JP2008081115A - 車輌の制御装置 - Google Patents

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隆博 小城
Masahito Suzumura
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義明 土屋
Kenji Asano
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Abstract

【課題】車輌の挙動の急変を回避しつつ制御量が異常な値になった場合に異常な制御量に基づいて不適切な制御が長く継続されることを防止する。
【解決手段】転舵角可変装置24により左右前輪の舵角を適正に制御することができない異常が生じたときには(S220)、目標転舵角Δδtの大きさが各サイクル毎に漸次減少するよう目標転舵角Δδtが漸減処理され(S270)、目標転舵角Δδtが異常な値であるときには(S240)、推定目標転舵角Δδthの大きさが各サイクル毎に漸次減少するよう推定目標転舵角Δδthが漸減処理され(S250)、推定目標転舵角Δδthが目標転舵角Δδtに設定され(S260)、推定目標転舵角Δδthの漸減の速さは目標転舵角Δδtの漸減の速さよりも高く、推定目標転舵角Δδthは目標転舵角Δδtよりも速やかに漸減される。
【選択図】図4

Description

本発明は、車輌の制御装置に係り、更に詳細には車輌の挙動を修正する車輌部材を駆動する駆動手段と、駆動手段を制御するための制御量を演算する演算手段と、制御量に基づいて駆動手段を制御する制御手段とを有する車輌の制御装置に係る。
自動車等の車輌の制御装置の一つとして、例えば下記の特許文献1に記載されている如く、電動式パワーステアリング装置に於いて、操舵アシスト力を適正に制御することができない異常が発生した場合には操舵アシスト力を徐々に減少させる電動式パワーステアリング装置の制御装置が従来より知られている。
特開平11−208492号公報
一般に、車輌の制御装置に異常が発生した場合には、上記特許文献1に記載されている如く、車輌の挙動の急変を回避すべく、制御量が徐々に0に減少されるが、制御量が異常な値になった場合には制御装置に異常が発生したと判定されるまでに時間がかかり、そのため異常が発生したと判定されるまで異常な制御量に基づいて不適切な制御が継続されるという問題がある。
本発明は、異常が発生した場合には制御量が徐々に0に減少されるよう構成された従来の車輌の制御装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、異常によって制御量の漸減速度を変更することにより、車輌の挙動の急変を回避しつつ制御量が異常な値になった場合に異常な制御量に基づいて不適切な制御が長く継続されることを防止することである。
上述の主要な課題は、本発明によれば、車輌状態から演算された目標ヨーモーメントを実現するように車輌の挙動を修正する車輌部材を駆動する駆動手段と、前記駆動手段を制御するための制御量を演算する演算手段と、前記制御量に基づいて前記駆動手段を制御する制御手段とを有する車輌の制御装置に於いて、前記駆動手段を適正に制御することができない前記制御装置の異常を判定する制御装置異常判定手段と、前記制御量の異常を判定する制御量異常判定手段とを有し、前記何れかの異常判定手段により異常が判定されたときには前記制御量を漸減する制御量漸減手段とを有し、前記制御量漸減手段は前記制御量異常判定手段により異常が判定されたときには前記制御装置異常判定手段により異常が判定されたときに比して前記制御量を速く漸減することを特徴とする車輌の制御装置によって達成される。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記の構成に於いて、前記演算手段は第一の演算手段と第二の演算手段とよりなり、前記制御量異常判定手段は前記第一及び第二の演算手段により演算された制御量を比較することにより前記制御量の異常を判定するよう構成される。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記の構成に於いて、前記制御量異常判定手段は前記制御装置異常判定手段により前記制御装置が異常であると判定されないときに前記制御量が異常であるか否かを判定するよう構成される。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記の構成に於いて、前記制御装置異常判定手段は前記制御量の異常以外の要因により前記駆動手段を適正に制御することができない前記制御装置の異常を判定するよう構成される。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記の構成に於いて、前記駆動手段は操舵輪を修正操舵する修正操舵手段であり、前記制御量漸減手段は前記二つの異常判定手段の何れかにより異常が判定されたときには前記操舵輪の修正操舵量を0に漸減するよう構成される。
