JP3054265B2 - 車両のヨー運動制御装置 - Google Patents

車両のヨー運動制御装置

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JP3054265B2
JP3054265B2 JP10692392A JP10692392A JP3054265B2 JP 3054265 B2 JP3054265 B2 JP 3054265B2 JP 10692392 A JP10692392 A JP 10692392A JP 10692392 A JP10692392 A JP 10692392A JP 3054265 B2 JP3054265 B2 JP 3054265B2
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Toyota Central R&D Labs Inc
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)
  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、旋回時における車両の
ヨーレートを目標値に制御する車両のヨー運動制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置としては、例えば特
開平1−218977号公報に示されるように、ビスカ
スカップリングを付設したセンターデファレンシャルを
備えた四輪駆動車において、後輪回転速度が前輪回転速
度より速く、かつ車両の横加速度が大きいときまたは車
両の旋回半径が小さいとき、後輪を前輪に対して逆相に
操舵することにより、前輪への駆動力配分の増加に起因
した車両のヨーレートの減少を補正している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置にあっては、車両のヨー運動を変更するための各制御
対象に関係した応答性や影響度を考慮して車両のヨー運
動を制御しておらず、所望のステアリング性能が得られ
ないという問題があった。本発明は上記問題に対処する
ためになされたもので、その目的は、制御対象に関係し
て車両のヨー運動を的確に制御する車両のヨー運動制御
装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の構成上の特徴は、エンジンからの駆動力を
車輪に伝達する駆動力伝達機構内に設けられて前輪およ
び後輪への駆動力配分比を変更可能な駆動力配分機構
と、後輪を操舵する後輪操舵機構とを備えた車両に適用
され、前輪舵角を検出する前輪舵角検出手段と、車速を
検出する車速検出手段と、前記検出した前輪舵角および
車速に基づいて第1後輪操舵量を決定する後輪操舵量決
定手段と、前記決定した第1後輪操舵量に応じた制御信
号により前記後輪操舵機構をフィードフォワード制御し
て後輪を同決定した第1後輪操舵量に操舵制御する操舵
制御手段と、前記検出した前輪舵角および車速に基づい
て目標ヨーレートを決定する目標ヨーレート決定手段
と、車両のヨーレートを検出するヨーレート検出手段
と、前記決定した目標ヨーレートと前記検出したヨーレ
ートとの差に応じて前後輪の駆動力配分比を計算して、
同計算した駆動力配分比に応じた制御信号により駆動力
配分機構をフィードバック制御して両ヨーレートの差を
なくす駆動力配分制御手段と、前記計算された駆動力配
分比に基づいて前記駆動力配分制御手段による駆動力配
分の制御遅れを補償するための第2後輪操舵量を計算し
て、同計算した第2後輪操舵量を前記第1後輪操舵量に
加えて前記操舵制御手段によるフィードフォワード制御
に前記第2後輪操舵量を加味する遅れ補償手段とを備え
たことにある。
【0005】
【作用】上記のように構成した本発明においては、後輪
操舵量決定手段が検出された前輪舵角および車速に基づ
いて第1後輪操舵量を決定し、操舵制御手段が前記決定
した第1後輪操舵量に応じた制御信号により後輪操舵機
構をフィードフォワード制御して後輪を同決定した第1
後輪操舵量に操舵制御するので、後輪の操舵量は前輪舵
角および車速によりフィードフォワード制御される。一
