JP2008062687A - 車両の駆動力配分制御装置 - Google Patents

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武蔵 山口
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岩野  浩
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晋 小宮山
Ichiro Yamaguchi
一郎 山口
Seiji Shimodaira
誠司 下平
Hideaki Watanabe
英明 渡辺
Tetsuya Ikeda
哲也 池田
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Abstract

【課題】各輪の駆動力制限を超えないように目標車両挙動を実現する駆動力配分を求める。
【解決手段】本発明は、車両前後方向力及びヨーモーメントの目標値を演算し、各輪(1〜4)への駆動力配分基本値を演算し、各輪の駆動力制限値を演算し、駆動力配分基本値を駆動力制限値によって制限した制限後駆動力基本値を演算し、制限後駆動力基本値によって実現する車両前後方向力及びヨーモーメントを演算し、車両前後方向力及びヨーモーメントの目標値と、制限後駆動力基本値によって実現する車両前後方向力及びヨーモーメントとの誤差である車両挙動誤差を演算し、車両挙動誤差を縮小するように各輪への駆動力配分補正量を演算し、制限後駆動力基本値に駆動力配分補正量を加算することで、各輪への駆動力配分の目標値を演算し、駆動力配分目標値に基づいて第1のモータ(12)、第2のモータ(15)及び第3のモータ(16)の駆動力を制御する。
【選択図】図6

Description

本発明は、車両の駆動力配分制御装置に関するものである。
車両の左右輪を独立に駆動(あるいは制動)可能な車両において、ヨーレートや車両横方向加速度が所望の応答となる左右輪の駆動力差をフィードフォワードで求めるモデルフォロイング制御が非特許文献1に記載されている。このモデルフォロイング制御では、各輪の舵角、駆動力、横すべり角等が十分小さいという仮定のもとで車両を線形化(線形2輪モデル)し、この線形化した車両モデルの逆モデルを用いてヨーレートや車両横方向加速度が所望の応答となる左右輪の駆動力差を求めている。
また、4輪を独立して駆動可能な車両において、各輪の駆動力とタイヤ横力との非線形な関係を考慮しながら、車両前後方向加速度、車両横加速度、ヨー角加速度の各目標値を実現する4輪の駆動力配分をフィードフォワードで求める方法が知られている。この方法では、予めドライバーの操作量に応じて求めておいた静的な駆動力配分をベースとして車両挙動を求め、この車両挙動と目標車両挙動との誤差を小さくするように駆動力配分を補正し、駆動力配分の目標値を求めている。
金井喜美雄、越智徳昌、川邊武俊、「ビークル制御」、槇書店、2004年1月20日、第3章3.2節
上記非特許文献1の技術では、線形近似された車両モデルに対し、所望のヨーレートや車両横方向加速度を得ることができる。しかし、ヨーレートや横方向加速度等を主として生じさせるのは各輪のタイヤ横力であり、駆動力変化に対するこのタイヤ横力の変化は、横すべり角や輪荷重等によって非線形に変化する。特に各輪の舵角や横すべり角が大きくなる急旋回時には、各輪の舵角や横すべり角を線形近似したことによるモデル誤差が大きくなる。
このようにタイヤ横力の非線形性が強くなりモデル誤差が大きくなるような場合には、上記非特許文献1の技術で求めた左右輪駆動力差ではヨーレートや車両横方向加速度を所望の応答とすることができず、目標値に対してオーバーシュートや収束の遅れが発生し、ドライバーの操縦性を損ねる可能性がある。
また、駆動力制限を超える駆動力配分の目標値が求められた場合には、過剰な駆動力によってタイヤの過回転スリップが発生し、またモータ保護機能によって駆動力制限が生じることにより、駆動力配分を実現することができず目標車両挙動への追従性が低下する可能性がある。
本発明は、各輪の駆動力制限を超えないように目標車両挙動を実現する駆動力配分を求めることを目的とする。
本発明は、前輪及び後輪のうち一方の左右輪を駆動する第1のモータと、他方の左輪を駆動する第2のモータと、他方の右輪を駆動する第3のモータとを備える車両の駆動力配分制御装置において、車両の車両前後方向力及びヨーモーメントの目標値を演算する目標車両挙動演算手段と、車両前後方向力及びヨーモーメントに基づいて一方の左右輪、他方の左輪及び他方の右輪への駆動力配分基本値を演算する駆動力配分基本値演算手段と、一方の左右輪、他方の左輪及び他方の右輪の駆動力制限値を演算する駆動力制限値演算手段と、駆動力配分基本値を駆動力制限値によって制限した制限後駆動力基本値を演算する制限後駆動力基本値演算手段と、制限後駆動力基本値によって実現する車両前後方向力及びヨーモーメントを演算する車両挙動演算手段と、車両前後方向力及びヨーモーメントの目標値と、制限後駆動力基本値によって実現する車両前後方向力及びヨーモーメントとの誤差である車両挙動誤差を演算する車両挙動誤差演算手段と、車両挙動誤差を縮小するように一方の左右輪、他方の左輪及び他方の右輪への駆動力配分補正量を演算する駆動力配分補正量演算手段と、制限後駆動力基本値に駆動力配分補正量を加算することで、一方の左右輪、他方の左輪及び他方の右輪への駆動力配分の目標値を演算する目標駆動力配分演算手段と、駆動力配分目標値に基づいて第1のモータ、第2のモータ及び第3のモータの駆動力を制御する駆動力制御手段とを備える。
また、左前輪を駆動する第1のモータ、右前輪を駆動する第2のモータ、左後輪を駆動する第3のモータ及び右後輪を駆動する第4のモータを備える車両の駆動力配分制御装置において、車両の車両前後方向力、車両横方向力及びヨーモーメントの目標値を演算する目標車両挙動演算手段と、車両前後方向力、車両横方向力及びヨーモーメントに基づいて左前輪、右前輪、左後輪及び右後輪への駆動力配分基本値を演算する駆動力配分基本値演算手段と、左前輪、右前輪、左後輪及び右後輪の駆動力制限値を演算する駆動力制限値演算手段と、駆動力配分基本値を駆動力制限値によって制限した制限後駆動力基本値を演算する制限後駆動力基本値演算手段と、制限後駆動力基本値によって実現する車両前後方向力、車両横方向力及びヨーモーメントを演算する車両挙動演算手段と、車両前後方向力、車両横方向力及びヨーモーメントの目標値と、制限後駆動力基本値によって実現する車両前後方向力、車両横方向力及びヨーモーメントとの誤差である車両挙動誤差を演算する車両挙動誤差演算手段と、車両挙動誤差を縮小するように左前輪、右前輪、左後輪及び右後輪への駆動力配分補正量を演算する駆動力配分補正量演算手段と、制限後駆動力基本値に駆動力配分補正量を加算することで、左前輪、右前輪、左後輪及び右後輪への駆動力配分の目標値を演算する目標駆動力配分演算手段と、駆動力配分目標値に基づいて第1のモータ、第2のモータ、第3のモータ及び第4のモータの駆動力を制御する駆動力制御手段とを備える。
本発明によれば、駆動力配分基本値に対して各輪の駆動力制限を考慮して車両挙動を演算するので、駆動力基本値に基づいて駆動力配分を実現した場合の車両挙動を精度良く推定することができる。これにより、推定した車両挙動と目標車両挙動との誤差を縮小するように駆動力配分を補正することで目標車両挙動への追従性を向上させることができる。また、4輪を独立して駆動する車両においても同様である。