上記の如く、車輌状態から演算された目標ヨーモーメントを実現するように車輌の挙動を修正する車輌部材を駆動する駆動手段と、前記駆動手段を制御するための制御量を演算する演算手段と、前記制御量に基づいて前記駆動手段を制御する制御手段とを有する車輌の制御装置に於いて、前記駆動手段を適正に制御することができない前記制御装置の異常を判定する制御装置異常判定手段と、前記制御量の異常を判定する制御量異常判定手段とを有し、前記何れかの異常判定手段により異常が判定されたときには前記制御量を漸減する制御量漸減手段とを有し、前記制御量漸減手段は前記制御量異常判定手段により異常が判定されたときには前記制御装置異常判定手段により異常が判定されたときに比して前記制御量を速く漸減するようになっていれば、制御量異常判定手段により異常が判定されたときには制御装置異常判定手段により異常が判定されたときに比して制御量が速く漸減されるので、制御装置に異常が生じた場合に制御量が速く低減されることに起因する車輌挙動の急変を防止しつつ、制御量に異常が生じた場合に制御量を速やかに低減し、これにより異常な制御量に基づいて不適切な制御が長く継続されることを確実に防止することができる。
また上記の如く、演算手段は第一の演算手段と第二の演算手段とよりなり、制御量異常判定手段は第一及び第二の演算手段により演算された制御量を比較することにより制御量の異常を判定するようになっていれば、同一の演算手段により演算された制御量が比較される場合に比して制御量の異常判定精度を高くすることができる。
また上記の如く、制御装置異常判定手段により制御装置が異常であると判定されないときに制御量が異常であるか否かが判定されるようになっていれば、制御装置に異常が生じた場合にはその異常を確実に判定することができ、また制御装置は正常であるが制御量が異常である状況を確実に判定することができる。
また上記の如く、制御装置異常判定手段は制御量の異常以外の要因により駆動手段を適正に制御することができない制御装置の異常を判定するようになっていれば、制御量の異常以外の要因により駆動手段を適正に制御することができない制御装置の異常が生じたときには、車輌挙動の急変を防止しつつ車輌制御を終了させることができ、また制御量の異常が生じたときには車輌制御を速やかに終了させることができる。
また上記の如く、駆動手段は操舵輪を修正操舵する修正操舵手段であり、制御量漸減手段は二つの異常判定手段の何れかにより異常が判定されたときには操舵輪の修正操舵量を0に漸減するようになっていれば、操舵輪を適正に修正操舵することができない異常が生じたときには、車輌挙動の急変を防止しつつ修正操舵制御を終了させることができ、修正操舵制御量の異常が生じたときには修正操舵制御を速やかに終了させることができる。
〔課題解決手段の好ましい態様〕
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記の構成に於いて、制御装置異常判定手段及び制御量異常判定手段の何れによっても異常が判定されないときには、制御手段は第一の演算手段により演算された制御量に基づいて駆動手段を制御するよう構成されてよい。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記の構成に於いて、制御量異常判定手段により異常が判定されたときには、制御手段は第二の演算手段により演算され制御量漸減手段により漸減される制御量に基づいて駆動手段を制御するよう構成されてよい。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記の構成に於いて、制御手段は制御量漸減手段により漸減される制御量が0になったときに駆動手段の制御を終了するよう構成されてよい。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記の構成に於いて、修正操舵手段は旋回時の車輌の挙動を安定化させるために操舵輪を修正操舵するよう構成されてよい。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記の構成に於いて、車輌はアンチスキッド制御装置若しくはトラクション制御装置を有し、修正操舵手段は車輌が左右の路面の摩擦係数が異なる走行路を走行する際の左右輪の制駆動力差に起因するヨーモーメントを少なくとも部分的に相殺して車輌の走行安定性を向上させるために操舵輪を修正操舵するよう構成されてよい。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施例について詳細に説明する。
図1は各車輪の制駆動力の制御及び左右前輪の舵角の制御により車輌の挙動を制御する挙動制御装置として構成された本発明による車輌の制御装置の実施例1を示す概略構成図、図2は実施例1に於ける制御系のブロック線図である。
図1に於いて、10FL及び10FRはそれぞれ車輌12の従動操舵輪としての左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれぞれ車輌の駆動輪としての左右の後輪を示している。操舵輪である左右の前輪10FL及び10FRは運転者によるステアリングホイール14の操作に応答して駆動されるラック・アンド・ピニオン型のパワーステアリング装置16によりラックバー18及びタイロッド20L及び20Rを介して転舵される。
ステアリングホイール14は第一のステアリングシャフトとしてのアッパステアリングシャフト22、転舵角可変装置24、第二のステアリングシャフトとしてのロアステアリングシャフト26、ユニバーサルジョイント28を介してパワーステアリング装置16のピニオンシャフト30に駆動接続されている。図示の実施例に於いては、転舵角可変装置24はハウジング24Aの側にてアッパステアリングシャフト22の下端に連結され、回転子24Bの側にてロアステアリングシャフト26の上端に連結された補助転舵駆動用の電動機32を含んでいる。
