JP5034764B2 - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents
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Description
また、このような電動パワーステアリング装置において、操舵性能の向上やコーナリング時の車両の挙動を安定させるために、車両に取り付けられた車輪を中立に戻そうとするトルクであるセルフアライニングトルクを求めて操舵制御に用いたもの、さらにタイヤのグリップ状態を考慮して操舵制御を行うようにしたもの等も提案されている。
このため、規範ヨーレートと実ヨーレートとの偏差からグリップ状態を推定しこれに基づき操舵補助トルクを補正するようにした場合、実際には、タイヤのグリップ力が十分であるにも関わらず、操舵補助トルクが補正される可能性があり、特に、急な切り増し操作や切り戻し操作が行われた場合、また、Uターンする場合等、低速で大きく旋回する場合等に、十分な操舵補助力が発生されずドライバに違和感を与える可能性がある。
そこで、この発明は上記従来の未解決の問題点に着目してなされたものであり、車両のグリップ状態に応じて、グリップを失うことなく車両挙動を安定させることの可能な電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することを目的としている。
また、請求項3に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、車両のステアリング機構に入力される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、前記操舵トルクに基づいて操舵補助指令値を算出する操舵補助指令値演算手段と、を有し、前記操舵補助指令値に基づいて前記ステアリング機構に操舵補助力を付与するモータを駆動する電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記操舵補助指令値演算手段は、車両のステア状態を判定するステア状態判定手段と、タイヤのグリップが失われた度合を表すグリップロス度を検出するグリップロス度検出手段と、前記操舵トルクに基づき前記モータの電流指令値を算出する電流指令値演算手段と、前記ステア状態判定手段で判定したステア状態及び前記グリップロス度検出手段で検出したグリップロス度に基づいて前記電流指令値演算手段で算出した電流指令値を補正しこれを前記操舵補助指令値とする補正手段と、を備え、前記グリップロス度の変化に対する、前記電流指令値の補正度合の変化は、前記ステア状態がオーバーステア状態であるときの方が、アンダーステア状態にあるときよりも大きいことを特徴としている。
また、請求項5に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、前記補正手段は、前記グリップロス度及び前記ステア状態に応じて前記電流指令値を補正するための補正値を算出し、当該補正値を前記電流指令値から減算した値を前記操舵補助指令値とすることを特徴としている。
また、請求項7に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、前記補正手段は、ステアリングホイールの操舵速度を検出する操舵速度検出手段を備え、当該操舵速度検出手段で検出される操舵速度が大きいときほどより小さくなるように前記電流指令値を補正することを特徴としている。
また、請求項8から請求項10に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、グリップロス度の変化に対する応答性の高いセルフアライニングトルクに基づいてグリックロス度を算出しているため、グリップロス度を高精度に検出することができる。
まず、第1の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す全体構成図である。
図中、1は、ステアリングホイールであり、このステアリングホイール1に運転者から作用される操舵力が入力軸2aと出力軸2bとを有するステアリングシャフト2に伝達される。このステアリングシャフト2は、入力軸2aの一端がステアリングホイール1に連結され、他端は操舵トルクを検出するトルクセンサ3を介して出力軸2bの一端に連結されている。
トルクセンサ3は、ステアリングホイール1に付与されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検出するもので、例えば、操舵トルクを入力軸2a及び出力軸2b間に介挿した図示しないトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位を抵抗変化や磁気変化に変換して検出するように構成されている。
