JP5282889B2 - 車両の操舵制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、運転者によって操作される操舵ハンドルと、この操舵ハンドルの操作に対して所定の力を付与する力付与手段と、この力付与手段の作動を制御する作動制御手段とを備えた車両の操舵制御装置に関する。
従来から、例えば、下記特許文献1に示した車両用操舵装置は知られている。この従来の車両用操舵装置は、車両進行方向道路の車線を検知し、この車線に沿って車両を走行させるように自動的に操舵を制御するレーンキープアシスト制御部と、車両のヨーレートに応じて操舵反力を制御するヨーレート反力制御部とを備えている。そして、この車両用操舵装置は、ヨーレート反力制御部が作動している通常制御モードからレーンキープアシスト制御部を作動させるレーンキープアシスト制御モードに移行するときには、操舵フィーリングに違和感を生じないように移行モードを設定するようになっている。この移行モードにおいては、ヨーレート反力制御部によって出力されるヨーレート反力目標電流を時間経過に伴って徐々に低減させていくとともに、レーンキープアシスト制御部から出力されるレーンキープアシスト目標電流を時間経過に伴って徐々に増加させていくようになっている。
また、従来から、例えば、下記特許文献2に示した車両の操舵装置も知られている。この従来の車両の操舵装置は、前輪の操舵時に車両に発生するヨーレートを目標値に制御する状態フィードバック制御と他の第2の制御則とを切り換えるときに、車両に発生するショックを軽減するための制御切換手段を備えている。そして、この制御切換手段は、制御量の変化の最大値を小さく規制して、制御を切り換えるようになっている。
ところで、上記従来の各装置においては、各制御内容の切り替えに際して、瞬時の切り替えや変動幅の大きな切り替えを行わないようにして、違和感を覚えないようにしている。しかし、特に、操舵ハンドルの操作に対して付与する力を切り換える場合には、特許文献1に示された装置のように切り替え前の制御による操舵反力を減少させる、あるいは、特許文献2に示された装置のように操舵反力をその変化の最大値を規制して減少させるために時間が必要となる。このため、切り替え後の制御を実行するときには、時間的な遅れが生じており、操舵ハンドルの操作に対して適切なタイミングにより力を付与できない可能性がある。したがって、制御内容の切り替えて操舵ハンドルの操作に対して力を付与する場合には、運転者が違和感を覚えることないことはいうまでもなく、速やかに制御内容が切り替えられることが望まれている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、運転者が違和感を覚えることなく速やかに操舵ハンドルの操作に対して付与する力を切り換えることができる車両の操舵制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、運転者によって操作される操舵ハンドルと、この操舵ハンドルの操作に対して所定の力を付与する力付与手段と、この力付与手段の作動を制御する作動制御手段とを備えた車両の操舵制御装置において、前記作動制御手段を、車両の走行挙動を制御する装置から出力されて、前記車両の走行挙動を修正するための前記操舵ハンドルの操作に対して第1の力を付与するための第1制御量を入力する第1制御量入力手段と、前記操舵ハンドルに対して運転者により入力される操作力を軽減する、または、前記操作力に抗する第2の力を前記操舵ハンドルの操作に対して付与するための第2制御量を演算する第2制御量演算手段と、前記第1制御量入力手段によって入力された第1制御量の大きさが増大することに伴って減少し、前記入力された第1制御量の大きさが減少することに伴って増大して、前記第2制御量演算手段によって演算された第2制御量の大きさを変更するためのゲインを演算するゲイン演算手段と、前記ゲイン演算手段によって演算された前記ゲインによって減少している第2制御量の大きさが予め設定された所定の許容値よりも小さくなったときに、前記ゲインによって変更された第2制御量の出力を禁止するとともに前記第1制御量の出力を許容し、前記ゲインによって増加している第2制御量の大きさが前記所定の許容値よりも小さいときに、前記ゲインによって変更された第2制御量の出力を許容するとともに前記第1制御量の出力を禁止する調停手段と、前記調停手段によって出力が許容された前記第1制御量または前記ゲインによって変更された第2制御量を用いて前記力付与手段を作動させる作動手段とで構成したことにある。この場合、前記第2制御量は、例えば、前記ゲイン演算手段によって演算された前記ゲインが乗算されることにより、大きさが変更されるとよい。
また、前記作動制御手段は、さらに、前記第1制御量入力手段によって入力された第1制御量の大きさと予め設定された所定の判定値の大きさとを比較し、前記第1制御量の大きさが前記所定の判定値よりも大きいときに、前記演算されたゲインによって変更された第2制御量を出力することよりも前記第1制御量を優先して出力するための調停が必要であると判定する調停判定手段を備えており、前記調停手段は、前記調停判定手段によって前記調停が必要であると判定され、かつ、前記ゲインによって減少している第2制御量の大きさが予め設定された所定の許容値よりも小さいときに、前記ゲインによって変更された第2制御量の出力を禁止するとともに前記第1制御量の出力を許容し、前記調停判定手段によって前記調停が必要でないと判定され、かつ、前記ゲインによって増加している第2制御量の大きさが前記所定の許容値よりも小さいときに、前記ゲインによって変更された第2制御量の出力を許容するとともに前記第1制御量の出力を禁止するとよい。
この場合において、前記車両の走行挙動を制御する装置は、前記第1制御量を出力するとともに、この第1制御量を出力することを要求する要求情報を出力するものであり、前記調停判定手段は、前記第1制御量入力手段によって入力された第1制御量の大きさが前記所定の判定値よりも大きいとき、または、前記第1制御量入力手段によって前記要求情報が入力されているときに、前記ゲインによって変更された第2制御量を出力することよりも前記第1制御量を優先して出力するための調停が必要であると判定するとよい。
また、前記車両の走行挙動を制御する装置は、例えば、車両の制動または駆動に伴って発生した挙動の乱れを修正して車両の走行姿勢を安定させる挙動制御装置および車両前方の道路形状に沿って車両を走行させるために運転者による前記操舵ハンドルの操作を支援するレーンキープアシスト装置のうちの少なくとも一つの装置であるとよい。
そして、この場合、前記第1制御量は、前記挙動制御装置から出力されて車両に発生した前記挙動の乱れを修正するための前記操舵ハンドルの操作に対して力を付与するための制御量と、前記レーンキープアシスト装置から出力されて前記操舵ハンドルの操作を支援する力を前記操舵ハンドルの操作に対して付与するための制御量との和であるとよい。
さらに、前記第2制御量演算手段は、例えば、前記操舵ハンドルの操作方向における振動と車両に発生したヨーイングの振動とが互いに逆相により共振することを抑制する前記第2の力を前記操舵ハンドルの操作に対して付与するための第2制御量を演算するとよい。
この場合、前記第2制御量演算手段は、例えば、前記操舵ハンドルの操作量の変化と前記力付与手段によって前記操舵ハンドルに付与される力の変化との間の位相差を低減する前記第2の力を前記操舵ハンドルの操作に対して付与するための第2制御量を演算するとよい。