かくして転舵角可変装置24はアッパステアリングシャフト22に対し相対的にロアステアリングシャフト26を回転駆動することにより、ステアリングホイール14の回転角度に対する操舵輪である左右の前輪10FL及び10FRの舵角の比、即ちステアリングギヤ比を変化させるステアリングギヤ比可変装置として機能すると共に、挙動制御の目的で左右の前輪10FL及び10FRをステアリングホイール14に対し相対的に補助転舵駆動する自動転舵装置としても機能し、舵角制御用電子制御装置34の転舵制御部34Aにより制御される。
特に転舵角可変装置24は、挙動制御による補助転舵駆動時には電動機32によりアッパステアリングシャフト22に対し相対的にロアステアリングシャフト26を積極的に回転させ、これにより運転者の操舵操作に依存せずに左右の前輪10FL及び10FRを自動的に転舵する補助転舵装置として機能する。
尚アッパステアリングシャフト22に対し相対的にロアステアリングシャフト26を回転駆動することができない異常が転舵角可変装置24に発生すると、図1には示されていないロック装置が作動し、アッパステアリングシャフト22に対するロアステアリングシャフト26の相対回転角度が変化しないよう、ハウジング24A及び回転子24Bの相対回転が機械的に阻止される。
またパワーステアリング装置16は油圧式パワーステアリング装置及び電動式パワーステアリング装置の何れであってもよいが、転舵角可変装置24による前輪の補助転舵駆動により発生されステアリングホイール14に伝達される反力トルクを低減する補助操舵トルクが発生されるよう、例えば電動機と、電動機の回転トルクをラックバー18の往復動方向の力に変換するボールねじ式の如き変換機構とを有するラック同軸型の電動式パワーステアリング装置であることが好ましい。
各車輪の制動力は制動装置36の油圧回路38によりホイールシリンダ40FL、40FR、40RL、40RR内の圧力Pi(i=fl、fr、rl、rr)、即ち制動圧が制御されることによって制御されるようになっている。図には示されていないが、油圧回路38はオイルリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧は通常時には運転者によるブレーキペダル42の踏み込み操作に応じて駆動されるマスタシリンダ44により制御され、また必要に応じて後に詳細に説明する如く挙動制御用電子制御装置46により個別に制御される。
図示の実施例に於いては、アッパステアリングシャフト22には該アッパステアリングシャフトの回転角度を操舵角θとして検出する操舵角センサ50が設けられており、図2に示されている如く、操舵角θを示す信号はCAN52を経て舵角制御用電子制御装置34及び挙動制御用電子制御装置46へ入力される。
また舵角制御用電子制御装置34及び挙動制御用電子制御装置46には横加速度センサ54により検出された車輌の横加速度Gyを示す信号、ヨーレートセンサ56により検出された車輌のヨーレートγを示す信号、車速センサ58により検出された車速Vを示す信号がCAN52を経て入力され、圧力センサ60により検出されたマスタシリンダ圧力Pmを示す信号及び圧力センサ62FL〜62RRにより検出された各車輪の制動圧Piを示す信号が挙動制御用電子制御装置46へ入力される。
図2に示されている如く、舵角制御用電子制御装置34は転舵角可変装置24を制御する転舵制御部34Aと、左右前輪の推定目標転舵角Δδthを演算する推定目標転舵角演算部34Bと、挙動制御用電子制御装置46より入力される左右前輪の目標転舵角Δδtと推定目標転舵角Δδthとを比較し、目標転舵角Δδtが異常であるか否かを判定する判定部34Cとを有している。
他方、挙動制御用電子制御装置46は車輌の挙動を判定する挙動判定部46Aと、挙動判定部46Aによる判定結果に基づき車輌の挙動を安定化させるための左右前輪の目標転舵角Δδt及び各車輪の目標制動圧Ptiを演算する目標制御量演算部46Bと、各車輪の制動圧Piが目標制動圧Ptiになるよう制動装置36を制御する制動力制御部46Cと、転舵角可変装置24により左右前輪の舵角を適正に制御することができない異常が生じているか否かを判定する異常判定部46Dとを有している。
尚舵角制御用電子制御装置34及び挙動制御用電子制御装置46はそれぞれCPUとROMとRAMと入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続されたマイクロコンピュータを含むものであってよい。また操舵角センサ50、横加速度センサ54、ヨーレートセンサ56はそれぞれ車輌の左旋回方向への操舵又は転舵又は旋回の場合を正として操舵角θ、横加速度Gy、ヨーレートγを検出する。
後述の如く、挙動制御用電子制御装置46の挙動判定部46Aは車輌の走行に伴い変化する車輌の横加速度Gyの如き車輌状態量に基づき車輌のスピンの程度を示すスピン状態量SS及び車輌のドリフトアウトの程度を示すドリフトアウト状態量DSを演算し、目標制御量演算部46Bはスピン状態量SS及びドリフトアウト状態量DSに基づき車輌の挙動を安定化させるための車輌の目標ヨーモーメントMt及び車輌の目標減速度Gxbtを演算する。
