JP2002037106A - 自動車の電動パワーステアリング装置 - Google Patents

自動車の電動パワーステアリング装置

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JP2002037106A
JP2002037106A JP2000230285A JP2000230285A JP2002037106A JP 2002037106 A JP2002037106 A JP 2002037106A JP 2000230285 A JP2000230285 A JP 2000230285A JP 2000230285 A JP2000230285 A JP 2000230285A JP 2002037106 A JP2002037106 A JP 2002037106A
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yaw rate
steering
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control
electric power
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JP2000230285A
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Shin Takehara
伸 竹原
Kiyoshi Sakamoto
清 坂本
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Mazda Motor Corp
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動モータ22の制御によりハンドル操舵を
補助する自動車の電動パワーステアリング装置におい
て、 運転者のハンドル操舵に対する車両の挙動を、常
に所望の挙動にさせる。 【解決手段】 トルクセンサ41の検出値ξにゲインK
aを掛けて制御量とするアシスト制御部51と、ハンド
ル操舵トルクuから目標ヨーレートを演算し、目標ヨー
レートと実際のヨーレートψsとの偏差に基づいて制御
量を決定するヨーレートフィードバック制御部52と、
各制御量を加算した制御量でもって電動モータ22を制
御するモータ制御部53とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動モータを備
え、該電動モータの制御によりハンドル操舵を補助する
自動車の電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電動モータや油圧によってハ
ンドル操舵を補助するパワーステアリング装置が知られ
ており、このものでは、ハンドル操舵トルクやハンドル
操舵回転速度(ハンドル操舵角度の微分値)に応じて電
動モータの制御量又は油圧量の調整を行い、所定のアシ
スト特性を実現している。また、上記アシスト特性を、
例えば車速に応じて変更するものや、車速に加えて横加
速度及びヨーレートに応じて変更するもの(例えば、特
開平8−72734号公報参照)も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の電動
パワーステアリング装置、すなわち電動モータを用いた
パワーステアリング装置においては、通常、ハンドルと
車輪との間に設けられてハンドル操舵トルクを検出する
トルクセンサ(トーションバー)の検出値に、所定のゲ
イン(アシスト制御ゲイン)を掛けることによって電動
モータの制御量を決定している。そして、上記アシスト
制御ゲインの値は、所定の自動車でテストを行い所望の
アシスト特性となるように調整されている。
【0004】ところが、この電動パワーステアリング装
置においては、例えば製品毎に、操舵力に対して発生す
る車両の挙動(ヨーレート)がばらついてしまい、操舵
力に対して所望のヨーレートが車両に発生しない場合が
ある。このため、所望のヨーレートとなるように運転者
が操舵力を調整しなければならない場合があるという不
都合がある。
【0005】このヨーレートのばらつきは、例えばイナ
ーシャの大きさがばらついてしまったり、電動モータ若
しくはこの電動モータとステアリングシャフトとの間に
設けられる減速ギヤ等におけるフリクションの大きさが
部品毎にばらついてしまったりすることに原因がある。
例えば、フリクションの大きさのばらつきは、主に部品
の製造誤差等に起因していて、上記フリクションが通常
よりも大きくなっている場合には、トルクセンサの検出
値に所定のゲインを掛けた制御量で上記電動モータを制
