JP3622956B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機パワーをステアリング系に直接作用させてドライバの操舵力を軽減する電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動パワーステアリング装置は、電動機の駆動力を直接利用して補助トルクを発生し、この補助トルクをステアリング系に作用させることによってドライバの操舵力をアシストする装置である。そのために、電動パワーステアリング装置は、電動機に供給する目標となる電流を設定するとともにフィードバック制御によってこの目標電流を電動機に流すための電動機制御手段を備えている。電動機制御手段では、少なくとも車速センサで検出した車速に基づいて目標電流を設定している。この目標電流は、路面反力の大きい低車速の場合には大きい値が設定され、高車速の場合には走行時の安定性を確保するために小さい値が設定される。そのため、車速センサが故障した場合、車速センサでは車速を0km/hと常時検出するので、電動機制御手段では目標電流を大きな値に設定し、大きな補助トルクがステアリング系に作用し続けることになる。そこで、車速センサの故障時に大きな補助トルクが作用し続けないようにするために、車速センサの故障を判定する方法が提案されている。
【0003】
車速センサの故障判定方法としては、以下のようものがある。第1の故障判定方法としては、2つの車速センサで車速を各々検出し、その検出した2つの車速を比較することによって車速センサの故障を判定する方法である。また、第2の故障判定方法としては、車速センサで検出した車速とエンジン回転数センサで検出したエンジン回転数とを比較することによって車速センサの故障を判定する方法である。また、特開平3−114974号公報には、車両の4輪操舵装置における車速センサの故障判定について開示されている。この4輪操作装置における第3の故障判定方法としては、車速センサで検出した車速が0かつエンジン出力が走行可能な状態(実施例では、エンジン回転数検出手段で検出したエンジン回転数によって判定)かつ走行レンジ検出手段で検出した変速レンジが走行レンジの場合には車速センサを故障と判定する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第1の故障判定方法では、車速センサが2つ必要なので、コストが高くなる。また、第2の故障判定方法では、停車時に空吹かしを行った場合、エンジン回転数が所定回転数以上になるにもかかわらず車速が0なので、車速センサを故障と誤検出する場合がある。特に、エンジンと電動モータによるハイブリッド車両の場合、搭載バッテリを充電するために空吹かしの頻度が高くなるので、誤検出の頻度も高くなる。また、第3の故障判定方法では、変速レンジが走行レンジの場合にしか故障と判定しないので、停車時(変更レンジが非走行レンジ)に空吹かしを行った場合に車速センサを故障と誤判定することはない。しかし、この第3の故障判定方法では、急発進した場合、実際の車速がほぼ0km/hか0km/hであるにもかかわらず(車速センサでは車速を0km/hと検出している)、変速レンジが走行レンジでありかつエンジン回転数が所定回転数以上となる場合があり、車速センサを故障と誤判定してしまう恐れがある。また、第3の故障判定方法では、車速センサと走行レンジ検出手段がともに故障した場合、走行レンジ検出手段では常時オフ状態となって変速レンジを非走行レンジとするので、車速センサを故障と判定することはできない。
【0005】
そこで、本発明の課題は、車速センサの故障を誤判定することなく高精度に判定することができる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決を解決した本発明に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリング系に補助トルクを付加する電動機と、車両の速度を検出する車速検出手段と、車両のシフト状態を検知するシフト状態検知手段と、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、前記車速検出手段からの出力に基づいて前記電動機の駆動を制御する電動機制御手段と、を備え、前記電動機制御手段が、前記車速検出手段で検出される車速、前記シフト状態検知手段で検知されるシフト状態および前記エンジン回転数検出手段で検出されるエンジン回転数に基づいて、前記車速検出手段の故障を判定する故障判定手段を有する電動パワーステアリング装置であって、前記故障判定手段は、前記車速が0かつ前記シフト状態が車両駆動状態である場合に、前記エンジン回転数が所定回転数以上である状態が判定連続時間連続し、かつ前記エンジン回転数が所定回転数以上である状態が第1判定積算時間積算した時には前記車速検出手段を故障と判定することを特徴とする。
【0007】
この電動パワーステアリング装置によれば、故障判定手段において、シフト状態が車両駆動状態の場合に車速が0より大きくなるエンジン回転数の状態(つまり、実際の車両では車速が0でない状態)が判定連続時間連続し、かつエンジン回転数が所定回転数以上である状態が第1判定積算時間積算した時、車速検出手段で車速を0と検出している場合には車速検出手段を故障と判定する。この判定によって、急発進の場合でも、急発進後に車速検出手段で検出される車速が0より大きくなるまでの時間より十分に大きい時間として判定連続時間および第1判定積算時間を判定条件としているので、車速検出手段を故障と誤判定することはない。
【0008】
