JP2000025629A - 後輪操舵装置 - Google Patents

後輪操舵装置

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JP2000025629A
JP2000025629A JP19436098A JP19436098A JP2000025629A JP 2000025629 A JP2000025629 A JP 2000025629A JP 19436098 A JP19436098 A JP 19436098A JP 19436098 A JP19436098 A JP 19436098A JP 2000025629 A JP2000025629 A JP 2000025629A
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JP
Japan
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rear wheel
wheel steering
yaw moment
target yaw
distribution
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JP19436098A
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English (en)
Inventor
Takayuki Katsuta
隆之 勝田
Takahiro Furuhira
貴大 古平
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 後輪操舵を制御すると共に左右後輪の各駆動
力をも積極的に制御し、より高度な車輌姿勢制御を行う
ことのできる後輪操舵装置を提供すること。 【解決手段】 本発明の後輪操舵装置は、車体の実ヨー
レートが目標ヨーレートとなるように目標ヨーモーメン
トを発生させるものであって、左後輪6及び右後輪7の
舵角を調整する後輪舵角調整機構と、左後輪6及び右後
輪7の各駆動力を調整する後輪駆動力調整機構とを備
え、後輪舵角調整機構及び後輪駆動力調整機構により目
標ヨーモメントを発生させることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輌に取り付けら
れた後輪を転舵させる後輪操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】後輪操舵装置としては、特開平9-58502
号公報に記載のものなどが知られている。特開平9-5850
2号公報に記載の後輪操舵装置は、前輪舵角、車速、ヨ
ーレート及び後輪操舵時の後輪舵角を各種センサにより
検出し、これらのパラメータに基づいて後輪の舵角を決
定し、後輪操舵用のアクチュエータにより後輪を操舵す
るものである。即ち、車輌の姿勢を変えるときに発生さ
せるヨーモーメントを、前輪及び後輪の両者の操舵によ
り発生させるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した特開
平9-58502号公報に記載の後輪操舵装置は、後輪を操舵
することによりヨーモーメントを発生させる制御は行う
が、左右後輪それぞれの駆動力を積極的に制御してヨー
モーメントを発生させることは意図していないものであ
った。従って、本発明の目的は、後輪操舵を制御すると
共に左右後輪の各駆動力をも積極的に制御し、より高度
な車輌姿勢制御を行うことのできる後輪操舵装置を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、車体の実ヨーレートが目標ヨーレートとなるように
目標ヨーモーメントを発生させる後輪操舵装置であっ
て、左右後輪の舵角を調整する後輪舵角調整機構と、左
右後輪の各駆動力を調整する後輪駆動力調整機構とを備
え、後輪舵角調整機構及び後輪駆動力調整機構により目
標ヨーモメントを発生させることを特徴としている。
【0005】請求項1に記載の発明によれば、後輪舵角
調整機構による後輪操舵によってだけではなく、後輪駆
動力調整機構による左右後輪の駆動力差を利用して車体
にヨーモーメントを発生させることができる。このた
め、前輪を操舵したり横風を受けたりした場合の車体の
実ヨーレートが目標ヨーレートとなるように、後輪操舵
及び後輪駆動により目標ヨーモーメントを発生させるこ
とができる。このように後輪操舵と後輪駆動とを組み合
わせて互いを補完させながら目標ヨーモーメントを発生
させることができるので、より高度な車輌姿勢制御を行
うことができる。
【0006】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、後輪舵角調整機構及び後輪駆動力調整
機構により、目標ヨーモーメントを発生させる後輪操舵
と後輪駆動との配分を、車速に応じて変化させることを
特徴としている。
【0007】請求項2に記載の発明によれば、目標ヨー
モーメントの発生に関する後輪操舵と後輪駆動との配分
を車速に応じて変化させるので、後輪操舵と後輪駆動と
が車速に応じた最適のバランスとなるように、両者を互
いに補完させることができ、低速走行時から高速走行時
までの全ての速度域において、より高度な車輌姿勢制御