以下では図面等を参照して本発明の実施の形態について詳しく説明する。まず初めに本発明の前提となる理論について説明する。
図1は前輪(1と2)、左後輪3、右後輪4をそれぞれ独立に駆動できる車両において各輪の駆動力とタイヤ横力と舵角、そして車両に働く前後方向、横方向、重心周りのヨーモーメントを表した図である。なお、ここではエンジン駆動輪を前左右輪として説明する。
δ1、δ2、δ3、δ4は各車輪1〜4それぞれの舵角、Fx1、Fx2、Fx3、Fx4(単位:rad)は各車輪1〜4の駆動力(単位:N)である。Fx1、Fx2はデフを介して駆動力Fx1、2が配分される。図2は左右輪への駆動力配分特性の例を示す。図2(a)は左右輪の回転速度差によらず常に左右均等に駆動力を配分するオープンデフの場合を示す。図2(b)は左右輪の回転速度差に応じて駆動力配分を変更する差動制限装置付きデフの場合を示しており、高回転側から低回転側へ駆動力が配分され、駆動力Fx12とFx1、Fx2との関係は以下の(1)、(2)式のように表すことができる。
ここで、eは駆動力Fx12のうち、左前輪に配分される駆動力の比を示す。
Fy1、Fy2、Fy3、Fy4は各車輪1〜4のタイヤ横力(単位:N)である。また、Fxはタイヤ力の総和の車両前後方向成分(単位:N)、Fyはタイヤ力の総和の車両横方向成分(単位:N)、Mは各輪のタイヤ力によって発生する車両重心周りのヨーモーメントの総和(単位:Nm)である。また、Lfは車両重心軸から前輪車軸までの距離(単位:m)、Lrは車両重心軸から後輪車軸までの距離(単位:m)、Ltは前後輪のトレッド長さ(単位:m)である。またホイールベースの長さをLl=Lf+Lr(単位:m)とする。
舵角δi(i=1〜4)及びMは車両を鉛直上方から見た場合に時計回りを正とし、δiは各車輪の回転方向が車両前後方向と一致している状態を0とする。また、Fxiはδiが全て0の時に車両を前方に加速させる方向を正とし、タイヤ横力Fyi(単位:N)はδiが全て0の時に車両を左方向に加速させる方向を正とする。
ここで、まず各車輪で発生する駆動力とタイヤ横力の合力(タイヤ力)の車両前後方向成分Fxi '及び車両横方向成分Fyi 'を考える。図3に示すように各輪の舵角をδi(i=1〜4)だけ切った場合におけるFxi 'とFyi 'は以下の(3)、(4)式の通り表される。ただし、Fxi 'は車両を前方に加速する方向を、Fyi 'は車両を左方向に加速させる方向をそれぞれ正とする。
従って、各車輪の駆動力がΔFxiだけ変化したときのタイヤ横力変化量をΔFyiとすると、各車輪の駆動力がΔFxiだけ変化したときのFxi '、Fyi 'の変化量ΔFxi '、ΔFyi 'は以下の(5)、(6)式の通り表される。
ここでさらに、駆動力とタイヤ横力の関係は図4に示す関係にある。図4は輪荷重と路面摩擦係数に変化が無いとした時の駆動力とタイヤ横力の関係を表した図で、駆動力を横軸に、タイヤ横力を縦軸にとっている。この図4の関係を利用して、各輪の現在の駆動力Fxiとタイヤ横力Fyiにおける、駆動力変化ΔFxiに対するタイヤ横力の感度をki(i=1〜4)とおく。即ち、kiは図4に示すようにΔFxi及びΔFyiが微小の時の式(7)の値である。
するとΔFxi及びΔFyiが微小で、この式(7)の近似が十分成り立つとすると、ΔFyi=kiΔFxiとおけるので、各輪の駆動力Fxiが十分微小なΔFxiだけ変化した時のFxi '、Fyi 'の変化量ΔFxi '、ΔFyi 'は式(8)及び式(9)の通り表される。
また、ΔFx1 '、ΔFx2 '、ΔFy1 '、ΔFy2 'は、式(1)、(2)を用いて次のように表せる。
ここで、図1の状態において、タイヤ力の総和の車両前後方向成分Fxと、各輪のタイヤ力によって発生する車両重心周りのヨーモーメントの総和Mは式(14)、(15)の通り表すことができる。ただし、Mは図1の通り車両を鉛直上方からみたときに反時計回りを正とする。
・・・(15)
従って、各輪の制駆動力FxiがそれぞれΔFxiだけ変化したときのFx、Mの変化量ΔFx、ΔMは式(8)及び式(9)のpi、qiを用いて、式(16)、(17)の通り表される。
また、式(16)、(17)をまとめると式(18)の通り表すことができる。
ΔFx1,2を既知と仮定してΔFx3、ΔFx4について解くと、ΔFx3、ΔFx4は式(19)の通り表される。
ただし、
従って式(19)より、D1≠0の場合には、現在の動作点周りでFx、MをそれぞれΔFx、ΔMだけ変化させる各輪の駆動力変化量ΔFxiは、χを任意定数として式(23)の通り求めることが出来る。
同様にしてΔFx3、ΔFx4の何れか一つを既知と仮定して式(18)を解くと、D3≠0、D4≠0それぞれの場合に現在の動作点周りでFx、MをそれぞれΔFx、ΔMだけ変化させる各輪の駆動力変化量ΔFxiを求める式が得られる。例としてΔFx3を既知として式(18)を解くと、式(24)の通りとなる。
次に、この式(23)や式(24)を用い、各輪の駆動力Fxiとタイヤ横力Fyiとの非線形な関係を考慮しながら、車両前後方向力,ヨーモーメントの目標値Fx**、M**を実現する駆動力配分Fxiをフィードフォワードで求める手法について図5を用いて説明する。
まず、ドライバーのアクセルやハンドル等の操作からFx**、M**を生成する(図5(a)、(b)の破線)。
次にこのFx**、M**を概ね実現する駆動力配分の基本値Fxi ##を演算する(図5(c)、(d)、(e)の破線)。
Fx**、M**を演算する方法として、例えば車両を線形近似したモデルに対しモデルフォロイング制御(金井喜美雄、越智徳昌、川邊武俊、「ビークル制御」、槇書店、第3章3.2節参照)等を適用して設定する。
そしてFxi ##で実現される車両前後方向力Fx##、車両横方向力Fy##、ヨーモーメントM##を、各輪の駆動力とタイヤ横力との非線形な関係を考慮した車両モデルを用いて求める(図5(a)、(b)の実線)。
そしてFx**、M**とFx##、M##との誤差ΔFx、ΔMを補償する、駆動力配分補正量ΔFxiを式(23)または式(24)を使って求める。最後に、Fxi **=Fxi ##+ΔFxi(図5(c)、(d)、(e)の実線)としてFx**、M**を実現する駆動力配分Fxi **を求めることが出来る。
次に本発明を車両に適用した場合の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図6は、本実施形態における車両の駆動力配分制御装置を示すシステム構成概略図である。車両は、前輪1、2の駆動力源としてエンジン10と、バッテリ9から供給される電力により駆動されるモータ12とを備え、エンジン10及びモータ12の駆動力は、変速機13、デファレンシャル14を介して左前輪1、右前輪2へ伝達される。エンジン10とモータ12との間にはクラッチ11が設けられ、エンジン停止時にはクラッチ11を開放してモータ12のみを駆動力源として走行することができる。
また、後輪の駆動力源として左後輪3にモータ15、右後輪4にモータ16を備え、それぞれ独立に駆動される。モータ15及びモータ16はそれぞれバッテリ9から供給される電力によって駆動される。
モータ12、15、16は三相同期電動機や三相誘導電動機等の力行運転及び回生運転ができる交流機であり、バッテリ9はニッケル水素電池又はリチウムイオン電池などである。インバータ17〜19は回生時にモータ12、15、16で発電された交流電流を直流電流に変換してバッテリ9に充電するとともに、バッテリ9が放電した直流電流を交流電流に変換してモータ12、15、16に供給する。
