JP4840232B2 - 車両の操舵制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両の後輪の横すべり角に着目した操舵制御装置に関するものである。
従来より、ドライバによるステアリングホイールの操作を補助するパワーステアリング装置が知られている。このパワーステアリング装置に関する技術は、種々のものが存在しているが、その一例として、以下の特許文献1の技術が挙げられる。
この特許文献1においては、前輪の横すべり角の増大に伴って操舵反力を増加させる技術が開示されている。
特開2003−154962号公報
しかしながら、この特許文献1に開示される技術のように、前輪の横すべり角の増大に伴って操舵反力を増加させても、車両全体の挙動を安定させることは困難であるという課題がある。
この困難性を示す一例としては、操舵輪の舵角変化と車両挙動の変化とにより生じる共振現象が挙げられ、このような現象を、特許文献1の技術により防いだり抑制したりすることは事実上極めて困難である。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、車両の操縦性および安定性を向上させることができる、車両の操舵制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の車両の操舵制御装置(請求項1)は、車両のドライバにより操作され操舵輪の目標舵角が入力される操舵部と、該操舵部に入力された該目標舵角に応じて該操舵輪の舵角を変更する舵角変更機構と、該操舵部に入力された操舵力を検出する操舵力検出手段と、該車両の車速を検出する車速検出手段と、該操舵力検出手段により検出された該操舵力および該車速検出手段によって検出された該車速に応じた補助駆動力で該舵角変更機構を駆動する操舵力調整機構と、操舵角速度検出手段により検出された該操舵部の操舵角速度および該車速検出手段により検出された該車速に基づいて該後輪の横すべり角の角速度を取得する後輪横すべり角速度取得手段と、該後輪横すべり角速度取得手段によって取得された該後輪横すべり角速度の増大に伴って該操舵力調整機構による該補助駆動力を減じる補正を行なう補正手段とを備えることを特徴としている。
また、請求項2記載の本発明の車両の操舵制御装置は、請求項1記載の内容において、該車両のヨーレイトを検出するヨーレイト検出手段と、該車両の横加速度を検出する横加速度検出手段とをさらに備え、該後輪横すべり角速度取得手段は、車速検出手段によって検出された車速と該ヨーレイト検出手段よって検出された該ヨーレイトと、該横加速度検出手段よって検出された該横加速度とに基づいて該後輪横すべり角速度を取得することを特徴としている。
本発明の車両の操舵制御装置によれば、後輪横すべり角速度の増大に伴って操舵力調整機構による補助駆動力を減じる補正を行なうことで、車両の操縦性および安定性を向上させることができることが出来る。
また、車速検出手段および操舵角速度検出手段による検出結果に基づいて後輪横すべり角速度を取得できるので、低コストで信頼性を向上させることが出来る(請求項1)。
また、いずれも汎用性の高いヨーレイト検出手段および横加速度検出手段を用いることで、コストの増大を抑制することが出来る(請求項2)。
以下、図面により、本発明の一実施形態に係る車両の操舵制御装置について説明すると、図1はその全体構成を示す模式的なブロック図,図2は基本アシスト電流の算出に用いられるマップを示す模式図,図3は操舵制御の内容を示す模式的なフローチャート,図4は後輪の横すべり角に着目して操舵制御を行なった場合の実験結果を示す模式的なグラフ,図5は図4とは別の実験を行った場合の結果を示す模式的なグラフである。
図1に示すように、車両10には前輪12,12および後輪17,17とが設けられており、これらのうち、前輪12,12は、その舵角θFTを変更できる車輪(操舵輪)となっている。なお、後輪17,17はその舵角が変更されない(即ち、非操舵輪)である。
