTr及び車速Velを用いて制御を行う破線で示すトルク系制御部110と、モータ20の駆動に関連した制御を行う一点鎖線で示すモータ系制御部120とで構成されている。トルク系制御部110はアシスト量演算部111、微分制御器112、ヨーレート収れん性制御部113、ロバスト安定化補償部114及びセルフアライニングトルク(SAT)推定フィードバック部115によって構成され、加算器116A及び116B、減算器116Cを具備している。また、モータ系制御部120は補償器121、外乱推定器122、モータ角速度推定部123、モータ角加速度推定部(微分器)124及びモータ特性補償部125で構成され、加算器126A及び126Bを具備している。
操舵トルクTrはアシスト量演算部111、微分制御器112、ヨーレート収れん性制御部113及びSAT推定フィードバック部115に入力され、いずれも車速Velをパラメータ入力としている。アシスト量演算部111は操舵トルクTrに基づいてアシストトルク量となる操舵補助指令値Ir0を演算し、ヨーレート収れん性制御部113は操舵トルクTr及びモータ角速度の推定値ωを入力とし、車両のヨーの収れん性を改善するために、ハンドルが振れ回る動作に対してブレーキをかけるようになっている。また、微分制御器112はステアリングの中立点付近の制御の応答性を高め、滑らかでスムーズな操舵を実現するようになっており、SAT推定フィードバック部115は操舵トルクTrと、アシスト量演算部111の出力である操舵補助指令値Ir0に微分制御器112の出力を加算器116Aで加算した操舵補助指令値Ir1と、モータ角速度推定部123で推定された角速度推定値ωと、モータ角加速度推定部124からの角加速度推定値*ωとを入力して車両のSATを推定し、推定したSAT推定値*SATをフィードバックフィルタを用いて信号処理し、ハンドルに適切な路面情報を反力として電流指令値Ir3に与えるようになっている。
また、アシスト量演算部111の操舵補助指令値Ir0に微分制御器112の出力を加算器116Aで加算した操舵補助指令値Ir1に、ヨーレート収れん性制御部113の出力を加算器116B7で加算した操舵補助指令値Ir2をロバスト安定化補償部114に入力している。ロバスト安定化補償部114は例えば特開平8−290778号公報に示されている補償部であり、検出トルクに含まれる慣性要素とばね要素で成る共振系の共振周波数におけるピーク値を除去し、制御系の応答性と安定性を阻害する共振周波数の位相のズレを補償するものである。ロバスト安定化補償部114の出力Ir3からSAT推定フィードバック部115からのSAT推定値*SATを減算器116Cで減算することで、路面情報を反力としてハンドルに伝えることができる電流指令値Iraが得られる。
更に、モータ角速度推定部123はモータ端子間電圧Vm及びモータ電流値iに基づいてモータ角速度ωを推定するものであり、モータ角速度ωはモータ角加速度推定部124、ヨーレート収れん性制御部113及びSAT推定フィードバック部115に入力される。モータ角加速度推定部124では、入力されたモータ角速度ωに基づいてモータ角加速度を推定し、推定したモータ角加速度*ωはモータ特性補償部125に入力される。モータ特性補償部125の出力Icにトルク系制御部110からの電流指令値Iraが加算器126Aで加算され、その加算結果である電流指令値Irbが微分補償器等で成る補償器121に入力される。補償器121で補償された電流指令値Ircに外乱推定器122の出力DSを加算器126Bで加算した電流指令値Irdがモータ駆動部21及び外乱推定器122に入力される。外乱推定器122は特開平8−310417号公報で示されるような装置であり、モータ出力の制御目標である補償器121で補償された電流指令値Ircに外乱推定器122の出力DSを加算した電流指令値Irdと、モータ電流値iとに基づいて、制御系の出力基準における希望するモータ制御特性を維持することができ、制御系の安定性を失うことがないようにしている。
ここで、路面からステアリングまでの間に発生するトルクの様子を図7に示して説明する。ドライバが操向ハンドル1を操舵することによって操舵トルクTrが発生し、その操舵トルクTrに従ってモータ20がアシストトルクTmを発生する。その結果、車輪が転舵され、反力としてSATが発生する。また、その際、モータ20の慣性J及び摩擦(静摩擦)Frによってハンドル操舵の抵抗となるトルクが生じる。これらの力の釣り合いを考えると、下記(1)式のような運動方程式が得られる。