これらによれば、作動制御手段は、車両の走行挙動を制御する装置(例えば、挙動制御装置やレーンキープアシスト装置など)から出力された第1制御量に基づいて車両の走行挙動を修正するために操舵ハンドルの操作に対して第1の力を付与する状況と、演算した第2制御量に基づいて操舵ハンドルに対して運転者により入力される操作力を軽減するまたはこの操作力に抗する第2の力を付与する状況とが同時に発生した場合であっても、第1の力と第2の力とが互いに干渉することを防止することができる。具体的には、作動制御手段は、第1制御量の大きさが増大することに伴って減少し、第1制御量の大きさが減少することに伴って増大するゲインを演算する。そして、作動制御手段は、この演算したゲインを用いて、例えば、乗算することによって変更される第2制御量の大きさを第1制御量の大きさが変化することに合わせて速やかに変化させることができる。
これにより、第1制御量の大きさが増大する状況においては、ゲインの減少により変更された第2制御量の大きさを速やかに小さくできるため、操舵ハンドルの操作に対して第1制御量による第1の力を優先して付与することができる。一方、第1制御量の大きさが減少する状況においては、ゲインの増大により変更された第2制御量の大きさを速やかに大きくできるため、操舵ハンドルの操作に対してゲインにより変更された第2制御量による第2の力を優先して付与することができる。したがって、このようなゲインを用いて第2制御量の大きさの変化を第1制御量の大きさの変化に合わせることにより、操舵ハンドルの操作に対して付与する力を時間的な遅れなくかつ干渉させることなく切り換えることができる。
また、この場合、ゲインによって変更された第2制御量の大きさとこの大きさの変化傾向(減少傾向または増加傾向)に着目して、ゲインによって変更された第2制御量の大きさが所定の許容値よりも小さいときに、ゲインによって変更された第2制御量の出力を禁止または許可、言い換えれば、第1制御量の出力を許可または禁止することができる。これにより、ゲインによって変更された第2制御量を出力する状態から第1制御量を出力する状態に切り換える場合、または、第1制御量を出力する状態からゲインによって変更された第2制御量を出力する状態に切り換える場合において、運転者が操舵ハンドルを介して知覚する力の変化に伴う違和感を覚えにくくすることができる。
また、作動制御手段は、第1制御量の大きさが予め設定された判定値よりも大きいとき、言い換えれば、車両の走行挙動を修正するために操舵ハンドルの操作に対して第1の力を付与する必要があるときには、第1制御量とゲインによって変更された第2制御量との干渉を効果的に防止するために、ゲインによって変更された第2制御量の出力よりも第1制御量の出力を優先させるための調停が必要であると判定することができる。そして、作動制御手段は、ゲインによって変更された第2制御量の大きさが所定の許容値よりも小さいときに、調停が必要であると判定した場合には変更された第2制御量の出力に代えて第1制御量の出力を許容し、調停が必要でないと判定した場合には第1制御量の出力に代えて変更された第2制御量の出力を許容することができる。これにより、作動制御装置は、確実に第1制御量とゲインによって変更された第2制御量とが干渉することを防止して、第1制御量を優先して出力することができる。
この場合、第1制御量の出力とともにこの第1制御量の出力を要求する要求情報が出力される場合には、この要求情報をも用いて調停の必要性を判定することができる。このように、要求情報を用いることにより、作動制御装置は、より確実に第1制御量とゲインによって変更された第2制御量とが干渉することを防止して、第1制御量を優先して出力することができる。
以下、本発明の実施形態に係る操舵制御装置について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る車両の操舵制御装置が適用された電動パワーステアリング装置を概略的に示している。
この電動パワーステアリング装置は、転舵輪としての左右前輪FW1,FW2を転舵するために、運転者によって回動操作される操舵ハンドル11を備えている。この操舵ハンドル11は、操舵軸12の上端に固定されており、操舵軸12の下端は、転舵ギアユニット20に接続されている。
転舵ギアユニット20は、例えば、ラックアンドピニオン方式を採用したギアユニットであり、操舵軸12の下端に一体的に組み付けられたピニオンギア21の回転がラックバー22に伝達されるようになっている。また、転舵ギアユニット20には、運転者が操舵ハンドル11の回動操作によって入力する操舵トルクTを軽減するトルク(以下、このトルクをアシストトルクTaという)を発生するとともに、操舵トルクTに抗する方向にて略等しいトルク(以下、このトルクを反力トルクTzという)を発生する電動モータ23が設けられている。なお、以下の説明においては、この電動モータ23をEPSモータ23という。そして、このEPSモータ23は、発生したアシストトルクTaまたは反力トルクTzをラックバー22に対して伝達可能に組み付けられている。
この構成により、操舵ハンドル11から操舵軸12に入力された操舵トルクTがピニオンギア21を介してラックバー22に伝達されるとともに、EPSモータ23が発生したアシストトルクTaまたは反力トルクTzがラックバー22に伝達される。このように伝達された各トルクに応じて、ラックバー22は軸線方向に変位し、ラックバー22の両端に接続された左右前輪FW1,FW2が左右に転舵されるようになっている。
次に、EPSモータ23の作動を制御する電気制御装置30について説明する。電気制御装置30は、車速センサ31、操舵角センサ32、操舵トルクセンサ33、横加速度センサ34およびヨーレートセンサ35を備えている。
車速センサ31は、車両の車速Vを検出して出力する。操舵角センサ32は、操舵軸12に組み付けられていて、操舵ハンドル11の回転量すなわち操舵軸12の回転量を検出して操舵角θとして出力する。なお、操舵角θは、中立位置を「0」とし、車両の前進方向に対して、左方向の回転を正の値で表すとともに、右方向の回転を負の値で表す。操舵トルクセンサ33は、操舵軸12に組み付けられていて、同軸12に入力された操舵トルクTを検出して出力する。なお、操舵トルクTは、中立位置を「0」とし、車両の前進方向に対して、操舵軸12を左方向に回転させるトルク値を正の値で表し、右方向に回転させるトルク値を負の値で表す。
横加速度センサ34は、車両の横加速度Gを検出して出力する。ヨーレートセンサ35は、車両のヨーレートγを検出して出力する。なお、横加速度Gおよびヨーレートγも、車両の前進方向に対して、左方向に発生した加速度およびヨーレートを正の値で表し、右方向に発生した加速度およびヨーレートを負の値で表す。
これらの各センサ31〜35は、ステアリングステアリングECU36(以下、単にステアリングECU36という)に接続されている。ステアリングECU36は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするものであり、プログラムの実行によりEPSモータ23の作動を制御してアシストトルクTaまたは反力トルクTzを発生させる。このため、ステアリングECU36の出力側には、EPSモータ23を駆動するための駆動回路37が接続されている。駆動回路37内には、EPSモータ23に流れる駆動電流を検出するための電流検出器37aが設けられている。電流検出器37aによって検出された駆動電流は、EPSモータ23の駆動を制御するために、ステアリングECU36にフィードバックされている。
また、電気制御装置30(より詳しくは、ステアリングECU36)には、車両の走行挙動を適正に制御するための装置として、挙動制御装置40と、レーンキープアシスト装置50(以下、単にLKA装置50という)とが所定の通信回線を介して接続されている。なお、挙動制御装置40およびLKA装置50は、それぞれ図示しないスイッチを運転者が切り替え操作することにより、作動させるか否かを選択することができる。また、これらの装置40,50の具体的な作動については、本発明に直接関係しないため、その構成を以下に簡単に説明しておく。