方、目標ヨーレート決定手段は検出した前輪舵角および
車速に基づいて目標ヨーレートを決定し、駆動力配分制
御手段が前記決定した目標ヨーレートと検出したヨーレ
ートとの差に応じて前後輪の駆動力配分比を計算し、同
計算した駆動力配分比に応じた制御信号により駆動力配
分機構をフィードバック制御して両ヨーレートの差をな
くすので、前後輪の駆動力配分は検出ヨーレートにより
フィードバック制御される。さらに、遅れ補償手段は、
前記計算された駆動力配分比に基づいて駆動力配分制御
手段による駆動力配分の制御遅れを補償するための第2
後輪操舵量を計算して、同計算した第2後輪操舵量を前
記第1後輪操舵量に加えて前記操舵制御手段によるフィ
ードフォワード制御に前記第2後輪操舵量を加味する。
【0006】一般的に、後輪を操舵制御した場合には、
同制御に対する車両のヨー運動変化の応答性は速いが、
後輪への駆動力が大きかったりスリップ角が大きくなる
とヨー運動への影響度は小さくなる。また、前輪および
後輪への駆動力配分比を変更制御した場合には、前記応
答性は悪いが、後輪への駆動力が大きかったりスリップ
角が大きくても前記影響度は大きい。したがって、前記
のように、後輪操舵をフィードフォワード制御が分担
し、駆動力配分をフィードバック制御が分担すれば、車
両のヨー運動が応答性良好かつ安定性良好に制御される
ことになる。また、遅れ補償手段により、駆動力配分比
に基づいて計算した第2後輪操舵量が前記操舵制御手段
によるフィードフォワード制御に加味されて、前記駆動
力配分のフィードバック制御による遅れも補償される。
【0007】
【発明の効果】上記作用説明のように、本発明によれ
ば、後輪操舵をフィードフォワード制御するとともに駆
動力配分をフィードバック制御することにより、車両の
ヨー運動が応答性良好かつ安定性良好に制御されるの
で、車両のヨー運動が的確に制御されることになり、車
両における所望のステアリング性能が得られる。また、
遅れ補償手段の作用により、前記駆動力配分のフィード
バック制御による遅れも補償されるので、車両における
所望のステアリング性能がより的確に得られる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明
すると、図1は同実施例に係る車両の全体を概略的に示
している。この車両は、前輪FW1,FW2および後輪
RW1,RW2へ駆動力を伝達する駆動力伝達機構10
と、前輪FW1,FW2を操舵する前輪操舵機構30
と、後輪RW1,RW2を操舵する後輪操舵機構40
と、駆動力伝達機構10および後輪操舵機構40を電気
的に制御する電気制御装置50とを備えている。
【0009】駆動力伝達機構10は、エンジン11から
の駆動力がオートマチックトランスミッション13を介
して伝達されるセンターデファレンシャル14を備えて
いる。センターデファレンシャル14は伝達された駆動
力をフロントプロペラシャフト15およびリヤプロペラ
シャフト16を介しフロントデファレンシャル17およ
びリヤデファレンシャル18に分配する。フロントデフ
ァレンシャル17は伝達された駆動力をフロントアクス
ルシャフト21a,21bを介し前輪FW1,,FW2
に分配する。リヤデファレンシャル18は伝達された駆
動力をリヤアクスルシャフト22a,22bを介し後輪
RW1,RW2に分配する。
【0010】フロントプロペラシャフト15とリヤプロ
ペラシャフト16との間には駆動力配分機構としての湿
式多板クラッチ23が設けられており、同クラッチ23
はフロントプロペラシャフト15とリヤプロペラシャフ
ト16とに対する駆動力配分を変更する。本実施例で
は、湿式多板クラッチ23に対する供給油圧が低いとき
両シャフト15,16への駆動力配分比が3:7に設定
されるとともに、同供給油圧が上昇すると同配分比が
5:5(両シャフト15,16の直結状態)まで連続的
に変化するようになっている。この供給油圧は、油圧ポ
ンプ24、圧力制御バルブ25及びリザーバ26からな
る油圧回路から供給されるもので、電気的に制御される
圧力制御バルブ25によって可変制御される。
【0011】前輪操舵機構30は操舵ハンドル31を備
え、同ハンドル31は操舵軸32の上端に固定されてい