J・*ω + Fr・sign(ω) + SAT = Tm + Tr …(1)

ここで、上記(1)式を初期値ゼロとしてラプラス変換し、SATについて解くと下記(2)式が得られる。

SAT(s) = Tm(s) + Tr(s) − J・*ω(s) + Fr・sign(ω(s)) …(2)

上記(2)式から分るように、モータ20の慣性J及び静摩擦Frを定数として予め求めておくことで、モータ回転角速度ω、モータ回転角加速度*ω、操舵補助力(操舵補助指令値Ir1、Ir2)及び操舵トルクTrよりSATを推定することができる。かかる理由より、SAT推定フィードバック部115には操舵トルクTr、モータ角速度ω、モータ角加速度*ω、アシスト量演算部111からの操舵補助指令値Ir1がそれぞれ入力されている。
また、SAT推定フィードバック部115で推定したSAT推定値*SATをそのままフィードバックした場合、ステアリングが重くなり過ぎるため、操舵感覚を向上することはできない。そのため図8に示すように、車速感応ゲインと周波数特性を有するフィードバックフィルタ115Aを用いてSAT推定値*SATを信号処理し、操舵感覚を向上するのに必要十分な情報のみをフィードバックする。ここで用いるフィードバックフィルタは静特性ゲインとして、推定したSATの大きさを必要十分な値に減少させるゲインを持つQフィルタ(位相遅れ)115Bと、図9に示すような車速Vに感応したゲイン部115Cを持ち、据え切りや低速走行といった路面情報の重要性が比較的低い場合には、フィードバックする路面情報を小さくしている。
特開2002−369565号公報 特開2002−145075号公報 特開2002−161969号公報 特開2003−40120号公報 特開2001−334948号公報
上述の特許文献1に記載の装置では、抑制したい外乱が存在する周波数帯域と、伝えたい外乱が存在する周波数帯域とを両立するようにSAT推定のフィードバックを構成しているが、抑制したい外乱を積極的に打ち消すという機能はない。
一方、車両では、通常制動時及び定常走行時に、乗員に不快感を与えるブレーキジャダーとシミーが発生する。ブレーキジャダーは車両の制動時に発生するフロア・ペダル振動のことで、ステアリング回転方向に振動を伴う場合もある。ブレーキディスクのDTV(Disk Thickness Variation)により発生する制動トルク変動が起振源で、車輪の回転の1次成分及び高次成分を有する。これがサスペンションの前後の共振などで増幅され、車体やステアリングシステムを伝達して、フロア・ペダル振動やステアリング振動となる。また、シミーは車両走行時にステアリング回転方向に発生する振動のことであり、タイヤ・ホイールなどの回転部分のアンバランスやノンユニフォミティが起振源となり、サスペンション共振で増幅され、ステアリングシステムを介してステアリング回転方向の振動となる。
このようなブレーキジャダーやシミーについて特許文献1の装置では何ら考慮しておらず、特開2002−145075(特許文献2)や特開2002−161969(特許文献3)ではブレーキジャダーやシミーの振動を減衰させる装置を開示しているが、いずれも機械的な対応であり、コストアップになると共に、車速感応といったきめ細かな抑制ができないという問題がある。
また、特開2003−40120号公報(特許文献4)は、モータの慣性モーメントをある範囲内に設定し、外乱感度を低減するようにしている。特開2001−334948号公報(特許文献5)は、相補感度関数の整形によって外乱感度を低減するようにしている。
更に、ステアリング系の慣性や摩擦が大きい場合はブレーキジャダーによる振動はステアリング・ホイールまで伝わらないが、良好な操舵フィーリングや車両安定性のためには、ステアリング系の慣性や摩擦は極力小さいことが望ましい。