を行うことができる。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、目標ヨーモーメントを発生させる後輪
操舵と後輪駆動との配分に関して、後輪舵角調整機構及
び後輪駆動力調整機構により、車速が遅くなるにつれて
後輪駆動の配分を増加させることを特徴としている。
【0009】請求項3に記載の発明によれば、車速が遅
くなるにつれて目標ヨーモーメントを発生させる後輪駆
動の配分を増加させるようにすれば、後輪操舵及び後輪
駆動それぞれの利点を高次元にバランスさせて、両者を
互いに補完させることができる。後輪駆動は、出力トル
クに上限があり、高速走行時には有効に機能しなくなる
傾向がある。一方、後輪操舵は、取付スペースの関係か
ら大舵角を確保することは難しく、大舵角が必要とされ
る低速走行時に十分な舵角を確保し難いという傾向があ
る。このため、車速が遅いときに後輪駆動の配分を増加
させて大舵角を確保できない後輪操舵を補完させること
により、両者を高次元にバランスさせて互いを補完させ
ることができる。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
何れかに記載の発明において、後輪操舵調整機構の作動
不可能時に、後輪操舵調整機構による後輪操舵分の目標
ヨーモーメントを、後輪駆動力調整機構による後輪駆動
によって補填することを特徴としている。
【0011】請求項4に記載の発明によれば、後輪操舵
調整機構が作動不可能であると、後輪操舵によって発生
させようとしていた目標ヨーモーメントが不足するの
で、この不足分を後輪駆動によって補填させることによ
り、左右後輪の後輪駆動のみで目標ヨーモーメントを発
生させることができる。この結果、万が一、後輪操舵調
整機構が作動不可能となった場合でも、高度な車輌姿勢
制御を実現することが可能となる。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項1〜3の
何れかに記載の発明において、後輪操舵の舵角が限界に
達したときに、後輪操舵による目標ヨーモーメントの不
足分を、後輪駆動力調整機構による後輪駆動によって補
填することを特徴としている。
【0013】請求項5に記載の発明によれば、後輪操舵
の舵角が限界に達した場合に後輪操舵によって発生させ
ようとしていた目標ヨーモーメントが不足するので、こ
の不足分を後輪駆動力調整機構による後輪駆動によって
補填させることにより、目標ヨーモーメントを確実に発
生させることができる。この結果、後輪操舵調整機構に
よる後輪操舵の舵角が限界に達したとしても、高度な車
輌姿勢制御を実現することが可能となる。
【0014】請求項6に記載の発明は、請求項1〜3の
何れかに記載の発明において、後輪駆動の駆動力が限界
に達したときに、後輪駆動による目標ヨーモーメントの
不足分を、後輪操舵調整機構による後輪操舵によって補
填することを特徴とする。
【0015】請求項6に記載の発明によれば、後輪駆動
の駆動力が限界に達した場合に後輪駆動によって発生さ
せようとしていた目標ヨーモーメントが不足するので、
この不足分を後輪操舵調整機構による後輪操舵によって
補填させることにより、目標ヨーモーメントを確実に発
生させることができる。この結果、後輪駆動力調整機構
による後輪駆動の駆動力が限界に達したとしても、高度
な車輌姿勢制御を実現することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】運転者がステアリングホイールに
より左右前輪を転舵させて車体を旋回させるときや車体
が横風を受けたときなどには、車体にヨーモーメントが
発生し、あるヨーレートをもって車体はヨーイングす
る。ここで、このような状態下における車体の理想的な
ヨーレート(以下、目標ヨーレートという)を算出する
と共に、車体の実際のヨーレート(以下、実ヨーレート
という)を検出し、実ヨーレートが目標ヨーレートとな
るようなモーメント(以下、目標ヨーモメントという)
を算出することができる。この発明は、左右後輪を転舵
させると共に互いに異なる駆動力により左右後輪を回転
駆動させることにより、この目標ヨーモーメントを車輌
に発生させることを意図した後輪操舵装置である。
【0017】図1は本発明の後輪操舵装置が搭載された
車輌の構成を示すシステム図である。この車輌は、ガソ
リンエンジン1で左右前輪2,3を駆動し、ホイールモ
ータ4,5で左右後輪6,7を駆動する二種駆動方式の
車輌である。ホイールモータ4,5は、モータの全部ま
たは一部が車輪のロードホイール内に収納され、ホイー
ルモータ4,5内部のロータの回転駆動力をこのロータ
に直結されたロードホイール、即ち車輪に直接伝達し、
駆動力伝達経路でのエネルギーロスを少なくすることが
できるものである。
【0018】ホイールモータ4,5は、ディーラーなど
で後付可能とされており、一旦取り付けた後に取り外す
こともできる。また、ホイールモータ4,5が取り付け
られていても、ホイールモータ4,5により左右後輪
6,7を回転駆動させなければ、左右後輪6,7を単な
る従動輪として使用することもできる。
【0019】また、ホイールモータ4,5には、レゾル
バと呼ばれる回転センサ8,9がそれぞれ取り付けられ
ている。回転センサ8,9は、ホイールモータ4,5内