また、前記課題を解決を解決した本発明に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリング系に補助トルクを付加する電動機と、車両の速度を検出する車速検出手段と、車両のシフト状態を検知するシフト状態検知手段と、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、前記車速検出手段からの出力に基づいて前記電動機の駆動を制御する電動機制御手段と、を備え、前記電動機制御手段が、前記車速検出手段で検出される車速、前記シフト状態検知手段で検知されるシフト状態および前記エンジン回転数検出手段で検出されるエンジン回転数に基づいて、前記車速検出手段の故障を判定する故障判定手段を有する電動パワーステアリング装置であって、前記故障判定手段は、前記車速が0かつ前記シフト状態が車両駆動状態でない場合に、前記エンジン回転数が所定回転数以上である状態が、予め設定した停車時の空吹かし時間よりも長い第2判定積算時間積算した時には前記車速検出手段を故障と判定することを特徴とする。
【0009】
この電動パワーステアリング装置によれば、故障判定手段において、車速が0より大きくなるエンジン回転数の状態が、予め設定した停車時の空吹かし時間よりも長い第2判定積算時間積算した時(つまり、実際には車両が走行している時)、シフト状態検知手段でシフト状態を車両駆動状態でないと検出している場合かつ車速検出手段で車速を0と検出している場合には車速検出手段を故障と判定する。この判定によって、シフト状態検知手段と車速検出手段がともに故障の場合でも、車速検出手段を故障と判定できる。さらに、この判定によって、ドライバが空吹かしを行っている場合でも、通常ではこれほど長く空吹かしを行うことがあり得ない時間として第2判定積算時間を判定条件としているので、車速検出手段を故障と誤判定することはない。
【0010】
さらに、前記電動パワーステアリング装置において、前記シフト状態検知手段は、エンジン制御手段に含まれ、前記エンジン制御手段から前記電動機制御手段にシフト状態信号が入力されることを特徴する。
【0011】
この電動パワーステアリング装置によれば、シフト状態を検知することができる信号が入力されるエンジン制御手段にシフト状態検知手段が設けられ、そのエンジン制御手段からのシフト状態信号によってシフト状態を判断している。そのため、この電動パワーステアリング装置では、簡単な構成によってシフト状態を判断することができる。
【0012】
また、前記課題を解決を解決した本発明に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリング系に補助トルクを付加する電動機と、車両の速度を検出する車速検出手段と、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、前記車速検出手段からの出力に基づいて前記電動機の駆動を制御する電動機制御手段と、を備え、前記電動機制御手段が、前記車速検出手段で検出される車速および前記エンジン回転数検出手段で検出されるエンジン回転数に基づいて、前記車速検出手段の故障を判定する故障判定手段を有する電動パワーステアリング装置であって、車両における空吹かし状態を検知する空吹検知手段を備え、前記故障判定手段は、前記車速が0かつ前記エンジン回転数が所定回転数以上の場合に、前記空吹検知手段で空吹かし状態でないと検知している状態が判定連続時間連続し、かつ前記空吹かし状態でないと検知している状態が第1判定積算時間積算した時には前記車速検出手段を故障と判定することを特徴とする。
【0015】
この電動パワーステアリング装置によれば、故障判定手段において、空吹かし状態でない場合に車速が0より大きくなるエンジン回転数の状態(つまり、実際の車両では車速が0でない状態)が判定連続時間連続し、かつ空吹かし状態でないと検知している状態が第1判定積算時間積算した時、車速検出手段で車速を0と検出している場合には車速検出手段を故障と判定する。この判定によって、急発進の場合でも、急発進後に車速検出手段で検出される車速が0より大きくなるまでの時間より十分に大きい時間として判定連続時間および第1判定積算時間を判定条件としているので、車速検出手段を故障と誤判定することはない。
【0016】
さらに、前記電動パワーステアリング装置において、前記空吹検知手段は、エンジン制御手段に含まれ、前記エンジン制御手段から前記電動機制御手段に空吹状態信号が入力されることを特徴する。
【0017】
この電動パワーステアリング装置によれば、空吹かし状態を検知することができる信号が入力されるエンジン制御手段に空吹検知手段が設けられ、そのエンジン制御手段からの空吹状態信号によって空吹かし状態を判断している。そのため、この電動パワーステアリング装置では、簡単な構成によって空吹かし状態を判断することができる。
【0018】