上述のように従来(特許文献4、特許文献5)は、電動パワーステアリングの制御方法の工夫により路面からの外乱をハンドルに伝え難くすることを目指しているが、下記の理由により外乱抑制性能には限界がある。外乱を抑えるには、外乱と補償信号の位相が重要である。位相が合わないと、外乱を増加することになるからである。外乱を抽出するためには、例えばバンドパスフィルタが必要であるが、フィルタの特性によって位相が変わってしまう。また、コラム軸に作用した外乱信号をモータの挙動で推定しようとすると、減速機の歯車のガタやヒステリシス特性により推定外乱の位相が遅れる問題がある。
このように補償信号の位相が変化してしまうと、外乱を増加してしまう周波数帯が発生してしまい背反を生じる。このトレードオフのために外乱抑制効果には限界がある。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、外乱の周波数帯域の全域において外乱振動を抑制できるようにして快適な操舵性能が得られる電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
本発明は、ステアリングシャフトに発生する操舵トルク及び車速に基づいて操舵補助指令値を演算し、前記操舵補助指令値を用いてトルク制御を行う電流指令値を求めるトルク系制御部と、前記電流指令値に基づいてステアリング機構に操舵補助力を付与するモータを制御するモータ系制御部とを具備した電動パワーステアリング装置の制御装置に関し、本発明の上記目的は、SAT値を求めるSAT推定部若しくはSAT測定部と、前記SAT値を入力するバンドパスフィルタを含む伝達関数部と、前記伝達関数部からの出力を位相調整する位相調整部と、前記位相調整部の出力ゲインを変化させるゲイン部とを設け、前記ゲイン部の出力を前記電流指令値に加算することにより達成される。
また、本発明の上記目的は、前記SAT推定部が、モータ回転角速度、モータ回転角加速度、前記操舵補助指令値及び操舵トルクに基づいて前記SAT値を推定することにより、或いは前記位相調整部は、前記伝達関数部の出力の大きさを求める信号量計算部と、前記信号量計算部の出力を所定時間遅延させる信号遅延量計算部と、前記所定時間だけ前記SAT値を遅延させる信号遅延発生部とで構成されていることにより、或いは前記伝達関数部及びゲイン部が更に前記車速に感応して変化するようになっていることにより、或いは補正開始信号を受けたときに前記加算を実行するようになっていることにより、より効果的に達成される。
本発明によれば、セルフアライニングトルク(SAT)の推定を行うSAT推定部若しくはセンサによる測定を行うSAT測定部を設け、このSAT推定部で推定されたSAT推定値若しくはSAT測定部で測定されたSAT値を位相調整部で位相調整し、位相調整されたSAT値をゲイン部でゲイン調整して電流指令値に加算するようになっており、外乱発生の全ての周波数帯域で信号処理を実行することができるので、ブレーキジャダーやシミーの抑制を図ることができると共に、外乱抑制効果を上げることができる。
SATは電動パワーステアリングへの外乱のように見えるため、外乱オブザーバ構成でSATの推定を行う。特許文献2の外乱オブザーバでは、ドライバにフィードバックしたい低周波数域をQフィルタで選択している。
本発明ではSAT推定値にバンドパスフィルタを含む伝達関数部と位相調整部を介挿し、ドライバに伝えたくない反力を打ち消すようにモータを制御し、ブレーキジャダーやシミーの抑制を図る。SAT推定値を外乱として積極的に打ち消すことにより操舵フィーリングが向上する。
また、車速(高中低)でSATの特性やドライバに伝えたくない路面情報の特性が変化するため、車速に応じてフィードバック特性を変化させても良い。
以下に本発明の実施例を、図6に対応させた図1を参照して説明する。図6と同一部には同一符号を付して、説明を省略する。
本発明では、SAT推定部117は操舵トルクTr、モータ角速度ω、モータ角加速度*ω及び加算器116Aの加算結果である操舵補助指令値Ir1を入力してSATを推定し、そのSAT推定値*SATをフィードバック部118を経て、SAT推定値*SATcとして加算器116Dにおいて操舵補助指令値Ir3と加算し、加算器116Dの加算結果を電流指令値Iraとして出力している。