る。操舵軸32はステアリングギヤボックス33内にて
ラックバー34に噛合しており、同バー34は操舵軸3
2の回転により軸方向に変位する。ラックバー34はそ
の両端にてナックルアーム35a,35bを介して前輪
FW1,FW2を操舵可能に接続している。ステアリン
グギヤボックス33の上部には制御バルブ36が組み付
けられている。制御バルブ36は油圧ポンプ37および
リザーバ38に接続されており、操舵軸32に付与され
る操舵トルクに応じてパワーシリンダ39の左右油室に
対する作動油の給排を制御する。パワーシリンダ39は
ラックバー34を軸方向に駆動することにより、前輪F
W1,FW2の操舵を助勢する。
【0012】後輪操舵機構40はリレーロッド41を備
え、同ロッド41はその両端にてナックルアーム42
a,42bを介して後輪RW1,RW2を操舵可能に接
続している。リレーロッド41の外周上には同ロッド4
1を軸方向に駆動するパワーシリンダ43が組み付けら
れており、同シリンダ43の左右油室にはサーボバルブ
44が接続されている。サーボバルブ44は油圧ポンプ
45およびリザーバ38に接続されており、電気的に制
御されてパワーシリンダ43の左右油室に対する作動油
の給排を制御する。
【0013】電気制御装置50は前輪舵角センサ51、
車速センサ52、横加速度センサ53、回転数センサ5
4,55およびヨーレートセンサ56を備えている。前
輪舵角センサ51は前輪舵角δfを検出して同舵角δfを
表す検出信号を出力する。車速センサ52は車速Vを検
出して同車速Vを表す検出信号を出力する。横加速度セ
ンサ53は車両の横加速度Gyを検出して同横加速度Gy
を表す検出信号を出力する。回転数センサ54はエンジ
ン11の出力回転数Neを検出して同回転数Neを表す検
出信号を出力する。回転数センサ55はトランスミッシ
ョン13の出力回転数Ntを検出して同回転数Ntを表す
検出信号を出力する。ヨーレートセンサ56は車両のヨ
ーレートRを検出して同レートRを表す検出信号を出力
する。なお、前輪舵角δf、横加速度Gyおよびヨーレー
トRは右旋回方向を正で表し、左旋回方向を負で表す。
【0014】これらの各センサ51〜56にはマイクロ
コンピュータ57が接続されている。マイクロコンピュ
ータ57はCPU,ROM,RAMなどからなり、図2
のフローチャートに対応したプログラムを実行すること
により、前輪FW1,FW2および後輪RW1,RW2
の駆動力配分を制御するとともに、後輪RW1,RW2
の操舵を制御する。このマイクロコンピュータ57には
駆動系制御回路58および操舵系制御回路61が接続さ
れている。駆動系制御回路58はマイクロコンピュータ
57からの制御信号に応じて圧力制御バルブ25を制御
する。操舵系制御回路61はマイクロコンピュータ57
からの制御信号に応じてサーボバルブ44を制御する。
後輪舵角センサ62はリレーロッド41の軸方向の変位
量を検出して、同変位量に対応した後輪舵角δr を表す
検出信号を操舵系制御回路61へ出力する。
【0015】上記のように構成した実施例の動作を説明
する前に、本実施例で採用している制御方法について図
5の制御システム図を用いて説明しておく。まず、この
制御システム図を構想するために、後輪操舵制御と駆動
力配分制御の特徴について検討すると、下記のとお
りである。 車両のヨー運動に対する応答性について検討すると、
後輪操舵制御においては、パワーシリンダ43が後輪R
W1,RW2を直接操舵し、この操舵によって後輪RW
1,RW2のスリップ角が直接的に変化して、タイヤに
サイドフォースを発生させるので、応答性は良好であ
る。一方、駆動力配分制御においては、圧力制御バルブ
25が湿式多板クラッチ23に付与される圧力を変更制
御し、同クラッチ23の各板が油圧により押し付けられ
て始めて伝達トルクが変化するとともに、各板の摩擦特
性によって伝達トルクが変化するまでに時間遅れがある
ので、応答性は良好でない。
【0016】車両のヨー運動に対する影響度について
検討すると、後輪操舵制御において、タイヤが線形領域
にあれば、サイドフォースはスリップ角に比例して増加
するので、影響度は大きい。しかし、駆動力が大きい場