挙動制御装置40は、車両に搭載された図示省略のエンジンやブレーキ装置などを互いに協調させて作動させる協調制御を実行することにより、走行中の車両を制動または駆動することによって発生した挙動の乱れを適正に修正して車両の走行姿勢を安定させるものである。このため、挙動制御装置40は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とする電子制御ユニット41を備えている。そして、電子制御ユニット41は、例えば、操舵角センサ32によって検出された実操舵角θを用いて走行状態の車両が発生すべき目標ヨーレートγdを算出し、この算出した目標ヨーレートγdとヨーレートセンサ35によって検出された実ヨーレートγとを比較する。この比較に基づき、実ヨーレートγが目標ヨーレートγdとなるように、電子制御ユニット41は、エンジンの出力を調整するアクチュエータ(スロットルアクチュエータ)やブレーキ装置の制動力を調整するアクチュエータ(ブレーキアクチュエータ)の作動を協調制御する。
また、電子制御ユニット41は、これらアクチュエータの作動を協調制御することに加えて、実ヨーレートγと目標ヨーレートγdとを一致させるように、左右前輪FW1,FW2の転舵量、言い換えれば、運転者による操舵ハンドル11の回動操作量(目標操舵角θd)を算出する。そして、電子制御ユニット41は、この算出した目標操舵角θdと操舵角センサ32によって検出された実操舵角θとを比較する。この比較に基づき、電子制御ユニット41は、実操舵角θが目標操舵角θdとなるように、操舵ハンドル11の回動操作に対してEPSモータ23が付与すべきアシストトルクTaまたは反力トルクTz(以下の説明においては、これらトルクをそれぞれアシストトルクTa_Kおよび反力トルクTz_Kという)を算出する。そして、電子制御ユニット41は、この算出したアシストトルクTa_Kまたは反力トルクTz_Kを出力するようにステアリングECU36に対して要求する。なお、以下の説明においては、電子制御ユニット41が協調制御に伴って出力を要求するアシストトルクTa_Kまたは反力トルクTz_Kをまとめて協調制御トルクT_Kともいう。
LKA装置50は、車両の進行方向前方の道路形状を判別し、この道路形状に沿って車両が適正に走行できるように、運転者による操舵ハンドル11の回動操作を支援する支援制御を実行するものである。このため、LKA装置50は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とする電子制御ユニット51を備えている。そして、この電子制御ユニット51は、例えば、車両に搭載された図示省略のナビゲーション装置から車両の進行方向前方の道路形状に関する情報を取得する。また、電子制御ユニット51は、車両に搭載されて車両周辺の風景を撮像するカメラを備えた図示省略の画像処理装置から、例えば、画像処理によって得られる車線幅、車両の車線中央からの横位置、カメラの車線に対するヨー角およびカメラのピッチ角などの情報を取得する。
そして、電子制御ユニット51は、これら取得した各情報を用いて前方の道路形状を判別し、この判別した道路形状に沿って、例えば、車両が車線の中央を走行しているか否かを判定する。この判定に基づき、例えば、車両が車線の端に接近していれば、電子制御ユニット51は、車両が車線の中央に戻るように、運転者に対して操舵ハンドル11の回動操作を促す。このとき、電子制御ユニット51は、運転者に対して操舵ハンドル11の回動操作を支援するために、EPSモータ23が付与すべきアシストトルクTaまたは反力トルクTz(以下の説明においては、これらトルクをそれぞれアシストトルクTa_Lおよび反力トルクTz_Lという)を算出する。
そして、電子制御ユニット51は、この算出したアシストトルクTa_Lまたは反力トルクTz_Lを出力するようにステアリングECU36に対して要求する。なお、以下の説明においては、電子制御ユニット51が支援制御に伴って出力を要求するアシストトルクTa_Lまたは反力トルクTz_Lをまとめて支援制御トルクT_Lともいう。また、電子制御ユニット51は、支援制御トルクT_Lの出力を要求するにあたり、後に詳述するように、ステアリングECU36に対して操舵支援要求フラグFRG_Lを出力するようになっている。
次に、上記のように構成した実施形態の動作について説明する。上述したように、ステアリングECU36は、EPSモータ23の駆動を制御することにより、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対してアシストトルクTaまたは反力トルクTzを付与することができる。以下、まず、通常時にステアリングECU36がアシストトルクTaを付与する通常制御から具体的に説明する。
ステアリングECU36は、運転者によって操舵ハンドル11が回動操作されると、この回動操作に係る負担を軽減するために目標アシストトルクTadを算出する。すなわち、ステアリングECU36は、目標アシストトルクTadを算出するために、車速センサ31から検出車速Vを入力するとともに、操舵トルクセンサ33から検出操舵トルクTを入力する。
次に、ステアリングECU36は、図2に示すように、検出操舵トルクTに対する目標アシストトルクTadの変化を表す特性マップを参照して目標アシストトルクTadを決定する。ここで、目標アシストトルクTadは、操舵ハンドル11の遊びを確保するために、検出操舵トルクTの絶対値が相対的に小さい場合には「0」となり、検出操舵トルクTの絶対値が増大するに伴ってより大きな値に変化し、検出操舵トルクTの絶対値が所定の値よりも大きくなると一定の値となる変化特性を有している。また、目標アシストトルクTadは、図2に示すように、検出車速Vの増大に伴って小さな値に変化し、検出車速Vの減少に伴って大きな値に変化する変化特性を有している。そして、ステアリングECU36は、特性マップを参照することにより、検出操舵トルクTに対応する目標アシストトルクTadを決定する。
このように、目標アシストトルクTadを決定すると、ステアリングECU36は、この決定した目標アシストトルクTadに対応するように予め設定された駆動電流を、駆動回路37を介してEPSモータ23に供給する。このとき、ステアリングECU36は、電流検出器37aを介してEPSモータ23に流れる駆動電流を入力し、目標アシストトルクTadに対応した大きさの駆動電流がEPSモータ23に適切に流れるように駆動回路37をフィードバック制御する。このEPSモータ23の駆動制御により、同モータ23は目標アシストトルクTadに一致するアシストトルクTaを発生し、この発生したアシストトルクTaが操舵ハンドル11に伝達される。その結果、運転者は小さな操舵トルクTによって操舵ハンドル11を極めて容易に回動操作することができる。
ところで、例えば、運転者が操舵ハンドル11を切り込み方向にて過度に回動操作した場合、車両が意図したよりも過度に旋回する(ヨーイングする)状況が生じる。この場合、運転者は、過度の回動操作した操舵ハンドル11を中立位置方向にすなわち切り戻し方向に回動操作し、車両に発生した過度のヨーイング運動を抑制しようとする。
ここで、このような切り込み方向と切り戻し方向の回動操作が繰り返されると、操舵ハンドル11の操舵角θの変化と操舵トルクTの変化との間に位相差が生じて、操舵ハンドル11がその回動方向にて振動するようになる。そして、この操舵ハンドル11の回動方向の振動と車両に発生したヨーイングの振動とが互いに逆相により共振(所謂、連成)すると、車両がふらつく状況が生じる。このため、ステアリングECU36は、運転者の回動操作によって操舵ハンドル11が回動方向にて振動している状態、すなわち、運転者の回動操作によって操舵ハンドル11がオーバーシュートしている状態であるときには、操舵ハンドル11の振動を収束させる目標収束アシストトルクTasを算出する。以下、この目標収束アシストトルクTasを算出してEPSモータ23を駆動させる制御(以下、この制御を連成補償制御という)を具体的に説明する。
