JP6112275B1 - 電動パワーステアリング機構を用いた運転支援制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング機構を用いた運転支援制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車両軌道の予測性を高める条件を基に操舵トルク情報を運転者の特性に適応させることにより、目標軌道に対する追従性を改善し、操舵運転の安全性を向上させる電動パワーステアリング機構を用いた運転支援制御装置を提供する。【解決手段】セルフアライニングトルクを推定するSAT推定部と、セルフアライニングトルク伝達特性の時定数を所望の値にするためにセルフアライニングトルクを補正し、操舵トルクを補償するSAT伝達特性制御部と、セルフアライニングトルクに含まれる外乱を抑圧し、操舵トルクを補償する外乱感度制御部と、車両特性が1次遅れ特性となるように、実舵角により操舵トルクを補償する車両特性補償制御部とを備える。【選択図】図4

Description

本発明は、電流指令値に基づいてモータを駆動して操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング機構を用いた運転支援制御装置に関し、特に運転者が認識する目標軌道への車両軌道の追従性を向上させる電動パワーステアリング機構を用いた運転支援制御装置に関する。
車両の操舵系をモータの回転力でアシスト制御する電動パワーステアリング装置(EPS)は、モータの駆動力で減速機を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に操舵補助力(アシスト力)を付与するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置は、操舵補助力のトルクを正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、電流指令値とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデューティの調整で行っている。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5、タイロッド6a,6bを経て、更にハブユニット7a,7bを介して操向車輪8L,8Rに連結されている。また、コラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10及び操舵角θを検出する舵角センサ14が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速ギア3を介してコラム軸2に連結されている。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット(ECU)30には、バッテリ13から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー(IG)信号が入力される。コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTsと車速センサ12で検出された車速Vとに基づいてアシスト(操舵補助)指令の電流指令値の演算を行い、電流指令値に補償等を施した電圧制御指令値Vrefによって、EPS用モータ20に供給する電流を制御する。
なお、舵角センサ14は必須のものではなく、配設されていなくても良く、また、モータ20に連結されたレゾルバ等の回転センサから操舵角を取得することも可能である。
コントロールユニット30には、車両の各種情報を授受するCAN(Controller Area Network)100が接続されており、車速VはCAN100から受信することも可能である。また、コントロールユニット30には、CAN100以外の通信、アナログ/ディジタル信号、電波等を授受する非CAN101も接続可能である。
コントロールユニット30は主としてMCU(CPU、MPU等も含む)で構成されるが、そのMCU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図2のようになる。
図2を参照してコントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTs及び車速センサ12で検出された(若しくはCAN100からの)車速Vは、電流指令値Iref1を演算する電流指令値演算部31に入力される。電流指令値演算部31は、入力された操舵トルクTs及び車速Vに基づいてアシストマップ等を用いて、モータ20に供給するモータ電流の制御目標値である電流指令値Iref1を演算する。電流指令値Iref1は加算部32Aを経て電流制限部33に入力され、最大電流を制限された電流指令値Irefmが減算部32Bに入力され、フィードバックされているモータ電流値Imとの偏差ΔI(=Irefm−Im)が演算され、その偏差ΔIが操舵動作の特性改善のためのPI(比例積分)制御部35に入力される。PI制御部35で特性改善された電圧制御指令値VrefがPWM制御部36に入力され、更に駆動部としてのインバータ37を介してモータ20がPWM駆動される。モータ20のモータ電流値Imはモータ電流検出器38で検出され、減算部32Bにフィードバックされる。インバータ37は駆動素子としてFETが用いられ、FETのブリッジ回路で構成されている。
加算部32Aには補償信号生成部34からの補償信号CMが加算されており、補償信号CMの加算によって操舵システム系の特性補償を行い、収れん性や慣性特性等を改善するようになっている。補償信号生成部34は、セルフアライニングトルク(SAT)34−3と慣性34−2を加算部34−4で加算し、その加算結果に更に収れん性34−1を加算部34−5で加算し、加算部34−5の加算結果を補償信号CMとしている。