合、スリップ角が大きい場合などのタイヤの非線形領域
では、スリップ角が変化してもサイドフォースがあまり
変化しないので、影響度は小さい。一方、駆動力配分制
御においては、駆動力が大きくなったためにサイドフォ
ースが低下している車輪からサイドフォースがそれほど
低下していない車輪へ駆動力を移すことにより、サイド
フォースを回復させることが可能である。また、フロン
トプロペラシャフト15とリヤプロペラシャフト16と
の差動制限により、前輪FW1,FW2と後輪RW1,
RW2との内輪差を抑えて、車両の直進性を増してヨー
レートを抑えることが可能である。そして、これらはタ
イヤのスリップ角の大きさとは無関係に作用するので、
駆動力が大きい場合、スリップ角が大きい場合などのタ
イヤの非線形領域でも、影響度は大きい。
【0017】前記の特徴によれば、速応性のあるフ
ィードフォワード制御を後輪操舵制御に割り当て、安定
性のあるフィードバック制御を駆動力配分制御に割り当
てることが望ましいことが解る。また、フィードバック
制御における応答性の遅れを後輪操舵制御で補うことが
望ましいことが解る。
【0018】これらの検討結果を具現化した図5のシス
テム図において、実車両モデル71内のP(s)は同モデ
ルの運動ダイナミックス特性(伝達関数)を表し、規範
車両モデル72内のPo(s) は同モデルの運動ダイナミ
ックス特性(伝達関数)を表している。実車両モデル7
1は運転操作によって与えられる前輪舵角δf および車
速Vを入力するともに、フィードフォワードコントロー
ラ73およびフィードバックコントローラ74の制御に
よって与えられる後輪舵角δr および駆動力配分比λを
入力して、実ヨーレートRを出力する。規範車両モデル
72は運転操作によって与えられる前輪舵角δf および
車速Vを入力して、目標ヨーレートRDを出力する。
【0019】フィードフォワードコントローラ73は前
輪舵角δf および車速Vを入力し、伝達関数C1(s)に
基づいて後輪舵角δrfを計算して加算器75に出力す
る。フィードバックコントローラ74は目標ヨーレート
D と実ヨーレートRの差eを減算器76から入力し、
伝達関数C2(s)に基づいて後輪舵角δrbおよび駆動力
配分比λを計算して、同後輪舵角δrbを加算器75に出
力するとともに、駆動力配分比λを実車両モデル71に
直接出力する。加算器75は前記両後輪舵角δrf,δrb
を加算して実車両モデル71に出力する。
【0020】フィードバックコントローラ74はコント
ローラ74a〜74cからなる。コントローラ74aは
実ヨーレートRを目標ヨーレートRD に一致させるため
の制御入力uを計算するもので、その伝達関数はCfbで
表される。コントローラ74b,74cは前記制御入力
uを駆動力配分比λと後輪舵角δrbにそれぞれ分配する
もので、コントローラ74bは前記制御入力uおよびト
ランスミッション13からの駆動トルクTを入力して伝
達関数C4WD に基づいて駆動力配分比λを計算する。コ
ントローラ74cは前記制御入力u、駆動力配分比λお
よび車体スリップ角βを入力して伝達関数C4WS に基づ
いて後輪舵角δrbを計算する。
【0021】この制御システムに基づいて具体的な制御
アルゴリズムを説明する。駆動力配分による横力の低下
を考慮した車両の運動方程式は下記数1〜4で表され
る。
【0022】
【数1】mV(dβ/dt+R)=FF+FR
【0023】
【数2】IdR/dt=aFF−aRR
【0024】
【数3】 FF=−CF(β+aFR/V−δf){1−hFT(1+λ)}
【0025】
【数4】 FR=−CR(β−aRR/V−δr){1−hRT(1−λ)} なお、前記数1〜4中、車両により特定される定数は次
のとおりである。 m :質量 I :ヨー慣性モーメント CF:前輪コーナリングパワー CR:後輪コーナリングパワー aF:前輪車軸と重心との水平距離 aR:後輪車軸と重心との水平距離 hF:前輪の駆動力によるコーナリングパワーの減少係
数 hR:後輪の駆動力によるコーナリングパワーの減少係