御しても、モータ推力がフリクションによって消費され
てしまうこととなる。このため、上記電動モータによる
補助操舵力が足りずに、運転者が操舵力を増大しなけれ
ばならなくなる。
【0006】また、運転者のハンドル操舵に対して所望
のヨーレートが発生しない場合としては、上記のイナー
シャの大きさのばらつきやフリクションの大きさのばら
つきに起因した場合に限らず、例えば直進走行中(運転
者の操舵力が0)に、横風や路面不整等の車両に対する
外乱によって上記車両にヨーレートが生じる場合等もあ
る。この場合も、上記運転者はハンドル操舵を調整する
ことによって、所望の車両挙動とする必要がある。
【0007】このように、ハンドル操舵に対して所望の
ヨーレートが発生しないことによって、運転者の操舵フ
ィーリングの悪化や違和感を招き、ひいては運転者の疲
労を招いているという問題がある。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、電動モータの
制御によりハンドル操舵を補助する自動車の電動パワー
ステアリング装置において、運転者のハンドル操舵に対
する車両の挙動を、常に所望の挙動にさせることにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、トルクセンサの検出値に基づくフィード
バック制御を、従来の電動パワーステアリング装置にお
けるアシスト制御に追加して行うこととした。
【0010】具体的に、請求項1記載の発明は、電動モ
ータを有し、該電動モータの制御によりハンドル操舵を
補助する自動車の電動パワーステアリング装置を対象と
する。
【0011】そして、ハンドルと車輪との間に設けられ
てハンドル操舵トルクを検出するトルクセンサと、上記
トルクセンサの検出値が無くなるように上記電動モータ
の第1制御量を決定する第1の制御部と、上記トルクセ
ンサの検出値から目標ヨーレートを演算し、該目標ヨー
レートから実際のヨーレートを減算することによって上
記電動モータの第2制御量を決定する第2の制御部と、
上記第1の制御部による第1制御量と第2の制御部によ
る第2制御量とを加算した制御量でもって上記電動モー
タを制御するモータ制御部とを備えることを特定事項と
するものである。
【0012】請求項1記載の発明の場合、ハンドルを操
舵すると、ハンドルと車輪との間に設けられたトルクセ
ンサがハンドル操舵トルクを検出する。
【0013】第1の制御部は、上記トルクセンサの検出
値が無くなるように、すなわち、該トルクセンサの検出
値に所定のゲインを掛けて第1制御量を決定する。これ
は、従来のアシスト制御に対応する。
【0014】一方、第2の制御部は、上記トルクセンサ
の検出値から目標ヨーレートを演算し、該目標ヨーレー
トから実際に車両に発生しているヨーレートを減算する
ことによって第2制御量を決定する。ここで、目標ヨー
レートの演算は、例えばホイールベース等の車両諸元及
び車速等に基づいて予め設定した、ハンドル操舵トルク
に対するマップ(ゲイン)によって演算すればよい。
【0015】そして、制御手段は、上記第1制御量と第
2制御量とを加算した制御量でもって上記電動モータを
制御する。
【0016】ここで、第1制御量でもって電動モータを
制御しても所望の車両挙動(ヨーレート)とならないと
きには、トルクセンサの検出値に基づいて演算された目
標ヨーレートと実際のヨーレートとの偏差が生じている
ことになる。
【0017】このため、この偏差によって決定された第
2制御量でもって電動モータが制御されることによっ
て、所望のヨーレートが車両に生じる。
【0018】このように、目標ヨーレートとなるように
電動モータを制御することによって、たとえイナーシャ
の大きさや、電動パワーステアリング装置を構成する部
品のフリクションの大きさがばらついていても、運転者
のハンドル操作(ハンドル操舵トルク)に対して、常に
所望のヨーレートが車両に生じるようになる。これによ
り、操舵フィーリングの向上や、違和感の軽減が図られ
る。
【0019】また、例えば車両が直進状態であるときに
は、運転者はハンドル操舵していないためハンドル操舵
トルクは0である。このため、横風や路面不整によって
車両にヨーレートが生じた場合には、第2の制御部は、
目標ヨーレートを0にする制御、すなわち、直進状態を
維持しようとする制御を行うため、上記横風や路面不整
等の外乱に対する直進安定性の向上が図られる。これに
より、運転者がハンドル操舵を調整する必要もなくなっ
て、上記運転者の疲労の軽減が図られる。
【0020】この自動車の電動パワーステアリング装置
においては、第2制御量の感度を調整することによっ
て、より好ましい制御が実現する。具体的には、請求項
