JP4107162B2 - 車輌の走行制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌の走行制御装置に係り、更に詳細にはアンチスキッド制御及び操舵アシストトルク制御を行う走行制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車輌の走行制御装置の一つとして、例えば本願出願人の出願にかかる下記の特許文献1に記載されている如く、アンチスキッド制御中であって左右前輪の制動力差が大きいときには、操舵アシストトルクを増大補正し操舵反力の大きさを低減して車輌の偏向を容易に修正できるようにする走行制御装置が従来より知られている。
【0003】
かかる走行制御装置によれば、左右の前輪に対応する路面の摩擦係数が大きく異なる所謂またぎ路を車輌が走行するような状況に於いて、左右前輪の一方についてアンチスキッド制御が行われ、左右前輪の制動力差が大きくなり、これに起因して車輌が偏向するような状況になっても、操舵アシストトルクが増大補正され操舵反力の大きさが低減されるので、車輌の偏向を容易に修正することができる。
【特許文献1】
特開平8−183470号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上述の如き従来の走行制御装置に於いては、アンチスキッド制御中に左右前輪の制動力差が検出され、その検出結果に基づきパワーステアリング装置が制御されるため、左右前輪の制動力差が大きくなってから操舵アシストトルクが実際に増大されるまでの遅れが避けられず、そのため車輌の偏向を効果的に修正することができないという問題がある。
【0005】
また一般に、アンチスキッド制御中に左右前輪の制動力差が生じても操舵アシストトルクが不必要に補正されないよう所謂不感帯が設定されるので、この制御の不感帯も操舵アシストトルク増大の遅れの原因となる。
【0006】
本発明は、アンチスキッド制御中に於ける左右前輪の制動力差が大きいときには、操舵アシストトルクを増大補正し操舵反力の大きさを低減するよう構成された従来の走行制御装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、アンチスキッド制御の開始初期に操舵アシストトルクを一時的に大きくすることにより、操舵アシストトルクを効果的に増大させ車輌の偏向を効果的に修正し得るようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち各車輪の制動力を個別に制御する制動手段と、少なくとも操舵トルクに応じて操舵アシストトルクを付与する手段と、左右輪の制動力差に基づく補正量にて前記操舵アシストトルクを補正する操舵アシストトルク補正手段と、前記制動手段を使用してアンチスキッド制御を行う制御手段とを有し、前記制御手段は左右輪の少なくとも一方についてアンチスキッド制御が開始されてから所定の時間が経過するまで前記補正量を増大させる手段を有することを特徴とする車輌の走行制御装置によって達成される。
【0008】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記左右輪は左右前輪であり、前記制御手段は前記操舵アシストトルク補正手段により操舵アシストトルクが補正されているときにはヨーコントロール制御量を低減するよう構成される(請求項2の構成)。
【0009】
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項2の構成に於いて、前記制御手段は前記操舵アシストトルク補正手段により操舵アシストトルクが補正されているときにはヨーコントロール制御量を0に低減することによりヨーコントロール制御を禁止するよう構成される(請求項3の構成)。
【0010】
【発明の作用及び効果】
上記請求項1の構成によれば、左右輪の制動力差に基づく補正量にて操舵アシストトルクが補正されるだけでなく、左右輪の少なくとも一方についてアンチスキッド制御が開始されてから所定の時間が経過するまで操舵アシストトルクの補正量が増大されるので、左右輪の少なくとも一方についてアンチスキッド制御が開始されてから所定の時間が経過するまで左右輪の制動力差に基づく操舵アシストトルクの補正量を確実に大きくすることができ、これにより運転者はアンチスキッド制御の開始初期に車輌の偏向を修正するための操舵を容易に且つ効果的に行うことができる。
【0011】
また一般に、車輌がまたぎ路を走行するような状況に於いて左右前輪の一方についてアンチスキッド制御が実行されると、左右前輪の制動力差に起因して車輌に過剰のヨーモーメントが作用しないよう、左右前輪の他方、即ちアンチスキッド制御が行われている車輪とは左右反対側の前輪の制動圧の増大を制限するヨーコン制御が行われる場合には、左右反対側の前輪の制動圧の増大が制限されることに起因して車輌全体の制動力が不足し、車輌の制動距離が増大することが避けられない。