また、このコントロールユニット20には、バッテリ25から電力が供給されると共に、イグニッションキー26のキー操作に応じてイグニッションキー信号が供給され、コントロールユニット20では、イグニッションキー信号をうけて、前記操舵補助指令値Imの演算を開始する。
セルフアライニングトルク(以下、SATともいう。)は、ステアリングホイールを中立位置に戻そうとする力であり、図2に示すように、ドライバがステアリングホイールを操舵することによって、操舵トルクTが発生し、その操舵トルクTにしたがって電動モータMがアシストトルクTmを発生する。その結果、車輪が転舵され、転舵輪が連結されたラック軸上にタイヤから生じる外力(反力)としてSATが発生する。その際、電動モータMの慣性J及び摩擦力(静摩擦力)Frによってステアリングホイールの操舵の抵抗となるトルクが生じ、これらの力の釣り合いを考えると次式(1)の運動方程式が得られる。
J・ω′+Fr・sign(ω)+SAT=Tm+T ……(1)
ここで、上記(1)式を初期値零としてラプラス変換し、SATについて解くと、次式(2)が得られ、これによりSATを算出することができる。なお、このラプラス変換により得られるセルフアライニングトルクをセルフアライニングトルクの演算値SATaとする。
SATa(s)
=Tm(s)+T(s)−J・ω′(s)−Fr・sign(ω(s)) ……(2)
図3では、タイヤが接地面全体において発生する横力はトレッド部の横方向への変形面積(斜線部)となり、SATがスリップ角を減少させる方向に働く様子を示している。また、図4は、横力の着力点(接地面の中心点)がタイヤの中心線より後方にあることを示している。そして、ニューマチックトレールとキャスタトレールとの加算値がトレールとなる。
SATb=εn・Fy ……(3)
Fy=(L2・m・Gy+Mo・dγ/dt)/L ……(4)
一方、図5は横力FyとSATの特性をスリップ角に対して示す特性図であり、横力FyとSATとはスリップ角に対して非線形な特性となっている。そして、SATは横力Fy×トレールであり、キャスタトレールは固定値であることから、SATの横力Fyに対する非線形特性はニューマチックトレールの変化を直接表すことになる。また、SATの横力に対する特性は、図4における滑り域が増大し、ニューマチックトレールが減少することによって生じる。
ここで、ニューマチックトレールが一定であれば、SAT演算値SATaと横力Fy(SAT推定値SATbに相当)とは同じ軌跡を辿るが、滑り域が増大してニューマチックトレールが減少するとSAT演算値SATaと横力Fyとに差が生じる。この差はグリップが失われた度合を表し、これを本発明では「グリップロス度」とする。上記(2)式で算出されたSAT演算値SATaと、上記(3)式で算出されたSAT推定値SATbとを次式(5)により比較する。
g=SATb−SATa ……(5)
図6は、SAT演算値SATaとSAT推定値SATb(トレールεnが一定の場合は横力Fy)とを比較して示す特性図であり、スリップ角が大きくなるにしたがって、SATが失われる様子を示しており、上記(5)式から算出されるSAT演算値SATaとSAT推定値SATbとの差をグリップロス度g(図中網かけ部)として示している。
ここで、SAT演算部46は前記(2)式に基づいてSAT演算値SATaを算出する。すなわち、電動モータ12の慣性J及び静摩擦力Frを定数として求めておき、操舵トルクT、電動モータ12の角速度ω及び角加速度ω′、電流指令値Itvに基づいてSAT演算値SATaを算出する。SAT演算部46で算出されたSAT演算値SATaは、グリップロス度検出部50に入力される。
SAT推定部47は、入力された横力Fyと予め実験等により求められたトレールεnとを用いて前記(3)式からSAT推定値SATbを推定する。
このUS用トルク補正値演算部51では、グリップロス度gに基づいて、アンダーステア状態の車両においてグリップロス度g相当だけ操舵補助力を補正するためのトルク補正値ΔTUSを算出する。このトルク補正値ΔTUSは、当該トルク補正値ΔTUSを用いて、電流指令値Itvをこれが小さくなる方向に補正することにより、このグリップロス度g相当のグリップロスが生じている状態で操舵及び操舵補助が行われた場合に、アンダーステア状態の車両において、グリップが失われることを回避することの可能なトルク値相当に設定される。
