JP3033247B2 - 車両のステアリング特性制御装置 - Google Patents

車両のステアリング特性制御装置

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JP3033247B2
JP3033247B2 JP13067291A JP13067291A JP3033247B2 JP 3033247 B2 JP3033247 B2 JP 3033247B2 JP 13067291 A JP13067291 A JP 13067291A JP 13067291 A JP13067291 A JP 13067291A JP 3033247 B2 JP3033247 B2 JP 3033247B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のステアリング特
性を制御して、車両に発生するヨーレートを目標値に追
従させる車両のステアリング特性制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置は、例えば特開昭6
1−229616号公報に示されているように、前輪の
操舵角及び車速に基づいて車両の走行状態に適した目標
ヨーレートを決定すると共に、車両に発生しているヨー
レートを検出して、これらの決定目標ヨーレートと検出
ヨーレートとを比較し、この比較結果に応じてステアリ
ング特性変更機構としての前後輪駆動力分配装置を制御
することにより、車両に発生するヨーレートを前記決定
した目標ヨーレートに追従させるようにして、車両のス
テアリング特性を理想的なものにしようとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置にあっては、目標ヨーレートが車速と操舵角のみによ
り決定されるので、車両の走行状態によっては、目標ヨ
ーレートが車両走行上好ましくない場合がある。すなわ
ち、車両旋回中の横加速度が大きい場合、車両が急加速
又は急制動された場合などのように、タイヤの路面に対
するグリップ限界付近においては、車両の目標とするヨ
ーレートが大き過ぎると、車両の操安性が悪化するおそ
れがある。本発明は上記問題に対処するためになされた
もので、その目的は、車両に大きな横加速度が発生して
いる時、車両の急加速又は急制動時などに、目標ヨーレ
ートを小さ目に設定するようにして、車両の操安性を良
好にする車両のステアリング特性制御装置を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の構成上の特徴は、図1に示すように、車両
のステアリング特性を変更可能なステアリング特性変更
機構1を備えた車両に適用され、前輪の操舵角を検出す
る操舵角センサ2と、車速を検出する車速センサ3と、
前記検出された操舵角及び車速に基づいて車両の目標ヨ
ーレートを決定する目標ヨーレート決定手段4と、車両
に発生しているヨーレートを検出するヨーレートセンサ
5と、前記検出されたヨーレートと前記決定された目標
ヨーレートとに基づいて前記ステアリング特性変更機構
1を制御して車両に発生するヨーレートを目標ヨーレー
トに追従させる制御手段6とを備えた車両のステアリン
グ特性制御装置において、車両の水平方向の加速度を検
出する加速度センサ7と、前記検出された加速度に基づ
いて同加速度が大きくなるにしたがって目標ヨーレート
決定手段4にて決定される目標ヨーレートが小さくなる
ように補正する補正手段8とを設けたことにある。
【0005】
【作用】上記のように構成した本発明においては、操舵
角センサ2により検出された前輪操舵角と、車速センサ
3により検出された車速とに基づいて、目標ヨーレート
決定手段4が目標値としての目標ヨーレートを決定する
と共に、制御手段6が前記決定された目標ヨーレートと
ヨーレートセンサ5により検出されたヨーレートとに基
づいてステアリング特性変更機構1を制御して、車両に
発生するヨーレートを前記決定された目標ヨーレートに
一致させる。一方、加速度センサ7は車両の水平方向の
加速度、例えば横加速度又は前後加速度の少なくとも一
を検出し、補正手段8が、前記検出された加速度が大
きくなるにしたがって前記決定される目標ヨーレートが
小さくなるように補正する。したがって、車両旋回中の
横加速度が大きい場合、車両が急加速又は急制動された
場合には、車両に発生するヨーレートは通常よりも小さ
目に補正した目標ヨーレートに追従制御される。
【0006】
【発明の効果】上記作用説明からも理解できるとおり、
本発明によれば、車両の横加速度が大きい場合、車両が
急加速又は急減速された場合のように、タイヤの路面に
対するグリップ限界付近においては、発生するヨーレー
トは通常よりも小さ目に補正した目標ヨーレートに追従