2〜請求項6記載の如く調整するのが好ましい。
【0021】すなわち、請求項2記載の如く、第2制御
量の感度を、車速が高い程上げるのが好ましい。
【0022】また、第2制御量の感度を車速が高い程上
げた場合でも、請求項3記載の如く、所定車速以上で
は、第2制御量の感度を車速が高い程下げるのが好まし
い。つまり、中速域では、低速域に比べて第2制御量の
感度を上げる一方、高速域では、中速域に比べて第2制
御量の感度を下げるのが好ましい。
【0023】さらに、請求項4記載の如く、第2制御量
の感度を、路面摩擦係数が低い程下げるのが好ましい。
【0024】加えて、請求項5記載の如く、第2制御量
の感度を、車輪舵角が小さい程第1制御量の感度と比較
して上げるようにするのが好ましい。
【0025】また、請求項6記載の如く、第2制御量の
感度を、車輪舵角速度が大きい程上げるのが好ましい。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明における自
動車の電動パワーステアリング装置によれば、目標ヨー
レートに基づく第2制御量でもって電動モータが制御さ
れるため、フリクションやイナーシャの大きさに関わら
ず、ハンドル操舵に対して常に所望の車両挙動を得るこ
とができ、例えば製品間での性能差を無くすことができ
る。
【0027】また、車両に対して外乱が入力されても、
第2の制御部によって、直進状態を維持しようとする制
御が行われるため、直進安定性を向上させることができ
る。
【0028】従って、運転者の操舵フィーリングの悪化
や違和感を防止することができる。
【0029】加えて、第2制御量の感度を、車速、路面
摩擦係数、車輪舵角及び車輪舵角速度に応じて調整する
ことによって、より一層好ましい電動パワーステアリン
グ装置が構成される。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0031】図1及び図3は、自動車の電動パワーステ
アリング装置の構成を示していて、11はハンドル、1
2は上記ハンドル11に連結されてこのハンドル11の
回転力(操舵力)を伝達するステアリングシャフト、1
3は自在継ぎ手を介して上記ステアリングシャフト12
に連結された中間シャフト、21は上記中間シャフト1
3の下端に設けられたステアリングギヤボックス、31
はこのステアリングギヤボックス21の両側に配設され
たタイロッド、32はこのタイロッド31が連結される
タイヤ(前輪)である。
【0032】上記ステアリングギヤボックス21内に
は、ラック・ピニオン機構24が設けられていて、上記
ピニオンには、上記中間シャフト13の下端が連結され
ている。一方、上記ラックの両端部はタイロッド31を
介してタイヤ32に連結されている。
【0033】上記ステアリングギヤボックス21には、
減速ギヤ23を介してピニオン側に力を付与する電動モ
ータ22と、トルクセンサ41とが設けられていて、こ
のトルクセンサ41は上記中間シャフト13と減速ギア
23との間に配設されている。これにより、上記トルク
センサ41は、ハンドル11とタイヤ32との間に設け
られてハンドル操舵トルクを検出するものとなってい
る。
【0034】上記トルクセンサ41及び電動モータ22
は、それぞれコントローラ5に接続されていて、このコ
ントローラ5によって電動モータ22が制御される。
【0035】尚、図3は、車両を2輪モデルで示してい
て、33は後輪、Lfは前輪から車両の重心位置までの
距離、Lrは後輪から車両の重心位置までの距離をそれ
ぞれ示している。
【0036】図2は、上記コントローラ5の構成を示し
ていて、このコントローラ5には、上記トルクセンサ4
1及び車両に生じたヨーレートを検出するヨーレートセ
ンサ42の各センサの検出値が入力される。
【0037】上記コントローラ5には、上記トルクセン
サ41の検出値が無くなるように第1制御量を決定する
第1の制御部としてのアシスト制御部51と、上記トル
クセンサ41の検出値から目標ヨーレートを演算し、こ
の目標ヨーレートから上記ヨーレートセンサ43が検出
した実際に車両に発生しているヨーレートを減算するこ
とによって第2制御量を決定する第2の制御部としての
ヨーレートフィードバック制御部52と、上記アシスト
制御部51及びヨーレートフィードバック制御部52の
各制御部における制御量を加算することによって電動モ
ータ22の制御量を決定し、この制御量でもって電動モ
ータ22を制御するモータ制御部53とを備えている。
【0038】上記アシスト制御部51は、トルクセンサ
41の検出値ξに対してアシスト制御ゲインKaを掛け
ることによって第1制御量(Ka・ξ)を決定するよう
に構成されている。