また、この車両10には、ドライバにより操作されるステアリングホイール(操舵部)11と、このステアリングホイール11と機械的に接続され、ステアリングホイール11の操舵角δSW(すなわち、目標舵角)に応じて車両10の前輪12,12の舵角θFTを変更する操舵機構(舵角変更機構)13と、ステアリングホイール11に入力される操舵トルク(操舵力)TSWおよび車速Vに応じたアシストトルク(補助駆動力)Tを発生させ、このアシストトルクTを操舵機構13に入力する電動パワーステアリング機構(操舵力調整機構)14とが設けられている。
また、この車両10には、操舵トルクセンサ(操舵力検出手段)21および車速センサ(車速検出手段)22が備えられている。
このうち、操舵トルクセンサ21は、ドライバからステアリングホイール11に入力されたトルクである操舵トルクTSWを検出するものである。
また、車速センサ22は、車両10の車速Vを検出するものである。
また、この電動パワーステアリング機構14には電動モータ15が備えられ、この電動モータ15は、モータ駆動ユニット16を介してEPS ECU31の制御を受けて駆動するようになっている。
また、このEPS(Electrical control Power Steering) ECU31は、いずれも図示しないインターフェース,メモリ,CPUなどが備えられた電子制御ユニットであって、モータ角速度検出部23,操舵角速度検出部(操舵角速度検出手段)24,基本制御ユニット32および付加制御ユニット33を有して構成されている。
このうち、モータ角速度検出部23は、電動パワーステアリング機構14に備えられた電動モータ15に流れるモータ電流を検出し、この検出値の変化率に基づいて、電動モータ15の角速度ωMを算出するものである。
また、操舵角速度検出部24は、モータ角速度検出部23により算出された電動モータ15の角速度ωMに基づいてステアリングホイール11の操舵角δSWの角速度δSW′を算出するものである。
そして、基本制御ユニット32には、基本アシスト電流設定部41と、慣性補償部42と、ダンピング補償部43と、摩擦補償部44とが設けられている。なお、これらの基本アシスト電流設定部41,慣性補償部42,ダンピング補償部43および摩擦補償部44は、それぞれ、メモリ内に格納されたソフトウェアによって実現されている。
基本アシスト電流設定部41は、操舵トルクセンサ21によって検出された操舵トルクTSWと、車速センサ22によって検出された車速Vとに応じて、基本アシストトルクTbaseを設定し、その後、この基本アシストトルクTbaseに対応した電流である基本アシスト電流Ibaseに変換するものである。なお、この基本アシストトルクTbaseは、電動パワーステアリング機構14の電動モータ15により生じるアシストトルクTの基本となるものである。
また、基本アシスト電流Ibaseは、この基本アシスト電流設定部41が図2に示すマップ46を参照することによって設定されるようになっている。なお、この図2に示すように、操舵トルクTSWおよび基本アシスト電流Ibaseの正負(+,−)はステアリングホイール11を基準として、正は左方向(反時計回り方向)、負は右方向(時計回り方向)を示す。
このマップ46において、基本アシスト電流Ibaseの絶対値は、操舵トルクTSWが第1閾値(±TSW1)の絶対値よりも小さい場合にはゼロであり、他方、操舵トルクTSWが第1閾値(±TSW1)の絶対値以上になると、第2閾値(±TSW2)に達するまでの区間においては、操舵トルクTSWの絶対値の増加に比例して増加するように設定されている。そして、この基本アシスト電流Ibaseの絶対値の増加割合(図2に示す特性線±L1,±L2,±L3の傾き)は、車速Vが大きいほど小さくなるように設定されている。また、操舵トルクTSWが第2閾値の絶対値以上の区間において、基本アシスト電流Ibaseの絶対値は一定となるように設定されている。