なお、車速が0は、車速検出手段で検出している車速が0ということである。したがって、実際の車両が微低速の場合でも、車速検出手段の検出精度により車速検出手段で0と検出している時には車速は0である。また、シフト状態が車両駆動状態とは、シフト状態として車両が駆動可能な状態であり、マニュアル車ではクラッチペダルが踏み込まれていない状態かつ任意の変速ギアが選択されている場合であり、オートマチック車ではドライブレンジ、ローレンジまたはリバースレンジ等の走行レンジが選択されている場合である。また、シフト状態が車両駆動状態でないとは、シフト状態として車両が駆動不能な状態であり、マニュアル車ではニュートラルまたはクラッチペダルが踏み込まれている状態の場合であり、オートマチック車ではニュートラルレンジまたはパーキングレンジが選択されている場合である。また、所定回転数は、シフト状態が車両駆動状態の場合に車速が0より必ず大きくなる(車速センサで車速を0より大きな値に必ず検出する)エンジン回転数であり、エンジンの種類やアイドル回転数等に応じて最適な値が設定される。また、判定連続時間は、急発進した場合でも、エンジン回転数が所定回転数以上になった時点から車速検出手段で0より大きな車速を検出するまでに十分な時間であり、その時間が連続時間として設定される。また、第1判定積算時間は、急発進した場合でも、エンジン回転数が所定回転数以上になった時点から車速検出手段で0より大きな車速を検出するまでに十分な時間であり、その時間が積算時間として設定される。また、第2判定積算時間は、通常では空吹かしをこれほどの長時間は行わないという時間であり、その時間が積算時間として設定される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る電動パワーステアリング装置の実施の形態について説明する。
【0020】
本発明に係る電動パワーステアリング装置では、車速検出手段の故障を高精度に判定するために、判定要素を車速検出手段で検出される車速、エンジン回転数検出手段で検出されるエンジン回転数およびシフト状態検知手段で検知されるシフト状態とし、判定条件として判定連続時間および/または第1判定積算時間、あるいは第2判定積算時間を加味している。また、本発明に係る電動パワーステアリング装置では、車速検出手段の故障を高精度に判定するために、判定要素を車速検出手段で検出される車速、エンジン回転数検出手段で検出されるエンジン回転数および空吹検知手段で検知される空吹かし状態としている。
【0021】
本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置では、車速センサ(車速検出手段)の故障を検出するために、制御装置に車速センサ故障判定部(故障判定手段)を備えるとともに、エンジン回転数センサ(エンジン回転数検出手段)およびエンジン制御装置にシフト状態検知手段あるいは空吹検知手段を備える。本実施の形態では、3つの実施の形態に係る制御装置(車速センサ故障部)ついて説明するが、第1の実施の形態ではオートマック車でのシフト状態検知手段の場合であり、第2の実施の形態ではマニュアル車でのシフト状態検知手段の場合であり、第3の実施の形態では空吹検知手段の場合である。
【0022】
まず、図1を参照して、電動パワーステアリング装置1の全体構成について説明する。
【0023】
電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール3から転舵輪W,Wに至るステアリング系Sに備えられ、手動操舵力発生手段2による操舵力をアシストする装置である。そのために、電動パワーステアリング装置1は、制御装置12で電動機電圧VMを発生し、この電動機電圧VMによって電動機8を駆動して補助トルク(補助操舵力)を発生させ、手動操舵力発生手段2による手動操舵力を軽減している。
なお、本実施の形態では、制御装置12が特許請求の範囲に記載の電動機制御手段に相当する。
【0024】
手動操舵力発生手段2は、ステアリングホイール3に一体に設けられたステアリング軸4に連結軸5を介してステアリング・ギアボックス6内に設けたラック&ピニオン機構7のピニオン7aが連結されている。なお、連結軸5は、その両端に自在継ぎ手5a,5bを備えている。ラック&ピニオン機構7は、ピニオン7aに噛み合うラック歯7bがラック軸9に形成され、ピニオン7aとラック歯7bの噛み合いにより、ピニオン7aの回転運動をラック軸9の横方向(車両幅方向)の往復運動とする機構である。さらに、ラック軸9には、その両端にタイロッド10,10を介して、転舵輪としての左右の前輪W,Wが連結されている。
【0025】
また、電動パワーステアリング装置1は、補助操舵力(補助トルク)を発生させるために、電動機8がラック軸9と同軸上に配設されている。そして、電動パワーステアリング装置1は、電動機8の回転をラック軸9と同軸に設けられたボールねじ機構11を介して推力に変換し、この推力をラック軸9(ボールねじ軸11a)に作用させている。
【0026】
制御装置12は、車速センサVS、操舵トルクセンサTS、電動機電流検出手段13からの各検出信号V,T,IMOが入力される。そして、制御装置12は、検出信号V,T,IMOに基づいて電動機8に流す電動機電流IMの大きさと方向を決定し、電動機駆動回路25に電動機制御信号VOを出力する(図2参照)。そして、制御装置12は、この電動機制御信号VOに基づいて電動機駆動回路25から電動機8に電動機電圧VMを印加する(図2参照)。
なお、本実施の形態では、車速センサVSが特許請求の範囲に記載の車速検出手段に相当する。
【0027】
また、制御装置12A,12B,12Cは、車速センサVS、エンジン回転数センサESからの各検出信号V,Eおよびエンジン制御装置ECA,ECB,ECCからのシフト状態信号SAかSBまたは空吹状態信号Rが入力される。そして、制御装置12A,12B,12Cは、検出信号V,Eおよび信号SAかSBまたはRに基づいて車速センサVSが故障しているか否かを判定し、車速センサVSを故障と判定した場合にはフェード処理する。さらに、制御装置12A,12B,12Cは、車速センサVSが故障したか否かを示す故障判定信号FFをメータMに出力する。なお、第1の実施の形態に係るエンジン制御装置ECAには、シフト状態検知手段30が備えられる(図3参照)。また、第2の実施の形態に係るエンジン制御装置ECBには、シフト状態検知手段40が備えられる(図4参照)。また、第3の実施の形態に係るエンジン制御装置ECCでは、空吹検知手段(図示せず)が備えられる。