【0012】
上記請求項2の構成によれば、左右輪は左右前輪であり、操舵アシストトルク補正手段により操舵アシストトルクが補正されているときにはヨーコントロール制御量が低減されるので、ヨーコントロール制御量が低減されない従来の場合に比して車輌全体の制動力の不足量を低減し、これによりヨーコントロール制御に起因する車輌の制動距離の増大を確実に低減することができる。
【0013】
また上記請求項3の構成によれば、操舵アシストトルク補正手段により操舵アシストトルクが補正されているときにはヨーコントロール制御量が0に低減されることによりヨーコントロール制御が禁止されるので、ヨーコントロール制御に起因する車輌全体の制動力の不足を確実に防止し、これによりヨーコントロール制御に起因する車輌の制動距離の増大を確実に防止することができる。
【0014】
【課題解決手段の好ましい態様】
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至3の構成に於いて、制動手段は各車輪の制動圧を個別に制御することにより各車輪の制動力を個別に制御するよう構成され、操舵アシストトルク補正手段は左右前輪の制動圧の差に基づく補正量にて操舵アシストトルクを補正するよう構成される(好ましい態様1)。
【0015】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至3の構成に於いて、補正量を増大させる手段は一定の増大率にて補正量を増大させるよう構成される(好ましい態様2)。
【0016】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至3の構成に於いて、補正量を増大させる手段は所定の増大率にて補正量を増大させ、所定の増大率は車速が高いほど小さくなるよう車速に応じて可変設定されるよう構成される(好ましい態様3)。
【0017】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2の構成に於いて、アンチスキッド制御が行われている車輪とは左右反対側の前輪の制動圧の増大制限度合を低減するよう構成される(好ましい態様4)。
【0018】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2の構成に於いて、制御手段は操舵アシストトルク補正手段による操舵アシストトルクの補正が可能であるときにヨーコントロール制御量を低減するよう構成される(好ましい態様5)。
【0019】
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項3の構成に於いて、制御手段は操舵アシストトルク補正手段による操舵アシストトルクの補正が可能であるときにヨーコントロール制御を禁止するよう構成される(好ましい態様6)。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施の形態(以下単に実施形態という)について詳細に説明する。
【0021】
第一の実施形態
図1は電動式パワーステアリング装置を備えた車輌に適用された本発明による車輌用操舵制御装置の第一の実施形態を示す概略構成図である。
【0022】
図1に於いて、10FL及び10FRはそれぞれ車輌12の従動輪である左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれぞれ車輌12の駆動輪である左右の後輪を示している。操舵輪でもある左右の前輪10FL及び10FRは運転者によるステアリングホイール14の転舵に応答して駆動されるラック・アンド・ピニオン式の電動式パワーステアリング装置16によりタイロッド18L及び18Rを介して操舵される。
【0023】
図示の実施形態に於いては、電動式パワーステアリング装置16はラック同軸型の電動式パワーステアリング装置であり、電子制御装置20により制御される。電動式パワーステアリング装置16は電動機22と、電動機22の回転トルクをラックバー24の往復動方向の力に変換する例えばボールねじ式の変換機構26とを有し、ハウジング28に対し相対的にラックバー24を駆動する補助転舵力を発生することにより、運転者の操舵負担を軽減する操舵アシストトルクを発生する。
【0024】