部のロータの位置を高精度に検出することができる。こ
の回転センサ8,9によれば、ロータの位置のみなら
ず、一定時間内における位置の変化量からロータの回転
速度、即ち、左右後輪6,7の回転速度を検出すること
もできる。
【0020】左右前輪2,3は、通常の車輌と同様に、
運転者によりステアリングホイール10が回転されるこ
とによって、前輪操舵機構11を介して操舵される。前
輪操舵機構11には、左右前輪2,3の舵角を検出する
前輪舵角センサ12が取り付けられている。また、左右
前輪2,3には、それぞれ車輪速センサ13,14が取
り付けられており、左右前輪2,3の回転数を検出する
ことにより、車速を検出することができる。
【0021】前輪舵角センサ12及び車輪速センサ1
3,14は、四輪操舵ECU(電子制御ユニット)15
に接続されている。四輪操舵ECU15には、車輌に働
く横方向の加速度を検出する横加速度センサ16や、実
ヨーレートを検出するヨーレートセンサ17も接続され
ている。また、四輪操舵ECU15には、後輪舵角セン
サ18、後輪操舵アクチュエータ19及び後輪駆動EC
U20も接続されている。
【0022】左右後輪6,7は、四輪操舵ECU15か
らの指令に基づいて後輪操舵アクチュエータ19により
後輪操舵機構21が駆動されて操舵される。このとき、
左右後輪6,7の舵角は、上述した後輪舵角センサ18
により検出される。
【0023】また、後輪駆動ECU20には、上述した
回転センサ8,9と、インバータ22とが接続されてい
る。インバータ22は、ホイールモータ4,5に供給す
る電力の供給源となるバッテリ23にも接続されてい
る。後輪駆動ECU20は、四輪操舵ECU15からの
指令を受けて、インバータ22を介して、ホイールモー
タ4,5の回転駆動を制御する。
【0024】インバータ22は、後輪駆動ECU20か
らの指令に基づいて、バッテリ23からの直流電流を交
流電流に変換してホイールモータ4,5に供給する。バ
ッテリ23の電圧がホイールモータ4,5の駆動電圧よ
りも低い場合は、インバータ22とバッテリ23との間
にDC-DCコンバータを設置し、DC-DCコンバータにより電
圧を昇圧させる。インバータ22は、ホイールモータ
4,5に対して、それぞれ異なる電力を供給できるよう
にされており、左側のホイールモータ4と右側のホイー
ルモータ5とで互いに異なる駆動力(トルク)を出力さ
せることができる。
【0025】なお、図1には、後輪駆動ECU20及び
インバータ22はそれぞれ一つしか図示されていない
が、左後輪6用の後輪駆動ECU及びインバータと、右
後輪7用の後輪駆動ECU及びインバータとがそれぞれ
個別に設けられても良い。また、バッテリ23は、ホイ
ールモータ4,5の駆動専用のものが搭載されても良い
し、他の補機類の駆動を兼用しても良い。車輌がハイブ
リッド車である場合などは、バッテリ23が左右前輪
2,3の駆動源となる場合もあり得る。
【0026】図2は、車体の実ヨーレートが目標ヨーレ
ートとなるように上述した後輪操舵装置により左右後輪
6,7の操舵及び駆動を制御する後輪操舵・駆動制御の
フローチャートである。
【0027】なお、図2に示すフローチャート中におけ
る各記号は下記の値を示す。
【0028】Y0:目標ヨーレート Yr:実ヨーレート M0:目標ヨーモーメント Trl:左後輪トルク Trr:右後輪トルク θ:後輪舵角 φ:前輪舵角 Gy:横加速度 V:車速 Wb:ホイールベース D:トレッド Kh:スタビリティファクタ t:時定数 s:ラプラス演算子 Ga:ヨーレート追従ゲイン R:後輪半径 Fy:必要横力 P:接地荷重 μ:路面摩擦係数 TL:トルク限界値 θL:後輪舵角限界値 N:後輪操舵配分 ΔM1:後輪駆動配分補正成分 ΔM2:目標ヨーモーメント補正成分 まず、次式(I)に基づいて、四輪操舵ECU15におい
て目標ヨーレートY0を算出する(ステップ100)。
【0029】Y0=(φ・V/Wb-Kh・Gy・V)/(1+ts)・・・・・・(I) ここで、前輪舵角φは前輪舵角センサ12により検出さ
れ、車速Vは車輪速センサ13,14により検出され、
横加速度Gyは横加速度センサ16より検出される。ホイ
ールベースWbは車体固有の定数である。スタビリティフ
ァクタKhは、車輌のステア特性の要因となる車輌固有の
定数であり、この値がプラス値であるとアンダーステア
傾向が強くなり、この値がマイナス値であるとオーバー
ステア傾向が強くなる。時定数tは、目標ヨーモーメン
トM0に関連して予め決定される定数である。即ち、この
目標ヨーレートY0は、その時点で検出された車輌状態を
もとに算出された、車輌に発生しているべき理想のヨー
レートである。
【0030】次に、次式(II)に基づいて、四輪操舵EC
U15において目標ヨーモーメントM0を算出する(ステ
ップ101)。
【0031】M0=(Y0-Yr)・Ga・・・・・・(II) ここで、実ヨーレートYrはヨーレートセンサ17により
検出される。ヨーレート追従ゲインGaは、ここで算出し
た目標ヨーモーメントMOにより車輌をヨーイングさせる
際のヨーイング特性の要因となる定数である。即ち、こ
の目標ヨーモーメントM0は、車輌の実ヨーレートを目標
ヨーレートにするために、車輌に発生させるべきヨーモ
ーメントである。
【0032】次に、ホイールモータ4,5が取り付けら
れており、かつ、ホイールモータ4,5が異常でないか