【0039】このアシスト制御ゲインKaは、車速V、
トルクセンサの検出値ξ及びこの検出値ξの微分値によ
って決定される変数であって、非負(正又は0)の変数
でありかつ車速Vに関して非増加の(車速が高いとき
(H)の方が、車速が低いとき(L)に比べて小さい)
変数とされている。
【0040】上記ヨーレートフィードバック制御部52
は、トルクセンサ41の検出値ξの位相遅れを補償する
伝達関数G1(s)を有している。この伝達関数G1(s)は、
図3に示すように、ハンドルイナーシャIh,トルクセ
ンサ(トーションバー)41の減衰係数Cb及びトーシ
ョンバー41のばね定数Kbとして式(1)で設定され
ている。
【0041】 G1(s)={ωh 2(Ih2+Cbs+Kb)}/{Kb(s2+2ηhωh+ωh 2)} …(1) ここで、sはラプラス演算子、ηh,ωhは調整パラメー
タである。
【0042】そして、上記伝達関数の出力(G1(s)・
ξ)によって運転者が実際にハンドルに付与したハンド
ル操舵トルクuを算出するようにされている。
【0043】尚、上記ハンドル操舵トルクuは、伝達関
数の出力(G1(s)・ξ)に加えてモータ回転速度ωを考
慮して算出してもよい。ここで、上記モータ回転速度の
検出は、電動モータ22の回転速度ωを直接的に検出す
るものとしてもよいし、上記電動モータ22の電圧等か
ら推定するものとしてもよい。
【0044】上記ヨーレートフィードバック制御部52
は、上記ハンドル操舵トルクuから目標ヨーレートを演
算する目標ゲインKyを有していて、この目標ゲインKy
は、ホイールベース等の車両諸元や車速等に基づいて予
め設定されたものとなっている。この目標ゲインKy
詳細については後述する。
【0045】また、上記ヨーレートフィードバック制御
部52は、上記目標ヨーレートからヨーレートセンサ4
3が検出した実際のヨーレートψsを減算し(Ky(G
1(s)・ξ)−ψs)、この偏差に対して制御ゲインC(s)
を掛けて制御量(第2制御量)を決定するように構成さ
れている。上記制御ゲインC(s)は式(2)で設定され
ている。
【0046】C(s)=ΣBmm/ΣAnn …(2) 尚、m=0,1,2,…,M、n=0,1,2,…,N
である。
【0047】このC(s)は、例えば目標ヨーレートと実
際のヨーレートとの偏差を0にするためのPID制御理
論の伝達関数としてもよく、PID制御の場合では、A
0=0,A1=1,B0=積分ゲイン,B1=比例ゲイン,
2=微分ゲインとすればよい。また、上記C(s)は、P
ID制御以外の制御理論を用いた伝達関数としてもよ
い。
【0048】このようにして、アシスト制御部51及び
ヨーレートフィードバック制御部52において各制御量
が決定されれば、モータ制御部53において、上記アシ
スト制御部51及びヨーレートフィードバック制御部5
2の制御量を加算して、電動モータ22の制御量を決定
し、この電動モータ22を制御する。
【0049】この電動パワーステアリング装置をより好
ましいものとするには、ヨーレートフィードバック制御
部52の制御量の感度を、高速走行時の直進安定性を高
めるような制御となるように調整するのがよい。このヨ
ーレートフィードバック制御部52の制御量の感度調整
は、目標ゲインKy又は制御ゲインC(s)の調整によって
行えばよく、具体的には、次の〜のようにするのが
よい。
【0050】車速Vが所定車速以下のときは、目標ゲ
インKyを0とするのがよい。これは次の理由によるも
のである。つまり、ハンドル11が操舵されることによ
りトルクセンサ41の検出値から目標ヨーレートが演算
されるが、例えば低速旋回時は車両にヨーレートが発生
し難い(又は発生しない)。このため、低速旋回時にお
いて上記目標ヨーレートとなるように電動モータ22を
制御しても、目標ヨーレートが達成されないという不具
合が生じる。従って、車速が所定車速以下のときは目標
ゲインKyを0として、上記ヨーレートフィードバック
制御部52における制御を行わないのがよい。これによ
り、車両が所定車速以下のときは、アシスト制御部51
による制御のみが行われる。
【0051】一方、車速が所定車速以上のときは、上記
アシスト制御部51のアシストゲインKaを0として、
ヨーレートフィードバック制御部52による制御のみを
行うようにするのがよい。これは、上記アシスト制御部
51と、ヨーレートフィードバック制御部52とで制御
干渉が起きる虞があるためである。
【0052】車速Vが高い程、制御ゲインC(s)を上
げるのがよい。これは、高速走行時の直進安定性を向上
させるためである。すなわち、例えば横風や路面不整等
によって車両に外乱が入力された場合には、運転者がハ
ンドル操舵をしていない、すなわち、ハンドル操舵トル