各車輪1〜4の速度は各車輪付近に設けられる車輪速センサ21〜24によって検出され、検出された各車輪1〜4の回転速度はコントローラ8に送信される。各車輪1〜4の回転半径はRで全て等しく、後輪に備えた各モータ15、16と各車輪間は減速比1、即ち直接連結されている。
車両の横方向加速度は車両重心位置に取り付けられた加速度センサ100によって検出され、車両のヨーレートはヨーレートセンサ101によって検出され、検出された車両の横方向加速度とヨーレートはコントローラ8に送信される。
前輪1、2の舵角は、運転者によるステアリング5の操舵がステアリングギヤ20を介して機械的に調整されることで決定される。なお、前輪1、2の舵角変化量はステアリング5の操舵角変化量に対して1/16になるように設定されている。各車輪1〜4の舵角は舵角センサ41〜44によって検出され、検出された各車輪の舵角はコントローラ8に送信される。
運転者によるステアリング5の回転角はステアリング角センサ25によって検出され、アクセルペダル6及びブレーキペダル7の踏込量はアクセルストロークセンサ26及びブレーキストロークセンサ27によってそれぞれ検出され、コントローラ8に送信される。
コントローラ8はCPU、ROM、RAM、インターフェース回路及びインバータ回路等からなり、車輪速センサ21〜24、ステアリング角センサ25、アクセルストロークセンサ26、ブレーキストロークセンサ27、加速度センサ100、ヨーレートセンサ101等で検出された信号を受信し、これらの信号に基づいてアクチュエータ操作指令値を作成し、目標とする駆動力配分を実現するよう制御を行う。
次に図7のフローチャートを参照しながらコントローラ8で行う制御について説明する。ステップS10では、車輪速センサ21〜24で各輪1〜4の回転速度ω1、ω2、ω3、ω4をそれぞれ検出し、各輪の半径Rを乗じて各輪の速度V1、V2、V3、V4を演算する。また、各輪の速度V1、V2、V3、V4に基づいて以下の(25)式に従って車速Vを演算する。
また、アクセルストロークセンサ26及びブレーキストロークセンサ27によってアクセルペダル6とブレーキペダル7の踏込量AP及びBPをそれぞれ検出し、ステアリング角センサ25によってステアリング5の回転角θを検出し、加速度センサ100で車両の前後方向加速度αxと横方向加速度αyを検出し、ヨーレートセンサ101でヨーレートγを検出し、舵角センサ41〜44で各車輪1〜4の舵角δ1、δ2、δ3、δ4を検出する。
車速V及び車輪の速度V1〜V4は車両前進方向を正とし、ステアリング5の回転角θは反時計回りを正とし、αxは車両が前方に加速する方向を正とし、αyは車両が左旋回時に車両重心位置から旋回中心に向かう方向を正とし、γは車両を鉛直上方からみたときに反時計回りを正とする。
なお、舵角センサ41〜44を持たない車両ではステアリング5の回転角θから各輪の舵角δiを求める。本実施形態では前輪1、2の舵角δ1、δ2をδ1=δ2=θ/16とし、後輪3、4の舵角δ3、δ4をδ3=δ4=0とする。この場合、コンプライアンスステアやロールステア等、サスペンションの影響を考慮して各輪1〜4の舵角を補正するようにすると良い。
ステップS20では、各輪1〜4の横すべり角β1、β2、β3、β4を推定する。推定方法は、例えば特開平10−329689に記載された方法を用い、ステップS10において検出又は推定した横方向加速度αyヨーレートγ、車速V、各輪の舵角δiとステアリング角θから車体横すべり角βと各輪1〜4の横すべり角βiを推定する。なお、βiの符号は、車輪の前後方向から車輪速度の方向までの角度が鉛直上方から見て反時計回りになっている場合を正とする。
また、各輪1〜4の輪荷重W1、W2、W3、W4を以下の(26)式〜(29)式に従って演算する。
ただし、Lfは車両重心位置から前輪車軸までの距離、Lrはヨー回転方向の車両重心位置から後輪車軸までの距離、Ltは前後輪のトレッド長さ、Llはホイールベース長さでLl=(Lf+Lt)、mは車両の質量、gは重力加速度である。
さらに、各輪1〜4の路面摩擦係数μ1、μ2、μ3、μ4を推定する。推定方法は、例えば前輪においては特開平11−78843号公報記載のように、タイヤと路面との間の摩擦係数の勾配である路面摩擦係数勾配を推定することができる技術や、特開平10−114263号公報記載のように、路面摩擦係数勾配と等価的に扱うことのできる物理量として、スリップ速度に対する制動トルクの勾配や駆動トルクの勾配に基づいて推定する技術を用いる。後輪においては、特開平6−98418に記載された方法を用い、各輪が路面から受ける反力を推定し、この路面反力と各輪の輪荷重Wiからμiを推定する。
ステップS30では車両前後方向力の静的目標値Fx *をアクセルペダル6とブレーキペダル7の踏込量AP及びBPと車速Vに基づいて以下の(30)式に従って演算する。
Fax *はアクセルペダル6の踏込量AP及び車速Vに基づいて例えば図8に示す目標駆動力マップを参照して設定される。またFbx *はブレーキペダル7の踏込量BPに基づいて例えば図9に示す目標制動力マップを参照して設定される。なお、Fx *、Fax *、Fbx *は何れも車両を前方に加速させる向きを正とする。
ステップS40では、ステップS30において設定した車両前後方向力の静的目標値Fx *、ステアリング5の回転角θ及び車速Vに基づいてヨーレートの静的目標値γ*を、例えば図10に示す目標ヨーレートマップを参照して設定する。図10のマップの設定方法についてはステップS50において説明する。
ステップS50では、θ、V、Fx *に基づいて駆動力配分の静的な目標値Fx12 **、Fx3 **、Fx4 **を、例えば図11に示す静的駆動力配分マップを参照して設定する。
ここで、この静的駆動力配分マップと、ステップS40において用いた目標ヨーレートマップの求め方について以下説明する。
4輪の駆動力和Fxall、左右輪駆動力差ΔFxall、前輪駆動力配分η、左右輪駆動力差の前輪配分Δηを以下の(31)〜(34)式に従って設定する。なお、本実施形態ではη及びΔηは常に0.6(前輪への配分を6割)とする。
ここで、Fx1、Fx2は図2に示すように前輪に備わったデファレンシャルギア14による左右輪への駆動力配分特性を考慮して(1)、(2)式から求まる値を用いればよい。
本車両が取り得る4輪の駆動力和Fxall、左右輪駆動力差ΔFxall、ステアリング5の角度θ、車両前後方向力の静的目標値Fx *の4つのパラメータの組合せすべてに対して次のようなシミュレーション又は実験を行い、静的駆動力配分マップ、目標ヨーレートマップを作成する。
最初に、選択されたFxall、ΔFxallから各輪の駆動力配分Fxiを以下の(35)〜(38)式に従って演算し、選択されたθ'から前輪1、2の舵角をδ1=δ2=θ'/16(ステアリングギア比は1/16)とする。
次に、この設定された駆動力配分Fxiと前輪舵角δ1、δ2(後輪3、4の舵角δ3、δ4は0)で車両を走行させ、かつ−Fx*を車両重心位置において車両前後方向に加える。そして、十分時間が経過し車速V'が一定(定常状態)になった時のヨーレートγを求める。なお、この実験又はシミュレーションを行う場合には空気抵抗や転がり抵抗等の走行抵抗要素を除外するようにして行うとともに、シミュレーション上で実施する場合には各輪の駆動力とタイヤ横力等の非線形性を十分考慮した車両モデルを用いて行う。