制御されるので、車両の操安性が良好となる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の第1及び第2実施例を図面を
用いて順次説明する。
【0008】a.第1実施例 第1実施例は、本発明のステアリング特性変更機構とし
て後輪操舵装置を採用したもので、図2は同実施例に係
る4輪操舵車の全体を概略的に示している。この4輪操
舵車は、左右前輪FW1,FW2を操舵する前輪操舵装
置10と、左右後輪RW1,RW2を操舵する後輪操舵
装置20と、後輪操舵装置20を電気的に制御する電気
制御装置30とを備えている。
【0009】前輪操舵装置10は、ハンドル11を上端
に固定した操舵軸12を備えている。操舵軸12はステ
アリングギヤボックス13内にて軸方向に変位可能に支
持されたラックバー14に接続されていて、同バー14
はハンドル11の回動に応じて軸方向に変位する。ラッ
クバー14の両端にはタイロッド15a,15b及びナ
ックルアーム16a,16bを介して左右前輪FW1,
FW2が接続されていて、左右前輪FW1,FW2はラ
ックバー14の軸方向の変位に応じて操舵される。
【0010】後輪操舵装置20は電気的に制御されるア
クチュエータ21を備え、同アクチュエータ21は軸方
向に変位可能に設けたリレーロッド22を軸方向に駆動
する。リレーロッド22の両端にはタイロッド23a,
23b及びナックルアーム24a,24bを介して左右
後輪RW1,RW2が接続されていて、左右後輪RW
1,RW2はリレーロッド22の軸方向の変位に応じて
操舵される。
【0011】電気制御装置30は、前輪操舵角センサ3
1、車速センサ32、ヨーレートセンサ33、前後加速
度センサ34及び横加速度センサ35を備えている。前
輪操舵角センサ31は操舵軸12に組付けられた回転角
センサで構成され、操舵軸12の基準位置からの回転角
を検出することにより左右前輪FW1,FW2の舵角θ
を表す検出信号を出力する。なお、前輪操舵角θは正に
より左右前輪FW1,FW2の右操舵を表し、負により
同前輪FW1,FW2の左操舵を表している。車速セン
サ32は回転速度センサで構成され、変速機(図示しな
い)の出力軸の回転速度を検出することにより車速Vを
表す検出信号を出力する。ヨーレートセンサ33は車体
に固定した回転角速度センサで構成され、車体の重心垂
直軸回りの回転角速度を検出することによりヨーレート
γを表す検出信号を出力する。なお、ヨーレートγは正
により右回転を表し、負により左回転を表している。前
後加速度センサ34及び横加速度センサ35は車体に固
定した加速度センサでそれぞれ構成され、前後加速度セ
ンサ34は車両の前後方向の加速度GX を検出して同加
速度GX を表す検出信号を出力し、かつ横加速度センサ
35は車両の横方向の加速度GYを検出して同加速度GY
を表す検出信号を出力する。
【0012】これらの各種センサ31〜35からの各検
出信号はマイクロコンピュータ36に供給されるように
なっている。マイクロコンピュータ36はCPU、RO
M、RAM、I/Oなどからなり、図3のフローチャー
トに対応したプログラムを記憶していると共に、係数γ
0,τ,Aをテーブルの形で記憶している。係数γ0
は、左右前輪FW1,FW2の操舵と同操舵に応答して
車両に発生すべき目標ヨーレートγ* との関係を示す下
記数1の伝達関数G(s)に用いられる係数であり、図
4,5のグラフに示すように、車速Vに応じて変化する
関数である。
【数1】G(s)=γ0/(1+τ・s) なお、前記数1中、sはラプラス演算子である。係数A
は前記目標ヨーレートγ* を前後加速度GX及び横加速
度GYに応じて補正するためのもので、図6のグラフに
示すように、前後加速度GX 及び横加速度GY に応じて
変化する関数である。マイクロコンピュータ36には駆
動回路37が接続されていて、同駆動回路37は同コン
ピュータ36からの制御信号に応じてアクチュエータ2
1を駆動する。
【0013】次に、上記のように構成した実施例の動作
をフローチャートに沿って説明する。イグニッションス
イッチが投入されると、マイクロコンピュータ36は図
3のステップ40にてプログラムの実行を開始し、ステ
ップ41〜47からなる循環処理を繰り返し実行して、
左右後輪RW1,RW2を操舵する。
【0014】この循環処理においては、ステップ41に
て前輪操舵角センサ31、車速センサ32、ヨーレート
センサ33、前後加速度センサ34及び横加速度センサ
35から前輪操舵角θ、車速V、ヨーレートγ、前後加
速度GX及び横加速度GYを表す各検出信号をそれぞれ入
力し、ステップ42にて前記車速Vに基づいて係数γ0,
τをテーブルから読み出し(図4,5参照)、ステップ
43にて前記係数γ0,τ及び前記入力した前輪操舵角θ