フィードバック部118の構成は例えば図2に示すようになっている。即ち、SAT推定部117からのSAT推定値*SATを入力して所定周波数成分を出力するバンドパスフィルタ(BPF)を含む伝達関数部118−1と、伝達関数部118−1から出力されるSAT値*SAT1の大きさ(振幅)Dを計算する信号量計算部118−2と、大きさDに応じて遅延量Ddを計算する信号遅延量計算部118−3と、SAT値*SAT1及び遅延量Ddを入力して遅延させる信号遅延発生部118−4と、信号遅延発生部118−4で遅延されたSAT値*SAT2にゲインKを乗算するゲイン部118−5とで構成されている。
なお、信号量計算部118−2、信号遅延量計算部118−3及び信号遅延発生部118−4とで位相調整部を構成している。信号量計算部118−2は一定時間における最大値を計測する等の方法で、外乱の振幅を計算する。また、信号遅延量計算部118−3は大きさ(振幅)Dが小さくなるように遅延量Ddを計算し、具体的には遅延量Ddを徐々に変化させて大きさ(振幅)Dが小さくなる遅延量Ddを決定する。信号遅延発生部118−4は、外乱信号を遅延量Ddだけ遅延させる。
また、SAT推定部117は操舵補助指令値Ir1を入力する“ギア比×トルク定数”のブロック117−1と、操舵トルクTrを加算する加算部117−2と、慣性Jを示すブロック117−3と、減算部117−4と、摩擦(静摩擦)Frを示すブロック117−5と、減算部117−6とで構成されている。
シミーやブレーキ振動は、車速やサスペンション特性との関係から振動の大きい周波数範囲がほぼ特定されるため、それらをSAT値から抽出するフィルタとして図3に示すような特性を有するバンドパスフィルタを用いる。つまり、図3の周波数範囲FAを通過させ、他の周波数範囲を遮断する特性のバンドパスフィルタを用いる。しかし、このようなバンドパスフィルタでは外乱振動をなくしたい周波数の位相が大きく変化し、周波数によって外乱振動の抑制具合が大きく変化する。また、コラム軸に作用した外乱振動をモータの挙動を基に推定しようとすると、減速機の歯車のガタやヒステリシス特性により、推定外乱の位相が遅れるという問題もある。そのため、本発明では伝達関数部118−1の後段に位相調整部を設け、外乱振動補償の位相を外乱振動が小さくなるように設定して、抑制効果を高めるようにしている。
このような構成において、SAT推定部117は操舵トルクTr、モータ角速度ω、モータ角加速度*ω及び操舵補助指令値Ir1を入力してSATを推定するが、その推定は前述した(2)式による。推定されたSAT推定値*SATはフィードバック部118のバンドパスフィルタを含む伝達関数部118−1に入力され、これによりブレーキジャダーやシミーに関連した周波数成分のみが通過し、ブレーキジャダーやシミーの抑制を行うことができる。所定周波数成分のみが通過した伝達関数部118−1の出力であるSAT値*SATは信号量計算部118−2及び信号遅延発生部118−4に入力される。
信号遅延発生部118−4で遅延されたSAT値*SAT2はゲイン部118−3に入力されてゲインG倍され、SAT推定値*SATcとして出力される。SAT推定値*SATcは加算器116Dで操舵補助指令値Ir3と加算され、電流指令値Iraとしてモータ系制御部120に入力される。
従来(特許文献2)では、ドライバにフィードバックしたい低周波数域の外乱をQフィルタで選択しているが、これは不快な振動(ブレーキジャダーやシミー)を打ち消すことにはならない。そのため、本発明では、反力推定値としてのSAT推定値*SATにバンドパスフィルタを含む伝達関数部118−1を通過させ、ドライバに伝えたくない反力成分を抽出して電流指令値に加算して補正する。これにより、ドライバに伝えたくない反力成分を打ち消すことができる。SAT推定値*SATをそのまま加算すると良好に低減できないため、位相調整の後でゲインGを乗じて加算している。
また、車両の低速走行、中速走行或いは高速走行時ではSATの特性や不快な振動、ドライバに感受させたくない路面情報の特性がタイヤの回転数(速度)に応じて変化するため、図4に示すように車速信号Velに応じて伝達関数部118−1のフィルタ特性やゲインGを切替えるようにしても良い。つまり、車速感応型のフィードバック部を構成しても良い。この場合、高速時はバンドパスフィルタ118−1のカットオフ周波数を高くすると共に、ゲインGも大きくし、低速時はバンドパスフィルタ118−1のカットオフ周波数を低くすると共に、ゲインGも小さくする。このようなアクティブな振動制御は、制御系をうまく設計しないと振動を助長してしまう。そのため、外部のコントローラ(例えばABSコントローラ)からの補正開始信号を利用して、高速走行時の制動など振動が発生し易い状況のときにのみ補正を行うようにしても良い。