この連成補償制御において、目標収束アシストトルクTasを算出するにあたり、ステアリングECU36は、まず、車速センサ31によって検出された車速Vに依存して変化する車速依存係数Kv1,Kv2を設定する。ここで、車速依存係数Kv1,Kv2は、例えば、車両の平面方向における運動を示す運動方程式を用いて求めることができる。
具体的には、車両の慣性モーメントをIとし、左右前輪FW1,FW2の軸から車両の重心位置までの距離をLfとし、図示省略の後輪の軸から車両の重心位置までの距離をLrとし、トレール量をLtとし、車両のスリップ角をβとし、左右前輪FW1,FW2のコーナリングパワーをKfとし、後輪側のコーナリングパワーをKrとし、左右前輪FW1,FW2の横力をFfとし、後輪の横力をFrすると、車両の運動方程式は、一般的に下記式1〜4によって示される。
I・γ’=Ff・Lf−Fr・Lr …式1
m・V・(β’+γ)=Ff+Fr …式2
Ff=2・Kf・(δ−β−Lf・γ/V) …式3
Fr=2・Kr・(−β−Lr・γ/V) …式4
ただし、前記式1中のγ’はヨーレートγの一階微分を表し、前記式2中のmは車両の質量を表し、前記式3,4中のδは左右前輪FW1,FW2の転舵角を表す。
I・γ’=Ff・Lf−Fr・Lr …式1
m・V・(β’+γ)=Ff+Fr …式2
Ff=2・Kf・(δ−β−Lf・γ/V) …式3
Fr=2・Kr・(−β−Lr・γ/V) …式4
ただし、前記式1中のγ’はヨーレートγの一階微分を表し、前記式2中のmは車両の質量を表し、前記式3,4中のδは左右前輪FW1,FW2の転舵角を表す。
さらに、通常、運転者によって操舵ハンドル11を介して操舵軸12にトルクが入力されるため、左右前輪FW1,FW2の慣性モーメントをIhとし、粘性係数をChとし、入力トルクをThとすると、下記式5が成立する。
Ih・δ’’+Ch・δ’+Ff・Lt=Th …式5
ただし、前記式5中のδ’’は、左右前輪FW1,FW2の転舵角の2階微分を表し、δ’は左右前輪FW1,FW2の転舵角の1階微分を表す。
Ih・δ’’+Ch・δ’+Ff・Lt=Th …式5
ただし、前記式5中のδ’’は、左右前輪FW1,FW2の転舵角の2階微分を表し、δ’は左右前輪FW1,FW2の転舵角の1階微分を表す。
そして、前記式1〜式5を用いて、車両に発生したヨーイングの振動を抑制することを重視しながら、前記式5の右辺を目標収束アシストトルクTasとして求めるには、後輪の横力Frおよびこの後輪の横力Frの微分値dFrに基づいて目標収束アシストトルクTasを設定すればよい。具体的には、目標収束アシストトルクTasを、後輪の横力Frに係数Aを乗算した値と、後輪の横力Frの微分値dFrに係数Bを乗算した値との和に設定すればよい。この係数Aおよび係数Bが、それぞれ、車速依存係数Kv1および車速依存係数Kv2に相当するため、目標収束アシストトルクTasは下記式6により表すことができる。
Tas=Kv1・Fr+Kv2・dFr …式6
Tas=Kv1・Fr+Kv2・dFr …式6
ここで、このように求められる車速依存係数Kv1および車速依存係数Kv2は、図3および図4に示すように、それぞれ、車速Vに依存して変化する変化特性を有する。特に、車速依存係数Kv1は、図3に示すように、ニュートラルステアとなる車速Vcを境界として、符号が反転する。具体的には、車速Vc未満での車速依存係数Kv1は正の値となり、車速Vc以上での車速依存係数Kv1は負の値となる。これは、車速Vc以上では、車両の挙動がオーバーステア傾向になりやすいことから、このオーバーステア傾向を抑制するために、言い換えれば、車両に発生したヨーイングの振動を抑制するために、運転者による操舵ハンドル11の回動操作方向とは逆方向への目標収束アシストトルクTas(反力トルクTz)が設定されることを示している。すなわち、運転者による操舵ハンドル11の回動操作を抑制して、車両の挙動を安定させるような目標収束アシストトルクTasが設定されることを示している。
このように、目標収束アシストトルクTasは、前記式6により算出することができる。しかし、車両の挙動などによっては、前記式6に従って算出した目標収束アシストトルクTasをそのまま用いると、逆に車両の挙動を悪化させる場合がある。したがって、本実施形態においては、以下に示す状況を反映させて目標収束アシストトルクTasを算出するようにする。
具体的には、車両の前後方向に発生する加速度の大きさに応じて変化する前後加速度係数Ka、車両が悪路(例えば、低摩擦係数の道路や凹凸の存在する道路など)を走行しているか否かに応じて変化する悪路係数Kb、あるいは、車両のサスペンション装置の減衰力の変更に応じて変化するサスペンション係数Kcなどを考慮する。そして、これら前後加速度係数Kaや、悪路係数Kb、サスペンション係数Kcなどを車速依存係数Kv1に乗算した係数K1を用いて、目標収束アシストトルクTasを算出することにより、車両の挙動を悪化させることなく車両に発生したヨーイングの振動を抑制することができる。すなわち、この場合には、目標収束アシストトルクTasは、前記式6に基づいて、下記式7に従って算出される。
Tas=K1・Fr+Kv2・dFr …式7
Tas=K1・Fr+Kv2・dFr …式7
そして、前記式7に従って算出した目標収束アシストトルクTasを算出すると、ステアリングECU36は、この算出した目標収束アシストトルクTasに対応するように予め設定された駆動電流を、駆動回路37を介してEPSモータ23に供給する。このとき、ステアリングECU36は、電流検出器37aを介してEPSモータ23に流れる駆動電流を入力し、目標収束アシストトルクTasに対応した大きさの駆動電流がEPSモータ23に適切に流れるように駆動回路37をフィードバック制御する。
このEPSモータ23の駆動制御により、同モータ23は目標収束アシストトルクTasに一致するアシストトルクTaまたは反力トルクTzを発生し、この発生したアシストトルクTaまたは反力トルクTzが操舵ハンドル11に伝達される。その結果、操舵ハンドル11がオーバーシュートしている状態であっても、操舵ハンドル11の回動方向における振動と車両に発生したヨーイングの振動とが互いに連成することを防止することができる。すなわち、操舵ハンドル11の回動方向における振動を効果的に収束させるとともに、車両に発生したヨーイングの振動を効果的に収束させることができる。
ところで、上述したように、ステアリングECU36が連成補償制御を実行している状況において、運転者によって挙動制御装置40およびLKA装置50の作動が選択されていると、操舵ハンドル11の回動操作に対してアシストトルクTaを付与する要求と反力トルクTzを付与する要求とが同時に起こる場合がある。具体的に説明すると、今、例えば、ステアリングECU36が連成補償制御を実行しており、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して目標収束アシストトルクTasに対応するアシストトルクTaを付与している場合を想定する。
この場合において、車両が、例えば、左右各輪と路面との間の摩擦係数が異なる状態の道路、所謂、スプリットμ路上を走行しているときに、運転者が車両を制動させようとすると、左右の摩擦係数の違いによって制動力が異なり、車両にヨーレートγが発生する。このため、挙動制御装置40の電子制御ユニット41は、この発生したヨーレートγを打ち消すために、操舵ハンドル11の回動操作に対して付与する反力トルクTz_Kを算出してステアリングECU36に出力を要求する場合がある。また、このようにヨーレートγが発生している場合において、車両が車線の中央から車線の端に接近していれば、LKA装置50の電子制御ユニット51は、運転者に対して操舵ハンドル11の回動操作を支援するために、操舵ハンドル11の回動操作に対して付与する反力トルクTz_Lを算出してステアリングECU36に出力を要求する場合がある。
