JP4556643B2 - 車両の制駆動力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、各車輪に対する制駆動力を変更制御する車両の制駆動力制御装置に関する。
従来から、例えば下記特許文献1に記載されているように、変速機構およびクラッチ機構を用いることにより、操舵ハンドルの切り増し時には車両の旋回を促進するヨーイングモーメントが発生するように左右輪への駆動トルクの配分を変更制御して、操舵ハンドルによる操舵応答性を向上させた車両の駆動力制御装置は知られている。そして、この駆動力制御装置においては、高速走行時に操舵安定性が損なわれないようにするために、前記左右輪への駆動トルクの配分が均等となるようにしている。
特開平7−108841号公報
高速走行時においては、操舵ハンドルの操作に対して、スリップ角の発生遅れ等によりコーナリングフォースの発生が遅れる傾向にある。したがって、スリップ角を小さくする方向に車輪に作用する復元トルクすなわちセルフアライニングトルクの発生も遅れるため、ステアリング系における減衰係数すなわち操舵輪のキングピン軸回りの回転運動に対する減衰係数の値は減少することになる。これにより、高速走行時では、操舵ハンドルの切り増しが促進され、この操舵ハンドルの切り増しは、車速および操舵角速度が大きくなるに従って一層促進されることになる。しかし、上記従来の装置においては、ステアリング系における減衰係数の変化に対しては何ら考慮されていない。その結果、高速走行時における操舵安定性を向上させるには十分でないという問題があった。
本発明は、上記問題に対処するためになされたものであり、その目的は、高速走行時における操舵安定性を向上させ、かつ車両の走行安定性も維持可能な車両の制駆動力制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、左右前輪および左右後輪をそれぞれ独立に回転させる電動モータを有する車両の制駆動力制御装置において、車速を検出する車速検出手段と、操舵ハンドルの操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段と、前記検出された車速および前記検出された操舵角速度を用いて、車速および操舵角速度に応じて変化する左右前輪のキングピン軸回りの回転運動に対する減衰力を打ち消すための左右前輪に関する制駆動力を計算する制駆動力計算手段と、前記減衰力を打ち消すように左右前輪の駆動力に差をつけて左右前輪用の電動モータを駆動制御する前輪駆動制御手段であって、所定車速よりも低車速で走行しているとき、左右前輪のうちで、操舵ハンドルの操舵方向側の前輪に対する走行時の駆動力に前記計算した制駆動力の大きさに等しい制動力を付加し、操舵ハンドルの操舵方向と反対側の前輪に対する走行時の駆動力に前記計算した制駆動力の大きさに等しい駆動力を付加し、かつ前記所定車速よりも高車速で走行しているとき、左右前輪のうちで、操舵ハンドルの操舵方向側の前輪に対する走行時の駆動力に前記計算した制駆動力の大きさに等しい駆動力を付加し、操舵ハンドルの操舵方向と反対側の前輪に対する走行時の駆動力に前記計算した制駆動力の大きさに等しい制動力を付加するようにした前輪駆動制御手段と、前記左右前輪の駆動力の差に応じて発生するヨーイングモーメントを打ち消すように左右後輪の駆動力に差をつけて左右後輪用の電動モータを駆動制御する後輪駆動制御手段であって、前記所定車速よりも低車速で走行しているとき、左右後輪のうちで、操舵ハンドルの操舵方向側の後輪に対する走行時の駆動力に前記計算した制駆動力の大きさに等しい駆動力を付加し、操舵ハンドルの操舵方向と反対側の後輪に対する走行時の駆動力に前記計算した制駆動力の大きさに等しい制動力を付加し、かつ前記所定車速よりも高車速で走行しているとき、左右後輪のうちで、操舵ハンドルの操舵方向側の後輪に対する走行時の駆動力に前記計算した制駆動力の大きさに等しい制動力を付加し、操舵ハンドルの操舵方向と反対側の後輪に対する走行時の駆動力に前記計算した制駆動力の大きさに等しい駆動力を付加するようにした後輪駆動制御手段とを設けたことにある。
上記のように構成した本発明においては、前輪駆動制御手段の作用により、低速走行時には、操舵ハンドルの操舵方向への切り回しが促進され、運転者は操舵ハンドルの操舵時に粘性感を受け難くなるので、操舵フィーリングが向上する。また、高速走行時には、操舵ハンドルの操舵方向への切り回しが抑制され、操舵ハンドルの操舵安定性が向上する。
