JP6737026B2 - ステアリング制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ステアリング制御装置に関する。
従来、負荷に基づいて演算される目標操舵トルクに対し操舵トルクを一致させるように制御することでアシスト量を演算するステアリング制御装置において、アシスト量を補償するものが知られている。
例えば特許文献1に開示された電動パワーステアリング制御装置は、複数の基本補償量演算手段により演算された各基本補償量を重み付け加算してアシスト補償量を生成し、このアシスト補償量により基本アシスト量を補正する。
特許文献2に開示された電動パワーステアリング装置は、タイヤ側からハンドルに作用する逆入力を検出又は推定し、逆入力の特定帯域の周波数成分を抽出する。そして、抽出された特定周波数成分の位相を調整し、アシスト成分に対する補償成分を逆入力に応じて演算する。これにより、逆入力のうち路面反力等の路面情報を必要な情報として増幅し、ブレーキ振動等の外乱を不必要な情報として抑制して操舵機構に伝達する。
特許第5533822号公報 特開2015−168346号公報
特許文献1の装置では、複数の周波数特性について各周波数帯域での重み付けを調整することで、車両の特徴付けを任意に行うことができる。しかし、所望の特性を得るには、高次フィルタを用い、設計や適合において高度なスキルが必要となる。
また、伝達特性を変更させたい周波数と、重み付け加算するバンドパスフィルタの中心周波数とは必ずしも一致しない。さらに、主たるアシスト成分の量、すなわち重みによって、伝達特性の変化の度合いが異なる。
特許文献2の装置では、必要な逆入力成分のみを増幅するように演算された補償成分をアシスト成分に加算して操舵機構に伝達する。しかし、例えば特開2014−31103号公報の図4に開示されているように、タイヤからハンドルへの伝達特性は、メカの諸元だけでなく、アシストの制御によっても大きく変化する。そのため、位相設計やドライバの感覚に合わせた適合は容易ではない。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、負荷情報に基づいて、ドライバの感覚に合わせた伝達特性を容易に実現するステアリング制御装置を提供することにある。
本発明は、操舵トルク(Ts)を発生する操舵系メカ(100)に接続されたモータ(80)が出力するアシストトルクを制御するステアリング制御装置に係る発明である。
このステアリング制御装置は、負荷演算部(20)と、目標操舵トルク演算部(40)と、サーボ制御器(60)と、帯域補正部(30)と、を備える。
負荷演算部は、操舵系メカの操舵軸(95)に作用する負荷(Tx)を推定又は検出する。
目標操舵トルク演算部は、推定又は検出された負荷に基づいて、操舵トルクの目標値である目標操舵トルク(Ts*)を演算する。
サーボ制御器は、操舵トルクと目標操舵トルクとの差であるトルク偏差(ΔTs)が0になるようにアシストトルクの指令値(Ta*)を演算する。なお、サーボ制御器は、特許文献1の「アシストコントローラ」に相当する。
帯域補正部は、負荷から目標操舵トルクまでの演算過程において、特定の周波数帯域の成分を抽出する帯域補正フィルタ(31)を有する。そして、帯域補正部は、帯域補正フィルタで抽出された帯域における所定の伝達関数のゲインを補正する。これにより、帯域補正部は、特定帯域の伝達特性を増幅又は抑制する。
定の伝達関数は、「ハンドルトルク(Th)から操舵トルクまでの伝達関数」、又は、「タイヤからの外乱トルクから操舵トルクまでの伝達特性」を含む
具体的に帯域補正部は、負荷演算部の出力側と目標操舵トルク演算部の入力側との間に設けられ、負荷に対して帯域補正してもよい。或いは、目標操舵トルク演算部の出力側に設けられ、目標操舵トルクに対して帯域補正してもよい。いずれの態様でも、ハンドルトルクから操舵トルクまでの伝達特性を所望の特性に容易に調整可能である。よって、負荷情報に基づいて、ドライバの感覚に合わせた伝達特性を容易に実現することができる。
本発明の思想は、負荷の情報を操舵トルクとしてどう伝達するとどのような感覚になるかという伝達感覚に基づき、その感覚の調整を狙うものである。本発明は、上記構成により、特許文献2の従来技術のように位相調整を要することなく、特定帯域のゲインを変更するだけで、例えば負荷から操舵トルクまでの伝達特性を好適に変更することができる。
また、帯域補正部は、特定の周波数帯域に中心周波数を有する一つ以上の2次フィルタ(典型的にはバンドパスフィルタ)を帯域補正フィルタとして用いることが好ましい。これにより、周波数の狙いを定めやすく、適合が容易となる。