慣性補償部42は、電動モータ15の回転子(図示略)による慣性力を補償するものである。より具体的には、モータ角加速度ωM′と車速Vとに基づいて慣性補償トルクTintに対応した電流である慣性補償電流Iintを算出し、この慣性補償電流Iintを基本アシスト電流設定部41によって得られた基本アシスト電流Ibaseに対して加えることで、基本アシスト電流Ibaseを補正するようになっている。なお、モータ角加速度ωM′は、モータ角速度算出部23によって算出された電動モータ15の角速度ωMを、モータ角加速度算出部45が時間微分することによって得られるようになっている。
ダンピング補償部43は、電動モータ15に対するダンピング補償をするものである。より具体的には、車速Vおよび電動モータ15の角速度ωMに基づいて、ダンピング補償トルクTdmpに対応した電流であるダンピング補償電流Idmpを算出し、基本アシスト電流設定部41によって得られた基本アシスト電流Ibaseに対して算出したダンピング補償電流Idmpを加えることで、基本アシスト電流Ibaseを補正するようになっている。
また、摩擦補償部44は、電動モータ15を含む電動パワーステアリング機構14におけるギア等の磨耗損失分を補償するものである。より具体的には、車速Vおよび電動モータ15の角速度ωMに基づいて、摩擦補償トルクTfrcに対応した電流である摩擦補償電流Ifrcを算出し、基本アシスト電流設定部41によって得られた基本アシスト電流Ibaseに対して算出した摩擦補償電流Ifrcを加えることで、基本アシスト電流Ibaseを補正するようになっている。
付加制御ユニット33には、後輪横すべり角速度推定部(後輪横すべり角速度取得手段)47および補正部(補正手段)48が備えられている。なお、これらの後輪横すべり角速度推定部47および補正部48は、いずれも図示しないメモリ内に格納されたソフトウェアとして実現されている。
このうち、後輪横すべり角速度推定部47は、車速センサ22によって得られた車速Vと、操舵角速度検出部24によって検出された操舵角速度δSW′とに基づいて、後輪17,17の横すべり角BRの角速度BR′を推定するものである。
より具体的に、この後輪横すべり角速度推定部47は、まず、以下の式(1)〜(3)を用いてヨー角加速度γ′を求めるとともに、以下の式(4)〜(6)を用いて重心横滑り角速度B′を求めるようになっている。
Figure 0004840232
Figure 0004840232
なお、ωnは固有振動数、ωnζはダンピング係数、mは車重、lはホイールベース、Kはスタビリティファクタ、Krは後輪コーナリングパワーをそれぞれ示す。
そして、式(1)〜(3)によって得られたヨー角加速度γ′と、式(4)〜(6)によって得られた重心横滑り角速度B′とを以下の式(7)に代入することによって、後輪横すべり角速度BR′を推定するようになっている。
Figure 0004840232
また、補正部48は、後輪横すべり角速度推定部47によって推定された後輪横すべり角速度BR′の増大に応じて増大する負のトルクTaに対応する電流である反力補正電流IBR′を算出し、基本アシスト電流設定部41によって得られた基本アシスト電流Ibaseに対して、この反力補正電流IBR′を加えることで、基本アシスト電流Ibaseを補正するものである。
モータ駆動ユニット16は、EPS ECU31から発せられた目標アシスト電流ITを受け、この目標アシスト電流ITに従って、図示しない電源から電動モータ15へ供給される電力を制御することで、電動モータ15へ供給される出力を制御するものであり、電気回路によって実現されている。
本発明の第1実施形態に係る車両の操舵制御装置は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。
図3のフローチャートに示すように、まず、基本制御ユニット32内の基本アシスト電流設定部41が、操舵トルクセンサ21によって検出された操舵トルクTSWを読み込むとともに、車速センサ22によって検出された車速Vを読み込む。そして、これらの操舵トルクTSWと車速Vとをマップ46に適用することで、基本アシストトルクTbaseを設定する(ステップS11)。