以上説明したように本発明では、SAT推定値*SATにバンドパスフィルタを含む伝達関数部118−1を介挿し、その出力を位相調整し、更にゲイン部118−5でゲイン調整してSATのフィードバックをしているので、ブレーキジャダーやシミーを抑制することができ、路面からの外乱振動を広い範囲で抑制できると共に、高速走行時においても外乱振動を抑制することができる。
なお、上述の各実施例ではSATをSAT推定部117で推定するようにしているが、センサによる測定でSATを求めるようにしても良い。
本発明の実施例を示すブロック構成図である。 本発明に使用するフィードバック部の構成例を示すブロック構成図である。 本発明の位相調整部の機能を説明するための図である。 本発明に使用するフィードバック部の他の構成例を示すブロック構成図である。 一般的なステアリン機構例を示す図である。 従来装置の構成例を示すブロック図である。 路面からステアリングまでの間に発生するトルクの様子を示す模式図である。 フィードバック部の構成例を示す図である。 フィードバックフィルタの特性例を示す図である。
符号の説明
1 操向ハンドル
3 減速ギア
10 トルクセンサ
12 車速センサ
20 モータ
21 モータ駆動部
100 コントロールユニット
110 トルク系制御部
111 アシスト量演算部
112 微分制御器
113 ヨーレート収れん性制御部
114 ロバスト安定化補償部
115 SAT推定フィードバック部
117 SAT推定部
118 フィードバック部
118−1 伝達関数部
118−2 信号量計算部
118−3 信号遅延量計算部
118−4 信号遅延発生部
118−5 ゲイン部
120 モータ系制御部
121 補償器
122 外乱推定器
123 モータ角速度推定部
124 モータ角加速度推定部
125 モータ特性補償部

Claims (5)

  1. ステアリングシャフトに発生する操舵トルク及び車速に基づいて操舵補助指令値を演算し、前記操舵補助指令値を用いてトルク制御を行う電流指令値を求めるトルク系制御部と、前記電流指令値に基づいてステアリング機構に操舵補助力を付与するモータを制御するモータ系制御部とを具備した電動パワーステアリング装置の制御装置において、SAT値を求めるSAT推定部若しくはSAT測定部と、前記SAT値を入力するバンドパスフィルタを含む伝達関数部と、前記伝達関数部からの出力を位相調整する位相調整部と、前記位相調整部の出力ゲインを変化させるゲイン部とを設け、前記ゲイン部の出力を前記電流指令値に加算するようになっていることを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 前記SAT推定部は、モータ回転角速度、モータ回転角加速度、前記操舵補助指令値及び操舵トルクに基づいて前記SAT値を推定するようになっている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 前記位相調整部は、前記伝達関数部の出力の大きさを求める信号量計算部と、前記信号量計算部の出力を所定時間遅延させる信号遅延量計算部と、前記所定時間だけ前記SAT値を遅延させる信号遅延発生部とで構成されている請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  4. 前記伝達関数部及びゲイン部が更に前記車速に感応して変化するようになっている請求項1乃至3のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  5. 補正開始信号を受けたときに前記加算を実行するようになっている請求項1乃至4のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
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