JP4506509B2 - 操舵制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ハンドルと操舵反力アクチュエータを有する操舵部と、操向輪と転舵アクチュエータを有する転舵部と、がバックアップ手段を介して機械的に分離・連結が可能とされたステアバイワイヤシステムによる操舵制御装置の技術分野に属する。
近年、ハンドルと操向輪との間の機械的な連結を解き、操舵系の一部を電気的な経路で構成する、いわゆるステアバイワイヤ(以下、「SBW」と略称する。)システムを搭載した車両用操舵制御装置が提案されている。この種のSBWシステムでは、例えば、操舵反力用のアクチュエータに異常が生じたとき等に対するフェールセーフ対策が重要である。そこで、反力用アクチュエータの異常を検出すると、反力制御部による制御を中止し、操舵部材と転舵輪との間を機械的に連結するメカバックアップ機構を作動させ、操舵制御部を操舵補助のための制御に切り替え、転舵用アクチュエータを制御し、通常の電動パワーステアリング(以下、「EPS」と略称する。)装置としての機能を実現する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−090783号公報
しかしながら、従来の操舵制御装置にあっては、SBW制御の実行中に所定の条件(システム異常時、システムチェック時、システム停止時、最大転舵角付近等)が成立したときにSBW制御からEPS制御に切り替えるようにしているが、メカバックアップ機構を連結する時には、連結指令の出力時点から連結完了までに時間を要し、EPS制御の転舵トルクに瞬時に変更されないため、SBW制御中の転舵トルクに、ドライバによるアシストトルクが加算された転舵トルクとなってしまい、連結完了後、転舵トルクが過剰になり、操向輪がドライバが意図したよりも切り込まれてしまう、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、ステアバイワイヤ制御から操舵補助制御への移行時、バックアップ手段の連結完了後における転舵トルクの増加を低減し、ドライバが意図しない操向輪の転舵を防止することができる操舵制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、
ハンドルと操舵反力アクチュエータを有する操舵部と、操向輪と転舵アクチュエータを有する転舵部と、がバックアップ手段を介して機械的に分離・連結が可能とされ、
前記バックアップ手段を切り離し、操舵状態に応じた転舵角とする前記転舵アクチュエータの制御と、転舵状態に応じた操舵反力を付与する前記操舵反力アクチュエータの制御と、によってステアバイワイヤ制御を行うステアバイワイヤ制御手段と、
前記バックアップ手段を連結し、前記操舵反力アクチュエータと前記転舵アクチュエータのうち少なくとも一方をアシスト手段として操舵補助制御を行う操舵補助制御手段と、
前記ステアバイワイヤ制御手段によるステアバイワイヤ制御中に、所定の条件が成立したら、前記操舵補助制御手段による操舵補助制御に移行する制御切替手段と、
を備えた操舵制御装置において、
前記制御切替手段は、ステアバイワイヤ制御から操舵補助制御への移行時であって、前記バックアップ手段に対する連結指令から連結完了までの間、連結完了後に前記操向輪に作用する転舵トルクの増加相当分を補正量とし、ステアバイワイヤ制御での転舵トルクを減少補正することを特徴とする。
よって、本発明の操舵制御装置にあっては、制御切替手段において、ステアバイワイヤ制御から操舵補助制御への移行時であって、バックアップ手段に対する連結指令から連結完了までの間、連結完了後に操向輪に作用する転舵トルクの増加相当分を補正量とし、ステアバイワイヤ制御での転舵トルクが減少補正される。すなわち、バックアップ手段に対する連結指令から連結完了までの制御移行過渡期における転舵トルクの減少補正により、連結完了後における操向輪に作用する転舵トルクの増加が低減され、連結指令時点でのステアバイワイヤ制御での操向輪に作用する転舵トルクと、連結完了時点での操向輪に作用する転舵トルクと、のトルク落差を小さく抑えることができる。この結果、ステアバイワイヤ制御から操舵補助制御への移行時、バックアップ手段の連結完了後における転舵トルクの増加を低減し、ドライバが意図しない操向輪の転舵を防止することができる。
以下、本発明の操舵制御装置を実施するための最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の操舵制御装置が適用されたステアバイワイヤシステム(以下、「SBWシステム」という。)を示す全体構成図、図2は実施例1の操舵制御装置におけるバックアップクラッチの一例を示す断面図、図3は実施例1の操舵制御装置の全体システムを示す制御ブロック図である。実施例1の操舵制御装置は、(1)反力装置(操舵部)、(2)バックアップ装置(バックアップ手段)、(3)転舵装置(転舵部)、(4)制御コントローラにより構成されている。以下、それぞれの構成を詳しく説明する。
(1)反力装置
反力装置は、舵角センサ1,1と、エンコーダ2と、トルクセンサ3,3(操舵トルク検出手段)と、ホールIC4と、反力モータ5(操舵反力アクチュエータ)と、を有して構成される。