数 また、前記数1〜4中の変数は次のとおりである。 V :車速 β :車体スリップ角 R :実ヨーレート δf:前輪舵角 δr:後輪舵角 T :駆動トルク(前後輪トルクの合計) λ :駆動力配分比(−0.4≦λ≦0) FF:前輪コーナリングフォース FR:後輪コーナリングフォース なお、駆動力配分比λが「−0.4」であることは前輪
FW1,FW2と後輪RW1,RW2との駆動力配分比
が3:7であることに対応し、同配分比λが「0」であ
ることは同配分比が5:5であることに対応する。
【0026】まず、フィードフォワード制御部の制御則
を求める。フィードフォワード制御部は後輪舵角δr の
みを制御するので、前記数1〜4にて駆動力配分比の制
御に関する影響を除去するために駆動トルクTを「0」
とする。また、後輪舵角δrをフィードフォワード制御
分δrfとする。このような前提の基に、前輪舵角および
後輪舵角をδf,δrfとした場合におけるヨーレートRL
を推定すると、前記数1〜4に基づいて同ヨーレートR
Lは下記数5で表される。
【0027】
【数5】
【0028】なお、前記数5中、sはラプラス演算子で
あり、係数a1,a2,b1,b2,b3,b4は次の数6〜11
のように表される値である。
【0029】
【数6】
【0030】
【数7】
【0031】
【数8】
【0032】
【数9】
【0033】
【数10】
【0034】
【数11】
【0035】一方、前輪FW1,FW2を操舵した場合
におけるヨーレートは一時遅れ特性になることが望まし
いことは種々の実験で解っている。この場合、車両の目
標とする特性に応じて設定されるチューニング要素とし
てのゲインおよび時定数をそれぞれk,τとして表せ
ば、目標ヨーレートRDと前輪舵角δfの関係は下記数1
2のように表される。
【0036】
【数12】
【0037】ここで、RL=RD(数5,12を参照)と
おいて後輪舵角δrfについて解けば、同舵角δrfはフィ
ードフォワード制御によるヨーレートRL を目標ヨーレ
ートRD に一致させるための後輪RW1,RW2の舵角
を表すことになる。この後輪舵角δrfは下記数13のよ
うに表される。
【0038】
【数13】
【0039】なお、前記数13中の括弧内の関数が図3
の伝達関数C1(s)に相当し、係数k0,k1,k212
は下記数14〜18により表される値である。
【0040】
【数14】
【0041】
【数15】
【0042】
【数16】
【0043】
【数17】
【0044】
【数18】
【0045】次に、フィードバック制御部の制御則を求
める。この場合、ヨーレートのみをフィードバックする
ので、上記数2〜4を用いて、実ヨーレートRについて
線形化された式を導くと、実ヨーレートRおよび制御入
力uは下記数19,20のように表される。
【0046】
【数19】
【0047】
【数20】
【0048】フィードバックコントローラ74には上記
数12で決定されている目標ヨーレートRD と実ヨーレ
ートRとの差e=RD−R が入力され、同コントローラ
74は前記差eが「0」になるようなフィードバック制
御用の後輪舵角δrfおよび駆動力配分比λを出力する。
この場合、制御入力uは後輪舵角δrbおよび駆動力配分
比λを合成したものであるので、前記数19に基づいて
前記差eが「0」になるような制御入力uを求めればよ
く、同入力uは線形制御理論に基づく最適レギュレータ
法や、H∞(無限大)制御法などの種々の公知の方法で導
出される。本実施例では、H∞制御法で求めた結果を下
記数21に示す。ただし、XcはXc=(X123T
からなる中間変数で、下記数22の関係にある。
【0049】
【数21】u=CcXc+Dc(RD−R)
【0050】
【数22】dXc/dt=AcXc+Bc(RD−R) なお、Ac,Bc,Cc,Dcは(3×3)(3×1)(1
×3)(1×1)次元の定係数行列である。
【0051】次に、コントローラ74b,74cから出
力される駆動力配分比λおよび後輪舵角δrbを計算す
る。この場合、後輪舵角δrbによる制御は駆動力配分比
λによる制御の遅れを補償するものであるので、駆動力
配分比λを決定した後に、その結果に基づいて後輪舵角
δrbを決定する。まず、前記数21により表された制御
入力uと駆動トルクTとに基づいて、駆動力配分比λを
計算する。この駆動力配分比λによる制御は、前述した