このような電動パワーステアリング装置を運転支援制御装置として位置付けて、操舵運転の支援を行うものとして活用することができる。また、操舵運転とは車両軌道を運転者が認識する目標軌道に追従することであり、操舵運転の安全とは追従誤差が受容できる範囲に収まっていることと定義することができる。そして、操舵運転の安全を向上させるためには、運転者による車両軌道の予測が重要で、この予測性を高めるべく支援することが運転支援制御装置に求められる。
このような観点で運転者の操舵運転を支援する装置が提案されている。例えば、特許第5291640号公報(特許文献1)では、ハンドルの舵角に対するヨーレートの特性を設定し、前方注視時間後の目標到達点の方向とハンドルの基準位置の方向とを一致させることにより、車両と運転者の一体感や操作性等の向上を図っている。つまり、目標軌道の曲率とハンドル舵角が一致するように、運転者から見た車両特性がニュートラルステア特性になるように制御している。
特許第5291640号公報
しかしながら、特許文献1に開示された装置では、所望の制御を行うためには、車輪とハンドルの機械的なリンクを切る必要があり、ステアリングギア比可変機構やSBW(Steer-By-Wire)機構等を装備した高級車に対して有効な運転支援技術となっており、電動パワーステアリング装置を搭載した一般車への応用が困難である。
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、電動パワーステアリング装置を活用することを前提に、本発明の目的は、車両軌道の予測性を高める条件を基に操舵トルク情報を運転者の特性に適応させることにより、目標軌道に対する追従性を改善し、操舵運転の安全性を向上させる電動パワーステアリング機構を用いた運転支援制御装置を提供することにある。
本発明は、少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値を演算し、前記電流指令値に基づいてモータを駆動して操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング機構を用いた運転支援制御装置に関し、本発明の上記目的は、セルフアライニングトルクを推定するSAT推定部と、セルフアライニングトルク伝達特性の時定数を所望の値にするために前記セルフアライニングトルクを補正し、補正された前記セルフアライニングトルクにより前記操舵トルクを補償し、補償操舵トルク1として出力するSAT伝達特性制御部と、前記セルフアライニングトルクに含まれる外乱を抑圧し、前記外乱を抑圧された前記セルフアライニングトルクにより前記補償操舵トルク1を補償し、補償操舵トルク2として出力する外乱感度制御部と、実舵角からヨーレートまでの車両特性が1次遅れ特性となるように、検出された実舵角により前記補償操舵トルク2を補償する車両特性補償制御部とを備えることにより達成される。
本発明の上記目的は、前記車両特性補償制御部は、前記車両特性にダンピングを与える特性Cf(s)を用いて前記補償操舵トルク2を補償し、ヨーレートの減衰率が電動パワーステアリング機構の固有振動数に応じて変化する中で最も高い減衰率に近くなるように前記特性Cf(s)が調整されていることにより、或いは前記特性Cf(s)は、前記ヨーレートの減衰率が略0.8で、ヨーレートの固有振動数が略2Hzから略4Hzとなるように調整されていることにより、或いは前記SAT伝達特性制御部は外乱オブザーバとして構成されることにより、或いは前記SAT伝達特性制御部は、所望の前記時定数で定義される伝達特性を用いて前記操舵トルクを補償することにより、或いは前記外乱感度制御部は抑圧する外乱毎に制御器を具備することにより、或いは前記外乱感度制御部が抑圧する外乱の1つが小振幅トルク振動による小振幅外乱であり、前記小振幅外乱に対する前記制御器は構造減衰モデルで構成されることにより、或いは前記外乱感度制御部が抑圧する外乱の1つがサスペンション前後方向共振点で励起される共振点外乱であり、前記共振点外乱に対する前記制御器は外乱オブザーバとして構成されることにより、或いは前記外乱感度制御部が抑圧する外乱の1つが道路カントによるカント外乱であり、前記カント外乱に対する前記制御器は車両の直進状態検出及び前記セルフアライニングトルクのオフセット補正を行うことにより、より効果的に達成される。
本発明の電動パワーステアリング機構を用いた運転支援制御装置によれば、車両軌道の予測性を高める条件を基に制御部を構成し、操舵トルク情報を運転者の特性に適応させることにより、目標軌道に対する追従性を改善し、操舵運転の安全性を向上させることができる。
電動パワーステアリング装置の概要を示す構成図である。 電動パワーステアリング装置のコントロールユニット(ECU)の構成例を示すブロック図である。 弱アンダーステア特性をもつ車両の操舵トルクに対するヨーレート特性を測定した結果を示す特性図である。 本発明の構成例を示すブロック図である。 路面からステアリングまでの間に発生するトルクの様子を示すイメージ図である。 ヨーレートのフィードバックにより車両特性を1次遅れ特性に単純化する場合の構成を示すブロック図である。 実舵角のフィードバックにより図6に示される構成と同等の制御を行う場合の構成を示すブロック図である。 SAT伝達特性制御部を外乱オブザーバで構成した場合のブロック図である。 図8に示される構成において、外乱オブザーバの推定値と実際の外乱が等しい場合の構成を示すブロック図である。 小振幅外乱制御器を構造減衰モデルで実現した場合の構成を示すブロック図である。 共振点外乱制御器を外乱オブザーバとした場合の構成を示すブロック図である。 図11に示される構成において、外乱オブザーバの推定値と実際の外乱が等しい場合の構成を示すブロック図である。 カント外乱制御器を備えた構成を示すブロック図である。 本発明の構成例の詳細を示すブロック図である。 本発明の動作例を示すフローチャートである。