電動パワーステアリングシステムの概略構成図。 制御対象である操舵系メカのモデル図。 第1実施形態によるECU(ステアリング制御装置)の構成図。 負荷と目標操舵トルクとの関係を示すマップ。 帯域補正部の詳細構成図。 帯域補正フィルタとしてのバンドパスフィルタの周波数特性図。 (a)第1実施形態、(b)従来技術による「ハンドルトルクから操舵トルクまでの伝達特性」の図。 第1実施形態による図7(a)とは別の「ハンドルトルクから操舵トルクまでの伝達特性」の図。 (a)第1実施形態、(b)従来技術による「タイヤからの外乱トルクから操舵トルクまでの伝達特性」の図。 第1実施形態による図9(a)とは別の「タイヤからの外乱トルクから操舵トルクまでの伝達特性」の図。 第2実施形態によるECU(ステアリング制御装置)の構成図。 第1及び第2実施形態による帯域補正のリサージュ波形図。
以下、ステアリング制御装置の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。各実施形態において、「ステアリング制御装置」としてのECUは、車両の電動パワーステアリングシステムに適用され、操舵アシストトルクを発生させるモータにアシストトルク指令を出力する。複数の実施形態で実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。また、以下の第1、第2実施形態を包括して「本実施形態」という。
[電動パワーステアリングシステムの構成]
図1に示すように、電動パワーステアリングシステム1はドライバによるハンドル91の操作をモータ80によってアシストするものである。
ステアリングシャフト92の一端にはハンドル91が固定されており、ステアリングシャフト92の他端側にはインターミディエイトシャフト93が設けられている。ステアリングシャフト92とインターミディエイトシャフト93との間には、トルクセンサ94が設けられている。ステアリングシャフト92とインターミディエイトシャフト93とは、トルクセンサ94のトーションバーにより接続されている。
以下、ステアリングシャフト92からトルクセンサ94を経てインターミディエイトシャフト93に至る軸全体を、まとめて操舵軸95とする。
トルクセンサ94は、操舵トルクTsを検出する。トルクセンサ94は、ステアリングシャフト92とインターミディエイトシャフト93とを連結するトーションバーを有し、トーションバーの捩れ角に基づき、トーションバーに加えられているトルクを検出する。トルクセンサ94の検出値は、操舵トルクTsに係る検出値として、ECU10に出力される。
インターミディエイトシャフト93のトルクセンサ94と反対側の端部には、ギアボックス96が設けられている。ギアボックス96は、ピニオンギア961及びラック962を含む。ピニオンギア961は、インターミディエイトシャフト93のトルクセンサ94と反対側の端部に設けられ、ラック962の歯と噛み合っている。
ドライバがハンドル91を回すと、インターミディエイトシャフト93とともにピニオンギア961が回転し、ピニオンギア961の回転に伴って、ラック962が左右に移動する。
ラック962の両端には、タイロッド97が設けられている。タイロッド97は、ラック962とともに左右の往復運動を行う。タイロッド97は、ナックルアーム98を介してタイヤ99と接続されている。タイロッド97がナックルアーム98を引っ張ったり押したりすることで、タイヤ99の向きが変わる。
モータ80は、例えば3相交流ブラシレスモータであり、ECU10から出力された駆動電圧Vdに応じて、ハンドル91の操舵力をアシストするアシストトルクを出力する。3相交流モータの場合、駆動電圧Vdは、U相、V相、W相の各相電圧を意味する。
モータ80の回転は、減速機構85を経由して、インターミディエイトシャフト93に伝達される。
なお、図1に示す電動パワーステアリングシステム1は、モータ80の回転が操舵軸95に伝達されるコラムアシスト式であるが、本実施形態のECU10は、ラックアシスト式の電動パワーステアリングシステム、或いは、ハンドルと操舵輪とが機械的に切り離されているステアバイワイヤシステムにも同様に適用可能である。
また、他の実施形態では、操舵アシストモータとして、3相以外の多相交流モータや、ブラシ付DCモータを用いてもよい。
減速機構85は、ウォームギア86及びウォームホイール87を有する。ウォームギア86は、モータ80の回転軸の先端に設けられている。ウォームホイール87は、ウォームギア86と噛み合った状態でインターミディエイトシャフト93と同軸に設けられている。これにより、モータ80の回転がインターミディエイトシャフト93に伝達される。また、ハンドル91の操舵や、路面からの反力によってインターミディエイトシャフト93が回転すると、この回転が減速機構85を経由してモータ80に伝達され、モータ80が回転する。