また、これとは逆に、ステアリングECU36が連成補償制御を実行しており、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に対して目標収束アシストトルクTasに対応する反力トルクTzを付与している場合を想定する。この場合において、運転者がスプリットμ路上を走行している車両を制動させようとして車両にヨーレートγが発生すると、挙動制御装置40の電子制御ユニット41は、この発生したヨーレートγを打ち消すために操舵ハンドル11の回動操作に対して付与するアシストトルクTa_Kを算出してステアリングECU36に出力を要求する場合がある。また、このようにヨーレートγが発生している場合において、車両が車線の中央から車線の端に接近していれば、LKA装置50の電子制御ユニット51は、運転者に対して操舵ハンドル11の回動操作を支援するために、操舵ハンドル11の回動操作に対して付与するアシストトルクTa_Lを算出してステアリングECU36に出力を要求する場合がある。
すなわち、同時に、ステアリングECU36が連成補償制御を実行し、挙動制御装置40が協調制御を実行し、また、LKA装置50が支援制御を実行している場合には、ステアリングECU36が互いに相反する(干渉する)アシストトルクTaと反力トルクTzとを操舵ハンドル11の回動操作に対して付与しようとする状況が発生する場合がある。このように、相反するアシストトルクTaと反力トルクTzとを同時に付与しようとすると、図5に概略的に示すように、例えば、挙動制御装置40およびLKA装置50によって要求されたアシストトルクTaまたは反力トルクTzが減少し、車両の走行挙動を適正に維持する効果が減少することが懸念される。
一方で、この場合、例えば、ステアリングECU36が連成補償制御に基づいて操舵ハンドル11の回動操作に対して目標収束アシストトルクTasに相当するトルクを付与している状態から電子制御ユニット41,51によって要求されるトルクを付与する状態に瞬時に切り換えると、運転者は、操舵ハンドル11を介して、切り替えに伴うトルクの変動に起因する違和感を覚える。また、このトルクの変動に起因する違和感を抑えるために、目標収束アシストトルクTasを時間経過に伴って低下させ、電子制御ユニット41,51によって要求されるトルクを時間経過に伴って増大させると、操舵ハンドル11の回動操作に対して付与するトルクの切り替えに時間的な遅れが生じる。この場合、適切なタイミングにより操舵ハンドル11の回動操作に対してトルクを付与することができず、車両の走行挙動を適正に維持する効果が減少する可能性がある。
このため、ステアリングECU36は、連成補償制御に基づいた収束アシストトルクTasを出力しているときに、電子制御ユニット41,51からトルクの出力を要求された場合には、調停処理を実行する。以下、この調停処理について、ステアリングECU36内にてコンピュータプログラム処理により実現される機能を表す図6の機能ブロック図を用いて説明する。
ステアリングECU36は、運転者が違和感を覚えることなく速やかに操舵ハンドル11の回動操作に対して付与されるトルクを切り換えるために、調停処理を実行する調停処理部60を有している。この調停処理部60は、協調制御ゲイン演算部61と、調停要求判定部62と、調停部63と、調停後駆動制御部64とからなる。以下、まず、協調制御ゲイン演算部61から説明する。
協調制御ゲイン演算部61は、挙動制御装置40の電子制御ユニット41から出力された協調制御トルクT_K、および、LKA装置50の電子制御ユニット51から出力された支援制御トルクT_Lの大きさに応じて、調停処理に伴う目標収束アシストトルクTasの大きさを決定する協調制御ゲインKgを算出するものである。なお、以下の説明においては、調停処理に伴って協調制御ゲインKgによって大きさが変更される目標収束アシストトルクTasを協調制御調停トルクTrという。
具体的に説明すると、協調制御ゲイン演算部61は、協調制御トルクT_Kを入力するとともに、支援制御トルクT_Lを入力する。そして、協調制御ゲイン演算部61は、協調制御トルクT_Kと支援制御トルクT_Lとを合算して、協調制御最終制御トルクT_Cを算出する。次に、協調制御ゲイン演算部61は、算出した協調制御最終制御トルクT_Cの絶対値を用いて、図7に示すゲインマップを参照し、協調制御ゲインKgを決定する。ここで、協調制御ゲインKgは、図7からも明らかなように、協調制御最終制御トルクT_Cの絶対値の増大に伴って、例えば、「1」〜「0」まで変化するものである。そして、協調制御ゲイン演算部61は、前記算出した協調制御最終制御トルクT_Cを調停要求判定部62および調停部63に供給するとともに、決定した協調制御ゲインKgを調停部63に供給する。
調停要求判定部62は、挙動制御装置40の電子制御ユニット41による協調制御トルクT_Kの出力要求およびLKA装置50の電子制御ユニット51による支援制御トルクT_Lの出力要求の有無に応じて調停の要否を判定し、協調制御調停トルクTrの出力を許容または禁止することを表す調停要求フラグFRG_Aを変更するものである。ここで、以下の説明においては、挙動制御装置40の電子制御ユニット41によって協調制御が実行されており、また、LKA装置50の電子制御ユニット51によって支援制御が実行されている状態をまとめて協調支援制御という。これにより、協調制御調停トルクTrの出力を許容するとは協調支援制御によってトルクを操舵ハンドル11の回動操作に対して付与する状態から連成補償制御によってトルクを操舵ハンドル11の回動操作に対して付与する状態に切り替わることである。一方、協調制御調停トルクTrの出力を禁止するとは連成補償制御よってトルクを操舵ハンドル11の回動操作に対して付与する状態から協調支援制御よってトルクを操舵ハンドル11の回動操作に対して付与する状態に切り換えることを表す。
調停要求判定部62は、LKA装置50の電子制御ユニット51から操舵支援要求フラグFRG_Lを入力するとともに、協調制御ゲイン演算部61から協調制御最終制御トルクT_Cを入力する。そして、調停要求判定部62は、操舵支援要求フラグFRG_Lが操舵支援を要求しないことを表す「0」に設定されており、かつ、協調制御最終制御トルクT_Cの絶対値が予め設定された調停要求判定用トルクToの値よりも小さい条件が成立しているか否かを判定する。なお、調停要求判定用トルクToの値は、運転者が操舵ハンドル11を介してトルクの変動を知覚しにくい程度の小さな値に予め設定されている。
具体的に説明すると、調停要求判定部62は、操舵支援要求フラグFRG_Lが「0」に設定されており、協調制御最終制御トルクT_Cの絶対値が調停要求判定用トルクToの値よりも小さければ、前記条件が成立しているため、調停は必要ないと判定する。この場合には、調停要求判定部62は、調停要求フラグFRG_Aの値を調停が必要ないことを表す「0」に設定する。そして、調停要求判定部62は、「0」に設定した調停要求フラグFRG_Aを調停部63に供給する。
一方、調停要求判定部62は、操舵支援要求フラグFRG_Lの値が操舵支援を要求することを表す「1」に設定されている場合、または、協調制御最終制御トルクT_Cの絶対値が調停判定用トルクToの値よりも大きい場合には、前記条件が成立していないため、調停が必要であると判定する。この場合には、調停要求判定部62は、調停要求フラグFRG_Aの値を調停が必要であることを表す「1」に設定する。そして、調停要求判定部62は、「1」に設定した調停要求フラグFRG_Aを調停部63に供給する。