最後に、静的駆動力配分マップ、目標ヨーレートマップのV、θ、Fx*、γ*、Fxi *をそれぞれシミュレーションを行った時のV'、θ、Fx*、γ、Fxi *とし、静的駆動力配分マップ、目標ヨーレートマップを設定する。
ステップS60(目標車両挙動演算手段)では、各輪の駆動力配分Fxiで実現可能な範囲でドライバーの操縦性が好適となるように静的な目標値Fx*、γ*に対してなまし処理を行うことで、車両前後方向力の動的目標値Fx**、ヨーレートの動的目標値γ**を求める。本実施形態ではFx*については2次遅れの伝達関数を用いて、γ*については1次遅れの伝達関数を用いてそれぞれなますことによってFx**、γ**を得る。なお、特にγ**の応答は各輪のタイヤ力によって実現可能なものになるようになます。
さらに、求められたγ**を微分して、車両のヨー慣性モーメントIを乗じることによってヨーモーメントの動的目標値M**を求める。
ステップS70(駆動力配分基本値演算手段)では、ステップS50において設定された駆動力配分の静的な目標値Fxi *に基づいて、車両挙動の動的目標値Fx**、γ**を概ね実現する駆動力配分の基本値Fx12 ##、Fx3 ##、Fx4 ##を以下の(39)〜(41)式に従って演算する。
ただし、ステップS50に示した通りη=Δη=0.6、Fxall ##はステップS60においてFx*をなましてFx**とした時と同じなましをFxi *の和Fx1 *+Fx2 *+Fx3 *+Fx4 *に施した値である。
またΔFxall **は、車両を線形近似した線形2輪モデル(安部正人、「自動車の運動と制御」、山海堂、第3章3.2.1節参照)に左右輪駆動力差ΔFxall ##が加わった場合を考え、この線形2輪モデルのヨーレートの応答がγ**となるように設計したモデルフォロイング制御系(金井喜美雄、越智徳昌、川邊武俊、「ビークル制御」、槇書店、第3章3.2節参照)を用い、かつ定常状態で駆動力配分の静的な目標値Fxi *との間で偏差を生じないように補正した以下の(42)式に従って演算する。
また、fr(s)はステップS60においてγ*をなましてγ**とした時のなまし処理の伝達関数、Kf、Krは前輪及び後輪の横滑り角が十分小さい時の単位横滑り角あたりのコーナーリングフォースである。
ステップS80(駆動力制限値演算手段、制動力制限値演算手段)では、各輪の駆動力制限値Fx12_lmt、Fx3_lmt、Fx4_lmt及び制動力制限値Fx12_Blmt、Fx3_Blmt、Fx4_Blmtを求める。駆動力及び制動力の制限値には大きく分けて路面伝達可能な制駆動力の最大値と、モータの最大出力との2種類があり、以下それぞれに分けて説明する。
初めに路面に伝達可能な制駆動力の最大値について図12を参照しながら説明する。図12はタイヤの横滑り角と最大制駆動力との関係を示すマップである。路面に伝達可能な制駆動力の最大値は、様々な条件により異なるタイヤ特性によって決まる。ここで、α1〜α4(α1<α2<α3<α4)はタイヤの横滑り角、μ1、μ2(μ1>μ2)は路面摩擦係数、Fz1、Fz2(Fz1>Fz2)はタイヤにかかる荷重、γ1、γ2(γ1<γ2)はキャンバ角を示す。
図12(a)はタイヤの横滑り角と最大制駆動力との関係を示しており、横滑り角が大きくなるほど制駆動力の最大値が小さくなる。
図12(b)は図12(a)よりタイヤにかかる荷重を小さくした場合のタイヤの横滑り角と最大制駆動力との関係を示しており、荷重が小さくなるほど制駆動力の最大値が小さくなる。
図12(c)は図12(a)より路面摩擦係数を小さくした場合のタイヤの横滑り角と最大制駆動力との関係を示しており、路面摩擦係数が小さくなるほど制駆動力の最大値が小さくなる。
図12(d)は図12(a)よりキャンバ角を大きくした場合のタイヤの横滑り角と最大制駆動力との関係を示している。
図12(a)〜(d)に示す種々の状況に応じて異なるタイヤ特性を考慮して求めた駆動力及び制動力の最大値を演算し、この最大値を制限値とする。駆動力及び制動力の最大値は、タイヤ特性を走行状況に分けてまとめたマップを作成し、各状況に応じたマップを検索することにより求める。
次にモータの最大出力による制限について図13を参照しながら説明する。図13はモータの回転速度、最大トルク及び最大出力の関係を示すマップである。モータで発生できるトルクは最大トルク、最大出力により制限され、例えばモータ回転速度a1におけるトルク制限値は、駆動側はTdlmt1、回生側はTrlmt1のようになる。
上記のトルク制限値をタイヤで発生する駆動力及び制動力に換算し、駆動力制限値及び制動力制限値を求める。
また、モータ保護機能により出力が制限された場合を考慮して、駆動力制限値及び制動力制限値を求めてもよい。図14はモータの温度に応じた出力制限を示しており、温度が高くなるほど、出力を制限し温度上昇を抑制する。ここで例えば温度Temp2のときのモータ回転速度a2におけるトルク制限値は、駆動側はTdlmt2、回生側はTrlmt2のようになる。このトルク制限値をタイヤで発生する駆動力及び制動力に換算し、駆動力制限値及び制動力制限値を求める。
また、エンジンとモータとを組合せて駆動力源として用いる本実施形態の車両の場合には、モータに加えてエンジンのトルク制限値をも考慮してタイヤで発生する駆動力及び制動力に換算し、駆動力制限値及び制動力制限値を求めてもよい。
以上のような制限値を各輪について求めることにより、駆動力制限値Fx12_lmt、Fx3_lmt、Fx4_lmt、制動力制限値Fx12_Blmt、Fx3_Blmt、Fx4_Blmtを求める。また、複数の制限値を考慮する場合には、考慮する駆動力制限値のうち最小値を駆動力制限値Fx12_lmt、Fx3_lmt、Fx4_lmt又は制動力制限値Fx12_Blmt、Fx3_Blmt、Fx4_Blmtとすればよい。
ステップS90(制限後駆動力基本値演算手段)では、駆動力配分の基本値Fx12 ##、Fx3 ##、Fx4 ##を駆動力制限値Fx12_lmt、Fx3_lmt、Fx4_lmt及び制動力制限値Fx12_Blmt、Fx3_Blmt、Fx4_Blmtで制限した後の制限後駆動力基本値Fx12_lmt ##、Fx3_lmt ##、Fx4_lmt ##を求める。
ステップS100(車両挙動演算手段)では、制限後駆動力基本値Fx12_lmt ##、Fx3_lmt ##、Fx4_lmt ##によって実現する車両前後方向力Fx##、ヨーモーメントM##を以下の(43)、(44)式の通り求める。
ここで、Fx1_lmt ##、Fx2_lmt ##は、Fx12_lmt ##をもとに図2に示す前輪に備わったデファレンシャル14による左右輪1、2への駆動力配分特性を考慮して求める。
なお、Fy1_lmt ##、Fy2_lmt ##、Fy3_lmt ##、Fy4_lmt ##は、現在の車両状態で、Fx1_lmt ##、Fx2_lmt ##、Fx3_lmt ##、Fx4_lmt ##が各輪に加わった時に発生するタイヤ横力であり、各輪の現在の横すべり角βiに基づいて駆動力とタイヤ横力との関係を示す図15のタイヤ特性マップから設定する。各輪とも図15のタイヤ特性マップは共通である。
また、S20で求めた各輪の路面摩擦係数μiに基づいて、駆動力とタイヤ横力との関係を示す図16のタイヤ特性マップからFyi ##を設定する。図16(a)は路面摩擦係数μiが比較的小さい場合を示しており、図16(b)は路面摩擦係数μiが比較的大きい場合を示している。各輪とも図16のタイヤ特性マップは共通である。