本発明では、車両軌道の予測性を高める条件(以下、「予測向上条件」とする)を基に操舵トルク情報を運転者の特性に適応させる。車両軌道の予測では、従来の視覚情報に加え、操舵トルク情報も使用されていると想定されることから、操舵トルク情報を対象としている。そして、予測向上条件として、「運転者から見た車両特性が1次遅れ特性に単純化できる」(以下、「条件1」とする)、「ヨーレートに対する操舵トルクの伝達特性の時定数が適切な範囲にある」(以下、「条件2」とする)及び「外乱に対する車両軌道の予測誤差の感度を運転者が受容できる範囲に管理できる」(以下、「条件3」とする)が挙げられる。
以下、各条件について説明する。
まず、条件1について説明する。
一般的に、操舵運転上、車両特性としては弱アンダーステア特性が望ましいことが知られている。そして、弱アンダーステア特性の減衰率は0.8程度である。減衰率が0.8の特性は、特性がややオーバーシュートすることにより、横風等の外乱に対する横変位が修正されるようになり、運転者が意図的に操舵する操舵時や外乱によって操舵されてしまう被操舵時のいずれにおいても良好な特性である。この弱アンダーステア特性は、減衰率が1である1次遅れ特性に近似して扱うことが可能であるので、車両特性が1次遅れ特性に単純化できれば、操舵感が良好となり、車両軌道の予測性も高めることができる。これより、条件1が導き出されている。ここで、車両特性は、実舵角からヨーレートまでの伝達特性で定義される。
次に、条件2について説明する。
車両軌道予測では、操舵トルク情報により推定されたヨーレート情報が使用されているとして、条件1が成立しているという前提で、操舵トルクからヨーレートまでの特性を導出すると、同特性の伝達特性D(s)は下記数1となる。
Figure 0006112275
はヨーレートゲイン、Cはコンプライアンス特性、τはヨーレートの応答時定数、sはラプラス演算子である。ここで、数1で示される特性について解析する。図3は、弱アンダーステア特性をもつ操舵感が良いと評価される車両の操舵トルクに対するヨーレート特性を測定した結果である。縦軸が操舵トルクで、横軸がヨーレートで、操舵入力周波数が通常運転に相当する0.3Hz、やや急なレーンチェンジに相当する0.5Hz及びそれら以上の1.5Hzの場合の結果が示されている。本測定では約2Nm(ニュートンメートル)の操舵トルクからアシスト力が発生している。図3より、操舵入力周波数がヨーレート固有振動数以下の0.3Hz及び0.5Hzでは、操舵トルクとヨーレートがほぼ比例しており、周波数による変化も見られないことがわかる。操舵入力周波数がヨーレート固有振動数以上である1.5Hzでは、位相遅れによる楕円形状とゲインの低下が見られる。よって、遅れ特性が1.5Hz辺りから出てくる数1で示される特性は図3の特性とほぼ一致すると考えられる。また、図3の車両は操舵に一体感があると評されているので、ヨーレートに対する操舵トルクの伝達特性の時定数を適切に設定すれば、一体感をもった操舵が可能となり、車両軌道の予測性も高めることができる。これより、条件2が導き出されている。なお、車両のヨーレート固有振動数は、電動パワーステアリング装置のモータを除いた場合のハンドルの自由振動での振動周波数である。また、ヨーレートに対する操舵トルクの伝達特性は、操舵角を入力とした周波数スイープ(一定の割合で周波数を変化させる)を行い、その時のヨーレートに対する操舵トルクを測定することにより導出することができる。
最後に、条件3について説明する。
目標軌道に対する車両軌道の誤差の発生要因を外乱とする場合、外乱には操舵運転安全に必要な運転環境情報が含まれている。よって、運転者が外乱を情報として認識し、かつ目標軌道に対する追従性が阻害されないレベルに管理する必要がある。また、車両挙動に関わる情報伝達と外乱に対する感度低減はトレードオフの関係にあるので、これらのことを踏まえて、条件3が導き出されている。
本発明では、上記3つの条件(条件1、条件2、条件3)に対して、各条件を満たすための機能を有する制御部を備えている。具体的には、条件1に対しては車両特性補償制御部、条件2に対してはSAT伝達特性制御部、条件3に対しては外乱感度制御部がそれぞれ条件を満たすための処理を行う。各制御部は操舵トルク情報を運転者の特性に適応させるために処理を行うが、検出された操舵トルクに対して、SAT伝達特性制御部、外乱感度制御部、車両特性補償制御部の順で処理が行われる。
このように、操舵トルク情報を用いた車両軌道の予測の重要性から導かれた予測向上条件を満たす機能を用いて、検出された操舵トルクを補償することにより、目標軌道に対する追従性を改善し、操舵運転の安全性を向上させることができる。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図4は本発明の実施形態の構成例を示している。なお、電流指令値演算部31は、図2に示されている電流指令値演算部31と同一構成であるので、説明は省略する。また、電流指令値演算部31以降の構成及び動作は、図2に示されている構成及び前述の動作と同じである。
SAT推定部70は、操舵トルクTs、アシストトルクTm、モータ角速度ωm及びモータ角加速度αmよりセルフアライニングトルク(SAT)TSATを推定する。SAT伝達特性制御部40は、推定されたSAT TSATを基に条件2を満たすように操舵トルクTsを補償し、補償操舵トルクTs1を出力する。外乱感度制御部50は、推定されたSAT TSAT、ステアリング角θg及び車速Vを基に条件3を満たすように補償操舵トルクTs1を補償し、補償操舵トルクTs2を出力する。車両特性補償制御部60は、実舵角θtを基に条件1を満たすように補償操舵トルクTs2を補償し、補償操舵トルクTs3を電流指令値演算部31に出力する。