この場合、左右前輪の駆動力に差をつけると、駆動力の差に応じてヨーイングモーメントが発生するが、後輪駆動制御手段の作用により、このヨーイングモーメントを打ち消すように左右後輪の駆動力に差がつけられるので、車両全体のヨーイングが抑制されて車両の走行安定性も維持される。
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明すると、図1は、車両の全体を示す概略平面図である。
車両の左右前後輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrは、電動モータ11a〜11dをそれぞれ備えている。電動モータ11a〜11dは、図示しないホイールに組み込まれており、各電動モータ11a〜11dの回転軸がそれぞれハブ12a〜12dに一体的に組み付けられている。電動モータ11a〜11dは、減速機を内蔵しており、それらの回転により左右前後輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrをそれぞれ独立に駆動する。
電動モータ11a〜11dは、ナックルとしての役割も果たしており、ロアアーム13a〜13dを介して車体BDにそれぞれ接続されている。ロアアーム13a〜13dは、各内側端にて車体BDに略車両前後方向の軸線回りにそれぞれ回動可能に組み付けられるとともに、各外側端にて電動モータ11a〜11dを所定のキングピン傾角を有するキングピン中心線の軸線回りにそれぞれ回動可能に組み付けている。
また、左右前輪Wfl,Wfr側に位置する電動モータ11a,11bは、ナックルアーム14a,14bを介してタイロッド15a,15bの各外側端にそれぞれ連結されている。タイロッド15a,15bは、各内側端にてラックバー16の両端にそれぞれ連結されている。ラックバー16は、ステアリングギヤボックス17内にてステアリングシャフト18の下端に一体的に接続されたピニオン(図示省略)に噛み合っている。ステアリングシャフト18は、その上端にて操舵ハンドル19を一体回転するように接続している。操舵ハンドル19は、その回転によりステアリングシャフト18を軸線回りに回転させ、ラックバー16およびタイロッド15a,15bを軸線方向に変位させて、左右前輪Wfl,Wfrを左右に操舵する。左右前輪Wfl,Wfrは操舵輪としての役割を果たし、左右後輪Wrl,Wrrは非操舵輪としての役割を果たしている。
次に、電動モータ11a〜11dの制駆動力を制御する電気制御装置について説明する。この電気制御装置は、操舵角センサ21および車速センサ22を備えている。操舵角センサ21は、ステアリングシャフト18の上部に組み付けられていて、操舵ハンドル19の操舵角θを検出する。なお、操舵角θは、正負の値により操舵ハンドル19の左方向および右方向の操舵時の操舵角を表す。車速センサ22は、車速Vを検出して出力する。これら操舵角センサ21および車速センサ22は、コントローラ23に接続されている。
コントローラ23は、CPU、ROM、RAMなどを主要構成部品とするマイクロコンピュータにより構成されている。このコントローラ23は、図2の操舵安定および走行安定制御プログラムを実行することにより、電動モータ11a〜11dの作動を制御する。このコントローラ23には、操舵角センサ21および車速センサ22に加えて、アクセルセンサ24a、ブレーキセンサ24bおよび駆動回路25〜28もそれぞれ接続されている。アクセルセンサ24aは、アクセルペダルの踏み込み量を検出して、同踏み込み量を表す検出信号を出力する。ブレーキセンサ24bは、ブレーキペダルの踏み込み量を検出して、同踏み込み量を表す検出信号を出力する。