そして目標制御量演算部46Bは目標ヨーモーメントMtを所定の比率にて左右前輪の舵角制御による目標ヨーモーメントMtsと各車輪の制動力の制御による目標ヨーモーメントMtbとに配分し、目標ヨーモーメントMtsに基づき左右前輪の目標転舵角Δδtを演算すると共に目標転舵角Δδtを示す信号を舵角制御用電子制御装置34へ出力し、目標減速度Gxbt及び目標ヨーモーメントMtbに基づき各車輪の目標制動圧Ptiを演算する。制動力制御部46Cは各車輪の制動圧Piがそれぞれ対応する目標制動圧Ptiになるよう制御する。
また舵角制御用電子制御装置34の推定目標転舵角演算部34は、挙動制御用電子制御装置46の挙動判定部46A及び目標制御量演算部46Bと実質的に同一の要領にて左右前輪の舵角制御による目標ヨーモーメントMtsを演算し、目標ヨーモーメントMtsに基づき左右前輪の推定目標転舵角Δδthを演算する。
舵角制御用電子制御装置34の比較部34Cは、挙動制御用電子制御装置46より入力される目標転舵角Δδtと推定目標転舵角Δδthとを比較し、例えばその差の大きさが基準値以下であるときには目標転舵角Δδtが正常な値であると判定し、転舵制御部34Aは目標転舵角Δδtに基づき転舵角可変装置24を制御するが、目標転舵角Δδtと推定目標転舵角Δδthとの差の大きさが基準値よりも大きいときには目標転舵角Δδtが異常な値であると判定し、推定目標転舵角Δδthを漸減しつつ推定目標転舵角Δδthに基づき転舵角可変装置24の制御を継続し、推定目標転舵角Δδthが0になった段階で転舵角可変装置24の制御を終了する。
挙動制御用電子制御装置46の異常判定部46Dは、転舵角可変装置24により左右前輪の舵角を適正に制御することができない異常が生じているか否かを判定し、転舵角可変装置24により左右前輪の舵角を適正に制御することができない異常が生じていると判定したときには、そのことを示す信号を目標制御量演算部46B及び舵角制御用電子制御装置34の転舵制御部34Aへ出力する。
目標制御量演算部46Bは転舵角可変装置24により左右前輪の舵角を適正に制御することができない異常が生じていることを示す信号を受信しているときには目標転舵角Δδtの漸減を許容すると共に漸減完了後には目標転舵角Δδtを0に設定し、舵角制御用電子制御装置34の転舵制御部34Aは異常が生じていることを示す信号を受信しているときには目標転舵角Δδtを漸減しつつ目標転舵角Δδtに基づき転舵角可変装置24の制御を継続し、目標転舵角Δδtが0になった段階で転舵角可変装置24の制御を終了する。
この場合推定目標転舵角Δδthを漸減する速さは目標転舵角Δδtを漸減する速さよりも速い。換言すれば推定目標転舵角Δδthの大きさの単位時間当りの減少量は目標転舵角Δδtの大きさの単位時間当りの減少量よりも大きい。
尚、上述の操舵輪の舵角の制御及び制動力の制御による挙動制御自体は本発明の要旨をなすものではなく、これらの制御は当技術分野に於いて公知の任意の要領にて実行されてよい。
次に図3に示されたフローチャートを参照して図示の実施例1に於いて挙動制御用電子制御装置46により達成される車輌の挙動制御ルーチンについて説明する。尚図3に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
まずステップ10に於いては、車輌状態から演算された目標ヨーモーメントを実現するように車輌の挙動を修正する車輌部材として転舵部材を対象とする一例として、操舵角θを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては当技術分野に於いて公知の要領にて転舵角可変装置24により左右の前輪10FL及び10FRの舵角を適正に制御することができない異常が生じているか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ50へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ30へ進む。
ステップ30に於いては当技術分野に於いて公知の要領にて車輌のスピンの程度を示すスピン状態量SS及び車輌のドリフトアウトの程度を示すドリフトアウト状態量DSが演算され、ステップ40に於いてはスピン状態量SS及びドリフトアウト状態量DSに基づき車輌の挙動を安定化させるための車輌の目標ヨーモーメントMt及び車輌の目標減速度Gxbtが演算される。
ステップ50に於いては目標転舵角Δδt又は推定目標転舵角Δδthの漸減処理が完了し目標転舵角Δδtが0になったか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときには目標ヨーモーメントMtbに対する目標ヨーモーメントMtの配分比Rbが0よりも大きく1よりも小さい通常の値に設定されたままステップ70へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ60に於いて配分比Rbが1に設定された後ステップ70へ進む。
ステップ70に於いては目標ヨーモーメントMt及び配分比Rbに基づき下記の式1及び2に従って左右前輪の舵角制御による目標ヨーモーメントMts及び各車輪の制動力の制御による目標ヨーモーメントMtbが演算される。
Mts=(1−Rb)Mt ……(1)
Mts=Rb・Mt ……(2)
ステップ80に於いては当技術分野に於いて公知の要領にて目標ヨーモーメントMtsを達成するための左右前輪の目標転舵角Δδtが演算されると共に、目標転舵角Δδtを示す信号が舵角制御用電子制御装置34へ送信され、ステップ90に於いてはステップ20の判定結果、即ち転舵角可変装置24により左右の前輪10FL及び10FRの舵角を適正に制御することができない異常が生じているか否かを示す信号が舵角制御用電子制御装置34へ送信される。