ここで、ハンドル91からタイヤ99に至る、ハンドル91の操舵力が伝達される機構全体を「操舵系メカ100」という。ECU10は、操舵系メカ100に接続されたモータ80が出力するアシストトルクを制御することにより、操舵系メカ100が発生する操舵トルクTsを制御する。図3に示すように、本明細書では、モータ80及び操舵系メカ100をECU10の制御対象と考える。
また、車両の所定の部位には、車速Vを検出する車速センサ71が設けられている。
ECU10は、図示しない車載バッテリからの電力によって動作し、トルクセンサ94により検出された操舵トルクTsや車速センサ71により検出された車速V等に基づき、アシストトルク指令Ta*を演算する。そして、ECU10は、アシストトルク指令Ta*に基づいて演算した駆動電圧Vdをモータ80へ印加することにより、操舵系メカ100に操舵トルクTsを発生させる。
なお、ECU10における各種演算処理は、ROM等の実体的なメモリ装置に予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理であってもよいし、専用の電子回路によるハードウェア処理であってもよい。
ここで、電動パワーステアリングシステム1のモデル図である図2を参照する。
図2のモデルは、ハンドル91に対応するハンドル部H、コラム部C、及び、タイヤ99に接続される負荷部Lを含む。
ハンドル部Hには、ハンドルトルクThが入力される。
ハンドル部Hとコラム部Cとは、トルクセンサ94のトーションバーに対応する捩じればね定数K1のばね要素SP1によって連結されている。トーションバーの捩じれにより検出された操舵トルクTsは、ECU10に取得される。ECU10からの指令によりモータ80が出力したアシストトルクTaはコラム部Cに作用する。
コラム部Cと負荷部Lとは、インターミディエイトシャフト93に対応する捩じればね定数K2のばね要素SP2によって連結されている。
負荷部Lには、タイヤ99側からセルフアライニングトルクSATが入力される。また、タイヤ99からの外乱トルクが入力される場合がある。
また、記号Jは慣性モーメント、Cは粘性摩擦係数、Fは静止摩擦力、θは回転角を示し、記号の添え字「1」、「2」、「3」は、それぞれ、ハンドル部H、コラム部C、負荷部Lについての量であることを示す。
このモデルにおいて、負荷Txは、数式1で表される。
Figure 0006737026
すなわち、負荷Txは、操舵トルクTsとアシストトルクTaとの和で表される。操作トルクTsは、ECU10が演算する目標操舵トルクTs*でもよく、トルクセンサ94による検出値でもよい。アシストトルクTaは、ECU10が演算するアシストトルク指令Ta*でもよく、モータ80の実トルクでもよい。
また、負荷Txの主成分は、セルフアライニングトルクSATである。
ところで、特許文献1(特許第5533822号公報)には、複数の基本補償量演算手段により演算された各基本補償量を重み付け加算してアシスト補償量を生成し、このアシスト補償量により基本アシスト量を補正するステアリング制御装置が開示されている。
また、特許文献2(特開2015−168346号公報)には、逆入力の特定帯域の周波数成分を抽出し、抽出された特定周波数成分の位相を調整し、アシスト成分に対する補償成分を逆入力に応じて演算するステアリング制御装置が開示されている。
しかし、特許文献1の装置において、ドライバの感覚に合わせた伝達特性を実現するように重み付けを適正に調整するには高次フィルタが必要であり、容易でない。仮に特許文献2における「逆入力の特定周波数成分を抽出する考え方」を特許文献1の装置に適用したとしても、アシスト量を補正するものであることに変わりない。そのため、アシスト量を変えて路面情報の特定周波数帯域の伝達を抑える、又は、伝えるようにするには、路面情報の伝達に関するモデルが必要となる。それ故に特許文献2の技術のように位相の調整が必要となる。
そこで、このような従来技術の課題を解決するため、本実施形態のECU10は、負荷Txから目標操舵トルクTs*までの演算過程において、特定の周波数帯域における伝達特性のゲインを補正する「帯域補正部」を備えることを特徴とする。そして、帯域補正部が実施する帯域補正により、負荷Txの情報に基づいて、ドライバの感覚に合わせた伝達特性を容易に実現することを目的とする。