なお、本実施の形態では、エンジン回転数センサESが特許請求の範囲に記載のエンジン回転数検出手段に相当する。
【0028】
車速センサVSは、車速を単位時間当たりのパルス数として検出するセンサであり、検出したパルス信号を車速信号Vとして制御装置12およびエンジン制御装置ECに送信している。車速センサVSは、故障した場合、車速が0km/hを示す車速信号Vを常時送信する。なお、車速センサVSは、電動パワーステアリング装置1の専用センサであってもよいし、他のシステムの車速センサを利用してもよい。
【0029】
操舵トルクセンサTSは、ステアリング・ギアボックス6内に配設され、ドライバによる手動の操舵トルクの大きさおよび方向を検出するセンサである。そして、操舵トルクセンサTSは、検出した操舵トルクに対応したアナログ電気信号を操舵トルク信号Tとして制御装置12に送信している。なお、操舵トルク信号Tは、大きさを示す操舵トルクとトルクの向きを示すトルク方向の情報を含み、トルク方向は操舵トルクのプラス値/マイナス値で表され、プラス値は操舵トルク方向が右方向であり、マイナス値は操舵トルク方向が左方向である。
【0030】
エンジン回転数センサESは、エンジンのクランク軸の回転角度を検出するセンサであり、検出したパルス信号に対応したアナログ電気信号をエンジン回転数信号Eとして制御装置12およびエンジン制御装置ECに送信している。
【0031】
電動機電流検出手段13は、電動機8に対して直列に接続された抵抗またはホール素子等を備え、電動機8に実際に流れる電動機電流IMの大きさおよび方向を検出する手段である。そして、電動機電流検出手段13は、電動機電流IMに対応した電動機電流信号IMOを制御装置12にフィードバック(負帰還)している。なお、電動機電流信号IMOは、大きさを示す電動機電流値と電動機電流の向き(補助アシストの方向)を示す電流方向の情報を含み、電流方向は電動機電流値のプラス値/マイナス値で表され、プラス値は補助アシスト方向が右方向であり、マイナス値は補助アシスト方向が左方向である。
【0032】
次に、制御装置12の構成について詳細に説明する。制御装置12は、3つの実施の形態に対応して3つの制御装置12A,12B,12Cがあり、3つの実施の形態について各々説明する。また、各制御装置12A,12B,12Cに対応して3つのエンジン制御装置ECA,ECB,ECCがあり、これらのエンジン制御装置ECA,ECB,ECCに備えられるシフト状態検知手段または空吹検知手段についても各々説明する。
【0033】
図2および図3を参照して、第1の実施の形態に係る制御装置12Aおよびエンジン制御装置ECAにおけるシフト状態検知手段30の構成について説明する。図2は、制御装置のブロック構成図である。図3は、第1の実施の形態に係るシフト状態検知手段の説明図であり、(a)はハードウェア構成図であり、(b)はシフト状態信号の信号値の設定表である。
【0034】
エンジン制御装置ECAにおけるシフト状態検知手段30について説明する。エンジン制御装置ECAは、制御上必要となるシフトポジションセンサSSからの検出信号がメータMを介して入力されるので、シフト状態が車両駆動状態か非車両駆動状態かを検知することができる。そこで、電動パワーステアリング装置1の構成を簡単化するために、エンジン制御装置ECAにシフト状態検知手段30を構成し、エンジン制御装置ECAからシフト状態信号SAを制御装置12Aに取り込むように構成している。したがって、シフト状態検知手段30は、エンジン制御装置ECAに構成されるが、電動パワーステアリング装置1の構成に含むものとする。
【0035】
ちなみに、エンジン制御装置ECAは、オートマチック車に備えられ、燃料噴射制御、点火時期制御、アイドル回転数制御等によってエンジンを統括的に制御する装置である。そのために、エンジン制御装置ECAは、各種演算や処理等を行うCPU[Central Processing Unit]ECAa、入力回路ECAb、出力回路ECAc、記憶装置(図示せず)、電源回路(図示せず)等を備えている。
【0036】
シフト状態検知手段30は、CPUECAaに構成され、メータMから入力回路ECAbを介してシフトポジション信号Pが入力され、出力回路ECAcを介してシフト状態信号SAを制御装置12Aに出力する。シフト状態検知手段30は、シフトポジション信号Pに基づいてシフト状態が非車両駆動状態(ニュートラルレンジまたはパーキングレンジ)か車両駆動状態(ドライブレンジ、ローレンジまたはリバースレンジ)かを検知している。
【0037】
ここで、シフトポジション信号Pについて説明しておく。シフトポジションセンサSSは、シフトポジション位置を検出するためのセンサであり、メータMに検出信号を送信している。シフトポジションセンサSSの検出信号は、シフトポジションが非車両駆動状態であるニュートラルレンジおよびパーキングレンジの場合には接地状態の信号となり、シフトポジションが車両駆動状態であるドライブレンジ、ローレンジおよびリバースレンジの場合にはオープン状態の信号となる。そして、エンジン制御装置ECAでは、シフトポジションセンサSSからの検出信号に応じたシフトポジション信号PをメータMから取り込んでいる。シフトポジション信号Pは、シフトポジションが非車両駆動状態の場合にはシフトポジションセンサSSの検出信号(接地状態)によってLOW信号となり、シフトポジションが車両駆動状態の場合にはシフトポジションセンサSSの検出信号(オープン状態)と定電圧電源(5V)ECAdによってHI信号となる。