どうかを判断する(ステップ102)。この判断は、ホ
イールモータ4,5や回転センサ8,9の通電状況など
を検出することにより、四輪操舵ECU15(又は後輪
駆動ECU20)において判断する。ホイールモータ
4,5は、上述したように後付可能で取り外し可能であ
るため、ホイールモータ4,5が取付可能な車輌であっ
ても、取り付けられていない場合もあり得るので、ホイ
ールモータ4,5の有無及び正常か異常かを判断する。
【0033】もし、ホイールモータ4,5が取り付けら
れていなかったり、取り付けられていても異常である場
合、即ち、ステップ102が否定された場合は、後輪操
舵配分Nを1に設定する(ステップ103)。上述した
ように、目標ヨーモーメントM0は、左右後輪6,7の転
舵と左右後輪6,7の駆動力差とによって発生される。
このとき、目標ヨーモーメントM0全体を1としたとき
に、そのうちのどの程度を左右後輪6,7の転舵により
発生させるかを示す値が後輪操舵配分Nである。一方、
後輪駆動配分(1-N)が、目標ヨーモーメントM0全体を1
としたときに、そのうちのどの程度を左右後輪6,7の
駆動力差により発生させるかを示す。
【0034】ステップ103では、ホイールモータ4,
5が取り付けられていないか正常に機能しないかである
ので、後輪操舵配分N=1として目標ヨーモーメントM0の
全てを後輪操舵によってのみ発生させることにしてい
る。
【0035】ステップ102において、ホイールモータ
4,5が取り付けられており、かつ、異常でない場合、
即ち、ステップ102が肯定された場合は、後輪操舵を
正常に行えるかどうかを判断する(ステップ104)。
この判断は、後輪操舵アクチュエータ19や後輪操舵機
構21などの状況を各種センサなどを用いて検出するこ
とにより、四輪操舵ECU15において判断する。
【0036】もし、後輪操舵を正常に行えない場合、即
ち、ステップ104が否定された場合は、後輪操舵配分
Nを0(ゼロ)に設定する(ステップ105)。ここで
は、後輪操舵を正常に行えないので、後輪操舵配分N=0
として目標ヨーモーメントM0の全てを左右後輪6,7の
駆動力差によってのみ発生させることにしている。この
ように、後輪操舵調整機構の作動不可能時に、後輪操舵
調整機構による後輪操舵分の目標ヨーモーメントM0を、
後輪駆動力調整機構により補填するようにしておけば、
万が一、後輪操舵調整機構が作動不可能となっても、左
右後輪6,7により目標ヨーモーメントM0を発生させる
ことができる。
【0037】ステップ104において、後輪操舵を正常
に行えると判断された場合、即ち、ステップ104が肯
定された場合は、左右後輪6,7の操舵及び駆動の双方
とも正常に行えるので、目標ヨーモーメントM0を発生さ
せる際の後輪操舵配分Nをマップにより検索する(ステ
ップ106)。
【0038】ここで、後輪操舵配分Nのマップは、図3
(a)に示されるようなものである。図3(a)に示されるマ
ップは、後輪操舵配分Nが車速Vと関連づけられてい
る。車速Vが遅いときは後輪操舵配分Nが低く(即ち、
後輪駆動配分(1-N)が高く)され、車速Vが速くなるに
つれて後輪操舵配分Nが高く(即ち、後輪駆動配分(1-
N)が低く)され、ある一定の速度以上は後輪操舵配分
Nが1とされる。図3(a)においては、例えば、車速V
がVnのとき、後輪操舵配分NはNnとされる。
【0039】これは、後輪操舵及び後輪駆動(ホイール
モータ4,5)それぞれの特性を考慮して決定されたも
のである。一般に、ホイールモータは、出力できるトル
クに上限があり、高速走行時には有効に機能しなくなる
傾向がある。一方、後輪操舵は、左右後輪6,7の取付
部周辺のスペース上の関係から大舵角を確保することは
難しく、大舵角が必要とされる低速走行時に十分な舵角
を確保し難いという傾向がある。左右後輪6,7の舵角
を大きく確保しようとすると、後輪操舵機構21を大型
化する必要が生じたり、後輪ホイールハウスを大型化す
るためにトランクスペースや乗員スペースを削る必要が
生じるため現実的ではない。
【0040】逆に、ホイールモータは、低速時には十分
なトルクを発生させることができるため、低速時に大舵
角を確保できない後輪操舵に代わってヨーモーメントを
発生させるのに有効である。また、高速時には、左右後
輪6,7を大きく操舵する必要がないため、ホイールモ
ータは有効に機能し得なくても後輪操舵のみで十分なヨ
ーモーメントを発生させることができる。即ち、低速型
のホイールモータと、高速型の後輪操舵を効率良く配分
したものが、図3(a)に示されるマップとなるのであ
る。
【0041】なお、ここでは、目標ヨーモーメントM0の
大小に関わらず、後輪操舵配分Nは車速Vのみをパラメ
ータとして決定されたが、車速Vに加えて目標ヨーモー
メントM0の大きさもパラメータの一つにしてマップを作
成することも可能である。さらに、その他のパラメータ
を加えてマップを作成することも可能である。
【0042】このように、車速Vに応じて、目標ヨーモ
ーメントM0を発生させる後輪操舵と後輪駆動との配分を
変化させるようにすれば、後輪操舵と後輪駆動とのメリ
ットとデメリットとを互いに補完させることができ、低
速走行時から高速走行時の全ての速度域において、より
高度な車輌姿勢制御を行うことができる。特に、車速V
が遅くなるにつれて目標ヨーモーメントM0を発生させる