また、モータ角加速度算出部45が、モータ角速度算出部23によって算出された電動モータ15の角速度ωMを微分することでモータ角加速度ωM′を得る。また、慣性補償部42が、モータ角加速度算出部45により得られたモータ角加速度ωM′を読み込むとともに、車速センサ22によって検出された車速Vを読み込み、モータ角加速度ωM′と車速Vとに基づいて、慣性補償電流Iintを算出し、基本アシスト電流設定部41によって得られた基本アシスト電流Ibaseに対して算出した慣性補償電流Iintを加える制御である慣性補償制御を実行することで、基本アシスト電流Ibaseを補正する(ステップS12)。
また、ダンピング補償部43が、車速センサ22によって検出された車速Vを読み込むとともに、モータ角速度算出部23によって算出された電動モータ15の角速度ωMを読み込む。そして、これらの車速Vおよび電動モータ15の角速度ωMに基づいて、ダンピング補償電流Idmpを算出し、基本アシスト電流設定部41によって得られた基本アシスト電流Ibaseに対して算出したダンピング補償電流Idmpを加える制御であるダンピング補償制御を実行することで、基本アシスト電流Ibaseを補正する(ステップS13)。
また、摩擦補償部44が、車速センサ22によって検出された車速Vを読み込むとともに、モータ角速度算出部23によって算出された電動モータ15の角速度ωMを読み込む。そして、読み込んだ車速Vおよび電動モータ15の角速度ωMに基づいて、摩擦補償電流Ifrcを算出し、基本アシスト電流設定部41によって得られた基本アシスト電流Ibaseに対して算出した摩擦補償電流Ifrcを加える制御である摩擦補償制御を実行することで、基本アシスト電流Ibaseをさらに補正する(ステップS14)。
そして、付加制御ユニット33の後輪横すべり角速度推定部47が、車速センサ22によって得られた車速Vを読み込むとともに、操舵角速度検出部24によって検出された操舵角速度δSW′を読み込む。さらに、モータ角加速度算出部46は、読み込んだ車速Vをおよび操舵角速度δSW′を上述の式(1)〜(7)に適用することで後輪17,17の横すべり角速度BR′を推定する(ステップS15)。
その後、補正部48が、後輪横すべり角速度推定部47によって推定された後輪横すべり角速度BR′を読み込む。また、この補正部48は、読み込んだ後輪横すべり角速度BR′の増大に応じて増大する負のトルクTaに対応する電流である反力補正電流IBR′を算出する。さらに、この補正部48は、基本アシスト電流設定部41によって得られた基本アシスト電流Ibaseに対して、この反力補正電流IBR′を加えることで、基本アシスト電流Ibaseを補正する(ステップS16)。
そして、EPS ECU31は、上述のステップS12,S13,S14,S16において補正された基本アシスト電流Ibaseを最終的なアシストトルクTを示す電流である目標アシスト電流IT示す指令としてモータ駆動ユニット16に向けて出力する。そして、モータ駆動ユニット16が、この目標アシスト電流Itを示す指令に従って、電動モータ15へ供給される出力を制御し、電動モータ15から操舵機構13に入力されるアシストトルクTを調整する(ステップS17)。
ここで、本実施形態に係る車両10のシミュレーション実験の結果の一例を図4のグラフに示す。この実験は、高速(ここでは100km/h)で走行している車両10において、ドライバが一定の操舵トルクTSWでステアリングホイール11を周期的に回転させる操作(いわゆる、周期的な切返し操作)を行ない、且つ、その周期を0.2Hzから2Hzへ徐々に変化させたものである。なお、この場合の操舵トルクTSWの絶対値は2Nmである。
このとき、アシストトルクTを補正する制御をなんら行わなかった場合(図4中鎖線参照)、実験開始から約5〜12秒の間で共振が発生していることがわかる。
また、従来の技術のように、前輪の横すべり角に応じてアシストトルクTを補正する制御を行なった場合は(図4中細実線参照)、アシストトルクTの補正をなんら行わなかった場合に比べると、車両の挙動は比較的安定しているものの、実験開始から約8〜12秒の間で共振が発生していることがわかる。