各車輪の制動力は制動装置30の油圧回路32によりホイールシリンダ34FR、34FL、34RR、34RLの制動圧が制御されることによって制御されるようになっている。図には示されていないが、油圧回路32はリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧は通常時には運転者によるブレーキペダル36の踏み込み操作に応じて駆動されるマスタシリンダ38により制御され、また必要に応じて後に詳細に説明する如く電子制御装置40により制御される。
【0025】
車輪10FR〜10RLにはそれぞれ対応する車輪の車輪速度Vwi(i=fr、fl、rr、rl)を検出する車輪速度センサ42FR〜42RLが設けられ、車輪10FR〜10RLのホイールシリンダ34FL〜34RRにはそれぞれ対応する車輪の制動圧Pi(i=fr、fl、rr、rl)を検出する圧力センサ44FL〜44RRが設けられている。またステアリングシャフト41には操舵トルクTsを検出するトルクセンサ46が設けられ、マスタシリンダ38にはマスタシリンダ圧力Pmを検出する圧力センサ48が設けられている。更に車輌12には車速Vを検出する車速センサ50及び車輌の前後加速度Gxを検出する前後加速度センサ52が設けられている。尚トルクセンサ46は車輌の左旋回方向を正として操舵トルクTsを検出する。
【0026】
図示の如く、車輪速度センサ42FR〜42RLにより検出された車輪速度Vwiを示す信号、圧力センサ44FL〜44RRにより検出された各車輪の制動圧Piを示す信号、圧力センサ48により検出されたマスタシリンダ圧力Pmを示す信号、前後加速度センサ52により検出された車輌の前後加速度Gxを示す信号は電子制御装置40に入力される。
【0027】
またトルクセンサ46により検出された操舵トルクTsを示す信号及び車速センサ50により検出された車速Vを示す信号は電子制御装置20に入力される。尚図には詳細に示されていないが、電子制御装置20及び40は例えばCPUとROMとRAMと入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のマイクロコンピュータを含んでいる。
【0028】
電子制御装置40は、フローチャートとしては示されていないが、各車輪の車輪速度Vwiに基づき当技術分野に於いて公知の要領にて車体速度Vb及び各車輪の制動スリップ量SBi(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、何れかの車輪の制動スリップ量SBiがアンチスキッド制御(ABS制御)開始の基準値よりも大きくなり、アンチスキッド制御の開始条件が成立すると、アンチスキッド制御の終了条件が成立するまで、当該車輪について制動スリップ量が所定の範囲内になるようホイールシリンダ内の圧力を増減するアンチスキッド制御を行う。
【0029】
また電子制御装置40は、例えば車輌がまたぎ路での制動状態にあり、左右前輪の一方についてのみアンチスキッド制御が行われている状況にあるときには、左右前輪の制動力差に起因して車輌に過剰のヨーモーメントが作用しないよう、左右前輪の他方、即ちアンチスキッド制御が行われている車輪とは左右反対側の前輪の制動圧の増大を制限するヨーコントロール制御(以下ヨーコン制御と略称する)を行う。
【0030】
また電子制御装置40は、図2に示されたフローチャートに従い、少なくとも左右前輪の一方についてアンチスキッド制御が行われているときには、左右前輪の制動圧の偏差ΔPfに基づき左右前輪の制動力差に起因する車輌の偏向を是正する方向への操舵を補助すべく、左右前輪の制動圧の偏差ΔPfに基づく補正量Tamを演算し、特にアンチスキッド制御が開始された時点より所定の時間Toが経過するまで操舵アシストトルクの増大補正量Tamを大きくし、電子制御装置20と協調し得る状況にあるときには、増大補正量Tamを示す信号を電子制御装置20へ出力する。
【0031】
更に電子制御装置40は、電子制御装置20と協調し得る状況にあり増大補正量Tamを示す信号を電子制御装置20へ出力するときには、ヨーコン制御を禁止し、これによりアンチスキッド制御が実行されている車輪とは左右反対側の前輪の制動圧の増大がヨーコン制御により抑制されることに起因して車輌全体の制動力が不足することを確実に防止し、また電子制御装置20と協調し得ないときには、増大補正量Tamを示す信号を電子制御装置20へ出力することなくヨーコン制御を実行し、これにより左右前輪の制動力差に起因する車輌の偏向の虞れを低減する。
【0032】
電子制御装置20は、通常時には図3に示されたフローチャートに従い、操舵トルクTs及び車速Vに基づき運転者の操舵負担を軽減するための基本アシストトルクTabを演算し、基本アシストトルクTabに基づき電動式パワーステアリング装置16によるアシストトルクを制御する。
【0033】