要するに、本実施形態の狙いは、特許文献2に記載の技術のように、単に逆入力のうち必要な情報と不必要な情報とを判別することではない。負荷Txは、セルフアライニングトルクSATを主成分とする他に、操舵に伴って変化するメカ系のダイナミクスを含む。本実施形態の思想は、その情報を操舵トルクとしてどう伝達するとどのような感覚になるかという伝達感覚に基づき、その感覚の調整を狙うものである。
[ECUの構成及び作用効果]
次に、本実施形態のECU10の具体的な構成及び作用効果について説明する。本実施形態のECU10は、帯域補正部を設ける位置により、第1及び第2実施形態に大別される。以下、第1及び第2実施形態のECUの符号として、「10」に続く3桁目に「1」及び「2」を付し、順に説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態について、図3〜図8を参照して説明する。
図3に示すように、第1実施形態のECU101は、推定負荷演算部20、目標操舵トルク演算部40、偏差演算器59、サーボ制御器60、及び、電流フィードバック(図中「FB」)部70等を備える。第1実施形態では、「負荷演算部」としての推定負荷演算部20は、負荷を直接検出するのでなく、推定により負荷Txを演算する。
そして、第1実施形態では、推定負荷演算部20の出力側と目標操舵トルク演算部40の入力側との間に帯域補正部30が設けられる。
推定負荷演算部20は、加算器21及びローパスフィルタ(図中「LPF」)22を含む。図3に例示する形態では、加算器21は、アシストトルク指令Ta*と目標操舵トルクTs*とを加算する。ローパスフィルタ22は、加算されたトルクから、所定の周波数、例えば10Hz以下の帯域の成分を抽出する。推定負荷演算部20は、ローパスフィルタ22により抽出された周波数成分を推定負荷Txとして出力する。
帯域補正部30は、推定負荷演算部20が推定した推定負荷Txに対し、特定の周波数帯域における伝達特性のゲインを補正し、帯域補正後推定負荷Tx#を目標操舵トルク演算部40に出力する。なお、本明細書では、帯域補正後の値を示す記号として「#」を用いる。帯域補正部30の詳細な構成については後述する。
目標操舵トルク演算部40は、入力された帯域補正後推定負荷Tx#及び車速Vに基づき、操舵トルクTsの目標値である目標操舵トルクTs*を演算する。
詳しくは、目標操舵トルク演算部40は、符号判定部(図中「sgn」)41、絶対値判定部(図中「|u|」)42、マップ参照部43及び乗算器44を含む。ここで、負荷Txの正負は操舵軸95の回転方向に応じて定義され、負荷Tx対目標操舵トルクTs*のマップは、負荷Txの正負に対して対称に設定されている。マップ参照部43は、負荷Txが正の領域のみで負荷Tx対目標操舵トルクTs*のマップを参照する。
マップ参照部43で参照される目標操舵トルクマップの例を図4に示す。目標操舵トルクTs*は、負荷Txに対し正の相関を有しており、負荷Txの増加に伴って対数関数的に増加する。マップ上の各動作点における接線の勾配Ktxは、原点に近いほど大きく、負荷Txが増加するに従って緩やかとなる。
符号判定部41は、入力された帯域補正後推定負荷Tx#の正負、すなわち操舵軸95の回転方向に応じた符号を判定する。絶対値判定部42は、入力u、すなわち帯域補正後推定負荷Tx#の絶対値を判定する。そして、マップ参照部43にて負荷Tx#の絶対値に基づいて参照された目標操舵トルクTs*の絶対値に対し、操舵軸95の回転方向に応じた符号が乗算器44で乗算される。
偏差演算器59は、トルクセンサ94で検出された操舵トルクTsと、目標操舵トルクTs*との差であるトルク偏差ΔTs(=Ts*−Ts)を演算する。
サーボ制御器60は、特許文献1の「アシストコントローラ」に相当するものである。サーボ制御器60は、トルク偏差ΔTsが0になるように、つまり、操舵トルクTsを目標操舵トルクTs*に追従させるように「サーボ制御」を実行し、アシストトルク指令Ta*を演算する。
電流フィードバック部70は、アシストトルク指令Ta*に応じたアシストトルクが、特にトルクセンサ94よりもタイヤ99側の操舵軸95に付与されるように、モータ80へ駆動電圧Vdを印加する。
具体的に電流フィードバック部70は、電流フィードバック制御回路、駆動回路、及びインバータ等の電力変換回路を含む。
電流フィードバック制御回路は、アシストトルク指令Ta*に基づいてモータ80の各相に通電する目標電流を演算し、実電流を目標電流に対してフィードバックすることにより各相電圧指令を演算する。駆動回路は、電圧指令に基づくPWM制御等により、インバータをスイッチング動作させる駆動信号を指令する。インバータは、複数の駆動信号に従ってスイッチング動作することにより、バッテリ等から入力された電力を変換し、操舵軸95に所望のアシストトルクを発生させるように駆動電圧Vdを出力する。