ステップ100に於いては当技術分野に於いて公知の要領にて目標ヨーモーメントMtb及び車輌の目標減速度Gxbtを達成するための各車輪の目標制動力が演算されると共に、目標制動力に基づき各車輪の目標制動圧Pti(i=fl、fr、rl、rr)が演算され、ステップ110に於いては各車輪の制動圧Piがそれぞれ対応する目標制動圧Ptiになるよう制御される。
次に図4に示されたフローチャートを参照して図示の実施例1に於いて舵角制御用電子制御装置34により達成される左右前輪の舵角制御ルーチンについて説明する。尚図4に示されたフローチャートによる制御も図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
まずステップ210に於いては挙動制御用電子制御装置46より送信される目標転舵角Δδtを示す信号及び左右の前輪10FL及び10FRの舵角を適正に制御することができない異常が生じているか否かを示す信号が受信され、ステップ220に於いては受信した情報に基づき左右の前輪10FL及び10FRの舵角を適正に制御することができない異常が生じているか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ270へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ230へ進む。
ステップ230に於いては上記ステップ30〜80に於ける目標転舵角Δδtの演算の場合と同様の要領にて左右前輪の推定目標転舵角Δδthが演算され、ステップ240に於いては例えば目標転舵角Δδtと推定目標転舵角Δδthとの偏差の大きさが基準値異常であるか否かの判別により目標転舵角Δδtが異常な値であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのままステップ280へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ250へ進む。
ステップ250に於いては推定目標転舵角Δδthの大きさが各サイクル毎に漸次減少するよう推定目標転舵角Δδthが漸減処理され、ステップ260に於いては推定目標転舵角Δδthが目標転舵角Δδtに設定され、ステップ270に於いては目標転舵角Δδtの大きさが各サイクル毎に漸次減少するよう目標転舵角Δδtが漸減処理される。尚推定目標転舵角Δδthの漸減の速さは目標転舵角Δδtの漸減の速さよりも高く、推定目標転舵角Δδthは目標転舵角Δδtよりも速やかに漸減される。
ステップ280に於いては目標転舵角Δδtが0であるか否かの判別、即ち推定目標転舵角Δδth又は目標転舵角Δδtの漸減が完了したか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ210へ戻り、否定判別が行われたときにはステップ290に於いて左右の前輪10FL及び10FRが目標転舵角Δδt転舵されるよう転舵角可変装置24が制御された後ステップ210へ戻る。
図5は車輌の旋回時に各車輪の制駆動力の制御により車輌の挙動を制御すると共に所謂またぎ制動時又はまたぎ加速時に左右前輪の舵角の制御により車輌の走行安定性を向上させる挙動制御装置として構成され後輪駆動車に適用された本発明による車輌の制御装置の実施例2に於ける制御系のブロック線図である。尚図5に於いて、図2に示された構成要素と同一の構成要素には図2に於いて付された符号と同一の符号が付されている。
この実施例2に於いては、舵角制御用電子制御装置34及び挙動制御用電子制御装置46には車輪速度センサ64FL〜64RRにより検出された各車輪の車輪速度Vwi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号、スロットル開度センサ66により検出されたスロットル開度αを示す信号、エンジン回転数センサ68により検出されたエンジン回転数Neを示す信号がCAN52を経て入力される。
またこの実施例2に於いては、挙動制御用電子制御装置46は車輌の走行に伴い変化する車輌の横加速度Gyの如き車輌状態量に基づき車輌のスピンの程度を示すスピン状態量SS及び車輌のドリフトアウトの程度を示すドリフトアウト状態量DSを演算し、スピン状態量SS及びドリフトアウト状態量DSに基づき車輌の挙動を安定化させるための各車輪の目標制動圧Pti(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、各車輪の制動圧Piが目標制動圧Ptiになるよう制御することによって旋回時の車輌の挙動を安定化させる制動力の制御による挙動制御を行う。
また図5には示されていないが、挙動制御用電子制御装置46は各車輪の車輪速度Vwiに基づき当技術分野に於いて公知の要領にて車体速度Vb及び各車輪の制動スリップ量SBi(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、制動スリップ量SBiがアンチスキッド制御(ABS制御)開始の基準値よりも大きくなり、アンチスキッド制御の開始条件が成立すると、アンチスキッド制御の終了条件が成立するまで、当該車輪の制動スリップ量が所定の範囲内になるよう当該車輪の制動圧Piを制御することによってアンチスキッド制御を行う。