前記舵角センサ1,1は、ハンドル6の操作角を検出する手段で、後述するケーブルコラム7とハンドル6とを結合するコラムシャフト8に設けられていて舵角センサ1と舵角センサ2との2つのトルクセンサにより二重系にて構成されている。つまり、舵角センサ1,1は、ハンドル6とトルクセンサ3,3との間に設置されており、トルクセンサ3,3の捩れによる角度変化の影響を受けることなく、操舵角を検出できるようになっている。この舵角センサ1,1には、アブソリュート型レゾルバ等を用いる。
前記トルクセンサ3,3は、前記舵角センサ1と反力モータ5との間に設置されていて、トルクセンサ1とトルクセンサ2との2つのトルクセンサにより二重系にて構成されている。トルクセンサ3,3は、例えば、軸方向に延在するトーションバーと、該トーションバーの一端に連結され、該トーションバーと同軸をなす第1軸と、該トーションバーの他端に連結され、該トーションバー及び第1軸と同軸を成す第2軸と、前記第1軸に固定された第1磁性体と、前記第2軸に固定された第2磁性体と、前記第1磁性体及び第2磁性体に対面するコイルと、該コイルを包囲し、前記第1磁性体及び第2磁性体と共に磁気回路を形成する第3磁性体とを有して構成される。そして、前記コイルはトーションバーに作用する捩れに基づく第1磁性体と第2磁性体との相対変位に対応してインダクタンスが変化し、該インダクタンスに基づく出力信号によりトルクを検出する。
前記反力モータ5は、ハンドル6に反力を与える操舵反力アクチュエータであり、前記コラムシャフト8を回転軸とする1ロータ・1ステータの電動モータで構成されており、そのケーシングが車体の適所に固定されている。この反力モータ5としては、ブラシレスモータが使用され、ブラシレスモータの使用に伴ってエンコーダ2とホールIC4とを追加する。その場合は、ホールIC4のみでもモータトルクを発生するモータ駆動は可能であるが、微細なトルク変動が発生し、操舵反力感が悪い。そこで、より繊細で滑らかな反力制御を行うため、コラムシャフト8の軸上にエンコーダ2を装着し、モータ制御を行うことで、微細なトルク変動を低減し、操舵反力感の向上を達成する。なお、エンコーダ2の代わりにレゾルバを用いても良い。
(2)バックアップ装置
反力装置(1)と転舵装置(3)とを機械的に分離・連結を可能とするバックアップ装置は、ケーブルコラム7とバックアップクラッチ9により構成されている。
前記ケーブルコラム7は、前記バックアップクラッチ9が締結されるバックアップモード時、反力装置(1)と転舵装置(3)との間に介在する部材との干渉を避けて迂回しながらも、トルクを伝達するコラムシャフト機能を発揮する機械式バックアップ機構である。ケーブルコラム7は、2つのリールに端部がリールに固定された2本のインナーケーブルを互いに逆方向へ巻き付け、2つのリールケースに2本のインナーケーブルを内挿したアウターチューブの両端を固定することにより構成されている。
前記バックアップクラッチ9は、転舵装置(3)側に設けられ、実施例1では電磁クラッチを用いている。図2にバックアップクラッチ9の概要図を示す。本バックアップクラッチ9は、電磁クラッチと機械クラッチとの双方を持ち合わせており、クラッチ締結においては、電磁石のONによる初期摺動を摩擦板に与え、摩擦板により機械締結部のカムを移動させ、機械的な強度による締結とする。締結解除時は、電磁石をOFFし、機械締結部のカムを入出力のどちらか一方に動かすことで解除が可能である。そして、バックアップクラッチ9を締結することで、反力装置(1)からのトルクも転舵装置(3)側からのトルクもケーブルコラム7及びバックアップクラッチ9を介して伝達可能となる。
(3)転舵装置
転舵装置は、エンコーダ10,10、舵角センサ11,11、トルクセンサ12,12、ホールIC13、転舵モータ14,14(転舵アクチュエータ)、ステアリング機構15、操向輪16,16とを有して構成される。
前記舵角センサ11,11とトルクセンサ12,12とは、前記バックアップクラッチ9が一端に取り付けられ、他端部にピニオンギヤが形成されたピニオンシャフト17の軸上に設けられている。舵角センサ11,11としては、上記舵角センサ1,1と同様に二重系を成し、シャフトの回転数を検出するアブソリュート式レゾルバ等が用いられる。また、トルクセンサ12,12としては、上記トルクセンサ3,3と同様に二重系を成し、インダクタンスの変化によりトルクを検出するものが用いられる。そして、ピニオンギヤを介して下流側に舵角センサ11,11を配置し、上流側にトルクセンサ12,12を配置することで、舵角センサ11,11による転舵角検出に際してトルクセンサ12,12の捩りによる角度変化の影響を受けないようにしている。
前記転舵モータ14,14は、前記ピニオンシャフト17上のバックアップクラッチ9とトルクセンサ12,12との中間位置に設けたウォームギヤに噛み合うピニオンギアをモータ軸に設けることで、モータ駆動時にピニオンシャフト17に転舵トルクを付与するように構成されている。この転舵モータ14,14は二重系を成し、第一転舵モータ14と第二転舵モータ14を構成するブラシレスモータとしている。また、上記反力モータ5と同様に、ブラシレスモータの使用に伴ってエンコーダ10,10とホールIC13とを追加する。