後輪駆動の配分を増加させるようにすれば、後輪操舵及
び後輪駆動のメリットとデメリットとを最も良いバラン
スで互いに補完させることができる。
【0043】ステップ103、105、又は106の次
に、後輪駆動配分補正成分ΔM1と目標ヨーモーメント補
正成分ΔM2との両者を0(ゼロ)に設定する(ステップ
107)。これらの補正成分は、後輪舵角θが後輪舵角
限界値θLを超えた状態や、ホイールモータ4,5それ
ぞれの出力トルクTrl,Trrがトルク限界値TLを超えた状
態で制御されないようにするものである。これらについ
ては、追って詳述する。
【0044】次に、目標ヨーモーメントM0の補正を行う
(ステップ108)。このステップは、上述したよう
に、後輪舵角θが後輪舵角限界値θLを超え、ホイール
モータ4,5それぞれの出力トルクTrl,Trrがトルク限
界値TLを超えた場合を考慮したもので、最初は目標ヨー
モーメント補正成分ΔM2が0(ゼロ)なので、目標ヨー
モーメントM0はステップ101で算出されたままの値と
なる。これについても、追って詳述する。
【0045】ステップ108に続いて、四輪操舵ECU
15において、次式(III),(IV)に基づいて、ホイールモ
ータ4,5が出力すべき駆動力(トルク)が、目標ヨー
モーメントM0から算出される(ステップ109)。
【0046】Trr=[(1-N)M0+ΔM1]・R/D・・・・・・(III) Trl=-[(1-N)M0+ΔM1]・R/D・・・・・・(IV) なお、上式(III),(IV)から明らかなように、左側のホイ
ールモータ4により出力されるトルクと右側のホイール
モータ5により出力されるトルクとは、同じ大きさで互
いに逆回転となるものである。即ち、車両が走行してい
るとき、左右後輪6,7の一方は前進方向のトルクを受
け、他方はブレーキとなるトルクを受ける。
【0047】一般に、左右後輪を駆動することにより発
生されるヨーモーメントは、図4(a)に示されるよう
に、次式から求められる。
【0048】M=(D/2)・Frr-(D/2)・Frl なお、ここで、図4における各記号は下記の値を示す。
【0049】M:ヨーモーメント D:トレッド Frl:左後輪による推進力 Frr:右後輪による推進力 Trr:右後輪のトルク Trl:左後輪のトルク R:車輪外径 また、Frl,Frrは、図4(b)より、それぞれ次式から求め
られる。
【0050】Frl=Trl/R Frr=Trr/R 即ち、 M=(D/2)・Trr/R-(D/2)・Trl/R ここで、左右後輪のトルクが同じ大きさで逆回転となる
ように制御することにすると、 Trr=-Trl であり、これより、 M=D・Trr/R 逆に言えば、ヨーモーメントMを発生させるための左右
後輪トルクTrl,Trrは、 Trr=M・R/D・・・・・・(*1) Trl=-M・R/D・・・・・・(*2) である。
【0051】ここで、上述した制御における後輪操舵配
分Nと後輪駆動配分補正成分ΔM1を考慮すると、ステッ
プ109における式(III),(IV)が得られる。上式(*1),
(*2)における「ヨーモーメントM」を、「目標ヨーモー
メントM0に後輪駆動配分(1-N)を掛けて後輪駆動配分補
正成分ΔM1(当初は0)を加えたもの」と差し替えた式
が上式(III),(IV)である。
【0052】一方、ステップ109に続いて、四輪操舵
ECU15において、左右後輪6,7が転舵されるべき
後輪舵角θを、路面摩擦係数μと接地荷重Pと次式(V)
により目標ヨーモーメントM0から算出される必要横力Fy
とに基づいてマップで検索する(ステップ110)。
【0053】Fy=(N・M0-ΔM1)/Wb・・・・・・(V) 一般に、左右後輪を操舵することにより発生されるヨー
モーメントは、図5に示されるように、次式から求めら
れる。
【0054】M=(Wb/2)・Fyl+(Wb/2)・Fyr なお、ここで、図5における各記号は下記の値を示す。
【0055】M:ヨーモーメント Wb:ホイールベース Fyl:舵角により左後輪に生じる横力 Fyr:舵角により右後輪に生じる横力 左右後輪の舵角は同一であるので、Fyl=Fyr(=Fy)とすれ
ば、 M=Wb・Fy 逆に言えば、ヨーモーメントMを発生させるための必要
横力Fyは、 Fy=M/Wb・・・・・・(*3) である。
【0056】ここで、上述した制御における後輪操舵配
分Nと後輪駆動配分補正成分ΔM1を考慮すると、ステッ
プ110における式(V)が得られる。上式(*3)における
「ヨーモーメントM」を、「目標ヨーモーメントM0に後
輪操舵配分Nを掛けて後輪駆動配分補正成分ΔM1(当初
は0)を引いたもの」と差し替えた式が上式(V)であ
る。
【0057】ステップ110において検索するマップ
は、図3(b)に示されるようなものである。図3(b)に示
されるマップは、路面摩擦係数μと接地荷重Pと上式
(V)により求められた必要横力Fyとをパラメータとし
て、後輪舵角θを決定するものである。路面摩擦係数μ
は、左右前輪2,3などの車輪のスリップ率や車体に加
わる加速度などから推測される。接地荷重Pは、車重や
ブレーキング状態などから推測される。図3(b)におい
ては、例えば、接地荷重PがPn、路面摩擦係数μがμ
n、上式(V)により求めた必要横力FyがFynである場合、
後輪舵角θはθnとされる。