を用いて、前記数1の伝達関数G(s)に基づく下記数2
の演算の実行により目標ヨーレートγ* を計算する。
【数2】γ*=G(s)・θ=γ0・θ/(1+τ・s) この場合、目標ヨーレートγ* は正により右回転方向を
表し、負により左回転方向を表している。
【0015】次に、ステップ44にて前記前後加速度G
X及び横加速度GYに基づいて係数Aをテーブルから読み
出し(図6参照)、ステップ45にて前記係数Aを用い
た下記数3の演算の実行により目標ヨーレートγ*を補
正する。
【数3】γ*=A・γ* 次に、ステップ46にて前記補正した目標ヨーレートγ
* と検出したヨーレートγとに基づいて下記数4の実行
により、両ヨーレートγ*,γの偏差Δγを算出する。
【数4】Δγ=γ*−γ
【0016】この偏差Δγの算出後、ステップ47にて
同偏差Δγに予め決めた負の係数−Kを乗算することに
より操舵量 −K・Δγを計算し、同操舵量 −K・Δγを
表す制御信号を駆動回路37へ出力する。駆動回路37
は前記制御信号をアクチュエータ21に出力し、アクチ
ュエータ21はリレーロッド22を前記操舵量 −K・Δ
γに対応した量だけ左右に変位させる。これにより、左
右後輪RW1,RW2を前記操舵量 −K・Δγに対応し
た量だけ左右に操舵される。なお、この操舵量 −K・Δ
γは正により左右後輪RW1,RW2の右操舵を表し、
負により同後輪RW1,RW2の左操舵を表す。
【0017】このようにして左右後輪RW1,RW2が
操舵制御される結果、目標ヨーレートγ* が検出ヨーレ
ートγより大きくて前記偏差Δγが正であれば、すなわ
ち車両に発生しているヨーレートが右方向に変化すべき
状態にあれば、操舵量 −K・Δγは負であるので、左右
後輪RW1,RW2は左方向へ操舵される。また、目標
ヨーレートγ* が検出ヨーレートγより小さくて前記偏
差Δγが負であれば、すなわち車両に発生しているヨー
レートが左方向に変化すべき状態にあれば、操舵量 −
K・Δγは正であるので、左右後輪RW1,RW2は右
方向へ操舵される。その結果、車両に発生するヨーレー
トが目標ヨーレートγ* に追従するように制御されるこ
とになる。
【0018】また、この左右後輪RW1,RW2の操舵
制御においては、車両の前後加速度GX及び横加速度GY
が増加するほど、係数Aは減少し、目標ヨーレートγ*
の絶対値|γ*|が減少するので、車両が急加速又は急
減速して前後加速度GXが大きい場合、車両が急旋回し
て横加速度GY が大きい場合のように、タイヤの路面に
対するグリップ限界付近においては、車両の発生するヨ
ーレートは通常よりも小さ目に制御されて、車両の操安
性が良好となる。
【0019】b.第2実施例 第2実施例は、本発明のステアリング特性変更機構とし
て駆動力の前後配分を制御可能な駆動力分配機構を採用
した車両に関するものである。
【0020】この車両は、図7に示すように、エンジン
51を備えており、同エンジン51の駆動力は、クラッ
チ52、トランスミッション53、リヤプロペラシャフ
ト54、リヤデファレンシャル55及びリヤアクスルシ
ャフト56a,56bを介して、左右後輪RW1,RW
2に常時伝達されるようになっている。トランスミッシ
ョン53の後段にはトランスファ60が設けられてい
て、同トランスファ60の作用により、エンジン51か
らの駆動力の一部が分配されて、フロントプロペラシャ
フト57、フロントデファレンシャル58及びフロント
アクスルシャフト59a,59bを介して左右前輪FW
1,FW2にも伝達されるようになっている。
【0021】トランスファ60は、油圧アクチュエータ
61により伝達トルクが連続的に制御される湿式多板ク
ラッチ62を備え、同クラッチ62の入力側はトランス
ミッション53の出力側に接続されると共に、同クラッ
チ62の出力側はギヤ63,64を介してフロントプロ
ペラシャフト57の入力側に接続されている。そして、
この湿式多板クラッチ62による伝達トルクは、油圧ア
クチュエータ61に供給される油圧に比例するようにな
っている。油圧アクチュエータ61は、油圧ポンプ7
1、圧力制御バルブ72及びリザーバ73からなる油圧
回路に接続されており、同アクチュエータ61には圧力
制御バルブ72により設定された大きさの油圧が供給さ
れるようになっている。
【0022】この圧力制御バルブ72は、前輪操舵角セ
ンサ81、車速センサ82、ヨーレートセンサ83、前
後加速度センサ84、横加速度センサ85及びマイクロ
コンピュータ86からなる電気制御装置に接続されてお
り、同バルブ72はマイクロコンピュータ86からの制
御信号の大きさに比例した油圧を油圧アクチュエータ6
1に供給する。各センサ81〜85は上記第1実施例の
各センサ41〜45と同様に構成さている。マイクロコ
ンピュータ86も上記第1実施例と同様にROM,RA