前記ステアリング機構15は、前記ピニオンシャフト17の回転により左右の操向輪16,16を転舵させる舵取り機構であって、ラックチューブ15a内に内挿され、前記ピニオンシャフト17のピニオンギヤに噛み合うラックギヤが形成されたラックシャフト15bと、この車両左右方向に延びるラックシャフト15bの両端部に結合されたタイロッド15c,15cと、一端が前記タイロッド15c,15cに結合され、他端が操向輪16,16に結合されたナックルアーム15d,15dと、を有して構成されている。
(4)制御コントローラ
制御コントローラは、電源18により処理演算等を行う2つの制御コントローラ19,19により二重系が構成されている。
前記制御コントローラ19は、図3に示すように、反力装置(1)の舵角センサ1,1、エンコーダ2、トルクセンサ3,3、ホールIC4と、転舵装置(3)のエンコーダ10,10、舵角センサ11,11、トルクセンサ12,12、ホールIC13からの検出値が入力される。
前記制御コントローラ19には故障診断部19aを有し、この故障診断部19aでは、クラッチ切り離しによるステアバイワイヤ制御(以下、「SBW制御」という。)における転舵制御と反力制御の各故障診断と、クラッチ接続による操舵補助制御である電動パワーステアリング制御(以下、「EPS制御」という。)における故障診断と、故障診断時における「SBW制御」から「EPS制御」への移行制御が診断される。
制御コントローラ19には、故障診断部19a以外に、反力指令値演算部19b、反力モータ駆動部19c、反力装置電流センサ19d、転舵指令値演算部19e、転舵モータ駆動部19f、転舵装置電流センサ19g,19g、制御コントローラ診断部19hを有する。そして、両制御コントローラ19,19は、双方向通信線20を介して互いに情報交換可能に接続されている。
なお、両制御コントローラ19,19には、ヨーレート/横Gセンサ20(車両挙動量検出手段)、車速を検出する車速センサ21、反力モータ5の温度を検出する反力モータ温度センサ22、等からのセンサ情報が入力される。
図4および図5は実施例1の操舵制御装置の制御コントローラ19,19による「SBW制御」時の転舵制御ブロック図および「SBW制御」時の転舵サーボ制御ブロック図(SBW制御時の転舵トルク制御)である。以下、図4および図5に基づき、実施例1での「SBW制御」時の転舵制御と「SBW制御」から「EPS制御」への移行時における転舵トルク補正制御を説明する。
「SBW制御」時の転舵制御は、図4に示すように、ハンドル6の実操舵角θhに車速等に応じて設定されるギヤ比Gを乗算した目標転舵角θtと、転舵モータ14の回転角から求めた実転舵角θpとの偏差から転舵トルクに変換し、リミッタ処理を施してモータ制御指令値とする。そして、図5に示すように、フィードフォワード制御+フィードバック制御+ロバスト補償による転舵サーボ制御により、モータ制御指令値から指令電流を求め、転舵モータ14を駆動する。
そして、「SBW制御」から「EPS制御」への移行時における転舵トルク補正制御は、図4の転舵制御ブロック図において、クラッチ作動時間(締結指令から締結完了までの時間)にONとなる第1スイッチSW1にて、転舵トルク補正値ΔTを減算することで行う。
ここで、「転舵トルク補正値ΔT」は、転舵トルク補正基準値ΔTOに軸力変化ゲインGdFと操舵角速度ゲインGdθと車両挙動量ゲインGdYとを掛け合わせることで求められる。
図6および図7は実施例1の操舵制御装置の制御コントローラ19,19による「SBW制御」時の反力制御ブロック図および「SBW制御」時の反力サーボ制御ブロック図(SBW制御時の操舵反力制御)である。以下、図6および図7に基づき、実施例1での「SBW制御」時の反力制御と「EPS制御」移行時における反力制御を説明する。
「SBW制御」時の反力制御は、図6に示すように、ハンドル6の実操舵角θhにゲインKaを掛けた値と、実操舵角速度dθh/dtにゲインKsを掛けた値と、を足し合わせて操向輪16,16の転舵状態に応じた操舵反力トルクを設定し、リミッタ処理を施してモータ制御指令値とする。そして、図7に示すように、フィードフォワード制御+フィードバック制御+ロバスト補償による反力サーボ制御により、モータ制御指令値から指令電流を求め、反力モータ5を駆動する。
そして、「EPS制御」移行時における反力制御は、図6の反力制御ブロック図において、クラッチON確認によりONとなる第1スイッチSW1にて、「EPS制御」時の反力トルク値(ゼロもしくは操舵トルク方向と同一方向のトルク)とすることで行う。
図8および図9は実施例1の操舵制御装置の制御コントローラ19,19による「EPS制御」時の転舵制御ブロック図および「EPS制御」時の転舵サーボ制御ブロック図(EPS制御時のアシストトルク制御)である。以下、図8および図9に基づき、実施例1での「EPS制御」時の転舵制御を説明する。
「EPS制御」時の転舵制御では、図8に示すように、ハンドル6に入力される操舵トルクThとゲインマップとにより操舵アシストトルクTaを設定し、リミッタ処理を施してモータ制御指令値とする。そして、図9に示すように、フィードフォワード制御+フィードバック制御+ロバスト補償による転舵サーボ制御により、モータ制御指令値から指令電流を求め、転舵モータ14を駆動する。
次に、作用を説明する。
[切替制御処理]
図10は実施例1の制御コントローラ19,19にて実行される切替制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この処理は、所定の制御周期(例えば、10msec)で実行される(切替制御手段)。