駆動回路25〜28には、バッテリ29から電力が供給されるようになっていて、電動モータ11a〜11dに流れる電流を検出する電流センサ25a〜28aがそれぞれ接続されている。駆動回路25〜28は、コントローラ23の指示により、電流センサ25a〜28aとの協働により電動モータ11a〜11dを制御して左右前後輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrを制駆動する。この場合、コントローラ23は、図2の操舵安定および走行安定制御プログラムの実行と並行して、図示しないプログラムの実行により、アクセルセンサ24aまたはブレーキセンサ24bからの踏み込み量を表す検出信号に応じて、駆動回路25〜28を介して電動モータ11a〜11dの回転を制御し、左右前後輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrを同じ駆動力または制動力で制駆動するようになっている。なお、電流センサ25a〜28aに代えて、左右前後輪Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに対する制駆動トルクを検出するトルクセンサを設けてもよい。
次に、上記のように構成した実施形態の動作について説明する。コントローラ23は、所定の短時間毎に図2の操舵安定および走行安定制御プログラムを繰り返し実行している。このプログラムの実行はステップS10にて開始され、ステップS11にて、操舵角センサ21および車速センサ22から、操舵角θおよび車速Vをそれぞれ入力する。次に、コントローラ23は、ステップS12にて、操舵角θを微分することにより操舵角速度θv(=dθ/dt)を計算する。
前記ステップS12の処理後、コントローラ23は、ステップS13にて、ROM内に設けられている減衰係数テーブルを参照して、車速Vに基づいて減衰係数Cを計算する。この減衰係数テーブルは、図3に示すように、車速Vに応じて変化する減衰係数Cを記憶している。この減衰係数Cは、左右前輪Wfl,Wfrの各キングピン軸回りの回転運動に対する減衰特性の変化率を表していて、単位操舵角速度θv当たりの各キングピン軸回りの減衰トルクで表わされる。そして、この減衰係数Cは、車速Vの増加に従って所定車速V1(時速30〜40km/h)までは非線形増加し、同所定車速V1からは車速Vの増加に従って非線形減少する特性を有するとともに、所定車速V2(時速60〜70km/h)よりも低速域では正の値になり、同所定車速V2よりも高速域では負の値になる特性を有している。
前記ステップS13の処理後、コントローラ23は、ステップS14にて、前記計算した操舵角速度θvおよび減衰係数Cを用いて、制駆動力ΔF(=−C・θv・1/N・1/L)を計算する。ここで、ステップS14の式中、Nはステアリングギヤボックス17のステアリングギヤ比を表し、Lは左右前輪Wfl,Wfrのホイール中心でのキングピンオフセットを表している。このステップS14では、減衰係数Cに応じた減衰トルク(=C・θv・1/N)から左右前輪Wfl,Wfrの接地中心に作用する減衰力(=C・θv・1/N・1/L)を計算し、この減衰力を打ち消す方向の力を制駆動力ΔF(=−C・θv・1/N・1/L)としたものである。この制駆動力ΔFは、正により車輪に対して車両前方へ駆動力ΔFを付加することを表し、負により車輪に対して車両後方へ制動力を付加することを表す。
前記ステップS14の処理後、コントローラ23は、ステップS15にて、左右前輪Wfl,Wfrの制駆動力をそれぞれ制御する。最初に、車両が所定車速V2よりも低速域で走行していて、例えば、左方向に操舵している場合について説明する。この場合には、図3の減衰係数テーブルに示すように、減衰係数Cは正の値になる。すなわち、前記低速域では、操舵ハンドル19の操舵時にスリップ角の発生遅れがないため、コーナリングフォースの発生遅れが生じない。したがって、セルフアライニングトルクの発生遅れも生じないため、左右前輪Wfl,Wfrの各キングピン軸回りの回転運動に対する減衰係数Cは正の値になる。減衰係数Cが正の値であるときは、操舵ハンドル19の左方向への切り増しが抑制された状態にあり、運転者は操舵ハンドル19の操舵時に粘性感を受ける。
このため、ステップS15においては、走行時の駆動力に制駆動力ΔFを付加したトータル駆動力に応じて、電動モータ11a,11bをそれぞれ駆動制御する。具体的には、操舵角速度θvおよび減衰係数Cがいずれも正の値であるために、図4(A)に示すように、左前輪Wflに対する走行時の駆動力に制動力ΔFが付加され、右前輪Wfrに対する走行時の駆動力に駆動力ΔFが付加される。これにより、操舵ハンドル19の左方向への切り増しが促進されるようになり、運転者は操舵ハンドル19の操舵時に粘性感を受け難くなるので、操舵ハンドル19の操舵フィーリングが向上する。