【0058】ステップ110に続いて、ステップ110
において決定された後輪舵角θが後輪舵角限界値θL
下であるかどうかを判断する(ステップ111)。上述
したように、後輪舵角θには限界がある。ステップ11
0において決定された後輪舵角θが後輪舵角限界値θL
を超えているようであると、当然のことながら、左右後
輪6,7を操舵することによって発生させようとしてい
た目標ヨーモーメントM0に不足が生じる。そこで、後輪
舵角θが後輪舵角限界値θLを超えている場合は、後輪
操舵による目標ヨーモーメントM0の不足分を後輪駆動力
調整機構による後輪駆動によって補填するような補正を
行う。
【0059】ステップ111において、決定された後輪
舵角θが後輪舵角限界値θLを超えていると判断された
場合、即ち、ステップ111が否定された場合は、後輪
駆動配分補正成分ΔM1に補正分M1を加えたものを新たに
後輪駆動配分補正成分ΔM1とする(ステップ112)。
当初の後輪駆動配分補正成分ΔM1は0(ゼロ)だったの
で、新たな後輪駆動配分補正成分ΔM1はM1となる。この
新たな後輪駆動配分補正成分ΔM1により、ステップ10
8〜111を再度行う。
【0060】式(III)〜(V)を見れば明らかなように、新
たな後輪駆動配分補正成分ΔM1の分だけ、後輪操舵によ
り発生させるべき目標ヨーモーメントM0の配分が減らさ
れ、新たな後輪駆動配分補正成分ΔM1の分だけ、後輪駆
動により発生させるべき目標ヨーモーメントM0の配分が
増やされることになる。
【0061】ステップ108〜111を再度行っても、
ステップ111において否定されるようであれば、後輪
駆動配分補正成分ΔM1をさらにM1だけ増加させ、ステッ
プ111が肯定されるまでステップ108〜111を繰
り返し行う。
【0062】ステップ111において、決定された後輪
舵角θが後輪舵角限界値θL以下である場合、即ち、ス
テップ111が肯定された場合は、続いてホイールモー
タ4,5それぞれのトルク限界値TLをマップにより検索
する(ステップ113)。上述したように、ホイールモ
ータ4,5にも、その出力トルクに限界値がある。
【0063】ここで、トルク限界値TLのマップは、図3
(c)に示されるようなものである。図3(c)に示されるマ
ップは、トルク限界値TLが車速Vと関連づけられてい
る。車速Vが遅いときは各ホイールモータ4,5は性能
の上限値を出すことができるが、ある一定の車速Vを超
えると、出力することのできるトルクが減少していく。
図3(c)においては、例えば、車速VがVnのとき、トル
ク限界値TLはTLnである。
【0064】ステップ113に続いて、ステップ109
において決定された左右後輪トルクTrl,Trrの各絶対値
が各ホイールモータ4,5のトルク限界値TL以下である
かどうかを判断する(ステップ114)。ステップ10
9において決定された左右後輪トルクTrl,Trrの各絶対
値がトルク限界値TLを超えているようであると、当然の
ことながら、左右後輪6,7を回転駆動することによっ
て発生させようとしていた目標ヨーモーメントM0に不足
が生じる。そこで、左右後輪トルクTrl,Trrの各絶対値
がトルク限界値TLを超えている場合は、後輪舵角θが既
に後輪舵角限界値θL以下となるようにされているの
で、目標ヨーモーメントM0自体を切り下げる補正を行
う。
【0065】ステップ114において、決定された左右
後輪トルクTrl,Trrの各絶対値がトルク限界値TLを超え
ていると判断された場合、即ち、ステップ114が否定
された場合は、目標ヨーモーメント補正成分ΔM2に補正
分M2を加えたものを新たに目標ヨーモーメント補正成分
ΔM2とする(ステップ115)。当初の目標ヨーモーメ
ント補正成分ΔM2は0(ゼロ)だったので、新たな目標
ヨーモーメント補正成分ΔM2はM2となる。この新たな目
標ヨーモーメント補正成分ΔM2により、ステップ108
〜114を再度行う。
【0066】ステップ108においては、当初の目標ヨ
ーモーメントM0から目標ヨーモーメント補正成分ΔM2を
引いたものを新たな目標ヨーモーメントM0とする。この
切り下げられた新たな目標ヨーモーメントM0に基づい
て、左右後輪トルクTrl,Trrと後輪舵角θとを再度決定
する。この過程で、後輪舵角θが後輪舵角限界値θL
超える場合は、ステップ108〜111が再度繰り返し
行われることになる。なお、目標ヨーモーメント補正成
分ΔM2の値が変更される度に、後輪駆動配分補正成分Δ
M1が0(ゼロ)にリセットされる。
【0067】ステップ108〜114を再度行っても、
ステップ114において否定されるようであれば、目標
ヨーモーメント補正成分ΔM2をさらにM2だけ増加させ、
ステップ114が肯定されるまでステップ108〜11
4を繰り返し行う。
【0068】ステップ114において、決定された左右
後輪トルクTrl,Trrの各絶対値がトルク限界値TLを以下
である場合、即ち、ステップ114が肯定された場合
は、四輪操舵ECU15から後輪操舵アクチュエータ1
9に対して後輪舵角θの指令値が出力されると共に、四
輪操舵ECU15から後輪駆動ECU20に対して左右
後輪トルクTrl,Trrの指令値が出力される(ステップ1
16)。
【0069】後輪操舵アクチュエータ19は、四輪操舵
ECU15からの後輪舵角θの指令値に基づいて、後輪