駆動力配分比λによる制御の性質上、駆動トルクTが大
きいとき、またはタイヤのスリップ角とサイドフォース
との関係が非線形領域になったとき、すなわち実ヨーレ
ートRと目標ヨーレートRD との差eが大きくなったと
き、駆動力配分比λを大きくすべきである。したがっ
て、駆動力配分比λを決定するために、下記数23を想
定する。
【0052】
【数23】
【0053】前記数23中、Tmは当該車両の最大トル
ク(車両の最大加速に必要なトルク)であり、係数KL
は車種によりチューニング可能な制御係数である。した
がって、前記数23中の第1項は駆動トルクTが最大ト
ルクTm に近づくにしたがって駆動力配分比λを「0」
に近づける項で、急加速時などに車両を安定化させるよ
うに機能する。また、前記数23中の第2項は、実ヨー
レートRを目標ヨーレートRDに近づけるために機能す
るもので、特に制御入力u(目標ヨーレートRDと実ヨ
ーレートRとの差e)および駆動トルクTが大きいとき
効果的である。なお、前記数23中のsign(R)は、実ヨ
ーレートRが正のとき「+1」になり、同ヨーレートR
が負のとき「−1」になる関数であり、車両の右旋回時
と左旋回時の符号の反転を補償するものである。
【0054】次に、この決定した駆動力配分比λを用い
て後輪舵角δrbを計算する。この後輪舵角δrbは駆動力
配分比λの応答遅れを補償するものであるので、駆動力
配分比λの制御遅れを考慮して、前記数20で表された
制御入力uが前記決定され数21で表される制御入力u
に常に等しくなるようにコントローラ74cの出力値
(後輪舵角δrb)を決定する。そこで、駆動力配分比λ
が実際に車両の運動特性に反映する値を駆動力配分比λ
*とすると、この駆動力配分比λ*の制御は一次遅れ系で
あると考えられるので、同配分比λ*は下記数24のよ
うに表される。
【0055】
【数24】
【0056】ここで、時定数τR は車種毎に予め設定さ
れる値である。そして、前記数24により表された駆動
力配分比λ* および前記数21により表された制御入力
uを上記数20に代入して、後輪舵角δrbについて解く
と、求めるべき後輪舵角δrbは下記数25のようにな
る。
【0057】
【数25】
【0058】次に、上記のように構成した実施例の動作
を図2のフローチャートに沿って説明する。
【0059】イグニッションスイッチがオンされると、
マイクロコンピュータ57はステップ100にてプログ
ラムの実行を開始し、ステップ101〜112からなる
循環処理を繰り返し実行する。この循環処理において
は、ステップ101にて各センサ51〜56から前輪舵
角δf、車速V、横加速度Gy、回転数Ne ,Nt および
ヨーレートRを表す検出信号を入力する。ステップ10
2においては、入力した回転数Ne,Ntに基づいてスリ
ップ率S=(Nt/Ne)を計算し、同計算したスリップ
率Sに基づいてマイクロコンピュータ57内のテーブル
(図3,4)を参照することによりトルク比TRおよび
トルク容量TCを決定し、これらのトルク比TR、トルク
容量TCおよび回転数Ne を用いた下記数26(オート
マチックトランスミッションにおいて成立する関係式)
の演算の実行によりトランスミッション13からセンタ
ーデファレンシャル14に出力される駆動トルクTを計
算する。
【0060】
【数26】T=TCRNe2 なお、マニアルトランスミッション車の場合、またはオ
ートマチックトランスミッション車の場合でも、前記数
26の演算に代えて、トランスミッション13の出力軸
のトルクを歪ゲージなどにより測定し、この測定結果を
駆動トルクTとするようにしてもよい。
【0061】次に、ステップ103にて横加速度Gy 、
車速VおよびヨーレートRを用いた下記数27の疑似積
分演算の実行により車体スリップ角βを計算する。
【0062】
【数27】
【0063】ただし、前記数27中の時定数τB は車種
に応じて予め定めた定数であり、sはラプラス演算子で
ある。
【0064】次に、ステップ104にて、検出した前輪
舵角δf を用いた前記数13の演算の実行によりフィー
ドフォワード制御用の後輪舵角δrfを計算する。この場
合、数13中の係数k0,k1,k212 は前述の数1