これらに対して、本実施形態に係る本発明においては、後輪横すべり角速度BR′に応じてアシストトルクTを補正しているので、共振を生じさせず、車両10の挙動を安定させることが出来ていることがわかる(図4中太実線参照)。
次に、本実施形態に係る車両10のシミュレーション実験の結果の他の例を図5のグラフに示す。この実験は、高速で走行している車両10のドライバが急激な操舵を行なった場合を想定している。より具体的には、100km/hで直進している車両10のドライバが2.5Nmの操舵トルクTSWでステアリングホイール11を回転させて保持した場合における車両10の挙動を示したものがこの図5である。
このとき、図5において一点鎖線で示すように、アシストトルクTを補正する制御をなんら行わなかった場合には、後輪横すべり角BRにオーバーシュートが生じてしまうことがわかる(図5中矢印A1参照)。このような場合、ドライバは修正操舵を行なわざるを得ない。
これに対して、本実施形態に係る本発明においては、後輪横すべり角BRのオーバーシュートがほとんど生じておらず(図5中矢印A2参照)、車両10の挙動を安定させることが出来ており、ドライバは修正操舵を要求されず、安心して車両10を走行させることが可能である。
これらの実験結果について、図1に示す本実施形態に係る構成を参照しながら、もう少し具体的に説明すると、後輪17,17の横すべり角速度BR′の増大に応じて、付加制御ユニット33が基本アシスト電流Ibaseの絶対値を適度に減ずる補正を行なうため、ステアリングホイール11を回転させるためドライバに求められるトルクはより大きくなる。つまり、車両10のドライバにとっては、後輪17,17の横すべり角速度BR′の増大するに連れてステアリングホイール11がより重く感じられ、車両10のドライバはステアリングホイール11を急激に操作することが妨げられ、これにより、車両10の挙動が不安定になることを回避することが出来るのである。
このように、本発明の第1実施形態に係る車両の操舵制御装置によれば、後輪横すべり角速度推定部47によって推定された後輪横すべり角速度BR′の増大に伴って、補正部48が、基本アシスト電流Ibaseに対して反力補正電流IBR′を減ずる補正を行なうことで、電動パワーステアリング機構14の電動モータ15によるアシストトルクTを補正するので、車両10の操縦性および安定性を向上させることができる。
また、操舵角δSWが一定の状態で車両10が旋回走行している(すなわち、定常旋回している)場合においても、後輪横すべり角BRのオーバーシュートを抑制し、車両10の挙動を安定させることが可能となり、ドライバに余計な修正操舵を要求する事態を避けることができる。
また、操舵トルクセンサ21と車速センサ22との検出結果のみに基づいて後輪横すべり角速度BR′を取得できるので、低コストで信頼性の高い操舵制御を実現することが出来る。
次に、図面により、本発明の第2実施形態に係る車両の操舵制御装置について説明する。
図6は本実施形態の全体構成を示す模式的なブロック図である。なお、上述の第1実施形態を説明する際に用いた図3〜図5を本実施形態の説明においても併せて用いる。
この図6に示す第2実施形態と、図1に示す上述の第1実施形態との間で異なる構成要素は、ヨーレイトセンサ(ヨーレイト検出手段)26,横加速度センサ(横加速度検出手段)27および後輪横すべり角速度演算部(後輪横すべり角速度取得手段)49である。
つまり、第1実施形態においては、後輪横すべり角速度推定部47が、車速Vと操舵角速度δSW′とに応じて後輪横すべり角速度BR′を推定するようになっていた。
これに対して、この第2実施形態においては、後輪横すべり角速度演算部49が、ヨーレイトセンサ26によって検出された車両10のヨーレイトγaと、横加速度センサ27によって検出された車両10の横加速度GYと、車速センサ22によって検出された車速Vとに基づいて、後輪横すべり角速度BR′を演算する点で異なる。
したがって、ここでは、第1実施形態と第2実施形態との相違点、即ち、ヨーレイトセンサ26,横加速度センサ27および後輪横すべり角速度推定部49について主に説明する。
ヨーレイトセンサ26は、車両10のヨーレイトγaを検出するセンサであって、検出結果はEPS ECU31によって読み込まれるようになっている。