このようにすることによって、オーバーステア状態の場合には、アンダーステア状態の場合に比較して、グリップロス度がより小さい段階から、グリップロス度に応じた操舵補助トルクの低減が開始され、且つ、その低減度合がより大きくなるように設定されるため、速やかに解消すべき状態であるオーバーステア状態の解消を的確に図ることができ、逆に、アンダーステア状態の場合には、グリップロス度が比較的大きくなった時点からグリップロス度に応じた操舵補助トルクの低減を開始し、且つ、その低減度合をオーバーステア状態よりも少なくすることによって、ドライバの操舵操作を十分補助しつつ、且つ操舵補助トルクを低減しすぎることによって、却ってドライバに違和感を与えることを回避することができる。
具体的には、まず次式(6)で規範ヨーレートγ0を計算する。
γ0=〔1/(1+T1・s)〕・〔1/(1+A・V2)〕〔V・δ/L・n〕
……(6)
A=(−m/2L2)・〔(Lf・Kf−Lr・Kr)/(Kf・Kr)〕
……(7)
この(7)式中の、mは車両重量、Lfは車両重心点と前輪車軸間の水平距離、Lrは車両重心点と後輪車軸間の水平距離、Kfは前輪タイヤのコーナリングパワー、Krは後輪タイヤのコーナリングパワーである。
まず、トルクセンサ3からの操舵トルクT、車速センサ21からの車速V、ヨーレートセンサ66からのヨーレートγ、横加速度センサ67からの横加速度Gy、回転センサ62からの角度θ、舵角センサ68からの操舵角δを入力する(ステップS1)。次いで、入力した操舵トルクT及び車速Vに基づき指令値演算部40で、操舵トルクT及び車速Vに応じた電流指令値Itvを算出し(ステップS2)、回転センサ62からの角度θに基づいて角速度検出部63において電動モータ12の角速度ωを算出し、角加速度検出部64において角加速度ω′を算出する(ステップS3)。
また、ステップS4の処理がSAT演算部に対応し、ステップS5の処理がSAT推定部に対応し、ステップS6の処理がグリップロス度検出部に対応している。
この第2の実施の形態は、コントロールユニット20の構成が異なること以外は上記第1の実施の形態と同様であるので同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
図10は、第2の実施の形態におけるコントロールユニット20の概略構成を示すブロック図である。
また、グリップロス度検出部50で検出したグリップロス度gは、US用トルク補正係数演算部51a及びOS用トルク補正係数演算部52aに入力される。
同様に、グリップロス度gが“−gOS3”よりも小さいときにはグリップロス度gが小さいときほどこれに比例してトルク補正係数KOSも小さくなり、グリップロス度gがしきい値“−gOS4”に達したとき零となり、グリップロス度gがしきい値“−gOS4”以下である間は零を維持するように設定される。
この乗算部56には、指令値演算部40で演算された電流指令値Itvと、選択部53で選択されたトルク補正係数KUS又はトルク補正係数KOSとが入力され、これらの乗算結果が補正電流指令値Itv′として出力される。
なお、図9に示す上記第1の実施の形態における処理と同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
まず、各種センサから、操舵トルクT、車速V、ヨーレートγ、横加速度Gy、電動モータ12の角度θ、操舵角δを入力し(ステップS1)、操舵トルクT及び車速Vに応じた電流指令値Itvを算出し(ステップS2)、電動モータ12の角度θから電動モータ12の角速度ω及び角加速度ω′を検出する(ステップS3)。
続いて、ステップS7aに移行し、US用トルク補正係数演算部51a及びOS用トルク補正係数演算部52aで、グリップロス度gに応じたトルク補正係数KUS及びKOSを算出する。続いて、ステア状態判定部54で車両の現在のステア状態を判定し(ステップS8)、ステア状態に応じたトルク補正係数KUS又はKOSを選択する(ステップS9a)。そして、慣性補償信号CM1及び収れん性制御信号CM2を算出し(ステップS10)、操舵トルクT及び車速Vに応じた電流指令値ItvにステップS9aで選択したステア状態に応じたトルク補正係数KUS又はKOSを乗算して、電流指令値Itvを補正し(ステップS11a)、この補正した補正電流指令値Itv′に、ステップS10で算出した慣性補償信号CM1及び収れん性制御信号CM2を加算して操舵補助指令値Imを算出し(ステップS11b)、この操舵補助指令値Imに応じて電動モータ12を駆動する(ステップS12)。
なお、ここでは、グリップロス度gが正値である場合について説明したが、負値である場合も同様である。
ここで、第2の実施の形態において、図12のステップS7a、S9a及びS11aの処理が補正手段に対応し、ステップS2からステップS11bの処理が操舵補助指令値演算手段に対応している。
この第3の実施の形態は、上記第1の実施の形態において、トルク補正値を、グリップロス度gだけでなく、ステアリングホイール1の操舵速度にも基づいて設定するようにしたものである。上記第1の実施の形態と同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