4〜18により定義されるものである。これらの数14
〜18中の係数a1,a2,b1,b2,b3,b4 は前述した数
6〜11により定義されるもので、これらは検出した車
速Vに基づいて計算される。また、前記数14〜18中
の値k,τは車種により予め決められた値である。
【0065】前記後輪舵角δrfの計算後、ステップ10
5にて検出した前輪舵角δf を用いた数12の演算の実
行により目標ヨーレートRD を計算する。この場合の各
値k,τ,a2,b2 も前記場合と同じである。次に、ステ
ップ106にて前記計算した目標ヨーレートRD と検出
したヨーレートRを用いた前記数21の演算の実行によ
り制御入力uを計算する。この場合の中間変数Xc は前
述した数22により定義されるもので、係数行列Ac,
Bc,Cc,Dcは予め決められたものである。
【0066】次に、前記計算した駆動トルクTおよび制
御入力uと前記検出したヨーレートRとを用いた数23
の演算の実行により駆動力配分比λを計算する。この数
23において、最大トルクTm および係数KL は車種に
より予め決められた値である。次に、この駆動力配分比
λを用いた前記数24の演算の実行により時間遅れを考
慮した駆動力配分比λ*を計算する。この場合、係数τR
は車種に応じて予め決められた値である。次に、ステッ
プ109にて前記計算した車体スリップ角β、駆動力配
分比λ* および駆動トルクTと、車速V、ヨーレートR
および前輪舵角δf とを用いた数25の演算の実行によ
りフィードバック制御のための後輪舵角δrbを計算す
る。そして、ステップ110にてフィードフォワードお
よびフィードバック用の後輪舵角δrf,δrbを用いた下
記数28の演算の実行により総合的な後輪舵角δr を計
算する。
【0067】
【数28】δr=δrf+δrb 前述のようにして駆動力配分比λおよび後輪舵角δr を
計算した後、マイクロコンピュータ57はステップ11
1にて駆動力配分比λを表す制御信号を駆動系制御回路
58に出力し、ステップ112にて後輪舵角δr を表す
制御信号を操舵系制御回路61に出力する。駆動系制御
回路58は前記制御信号に応じて圧力制御バルブ25を
制御し、湿式多板クラッチ23における油圧を前記制御
信号に対応した圧力に設定制御する。これにより、トラ
ンスミッション13からの駆動トルクが駆動力配分比λ
に応じてフロントプロペラシャフト15およびリヤプロ
ペラシャフト16に分配されるので、前輪FW1,FW
2および後輪RW1,RW2の各駆動トルクが同配分比
λに応じたものになる。また、操舵系制御回路61は制
御信号により表された後輪舵角δr と後輪舵角センサ6
2からの検出信号により表された後輪舵角との差を表す
制御信号をサーボバルブ44に出力し、同バルブ44は
前記差がなくなるようにパワーシリンダ43に対する作
動油の給排を制御する。これにより、パワーシリンダ4
3はリレーロッド41を駆動して、後輪RW1,RW2
を後輪舵角δr に操舵する。
【0068】上記作動説明からも理解できるとおり、上
記実施例によれば、前輪の操舵に対して一次遅れとなる
目標ヨーレートRD が車両に発生するように、フィード
フォワード制御用の後輪舵角δrfが前輪舵角δf および
車速Vに基づいて決定され、後輪RW1,RW2が同決
定された後輪舵角δrfにフィードフォワード制御され
る。一方、検出されたヨーレートRが前記目標ヨーレー
トRD に等しくなるように、フィードバック制御用の制
御入力uが決定されるとともに、この制御入力uが駆動
力配分比λおよび後輪舵角δrbに分配される。そして、
前輪FW1,FW2と後輪RW1,RW2の駆動トルク
が前記駆動力配分比λにしたがってフィードバック制御
されるとともに、後輪RW1,RW2が前記後輪舵角δ
rbにしたがって補足的にフィードバック制御される。
【0069】そして、このような制御においては、後輪
RW1,RW2はパワーシリンダ43により直接的に制
御されるので、同制御に対する車両のヨー運動変化の応
答性は速いが、後輪RW1,RW2への駆動力が大きか
ったり、スリップ角が大きくなるとヨー運動への影響度
は小さくなる。一方、駆動力配分の制御は湿式多板クラ
ッチ23により制御され、車両のヨー運動に対する応答