ステップS1では、ステアバイワイヤシステムの制御状態を確認し、ステップS2へ移行する。
ステップS2では、ステップS1でのシステム状態確認に続き、ステアバイワイヤシステムが異常であるか否かを判断し、システム正常である場合にはステップS3へ移行し、「EPS制御」を維持できるレベルのシステム異常等においてはステップS5へ移行し、「EPS制御」を維持できないシステム失陥である場合にはステップS13へ移行する。
すなわち、このステップS2では、「SBW制御」状態を確認し、状態遷移を行うための判断を行う。その判断は、システムチェックとして行うための状態遷移と、システム異常状態の回避を行うための状態遷移になる。正常な場合、システム起動後は「SBW制御」として動作しており、「EPS制御」への状態移行はバックアップ機構チェックを行う際に必要になる。それ以外では、「SBW制御」時のシステム異常において、「SBW制御」からマニュアルステア(制御停止)への急激なシステムダウンの回避するため、「SBW制御」から「EPS制御」へ移行する際に必要になる。
ステップS3では、ステップS2でシステム正常であるとの判断に続き、バックアップクラッチ9の締結解放(OFF)を確認し、ステップS4へ移行する。
ステップS4では、ステップS3でのクラッチOFF確認に続き、転舵トルク制御と操舵反力制御による通常の「SBW制御」が実行され、ステップS15へ移行する。
ステップS5では、ステップS2でEPS制御へ移行する所定の条件(システム異常時、システムチェック時、システム停止時、最大転舵角付近等)が成立するとの判断に続き、「SBW制御」から「EPS制御」への制御移行時か否かが判断され、YESの場合はステップS6へ移行し、NOの場合はステップS12へ移行する。
このステップS5に進むと、まず、バックアップクラッチ9に対して締結指令が出力されると共に、ステップS6〜ステップS10による転舵トルク補正制御と、ステップS11による操舵反力制御と、による「SBW制御」から「EPS制御」への切替制御を経過し、「EPS制御」へ移行する。
ステップS6では、ステップS5での「SBW制御」から「EPS制御」への制御移行時であるとの判断に続き、転舵トルク補正のための入力情報である、操舵トルク、操舵角速度、ラック軸力変化、ヨーレート、横Gが読み込まれ、ステップS7へ移行する。
ステップS7では、ステップS6での転舵トルク補正のための入力情報の読み込みに続き、転舵トルク補正値ΔTを算出し、ステップS8へ移行する(転舵トルク補正値設定部)。
ここで、転舵トルク補正値ΔTは、転舵トルク補正基準値ΔTOに軸力変化ゲインGdFと操舵角速度ゲインGdθと車両挙動量ゲインGdYとを掛け合わせた、
ΔT=ΔTO×GdF×Gdθ×GdY
の式により求められる。各値の算出について説明する。
・転舵トルク補正基準値ΔTO(図11)
バックアップクラッチ9の締結過渡期に減算される転舵トルク補正値ΔTの転舵トルク補正基準値ΔTOは、操舵トルクThを図11に示す転舵トルク補正値マップに照合することで求められる。この転舵トルク補正値マップは、操舵トルクThが右切り側または左切り側に大きいほど大きな値とする特性として設定している。つまり、ドライバがハンドル6を介して入力する操舵トルクThが大きいほど、転舵トルク補正基準値ΔTOは大きな値で与えられる。
・軸力変化ゲインGdF(図12)
転舵トルク補正基準値ΔTOを調整する軸力変化ゲインGdFは、図12に示すように、ラック軸力変化dF/dtの軸力方向が+方向時(増加時)の場合には、増加するほど1より小さな値で与え、ラック軸力変化dF/dtの軸力方向が−方向時(減少時)の場合には、減少するほど1より大な値で与える。
・舵角速度ゲインGdθ(図13)
転舵トルク補正基準値ΔTOを調整する舵角速度ゲインGdθは、図13に示すように、操舵角速度dθh/dtが設定値以下の領域では1の値で与え、操舵角速度dθh/dtが設定値を超えると、操舵角速度dθh/dtが大きいほど1より小さい値で与える。
・車両挙動量ゲインGdY(図14)
転舵トルク補正基準値ΔTOを調整する車両挙動量ゲインGdYは、図14に示すように、ヨーレートまたは横Gが設定値以下の領域では1の値で与え、ヨーレートまたは横Gが設定値を超えると、ヨーレートまたは横Gが大きいほど1より大きい値で与える。
ステップS8では、ステップS7での転舵トルク補正値ΔTの算出に続き、算出された転舵トルク補正値ΔTを出力し、ステップS9へ移行する。
ここで、転舵トルク補正値ΔTを出力するとは、図4に示すように、「SBW制御」での転舵トルク指令値から転舵トルク補正値ΔTを減算することであり、転舵トルク補正値ΔTは、「SBW制御」の転舵トルク減少補正値と言い換えることができる。
ステップS9では、ステップS8での転舵トルク補正値ΔTの出力に続き、バックアップクラッチ9が完全に締結されたか否かを確認し、YESの場合はステップS10へ移行し、NOの場合はステップS8へ戻る。
ステップS10では、ステップS9でのバックアップクラッチ9の完全締結確認に続き、転舵トルク補正値ΔTをゼロに書き換え、ステップS11へ移行する。
ここで、バックアップクラッチ9の完全締結後、転舵トルク補正値ΔTをゼロに書き換えるとは、図8に示すように、転舵モータ14をアシスト手段とする「EPS制御」時の転舵トルク(操舵アシストトルク)に移行することを意味する。