M,CPU,I/Oなどからなり、図8のフローチャー
トに対応したプログラムを記憶していると共に、上記第
1実施例と同様の係数γ0,τ,Aをテーブルの形で記憶
している。
【0023】次に、上記のように構成した第2実施例の
動作を説明する。イグニッションスイッチ(図示しな
い)が投入されると、マイクロコンピュータ86は、図
8のステップ90にてプログラムの実行を開始し、ステ
ップ91〜98からなる循環処理を繰り返し実行して、
駆動力の前後配分を制御する。
【0024】この循環処理においては、上記第1実施例
のステップ41〜45の場合と同様なステップ91〜9
5にて、係数Aにより補正された目標ヨーレートγ* を
計算する。次に、ステップ96にて、前記目標ヨーレー
トγ* と検出したヨーレートγとに基づいて、下記数5
の演算の実行により、ステアリング特性判定値ΔγC
計算する。
【数5】ΔγC=γ・(γ*−γ)
【0025】この場合、検出ヨーレートγと目標ヨーレ
ートγ* とが同一回転方向を表していて、検出ヨーレー
トγの絶対値|γ|が目標ヨーレートγ*の絶対値|γ*
|より小さければ、すなわち車両がアンダステアリング
傾向であれば、ステアリング特性判定値ΔγCは必ず正
になると共に、同判定値Δγは前記両ヨーレートγ,γ*
の差が大きくなるに従って大きくなる。また、検出ヨ
ーレートγと目標ヨーレートγ* とが同一回転方向を表
していて、検出ヨーレートγの絶対値|γ|が目標ヨー
レートγ*の絶対値|γ*|より大きければ、すなわち車
両がオーバステアリング傾向であれば、ステアリング特
性判定値ΔγC は必ず負になると共に、同判定値Δγは
前記両ヨーレートγ,γ*の差が大きくなるにしたがって
小さくなる。さらに、車両の左旋回から右旋回又は右旋
回から左旋回への移行時、カウンタステアリング時に
は、前記両ヨーレートγ,γ*の正負の符号が反対になる
が、この場合には、ステアリング特性判定値ΔγC は必
ず負になると共に、その絶対値|Δγ|は方向をも考慮
した前記両ヨーレートγ,γ*の差に対応する。このよう
に、車体に発生しているヨーレートγが目標ヨーレート
γ* の方向と異なることは車両が安定されるべき状態、
すなわち車両がオーバステアリング傾向にある状態と同
等のことを意味するので、前記移行時、カウンタステア
リング時にステアリング特性判定値ΔγC が負に設定さ
れることは、車両のステアリング特性を前記場合と同様
な方法で表していることになる。したがって、ステアリ
ング特性判定値ΔγCはその正の値により車両のアンダ
ステアリング傾向を表し、かつその負の値により車両の
オーバステアリング傾向を表している。
【0026】前記ステアリング特性判定値ΔγC の計算
後、ステップ97にて下記数6の演算の実行により、フ
ロント駆動力配分値DF を計算する。
【数6】DF=DF0−K・ΔγC なお、前記数6中、値DF0はフロント駆動力配分初期値
を示す正の定数であり、値Kはステアリング特性判定値
ΔγCの係数を示す正の定数である。
【0027】次に、ステップ98にて前記フロント駆動
力配分値DF を表す制御信号を圧力制御バルブ72に出
力する。これにより、圧力制御バルブ72がフロント駆
動力配分値DF に比例した油圧を油圧アクチュエータ6
1に供給すると共に、湿式多板クラッチ62の伝達トル
クが油圧アクチュエータ61に供給された油圧に比例す
るので、左右前輪FW1,FW2側への駆動力分配率が
フロント駆動力配分値DF に比例したものとなる。した
がって、ステアリング特性判定値ΔγC が車両のアンダ
ステアリング傾向を表す正であれば、フロント駆動力配
分値DF は小さな値となって、左右前輪FW1,FW2
側へ駆動力が少ししか分配供給されないので、車両のス
テアリング特性はオーバステアリング側に制御される。
また、ステアリング特性判定値ΔγC が車両のオーバス
テアリング傾向を表す負であれば、フロント駆動力配分
値DF は大きな値となって、左右前輪FW1,FW2側
へ駆動力が多く分配供給されるので、車両のステアリン
グ特性はアンダステアリング側に制御される。その結
果、車両に発生するヨーレートが、左右前輪FW1,F
W2の操舵に応答して車両に発生すべき目標ヨーレート
γ* に追従して制御されるようになる。
【0028】また、このような前後輪への駆動力分配制
御による場合においても、車両の前後加速度GX及び横
加速度GYが増加するほど、係数Aは減少し、目標ヨー
レートγ* の絶対値|γ*| が減少するので、車両が急
加速又は急減速して前後加速度GXが大きい場合、車両
が急旋回して横加速度GYが大きい場合のように、タイ
ヤの路面に対するグリップ限界付近においては、車両に
発生するヨーレートは通常よりも小さ目に制御されて、
車両の操安性が良好となる。