【0038】
シフトポジション信号PがLOW信号の場合(シフトポジションがニュートラルレンジまたはパーキングレンジの場合)、シフト状態検知手段30は、シフト状態を非車両駆動状態と判定し、出力回路ECAcにトランジスタECAeをオンする信号を出力する。一方、シフトポジション信号PがHI信号の場合(シフトポジションがドライブレンジ、ローレンジまたはリバースレンジの場合)、シフト状態検知手段30は、シフト状態を車両駆動状態と判定し、出力回路ECAcにトランジスタECAeをオフする信号を出力する。
【0039】
したがって、シフトポジションがニュートラルレンジまたはパーキングレンジの場合(シフト状態が非車両駆動状態の場合)、エンジン制御装置ECAの出力端のトランジスタECAeがオンするので、シフト状態信号SAはLOW信号となる。一方、シフトポジションがドライブレンジ、ローレンジまたはパーキングレンジの場合(シフト状態が車両駆動状態の場合)、エンジン制御装置ECAの出力端のトランジスタECAeがオフするので、シフト状態信号SAは定電圧電源(5V)12AcによってHI信号となる。
【0040】
次に、制御装置12Aについて説明する。制御装置12Aは、主に、目標電流設定部20、車速センサ故障判定部21A、目標電流フェード部22、偏差演算部23、駆動制御部24および電動機駆動回路25から構成されている。制御装置12Aは、各種演算や処理等を行うCPU12Aa、入力回路12Ab、出力回路(図示せず)、ROM[Read Only Memory]等の記憶装置(図示せず)、電源回路(図示せず)等を備える。
なお、第1の実施の形態では、車速センサ故障判定部21Aが特許請求の範囲に記載の故障判定手段に相当する。
【0041】
目標電流設定部20について説明する。目標電流設定部20は、操舵トルクセンサTSからの操舵トルク信号Tおよび車速センサVSからの車速信号Vが入力され、目標電流フェード部22に目標電流信号IMSを出力する。目標電流設定部20は、予め実験値または設計値に基づいて設定した操舵トルク信号Tおよび車速信号Vと目標電流信号IMSとの対応するマップに基づいて、操舵トルク信号Tおよび車速信号Vをアドレスとして対応する目標電流信号IMSを読み出す。目標電流信号IMSは、車速信号Vに対して、路面反力の大きい低速の場合には大きい値が対応づけられ、走行時の安定性を確保するために高速の場合には小さい値が対応づけられている。また、目標電流信号IMSは、操舵トルク信号Tに対して、操舵トルク信号Tが0近傍では0に対応づけられ、所定の操舵トルク信号T以上になると操舵トルク信号Tの増加に従って増加する値に対応づけられる。なお、目標電流信号IMSは、電動機8に流すことができる最大電流が規定されているので、最大目標電流以下に設定される。
【0042】
車速センサ故障判定部21Aについて説明する。車速センサ故障判定部21Aは、車速センサVSからの車速信号V、エンジン回転数センサESからのエンジン回転数信号Eおよびエンジン制御装置ECAからのシフト状態信号SAが入力され、目標電流フェード部22に故障判定信号FFを出力する。車速センサ故障判定部21Aは、車速信号V、エンジン回転数信号Eおよびシフト状態信号SAに基づいて車速センサVSが故障しているか否かを判定し、車速センサVSが故障の場合には故障判定信号FFとしてHI信号を設定し、車速センサVSが正常の場合には故障判定信号FFとしてLOW信号を設定する。なお、この故障判定信号FFはメータMに出力され、メータMでは故障判定信号FFがHI信号の場合には電動パワーステアリング装置1に対するワーニングランプを点灯させ、LOW信号の場合には消灯させる。
【0043】
車速センサ故障判定部21Aは、車速信号Vに基づいて車速が0km/hか否かを判定し、車速が0km/hより大きい場合には故障判定信号FFにLOW信号を設定する。というのは、車速センサVSは故障すると車速が0km/hを示す車速信号Vしか出力しないので、0km/hより大きな車速を示す車速信号Vを出力している場合には、車速センサVSは正常と推定できるからである。
【0044】
さらに、車速センサ故障判定部21Aは、シフト状態信号SAに基づいてシフト状態が車両駆動状態か非車両駆動状態かを判定する。つまり、車速センサ故障判定部21Aは、シフト状態信号SAがLOW信号の場合には非車両駆動状態と判定し、シフト状態信号SAがHI信号の場合には車両駆動状態と判定する。
【0045】
シフト状態が車両駆動状態の場合、まず、車速センサ故障判定部21Aは、エンジン回転数信号Eに基づいてエンジン回転数が判定回転数以上か否かを判定し、エンジン回転数が判定回転数未満の場合には故障判定信号にLOW信号を設定する。エンジン回転数が判定回転数未満の場合に車速センサVSを故障と判定しないのは、このエンジン回転数では実際の車両では停車か微低速なので、車速センサVSで車速を0km/hと検出する可能性があるからである。なお、判定回転数は、シフト状態が車両駆動状態の場合には車速センサVSで0km/hより大きな車速を必ず検出するエンジン回転数であり、エンジンの種類やアイドル回転数を考慮して1500〜2000rpm程度に設定される。
なお、本実施の形態では、判定回転数が特許請求の範囲に記載の所定回転数に相当する。
【0046】