また、上記第1の実施の形態における、US用トルク補正値演算部51及びOS用トルク補正値演算部52に代えて、US用トルク補正値演算部51b及びOS用トルク補正値演算部52bを備える。
なお、ここでは、トルク補正値ΔTvUS及びΔTvOSの最大値は共にΔTvmaxとした場合について説明したが、必ずしもこれに限るものではなく、それぞれ異なる値に設定してもよく、この場合には、トルク補正値ΔTvUSの最大値よりもトルク補正値ΔTvOSの最大値の方がより大きくなるように設定すればよい。
この乗算部58では、角速度検出部63からの角速度ωと、選択部53で選択されたトルク補正値ΔTvUS又はトルク補正値ΔTvOSとが乗算され、乗算結果が、トルク補正値ΔTωとして、減算部60Cに減算入力されて慣性補償部45で算出された慣性補正値CM1から減算され、この演算結果CM3として出力される。
上記第1の実施の形態と同様にまず、各種センサからの検出値を読み込み(ステップS1)、指令値演算部40で、操舵トルクT及び車速Vに応じた電流指令値Itvを算出し(ステップS2)、電動モータ12の角速度ω及び角加速度ω′を算出する(ステップS3)。
なお、この第3の実施の形態においては、上記第1の実施の形態において、電動モータ12の角速度ω、つまりドライバの操舵速度に応じてトルク補正値ΔTωを算出する場合について説明したが、上記第2の実施の形態に適用することも可能である。この場合には、例えば、図16に示すように、角速度検出部63で検出した電動モータ12の角速度ωを絶対値演算部91に入力し、この絶対値演算部91で絶対値化した角速度ωをもとに、ゲイン設定部92で、この角速度ωに応じたゲインKωを設定する。
また、横力Fyを用いずに、水平面における車両運動モデルと、車速V及び操舵角δとを用いてセルフアライニングトルクを推定してもよい。
mV・(dβ/dt)
=−{mV+[(Kf・Lf−Kr・Lr)/V]}・γ−(Kf+Kr)・β+Kf・δ/n
……(8)
I・(dγ/dt)
=−[(Kf・Lf2+Kr・Lr2)/V]・γ+(−Kf・Lf+Kr・Lr)・β
+Kf・Lf・δ/n
……(9)
また、上記各実施形態においては、トレールεnが変化すると仮定してSAT推定値SATbとSAT演算値SATaとを比較する場合について説明したが、前述のように、トレールεnが一定の場合には、横力FyはSAT推定値SATb相当の値とみなすことができることから、SAT演算値SATaと横力検出部65で検出した横力Fyとからグリップロス度gを算出するようにしてもよい。
2 ステアリングシャフト
3 トルクセンサ
12 電動モータ
20 コントロールユニット
21 車速センサ
40 指令値演算部
46 セルフアライニングトルク演算部
47 セルフアライニングトルク推定部
50 グリップロス度検出部
51、51b US用トルク補正値演算部
51a US用トルク補正係数演算部
52、52b OS用トルク補正値演算部
52a OS用トルク補正係数演算部
53 選択部
54 ステア状態判定部
65 横力検出部
Claims (10)
- 車両のステアリング機構に入力される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
前記操舵トルクに基づいて操舵補助指令値を算出する操舵補助指令値演算手段と、を有し、
前記操舵補助指令値に基づいて前記ステアリング機構に操舵補助力を付与するモータを駆動する電動パワーステアリング装置の制御装置において、
前記操舵補助指令値演算手段は、
車両のステア状態を判定するステア状態判定手段と、
タイヤのグリップが失われた度合を表すグリップロス度を検出するグリップロス度検出手段と、
前記操舵トルクに基づき前記モータの電流指令値を算出する電流指令値演算手段と、
前記ステア状態判定手段で判定したステア状態及び前記グリップロス度検出手段で検出したグリップロス度に基づいて前記電流指令値演算手段で算出した電流指令値を補正しこれを前記操舵補助指令値とする補正手段と、を備え、
前記補正手段は、前記ステア状態がオーバーステア状態であるときには、前記グリップロス度が予め設定したオーバーステア状態時のしきい値以上となったとき前記電流指令値の補正を開始し、前記アンダーステア状態であるときには、前記グリップロス度が予め設定したアンダーステア状態時のしきい値以上となったとき前記電流指令値の補正を開始し、前記オーバーステア状態時のしきい値は、前記アンダーステア状態時のしきい値よりも小さな値に設定されることを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。 - 前記グリップロス度の変化に対する、前記電流指令値の補正度合の変化は、前記ステア状態がオーバーステア状態であるときの方が、アンダーステア状態にあるときよりも大きいことを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