横加速度センサ27は、車両10に生じる車幅方向(横方向)の加速度GYを検出するセンサであって、検出結果はEPS ECU31によって読み込まれるようになっている。
後輪横すべり角速度推定部49は、ヨーレイトセンサ26によって検出されたヨーレイトγと、横加速度センサ27によって検出された横加速度GYと、車速センサ22によって検出された車速Vとに基づいて、車両10の後輪17,17の横すべり角速度BR′を演算するソフトウェアである。
より具体的に、この後輪横すべり角速度推定部49は、第1実施形態において説明した式(1)〜(7)を用いて横すべり角速度BR′を演算し、この演算に用いられるヨーレイトγと横加速度GYとを、ヨーレイトセンサ26と横加速度センサ27とからそれぞれ取得するようになっている。
より具体的には、後輪横すべり角速度演算部49により、後輪横すべり角速度BR′を演算するようになっている。
本発明の第2実施形態に係る車両の操舵制御装置は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。
本実施形態においても、原則的に、第1実施形態における制御内容を説明する際に用いた図3のフローチャートと同様に行なわれ、ステップS15における制御の内容のみが異なるので、ここでは、ステップS15を中心に説明する。
第1実施形態のステップS15においては、後輪横すべり角速度推定部47により、後輪横すべり角速度BR′が推定されていた。
これに対し、第2実施形態においては、後輪横すべり角速度演算部49が、ヨーレイトセンサ26によって検出されたヨーレイトγaと、横加速度センサ27によって検出された横加速度GYと、車速センサ22によって検出された車速Vとに基づいて、後輪横すべり角速度BR′を算出する(ステップS15)。
その上で、補正部48が、後輪横すべり角速度演算部49によって演算された後輪横すべり角速度BR′を読み込み、読み込んだ後輪横すべり角速度BR′に応じた電流である反力補正電流IBR′を算出する。なお、この反力補正電流IBR′の絶対値は、後輪横すべり角速度BR′の絶対値の増減に応じて増減する。そして、この補正部48は、基本アシスト電流設定部41によって得られた基本アシスト電流Ibaseに対して反力補正電流IBR′を減ずることで、基本アシスト電流Ibaseを補正する(ステップS16)。
このように、本発明の第2実施形態に係る車両の操舵制御装置によれば、後輪横すべり角速度演算部49によって推定された後輪横すべり角速度BR′の増大に伴って、補正部48が、基本アシスト電流Ibaseを反力補正電流IBR′に基づいて補正することで、電動パワーステアリング機構14の電動モータ15によるアシストトルクTを補正するので、車両10の操縦性および安定性を向上させることができる。
また、ステアリングホイール11を周期的に変化させる操作(切返し操作)を行なった場合であっても、本実施形態に係る本発明によれば、第1実施形態の説明において図4を用いて説明した場合と同様の効果、すなわち、共振を生じさせず、車両10の挙動を安定させるという効果を得ることが出来る(図4中太実線参照)。
また、操舵角δSWが一定の状態で車両10が旋回走行している(すなわち、定常旋回している)場合においても、本実施形態に係る本発明によれば、第1実施形態の説明において図5を用いて説明した場合と同様の効果、すなわち、後輪横すべり角BRのオーバーシュートを抑制し、車両10の挙動を安定させることが可能となり、ドライバに余計な修正操舵を要求する事態が回避可能であるという効果を得ることが出来る。
また、ヨーレイトセンサ26によって検出されたヨーレイトγaと、横加速度センサ27によって検出された横加速度GYとを用いて、輪横すべり角速度BR′を算出することで、コストの増大を抑制しながら、車両10の操縦性および安定性を向上させることが可能となる。
つまり、近年の車両においては、ヨーレイトセンサ26や横加速度センサ27が既に搭載されている場合が多く、このような場合においては、本発明のために新たにヨーレイトセンサ26や横加速度センサ27を設ける必要がなく、コストの増大を防ぐことができるのである。