エンジン回転数が判定回転数以上の場合、車速センサ故障判定部21Aは、エンジン回転数が判定回転数以上になった時点から連続時間をカウントする。そして、車速センサ故障判定部21Aは、そのカウントしている連続時間が判定連続時間以上になるか否かを判定し、連続時間が判定連続時間になる前に車速が0km/hより大きくなったかあるいはシフト状態が非車両駆動状態になったかあるいはエンジン回転数が判定回転数未満になった場合には故障判定信号にLOW信号を設定する。連続時間が判定連続時間以上とならなければ車速センサVSを故障と判定しないのは、急発進時等の場合には車速センサVSで車速を0km/hと数秒間程度の間検出する可能性があるからである。また、連続時間を判定条件とするのは、急発進時等の誤判定を極力避けるためである。なお、判定連続時間は、急発進した場合でも、エンジン回転数が判定回転数以上となった時点から車速センサVSで0km/hより大きな車速を検出するまでに十分な時間であり、数10秒程度に設定される。
【0047】
連続時間が判定連続時間以上になった場合、車速センサ故障判定部21Aは、連続時間が判定連続時間以上となった時点から積算時間をカウントする。そして、車速センサ故障判定部21Aは、そのカウントしている積算時間が第1判定積算時間以上になるか否かを判定し、積算時間が第1判定積算時間になる前に車速が0km/h以上になったかあるいはシフト状態が非車両駆動状態になった場合には故障判定信号にLOW信号を設定する。積算時間も判定条件とするのは、急発進時の誤判定を確実に避け、車速センサVSの故障を正確に判定するためである。なお、第1判定積算時間は、急発進した場合でも、エンジン回転数が判定回転数以上となった時点から車速センサVSで0km/hより大きな車速を検出するまでに十分な時間であり、数10秒程度に設定される。
【0048】
そして、積算時間が第1判定積算時間以上になった場合、車速センサ故障判定部21Aは、車速センサVSを故障と判定し、故障判定信号FFにHI信号を設定する。
【0049】
一方、シフト状態が非車両駆動状態の場合、まず、車速センサ故障判定部21Aは、エンジン回転数信号Eに基づいてエンジン回転数が判定回転数以上か否かを判定し、エンジン回転数が判定回転数未満の場合には故障判定信号にLOW信号を設定する。
【0050】
エンジン回転数が判定回転数以上の場合、車速センサ故障判定部21Aは、エンジン回転数が判定回転数以上になった時点から積算時間をカウントする。そして、車速センサ故障判定部21Aは、そのカウントしている積算時間が第2判定積算時間以上になるか否かを判定し、積算時間が第2判定積算時間になる前に車速が0km/hより大きくなったかあるいはシフト状態が車両駆動状態になった場合には故障判定信号にLOW信号を設定する。積算時間が第2判定積算時間以上とならなければ車速センサVSを故障と判定しないのは、ドライバが数10秒程度は空吹かしする可能性があるからである。また、積算時間を判定条件とするのは、連続時間では判定条件を満たす可能性が殆どないからである。つまり、通常、空吹かしを数100秒間連続してするのは考えられないからである。第2判定積算時間は、通常では空吹かしをこれほどの長時間は行わないと推定できる時間であり、数100秒程度に設定される。
【0051】
そして、積算時間が第2判定積算時間以上になった場合、車速センサ故障判定部12Aは、車速センサVSを故障と判定し、故障判定信号にHI信号を設定する。
【0052】
目標電流フェード部22について説明する。目標電流フェード部22は、目標電流設定部20からの目標電流信号IMSおよび車速センサ故障判定部21Aからの故障判定信号FFが入力され、偏差演算部23に目標電流信号IMS’を出力する。目標電流フェード部22は、車速センサVSが故障と判定された場合には、目標電流信号IMS’を時間経過とともに小さな値に設定し、最終的には0に設定する。というのは、車速センサVSが故障している場合、瞬時に目標電流信号IMS’を0にすると、急に補助トルクが無くなり、突然、ステアリングホイール3が重くなるという不具合が生じるからである。そこで、目標電流フェード部22で目標電流信号IMS’をフェードすることによって、補助トルクを徐々に小さくし、突然、ステアリングホイール3が重くなることを防止するとともに、徐々にステアリングホイール3を重くしてドライバに電動パワーステアリング装置1が故障していることを感じさせる。
【0053】
具体的には、目標電流フェード部22は、故障判定信号FFがLOW信号の場合には目標電流信号IMS’としてそのまま目標電流信号IMSを設定する。一方、目標電流フェード部22は、故障判定信号FFがHI信号の場合には目標電流信号IMS’としてフェードマップに従って目標電流信号IMSを変換して設定する。フェードマップは、時間経過にとともに目標電流信号IMSを小さな値に変換するマップであり、例えば、故障判定信号FFがHI信号になってから1分後に目標電流信号IMSの0.9倍の値に変換し、2分後に目標電流信号IMSの0.8倍の値に変換し、最終的に0に変換するマップである。なお、目標電流信号IMS’を最終的には0に設定するとしたが、ドライバの操舵力の負担を考慮し、最低限必要な補助トルクを発生させる程度の小さな値を目標電流信号IMS’に最終的に設定するようにしてもよい。
【0054】
偏差演算部23について説明する。偏差演算部23は、目標電流フェード部22からの目標電流信号IMS’と電動機電流検出手段13からの電動機電流信号IMOが入力され、駆動制御部24に偏差信号ΔIMを出力する。偏差演算部23は、目標電流信号IMS’から電動機電流信号IMOを減算し、偏差信号ΔIM(=IMS’−IMO)を算出する。
【0055】