ステップS11では、ステップS10での転舵トルク補正値ΔTのゼロ書き換えに続き、「EPS制御」時の反力トルク値を出力し、ステップS12へ移行する。
ここで、「EPS制御」時の反力トルク値を出力するとは、図6に示すように、バックアップクラッチ9の完全締結後、「EPS制御」への移行を目指し、操舵反力トルクをゼロにするか(通常の操舵反力制御停止)、または、反力付与方向とは逆方向の操舵アシスト方向にトルクを付与すること(反力モータ5と転舵モータ14をアシスト手段とする)、をいう。
ステップS12では、ステップS11でのEPS制御時の反力トルク値出力に続き、バックアップクラッチ9を締結し、反力モータ5と転舵モータ14のうち少なくとも一方をアシスト手段とする操舵補助制御である「EPS制御」を実行する。
このEPS制御は、図8に示す制御ブロックにて求められた操舵アシストトルクTaを、転舵モータ14のみにて負担するか、転舵モータ14と反力モータ5にて分担するか、さらには、転舵モータ14が故障モードである場合には、反力モータ5のみにて負担することで行われる。
ステップS13では、ステップS2でのシステム失陥等の判断に基づき、「SBW制御」及び「EPS制御」が共に停止とされ、ステップS14へ移行する。
ステップS14では、ステップS13での制御停止に続き、バックアップクラッチ9を締結する指令が出力される。
なお、バックアップクラッチ9は、電源ONにて解放し、電源OFFにて締結するクラッチが用いられ、断線等により電源OFFとなった場合もバックアップクラッチ9を締結し、操舵アシストは無いが、ドライバの操作力のみによって操舵を行うマニュアルステアリングを確保するようにしている。
ステップS15では、ステップS4またはステップS12またはステップS14に続き、ステアバイワイヤシステムOFF(例えば、イグニッションOFF)か否かを判断し、NOの場合はステップS1へ戻り、YESの場合はエンドへ移行する。
[制御移行作用]
システム正常時、図10のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進み、ステップS3では、バックアップクラッチ9の締結解放による反力装置(1)と転舵装置(3)との機械的分離を確認し、ステップS4では、ハンドル6への操舵状態に応じて転舵装置(3)に転舵トルクを付与する制御指令を転舵モータ14に出力する転舵トルク制御と、操向輪16,16の転舵状態に応じて反力装置(1)により操舵反力トルクを付与する制御指令を反力モータ5に出力する操舵反力制御と、を行う「SBW制御」が実行される。
そして、「SBW制御」中にシステム異常等と診断されたら、図10のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS5→ステップS6→ステップS7へと進み、ステップS5にてバックアップクラッチ9に対し締結指令の出力が開始されてからステップS9にてバックアップクラッチ9の締結完了が確認されるまでの間、締結完了後に操向輪16,16に作用する転舵トルクの増加相当分を補正量とし、「SBW制御」での転舵トルクを減少補正する転舵トルク補正制御が実行される。
そして、ステップS9にてバックアップクラッチ9の締結完了が確認されると、図10のフローチャートにおいて、ステップS9から、ステップS10→ステップS11→ステップS12へと進み、ステップS10での転舵トルク補正制御の停止、および、ステップS11での「EPS制御」での操舵反力制御を経過し、ステップS12では、転舵モータ14をアシスト手段とする「EPS制御」が開始される。その後、ステップS12からは、ステップS15→ステップS1→ステップS2→ステップS5→ステップS12へと進む流れが繰り返され、「EPS制御」が維持される。
そして、「SBW制御」中や「EPS制御」中において、システム失陥等を生じた場合は、図10のフローチャートにおいて、ステップS1ステップS2からステップS13→ステップS14へと進み、ステップS13では「SBW制御」や「EPS制御」が停止され、ステップS14ではバックアップクラッチ9が締結され、マニュアルステアリングに切り替えられる。なお、「SBW制御」中にシステム失陥等を生じた場合は、「EPS制御」を経過し、先にバックアップクラッチ9を締結してマニュアルステアリングに移行しても良い。
[「SBW制御」→「EPS制御」時の転舵トルク補正制御作用]
従来、「SBW制御」から「EPS制御」への移行時であって、メカバックアップ機構を連結する時には、連結指令の出力時点から連結完了までに時間を要する。すなわち、メカバックアップ機構としてバックアップクラッチを用いた場合、入出力軸の締結までに機械的・電気的な固有時定数を持ち、締結指示から締結完了までには、固有時定数により決まる所定時間を要する。
このように、「SBW制御」から「EPS制御」への移行時、「EPS制御」の転舵トルクに瞬時に変更されないし、図15に示すように、「SBW制御」から「EPS制御」への移行時においては、反力部と転舵部とのトルク方向が、ステアリング操作方向とラック回転方向に対して逆となる。そして、従来は、バックアップクラッチの締結指示から締結完了までは、「SBW制御」中の転舵トルクをそのまま維持するようにしている。