調停部63は、調停要求判定部62から供給された調停要求フラグFRG_Aの設定値および協調制御調停トルクTrの大きさを判定し、協調制御調停トルクTrの出力を許容または禁止するものである。このため、調停部63は、まず、下記式8に従い、協調ゲイン演算部61から供給された協調制御ゲインKgと目標収束アシストトルクTasとを乗算して協調制御調停トルクTrを算出する。
Tr=Kg・Tas …式8
Tr=Kg・Tas …式8
そして、調停部63は、下記条件(1)または条件(2)が成立しているか否かを判定する。すなわち、条件(1)は、操舵ハンドル11の回動操作に対して連成補償制御によってトルクを付与する状態から協調支援制御によってトルクを付与する状態に切り換えるための条件であり、条件(2)は、操舵ハンドル11の回動操作に対して協調支援制御によってトルクを付与する状態から連成補償制御によってトルクを付与する状態に切り換えるための条件である。
より具体的に説明すると、条件(1)は、調停要求フラグFRG_Aの設定値が「1」(すなわち、調停が必要)であり、かつ、前記算出した協調制御調停トルクTrの絶対値が予め設定された状態変化判定用トルクTsの値よりも小さくなる条件である。また、条件(2)は、調停要求フラグFRG_Aの設定値が「0」(すなわち、調停が不必要)であり、かつ、前記算出した協調制御調停トルクTrの絶対値が予め設定された状態変化判定用トルクTsの値よりも小さくなる条件である。ここで、条件(1)、(2)において、協調制御調停トルクTrの絶対値が予め設定された状態変化判定用トルクTsの値よりも小さくなることを加えることにより、状態変化によって操舵ハンドル11の回動操作に対して付与されるトルクが急変する状況を防止することができる。したがって、状態変化判定用トルクTsの値は、運転者が操舵ハンドル11を介してトルクの変動を知覚しにくい程度の小さな値に予め設定されている。
まず、条件(1)の成立可否から説明する。上述したように、協調制御調停トルクTrは、協調制御ゲインKgと目標収束アシストトルクTaとの乗算により算出される。ここで、協調制御ゲインKgは、協調制御最終制御トルクT_Cの絶対値の増大に伴って「1」〜「0」に速やかに変化するものであるため、協調制御調停トルクTrは協調制御最終制御トルクT_Cの絶対値の増大に伴って「0」まで変化する。
このため、調停部63は、調停要求判定部62から供給された調停要求フラグFRG_Aの設定値が「1」であり、協調制御調停トルクTrの絶対値が状態変化判定用トルクTsよりも大きい、言い換えれば、未だ協調制御最終制御トルクT_Cの絶対値が小さい場合には、条件(1)が成立しないと判定する。この場合には、調停部63は、協調制御調停トルクTrの出力を許容し、調停処理に伴って操舵ハンドル11の回動操作に対して付与する調停後制御トルクT_Fを協調制御調停トルクTrに決定する。すなわち、この場合には、調停部63は、操舵ハンドル11の回動操作に対して連成補償制御によってトルクを付与する状態を維持する。
一方、協調制御調停トルクTrは、協調制御最終制御トルクT_Cの絶対値の増大に伴って速やかに「0」まで変化する。このため、条件(1)が不成立となった場合であっても、調停要求フラグFRG_Aの設定値が「1」であるときには協調制御最終制御トルクT_Cの絶対値が速やかに増大して協調制御調停トルクTrの絶対値が速やかに状態変化判定用トルクTsの値よりも小さくなり、条件(1)が速やかに成立する。これにより、調停部63は、条件(1)が成立したと判定すると、協調制御調停トルクTrの出力を禁止し、調停処理に伴って操舵ハンドル11の回動操作に対して付与する調停後制御トルクT_Fを協調制御最終制御トルクT_Cに決定する。言い換えれば、この場合には、調停部63は、操舵ハンドル11の回動操作に対して連成補償制御によってトルクを付与する状態から協調支援制御によってトルクを付与する状態に切り換える。
次に、条件(2)の成立可否を説明する。挙動制御装置40の電子制御ユニット41およびLKA装置50の電子制御ユニット51による協調支援制御が完了すると、調停部63に対して調停要求判定部62から値が「0」に設定された調停要求フラグFRG_Aが供給される。これにより、調停部63は、条件(2)の成立可否を判定する。すなわち、調停部63は、調停要求フラグFRG_Aの設定値が「0」であるときに、協調制御調停トルクTrの絶対値が状態変化判定用トルクTsよりも小さい場合には、条件(2)が成立すると判定する。
ここで、調停要求判定部62によって調停要求フラグFRG_Aの値が「0」に設定されるのは、上述したように、操舵支援要求フラグFRG_Lの値が「0」に設定され、かつ、協調制御最終制御トルクT_Cの絶対値が調停要求判定用トルクToの値よりも小さい場合である。一方、協調制御調停トルクTrは、調停要求判定用トルクToの値よりも小さい絶対値を有する協調制御最終制御トルクT_Cに対応して決定される協調制御ゲインKgと目標収束アシストトルクTasとの乗算によって算出される。
このため、調停部63は、協調制御最終制御トルクT_Cの絶対値の減少に伴って増加する協調制御ゲインKg、すなわち、協調制御最終制御トルクT_Cの絶対値の減少に伴って増加する協調制御調停トルクTrの絶対値が状態変化判定用トルクTsよりも小さいときに、協調制御調停トルクTrの出力を許容する。言い換えれば、調停部63は、操舵ハンドル11の回動操作に対して協調支援制御によってトルクを付与する状態から連成補償制御によってトルクを付与する状態に速やかに切り換える。そして、条件(2)が成立した場合には、調停部63は、調停処理に伴って操舵ハンドル11の回動操作に対して付与する調停後制御トルクT_Fを協調制御調停トルクTrに決定する。
なお、協調支援制御が完了しているにもかかわらず、調停部63が条件(2)に成立に伴って調停後制御トルクT_Fを協調制御調停トルクTrに決定するのは、以下の理由による。すなわち、上述したように条件(2)は、協調制御最終制御トルクT_Cの絶対値が調停要求判定用トルクToよりも小さいときに成立する。このとき、条件(2)が成立した場合であっても、協調制御最終制御トルクT_Cの絶対値が「0」ではない状態が存在する。このため、調停部63は、協調制御最終制御トルクT_Cの絶対値が「0」となるまでは、目標収束アシストトルクTasに協調制御ゲインKgを乗算した協調制御調停トルクTrを調停後制御トルクT_Fに決定する。
一方、調停部63は、調停要求判定部62から供給された調停要求フラグFRG_Aの設定値が「0」であり、例えば、協調制御最終制御トルクT_Cの絶対値が急激に小さくなって協調制御調停トルクTrの絶対値が状態変化判定用トルクTsよりも大きい場合には、条件(2)が成立しないと判定する。この場合には、調停部63は、引き続き協調制御調停トルクTrの出力を禁止し、調停処理に伴って操舵ハンドル11の回動操作に対して付与する調停後制御トルクT_Fを協調制御最終制御トルクT_Cに決定する。なお、この場合には、調停部63は、協調制御最終制御トルクT_Cの絶対値が「0」となった後に、協調制御調停トルクTrを調停後制御トルクT_Fに決定する。
このように、調停部63は、調停処理によって調停後制御トルクT_Fを決定すると、決定した調停後制御トルクT_Fを調停後駆動制御部64に供給する。調停後駆動制御部64は、供給された調停後制御トルクT_Fに対応する駆動電流を予め設定された関係に基づいて(具体的には、予め設定されたマップを参照して)算出する。そして、調停後駆動制御部64は、この算出した駆動電流を駆動回路37を介してEPSモータ23に供給する。このとき、調停後駆動制御部64は、電流検出器37aを介してEPSモータ23に流れる駆動電流を入力し、調停後制御トルクT_Fに対応した大きさの駆動電流がEPSモータ23に適切に流れるように駆動回路37をフィードバック制御する。このEPSモータ23の駆動制御により、同モータ23は、調停後制御トルクT_Fに一致するアシストトルクTaまたは反力トルクTzを発生し、この発生したアシストトルクTaまたは反力トルクTzが操舵ハンドル11に伝達される。