駆動制御部24は、偏差演算部23からの偏差信号ΔIMが入力され、電動機駆動回路25に電動機制御信号VOを出力する。そのために、駆動制御部24は、PI[Proportional Integral]コントローラおよびPWM[Pulse Width Modulation]信号発生部等を備える。まず、駆動制御部24は、偏差信号ΔIMにP(比例)およびI(積分)制御を行い、偏差を0に近づけるために電動機8に供給する電動機電流IMの向きと電流値とを示すPI制御信号を生成する。続いて、駆動制御部24は、このPI制御信号に基づいて、電動機8に供給する電動機電流IMの向きと電流値に対応したPWM信号、オン信号、オフ信号を生成する。PWM信号は、電動機駆動回路25のパワーFET25aのゲートG1またはパワーFET25bのゲートG2に入力され、偏差信号ΔIMの大きさに応じてパワーFET25aまたはパワーFET25bをPWM駆動する信号である。なお、PWM信号がゲートG1かゲートG2のどちらのゲートに入力されるかは、偏差信号ΔIMの極性によって決まる。また、ゲートG1またはゲートG2のうちPWM信号が入力されないゲートにはオフ信号が入力され、パワーFET25aまたはパワーFET25bはオフされる。そして、ゲートG1にPWM信号が入力される場合には、パワーFET25dのゲートG4にオン信号が入力され、パワーFET25dがオン駆動される。また、ゲートG1にオフ信号が入力される場合には、ゲートG4にオフ信号が入力され、パワーFET25dはオフされる。他方、ゲートG2にPWM信号が入力される場合には、パワーFET25cのゲートG3にオン信号が入力され、パワーFET25cがオン駆動される。また、ゲートG2にオフ信号が入力される場合には、ゲートG3にオフ信号が入力され、パワーFET25cはオフされる。なお、電動機制御信号VOは、電動機駆動回路のゲートG1〜G4に出力するPWM信号、オン信号、オフ信号で構成される。
【0056】
電動機駆動回路25について説明する。電動機駆動回路25は、4個のパワーFET25a,25b,25c,25dでブリッジ回路が構成され、電源電圧25eから12Vの電圧が供給される。さらに、電動機駆動回路25は、電動機8がパワーFET25aとパワーFET25dの間に直列にかつパワーFET25bとパワーFET25cの間に直列に接続される。パワーFET25a,25bは、各ゲートG1,G2にPWM信号またはオフ信号が入力され、PWM信号が入力されて論理レベル1の時にオンする。パワーFET25c,25dは、各ゲートG3,G4にオン信号またはオフ信号が入力され、オン信号が入力された時にオンする。そして、電動機駆動回路25では、パワーFET25aとパワーFET25dによって電動機8を正回転方向(発生する補助トルクが右方向)にPWM駆動し、パワーFET25bとパワーFET25cによって電動機8を逆回転方向(発生する補助トルクが左方向)にPWM駆動する。なお、電動機8に印加される電動機電圧VMは、PWM信号のデューティ比によって決定される。そして、電動機8に流れる電動機電流IMは、電動機電圧VMに対応する。例えば、PWM信号のデューティ比が7(論理レベル1):3(論理レベル0)の場合、12V×(7/10)=8.4Vが電動機電圧VMとなり、電動機8に平均して8.4Vが印加されていることになる。
【0057】
次に、図2および図4を参照して、第2の実施の形態に係る制御装置12Bおよびエンジン制御装置ECBにおけるシフト状態検知手段40の構成について説明する。図4は、第2の実施の形態に係るシフト状態検知手段の説明図であり、(a)はハードウェア構成図であり、(b)はシフト状態信号の信号値の設定表である。
【0058】
エンジン制御装置ECBにおけるシフト状態検知手段40について説明する。エンジン制御装置ECBは、制御上必要となるニュートラルスイッチNSおよびクラッチスイッチCSからの検出信号が入力されるので、シフト状態が車両駆動状態か非車両駆動状態かを検知することができる。そこで、電動パワーステアリング装置1の構成を簡単化するために、エンジン制御装置ECBにシフト状態検知手段40を構成し、エンジン制御装置ECBからシフト状態信号SBを制御装置12Bに取り込むように構成している。したがって、シフト状態検知手段40は、エンジン制御装置ECBに構成されるが、電動パワーステアリング装置1の構成に含むものとする。
【0059】
ちなみに、エンジン制御装置ECBは、5速のマニュアル車に備えられ、燃料噴射制御、点火時期制御、アイドル回転数制御等によってエンジンを統括的に制御する装置である。そのために、エンジン制御装置ECBは、各種演算や処理等を行うCPUECBa、入力回路ECBb,ECBb、出力回路ECBc、記憶装置(図示せず)、電源回路(図示せず)等を備えている。
【0060】
シフト状態検知手段40は、CPUECBaに構成され、入力回路ECBbを介してニュートラルスイッチ信号Nおよび入力回路ECBbを介してクラッチスイッチ信号Cが入力され、出力回路ECBcを介してシフト状態信号SBを制御装置12Bに出力する。シフト状態検知手段40は、ニュートラルスイッチ信号Nおよびクラッチスイッチ信号Cに基づいてシフト状態が非車両駆動状態(ニュートラルかクラッチペダルが踏み込まれた状態)かあるいは車両駆動状態(1速ギア、2速ギア、3速ギア、4速ギアまたは5速ギア)かを検知している。
【0061】