さらに、Fxi ##、Fyi ##を以下の(45)、(46)式に従って各輪の舵角分回転変換した値としてFx##、M##を推定する。
ステップS110(車両挙動誤差演算手段)では、Fx**、M**とFx##、M##との誤差ΔFx、ΔMを以下の(47)、(48)式に従って演算する。
次にステップS120(駆動力配分補正量演算手段)では、車両挙動の誤差ΔFx、ΔMを縮小するように補正する各輪の駆動力補正量ΔFxiを求める。各輪の駆動力補正量ΔFxiの演算方法については後述する。
ステップS130(目標駆動力配分演算手段)では、Fxi ##とΔFxiとの和を各輪の駆動力配分の目標値Fxi **とする。
ステップS140(駆動力制御手段)では、Fxi **を実現するようにエンジン10、モータ12、15、16の出力トルク、変速機13の変速比及びトルクコンバータ11内のクラッチの締結/開放を制御する。
ここで、ステップS120において各輪の駆動力補正量ΔFxiを演算する方法について図17を参照しながら詳細に説明する。図17は各輪の駆動力補正量ΔFxiを演算する制御を示すフローチャートである。
ステップS900では、各輪の駆動力変化に対するタイヤ横力の感度kiを求める。kiの求め方を左前輪1の場合を例にとって以下説明する。
駆動力Fx1 **+dFx1に対応するタイヤ横力Fy1 **+dFy1を図15のマップを参照して現在の横すべり角β1に基づいて求め、図4に示すように以下の(49)式に従ってk1を求める。
なお、dFx1(>0)は、本車両の左前輪1が取り得る輪荷重W1と比較して十分微小な値とする。すなわち、Fx1 ##が微小なdFx1だけ変化した時のFy1 ##の変化量dFy1を求めることによって、駆動力をFx1 ##とした時の駆動力変化に対するタイヤ横力の感度k1を求めることができる。
以上のようにして、車輪2〜4についても同様にしてk2〜k4を求める。
またこの時に、図16のマップを参照して各輪の輪荷重Wi及び路面摩擦係数μiに基づいて上述したのと同様にdFyi、kiを求める。
ステップS910では、このkiから各輪の舵角δiを0として、(20)〜(22)式で表されるD1、D3、D4を求める。
ステップS920では、D1=0であるか否かを判定する。D1=0であればステップS930へ進み、D1≠0であればステップS930へ進む。
ステップS930では、舵角δiを0とした(23)式を用いてΔFx、ΔMを補償するΔFx1,2、ΔFx3、ΔFx4を求める。
なお、式(23)の任意定数χは、ステップS90において制限された駆動輪へ駆動力補正量が発生しないように設定される。前輪が制限された場合を例にχの設定方法について次に説明する。
前輪は制駆動力が制限されていることから、ΔFx1,2を用いたΔFx、ΔMの補償は行えない。このため式(23)におけるΔFx1,2に0を代入し、式(50)の等式を得る。
式(50)をχについて求めると、式(51)のようになる。
式(51)で求めたχを式(23)に代入することにより、前輪の制駆動力制限値を守った上で、ΔFx、ΔMを補償するΔFx3、ΔFx4を求めることができる。
また、左後輪、右後輪が駆動力制限された場合についても同様に、おのおのΔFx3に0、ΔFx4に0を代入しχを求めることにより、制駆動力制限値を守った上で、ΔFx、ΔMを補償する駆動力補正量を求めることができる。
ステップS940では、D3=0であるか否かを判定する。D3=0であればステップS960へ進み、D3≠0であればステップS950へ進む。
ステップS950では、舵角δiを0とした式(24)を用いてΔFx、ΔMを補償するΔFxiを求める。
なお、任意定数χは、ステップ930と同様に求めることができる。
ステップS960では、D4=0であるか否かを判定する。D4=0であればステップS980へ進み、D4≠0であればステップS970へ進む。
ステップS970では、式(18)をΔFx4を既知として解いた式から、ΔFx、ΔMを補償するΔFxiを求める。ただし舵角δiは0とする。なお、式(23)及び式(24)中の任意定数χに対応する値はステップS930、S950と同様制駆動力制限値を守った上で、ΔFx、ΔMを補償するように設定する。
ステップS980では、ΔFx1,2=ΔFx3=ΔFx4=0とする。
以上のように本実施形態では、駆動力配分基本値Fx12 ##、Fx3 ##、Fx4 ##に対して各輪の駆動力制限を考慮して車両挙動を演算するので、駆動力基本値Fx12 ##、Fx3 ##、Fx4 ##に基づいて駆動力配分を実現した場合の車両挙動を精度良く推定することができる。これにより、推定した車両挙動と目標車両挙動との誤差を縮小するように駆動力配分を補正することで目標車両挙動への追従性を向上させることができる
また、駆動力配分基本値Fx12 ##、Fx3 ##、Fx4 ##が制限される場合には、制限された駆動輪における駆動力補正量ΔFxiをゼロとするので、制限された駆動輪以外の駆動輪に駆動力補正量ΔFxiを負担させることができ、駆動力制限の範囲内で目標車両挙動を実現する駆動力補正量ΔFxiを求めることができる。
さらに、駆動側の制限に加えて制動側も考慮して駆動力配分基本値Fx12 ##、Fx3 ##、Fx4 ##を制限するので、さらに精度良く車両挙動を推定することができる。これにより、推定した車両挙動と目標車両挙動との誤差を縮小するように駆動力配分を補正することで目標車両挙動への追従性をより向上させることができる
さらに、各駆動輪における駆動力制限値Fx12_lmt、Fx3_lmt、Fx4_lmt及び制動力制限値Fx12_Blmt、Fx3_Blmt、Fx4_Blmtは、路面摩擦係数、輪荷重、タイヤ滑り角及びキャンバ角に基づいて演算される路面に伝達可能な最大駆動力とするので、スリップにより発生する目標車両挙動と推定された車両挙動との差を抑制することができる。
さらに、各駆動輪における駆動力制限値Fx12_lmt、Fx3_lmt、Fx4_lmt及び制動力制限値Fx12_Blmt、Fx3_Blmt、Fx4_Blmtは、モータ12、15、16の最大出力に基づいて求めた制駆動力の最大値とするので、モータ保護機能によって最大出力が制限されて駆動力配分の目標値を実現できないことにより生じる目標車両挙動との誤差を抑制することができる。
さらに、各駆動輪における駆動力制限値Fx12_lmt、Fx3_lmt、Fx4_lmt及び制動力制限値Fx12_Blmt、Fx3_Blmt、Fx4_Blmtは、モータ12、15、16の過熱により制限される出力に基づいて求めた制駆動力の最大値とするので、モータ12、15、16が過熱して保護機能によって最大出力が制限されて駆動力配分の目標値を実現できないことにより生じる目標車両挙動との誤差を抑制することができる。
(第2実施形態)
図18は、本実施形態における車両の駆動力配分制御装置を示すシステム構成概略図である。図18に示す電動車両は、バッテリ9から供給される電力により駆動されるモータ51によって左前輪1を、モータ52によって右前輪2を、モータ53によって左後輪3を、モータ54によって右後輪4をそれぞれ独立に駆動する。
モータ51〜54は三相同期電動機や三相誘導電動機等の力行運転及び回生運転ができる交流機であり、バッテリ9はニッケル水素電池やリチウムイオン電池などである。インバータ31〜34はモータ51〜54で発電された交流電流を直流電流に変換しバッテリ9に充電するとともにバッテリ9が放電した直流電流を交流電流に変換しモータ51〜54に供給する。各車輪の速度は車輪速センサ21〜24によって検出され、検出された各車輪の回転速度はコントローラ8に送信される。