このような電流フィードバック制御の技術は、モータ制御分野における周知技術であるため、詳細な説明を省略する。
続いて、帯域補正部30の詳細構成を図5に示す。
単純には図5(a)に示すように、帯域補正部30は、バンドパスフィルタ(図中「BPF」)31、ゲイン演算器35及び加算器38を含む。
バンドパスフィルタ31は、特定の周波数帯域の成分を抽出する「帯域補正フィルタ」として機能する。帯域補正部30は、帯域補正フィルタで抽出された帯域における所定の伝達関数のゲインを補正する。ここで、任意に選択される所定の伝達関数として、まず、「ハンドルトルクから操舵トルクまでの伝達関数」を想定する。
本実施形態では、帯域補正フィルタとしてバンドパスフィルタ31を用いる。バンドパスフィルタ31は、特定の周波数帯域に中心周波数を有する2次フィルタであり、中心周波数付近の帯域の周波数成分を抽出して通過させる。
本実施形態では、2次フィルタを用いることにより実装が容易となる。また、2次フィルタを用いると、補正するゲインを一つの定数で可変にすることができる。すなわち、特許文献1等の従来技術で用いられる高次伝達関数のように複数の演算定数を変更する必要がない。したがって、実装したプログラム内でその一つの定数のみを変更し、車両適合を容易に行うことができる。
なお、帯域補正部30は、帯域補正フィルタとして複数のバンドパスフィルタを用い、複数の帯域において伝達特性のゲインを補正してもよい。
図6に、バンドパスフィルタ31についてのゲイン及び位相のフィルタ特性例を示す。この2次伝達関数G(s)は、周波数ω、ラプラス変数s、減衰比ζを用いて、数式2で表される。
Figure 0006737026
図6に示す特性例では、バンドパスフィルタ31の中心周波数は約8Hzに設定されている。つまり、約7〜9Hzの帯域ではゲインがほぼ0[dB]であるため、入力がそのまま出力される。約7Hz以下及び約9Hz以上の帯域では、中心周波数から離れるほどゲインがdB単位で0[dB]から負方向に減少し、入力が低く抑制される。また、中心周波数よりも低周波数側では、位相は+90[deg]に収束するように進み、中心周波数よりも高周波数側では、位相は−90[deg]に収束するように遅れる。
ここで、8Hzの周波数は、「車両の運動による固有振動の周波数であるばね上共振周波数から、タイヤ及び車体のサスペンション機構の固有振動の周波数であるばね下共振周波数までの間」の周波数に相当する。なお、「ばね上共振周波数からばね下共振周波数までの間」とは、ばね上共振周波数の帯域、及び、ばね下共振周波数の帯域を含む範囲を意味する。
詳しくは、タイヤと車体とがサスペンション機構を介して接続される一般的な乗用車両構造において、車両が加速度、旋回、路面凹凸によって運動をするとき、前後、横、上下の各方向に固有振動が生じる。その固有振動の周波数数がばね上共振周波数である。
また、サスペンション機構や操舵系メカ100で車体に支持されるタイヤ99が車体と連動し、固有振動が生じる。その固有振動の周波数がばね下共振周波数である。
図6に例示するように、ばね上共振周波数fres1は、おおよそ0.7〜6Hzであり、ばね下共振周波数fres2は、おおよそ9〜20Hzである。そのため本実施形態では、ばね上共振周波数fres1の下限からばね下共振周波数fres2の上限までの間、すなわち0.7〜20Hzの間の周波数である8Hz付近の周波数帯域を、ゲインを補正する周波数帯域として設定する。
例えば特許文献1の段落[0107]、[0108]には、特定の周波数の特性を補正することで、ハンドルからタイヤまでのリンク機構等における応答感覚を調整可能であり、その結果、車両の特徴付けを任意に行うことができることが記載されている。
それと同様に、本実施形態においても、車両の特性に応じて調整する周波数を適切に選択することで、ハンドルからタイヤ、車体までの連結された感覚を調整可能である。
ゲイン演算器35は、バンドパスフィルタ31の出力に対し、所定のゲインを乗じる。例えば図5(b)に示すように、ゲイン演算器35は、二つの乗算器36、37が直列に接続されて構成される。
乗算器36は、車速感応ゲイン演算部32で車速Vに応じて演算された車速感応ゲインGvを乗算する。これにより、帯域補正部30は、車速Vに応じて伝達関数の補正量を調整し、車速Vに応じた最適な操舵フィールを作り込むことができる。
乗算器37は、マップ勾配演算部33が逐次演算した目標操舵トルクマップの勾配Ktxに基づいて勾配感応ゲイン演算部34で演算された勾配感応ゲインGkを乗算する。