操舵機構21を介して左右後輪6,7を操舵する。ま
た、後輪駆動ECU20は、四輪操舵ECU15からの
左右後輪トルクTrl,Trrの指令値に基づいて、インバー
タ22を介してホイールモータ4,5を回転駆動させ
る。
【0070】なお、図2に示されるフローチャートにお
いては、先ず後輪舵角θを後輪舵角限界値θL以下とな
るように制御した後、左右後輪トルクTrl,Trrの各絶対
値がトルク限界値TL以下であるかを判断し、トルク限界
値TLを超えているようであると、目標ヨーモーメントM0
自体を切り捨てるものであった。しかし、先ず左右後輪
トルクTrl,Trrの各絶対値をトルク限界値TL以下となる
ように制御した後、後輪舵角θが後輪舵角限界値θL
下であるかを判断し、後輪舵角限界値θLを超えている
ときに、目標ヨーモーメントM0自体を切り捨てるような
制御を行うことも可能である。このような制御を行う場
合のフローチャートを図6に示す。
【0071】図6に示されるフローチャートにおいて
は、その多くのステップが図2に示されるフローチャー
トにおけるステップと同一である。このため、図6に示
されるフローチャートに関し、以下には、図2に示され
るフローチャートと異なるステップについてのみ詳しく
説明し、図2に示されるフローチャートと同一のステッ
プについては同一のステップ番号を付してその説明を省
略する。
【0072】ステップ100〜ステップ108は、上述
した図2に示されるフローチャートと変わるところはな
い。ステップ108に続いて、四輪操舵ECU15にお
いて、ホイールモータ4,5が出力すべき駆動力(トル
ク)を、次式(VI),(VII)に基づいて、目標ヨーモーメン
トM0からから算出する(ステップ118)。
【0073】Trr=[(1-N)M0-ΔM1]・R/D・・・・・・(VI) Trl=-[(1-N)M0-ΔM1]・R/D・・・・・・(VII) 即ち、上述した式(*1),(*2)における「ヨーモーメント
M」を、「目標ヨーモーメントM0に後輪駆動配分(1-N)
を掛けて後輪駆動配分補正成分ΔM1(当初は0)を引い
たもの」と差し替えた式が上式(VI),(VII)である。
【0074】ステップ118に続いて、四輪操舵ECU
15において、左右後輪6,7が転舵されるべき後輪舵
角θを、路面摩擦係数μと接地荷重Pと次式(VIII)によ
り目標ヨーモーメントM0から算出される必要横力Fyとに
基づいてマップで検索する(ステップ119)。
【0075】Fy=(N・M0+ΔM1)/Wb・・・・・・(VIII) 即ち、上述した式(*3)における「ヨーモーメントM」
を、「目標ヨーモーメントM0に後輪操舵配分Nを掛けて
後輪駆動配分補正成分ΔM1(当初は0)を加えたもの」
と差し替えた式が上式(VIII)である。
【0076】ステップ119に続いて、各ホイールモー
タ4,5のトルク限界値TLをマップにより検索する(ス
テップ120)。ここでのマップの検索自体は、上述し
た図2に示されるフローチャートにおけるステップ11
3と同様である。
【0077】ステップ120に続いて、ステップ118
において決定された左右後輪トルクTrl,Trrの各絶対値
が各ホイールモータ4,5のトルク限界値TL以下である
かどうかを判断する(ステップ121)。ステップ11
8において決定された左右後輪トルクTrl,Trrの各絶対
値が各ホイールモータ4,5のトルク限界値TLを超えて
いるようであると、左右後輪6,7を回転駆動すること
によって発生させようとしていた目標ヨーモーメントM0
に不足が生じる。そこで、左右後輪トルクTrl,Trrの各
絶対値が各ホイールモータ4,5のトルク限界値TLを超
えている場合は、後輪駆動による目標ヨーモーメントM0
の不足分を、後輪操舵調整機構による後輪操舵によって
補填するような補正を行う。
【0078】ステップ121において、決定された左右
後輪トルクTrl,Trrの各絶対値が各ホイールモータ4,
5のトルク限界値TLを超えていると判断された場合、即
ち、ステップ121が否定された場合は、後輪駆動配分
補正成分ΔM1に補正分M1を加えたものを新たに後輪駆動
配分補正成分ΔM1とする(ステップ112)。この新た
な後輪駆動配分補正成分ΔM1により、ステップ108〜
121を再度行う。
【0079】式(VI)〜(VIII)を見れば明らかなように、
新たな後輪駆動配分補正成分ΔM1の分だけ、後輪駆動に
より発生させるべき目標ヨーモーメントM0の配分が減ら
され、新たな後輪駆動配分補正成分ΔM1の分だけ、後輪
操舵により発生させるべき目標ヨーモーメントM0の配分
が増やされることになる。
【0080】ステップ121において、決定された左右
後輪トルクTrl,Trrの各絶対値が各ホイールモータ4,
5のトルク限界値TL以下である場合、即ち、ステップ1
21が肯定された場合は、ステップ119において決定
された後輪舵角θが後輪舵角限界値θL以下であるかど
うかを判断する(ステップ122)。ステップ119に
おいて決定された後輪舵角θが後輪舵角限界値θLを超
えているようであると、左右後輪6,7を転舵させるこ
とによって発生させようとしていた目標ヨーモーメント
M0に不足が生じる。そこで、後輪舵角θが後輪舵角限界
値θLを超えている場合は、左右後輪トルクTrl,Trrの各
絶対値が既にトルク限界値TL以下となるようにされてい