- 車両のステアリング機構に入力される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
前記操舵トルクに基づいて操舵補助指令値を算出する操舵補助指令値演算手段と、を有し、
前記操舵補助指令値に基づいて前記ステアリング機構に操舵補助力を付与するモータを駆動する電動パワーステアリング装置の制御装置において、
前記操舵補助指令値演算手段は、
車両のステア状態を判定するステア状態判定手段と、
タイヤのグリップが失われた度合を表すグリップロス度を検出するグリップロス度検出手段と、
前記操舵トルクに基づき前記モータの電流指令値を算出する電流指令値演算手段と、
前記ステア状態判定手段で判定したステア状態及び前記グリップロス度検出手段で検出したグリップロス度に基づいて前記電流指令値演算手段で算出した電流指令値を補正しこれを前記操舵補助指令値とする補正手段と、を備え、
前記グリップロス度の変化に対する、前記電流指令値の補正度合の変化は、前記ステア状態がオーバーステア状態であるときの方が、アンダーステア状態にあるときよりも大きいことを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。 - 前記補正手段は、前記グリップロス度が大きいときほど、前記操舵補助力がより小さくなるように前記電流指令値を補正し、且つ前記ステア状態がオーバーステア状態であるときとアンダーステア状態であるときとで、異なる特性で前記補正を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
- 前記補正手段は、前記グリップロス度及び前記ステア状態に応じて前記電流指令値を補正するための補正値を算出し、当該補正値を前記電流指令値から減算した値を前記操舵補助指令値とすることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
- 前記補正手段は、前記グリップロス度及び前記ステア状態に応じて前記電流指令値を補正するための補正係数を算出し、当該補正係数を、前記電流指令値に乗算した値を前記操舵補助指令値とすることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
- 前記補正手段は、ステアリングホイールの操舵速度を検出する操舵速度検出手段を備え、
当該操舵速度検出手段で検出される操舵速度が大きいときほどより小さくなるように前記電流指令値を補正することを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。 - 前記ステアリング機構は、転舵輪を操舵するタイロッドに接続されているラックを有し、
前記グリップロス度検出手段は、前記ラック上に生じる外力をセルフアライニングトルク演算値として算出するSAT演算部と、
路面から生じるセルフアライニングトルクを車両運動モデルに基づいてセルフアライニングトルク推定値として推定するSAT推定部と、
前記SAT演算部で算出されたセルフアライニングトルク演算値及び前記SAT推定部で推定されたセルフアライニングトルク推定値の偏差に基づいて前記グリップロス度を算出するグリップロス度検出部と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。 - 車速を検出する車速検出手段と、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検出手段と、を備え、
前記SAT推定部は、前記車速検出手段で検出される車速と、前記操舵角検出手段で検出される操舵角とを前記車両運動モデルに代入して前記セルフアライニングトルク推定値を推定することを特徴とする請求項8記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。 - 前記ステアリング機構は、転舵輪を操舵するタイロッドに接続されているラックを有し、
前記グリップロス度検出手段は、前記ラック上に生じる外力をセルフアライニングトルク演算値として算出するSAT演算部と、
車両に作用する横力を検出する横力検出部と、
前記SAT演算部で算出されたセルフアライニングトルク演算値及び前記横力検出部で検出された横力に基づいて前記グリップロス度を算出するグリップロス度検出部と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
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