【0029】なお、上記第1実施例においては本発明を
後輪を操舵することによりステアリング特性を変更制御
する車両に適用し、また上記第2実施例においては本発
明を駆動力の前後配分を制御する車両に適用したが、本
発明は、制動力の前後配分を制御したり、駆動力若しく
は制動力の左右配分を制御したり、ロール剛性の前後配
分を制御するようにした車両にも適用できる。制動力の
前後配分を制御する場合には、上述したフロント駆動力
配分値DF に等しい制御値に応じて、前記制動力の前後
配分を制御すればよい。駆動力若しくは制動力の左右配
分を制御する場合には、左右輪間の駆動力又は制動力の
差を上述したヨーレート偏差Δγに比例した値K・Δγ
に設定するようにすればよい。また、ロール剛性の前後
配分を制御する場合には、フロントロール剛性配分RF
を下記数7に示した値に設定すればよい。
【数7】RF=RF0−K・ΔγC なお、前記数7中、値RF0はフロントロール剛性配分初
期値を示す正の定数であり、値Kはステアリング特性判
定値ΔγCの係数を示す正の定数である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 上記特許請求の範囲に記載した本発明の構成
に対応するクレーム対応図である。
【図2】 本発明の第1実施例に係る車両の全体概略図
である。
【図3】 図2のマイクロコンピュータにて実行される
プログラムに対応したフローチャートである。
【図4】 図2のマイクロコンピュータに記憶されてい
て演算に利用される係数γ0 の特性グラフである。
【図5】 図2のマイクロコンピュータに記憶されてい
て演算に利用される係数τの特性グラフである。
【図6】 図2のマイクロコンピュータに記憶されてい
て演算に利用される係数Aの特性グラフである。
【図7】 本発明の第2実施例に係る車両の全体概略図
である。
【図8】 図7のマイクロコンピュータにて実行される
プログラムに対応したフローチャートである。
【符号の説明】
FW1,FW2…前輪、RW1,RW2…後輪、10…
前輪操舵装置、20…後輪操舵装置、30…電気制御装
置、31,81…前輪操舵角センサ、32,82…車速
センサ、33,83…ヨーレートセンサ、34,84…
前後加速度センサ、35,85…横加速度センサ、3
6,86…マイクロコンピュータ、51…エンジン、5
4,57…プロペラシャフト、60…トランスファ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B62D 137:00 (56)参考文献 特開 昭62−88666(JP,A) 特開 昭61−229616(JP,A) 特開 平2−151572(JP,A) 特開 昭62−4674(JP,A) 特開 平2−106468(JP,A) 特開 平1−95937(JP,A) 特開 平1−103579(JP,A) 特開 昭60−124571(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 6/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のステアリング特性を変更可能なス
    テアリング特性変更機構を備えた車両に適用され、前輪
    の操舵角を検出する操舵角センサと、車速を検出する車
    速センサと、前記検出された操舵角及び車速に基づいて
    車両の目標ヨーレートを決定する目標ヨーレート決定手
    段と、車両に発生しているヨーレートを検出するヨーレ
    ートセンサと、前記検出されたヨーレートと前記決定さ
    れた目標ヨーレートとに基づいて前記ステアリング特性
    変更機構を制御して車両に発生するヨーレートを目標ヨ
    ーレートに追従させる制御手段とを備えた車両のステア
    リング特性制御装置において、車両の水平方向の加速度
    を検出する加速度センサと、前記検出された加速度に基
    づいて同加速度が大きくなるにしたがって前記目標ヨー
    レート決定手段にて決定される目標ヨーレートが小さく
    なるように補正する補正手段とを設けたことを特徴とす
    る車両のステアリング特性制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記ステアリング特性
    変更機構が後輪操舵装置であることを特徴とする車両の
    ステアリング特性制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記ステアリング特性
    変更機構が駆動力分配機構であることを特徴とする車両
    のステアリング特性制御装置。
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