各車輪1〜4の回転半径はRで全て等しく、各モータ51〜54と各車輪間は減速比1、即ち直接連結されている。また更に、輪荷重、横滑り角及び路面摩擦係数が4輪で等しい場合には、駆動力とタイヤ横力との関係は4輪で同一となる、即ち4輪とも同じタイヤ特性を有する。
車両の横方向加速度は車両重心位置に取り付けられた加速度センサ100によって、車両のヨーレートはヨーレートセンサ101によってそれぞれ検出され、検出された車両の横方向加速度とヨーレートはコントローラ8に送信される。
前輪1、2の舵角は、運転者によるステアリング5の操舵がステアリングギヤ20を介して機械的に調整される。なお、前輪1、2の舵角変化量はステアリング5の操舵角変化量に対して1/16になるように設定されている。各車輪1〜4の舵角は舵角センサ41〜44によって検出され、検出された各車輪の舵角はコントローラ8に送信される。
運転者によるステアリング5の回転角はステアリング角センサ25によって、アクセルペダル6とブレーキペダル7の踏込量はアクセルストロークセンサ26及びブレーキストロークセンサ27によってそれぞれ検出され、コントローラ8に送信される。
コントローラ8はCPU、ROM、RAM、インターフェース回路及びインバータ回路等からなり、車輪速センサ21〜24、ステアリング角センサ25、アクセルストロークセンサ26、ブレーキストロークセンサ27、加速度センサ100、ヨーレートセンサ101等で検出した信号を受信し、これらの信号を基にモータ51〜54にトルク配分を行う等の制御を行う。
次に図19のフローチャートを参照しながらコントローラ8で行う制御について説明する。なお、ステップS1910〜S1930までは先に示した図8のステップS10〜30と同様なため、説明を省略する。
ステップS1940では、ステップS1930で設定したFx*とステアリング5の回転角θと車両速度Vに基づいて図20の目標車両横方向力マップを参照して車両横方向力の静的目標値Fy*を設定する。
また、Fx*とθとVに基づいて図21の目標ヨーレートマップを参照してヨーレートの静的目標値γ*を設定する。
この目標車両横方向力マップ及び目標ヨーレートマップの設定方法は後述するステップS1950にて説明する。
ステップS1950では、駆動力配分の静的な目標値Fx1 *、Fx2 *、Fx3 *、Fx4 *を、θ、V、Fx*に基づいて図22の静的駆動力配分マップを参照して設定する。
ここで、この静的駆動力配分マップと、ステップS1940で用いた目標車両横方向力マップ及び目標ヨーレートマップの求め方について以降述べる。
4輪の駆動力和Fxall、左右輪駆動力差ΔFxall、前輪駆動力配分η、左右輪駆動力差の前輪配分Δηを式(52)〜式(55)の通り定義する。なお、本実施例ではη及びΔηは常に0.6(前輪への配分を6割)とする。
そして、本車両が取り得るFxall、ΔFxall、ステアリング5の角度θ、車両前後方向力の静的目標値Fxx *の4つのパラメータの組合せ全てに対して次のようなシミュレーション或いは実験を行い、静的駆動力配分マップ、目標車両横方力マップ、目標ヨーレートマップを作成する。
最初に、選択された、Fxall、ΔFxallから各輪の駆動力配分Fxiを式(56)〜式(59)の通り求め、選択されたθ’から前輪1、2の舵角をδ1=δ2=θ’/16(ステアリングギア比は1/16)とする。
次に、この設定された駆動力配分Fxiと前輪舵角δ1、δ2(後輪3、4の舵角δ3、δ4は0)で車両を走行させ、且つ−Fx*を車両重心位置において車両前後方向に加える。そして、十分時間が経過し車速V’が一定(定常状態)になった時の車両横方向力Fyとヨーレートγを求める。なお、この実験或いはシミュレーションを行う場合には空気抵抗や転がり抵抗等の走行抵抗要素を除外するようにして行うと共に、シミュレーション上で実施する場合には各輪の駆動力とタイヤ横力等の非線形性を十分考慮した車両モデルを用いて行う。
そして最後に、静的駆動力配分マップ、目標車両横方力マップ、目標ヨーレートマップのV、θ、Fx*、Fy*、γ*、Fxi *をそれぞれ今シミュレーションを行った時のV’、θ、Fx*、Fy、γ、Fxiとし、静的駆動力配分マップ、目標車両横方向力マップ、目標ヨーレートマップを設定していく。
ステップS1960(目標車両挙動演算手段)では、各輪の駆動力配分で実現可能な範囲でドライバーの操縦性が好適となるように静的な目標値Fx*、Fy*、γ*をなますことで、車両前後方向力の動的目標値Fx**、車両横方向力の動的目標値Fy**、ヨーレートの動的目標値γ**を得る。本実施例ではFx*については2次遅れの伝達関数を用いて、Fy*、γ*については1次遅れの伝達関数を用いてそれぞれなますことによってFx**、Fy**、γ**を得る。なお、特にFy**、γ**の応答は各輪のタイヤ力によって実現可能なものになるようになます。
さらに、求められたγ**を微分し、車両のヨー慣性モーメントIを乗じることによってヨーモーメントの動的目標値M**を得る。
ステップS1970(駆動力配分基本値演算手段)では、ステップS1950で設定した駆動力配分の静的な目標値Fxi *を基に、車両挙動の動的目標値Fx**、Fy**、γ**を概ね実現する駆動力配分の基本値Fx1 ##、Fx2 ##、Fx3 ##、Fx4 ##を式(60)〜式(63)の通り求める。
ただし、ステップS50に示した通りη=Δη=0.6で、Fxall ##はステップS1960でFx*をなましてFx**とした時と同じなましをFxi *の和Fx1 *+Fx2 *+Fx3 *+Fx4 *に施した値である。またΔFxall ##は、先に説明した式(42)を用いて導出する。
ステップS1980(駆動力制限値演算手段、制動力制限値演算手段)では、ステップS80と同様に、各輪の駆動力制限値Fx1_lmt、Fx2_lmt、Fx3_lmt、Fx4_lmt及び制動力制限値Fx1_Blmt、Fx2_Blmt、Fx3_Blmt、Fx4_Blmtを求める。
ステップS1990(制限後駆動力基本値演算手段)では、駆動力配分の基本値Fx1 ##、Fx2 ##、Fx3 ##、Fx4 ##を駆動力制限値Fx1_lmt、Fx2_lmt、Fx3_lmt、Fx4_lmt及び制動力制限値Fx1_Blmt、Fx2_Blmt、Fx3_Blmt、Fx4_Blmtで制限し、制限後駆動力基本値Fx1_lmt ##、Fx2_lmt ##、Fx3_lmt ##、Fx4_lmt ##を求める。
ステップS2000(車両挙動演算手段)では、ステップS100で用いた式(43)、(44)及び式(64)を用いて制限後駆動力基本値Fx1_lmt ##、Fx2_lmt ##、Fx3_lmt ##、Fx4_lmt ##によって実現する、車両前後方向力Fx##、車両横方向力Fy##、ヨーモーメントM##を求める。
ステップS2010(車両挙動誤差演算手段)では、ステップS100で用いた式(47)、(48)及び式(65)を用い、Fx**、Fy**、M**とFx##、Fy##、M##との誤差ΔFx、ΔFy、ΔMを求める。
次にステップ2020(駆動力配分補正量演算手段)では、車両挙動の誤差ΔFx、ΔFy、ΔMを縮小するように補正する各輪の駆動力補正量ΔFxiを求める。各輪の駆動力補正量ΔFxiの演算方法については後述する。
ステップS2030(目標駆動力配分演算手段)では、ΔFxiとFxi ##との和を各輪の駆動力配分の目標値Fxi **とする。