また図5には示されていないが、挙動制御用電子制御装置46は各車輪の車輪速度Vwiに基づき当技術分野に於いて公知の要領にて車体速度Vb及び左右後輪の加速スリップ量SArl、SArrを演算し、加速スリップ量SArl若しくはSArrがトラクション制御(TRC制御)開始の基準値よりも大きくなり、トラクション制御の開始条件が成立すると、トラクション制御の終了条件が成立するまで、当該車輪の加速スリップ量が所定の範囲内になるよう当該車輪の制動圧Piを制御することによってトラクション制御を行う。
また挙動制御用電子制御装置46は車輌が所謂またぎ路、即ち左右の路面の摩擦係数が異なる走行路を走行する際に何れかの車輪についてアンチスキッド制御又はトラクション制御が実行され制動力の制御による挙動制御が実行されていないときには、各車輪の前後力Fxiを推定により演算し、左右輪の前後力差により車輌に作用する前後力差起因ヨーモーメントMfを演算し、前後力差起因ヨーモーメントを相殺するカウンタヨーモーメントMcを車輌に付与するための左右の車輪の目標転舵角Δδtを演算すると共に、目標転舵角Δδtを示す信号を舵角制御用電子制御装置34へ出力する。
また舵角制御用電子制御装置34の推定目標舵角演算部34は、挙動制御用電子制御装置46の挙動判定部46A及び目標制御量演算部46Bと実質的に同一の要領にて左右前輪の推定目標転舵角Δδthを演算する。
上述の実施例1の場合と同様、舵角制御用電子制御装置34の比較部34Cは、挙動制御用電子制御装置46より入力される目標転舵角Δδtと推定目標転舵角Δδthとを比較し、例えばその差の大きさが基準値以下であるときには目標転舵角Δδtが正常な値であると判定し、転舵制御部34Aは目標転舵角Δδtに基づき転舵角可変装置24を制御するが、目標転舵角Δδtと推定目標転舵角Δδthとの差の大きさが基準値よりも大きいときには目標転舵角Δδtが異常な値であると判定し、推定目標転舵角Δδthを漸減しつつ推定目標転舵角Δδthに基づき転舵角可変装置24の制御を継続し、推定目標転舵角Δδthが0になった段階で転舵角可変装置24の制御を終了する。
挙動制御用電子制御装置46の異常判定部46Dは、転舵角可変装置24により左右前輪の舵角を適正に制御することができない異常が生じているか否かを判定し、転舵角可変装置24により左右前輪の舵角を適正に制御することができない異常が生じていると判定したときには、そのことを示す信号を目標制御量演算部46B及び舵角制御用電子制御装置34の転舵制御部34Aへ出力する。
目標制御量演算部46Bは転舵角可変装置24により左右前輪の舵角を適正に制御することができない異常が生じていることを示す信号を受信しているときには目標転舵角Δδtの漸減処理を許容すると共に漸減処理が完了すると目標転舵角Δδtを0に設定し、舵角制御用電子制御装置34の転舵制御部34Aは異常が生じていることを示す信号を受信しているときには目標転舵角Δδtを漸減しつつ目標転舵角Δδtに基づき転舵角可変装置24の制御を継続し、目標転舵角Δδtが0になった段階で転舵角可変装置24の制御を終了する。
この場合推定目標転舵角Δδthを漸減する速さは目標転舵角Δδtを漸減する速さよりも速い。換言すれば推定目標転舵角Δδthの大きさの単位時間当りの減少量は目標転舵角Δδtの大きさの単位時間当りの減少量よりも大きい。
尚、上述のアンチスキッド制御、トラクション制御、制動力の制御による旋回時の挙動制御、左右前輪の舵角の制御による車輌安定性の向上制御自体は本発明の要旨をなすものではなく、これらの制御は当技術分野に於いて公知の任意の要領にて実行されてよい。
次に図6に示されたフローチャートを参照して図示の実施例2に於いて挙動制御用電子制御装置46により達成される車輌の安定性向上制御ルーチンについて説明する。尚図6に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
まずステップ310に於いては操舵角θを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ320に於いては上述の実施例1のステップ20の場合と同様、転舵角可変装置24により左右の前輪10FL及び10FRの舵角を適正に制御することができない異常が生じているか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ360へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ330へ進む。
ステップ330に於いては制動力の制御による挙動制御、即ちスピン抑制制御又はドリフトアウト抑制制御が実行されているか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ370へ進み、否定判別が行われたときにはステップ340へ進む。
ステップ340に於いては何れかの車輪についてアンチスキッド制御が実行されているか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ380へ進み、否定判別が行われたときにはステップ350へ進む。
ステップ350に於いては駆動輪である左後輪若しくは右後輪についてトラクション制御が実行されているか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ370へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ380へ進む。