ステップS15の処理の実行によって、車両前部には反時計回りのヨーイングモーメントが発生する。このため、ステップS16においては、走行時の駆動力に制駆動力ΔFを付加したトータル駆動力に応じて、電動モータ11c,11dをそれぞれ駆動制御する。具体的には、左後輪Wrlに対する走行時の駆動力に駆動力ΔFが付加され、右後輪Wrrに対する走行時の駆動力に制動力ΔFが付加される。これにより、車両後部に時計回りのヨーイングモーメントが発生し、このヨーイングモーメントが車両前部に発生した反時計回りのヨーイングモーメントと打ち消し合うので、車両全体のヨーイングが抑制されて車両の走行安定性が維持される。
次に、車両が所定車速V2よりも高速域で走行していて、例えば、左方向に操舵している場合について説明する。この場合には、図3の減衰係数テーブルに示すように、減衰係数Cは負の値になる。すなわち、前記高速域では、操舵ハンドル19の操舵時にスリップ角の発生遅れが生じるため、コーナリングフォースの発生が遅れる。したがって、セルフアライニングトルクの発生も遅れるため、左右前輪Wfl,Wfrの各キングピン軸回りの回転運動に対する減衰係数Cは負の値になる。減衰係数Cが負の値であるときは、操舵ハンドル19の左方向への切り増しが促進された状態にある。
このため、ステップS15においては、走行時の駆動力に制駆動力ΔFを付加したトータル駆動力に応じて、電動モータ11a,11bをそれぞれ駆動制御する。具体的には、操舵角速度θvが正の値であり、減衰係数Cが負の値であるために、図4(B)に示すように、左前輪Wflに対する走行時の駆動力に駆動力ΔFが付加され、右前輪Wfrに対する走行時の駆動力に制動力ΔFが付加される。これにより、操舵ハンドル19の左方向への切り増しが抑制されるようになり、操舵ハンドル19による操舵安定性が向上する。
ステップS15の処理の実行によって、車両には時計回りのヨーイングモーメントが発生する。このため、ステップS16においては、走行時の駆動力に制駆動力ΔFを付加したトータル駆動力に応じて、電動モータ11c,11dをそれぞれ駆動制御する。具体的には、左後輪Wrlに対する走行時の駆動力に制動力ΔFが付加され、右後輪Wrrに対する走行時の駆動力に駆動力ΔFが付加される。これにより、車両後部に反時計回りのヨーイングモーメントが発生し、このヨーイングモーメントが車両前部に発生した時計回りのヨーイングモーメントと打ち消し合うので、車両全体のヨーイングが抑制されて車両の走行安定性が維持される。
次に、車両が所定車速V2よりも低速域で走行していて、例えば、右方向に操舵している場合について説明する。この場合には、ステップS15の処理により、図4(A)に示した制駆動力ΔFとは逆向きの制駆動力ΔFが左右前輪Wfl,Wfrにそれぞれ付加される。すなわち、左前輪Wflに対する走行時の駆動力に駆動力ΔFが付加され、右前輪Wfrに対する走行時の駆動力に制動力ΔFが付加される。これにより、操舵ハンドル19の右方向への切り増しが促進されるようになり、上記した低速域で左方向に操舵している場合と同様、操舵ハンドル19の操舵フィーリングが向上する。
また、この場合には、ステップS16の処理により、図4(A)に示した制駆動力ΔFとは逆向きの制駆動力ΔFが左右後輪Wrl,Wrrにそれぞれ付加される。すなわち、左後輪Wrlに対する走行時の駆動力に制動力ΔFが付加され、右後輪Wrrに対する走行時の駆動力に駆動力ΔFが付加される。これにより、車両後部に反時計回りのヨーイングモーメントが発生し、このヨーイングモーメントが車両前部に発生した時計回りのヨーイングモーメントと打ち消し合うので、上記した低速域で左方向に操舵している場合と同様、車両の走行安定性が維持される。
次に、車両が所定車速V2よりも高速域で走行していて、例えば、右方向に操舵している場合について説明する。この場合には、ステップS15の処理により、図4(B)に示した制駆動力ΔFとは逆向きの制駆動力ΔFが左右前輪Wfl,Wfrにそれぞれ付加される。すなわち、左前輪Wflに対する走行時の駆動力に制動力ΔFが付加され、右前輪Wfrに対する走行時の駆動力に駆動力ΔFが付加される。これにより、操舵ハンドル19の右方向への切り増しが抑制されるようになり、上記した高速域で左方向に操舵している場合と同様、操舵ハンドル19による操舵安定性が向上する。