ステップS2040(駆動力制御手段)では、Fxi **を実現するようにモータ11、12、13、14の出力トルクを制御する。
ここで、ステップS2020において各輪の駆動力補正量ΔFxiを演算する方法について図23を参照しながら詳細に説明する。図23は各輪の駆動力補正量ΔFxiを演算する制御を示すフローチャートである。
ステップS2300では、ステップS900と同様な処理で、各輪の駆動力変化に対するタイヤ横力の感度kiを求める。
ステップS2310では、このkiから各輪の舵角δiを0として、式(66)〜式(69)で表されるD1、D2、D3、D4を求める。
ただし、pi=cosδi−kisinδi、qi=sinδi+kicosδi
ステップS2320では、D1=0であるか否かを判定する。D1=0であればステップS2340へ進み、D1≠0であればステップS2330へ進む。
ステップS2330では、式(70)を用いてΔFx、ΔFy、ΔMを補償するΔFx1、ΔFx2、ΔFx3、ΔFx4を求める。
・・・(70)
なお、式(70)の任意定数χは、ステップS1990において制限された駆動輪へ駆動力補正量が発生しないように設定される。左後輪3が制限された場合を例にχの設定方法について次に説明する。
左後輪3は制駆動力が制限されていることから、ΔFx3を用いたΔFx、ΔFy、ΔMの補償は行えない。このため式(23)におけるΔFx3に0を代入し、次の式(71)を得る。
式(71)をχについて求めると、式(72)のようになる。
式(72)で求めたχを式(70)に代入することにより、左後輪3の制駆動力制限値を守った上で、ΔFx、ΔFy、ΔMを補償するΔFx1、ΔFx2、ΔFx4を求めることができる。また、左前輪1、右前輪2、右後輪4が駆動力制限された場合についても同様に、おのおのΔFx1に0、ΔFx2に0、ΔFx4に0を代入しχを求めることにより、制駆動力制限値を守った上で、ΔFx、ΔFy、ΔMを補償する駆動力補正量を求めることができる。
ステップS2340では、D4=0であるか否かを判定する。D4=0であればステップS2360へ進み、D4≠0であればステップS2350へ進む。
ステップS2350では、式(73)を用いてΔFx、ΔFy、ΔMを補償するΔFxiを求める。
なお、任意定数χは、ステップS2330と同様に求めることができる。
ステップS2360では、D2=0であるか否かを判定する。D2=0であればステップS2380へ進み、D2≠0であればステップS2370へ進む。
ステップS2370では、式(70)をΔFx2を既知として解いた式から、ΔFx、ΔFy、ΔMを補償するΔFxiを求める。なお、任意定数χは、ステップS2330と同様に求めることができる。
ステップS2380では、D3=0であるか否かを判定する。D3=0であればステップS2400へ進み、D3≠0であればステップS2390へ進む。
ステップS2390では、式(70)をΔFx3を既知として解いた式から、ΔFx、ΔFy、ΔMを補償するを求める。なお、任意定数χは、ステップS2330と同様に求めることができる。
ステップS2400では、ΔFx1=ΔFx2=ΔFx3=ΔFx4=0とする。
以上のように本実施形態では、駆動力配分基本値Fx1 ##、Fx2 ##、Fx3 ##、Fx4 ##に対して各輪の駆動力制限を考慮して車両挙動を演算するので、駆動力基本値Fx1 ##、Fx2 ##、Fx3 ##、Fx4 ##に基づいて駆動力配分を実現した場合の車両挙動を精度良く推定することができる。これにより、推定した車両挙動と目標車両挙動との誤差を縮小するように駆動力配分を補正することで目標車両挙動への追従性を向上させることができる。
また、駆動力配分基本値Fx1 ##、Fx2 ##、Fx3 ##、Fx4 ##が制限される場合には、制限された駆動輪における駆動力補正量ΔFxiをゼロとするので、制限された駆動輪以外の駆動輪に駆動力補正量ΔFxiを負担させることができ、駆動力制限の範囲内で目標車両挙動を実現する駆動力補正量ΔFxiを求めることができる。
さらに、駆動側の制限に加えて制動側も考慮して駆動力配分基本値Fx1 ##、Fx2 ##、Fx3 ##、Fx4 ##を制限するので、さらに精度良く車両挙動を推定することができる。これにより、推定した車両挙動と目標車両挙動との誤差を縮小するように駆動力配分を補正することで目標車両挙動への追従性をより向上させることができる。
さらに、各駆動輪における駆動力制限値Fx1_lmt、Fx2_lmt、Fx3_lmt、Fx4_lmt及び制動力制限値Fx1_Blmt、Fx2_Blmt、Fx3_Blmt、Fx4_Blmtは、路面摩擦係数、輪荷重、タイヤ滑り角及びキャンバ角に基づいて演算される路面に伝達可能な最大駆動力とするので、スリップにより発生する目標車両挙動と推定された車両挙動との差を抑制することができる。
さらに、各駆動輪における駆動力制限値Fx1_lmt、Fx2_lmt、Fx3_lmt、Fx4_lmt及び制動力制限値Fx1_Blmt、Fx2_Blmt、Fx3_Blmt、Fx4_Blmtは、モータ51〜54の最大出力に基づいて求めた制駆動力の最大値とするので、モータ保護機能によって最大出力が制限されて駆動力配分の目標値を実現できないことにより生じる目標車両挙動との誤差を抑制することができる。
さらに、各駆動輪における駆動力制限値Fx1_lmt、Fx2_lmt、Fx3_lmt、Fx4_lmt及び制動力制限値Fx1_Blmt、Fx2_Blmt、Fx3_Blmt、Fx4_Blmtは、モータ51〜54の過熱により制限される出力に基づいて求めた制駆動力の最大値とするので、モータ51〜54が過熱して保護機能によって最大出力が制限されて駆動力配分の目標値を実現できないことにより生じる目標車両挙動との誤差を抑制することができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
例えば、本発明は本実施形態に示す車両に限定されることなく、後輪を前輪とは違う角度で転舵できる車両や、ステアリング5の操舵量θと独立して各輪の舵角δiを制御できる車両等、ステアバイワイヤを装備した車両にも適用可能である。
また、左前輪1、右前輪2、及び後輪3、4を独立に駆動することが可能な車両においても、デファレンシャルによる後輪3、4の左右駆動力配分特性を考慮することで、適用可能である。
車両における各輪の駆動力、タイヤ横力、舵角などを示す模式図である。 左右輪への駆動力配分特性を示すマップである。 タイヤに作用する力を示す模式図である 駆動力、タイヤ横力及び滑り角の関係を示すマップである。 車両前後方向力、ヨーモーメント、各輪への駆動力配分を示すタイムチャートである。 第1実施形態における車両の駆動力配分制御装置を示すシステム構成概略図である。 第1実施形態における車両の駆動力配分制御装置の制御を示すフローチャートである。 車速、アクセルペダル踏み込み量及び目標駆動力の関係を示すマップである。 車速、アクセルペダル踏み込み量及び目標制動力の関係を示すマップである。 車速、ステアリング回転角及び目標ヨーレートの関係を示すマップである。 車速、ステアリング回転角及び静的駆動力配分の関係を示すマップである。 制駆動力、タイヤの横滑り角、路面摩擦係数、タイヤにかかる荷重及びキャンバ角の関係を示すマップである。 モータの回転速度、最大トルク及び最大出力の関係を示すマップである。 モータの温度、回転速度、最大トルク及び最大出力の関係を示すマップである。 制駆動力、横滑り角及びタイヤ横力の関係を示すマップである。 制駆動力、横滑り角、タイヤ横力及び路面摩擦係数の関係を示すマップである。 各輪の駆動力補正量を演算する制御を示すフローチャートである。 第2実施形態における車両の駆動力配分制御装置を示すシステム構成概略図である。 第2実施形態における車両の駆動力配分制御装置の制御を示すフローチャートである。 車速、ステアリング回転角及び車両横方向力の関係を示すマップである。 車速、ステアリング回転角及び目標ヨーレートの関係を示すマップである。 車速、ステアリング回転角及び静的駆動力配分の関係を示すマップである。 各輪の駆動力補正量を演算する制御を示すフローチャートである。