クが0であるにも関わらず、車両にヨーレートが生じる
ことになる。しかし、ヨーレートフィードバック制御部
52の制御は、ハンドル操舵トルクが0、すなわち目標
ヨーレートは0であれば、直進状態を維持しようとする
制御になるため、車速Vが高い程、制御ゲインC(s)を
高めると、高速走行時の直進安定性が向上する。尚、上
記制御ゲインC(s)の調整は、An,Bmを変更すること
によって行ってもよい(式(2)参照)。
【0053】車速Vが、さらに高くなれば(所定車速
以上になれば)、車速が高い程目標ゲインKyを下げる
のがよい。これは、高速走行時におけるハンドル操舵に
対する車両挙動を鈍くするためである。すなわち、中速
域では、ハンドル操舵に対して車両挙動(ヨーレート挙
動)が敏感に反応する方が、例えば回頭性が向上するこ
とになるため好ましいが、高速域では、ハンドル操舵に
対して、ヨーレート挙動が敏感に反応するのは、挙動が
不安定になってしまう虞があると共に、運転者に違和感
を与えてしまうことになる。そこで、車速Vがさらに高
くなれば、すなわち、高速走行時には目標ゲインKy
下げてハンドル操舵に対する車両挙動を鈍くするのが好
ましい。
【0054】従って、上記〜によると、上記低速域
では、ヨーレートフィードバック制御部52による制御
が行われない一方、中速域(M)では、上記ヨーレート
フィードバック制御部52による制御が積極的に行われ
る。そして、高速域(H)では、中速域に比べてヨーレ
ートフィードバック制御部52による制御が抑制される
こととなる。
【0055】路面μが低い程、目標ゲインKyを下げ
るのがよい。これは、路面μが低いときはタイヤ反力が
小さいため、トルクセンサ41が値を検出しない(又は
検出値が小さい)にも関わらず、車両にはヨーレートが
発生する。このため、目標ヨーレートと実際のヨーレー
トψsとが合わなくなってしまうことから、路面μが低
い程目標ゲインKyを下げて、目標ヨーレートの影響を
小さくするのが好ましい。
【0056】車輪舵角が小さい程、目標ゲインKy
上げるのがよい。これは、直進安定性のより一層の向上
を図るためである。
【0057】車輪舵角速度が大きい程、目標ゲインK
yを上げるのがよい。これは、これは車輪舵角速度が大
きいときはイナーシャが大きくなってハンドル11の操
舵に対して車両挙動が遅れやすくなるため、電動モータ
22に大きなモータ推力を与えた方が好ましくなるため
である。
【0058】尚、上記,〜については、目標ゲイ
ンKyを調整しているが、制御ゲインC(s)を調整するよ
うにしてもよい。逆に、上記については、制御ゲイン
C(s)を調整しているが、目標ゲインKyを調整するよう
にしてもよい。
【0059】このように本発明においては、トルクセン
サ41の値から目標となる目標ヨーレートを演算し、こ
の目標ヨーレートとなるように電動モータ22が制御さ
れる。
【0060】このため、アシスト制御部51の制御量
(Ka・ξ)で電動モータ22を制御することによっ
て、所望のヨーレートが発生しない場合であっても、ヨ
ーレートフィードバック制御部52の制御によって、目
標ヨーレート(所望のヨーレート)が車両に生じる。
【0061】このように、目標ヨーレートとなるように
電動モータ22が制御されるため、たとえフリクション
やイナーシャの大きさが異なる場合であっても、運転者
のハンドル操舵(ハンドル操舵トルク)に対して、常に
所望のヨーレートが車両に生じるようになる。
【0062】また、例えば積載量が増えて車重が重くな
っている場合のような、ハンドル操舵に対する車両の挙
動が遅れるような場合であっても、目標ヨーレートと実
際のヨーレートとの偏差に基づいて電動モータ22の制
御が行われるため、車重の如何に関わらず、ハンドル操
舵に対して、常に所望のヨーレートが車両に生じるよう
になる。つまり、常に同様の操舵フィーリングが得られ
る。
【0063】さらに、例えば車両が直進状態であるとき
に、横風や路面不整等によって車両にヨーレートが生じ
た場合には、第2の制御部は目標ヨーレートを0とする
制御、すなわち、直進状態を維持しようとする制御を行
う。このため、上記横風や路面不整等の外乱に対する直
進安定性の向上が図られる。
【0064】従って、本発明の電動パワーステアリング
装置によると、操舵フィーリングの向上や違和感の軽減
が図られ、運転者の疲労を軽減することができる。
【0065】<他の実施形態>尚、本発明は上記実施形
態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を
包含するものである。すなわち、上記実施形態では、電
動モータ22がピニオン側に力を付与するように構成さ
れているが、ラック側に力を付与するように構成しても
