JP4039305B2 - 車両用電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、概して、操舵トルクに対して位相進み補償を行う車両用電動パワーステアリング装置に係り、特に、アシストトルクの大きさに応じて該位相進み補償を行う車両用電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
操舵トルクに対するアシストトルクを発生するモータを備えた車両用電動パワーステアリング装置においては、モータの応答遅れを補償し、自励振動の発生を防止する目的で、操舵トルクに対して位相進み補償を行う手法が知られている。
【0003】
また、従来、車両が高速で走行しているときには低速時に比べて小さいアシストトルクで済むことに鑑み、車速に応じて位相進み補償量を変える方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−159133号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来の位相進み補償では、複雑な演算・制御を回避するために、最も自励振動が発生しやすいと考えられる(比較的大きい)アシストトルクに合わせて位相補償フィルタの伝達関数を決めているため、アシストトルクが比較的小さい場合には過剰な位相補償となる。
【0006】
また、低次のフィルタ(=1次/1次)では、高周波のゲインも大きくなってしまうため、ノイズに対して弱く、別の音・振動の原因となる。したがって、安定性を得るために、アシストカーブ(操舵トルクに対するアシストトルクの変化)の傾きに上限を設けなければならない場合も生じ得る。
【0007】
このような常に若干の過剰分を含んだ位相進み補償による影響は、上記特許文献1記載のように補償量を車速に応じて変化させたとしても完全に除去できるものではなく、運転者の操舵感に影響を及ぼす。
【0008】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、操舵トルクに対する位相進み補償量を最適化した車両用電動パワーステアリング装置を提供することを主たる目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、操舵ハンドルの回動操作による操舵トルクに対してアシストトルクを発生する電動機を備えた車両用電動パワーステアリング装置であって、上記アシストトルクの大きさに応じて上記操舵トルクの位相を進み補償することを特徴とする車両用電動パワーステアリング装置である。
【0010】
この態様において、操舵トルクに対する位相進み補償は、例えば、ECU内のソフトウェア処理において、入力された操舵トルクに対していわゆるフィルタを設けることにより実施される。
【0011】
より具体的には、例えば、操舵トルクに対するアシストトルクの割合(以下、「アシスト率」と称す)に応じて、操舵トルクに対する位相進み補償のフィルタ伝達関数を決定することにより実施される。
【0012】
ここでは、当然、アシストトルク量が大きくなるほど位相進み補償量が大きくなるように設定される。
【0013】
この態様によれば、その時点でのアシストトルクの大きさ(又はアシスト率)を考慮してアシストトルクの大きさを決定することにより、電動機(モータ)のトルク応答性を考慮した最適な位相進み補償を行うことができるため、ロバスト安定性が向上すると共に、運転者の操舵時の違和感を改善することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。なお、車両用電動パワーステアリング装置自体のおおよその構成や機能は既に良く知られており、本明細書では詳しい説明を省略する。
【0015】
また、以下に説明する本発明の一実施形態においては、便宜上、操舵トルクに対するアシストトルクを発生するモータがラック軸上に設けられたいわゆるラック同軸型のパワーステアリング装置を一例として挙げる。
【0016】
図1は、車両に搭載された電動パワーステアリング装置の概略図である。操舵ハンドル101を通じて入力された運転者の回動操作は、操舵軸102及び図示しないピニオン部を通じてラック軸104に伝達される。
【0017】
ラック軸104は、横方向に動くことによって、転舵輪105を転舵する。ラック軸104の同軸上には、この横方向の動きをアシストする電動モータ106が設けられている。
【0018】
操舵軸102の途中にはトルクセンサ103が設けられる。トルクセンサ103は、例えば、上流側と下流側がトーションバーで接続され、上流側の角度センサと下流側の角度センサのねじれ角度の差とトーションバーのねじれ剛性とからトルクを求めるタイプのトルクセンサである。
【0019】
トルクセンサ103によって検出された操舵トルクは、モータ106に対する通電制御を行うパワステECU107へ伝達される。ECU107は、操舵トルクの方向及びその大きさ(すなわち、操舵方向及び操舵量)に応じて、モータ106の回転を制御し、操舵トルクに応じたアシスト力を発生させる。
【0020】
次いで、図2を用いて、ECU107における位相補償処理について説明する。既述のように、モータの応答遅れを補償するために、本実施形態に係るECU107は、アシストトルクの大きさに応じて操舵トルクに対する位相進み補償を行う。
【0021】
この点、上述の従来技術では、図2(a)に示すように、位相補償フィルタによって操舵トルクに対して車速に応じた位相進み補償を行い、モータへ指示するアシストトルク量を算出していた。
【0022】
本実施形態では、図2(b)に示すように、パワステ107において、ソフトウェア又はプログラムとして実現される位相補償フィルタ201が、トルクセンサ103によって検出された操舵トルクTに対して、その時点でのモータ指令トルク(=モータ106により発生するアシストトルク)Tの大きさに基づいて位相進み補償を行う。具体的には、アシストトルクTが大きいときほど、操舵トルクの位相を進めるように位相補償を行う。より具体的には、本実施形態では、アシスト率α(=T/T)なる変数を導入し、アシスト率が大きいほど、操舵トルクの位相を進めるように位相補償を行う。
【0023】
そして、位相補償処理により得られたモータ指令トルクTに基づいて、同じくソフトウェア又はプログラムとして実現されるモータ通電制御部202が該トルクTがモータ106によって発生されるようにモータ106への通電制御を行う。