符号の説明
1 左前輪
2 右前輪
3 左後輪
4 右後輪
12 モータ
15 モータ
16 モータ
51 モータ
52 モータ
53 モータ
54 モータ

Claims (12)

  1. 前輪及び後輪のうち一方の左右輪を駆動する第1のモータと、他方の左輪を駆動する第2のモータと、他方の右輪を駆動する第3のモータとを備える車両の駆動力配分制御装置において、
    前記車両の車両前後方向力及びヨーモーメントの目標値を演算する目標車両挙動演算手段と、
    前記車両前後方向力及び前記ヨーモーメントに基づいて前記一方の左右輪、前記他方の左輪及び前記他方の右輪への駆動力配分基本値を演算する駆動力配分基本値演算手段と、
    前記一方の左右輪、前記他方の左輪及び前記他方の右輪の駆動力制限値を演算する駆動力制限値演算手段と、
    前記駆動力配分基本値を前記駆動力制限値によって制限した制限後駆動力基本値を演算する制限後駆動力基本値演算手段と、
    前記制限後駆動力基本値によって実現する車両前後方向力及びヨーモーメントを演算する車両挙動演算手段と、
    車両前後方向力及びヨーモーメントの前記目標値と、前記制限後駆動力基本値によって実現する車両前後方向力及びヨーモーメントとの誤差である車両挙動誤差を演算する車両挙動誤差演算手段と、
    前記車両挙動誤差を縮小するように前記一方の左右輪、前記他方の左輪及び前記他方の右輪への駆動力配分補正量を演算する駆動力配分補正量演算手段と、
    前記制限後駆動力基本値に前記駆動力配分補正量を加算することで、前記一方の左右輪、前記他方の左輪及び前記他方の右輪への駆動力配分の目標値を演算する目標駆動力配分演算手段と、
    前記駆動力配分目標値に基づいて前記第1のモータ、前記第2のモータ及び前記第3のモータの駆動力を制御する駆動力制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両の駆動力配分制御装置。
  2. 前記駆動力配分補正量演算手段は、前記駆動力制限値によって制限された駆動輪における駆動力配分補正量をゼロとすることを特徴とする請求項1に記載の車両の駆動力配分制御装置。
  3. 前記一方の左右輪、前記他方の左輪及び前記他方の右輪の制動力制限値を演算する制動力制限値演算手段をさらに備え、
    前記制限後駆動力基本値演算手段は、前記駆動力配分基本値を前記駆動力制限値及び前記制動力制限値によって制限することで制限後駆動力基本値を演算することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の駆動力配分制御装置。
  4. 前記駆動力制限値及び前記制動力制限値は、路面摩擦係数、輪荷重、タイヤ滑り角及びキャンバ角のうち1つ以上に基づいて演算される路面に伝達可能な最大駆動力であることを特徴とする請求項3に記載の車両の駆動力配分制御装置。
  5. 前記駆動力制限値及び前記制動力制限値は、前記第1のモータ、前記第2のモータ及び前記第3のモータの最大出力に基づいて演算される最大駆動力であることを特徴とする請求項3に記載の車両の駆動力配分制御装置。
  6. 前記駆動力制限値及び前記制動力制限値は、前記第1のモータ、前記第2のモータ及び前記第3のモータの最大出力及び温度に基づいて演算される最大駆動力であることを特徴とする請求項3に記載の車両の駆動力配分制御装置。
  7. 左前輪を駆動する第1のモータ、右前輪を駆動する第2のモータ、左後輪を駆動する第3のモータ及び右後輪を駆動する第4のモータを備える車両の駆動力配分制御装置において、
    前記車両の車両前後方向力、車両横方向力及びヨーモーメントの目標値を演算する目標車両挙動演算手段と、
    前記車両前後方向力、前記車両横方向力及び前記ヨーモーメントに基づいて前記左前輪、前記右前輪、前記左後輪及び前記右後輪への駆動力配分基本値を演算する駆動力配分基本値演算手段と、
    前記左前輪、前記右前輪、前記左後輪及び前記右後輪の駆動力制限値を演算する駆動力制限値演算手段と、
    前記駆動力配分基本値を前記駆動力制限値によって制限した制限後駆動力基本値を演算する制限後駆動力基本値演算手段と、
    前記制限後駆動力基本値によって実現する車両前後方向力、車両横方向力及びヨーモーメントを演算する車両挙動演算手段と、
    車両前後方向力、車両横方向力及びヨーモーメントの前記目標値と、前記制限後駆動力基本値によって実現する車両前後方向力、車両横方向力及びヨーモーメントとの誤差である車両挙動誤差を演算する車両挙動誤差演算手段と、
    前記車両挙動誤差を縮小するように前記左前輪、前記右前輪、前記左後輪及び前記右後輪への駆動力配分補正量を演算する駆動力配分補正量演算手段と、
    前記制限後駆動力基本値に前記駆動力配分補正量を加算することで、前記左前輪、前記右前輪、前記左後輪及び前記右後輪への駆動力配分の目標値を演算する目標駆動力配分演算手段と、
    前記駆動力配分目標値に基づいて前記第1のモータ、前記第2のモータ、前記第3のモータ及び前記第4のモータの駆動力を制御する駆動力制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両の駆動力配分制御装置。
  8. 前記駆動力配分補正量演算手段は、前記駆動力制限値によって制限された駆動輪における駆動力配分補正量をゼロとすることを特徴とする請求項7に記載の車両の駆動力配分制御装置。
  9. 前記左前輪、前記右前輪、前記左後輪及び前記右後輪の制動力制限値を演算する制動力制限値演算手段をさらに備え、
    前記制限後駆動力基本値演算手段は、前記駆動力配分基本値を前記駆動力制限値及び前記制動力制限値によって制限することで制限後駆動力基本値を演算することを特徴とする請求項7又は8に記載の車両の駆動力配分制御装置。
  10. 前記駆動力制限値及び前記制動力制限値は、路面摩擦係数、輪荷重、タイヤ滑り角及びキャンバ角のうち1つ以上に基づいて演算される路面に伝達可能な最大駆動力であることを特徴とする請求項9に記載の車両の駆動力配分制御装置。
  11. 前記駆動力制限値及び前記制動力制限値は、前記第1のモータ、前記第2のモータ、前記第3のモータ及び前記第4のモータの最大出力に基づいて演算される最大駆動力であることを特徴とする請求項9に記載の車両の駆動力配分制御装置。
  12. 前記駆動力制限値及び前記制動力制限値は、前記第1のモータ、前記第2のモータ、前記第3のモータ及び前記第4のモータの最大出力及び温度に基づいて演算される最大駆動力であることを特徴とする請求項9に記載の車両の駆動力配分制御装置。
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