各部について、詳細に説明する。
SAT推定部70においては、例えば特許第4192442号公報に示されているものを適用することができる。その概略を説明する。
路面からステアリングまでの間に発生するトルクの様子は図5に示されるようになっており、運転者がハンドルを操舵することによって操舵トルクTsが発生し、その操舵トルクTsに従ってモータがアシストトルクTmを発生する。その結果、車輪が転舵され、反力としてSATが発生する。その際、モータの慣性J及び摩擦(静摩擦)Frによってハンドル操舵の抵抗となるトルクが生じる。これらの力の釣り合いから、下記数2のような運動方程式が得られる。
Figure 0006112275
ここで、上記数2を初期値ゼロとしてラプラス変換し、TSATについて解くと下記数3が得られる。
Figure 0006112275
上記数3からわかるように、モータの慣性J及び静摩擦Frを定数として予め求めておくことで、モータ角速度ωm、モータ角加速度αm、アシストトルクTm及び操舵トルクTsよりSAT TSATを推定することができる。
なお、推定されたSATをそのままフィードバックした場合、ステアリングが重くなり過ぎ、操舵感覚を向上することができない場合があるので、周波数特性を有するフィルタを用いてSAT TSATを信号処理し、操舵感覚を向上するのに必要十分な情報のみを出力するようにしても良い。また、本方法以外の方法で、SATを推定しても良い。
次に、車両特性補償制御部60について説明する。
車両特性補償制御部60が対象とする条件1は車両特性に関する条件である。車両特性は実舵角からヨーレートまでの伝達特性で定義され、二輪モデルにおける実舵角θtからヨーレートrまでの伝達特性は下記数4となる。
Figure 0006112275
Figure 0006112275
Figure 0006112275
Figure 0006112275
はゲイン、τはヨーレート時定数、ξはヨーレートの減衰率(ダンピング項)、ωはヨーレート固有振動数、Lはホイールベース、Kf及びKrはそれぞれ前輪及び後輪のコーナリングパワー、mは車両質量、Iは車両のヨー慣性モーメント、Lf及びLrはそれぞれ前車軸及び後車軸重心点間距離である。
この車両特性に対して、例えば減衰率に基づいて1次遅れ特性への単純化を行うとした場合、ヨーレートの変化率を検出し、フィードバックする必要がある。これをブロック図で表わすと、図6のようになる。図6において、TSTGは操舵トルク、gtotはトータルギア比、KSTGは定数、Vr(s)は車両特性、Cr(s)はフィードバック特性であり、gtot/KSTGをゲインとするゲイン部610、Vr(s)を有する特性部620、Cr(s)を有する特性部630及び加算部640から構成される。
しかし、電動パワーステアリング装置では直接ヨーレートを検出できず、検出できるのは実舵角であり、出力するのはアシストトルクである。よって、電動パワーステアリング機構を用いて図6と同等の制御を行うためには、図7に示される構成において、図6と等価となる特性Cf(s)を有する特性部650を設計する必要がある。図6に示される構成での伝達特性と図7に示される構成での伝達特性はそれぞれ下記数8及び数9となり、数8及び数9を等価とする特性Cf(s)は下記数10で与えられる。
Figure 0006112275
Figure 0006112275
Figure 0006112275
車両特性が1次遅れ特性で近似できるための必要条件は
Figure 0006112275
であるから、
Figure 0006112275
とする運転支援機能が必要となる。そのために、ヨーレートにダンピング(減衰)を与える。図6において、Cr(s)を下記数11として、数4に代入すると、実舵角θtからヨーレートrまでの伝達特性、即ち車両特性は下記数12となり、ダンピングが与えられる。
Figure 0006112275
Figure 0006112275
は調整ゲインである。数10及び数12より、等価となる特性Cf(s)は下記数13となる。
Figure 0006112275
特性Cf(s)を用いることにより、ヨーレートにダンピングを与えることができるが、実際のヨーレート特性は、車両のヨーレート特性とステアリング特性が直列結合した連成特性で表れるので、ステアリング特性を考慮する必要がある。つまり、ヨーレートの減衰率は、ステアリング特性を形成する電動パワーステアリング機構の固有振動数に応じて変化するので、この変化を考慮して特性Cf(s)を調整する必要がある。具体的には、電動パワーステアリング機構の固有振動数ωSTGが、ヨーレートの減衰率を最も高くする下記数14の値に近くなるように、特性Cf(s)を調整する。
Figure 0006112275
τSATはセルフアライニングトルク伝達特性の時定数である。なお、固有振動数ωSTGは、インパルス操舵(ハンドルを一瞬だけ素早く切る操作)を行って、自由振動させた場合の振動周波数である。
前述のようにヨーレートの減衰率として適切な値は略0.8である。また、運転者が操作制御対応できるヨーレートの振動(変化率)の上限は略2Hzであり、緊急操舵を想定した車両の応答性を考慮して、ヨーレートの固有振動数は略2Hzから略4Hzであることが望ましい。ここで、ヨーレートの固有振動数が略0.4Hzから略2Hzまでの場合は、運転者が制御可能である。よって、これらのことを踏まえて、特性Cf(s)を調整する。具体的には、例えばステアリング特性の極が安定かつ略2Hz以下となるように調整する。なお、ヨーレートの固有振動数が略0.4Hz以下の場合はヨーレートの制御が可能であり、ヨーレートを操舵トルクで制御できるように、ヨーレートと操舵トルクが比例関係となるようにする。これは、前述のように図3で示される特性に見られるものであるから、条件2を満たすことにより実現可能である。