【0024】
ここで、本実施形態に係る位相補償フィルタ201が有するフィルタ伝達関数Fについて説明する。
【0025】
電動パワーステアリング装置のステアリング系に与えられるトルクTは、運転者による操舵トルクTと、モータ106によるアシストトルクTとから成る。すなわち、系に与えられるトルクTは、
=T+T ・・・式(1)
と表すことができる。
【0026】
しかし、実際には、パワステECU107がモータ106に指示するトルク(モータ指令トルク)を算出してからモータ106が(モータ指令トルクと同じ大きさの)アシストトルクを発生させるまでの応答に遅れが生じる。本実施形態では、このモータ応答遅れを1次遅れ(時定数:t)として近似する。すると、モータの応答遅れを考慮した場合の系に与えられるトルクTは、
=T+T×(1/ts+1) ・・・式(2)
と表すことができる。
【0027】
このモータ応答遅れを補償するためには、位相補償フィルタ201が、
=F・T ・・・式(3)
が成立するようなフィルタ伝達関数Fを有すればよい。式(3)に式(1)及び(2)を代入し、アシスト率αを用いて、Fについて整理すると、
F=(ts+1)/{ts/(1+α)+1} ・・・式(4)
となる。ここで、新たにフィルタ変数t(=t/(1+α))を導入し、式(4)を書き換えると、
F=(ts+1)/(ts+1) ・・・式(5)
となる。ここで、tは予め設定しておくべき値であるため、結局、伝達関数Fはαのみを変数とする式で表されることになる。
【0028】
このような本実施形態に係るフィルタ伝達関数Fのボード線図を図4に示す。図示するように、アシスト率αが大きくなるほど、すなわちアシストトルクの割合が増えるほど、ゲインが大きくなり(図4(a))、位相が進む(図4(b))。
【0029】
次いで、図3を用いて、本実施形態に係る位相補償フィルタ201における処理について詳述する。図3は、本実施形態に係る位相進み補償処理の流れを示すフローチャートである。
【0030】
まず、位相補償フィルタ201は、トルクセンサ103から入力された操舵トルクTと、フィードバックされたアシストトルクTとから、その時点でのアシスト率αを計算する(S301)。
【0031】
次に、位相補償フィルタ201は、予め保持する時定数tとアシスト率αからフィルタ変数tを計算し(S302)、このtとtとから伝達関数Fを上記式(5)に従って計算する(S303)。
【0032】
その時点でのフィルタ伝達関数Fが計算されると、位相補償フィルタ201は、操舵トルクに対して位相補償処理を行い(S304)、モータ指令トルクをモータ通電制御部202へ出力する。
【0033】
これらS301〜S304の処理は、例えばイグニッション・スイッチがオンである限り、常時繰り返される。
【0034】
このように、本実施形態によれば、モータによるアシストトルクの割合が高まるほど操舵トルクの位相を進める位相補償を行うことができるため、その時点で発生しているアシストトルクの大きさに応じて最適な位相進み補償を行うことができ、ロバスト安定性が向上すると共に、運転者の操舵時の違和感を改善することができる。
【0035】
なお、上記一実施形態に係る構成は一例に過ぎず、トルクセンサは上記以外の方式のトルクセンサでもよく、アシスト力を発生するモータはラック同軸型に限られない。
【0036】
また、上記一実施形態の説明では、便宜上、アシストトルク=モータ指令トルクとして説明したが、より厳密には、アシスト率αの計算に用いるトルクTは、操舵トルクから直接得られる基本アシストトルクを用いてもよく、その他の補償制御が加えられたモータ指令トルクを用いてもよい。
【0037】
また、上記一実施形態において、モータの応答性をより高次の伝達関数で近似すれば、より高次の位相補償フィルタを実現することができる。
【0038】
また、上記一実施形態において、モータの応答特性にはバラツキが含まれると考えられるため、最も時定数が大きいものを選定しておくことでロバスト安定性をより確実に得ることができる。
【0039】
さらに、上記一実施形態では、パワステECUがフィルタ変数tを位相補償ルーチンごとに計算するものとして説明したが、アシスト率αに対するフィルタ変数tの値をマップとして予め保持しておいてもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、操舵トルクに対する位相進み補償量を最適化した車両用電動パワーステアリング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両に搭載された電動パワーステアリング装置の概略図である。
【図2】(a) 従来の電動パワーステアリング装置に備えられたECUでの処理内容を示す機能ブロック図である。
(b) 本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置に備えられたECUでの処理内容を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置における位相進み補償処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】(a) 本発明の一実施形態に係る位相補償フィルタのゲインについてのボード線図である。
(b) 本発明の一実施形態に係る位相補償フィルタの位相についてのボード線図である。
【符号の説明】
101 操舵ハンドル
102 操舵軸
103 トルクセンサ
104 ラック軸
105 転舵輪
106 電動モータ
107 パワステECU
201 位相補償フィルタ
202 モータ通電制御部

Claims (2)

  1. 操舵ハンドルの回動操作による操舵トルクに対してアシストトルクを発生する電動機を備えた車両用電動パワーステアリング装置であって、
    前記アシストトルクの大きさに応じて前記操舵トルクの位相を進み補償することを特徴とする車両用電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1記載の車両用電動パワーステアリング装置であって、
    前記操舵トルクに対する前記アシストトルクの割合に応じて、前記操舵トルクに対する位相進み補償のフィルタ伝達関数を決定することを特徴とする車両用電動パワーステアリング装置。
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