また電子制御装置20は、電子制御装置40より増大補正量Tamを示す信号が入力されているときには、基本アシストトルクTabと増大補正量Tamとの和に基づき電動式パワーステアリング装置16によるアシストトルクを制御し、これにより操舵アシストトルクを増大補正し、車輌がまたぎ路を走行するような状況に於いて運転者が車輌の偏向を容易に且つ効果的に修正し得るようにする。
【0034】
次に図2に示されたフローチャートを参照して図示の第一の実施形態に於ける操舵アシストトルクの補正量演算制御について説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
【0035】
まずステップ10に於いては左右前輪の少なくとも一方についてアンチスキッド制御が実行されているか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ20に於いて操舵アシストトルクの補正量Tamが0に設定された後ステップ80へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ30へ進む。
【0036】
ステップ30に於いては左右前輪の制動力差に起因する車輌の偏向を是正する方向への操舵を補助すべく、右前輪の制動圧Pfrと左前輪の制動圧Pflとの偏差ΔPfに基づき図4に示されたグラフに対応するマップより左右前輪の制動力差に基づく操舵アシストトルクの補正量Tamが演算される。
【0037】
ステップ40に於いては左右前輪の少なくとも一方についてアンチスキッド制御が開始された時点より所定の時間To(正の定数)以内であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ50に於いてKを1よりも大きい正の一定の補正係数として操舵アシストトルクの補正量TamがK・Tamに補正された後ステップ60へ進み、否定判別が行われたときにはそのままステップ60へ進む。
【0038】
ステップ60に於いては操舵アシストトルクの補正量Tamの絶対値が送信側のガード用基準値Tama(正の定数)よりも大きいか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ70に於いて操舵アシストトルクの補正量TamがTamaに設定された後ステップ80へ進み、否定判別が行われたときにはそのままステップ80へ進む。
【0039】
ステップ80に於いては制動制御用電子制御装置40と操舵アシストトルク制御用電子制御装置20とが協調制御の許可状態にあるか否かの判別、例えばこれらの制御装置の間に於いて信号の送受信が可能であると共に、各制御装置による制御が可能であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ90に於いてヨーコン制御が禁止され、ステップ100に於いて操舵アシストトルクの補正量Tamを示す信号が操舵アシストトルク制御用電子制御装置20へ送信され、否定判別が行われたときにはステップ110に於いて操舵アシストトルクの補正量Tamを示す信号が操舵アシストトルク制御用電子制御装置20へ送信されることなくヨーコン制御が許可される。
【0040】
次に図3に示されたフローチャートを参照して図示の第一の実施形態に於ける操舵アシストトルクの制御について説明する。尚図3に示されたフローチャートによる制御も図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
【0041】
まずステップ210に於いては操舵角θsを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ220に於いては操舵トルクTに基き図5に示されたグラフに対応するマップより基本アシストトルクTab′が演算され、ステップ230に於いては車速Vに基づき図6に示されたグラフに対応するマップより車速係数Kvが演算され、ステップ240に於いては車速係数Kvと基本アシストトルクTab′との積として車速係数Kvにて補正後の基本アシストトルクTabが演算される。
【0042】
ステップ250に於いては操舵アシストトルクの補正量Tamが受信側のガード用基準値Tamp(正の定数)よりも大きいか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ260に於いて操舵アシストトルクの補正量がTampに設定された後ステップ270へ進み、否定判別が行われたときにはそのままステップ270へ進む。
【0043】
ステップ270に於いては当技術分野に於いて公知の要領にて慣性補償の如き他の操舵アシストルクTacが演算され、ステップ280に於いては最終操舵アシストトルクTaが基本アシストトルクTabと操舵アシストトルクの補正量Tamと他の操舵アシストトルクTacとの和として演算され、ステップ290に於いてはアシストトルクTaに対応する制御信号が電動機22へ出力され、これにより運転者に必要な操舵力を軽減する操舵アシストトルク制御が実行される。