また、この場合には、ステップS16の処理により、図4(B)に示した制駆動力ΔFとは逆向きの制駆動力ΔFが左右後輪Wrl,Wrrにそれぞれ付加される。すなわち、左後輪Wrlに対する走行時の駆動力に駆動力ΔFが付加され、右後輪Wrrに対する走行時の駆動力に制動力ΔFが付加される。これにより、車両後部に時計回りのヨーイングモーメントが発生し、このヨーイングモーメントが車両前部に発生した反時計回りのヨーイングモーメントと打ち消し合うので、上記した高速域で左方向に操舵している場合と同様、車両の走行安定性が維持される。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、操舵ハンドルの操舵操作に応じて操舵輪の操舵がアシストされないステアリング装置を備えた車両の制駆動力制御装置について説明したが、操舵輪の操舵をアシストする電気アクチュエータおよびその駆動制御装置を有するステアリング制御装置を備えた車両の制駆動力制御装置に本発明を適用してもよい。この場合には、ステアリング制御装置による操舵アシスト力に加え、制駆動力制御装置により、操舵輪のキングピン軸回りの回転運動に対する減衰力を加味した補助アシスト力を加えることができるので、操舵ハンドルによる操舵安定性および操舵フィーリングをより一層向上させることが可能である。
本発明の一実施形態に係る制駆動力制御装置を示したブロック図である。 本発明の一実施形態に係り、図1のコントローラにより実行される操舵安定および走行安定制御プログラムのフローチャートである。 車速に対する減衰係数の変化特性を示すグラフである。 (A)は、低速走行時に左方向へ操舵したときの制駆動力制御を説明するための説明図であり、(B)は、高速走行時に左方向へ操舵したときの制駆動力制御を説明するための説明図である。
符号の説明
BD…車体、Wfl…左前輪、Wfr…右前輪、Wrl…左後輪、Wrr…右後輪、11a〜11d…電動モータ、21…操舵角センサ、22…車速センサ、23…コントローラ、25〜28…駆動回路、25a〜28a…電流センサ

Claims (1)

  1. 左右前輪および左右後輪をそれぞれ独立に回転させる電動モータを有する車両の制駆動力制御装置において、
    車速を検出する車速検出手段と、
    操舵ハンドルの操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段と、
    前記検出された車速および前記検出された操舵角速度を用いて、車速および操舵角速度に応じて変化する左右前輪のキングピン軸回りの回転運動に対する減衰力を打ち消すための左右前輪に関する制駆動力を計算する制駆動力計算手段と、
    前記減衰力を打ち消すように左右前輪の駆動力に差をつけて左右前輪用の電動モータを駆動制御する前輪駆動制御手段であって、所定車速よりも低車速で走行しているとき、左右前輪のうちで、操舵ハンドルの操舵方向側の前輪に対する走行時の駆動力に前記計算した制駆動力の大きさに等しい制動力を付加し、操舵ハンドルの操舵方向と反対側の前輪に対する走行時の駆動力に前記計算した制駆動力の大きさに等しい駆動力を付加し、かつ前記所定車速よりも高車速で走行しているとき、左右前輪のうちで、操舵ハンドルの操舵方向側の前輪に対する走行時の駆動力に前記計算した制駆動力の大きさに等しい駆動力を付加し、操舵ハンドルの操舵方向と反対側の前輪に対する走行時の駆動力に前記計算した制駆動力の大きさに等しい制動力を付加するようにした前輪駆動制御手段と、
    前記左右前輪の駆動力の差に応じて発生するヨーイングモーメントを打ち消すように左右後輪の駆動力に差をつけて左右後輪用の電動モータを駆動制御する後輪駆動制御手段であって、前記所定車速よりも低車速で走行しているとき、左右後輪のうちで、操舵ハンドルの操舵方向側の後輪に対する走行時の駆動力に前記計算した制駆動力の大きさに等しい駆動力を付加し、操舵ハンドルの操舵方向と反対側の後輪に対する走行時の駆動力に前記計算した制駆動力の大きさに等しい制動力を付加し、かつ前記所定車速よりも高車速で走行しているとき、左右後輪のうちで、操舵ハンドルの操舵方向側の後輪に対する走行時の駆動力に前記計算した制駆動力の大きさに等しい制動力を付加し、操舵ハンドルの操舵方向と反対側の後輪に対する走行時の駆動力に前記計算した制駆動力の大きさに等しい駆動力を付加するようにした後輪駆動制御手段とを設けたことを特徴とする車両の制駆動力制御装置。
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