再び図4を参照すると、ある動作点の周辺で負荷Txが変化したときの目標操舵トルクTs*の変化量は、マップ勾配Ktxに依存する。つまり、負荷Txの小さい領域では、勾配Ktxが相対的に大きいため、推定負荷Txに対する帯域補正の効果、すなわち操舵トルクTsとして現れる所定の帯域の成分の量が大きい。一方、負荷Txが大きくなると、勾配Ktxが相対的に小さくなり、推定負荷Txに対する帯域補正の効果が低下する。負荷Txの大きさとアシストトルク指令Ta*の大きさとは相関するため、アシスト量が大きいときほど帯域補正の効果が得られにくくなる。
そこで、負荷Txの動作点におけるマップ勾配Ktxに応じて、勾配Ktxが低下するほど帯域補正量を大きくすることが好ましい。例えば、数式3に示すように、勾配Ktxの逆数の平方根を勾配感応ゲインGkとするとよい。なお、逆数演算においては適宜ゼロ割防止や上下限制限をしておくことが好ましい。
Figure 0006737026
こうして得られた勾配感応ゲインGkをバンドパスフィルタ31の出力に乗算することにより、ハンドルトルクから操舵トルクまでの伝達関数の変化ゲインを均一にすることができる。要するに、帯域補正部30は、負荷Txの絶対値に対する目標操舵トルクTs*の勾配Ktxの差異に対し、特定の周波数帯域における伝達関数の変化量を均一とするように伝達関数の変化量を調整する。よって、負荷Txが0である中立位置付近から高負荷操舵域にまでわたって、ドライバが良好な手応えを得ることが可能となる。
なお、他の実施形態でのゲイン演算器35は、バンドパスフィルタ31の出力に対し、車速感応ゲインGv又は勾配感応ゲインGkのいずれか一方を乗算してもよいし、それらとは別の特性に応じた感応ゲインを乗算してもよい。また、感応ゲインを乗算するという方式に限らず、例えば、車速とフィルタ出力との関係を規定したマップを用いた演算等により伝達関数の補正量を調整するようにしてもよい。
加算器38は、入力された推定負荷Txにゲイン演算器35の出力を加算した帯域補正後推定負荷Tx#を出力する。
次に図7を参照し、帯域補正による「ハンドルトルクから操舵トルクまでの伝達特性」の具体例を説明する。図7(a)、(b)の破線は、推定負荷Txに対して帯域補正をしないときの伝達特性を対照として示す。3本の線は、図4の目標操舵トルクマップにおける勾配Ktxの違いに対応しており、約1〜20Hzの帯域では、マップ勾配Ktxが大きいほど、同一周波数におけるゲインが高くなる。具体的には、ゲインの高い側から順に、特性線H、M、Lは、マップ勾配Ktx=0.25、0.125、0.0625のときの伝達特性を示す。
破線の特性線Hについて、約0.8〜9Hzの帯域でゲインが0[dB]を上回っている。これは、ハンドルトルクThの入力に対し操舵トルクTsの出力が増幅されていることを意味する。また、破線の特性線Mにおける約3Hz以上の帯域、及び、破線の特性線Lにおける約1Hz以上の帯域では、ゲインは0[dB]を下回っている。これは、ハンドルトルクThの入力に対し操舵トルクTsの出力が抑制されていることを意味する。
図7(a)の実線は、第1実施形態の帯域補正部30により推定負荷Txに対して帯域補正を実施したときの伝達特性を示す。一方、図7(b)の実線は、特許文献1の従来技術において、コントローラ部(すなわちサーボ制御器)が演算したアシスト指令に対して補償量を加算して補正したときの伝達特性を示す。各3本の線H、M、Lは、破線と同様に、上記3通りのマップ勾配Ktxに対応するものである。
ここで、8Hz付近のゲインを増加させ、伝達を増幅することを試みる。
図7(b)に示すように、従来技術の制御では、バンドパスフィルタの中心周波数を、狙いの8Hzからずれた約4Hzに設定することになる。その結果、約4Hz以上の帯域でのゲインが増加する反面、約1〜4Hzの帯域でのゲインは意図に反して減少することとなる。図中、ゲインの増加をハッチング入りのブロック矢印で示し、ゲインの減少を白抜きブロック矢印で示す。このような状況を回避するには、高次フィルタを用いてサーボ制御器の伝達特性を細かく調整する必要が生じ、適合が難しくなる。
これに対し、図7(a)に示す第1実施形態の制御では、特性線H、L、Mのいずれにおいても、バンドパスフィルタの中心周波数を狙い通りの8Hzに設定可能である。これにより、勾配Ktxの大小によらず、8Hz付近以外の帯域での特性変化を抑制しつつ、8Hz付近の帯域でのゲインを局部的に増加させることができる。
ここで、上述のように、勾配Ktxが小さいほど勾配感応ゲインGkを大きく設定し、帯域補正部30のゲイン演算器35で乗算することにより、勾配Ktxが相対的に小さい場合にも、帯域補正の効果が十分に得られる。よって、負荷Txの変化に伴うアシスト量の変化に対して、ロバスト性を確保することができる。