【0044】
かくして図示の第一の実施形態によれば、左右前輪の何れについてもアンチスキッド制御が実行されていないときには、ステップ10に於いて否定判別が行われ、ステップ20に於いて操舵アシストトルクの補正量Tamが0に設定され、これによりステップ210〜290に於いて基本アシストトルクTab及び他の操舵アシストルクTacに基づいて操舵アシストトルクが制御される。
【0045】
これに対し左右前輪の少なくとも一方についてアンチスキッド制御が実行されているときには、ステップ10に於いて肯定判別が行われ、ステップ30に於いて左右前輪の制動力差に起因する車輌の偏向を是正する方向への操舵を補助すべく、右前輪の制動圧Pfrと左前輪の制動圧Pflとの偏差ΔPfに基づき左右前輪の制動力差に基づく操舵アシストトルクの補正量Tamが演算され、これによりステップ210〜290に於いて基本アシストトルクTab、補正量Tam、他の操舵アシストルクTacに基づいて操舵アシストトルクが制御され、左右前輪の制動力差に起因する車輌の偏向を是正する方向への操舵が補助される。
【0046】
特に図示の第一の実施形態によれば、左右前輪の少なくとも一方についてアンチスキッド制御が開始された時点より所定の時間To以内であるときには、ステップ40に於いて肯定判別が行われ、ステップ50に於いて操舵アシストトルクの補正量Tamが1よりも大きいK倍に増大されるので、左右前輪の少なくとも一方についてアンチスキッド制御が開始されてから所定の時間が経過するまで左右輪の制動力差に基づく操舵アシストトルクの補正量を確実に大きくすることができ、これにより運転者はアンチスキッド制御の開始初期に車輌の偏向を修正するための操舵を容易に且つ効果的に行うことができる。
【0047】
また図示の第一の実施形態によれば、制動制御用電子制御装置40と操舵アシストトルク制御用電子制御装置20とが協調制御の許可状態にあるときには、ステップ80に於いて肯定判別が行われ、ステップ90に於いてヨーコン制御が禁止されるので、操舵アシストトルクの増大による車輌の安定的な走行状態を確保しつつ、アンチスキッド制御が実行されている車輪とは左右反対側の前輪の制動圧の増大がヨーコン制御により抑制されることに起因して車輌全体の制動力が不足することを確実に防止し、これにより従来に比して車輌の制動距離を確実に低減することができる。
【0048】
尚制動制御用電子制御装置40と操舵アシストトルク制御用電子制御装置20とが協調制御の非許可状態にある状況に於いて、左右前輪の一方についてアンチスキッド制御が実行されるときには、ステップ80に於いて否定判別が行われ、ステップ90に於いてヨーコン制御が許可されることによりヨーコン制御が実行されるので、車輌がまたぎ路を走行するような状況に於いて左右前輪の一方についてアンチスキッド制御が行われ、左右前輪の制動力差に起因して車輌が偏向する虞れが確実に低減される。
【0049】
第二の実施形態
図7は電動式パワーステアリング装置を備えた車輌に適用された本発明による車輌用操舵制御装置の第二の実施形態に於ける操舵アシストトルクの補正量演算制御ルーチンを示すフローチャートである。尚図7に於いて図2に示されたステップと同一のステップには図2に於いて付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されている。
【0050】
この第二の実施形態に於いては、ステップ10〜80は上述の第一の実施形態の場合と同様に実行され、ステップ80に於いて否定判別が行われたときにはヨーコン制御量が低減されることなく図7に示されたルーチンによる制御を一旦終了し、肯定判別が行われたときにはステップ95に於いてヨーコン制御量が一定の低減率にて低減された後ステップ100へ進む。尚ヨーコン制御量の低減はアンチスキッド制御が行われている車輪とは左右反対側の前輪の制動圧の増大制限度合を低減することにより行われてよい。
【0051】
かくしてこの第二の実施形態によれば、制動制御用電子制御装置40と操舵アシストトルク制御用電子制御装置20とが協調制御の許可状態にあるときには、ステップ80に於いて肯定判別が行われ、ステップ95に於いてヨーコン制御量が一定の低減率にて低減されるので、左右前輪の制動力差に起因して車輌が偏向する虞れをヨーコン制御により低減すると共に車輌全体の制動力が過剰に不足することを効果的に防止しつつ、アンチスキッド制御の開始初期に車輌の偏向を修正するための操舵を容易に且つ効果的に行い得るようにすることができる。
【0052】