車両特性補償制御部60は、図7の破線で囲まれた特性部650及び加算部660で構成される。特性部650は数13で表される特性Cf(s)を有し、特性Cf(s)を用いて実舵角θtを変換する。また、特性Cf(s)のパラメータは数14を満たすように調整されている。
次に、SAT伝達特性制御部40について説明する。
SAT伝達特性制御部40が対象とする条件2の内容は、上述のように、「ヨーレートに対する操舵トルクの伝達特性の時定数が適切な範囲にある」である。この条件に関係するヨーレート及び操舵トルクについては、両者の関係が操舵入力周波数によって変化するが、図3で示したように、弱アンダーステア特性をもつ操舵感が良いと評価される車両では、操舵入力周波数が0.3Hz及び0.5Hzでほぼ同じ特性となるので、運転者にとっては車両軌道が予測しやすいと考えられる。よって、このような特性をアンダーステア特性の車両で実現できれば良い。そのためには、「車両のヨーレート固有振動数を高く設定する」「ステアリング特性によりセルフアライニングトルク伝達特性の時定数τSATの影響を補償する」等が必要である。このうち、「τSATの影響を補償する」は電動パワーステアリング機構で実現可能であるから、SAT伝達特性制御部40はこれに対応する。
本実施形態では、SAT伝達特性制御部40を外乱オブザーバとして構成する。SATを外乱と見做し、フィードバック制御系を有する電動パワーステアリング機構では入力誤差モデルである外乱オブザーバで容易に外乱トルクを求めることができるからである。
図8はSAT伝達特性制御部を外乱オブザーバで構成した場合のブロック図である。図8において、θdは操舵角、TrSATは実際のSAT、Ktorはトーションバー剛性、C(s)はトーションバーを含んだ制御系の特性、STG(s)はステアリング特性、F(s)はフィルタ特性であり、Ktorをゲインとするゲイン部410、C(s)を有する特性部420、STG(s)を有する特性部430、STG−1(s)を有する特性部440、F(s)を有するフィルタ450、加算部460、461及び減算部462、463から構成される。推定されたSAT TSATがフィルタ450に入力され、フィルタ450にてSAT TSATを補正することによりτSATの影響を補償することになる。よって、そのような機能を実現するF(s)を設定する必要がある。
図8において、外乱オブザーバの推定値と実際の外乱が等しいと仮定すると、図9に示されるように、TSATに対して1+F(s)の特性を通したようにTSATが働くことになる。この1+F(s)を通したTSATが所望の時定数を有する特性になれば、τSATの影響を補償することができる。
ステアリング角θgに対するSAT TSATの伝達特性は、ヨーレートの減衰率が1に近いならば、下記数15で表される。
Figure 0006112275
SATはSATゲインである。そして、所望の時定数をτSATRとし、所望のSATをTSATRとすると、ステアリング角θgに対するSAT TSATの伝達特性は下記数16となる。
Figure 0006112275
SATとTSATRの間で下記数17のような関係が成立すれば、TSATは所望の時定数を有し、τSATの影響を補償することができることになる。
Figure 0006112275
数15と数16を数17に代入し、ωSAT=1/τSAT、ωSATR=1/τSATRとおいて、F(s)を求めると、下記数18となる。
Figure 0006112275
このF(s)を用いてSAT TSATを補正する。
SAT伝達特性制御部40は、図8の破線で囲まれたフィルタ450と加算部460で構成される。フィルタ450は数18で表される特性F(s)を有し、特性F(s)を用いてSAT TSATを変換する。
最後に、外乱感度制御部50について説明する。
外乱感度制御部50の目的は「外乱に対する車両軌道の予測誤差の感度を運転者が受容できる範囲に管理できる」ことであるが、上述のように外乱には必要な運転環境情報が含まれているので、全てを抑圧すれば良いというものではない。さらに、車両挙動に関わる情報伝達と外乱に対する感度低減はトレードオフの関係にあるので、そのバランスを取る必要がある。そこで、抑圧すべき外乱を特定し、その特性に応じて外乱を個別に抑圧する。
外乱感度制御部50が主に抑圧対象とする外乱は、小振幅トルク振動による外乱(小振幅外乱)、サスペンション前後方向共振点で励起される外乱(共振点外乱)及び道路カントによる外乱(カント外乱)である。
小振幅外乱は、目標軌道に対する追従性に影響を及ぼさず、運転環境情報としても大きな意味を持たないので、抑圧した方が運転者の負担を軽減できる。このような振幅(本実施形態では操舵トルクの振幅)に依存する外乱に対しては、構造減衰による抑圧が有効である。構造減衰とは力の振幅や変位の大きさに依存する摩擦のことで、内部減衰、ヒステリシス減衰と呼ばれることもあり、リサージュ波形上では振幅依存のヒステリシスとして観察される。
操舵トルク振幅依存の摩擦特性を電動パワーステアリング機構で実現するためには、SATの関数で摩擦特性を与えることになる。そのために、まず、適用すべき構造減衰モデルについて説明する。
構造減衰は、例えばゴムのような粘弾性体がもつ変位の関数で発生するエネルギー損失により起きる減衰であるから、減衰項(減衰率)を変位項でまとめると、変位と速度の位相ずれを表現するために虚数jが含まれる。そして、電動パワーステアリング機構の固有振動数が十分に大きく、かつ安定化しているならば、構造減衰モデルは、s=jωを用いると、下記数19で表される特性になる。
Figure 0006112275