性は悪いが、後輪RW1,RW2への駆動トルクが大き
かったり、スリップ角が大きくなっても前記影響度は大
きい。したがって、上記実施例によれば、基本的には、
フィードフォワード制御された後輪RW1,RW2の操
舵が車両のヨー運動の応答性を良好にすると同時に、フ
ィードバック制御された前後輪の駆動力配分が車両のヨ
ー運動を安定化する。さらに、フィードバック制御され
た後輪RW1,RW2の補足的な操舵が駆動力配分の制
御遅れを補うので、駆動力配分による車両のヨー運動の
制御が常に安定して行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す車両の全体概略図で
ある。
【図2】 図1のマイクロコンピュータにて実行される
プログラムのフローチャートである。
【図3】 オートマチックトランスミッションにおける
スリップ率に対するトルク比の特性グラフである。
【図4】 オートマチックトランスミッションにおける
スリップ率に対するトルク容量の特性グラフである。
【図5】 図1の車両にて行われる制御の制御システム
図である。
【符号の説明】
FW1,FW2…前輪、RW1,RW2…後輪、10…
駆動力伝達機構、11…エンジン、13…トランスミッ
ション、14…センターデファレンシャル、23…湿式
多板クラッチ、25…圧力制御バルブ、30…前輪操舵
機構、31…操舵ハンドル、40…後輪操舵機構、41
…リレーロッド、43…パワーシリンダ、44…サーボ
バルブ、50…電気制御装置、51…前輪舵角センサ、
52…車速センサ、53…横加速度センサ、54,55
…回転数センサ,56…ヨーレートセンサ、57…マイ
クロコンピュータ、58…駆動系制御回路、61…操舵
系制御回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B62D 137:00 (56)参考文献 特開 平4−87882(JP,A) 特開 平4−81316(JP,A) 特開 昭62−198522(JP,A) 特開 昭62−120276(JP,A) 特開 平3−70633(JP,A) 実開 平1−69032(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 6/00 B60K 17/28 - 17/36 B62D 7/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの駆動力を車輪に伝達する
    駆動力伝達機構内に設けられて前輪および後輪への駆動
    力配分比を変更可能な駆動力配分機構と、後輪を操舵す
    る後輪操舵機構とを備えた車両に適用され、 前輪舵角を検出する前輪舵角検出手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 前記検出した前輪舵角および車速に基づいて第1後輪操
    舵量を決定する後輪操舵量決定手段と、 前記決定した第1後輪操舵量に応じた制御信号により前
    記後輪操舵機構をフィードフォワード制御して後輪を同
    決定した第1後輪操舵量に操舵制御する操舵制御手段
    と、 前記検出した前輪舵角および車速に基づいて目標ヨーレ
    ートを決定する目標ヨーレート決定手段と、 車両のヨーレートを検出するヨーレート検出手段と、 前記決定した目標ヨーレートと前記検出したヨーレート
    との差に応じて前後輪の駆動力配分比を計算して、同計
    算した駆動力配分比に応じた制御信号により駆動力配分
    機構をフィードバック制御して両ヨーレートの差をなく
    す駆動力配分制御手段と 前記計算された駆動力配分比に基づいて前記駆動力配分
    制御手段による駆動力配分の制御遅れを補償するための
    第2後輪操舵量を計算して、同計算した第2後輪操舵量
    を前記第1後輪操舵量に加えて前記操舵制御手段による
    フィードフォワード制御に前記第2後輪操舵量を加味す
    る遅れ補償手段と を備えたことを特徴とする車両のヨー
    運動制御装置。
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