以上の説明からも理解できるように、この実施形態によれば、調停処理部60は、挙動制御装置40およびLKA装置50から出力された第1制御量としての協調制御最終制御トルクT_Cに基づいて車両の走行挙動を修正するために操舵ハンドル11の回動操作に対して第1の力としてのアシストトルクTaまたは反力トルクTzを付与する状況と、演算した第2制御量としての目標収束アシストトルクTasに基づいて操舵ハンドル11の回動操作に対して第2の力としてのアシストトルクTaまたは反力トルクTzを付与する状況とが同時に発生した場合であっても、これらのトルクとが互いに干渉することを防止することができる。
具体的には、協調制御ゲイン演算部61が、協調制御最終制御トルクT_Cの大きさ(絶対値)が増大することに伴って減少し、協調制御最終制御トルクT_Cの大きさ(絶対値)が減少することに伴って増大する協調制御ゲインKgを演算する。そして、調停部63が、この協調制御ゲインKgを目標収束アシストトルクTasに乗算することによって協調制御調停トルクTrを演算する。これにより、協調制御ゲインKgによって変更される目標収束アシストトルクTasの大きさ、すなわち、協調制御調停トルクTrの大きさ(絶対値)は、協調制御最終制御トルクT_Cの大きさ(絶対値)が変化することに合わせて速やかに変化することができる。
このため、協調制御最終制御トルクT_Cの大きさ(絶対値)が増大する状況においては、協調制御ゲインKgの減少により協調制御調停トルクTrの大きさ(絶対値)を速やかに小さくできるため、操舵ハンドル11の回動操作に対して協調制御最終制御トルクT_CによるアシストトルクTaまたは反力トルクTzを優先して付与することができる。一方、協調制御最終制御トルクT_Cの大きさ(絶対値)が減少する状況においては、協調制御ゲインKgの増大により協調制御調停トルクTrの大きさ(絶対値)を速やかに大きくできるため、操舵ハンドル11の回動操作に対して協調制御調停トルクTrによるアシストトルクTaまたは反力トルクTzを優先して付与することができる。したがって、協調制御調停トルクTrの大きさ(絶対値)の変化を協調制御最終制御トルクT_Cの大きさの変化に合わせることにより、操舵ハンドル11の回動操作に対して付与するトルクを時間的な遅れなく速やかに切り換えることができる。
また、この場合、協調制御調停トルクTrの大きさ(絶対値)とこの大きさの変化傾向(減少傾向または増加傾向)に着目して、協調制御調停トルクTrの大きさが状態変化判定用トルクTsよりも小さいときに、協調制御調停トルクTrの出力を禁止または許可、言い換えれば、協調制御最終制御トルクT_Cの出力を許可または禁止することができる。これにより、協調制御調停トルクTrを出力している状態から協調制御最終制御トルクT_Cを出力している状態に切り換える場合、または、協調制御最終制御トルクT_Cを出力している状態から協調制御調停トルクTrを出力している状態に切り換える場合において、運転者が操舵ハンドル11を介して知覚するトルクの変化に伴う違和感を覚えにくくすることができる。
また、調停要求判定部62は、協調制御最終制御トルクT_Cの大きさ(絶対値)が調停要求判定用トルクToよりも大きいとき、言い換えれば、車両の走行挙動を修正するために操舵ハンドル11の回動操作に対して協調制御最終制御トルクT_Cに基づくアシストトルクTaまたは反力トルクTzを付与する必要があるときには、協調制御最終制御トルクT_Cと協調制御調停トルクTrとの干渉を効果的に防止するために、協調制御調停トルクTrの出力よりも協調制御最終制御トルクT_Cの出力を優先させるための調停が必要であると判定することができる。そして、調停部63は、協調制御調停トルクTrの大きさが状態変化判定用トルクTsよりも小さいときに、調停が必要であることを表す「1」に設定された調停要求フラグFRG_Aを取得した場合には協調制御調停トルクTrの出力に代えて協調制御最終制御トルクT_Cの出力を許容し、「0」に設定された調停要求フラグFRG_Aを取得した場合には協調制御最終制御トルクT_Cの出力に代えて協調制御調停トルクTrの出力を許容することができる。これにより、調停処理部60は、確実に協調制御最終制御トルクT_Cと協調制御調停トルクTrとが干渉することを防止して、協調制御最終制御トルクT_Cの出力を優先して出力することができる。
この場合、協調制御最終制御トルクT_Cの出力とともにこの協調制御最終制御トルクT_Cの出力を要求する「1」に設定された操舵支援要求フラグFRG_Lが出力されているため、この操舵支援要求フラグFRG_Lも用いて調停の必要性を判定することができる。このように、操舵支援要求フラグFRG_Lを用いることにより、調停処理部60は、より協調制御最終制御トルクT_Cと協調制御調停トルクTrとが干渉することを防止して、協調制御最終制御トルクT_Cの出力を優先して出力することができる。
本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、調停処理部60が調停要求判定部62を備える構成として実施した。そして、調停要求判定部62が挙動制御装置40の電子制御ユニット41による協調制御トルクT_Kの出力要求およびLKA装置50の電子制御ユニット51による支援制御トルクT_Lの出力要求の有無に応じて調停の要否を判定し、協調制御調停トルクTrの出力を許容または禁止することを表す調停要求フラグFRG_Aを変更するようにした。さらに、調停部63が調停要求判定部62から供給された調停要求フラグFRG_Aに基づいて、協調制御調停トルクTrの出力を許容または禁止するようにした。
しかし、上述したように、協調制御調停トルクTrは目標収束アシストトルクTasに対して協調制御ゲインKgを乗算することによって算出されるものであり、協調制御ゲインKgは協調制御最終制御トルクT_Cの増減変化に対応して「0」〜「1」の値に決定されるものである。このため、協調制御最終制御トルクT_Cが増加すれば協調制御調停トルクTrは減少し、協調制御最終制御トルクT_Cが減少すれば協調制御調停トルクTrは増加する。したがって、調停要求判定部62を省略する、言い換えれば、調停部63が調停要求フラグFRG_Aの設定値を判定することを省略して実施することも可能である。
すなわち、調停部63は、協調制御調停トルクTrが減少しているとき、言い換えれば、協調制御最終制御トルクT_Cの絶対値が増大しているときには、協調制御調停トルクTrの絶対値が状態変化判定用トルクTsの値よりも小さいときに、協調制御調停トルクTrの出力を禁止する。一方、調停部63は、協調制御調停トルクTrが増加しているとき、言い換えれば、協調制御最終制御トルクT_Cの絶対値が減少しているときには、協調制御調停トルクTrの絶対値が状態変化判定用トルクTsの値よりも小さいときに、協調制御調停トルクTrの出力を許容する。これにより、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、挙動制御装置40とLKA装置50とがともに作動する状態を説明したが、これら各装置40,50のうちの一方のみが作動する場合であってもよい。このように装置40,50のうちの一方のみが作動する場合であっても、上記実施形態と同様に、調停処理部60が調停処理を実行することにより、同様の効果が期待できる。なお、この場合、挙動制御装置40のみが作動する場合には、調停要求判定部62は、操舵支援要求フラグFRG_Lの値を判定することを省略することができる。