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電動パワーステアリン
グ装置の構成を示す斜視図である。
【図2】コントローラの構成を示すブロック図である。
【図3】電動パワーステアリング装置の構成を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
11 ハンドル 22 電動モータ 32 車輪 41 トルクセンサ 51 アシスト制御部(第1の制御部) 52 ヨーレートフィードバック制御部(第2
の制御部) 53 モータ制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 119:00 B62D 119:00 137:00 137:00 Fターム(参考) 3D032 CC01 DA03 DA15 DA23 DA33 DA63 DA82 DC08 DD01 DD06 DD17 EC21 3D033 CA21 CA28

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動モータを有し、該電動モータの制御
    によりハンドル操舵を補助する自動車の電動パワーステ
    アリング装置であって、 ハンドルと車輪との間に設けられてハンドル操舵トルク
    を検出するトルクセンサと、 上記トルクセンサの検出値が無くなるように上記電動モ
    ータの第1制御量を決定する第1の制御部と、 上記トルクセンサの検出値から目標ヨーレートを演算
    し、該目標ヨーレートから実際に車両に発生しているヨ
    ーレートを減算することによって上記電動モータの第2
    制御量を決定する第2の制御部と、 上記第1の制御部による第1制御量と第2の制御部によ
    る第2制御量とを加算した制御量でもって上記電動モー
    タを制御するモータ制御部とを備えていることを特徴と
    する自動車の電動パワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 第2の制御部は、第2制御量の感度を、車速が高い程上
    げるように構成されていることを特徴とする自動車の電
    動パワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 第2の制御部は、第2制御量の感度を、所定車速以上で
    は車速が高い程下げるように構成されていることを特徴
    とする自動車の電動パワーステアリング装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 第2の制御部は、第2制御量の感度を、路面摩擦係数が
    低い程下げるように構成されていることを特徴とする自
    動車の電動パワーステアリング装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 第2の制御部は、第2制御量の感度を、車輪舵角が小さ
    い程上げるように構成されていることを特徴とする自動
    車の電動パワーステアリング装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、 第2の制御部は、第2制御量の感度を、車輪舵角速度が
    大きい程上げるように構成されていることを特徴とする
    自動車の電動パワーステアリング装置。
JP2000230285A 2000-07-31 2000-07-31 自動車の電動パワーステアリング装置 Pending JP2002037106A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008024239A (ja) * 2006-07-25 2008-02-07 Nsk Ltd 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP2016008010A (ja) * 2014-06-26 2016-01-18 株式会社ジェイテクト 電動パワーステアリング装置、および自動操舵装置

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JP2008024239A (ja) * 2006-07-25 2008-02-07 Nsk Ltd 電動パワーステアリング装置の制御装置
JP2016008010A (ja) * 2014-06-26 2016-01-18 株式会社ジェイテクト 電動パワーステアリング装置、および自動操舵装置

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