尚上述の第一及び第二の実施形態によれば、ステップ60及び70に於いて制動制御用電子制御装置40より操舵アシストトルク制御用電子制御装置20へ過大な操舵アシストトルクの補正量Tamを示す信号が送信されることが防止され、またステップ250及び260に於いて操舵アシストトルクの補正量Tamが過大な値になることが防止されるので、センサの検出エラーや電子制御装置間の通信エラーに起因して過大な操舵アシストトルクの補正量Tamにて操舵アシストトルクの制御が行われることを確実に防止することができる。
【0053】
以上に於いては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0054】
例えば上述の各実施形態に於いては、操舵アシストトルクの補正量Tamに対する補正係数Kは1よりも大きい正の一定の値であるが、補正係数Kは車速Vが高いほど1よりも大きい範囲にて小さくなるよう車速Vに応じて可変設定されるよう修正されてもよい。
【0055】
また上述の各実施形態に於いては、操舵アシストトルクの補正量Tamに対する補正係数Kは所定の時間Toが経過すると1に戻されるようになっているが、操舵アシストトルクの補正量Tamの増大補正量が漸次減少するよう、補正係数Kは所定の時間Toが経過すると漸次1に戻されるよう修正されてもよい。
【0056】
また上述の各実施形態に於いては、ステップ60及び70に於いて制動制御用電子制御装置40より操舵アシストトルク制御用電子制御装置20へ送信される操舵アシストトルクの補正量Tamがガード処理され、ステップ250及び260に於いて制動制御用電子制御装置40より操舵アシストトルク制御用電子制御装置20へ送信された操舵アシストトルクの補正量Tamがガード処理されるようになっているが、ステップ60及び70のガード処理若しくはステップ250及び260のガード処理が省略されてもよい。
【0057】
更に上述の各実施形態に於いては、車輌は後輪駆動車であるが、本発明が適用される車輌は前輪駆動車や四輪駆動車であってもよく、また操舵アシストトルクを任意に制御し得る限りパワーステアリング装置は当技術分野に於いて公知の任意の構成のものであってよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動式パワーステアリング装置を備えた車輌に適用された本発明による車輌用操舵制御装置の第一の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】第一の実施形態に於ける操舵アシストトルクの補正量演算制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】第一の実施形態に於ける操舵アシストトルク制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】左右前輪の制動圧の偏差ΔPfと操舵アシストトルクの補正量Tamとの間の関係を示すグラフである。
【図5】操舵トルクTsと基本アシストトルクTabとの間の関係を示すグラフである。
【図6】車速Vと車速係数Kvとの間の関係を示すグラフである。
【図7】電動式パワーステアリング装置を備えた車輌に適用された本発明による車輌用操舵制御装置の第二の実施形態に於ける操舵アシストトルクの補正量演算制御ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
14…ステアリングホイール
16…電動式パワーステアリング装置
20…電子制御装置
30…制動装置
40…電子制御装置
42FR〜42RL…車輪速度センサ
44FR〜44RL…圧力センサ
46…トルクセンサ
48…圧力センサ
50…車速センサ
52…前後加速度センサ

Claims (3)

  1. 各車輪の制動力を個別に制御する制動手段と、少なくとも操舵トルクに応じて操舵アシストトルクを付与する手段と、左右輪の制動力差に基づく補正量にて前記操舵アシストトルクを補正する操舵アシストトルク補正手段と、前記制動手段を使用してアンチスキッド制御を行う制御手段とを有し、前記制御手段は左右輪の少なくとも一方についてアンチスキッド制御が開始されてから所定の時間が経過するまで前記補正量を増大させる手段を有することを特徴とする車輌の走行制御装置。
  2. 前記左右輪は左右前輪であり、前記制御手段は前記操舵アシストトルク補正手段により操舵アシストトルクが補正されているときにはヨーコントロール制御量を低減することを特徴とする請求項1に記載の車輌の走行制御装置。
  3. 前記制御手段は前記操舵アシストトルク補正手段により操舵アシストトルクが補正されているときにはヨーコントロール制御量を0に低減することによりヨーコントロール制御を禁止することを特徴とする請求項2に記載の車輌の走行制御装置。
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