また、図8には、第1実施形態の制御により8Hz付近の帯域でのゲインを局部的に減少させ、伝達を抑制する例を示す。
続いて、帯域補正部30が「タイヤからの外乱トルクから操舵トルクまでの伝達特性」のゲインを補正する場合について、図9、図10を参照して同様に説明する。
図9(a)、(b)は、それぞれ図7(a)、(b)に対応し、それぞれ第1実施形態及び従来技術による伝達特性を示す。図9(b)に示す従来技術の制御では、バンドパスフィルタの中心周波数を、狙いの8Hzからずれた約4Hzに設定することになる。その結果、約4Hz以上の帯域ではゲインが増加し、約1〜4Hzの帯域でのゲインは減少する。これに対し、図9(a)に示す第1実施形態の制御では、バンドパスフィルタの中心周波数を狙い通りの8Hzに設定し、ゲインを局部的に増加させることができる。
図10は、図8に対応し、第1実施形態の制御により8Hz付近の帯域でのゲインを局部的に減少させる例を示す。
このように、本実施形態は、路面反力等の負荷情報をドライバに伝えるにあたり、どの帯域での伝達を増幅/抑制、或いは強調/減衰させて伝えるか、という思想に立脚する。そして、負荷Txから目標操舵トルクTs*までの演算過程において、特定の周波数帯域における伝達関数のゲインを補正する。
第1実施形態では、推定負荷Txに対して補正する周波数帯域と、操舵系メカ100の伝達特性が変化する周波数帯域とが一致するため、適合が容易である。
この思想は、最終指令値であるアシスト量に対して補償量を加算して補正することで、所望の伝達特性を得ようとする従来技術とは異なる。本実施形態では、最終指令値への加算ではなく、負荷Txから目標操舵トルクTs*までの演算過程において補正をすることにより、ドライバの感覚に合わせて、狙いの周波数帯域で狙いの伝達量を実現するように伝達関数を好適に変更することができる。その結果、ハンドルからタイヤまでが連結された感覚の調整など、感性に合わせた適合が容易となる。
(第2実施形態)
第2実施形態について、図11、図12を参照して説明する。
図11に示すように、第2実施形態のECU102は、目標操舵トルク演算部40の出力側に帯域補正部30が設けられている。推定負荷演算部20が演算した推定負荷Txは、そのまま目標操舵トルク演算部40に入力される。
帯域補正部30は、特定周波数帯域における目標操舵トルクTs*のゲインを補正し、帯域補正後目標操舵トルクTs*#を出力する。帯域補正後目標操舵トルクTs*#は、推定負荷Txを演算するための情報として、推定負荷演算部20の加算器21に入力される。
概して言うと、第1実施形態の図7(a)及び図8に示す「ハンドルトルクから操舵トルクまでの伝達特性」、並びに、図9(a)及び図10に示す「タイヤからの外乱トルクから操舵トルクまでの伝達特性」は、第2実施形態でも同様に現れる。すなわち、特定帯域におけるゲインを増幅又は抑制し、ドライバの感覚に合わせた伝達特性を実現するという効果は、帯域補正部30の位置にかかわらず同様に得られる。
次に、第1及び第2実施形態による詳しい伝達特性の評価に関し、図12のリサージュ波形のシミュレーション結果を参照して説明する。このリサージュ波形は、高速走行時にハンドルの中立位置からサイン操舵±20deg、0.3Hzの条件で操舵したときの、相舵角と操舵トルクとの関係を表している。また、帯域補正部30のゲイン演算器35におけるトータルの感応ゲインを「0.5」とする。
図12(b)は、図12(a)における操舵角0[deg]−操舵トルク0[Nm]の中立位置付近の拡大図である。図中の実線は、帯域補正をしない比較例、破線は、推定負荷Txに対して帯域補正する第1実施形態、一点鎖線は、目標操舵トルクTs*に対して帯域補正する第2実施形態のリサージュ波形を示す。
中立位置で保舵したときや10[deg]付近で保舵したときは、そのときの目標操舵トルクTs*のマップの動作点における勾配がゲインになる。一方、操舵していく過程では時々刻々と動作点が移動することから、観測される操舵トルクの様子は、第1実施形態と第2実施形態とで若干異なる。
図12(b)にて、中立位置から操舵したときの操舵トルクの立ち上がり勾配は、大きい方から、第2実施形態、第1実施形態、比較例の順となる。つまり、中立位置から操舵したとき目標操舵トルクTs*のマップ上を初期に急な勾配で立ち上がり、その後勾配が緩くなるという非線形の変化が、第2実施形態では、バンドパスフィルタの持つ微分要素によって強調されることとなる。その影響として、相舵角2〜3[deg]付近における操舵トルクが大きめに現れる。
言い換えれば、第2実施形態では、目標操舵トルクTs*のマップ形状が一種の外乱となり、形状によって過渡の操舵トルクのピーク点やその周辺のプロファイルが変わることとなる。