このため、転舵トルクについては、図16における従来のタイヤに作用する転舵トルク特性(細線特性)に示すように、バックアップクラッチによる連結完了後、「SBW制御」中の転舵トルクに、ドライバによるアシストトルクが加算された転舵トルクとなってしまい、メカ連結完了後、転舵トルクが過剰になり、操向輪がドライバが意図したよりも切り込まれてしまう。
これに対し、実施例1の操舵制御装置では、「SBW制御」から「EPS制御」への移行時、転舵トルク制御側では、上記のように、バックアップクラッチ9に対し締結指令の出力が開始されてから締結完了が確認されるまでの間、締結完了後に操向輪16,16に作用する転舵トルクの増加相当分(操舵トルク分等)を補正量とし、「SBW制御」での転舵トルクを減少補正する転舵トルク補正制御を実行し、バックアップクラッチ9の締結が完了すると、その後は、「EPS制御」での操舵アシストトルクTaを与えるようにしている。
このため、本発明実施例1では、図16における転舵トルク指令値特性(点線特性)に示すように、「EPS制御」への移行指示時点から指令値の低下を開始し、メカ連結時点から「EPS制御」での操舵アシストトルクTaに繋ぐようになり、図16における本発明のタイヤに作用する転舵トルク特性(太実線)に示すように、メカ連結時点での転舵トルクは、操舵トルク分の増加が低減され、「EPS制御」への移行指示時点での操向輪16,16に作用する「SBW制御」での転舵トルクと、メカ連結時点での操向輪16,16に作用する転舵トルクと、のトルク落差を小さく抑えることができる。
したがって、「SBW制御」から「EPS制御」への移行時、バックアップクラッチ9の連結完了後における転舵トルクの増加を低減し、ドライバが意図しない操向輪16,16の転舵を防止することができる。
そして、この転舵トルク補正値ΔTは、操舵トルクThに対する転舵トルク補正基準値ΔTOにて与えることで、操舵トルク分の増加量の相殺がなされ、操向輪16,16に作用する転舵トルクが、「EPS制御」への移行指示時点とメカ連結時点とでほぼ同じになるように確保している。そして、軸力変化ゲインGdFと操舵角速度ゲインGdθと車両挙動量ゲインGdYδを、「EPS制御」への移行後、ドライバによる切り込み易さ(転舵トルク低減補正量小)や切り込み難さ(転舵トルク低減補正量大)の調整に用いるようにしている。
[「SBW制御」→「EPS制御」時の反力トルク制御作用]
一方、反力トルクについては、従来、「SBW制御」から「EPS制御」への移行時、反力制御を中止するようにしているため、転舵トルクの過剰により反力トルク抜けとなってしまい、図17における従来のハンドルに発生する反力特性(細線特性)に示すように、バックアップクラッチによる連結完了後、反力トルクが低下し、反力抜け感をドライバに与えてしまう。
これに対し、実施例1の操舵制御装置では、「SBW制御」から「EPS制御」への移行時、反力制御側では、上記のように、バックアップクラッチ9に対する締結完了が確認されると、反力トルクをゼロ、または、反力モータのトルクを反転し、操舵トルク方向に小さいトルクにて与えるようにしている。
このため、本発明実施例1では、図17における本発明におけるハンドルに発生する反力特性(太実線特性)に示すように、反力トルク特性はメカ連結の前後で滑らかに繋がる特性を示し、反力制御を早めに中止させることでの反力抜け感や、反力制御の中止がメカ連結より遅れた時点でなされることによる反力ショックの発生を防止することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の操舵制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) ハンドル6と反力モータ5を有する操舵部と、操向輪16,16と転舵モータ14を有する転舵部と、がバックアップクラッチ9を介して機械的に分離・連結が可能とされ、前記バックアップクラッチ9を切り離し、操舵状態に応じた転舵角とする前記転舵モータ14の制御と、転舵状態に応じた操舵反力を付与する前記反力モータ5の制御と、によって「SBW制御」を行うSBW制御手段と、前記バックアップクラッチ9を連結し、前記反力モータ5と前記転舵モータ14のうち少なくとも一方をアシスト手段として「EPS制御」を行うEPS制御手段と、「SBW制御」中に、所定の条件が成立したら、「EPS制御」に移行する制御切替手段と、を備えた操舵制御装置において、前記制御切替手段は、「SBW制御」から「EPS制御」への移行時であって、前記バックアップクラッチ9に対する連結指令から連結完了までの間、連結完了後に前記操向輪16,16に作用する転舵トルクの増加相当分を補正量とし、「SBW制御」での転舵トルクを減少補正するため、「SBW制御」から「EPS制御」への移行時、バックアップクラッチ9の連結完了後における転舵トルクの増加を低減し、ドライバが意図しない操向輪の転舵を防止することができる。
(2) 前記操舵部に入力される操舵トルクThを検出する反力装置トルクセンサ3を設け、前記制御切替手段は、操舵トルクThが大きいほど、転舵トルク減少補正値を大きく設定する転舵トルク補正値設定部を有するため、バックアップクラッチ9の連結完了後における操舵トルク分の転舵トルク増加量を抑制し、バックアップクラッチ9の連結完了時点における操向輪16,16に作用する転舵トルクが、バックアップクラッチ9に対する連結指令時点における転舵トルクにほぼ一致する最適な転舵トルク減少補正を行うことができる。