ステップ360に於いては上述の実施例1のステップ50の場合と同様、目標転舵角Δδt又は推定目標転舵角Δδthの漸減処理が完了し目標舵角δtが0になったか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ420へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ370に於いて左右前輪の目標転舵角Δδtが0に設定された後ステップ410へ進む。
ステップ380に於いてはJiを車輪の慣性モーメントとし、Vwdiを車輪の回転角速度とし、Rを車輪の有効半径とし、Txiを車輪の制動トルクTbi(負の値)と駆動トルクTdi(正の値)との和として、下記の式3に従って各車輪の前後力(制駆動力)Fxi(i=fl、fr、rl、rr)が演算される。
Ji・Vwdi=R・Fxi+Txi Fxi=(Ji・Vwdi−Txi)/R ……(3)
尚車輪の回転角速度Vwiは車輪速度Vwiの微分値として演算される。また制動トルクTbiは図には示されていない圧力センサにより検出されるマスタシリンダ圧力Pm及び制動装置36の諸元により定まる圧力−制動トルク変換係数に基づいて演算される。更に駆動トルクTdiはスロットル開度α及びエンジン回転数Neに基づきエンジンの駆動トルクTeが演算され、エンジントルクTe及び駆動系の諸元により決定される定数に基づいて演算される。また制動トルクTbi及び駆動トルクTdiは例えば力センサ等により直接検出されてもよい。
ステップ390に於いてはTを車輌のトレッドとして各車輪の前後力Fxiに基づき下記の式4に従って左右輪の前後力差に起因して車輌に作用する前後力差起因ヨーモーメントMfが演算される。
Mf={(Fxfr+Fxrr)−(Fxfl+Fxrl)}・T/2 ……(4)
ステップ400に於いては前後力差起因ヨーモーメントMfを相殺するためのカウンタヨーモーメントをMc(=−Mf)とすると、左右前輪の転舵によりカウンタヨーモーメントMcを車輌に付与するための左右前輪の目標転舵角Δδctが当技術分野に於いて公知の要領にて演算される。
ステップ410に於いては目標転舵角Δδtを示す信号が舵角制御用電子制御装置34へ送信され、ステップ420に於いてはステップ320の判定結果、即ち転舵角可変装置24により左右の前輪10FL及び10FRの舵角を適正に制御することができない異常が生じているか否かを示す信号が舵角制御用電子制御装置34へ送信される。
かくして図示の実施例1及び2によれば、転舵角可変装置24により左右前輪の舵角を適正に制御することができない異常が生じていないときにはステップ220に於いて肯定判別が行われ、ステップ230以降が実行されるが、転舵角可変装置24により左右前輪の舵角を適正に制御することができない異常が生じたときにはステップ220に於いて否定判別が行われ、ステップ270に於いて目標転舵角Δδtの大きさが各サイクル毎に漸次減少するよう目標転舵角Δδtが漸減処理される。
また転舵角可変装置24により左右前輪の舵角を適正に制御することができない異常が生じていないときには、ステップ230に於いて左右前輪の推定目標転舵角Δδthが演算され、ステップ240に於いては目標転舵角Δδtが異常な値であるか否かの判別が行われ、目標転舵角Δδtが正常な値であるときにはステップ280及び290に於いて左右の前輪10FL及び10FRが目標転舵角Δδt転舵されるよう転舵角可変装置24が制御される。
これに対し、目標転舵角Δδtが異常な値であるときには、ステップ240に於いて肯定判別が行われ、ステップ250に於いて推定目標転舵角Δδthの大きさが各サイクル毎に漸次減少するよう推定目標転舵角Δδthが漸減処理され、ステップ260に於いて推定目標転舵角Δδthが目標転舵角Δδtに設定され、しかる後ステップ280及び290に於いて左右の前輪10FL及び10FRが目標転舵角Δδt転舵されるよう転舵角可変装置24が制御される。
この場合推定目標転舵角Δδthの漸減の速さは目標転舵角Δδtの漸減の速さよりも高く、推定目標転舵角Δδthは目標転舵角Δδtよりも速やかに漸減されるので、転舵角可変装置24により左右前輪の舵角を適正に制御することができない異常が生じた場合に目標転舵角Δδtが速く低減されることに起因する車輌挙動の急変を防止しつつ、制御量としての目標転舵角Δδtに異常が生じた場合に目標転舵角Δδtを速やかに低減し、これにより異常な目標転舵角Δδtに基づいて左右の前輪10FL及び10FRの舵角が不適切に長く制御されることを確実に防止することができる。
以上に於いては本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば上述の各実施例に於いては、駆動手段は操舵輪としての左右前輪を修正操舵する転舵角可変装置24であり、旋回時の車輌の挙動を制御し又は所謂またぎ制動時又はまたぎ加速時に於ける車輌の走行安定性を向上させるための制御量として左右前輪の目標転舵角が演算されるようになっているが、駆動手段及び制御量は車輌の制御に必要な任意の駆動手段及び制御量であってよい。
また上述の各実施例に於いては、制御量としての左右前輪の目標転舵角Δδtが正常であるか否かの判別は目標転舵角Δδtと推定目標転舵角Δδthとの比較により行われるようになっているが、制御量が正常であるか否かの判別は当技術分野に於いて公知の任意の要領にて行われてよい。