はハンドル慣性の振動パラメータ、JSTGはモータ慣性の振動パラメータ、KSATは定数、ηは構造減衰係数である。上記数19では、構造減衰項を変位項に含めて表している。
jηKSATはステアリング角θgに比例した大きさではあるが、位相が90度ずれたタイミングで負荷が働くことを表している。よって、構造減衰の効果を実装するには、ステアリング角速度(θgの微分値)の関数である減衰についてθgに比例した振幅で負荷を与えれば良い。
以上より、構造減衰モデルを有する構成のブロック図は、図10のようになる。図10において、F(s)はフィルタ特性であり、Ktorをゲインとするゲイン部410、C(s)を有する特性部420、STG(s)を有する特性部430、STG−1(s)を有する特性部440、構造減衰モデル510、F(s)を有するフィルタ511、微分部512、加算部461及び減算部462、463、513から構成される。図10の破線で囲まれた構造減衰モデル510、フィルタ511、微分部512及び減算部513が、外乱感度制御部50において小振幅外乱用の制御器(以下、「小振幅外乱制御器」とする)を構成する。
具体的な小振幅外乱制御器としては、例えば特許第46964572号公報に示されているものを使用することができる。本公報記載の電動パワーステアリング装置では、SATをハンドル切増し又は切戻しの判定結果に従って正負ゲインでゲイン倍し、その信号を電流指令値から減算することによって、路面反力によるハンドル戻りに対してブレーキをかけ、ハンドルが戻り過ぎることがないようにしている。ハンドル切増し及び切戻しの判定は切増し切戻し判定部にて操舵トルク及び角速度を用いて行っており、ゲイン倍はゲイン部にてSATを入力して行っている。よって、図10における構造減衰モデル510に切増し切戻し判定部及びゲイン部の機能を持たせ、微分部512にてステアリング角θgを微分して算出されたステアリング角速度ωgの他に操舵トルクTsも入力するようにすることにより、本公報記載の方法を用いて小振幅外乱を抑圧することができる。この場合、フィルタ511は不要となるが、本公報に記載されている関数変換部の機能を持たせて、強すぎる路面反力によってハンドルが急回転する問題の解決を図っても良い。
なお、小振幅外乱制御器として、特許第46964572号公報記載のもの以外の構造減衰モデルを使用しても良い。
共振点外乱が励起されるサスペンションの前後方向の共振点は、タイヤ剛性やサスペンションのブッシュ剛性とステアリング系動特性の連成により表れる共振点である。従来、このようなサスペンションの前後方向共振点で増大するタイヤシミ―やブレーキジャダ振動に対しては、サスペンションのブッシュにダンピング特性を持ったブッシュを採用したり、サスペンションを支えるサブフレームをゴムでマウントしたりして対応されてきた。しかし、これらの方法はステアリング系に余分なコンプライアンスを与えるため、予測向上条件の条件1及び条件2が悪化するというトレードオフの問題が発生する。そこで、本実施形態では、外乱オブザーバを用いて共振点外乱を抑圧する。タイヤシミ―やブレーキジャダ振動はステアリング機構を通じてハンドルに伝わるので、逆位相の振動をモータに発生させ、相殺するような外乱オブザーバを用いる。
図11は共振点外乱用の制御器(以下、「共振点外乱制御器」とする)を外乱オブザーバで構成した場合のブロック図である。図11において、F(s)はフィルタ特性であり、Ktorをゲインとするゲイン部410、C(s)を有する特性部420、STG(s)を有する特性部430、STG−1(s)を有する特性部440、F(s)を有するフィルタ520、加算部461及び減算部462、463、521から構成される。
図8の場合と同様に、図11において外乱オブザーバの推定値と実際の外乱が等しいと仮定すると、図12に示されるように、外乱は1−F(s)の特性を有するフィルタ522を通して伝わる。よって、フィルタ522の特性は、サスペンション前後方向共振を相殺するモデルを分子とし、相殺後の特性を分母とすることにより、下記数20となる。
Figure 0006112275
ξ及びξは減衰率で、ξ≫ξを満たすように設定される。ωSUSはサスペンション前後方向共振周波数で、下記数21で算出される。
Figure 0006112275
Rは車輪半径である。
数20より、フィルタ520の特性F(s)は下記数22となる。
Figure 0006112275
数22で表される特性F(s)はバンドパスフィルタ特性であり、共振ピークを打ち消すように作用することがわかる。
図11の破線で囲まれたフィルタ520及び減算部521が、外乱感度制御部50において共振点外乱制御器を構成する。フィルタ520は特性F(s)を用いてSAT TSATを変換する。
カント外乱は定常的な外乱であり、定常的な外乱とは、車両が直進状態でのSATがオフセットしていることを意味する。よって、カント外乱用の制御器(以下、「カント外乱制御器」とする)は車両の直進状態検出とSATのオフセット補正を基本構成とする。
図13はカント外乱制御器を備えた構成のブロック図で、Ktorをゲインとするゲイン部410、C(s)を有する特性部420、STG(s)を有する特性部430、STG−1(s)を有する特性部440、中立点学習を行う中立点学習部530、車速に応じてオフセット補正値を補正する可変ゲイン部531、補正を徐々に行うように調整する徐変部532、SATを変換するフィルタ部533、スイッチ534、加算部461及び減算部462、463、535から構成される。