また、上記実施形態においては、調停処理部60が連成補償制御によって操舵ハンドル11の回動操作に対してトルクを付与する場合と協調支援制御によって操舵ハンドル11の回動操作に対してトルクを付与する場合とを調停し、協調制御調停トルクTrまたは協調制御最終制御トルクT_Cを調停後制御トルクT_Fに決定するように実施した。この場合、連成補償制御に代えて、調停処理部60が、上述した通常制御によって操舵ハンドル11の回動操作に対してトルクを付与する場合と協調支援制御によって操舵ハンドル11の回動操作に対してトルクを付与する場合とを調停し、協調制御調停トルクTrまたは協調制御最終制御トルクT_Cを調停後制御トルクT_Fに決定するように実施することも可能である。
さらに、上記実施形態においては、操舵ハンドル11と転舵ギアユニット20とを操舵軸12によって直接的に連結する電動パワーステアリング装置を用いて実施した。この場合、例えば、操舵ハンドル11の回転方向への変位とラックバー22の軸線方向への変位とを相対的に変位可能とする可変ギア機構を設けた電動パワーステアリング装置を用いて実施することも可能である。なお、可変ギア機構の構造および作動については、周知であるためその詳細な説明を省略する。
このような電動パワーステアリング装置においては、上記実施形態の電動パワーステアリング装置に比して、操舵軸12が操舵ハンドル11と一体的に回転可能な操舵入力軸と転舵ギアユニット20に接続された転舵出力軸から構成される点が異なる。そして、可変ギア機構が、操舵入力軸と転舵出力軸とを互いに接続し、操舵入力軸の回転量と転舵出力軸の回転量を適宜相対的に変更する点で異なる。
しかし、このように構成される電動パワーステアリング装置であっても、連成補償制御と協調支援制御とが同時に実行されている状況において、操舵ハンドル11の回動操作に対してアシストトルクTaを付与する要求と反力トルクTzを付与する要求とが同時に起こる場合がある。この場合には、上記実施形態と同様に調停処理部60が調停処理を実行することにより、運転者が違和感を覚えることなく速やかに操舵ハンドル11の回動操作に対して付与されるトルクの切り換えることができて、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
FW1,FW2…前輪、11…操舵ハンドル、12…操舵軸、20転舵ギアユニット、21…ピニオンギア、22…ラックバー、23…EPSモータ、30…電気制御装置、31…車速センサ、32…操舵角センサ、33…操舵トルクセンサ、34…横加速度センサ、35…ヨーレートセンサ、36…ステアリングECU、37…駆動回路、40…挙動制御装置、50…LKA装置、60…調停処理部、61…協調制御ゲイン演算部、62…調停要求判定部、63…調停部、64…調停後駆動制御部
Claims (8)
- 運転者によって操作される操舵ハンドルと、この操舵ハンドルの操作に対して所定の力を付与する力付与手段と、この力付与手段の作動を制御する作動制御手段とを備えた車両の操舵制御装置において、前記作動制御手段を、
車両の走行挙動を制御する装置から出力されて、前記車両の走行挙動を修正するための前記操舵ハンドルの操作に対して第1の力を付与するための第1制御量を入力する第1制御量入力手段と、
前記操舵ハンドルに対して運転者により入力される操作力を軽減する、または、前記操作力に抗する第2の力を前記操舵ハンドルの操作に対して付与するための第2制御量を演算する第2制御量演算手段と、
前記第1制御量入力手段によって入力された第1制御量の大きさが増大することに伴って減少し、前記入力された第1制御量の大きさが減少することに伴って増大して、前記第2制御量演算手段によって演算された第2制御量の大きさを変更するためのゲインを演算するゲイン演算手段と、
前記ゲイン演算手段によって演算された前記ゲインによって減少している第2制御量の大きさが予め設定された所定の許容値よりも小さくなったときに、前記ゲインによって変更された第2制御量の出力を禁止するとともに前記第1制御量の出力を許容し、前記ゲインによって増加している第2制御量の大きさが前記所定の許容値よりも小さいときに、前記ゲインによって変更された第2制御量の出力を許容するとともに前記第1制御量の出力を禁止する調停手段と、
前記調停手段によって出力が許容された前記第1制御量または前記ゲインによって変更された第2制御量を用いて前記力付与手段を作動させる作動手段とで構成したことを特徴とする車両の操舵制御装置。 - 請求項1に記載した車両の操舵制御装置において、
前記第2制御量は、
前記ゲイン演算手段によって演算された前記ゲインが乗算されることにより、大きさが変更されることを特徴とする車両の操舵制御装置。 - 請求項1に記載した車両の操舵制御装置において、
前記作動制御手段は、さらに、
前記第1制御量入力手段によって入力された第1制御量の大きさと予め設定された所定の判定値の大きさとを比較し、前記第1制御量の大きさが前記所定の判定値よりも大きいときに、前記演算されたゲインによって変更された第2制御量を出力することよりも前記第1制御量を優先して出力するための調停が必要であると判定する調停判定手段を備えており、
前記調停手段は、
前記調停判定手段によって前記調停が必要であると判定され、かつ、前記ゲインによって減少している第2制御量の大きさが予め設定された所定の許容値よりも小さいときに、前記ゲインによって変更された第2制御量の出力を禁止するとともに前記第1制御量の出力を許容し、前記調停判定手段によって前記調停が必要でないと判定され、かつ、前記ゲインによって増加している第2制御量の大きさが前記所定の許容値よりも小さいときに、前記ゲインによって変更された第2制御量の出力を許容するとともに前記第1制御量の出力を禁止することを特徴とする車両の操舵制御装置。 - 請求項3に記載した車両の操舵制御装置において、
前記車両の走行挙動を制御する装置は、
前記第1制御量を出力するとともに、この第1制御量を出力することを要求する要求情報を出力するものであり、
前記調停判定手段は、
前記第1制御量入力手段によって入力された第1制御量の大きさが前記所定の判定値よりも大きいとき、または、前記第1制御量入力手段によって前記要求情報が入力されているときに、前記ゲインによって変更された第2制御量を出力することよりも前記第1制御量を優先して出力するための調停が必要であると判定することを特徴とする車両の操舵制御装置。 - 請求項1に記載した車両の操舵制御装置において、
前記車両の走行挙動を制御する装置は、
車両の制動または駆動に伴って発生した挙動の乱れを修正して車両の走行姿勢を安定させる挙動制御装置および車両前方の道路形状に沿って車両を走行させるために運転者による前記操舵ハンドルの操作を支援するレーンキープアシスト装置のうちの少なくとも一つの装置であることを特徴とする車両の操舵制御装置。 - 請求項5に記載した車両の操舵制御装置において、
前記第1制御量は、
前記挙動制御装置から出力されて車両に発生した前記挙動の乱れを修正するための前記操舵ハンドルの操作に対して力を付与するための制御量と、前記レーンキープアシスト装置から出力されて前記操舵ハンドルの操作を支援する力を前記操舵ハンドルの操作に対して付与するための制御量との和であることを特徴とする車両の操舵制御装置。 - 請求項1に記載した車両の操舵制御装置において、
前記第2制御量演算手段は、
前記操舵ハンドルの操作方向における振動と車両に発生したヨーイングの振動とが互いに逆相により共振することを抑制する前記第2の力を前記操舵ハンドルの操作に対して付与するための第2制御量を演算することを特徴とする車両の操舵制御装置。 - 請求項7に記載した車両の操舵制御装置において、
前記第2制御量演算手段は、
前記操舵ハンドルの操作量の変化と前記操舵ハンドルに入力される操作力の変化との間の位相差を低減する前記第2の力を前記操舵ハンドルの操作に対して付与するための第2制御量を演算することを特徴とする車両の操舵制御装置。
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