また上述の実施例1に於いては、旋回時の車輌の挙動を制御するための車輌の目標ヨーモーメントMtが演算され、目標ヨーモーメントMtが配分比Rbに基づき左右前輪の舵角制御による目標ヨーモーメントMts及び各車輪の制動力の制御による目標ヨーモーメントMtbに配分され、目標ヨーモーメントMtsに基づき左右前輪の目標転舵角Δδt及び推定目標転舵角Δδthが演算されるようになっているが、左右前輪の目標転舵角Δδt及び推定目標転舵角Δδthが旋回時の車輌の挙動を制御するための制御量として演算される場合にはも、これらの制御量は当技術分野に於いて公知の他の任意の要領にて演算されてよい。
また上述の実施例2に於いては、旋回時の車輌の挙動を制御するために各車輪の制動力が制御される車輌に適用され、所謂またぎ制動時又はまたぎ加速時に於ける車輌の走行安定性を向上させるための制御量として左右前輪の目標転舵角が演算されるようになっているが、この実施例は旋回時の車輌の挙動を制御すべく各車輪の制動力が制御されない車輌に適用されてもよい。
また上述の各実施例に於いては、転舵手段としての転舵角可変装置24はアッパステアリングシャフト22に対し相対的にロアステアリングシャフト26を回転させることにより運転者の操舵操作に依存せずに左右の前輪10FL及び10FRを自動的に転舵するようになっているが、転舵手段は運転者の操舵操作とは独立に操舵輪を操舵し得る限り、例えばタイロッド20L及び20Rを伸縮させる型式の転舵角可変装置やステアバイワイヤ式の転舵装置の如く当技術分野に於いて公知の任意の構成のものであってよく、転舵手段は補助操舵輪としての後輪を転舵するものであってもよい。
更に上述の実施例2に於いては、車輌はエンジンにより後輪が駆動される後輪駆動車であるが、この実施例は前輪駆動車や四輪駆動車に適用されてもよい。
各車輪の制駆動力の制御及び左右前輪の舵角の制御により車輌の挙動を制御する挙動制御装置として構成された本発明による車輌の制御装置の実施例1を示す概略構成図である。 実施例1に於ける制御系のブロック線図である。 実施例1に於いて挙動制御用電子制御装置46により達成される車輌の挙動制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施例1に於いて舵角制御用電子制御装置34により達成される左右前輪の舵角制御ルーチンである。 実施例2に於ける制御系のブロック線図である。 実施例2に於いて挙動制御用電子制御装置46により達成される車輌の挙動制御ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
16 パワーステアリング装置
14 ステアリングホイール
24 転舵角可変装置
34 舵角制御用電子制御装置
36 制動装置
46 挙動制御用電子制御装置
50 操舵角センサ
54 横加速度センサ
56 ヨーレートセンサ
58 車速センサ
60、62FL〜62RR 圧力センサ
64FL〜64RR 車輪速度センサ
66 スロットル開度センサ
68 エンジン回転数センサ

Claims (5)

  1. 車輌状態から演算された目標ヨーモーメントを実現するように車輌の挙動を修正する車輌部材を駆動する駆動手段と、前記駆動手段を制御するための制御量を演算する演算手段と、前記制御量に基づいて前記駆動手段を制御する制御手段とを有する車輌の制御装置に於いて、前記駆動手段を適正に制御することができない前記制御装置の異常を判定する制御装置異常判定手段と、前記制御量の異常を判定する制御量異常判定手段とを有し、前記何れかの異常判定手段により異常が判定されたときには前記制御量を漸減する制御量漸減手段とを有し、前記制御量漸減手段は前記制御量異常判定手段により異常が判定されたときには前記制御装置異常判定手段により異常が判定されたときに比して前記制御量を速く漸減することを特徴とする車輌の制御装置。
  2. 前記演算手段は第一の演算手段と第二の演算手段とよりなり、前記制御量異常判定手段は前記第一及び第二の演算手段により演算された制御量を比較することにより前記制御量の異常を判定することを特徴とする請求項1に記載の車輌の制御装置。
  3. 前記制御量異常判定手段は前記制御装置異常判定手段により前記制御装置が異常であると判定されないときに前記制御量が異常であるか否かを判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌の制御装置。
  4. 前記制御装置異常判定手段は前記制御量の異常以外の要因により前記駆動手段を適正に制御することができない前記制御装置の異常を判定することを特徴とする請求項1乃至3に記載の車輌の制御装置。
  5. 前記駆動手段は操舵輪を修正操舵する修正操舵手段であり、前記制御量漸減手段は前記二つの異常判定手段の何れかにより異常が判定されたときには前記操舵輪の修正操舵量を0に漸減することを特徴とする請求項1乃至4に記載の車輌の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010208387A (ja) * 2009-03-09 2010-09-24 Honda Motor Co Ltd 車両挙動制御装置
JP2019038475A (ja) * 2017-08-28 2019-03-14 株式会社Subaru 制駆動力制御装置および自動操舵システム
CN112367829A (zh) * 2018-06-25 2021-02-12 株式会社久保田 作业车辆

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