(3) 前記転舵部のラック軸力変化dθh/dtを検出するラック軸力変化検出手段を設け、前記転舵トルク補正値設定部は、ラック軸力変化dθh/dtが転舵トルクを増加させる方向であるほど、転舵トルク減少補正値を小さくし、ラック軸力変化dθh/dtが転舵トルクを減少させる方向であるほど、転舵トルク減少補正値を大きくするため、外乱による転舵トルクの増加側でより転舵し易くでき、外乱による転舵トルクの減少側でドライバの意図しない転舵を防止することができる。
(4) 前記操舵部の操舵角速度dθh/dtを検出する操舵角速度検出手段を設け、前記転舵トルク補正値設定部は、操舵角速度dθh/dtが大きいほど、転舵トルク減少補正値を小さくするため、操舵速度が速い場合には、ドライバの操舵応答要求に応じて転舵し易くすることができる。
(5) 車両挙動量(ヨーレートまたは横G)を検出する車両挙動量検出手段を設け、前記転舵トルク補正値設定部は、前記車両挙動量検出値が高いほど、転舵トルク減少補正値を大きくするため、ヨーレートや横Gが大きい場合に、ドライバの意図を超えた転舵が防止されることで、車両挙動の安定性を確保することができる。
(6) 前記制御切替手段は、前記バックアップクラッチ9の連結完了後、前記操舵反力をゼロ、または、操舵トルクと同一方向にトルクを発生させる操舵反力制御を行うため、バックアップクラッチ9の連結完了後における反力抜け感の発生や反力ショックの発生が防止され、ドライバに対する操舵違和感を解消することができる。
以上、本発明の操舵制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、制御切替手段は、「SBW制御」から「EPS制御」への移行時であって、バックアップクラッチに対する連結指令から連結完了までの間、操舵トルクが大きいほど、「SBW制御」での転舵トルクを減少補正する例を示した。しかし、例えば、操舵角や操舵角速度や路面摩擦係数等によって連結完了後に操向輪に作用する転舵トルクの増加相当分を推定し、これを補正量として「SBW制御」での転舵トルクを減少補正するものであっても良い。要するに、「SBW制御」から「EPS制御」への移行時であって、バックアップ手段に対する連結指令から連結完了までの間、連結完了後に操向輪に作用する転舵トルクの増加相当分を補正量とし、「SBW制御」での転舵トルクを減少補正するものであれば本発明に含まれる。
実施例1では、ラック軸力変化、操舵角速度、車両挙動量によるゲイン調整により転舵トルク減少補正値を決定する例を示したが、実施例1で示した以外の状態量に基づき、転舵トルク減少補正値を決定するようにしても良いし、また、ゲイン調整等を行うことなく、操舵トルクに対して予め決められた特性(図11)のみにしたがって転舵トルク減少補正値を一義的に与えるようにしても良い。
実施例1では、バックアップクラッチによる機械的連結が完了した後、操舵反力トルクをゼロまたは操舵トルク方向に残す例を示したが、残すトルクとしては、バックアップ手段のイナーシャ分トルク等としても良く、この場合、「SBW制御」中に最大転舵角付近に達することで「EPS制御」へ移行する場合、ハンドル戻し操作により転舵角が最大転舵角付近から外れ、「EPS制御」から「SBW制御」へ復帰する際、反力トルク発生の応答性を確保することができる。
実施例1では、ケーブルコラムとバックアップクラッチとをバックアップ手段とするステアバイワイヤシステムに適用した操舵制御装置の例を示したが、操舵部と転舵部と機械的に分離・連結が可能とされるバックアップ手段を備えたシステムであれば、実施例1以外のステアバイワイヤシステムにも適用することができる。
実施例1の操舵制御装置が適用されたステアバイワイヤシステムを示す全体構成図である。 実施例1の操舵制御装置が適用されたステアバイワイヤシステムで用いられるバックアップクラッチの位置例を示す概要図である。 実施例1の操舵制御装置においてSBW制御に用いる制御構成を示す制御ブロック図である。 実施例1の操舵制御装置の制御コントローラによる「SBW制御」時の転舵制御ブロック図である。 実施例1の操舵制御装置の制御コントローラによるSBW制御」時の転舵サーボ制御ブロック図である。 実施例1の操舵制御装置の制御コントローラによる「SBW制御」時の反力制御ブロック図である。 実施例1の操舵制御装置の制御コントローラによる「SBW制御」時の反力サーボ制御ブロック図である。 実施例1の操舵制御装置の制御コントローラによる「EPS制御」時の転舵制御ブロック図である。 実施例1の操舵制御装置の制御コントローラによる「EPS制御」時の転舵サーボ制御ブロック図である。 実施例1の制御コントローラにて実行される切替制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の転舵トルク補正制御で用いられる操舵トルクに対する転舵トルク補正値マップを示す特性図である。 実施例1の転舵トルク補正制御で用いられるラック軸力変化に対する軸力変化ゲイン特性図である。 実施例1の転舵トルク補正制御で用いられる操舵角速度に対する操舵角速度ゲイン特性図である。 実施例1の転舵トルク補正制御で用いられる車両挙動量に対する車両挙動量ゲイン特性図である。 実施例1の「SBW制御」から「EPS制御」への移行時におけるトルクの向きを示した作用説明図である。 「SBW制御」から「EPS制御」への移行時における従来の転舵トルク制御と実施例1の転舵トルク補正制御との比較を示すタイムチャートである。 「SBW制御」から「EPS制御」への移行時における従来の反力トルク制御と実施例1の反力トルク制御との比較を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 舵角センサ