カント外乱制御器は、道路カントによる横流れの影響を補償するので、直進状態でのSATを基にオフセット補正値を算出する。オフセット補正値の算出は、まず基本となるオフセット補正値(以下、「基本オフセット補正値」とする)が算出され、算出後、基本オフセット補正値を用いて最終的に使用するオフセット補正値(以下、「最終オフセット補正値」とする)が算出される。そして、基本オフセット補正値は、任意に設定された期間(以下、「中立点学習期間」とする)、例えば直進状態を検出した時点からの所定の期間における直進状態でのSATを用いて算出される。基本オフセット補正値の算出に使用されるSATは、フィルタ部533にて変換されたSAT(以下、「変換SAT」とする)である。フィルタ部533は、SAT TSATに重畳しているカント外乱以外の外乱、例えば小振幅外乱や共振点外乱を抑圧する。よって、小振幅外乱制御器や共振点外乱制御器の機能を流用しても良い。基本オフセット補正値の算出(中立点学習)は中立点学習部530で行われる。中立点学習部530は、中立点学習期間になったら、指令等を送ってスイッチ534が接点534aに接続するようにする。そして、ハンドルが中立点近辺に位置していることで直進状態を検出し、直進状態と判定した時のフィルタ部533から出力される変換SATを用いて基本オフセット補正値を算出する。直進状態検出は公知の技術を使用し、基本オフセット補正値としては、例えば変換SATの平均値を使用する。中立点学習期間が終了したら、中立点学習部530は、指令等を送ってスイッチ534が接点534bに接続するようにする。算出された基本オフセット補正値は中立点学習部530に保持される。基本オフセット補正値としては、平均値以外、例えば最頻値等を使用したり、他の統計的手法を用いても良い。
基本オフセット補正値は、車速が変化しても活用できるように車速補正関数を用いて変換され、補正過程での違和感の発生を防ぐために、補正は徐々に行われる。SATのオフセット量はアンダーステア特性をもつ車両では車速の関数となるので、これをSATの定常ゲインGSATとして、二輪モデルを用いて表わすと、下記数23のようになる。
Figure 0006112275
Figure 0006112275
Figure 0006112275
この定常ゲインGSATを車速補正関数に使用する。
中立点学習期間終了後、スイッチ534が接点534bに接続すると、徐変部532は中立点学習部530に保持されている基本オフセット補正値を入力し、補正を徐々に行うために、例えば、最初は基本オフセット補正値の1/N倍(Nは任意の自然数)のデータを、それ以降は2/N倍、3/N倍と一定の割合で大きくなるデータを出力する(以下、徐変部532での処理を「徐変処理」とする)。もちろん、これ以外の方法で、例えば二次関数的に補正を徐々に行う等を使用しても良い。可変ゲイン部531は、徐変部532から出力されるデータを入力し、入力した車速Vを用いて算出された定常ゲインGSATを乗算し、最終オフセット補正値として出力する。定常ゲインGSATを乗算した結果が所定の最大値(例えば3Nm)を超えた場合、その最大値を最終オフセット補正値とする。
図13の破線で囲まれた中立点学習部530、可変ゲイン部531、徐変部532、フィルタ部533、スイッチ534及び減算部535が、外乱感度制御部50においてカント外乱制御器を構成する。
なお、外乱感度制御部50は小振幅外乱、共振点外乱及びカント外乱以外の外乱を抑圧しても良い。例えば、横風の影響を外乱として抑圧しても良い。横風により車体に働く力に対する車両の軌道変化、特に横変位を抑圧する。横変位を抑圧する上では、弱アンダーステア特性が望ましい。弱アンダーステア特性では、ヨーレートがわずかに振動的になることで、一旦発生した横変位が戻されるからである。逆に、アンダーステア特性が強く表れ、ヨーレートが振動的だと運転者が適切な安全行動を取れない危険が発生する。このため、ヨーレートの減衰率は0.8程度が良いと言われている。この減衰率となるような制御器を用いて横風の影響による外乱を抑圧する。
以上の説明から、図4に示されている本発明の実施形態の構成例は図14のようになる。
図14に示される構成における動作例を図15のフローチャートを参照して説明する。なお、外乱感度制御部50のカント外乱制御器での中立点学習期間は、直進状態を検出した時点からの所定の期間(例えば、5秒間)とし、以下の動作説明では、中立点学習部530は、中立点学習期間内にフィルタ部533から入力した変換SATの中で直進状態と判定した時点の変換SATを用いて算出した平均値を基本オフセット補正値として保持しており、スイッチ534は接点534bに接続しているものとする。
動作が開始すると、操舵トルクTs、モータ角速度ωm、モータ角加速度αm、アシストトルクTm、ステアリング角θg、実舵角θt及び車速Vが入力される(ステップS1)。このうち、操舵トルクTsは加算部460及びSAT推定部70に、モータ角速度ωm、モータ角加速度αm及びアシストトルクTmはSAT推定部70に、ステアリング角θgは外乱感度制御部50の微分部512に、実舵角θtは車両特性補償制御部60の特性部650に、車速Vは外乱感度制御部50の可変ゲイン部531及び電流指令値演算部31にそれぞれ入力される。なお、モータ角加速度αmはモータ角速度ωmを微分することにより算出される。また、実舵角θtは、ステアリング角θgよりθt=gtot・θgとして算出することも可能である。
SAT推定部70は、操舵トルクTs、モータ角速度ωm、モータ角加速度αm及びアシストトルクTmを用いて数3よりSAT TSATを算出し(ステップS2)、算出されたSAT TSATは、SAT伝達特性制御部40のフィルタ450並びに外乱感度制御部50のフィルタ511、フィルタ520及びフィルタ部533に入力される。
SAT伝達特性制御部40では、フィルタ450が数18で表わされる特性F(s)によりSAT TSATを補正し(ステップS3)、補償信号Cs1を加算部460に出力する。加算部460は操舵トルクTsに補償信号Cs1を加算し、補償操舵トルクTs1を出力する(ステップS4)。