第1及び第2実施形態は、いずれも操舵過渡期の操舵トルク勾配が比較例よりも大きいという点で共通する。しかし、僅かではあるものの第2実施形態ではマップ形状が外乱になることを考慮すると、推定負荷Txに対して帯域補正する第1実施形態の方が好ましいとも言える。ただし、この程度の特性差は感覚に合わせて調整すれば済むレベルであり、実用的には問題とならない。
(その他の実施形態)
(1)帯域補正部30の帯域補正フィルタとしては、上記実施形態のように、ゲインを変更したい帯域を中心周波数とするバンドパスフィルタ(すなわち2次フィルタ)を用いることが好ましい。しかし、適合の容易性等に問題がない場合は、帯域補正フィルタとして、より高次のフィルタを用いてもよい。
(2)上記実施形態の目標操舵トルク演算部40は、負荷Txの正負に対し目標操舵トルクTs*が対称に設定されることを前提として、負荷Txが正の領域のみのマップを有し、負荷Txの絶対値に対して目標操舵トルクTs*を演算する。
ただし、他の実施形態では、負荷Txの正領域及び負領域に対し、それぞれ目標操舵トルクTs*のマップを有し、符号を含めた負荷Txの値に対して目標操舵トルクTs*を演算してもよい。その場合、右回転時と左回転時との操舵感覚の差を反映し、負荷Txの正負領域でのマップ形状を微妙に非対称としてもよい。
(3)上記実施形態の図1における推定負荷演算部20の加算器21の入力として、目標操舵トルクTs*に代えて、操舵トルクTsを用いてもよい。また、アシストトルク指令Ta*に代えて、アシストトルクの検出値を用いてもよい。
さらに、「負荷演算部」は、負荷Txを推定する「推定負荷演算部20」でなく、負荷Txを直接検出するものとして構成してもよい。
(4)例えば特許文献1の図2等には、モータ速度ωに基づいて操舵トルクTsを補正するトルク補正部の構成が記載されている。本発明のステアリング制御装置も同様のトルク補正部を備えてもよい。その場合、本明細書におけるアシストトルク指令Ta*を、補正トルクが加算される前のべースアシスト指令と読み替えればよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
10(101、102)・・・ECU(ステアリング制御装置)
20・・・推定負荷演算部(負荷演算部)
30・・・帯域補正部
31・・・バンドパスフィルタ(帯域補正フィルタ)
40・・・目標操舵トルク演算部
60・・・サーボ制御器
80・・・(操舵アシスト)モータ
95・・・操舵軸
100・・・操舵系メカ

Claims (5)

  1. 操舵トルク(Ts)を発生する操舵系メカ(100)に接続されたモータ(80)が出力するアシストトルク(Ta)を制御するステアリング制御装置であって、
    前記操舵系メカの操舵軸(95)に作用する負荷(Tx)を推定又は検出する負荷演算部(20)と、
    推定又は検出された前記負荷に基づいて、前記操舵トルクの目標値である目標操舵トルク(Ts)を演算する目標操舵トルク演算部(40)と、
    前記操舵トルクと前記目標操舵トルクとの差であるトルク偏差(ΔTs)が0になるように前記アシストトルクの指令値(Ta)を演算するサーボ制御器(60)と、
    前記負荷から前記目標操舵トルクまでの演算過程において、特定の周波数帯域の成分を抽出する帯域補正フィルタ(31)を有し、当該帯域補正フィルタで抽出された帯域における所定の伝達関数のゲインを補正する帯域補正部(30)と、
    を備え
    前記所定の伝達関数は、ハンドルトルク(Th)から前記操舵トルクまでの伝達関数、又は、タイヤからの外乱トルクから前記操舵トルクまでの伝達関数を含むステアリング制御装置。
  2. 前記帯域補正部は、前記特定の周波数帯域に中心周波数を有する一つ以上の2次フィルタを前記帯域補正フィルタとして用いる請求項1に記載のステアリング制御装置。
  3. 前記帯域補正部は、車速に応じて前記伝達関数の補正量を調整する請求項1または2に記載のステアリング制御装置。
  4. 前記帯域補正部は、前記負荷の値、又は前記負荷の絶対値に対する前記目標操舵トルクの勾配(Ktx)の差異に対し、前記特定の周波数帯域における前記伝達関数の変化量を均一とするように前記伝達関数の補正量を調整する請求項1〜3のいずれか一項に記載のステアリング制御装置。
  5. 前記特定の周波数帯域は、車両のばね上共振周波数からばね下共振周波数までの間で設定される請求項1〜のいずれか一項に記載のステアリング制御装置。
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