るので、目標ヨーモーメントM0自体を切り下げる補正を
行う。
【0081】ステップ122において、決定された後輪
舵角θが後輪舵角限界値θLを超えていた場合、即ち、
ステップ122が否定された場合は、目標ヨーモーメン
ト補正成分ΔM2に補正分M2を加えたものを新たに目標ヨ
ーモーメント補正成分ΔM2とする(ステップ115)。
この新たな目標ヨーモーメント補正成分ΔM2により、ス
テップ108〜122を再度行う。
【0082】ステップ122において、決定された後輪
舵角θが後輪舵角限界値θL以下である場合、即ち、ス
テップ122が肯定された場合は、四輪操舵ECU15
から後輪操舵アクチュエータ19に対して後輪舵角θの
指令値が出力されると共に、四輪操舵ECU15から後
輪駆動ECU20に対して左右後輪トルクTrl,Trrの指
令値が出力される(ステップ116)。
【0083】本発明の後輪操舵装置は、上述した実施形
態のものに限定されない。例えば、ハイブリッド自動車
やエンジンを有しない電気自動車に対して本発明を適用
することも可能である。
【0084】
【発明の効果】本発明の後輪操舵装置によれば、前輪を
操舵したり横風を受けたりした場合の車体の実ヨーレー
トが目標ヨーレートとなるように、後輪操舵及び後輪駆
動により目標ヨーモーメント発生させることができる。
このように後輪操舵と後輪駆動とを組み合わせて互いを
補完させながら目標ヨーモーメントを発生させることが
できるので、より高度な車輌姿勢制御を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の後輪操舵装置が搭載された車輌の構成
を示すシステム図である。
【図2】図1に示す後輪操舵装置による後輪の操舵・駆
動を制御を示すフローチャートである。
【図3】図2に示す操舵駆動制御における各種検索マッ
プを示している。
【図4】左右後輪を駆動することによりヨーイングモー
メントを発生させた際の車輌状態を示しており、(a)は
車輌平面図であり、(b)は左右後輪側面図である。
【図5】左右後輪を転舵させることによりヨーイングモ
ーメントを発生させた際の車輌状態を示した車輌平面図
である。
【図6】図1に示す後輪操舵装置による後輪の操舵・駆
動を制御を示す他のフローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン、2…左前輪、3…右前輪、4,5…ホイ
ールモータ、6…左後輪、7…右後輪、8,9…回転セ
ンサ、12…前輪舵角センサ、13,14…車輪速セン
サ、15…四輪操舵ECU、16…横加速度センサ、1
7…ヨーレートセンサ、18…後輪舵角センサ、19…
後輪操舵アクチュエータ、20…後輪駆動ECU。
フロントページの続き Fターム(参考) 3D032 CC01 DA06 DA13 DA24 DA29 DA33 DA40 DA50 DA82 DB02 DB03 DC08 DC33 DC34 DD02 DE09 EA06 EB04 EB11 EB16 EC22 FF05 GG01 GG15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体の実ヨーレートが目標ヨーレートと
    なるように目標ヨーモーメントを発生させる後輪操舵装
    置であって、 左右後輪の舵角を調整する後輪舵角調整機構と、前記左
    右後輪の各駆動力を調整する後輪駆動力調整機構とを備
    え、前記後輪舵角調整機構及び前記後輪駆動力調整機構
    により前記目標ヨーモメントを発生させることを特徴と
    する後輪操舵装置。
  2. 【請求項2】 前記後輪舵角調整機構及び前記後輪駆動
    力調整機構により、前記目標ヨーモーメントを発生させ
    る後輪操舵と後輪駆動との配分を、車速に応じて変化さ
    せることを特徴とする請求項1に記載の後輪操舵装置。
  3. 【請求項3】 前記目標ヨーモーメントを発生させる後
    輪操舵と後輪駆動との配分に関して、前記後輪舵角調整
    機構及び前記後輪駆動力調整機構により、車速が遅くな
    るにつれて後輪駆動の配分を増加させることを特徴とす
    る請求項1に記載の後輪操舵装置。
  4. 【請求項4】 前記後輪操舵調整機構の作動不可能時
    に、前記後輪操舵調整機構による後輪操舵分の前記目標
    ヨーモーメントを、前記後輪駆動力調整機構による後輪
    駆動によって補填することを特徴とする請求項1〜3の
    何れかに記載の後輪操舵装置。
  5. 【請求項5】 後輪操舵の舵角が限界に達したときに、
    後輪操舵による前記目標ヨーモーメントの不足分を、前
    記後輪駆動力調整機構による後輪駆動によって補填する
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の後輪操
    舵装置。
  6. 【請求項6】 後輪駆動の駆動力が限界に達したとき
    に、後輪駆動による前記目標ヨーモーメントの不足分
    を、前記後輪操舵調整機構による後輪操舵によって補填
    することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の後
    輪操舵装置。
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