2 エンコーダ
3 トルクセンサ(操舵トルク検出手段)
4 ホールIC
5 反力モータ(操舵反力アクチュエータ)
6 ハンドル
7 ケーブルコラム(バックアップ手段)
8 コラムシャフト
9 バックアップクラッチ(バックアップ手段)
10 エンコーダ
11 舵角センサ
12 トルクセンサ
13 ホールIC
14 転舵モータ(転舵アクチュエータ)
15 ステアリング機構
16,16 操向輪
17 ピニオンシャフト
18 電源
19 制御コントローラ
20 ヨーレート/横Gセンサ(車両挙動量検出手段)
21 車速センサ
22 反力モータ温度センサ

Claims (7)

  1. ハンドルと操舵反力アクチュエータを有する操舵部と、操向輪と転舵アクチュエータを有する転舵部と、がバックアップ手段を介して機械的に分離・連結が可能とされ、
    前記バックアップ手段を切り離し、操舵状態に応じた転舵角とする前記転舵アクチュエータの制御と、転舵状態に応じた操舵反力を付与する前記操舵反力アクチュエータの制御と、によってステアバイワイヤ制御を行うステアバイワイヤ制御手段と、
    前記バックアップ手段を連結し、前記操舵反力アクチュエータと前記転舵アクチュエータのうち少なくとも一方をアシスト手段として操舵補助制御を行う操舵補助制御手段と、
    前記ステアバイワイヤ制御手段によるステアバイワイヤ制御中に、所定の条件が成立したら、前記操舵補助制御手段による操舵補助制御に移行する制御切替手段と、
    を備えた操舵制御装置において、
    前記制御切替手段は、ステアバイワイヤ制御から操舵補助制御への移行時であって、前記バックアップ手段に対する連結指令から連結完了までの間、連結完了後に前記操向輪に作用する転舵トルクの増加相当分を補正量とし、ステアバイワイヤ制御での転舵トルクを減少補正することを特徴とする操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載された操舵制御装置において、
    前記操舵部に入力される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段を設け、
    前記制御切替手段は、前記操舵トルク検出値が大きいほど、転舵トルク減少補正値を大きく設定する転舵トルク補正値設定部を有することを特徴とする操舵制御装置。
  3. 請求項2に記載された操舵制御装置において、
    前記転舵部のラック軸力変化を検出するラック軸力変化検出手段を設け、
    前記転舵トルク補正値設定部は、前記ラック軸力変化が転舵トルクを増加させる方向であるほど、転舵トルク減少補正値を小さくし、前記ラック軸力変化が転舵トルクを減少させる方向であるほど、転舵トルク減少補正値を大きくすることを特徴とする操舵制御装置。
  4. 請求項2または3に記載された操舵制御装置において、
    前記操舵部の操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段を設け、
    前記転舵トルク補正値設定部は、前記操舵角速度検出値が大きいほど、転舵トルク減少補正値を小さくすることを特徴とする操舵制御装置。
  5. 請求項2乃至4の何れか1項に記載された操舵制御装置において、
    車両挙動量を検出する車両挙動量検出手段を設け、
    前記転舵トルク補正値設定部は、前記車両挙動量検出値が高いほど、転舵トルク減少補正値を大きくすることを特徴とする操舵制御装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載された操舵制御装置において、
    前記制御切替手段は、前記バックアップ手段の連結完了後、前記操舵反力をゼロ、または、操舵トルクと同一方向にトルクを発生させる操舵反力制御を行うことを特徴とする操舵制御装置。
  7. ハンドルと操舵反力アクチュエータを有する操舵部と、操向輪と転舵アクチュエータを有する転舵部と、がバックアップ手段を介して機械的に分離・連結が可能とされ、
    前記バックアップ手段を切り離し、操舵状態に応じた転舵角とする前記転舵アクチュエータの制御と、転舵状態に応じた操舵反力を付与する前記操舵反力アクチュエータの制御と、によってステアバイワイヤ制御を行い、
    前記バックアップ手段を連結し、前記操舵反力アクチュエータと前記転舵アクチュエータのうち少なくとも一方をアシスト手段として操舵補助制御を行い、
    ステアバイワイヤ制御中に、所定の条件が成立したら、操舵補助制御に移行する操舵制御装置において、
    ステアバイワイヤ制御から操舵補助制御への移行時であって、前記バックアップ手段に対する連結指令から連結完了までの間、連結完了後に前記操向輪に作用する転舵トルクの増加相当分を補正量とし、ステアバイワイヤ制御での転舵トルクを減少補正することを特徴とする操舵制御装置。
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