また、新たな部品としてヨーレイトセンサ26や横加速度センサ27を車両に搭載する場合であっても、これらのヨーレイトセンサ26や横加速度センサ27の検出結果は、他の種々の制御に用いることができるため、車両全体としてのコスト抑制に寄与することができるのである。
以上、本発明の第1および第2実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の第1および第2実施形態においては、後輪横すべり角速度BR′に基づいて、電動パワーステアリング機構14のアシストトルクTを制御する場合を例にとって説明したが、これ以外にも、例えば、後輪横すべり角速度BR′に基づいて、可変ギアステアリングシステムのギア比を制御するようにしてもよい。さらに、ステアリングホイール11と操舵機構13とを電磁的にリンクした機構(いわゆる、ステアバイワイヤ機構)による舵角制御に本発明を適用してもよい。
本発明の第1実施形態に係る車両の操舵制御装置の全体構成を示す模式的なブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る車両の操舵制御装置において、基本アシスト電流の算出に用いられるマップを示す模式図である。 本発明の第1および第2実施形態に係る車両の操舵制御装置の制御内容を示す模式的なフローチャートである。 本発明の第1および第2実施形態に係る車両の操舵制御装置により操舵制御を行なった場合の車両挙動を示す模式的なグラフである。 本発明の第1および第2実施形態に係る車両の操舵制御装置により操舵制御を行なった場合の車両挙動を示す模式的なグラフである。 本発明の第2実施形態に係る車両の操舵制御装置の全体構成を示す模式的なブロック図である。
符号の説明
10 車両
11 ステアリングホイール(操舵部)
12 前輪
13 操舵機構(舵角変更機構)
14 電動パワーステアリング機構(操舵力調整機構)
17 後輪(非操舵輪)
21 操舵トルクセンサ(操舵力検出手段)
22 車速センサ(車速検出手段)
23 モータ角速度検出部
24 操舵角速度検出部(操舵角速度検出手段)
26 ヨーレイトセンサ(ヨーレイト検出手段)
27 横加速度センサ(横加速度検出手段)
47 後輪横すべり角速度推定部(後輪横すべり角速度取得手段)
48 補正部(補正手段)
49 後輪横すべり角速度演算部(後輪横すべり角速度取得手段)
Figure 0004840232

Claims (2)

  1. 車両のドライバにより操作され操舵輪の目標舵角が入力される操舵部と、
    該操舵部に入力された該目標舵角に応じて該操舵輪の舵角を変更する舵角変更機構と、
    該操舵部に入力された操舵力を検出する操舵力検出手段と、
    該車両の車速を検出する車速検出手段と、
    該操舵力検出手段により検出された該操舵力および該車速検出手段によって検出された該車速に応じた補助駆動力で該舵角変更機構を駆動する操舵力調整機構と、
    操舵角速度検出手段により検出された該操舵部の操舵角速度および該車速検出手段により検出された該車速に基づいて該後輪の横すべり角の角速度を取得する後輪横すべり角速度取得手段と、
    該後輪横すべり角速度取得手段によって取得された該後輪横すべり角速度の増大に伴って該操舵力調整機構による該補助駆動力を減じる補正を行なう補正手段とを備える
    ことを特徴とする車両の操舵制御装置。
  2. 該車両のヨーレイトを検出するヨーレイト検出手段と、
    該車両の横加速度を検出する横加速度検出手段とをさらに備え、
    該後輪横すべり角速度取得手段は、車速検出手段によって検出された車速と該ヨーレイト検出手段よって検出された該ヨーレイトと、該横加速度検出手段よって検出された該横加速度とに基づいて該後輪横すべり角速度を取得する
    ことを特徴とする、請求項1記載の車両の操舵制御装置。
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