外乱感度制御部50では、小振幅外乱制御器の構造減衰モデル510、フィルタ511及び微分部512により、SAT TSAT及びステアリング角θgを用いて(さらに操舵トルクTsを用いることもある)、小振幅外乱を抑圧するための補償信号Cs2が求められる(ステップS5)。補償信号Cs2は減算部513に入力され、補償操舵トルクTs1から補償信号Cs2が減算され、補償操舵トルクTs2aが出力される(ステップS6)。
SAT TSATを入力した外乱感度制御部50のフィルタ520は、数22で表わされる特性F(s)により共振点外乱を抑圧すべくSAT TSATを補正し(ステップS7)、補償信号Cs3を減算部521に出力する。減算部521は補償操舵トルクTs2aから補償信号Cs3を減算し、補償操舵トルクTs2bを出力する(ステップS8)。
外乱感度制御部50の徐変部532及び可変ゲイン部531は、中立点学習部530に保持された基本オフセット補正値を用いて、徐変処理、定常ゲインGSATの乗算及び最大値制限により、カント外乱を抑圧するための最終オフセット補正値Ocを算出する(ステップS9)。最終オフセット補正値Ocは減算部535に入力され、補償操舵トルクTs2bから最終オフセット補正値Ocが減算され、補償操舵トルクTs2が出力される(ステップS10)。
実舵角θtを入力した車両特性補償制御部60の特性部650は、数13で表わされる特性C(s)により実舵角θtを用いて補償信号Cs4を求める(ステップS11)。補償信号Cs4は加算部660に入力され、補償操舵トルクTs2に補償信号Cs4が加算され、補償操舵トルクTs3が出力される(ステップS12)。
補償操舵トルクTs3は電流指令値演算部31に入力される。
なお、ステアリング角θgとモータ角θmにはθg∝θmの関係があるので、ステアリング角θgを入力する代わりに、モータ角θmを入力し、微分部512がθg=G・θm(Gは定数)としてモータ角θmからステアリング角θgを算出した後に微分するようにしても良い。この場合、モータ角速度ωmはモータ角θmを微分することにより算出される。
上述の実施形態では、車両特性補償制御部はヨーレートにダンピング(減衰)を与えることを基にして、車両特性を1次遅れ特性に近似させているが、他の方法により1次遅れ特性に近似させても良い。
また、SAT伝達特性制御部は外乱オブザーバで構成されているが、それ以外の2自由度構造で構成しても良い。
1 ハンドル
2 コラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)
20 モータ
30 コントロールユニット(ECU)
31 電流指令値演算部
40 SAT伝達特性制御部
50 外乱感度制御部
60 車両特性補償制御部
70 SAT推定部

Claims (9)

  1. 少なくとも操舵トルクに基づいて電流指令値を演算し、前記電流指令値に基づいてモータを駆動して操舵系をアシスト制御する電動パワーステアリング機構を用いた運転支援制御装置において、
    セルフアライニングトルクを推定するSAT推定部と、
    セルフアライニングトルク伝達特性の時定数を所望の値にするために前記セルフアライニングトルクを補正し、補正された前記セルフアライニングトルクにより前記操舵トルクを補償し、補償操舵トルク1として出力するSAT伝達特性制御部と、
    前記セルフアライニングトルクに含まれる外乱を抑圧し、前記外乱を抑圧された前記セルフアライニングトルクにより前記補償操舵トルク1を補償し、補償操舵トルク2として出力する外乱感度制御部と、
    実舵角からヨーレートまでの車両特性が1次遅れ特性となるように、検出された実舵角により前記補償操舵トルク2を補償する車両特性補償制御部とを備えることを特徴とする電動パワーステアリング機構を用いた運転支援制御装置。
  2. 前記車両特性補償制御部は、
    前記車両特性にダンピングを与える特性Cf(s)を用いて前記補償操舵トルク2を補償し、
    ヨーレートの減衰率が電動パワーステアリング機構の固有振動数に応じて変化する中で最も高い減衰率に近くなるように前記特性Cf(s)が調整されている請求項1に記載の電動パワーステアリング機構を用いた運転支援制御装置。
  3. 前記特性Cf(s)は、前記ヨーレートの減衰率が略0.8で、ヨーレートの固有振動数が略2Hzから略4Hzとなるように調整されている請求項2に記載の電動パワーステアリング機構を用いた運転支援制御装置。
  4. 前記SAT伝達特性制御部は外乱オブザーバとして構成される請求項1乃至3のいずれかに記載の電動パワーステアリング機構を用いた運転支援制御装置。
  5. 前記SAT伝達特性制御部は、所望の前記時定数で定義される伝達特性を用いて前記操舵トルクを補償する請求項4に記載の電動パワーステアリング機構を用いた運転支援制御装置。
  6. 前記外乱感度制御部は抑圧する外乱毎に制御器を具備する請求項1乃至5のいずれかに記載の電動パワーステアリング機構を用いた運転支援制御装置。
  7. 前記外乱感度制御部が抑圧する外乱の1つが小振幅トルク振動による小振幅外乱であり、前記小振幅外乱に対する前記制御器は構造減衰モデルで構成される請求項6に記載の電動パワーステアリング機構を用いた運転支援制御装置。
  8. 前記外乱感度制御部が抑圧する外乱の1つがサスペンション前後方向共振点で励起される共振点外乱であり、前記共振点外乱に対する前記制御器は外乱オブザーバとして構成される請求項6に記載の電動パワーステアリング機構を用いた運転支援制御装置。
  9. 前記外乱感度制御部が抑圧する外乱の1つが道路カントによるカント外乱であり、前記カント外乱に対する前記制御器は車両の直進状態検出及び前記セルフアライニングトルクのオフセット補正を行う請求項6に記載の電動パワーステアリング機構を用いた運転支援制御装置。
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