ここで、ニュートラルスイッチ信号Nおよびクラッチスイッチ信号Cについて説明しておく。ニュートラルスイッチNSは、ニュートラルか否かによってオン/オフするスイッチであり、ニュートラルスイッチ信号Nを出力している。ニュートラルスイッチNSは、ニュートラルの場合にはオンであり、ニュートラルでない場合にはオフである。一方、クラッチスイッチCSは、クラッチペダルが踏み込まれているか否かによってオン/オフするスイッチであり、クラッチスイッチ信号Cを出力している。クラッチスイッチCSは、クラッチペダルが踏み込まれている場合にはオンであり、クラッチペダルが踏み込まれていない場合にはオフである。したがって、ニュートラルスイッチNSがオフかつクラッチスイッチCSがオフの場合だけ、ニュートラルでないかつクラッチペダルが踏み込まれていないので、シフト状態は車両駆動状態(1速ギア、2速ギア、3速ギア、4速ギアまたは5速ギア)となる。
【0062】
そして、ニュートラルスイッチNSとクラッチスイッチCSとは、オンの時には接地状態となり、オフの時にはオープン状態となる。したがって、ニュートラルスイッチNSがオンの場合、ニュートラルスイッチ信号Nとしては、CPUECBaに入力回路ECBbを介してLOW信号が入力される。また、ニュートラルスイッチNSがオフの場合、ニュートラルスイッチ信号Nとしては、CPUECBaに入力回路ECBbを介して定電圧電源(5V)ECBdによってHI信号が入力される。一方、クラッチスイッチCSがオンの場合、クラッチスイッチ信号Cとしては、CPUECBaに入力回路ECBbを介してLOW信号が入力される。また、クラッチスイッチCSがオフの場合、クラッチスイッチ信号Cとしては、CPUECBaに入力回路ECBbを介して定電圧電源(5V)ECBdによってHI信号が入力される。
【0063】
ニュートラルスイッチ信号NがLOW信号かつクラッチスイッチ信号CがLOW信号の場合、シフト状態検知手段40は、シフト状態を非車両駆動状態と判定し、出力回路ECBcにトランジスタECBeをオンする信号を出力する。また、ニュートラルスイッチ信号NがLOW信号かつクラッチスイッチ信号CがHI信号の場合、シフト状態検知手段40は、シフト状態を非車両駆動状態と判定し、出力回路ECBcにトランジスタECBeをオンする信号を出力する。また、ニュートラルスイッチ信号NがHI信号かつクラッチスイッチ信号CがLOW信号の場合、シフト状態検知手段40は、シフト状態を非車両駆動状態と判定し、出力回路ECBcにトランジスタECBeをオンする信号を出力する。また、ニュートラルスイッチ信号NがHI信号かつクラッチスイッチ信号CがHI信号の場合、シフト状態検知手段40は、シフト状態を車両駆動状態と判定し、出力回路ECBcにトランジスタECBeをオフする信号を出力する。
【0064】
したがって、ニュートラルまたは/およびクラッチペダルが踏み込まれている場合(シフト状態が非車両駆動状態の場合)、エンジン制御装置ECBの出力端のトランジスタECBeがオンするので、シフト状態信号SBはLOW信号となる。一方、変速ギアが1速ギア、2速ギア、3速ギア、4速ギアまたは5速ギアかつクラッチペダルが踏み込まれていない場合(シフト状態が車両駆動状態の場合)、エンジン制御装置ECBの出力端のトランジスタECBeがオフするので、シフト状態信号SBは定電圧電源(5V)12BcによってHI信号となる。
【0065】
次に、制御装置12Bについて説明する。制御装置12Bは、車速センサ故障判定部21B以外の構成については第1の実施の形態の制御装置12Aと同一の構成である。そこで、同一の構成については、制御装置12Aと同一の符号を付し、説明を省略する。制御装置12Bは、各種演算や処理等を行うCPU12Ba、入力回路12Bb、出力回路(図示せず)、ROM等の記憶装置(図示せず)、電源回路(図示せず)等を備える。
なお、第2の実施の形態では、車速センサ故障判定部21Bが特許請求の範囲に記載の故障判定手段に相当する。
【0066】
車速センサ故障判定部21Bについて説明する。車速センサ故障判定部21Bは、車速センサVSからの車速信号V、エンジン回転数センサESからのエンジン回転数信号Eおよびエンジン制御装置ECBからのシフト状態信号SBが入力され、目標電流フェード部22に故障判定信号FFを出力する。車速センサ故障判定部21Bは、車速信号V、エンジン回転数信号Eおよびシフト状態信号SBに基づいて車速センサVSが故障しているか否かを判定し、車速センサVSが故障している場合には故障判定信号FFとしてHI信号を設定し、車速センサVSが故障していない場合には故障判定信号FFとしてLOW信号を設定する。なお、この故障判定信号FFはメータMに出力され、メータMでは故障判定信号FFがHI信号の場合には電動パワーステアリング装置1に対するワーニングランプを点灯させ、LOW信号の場合には消灯させる。
【0067】
なお、車速センサ故障判定部21Bに入力されるシフト状態信号SBは、車速センサ故障判定部21Aに入力されるシフト状態信号SAと同様に、シフト状態が非車両駆動状態の場合にはLOW信号であり、車両駆動状態の場合にはHI信号である。したがって、車速センサ故障判定部21Bには、車速センサ故障判定部21Aと全て同様の信号が入力される。そこで、車速センサ故障判定部21Bでも、車速センサ故障判定部21Aと同様の処理により故障判定信号FFを設定することとし、その説明を省略する。
【0068】
前記したように、第1の実施の形態の制御装置12Aと第2の実施の形態の制御装置12Bは、車速センサ故障判定部12Aと車速センサ故障判定部12B以外は同一の構成である。さらに、車速センサ故障判定部12Aと車速センサ故障判定部12Bは、同様の処理を行う。そこで、図1乃至図4を参照して、電動パワーステアリング装置1における制御装置12A,12Bによる制御をまとめて説明する。特に、車速センサ故障判定部21A,21Bでの制御については、図5のフローチャートに沿って説明する。図5は、第1および第2の実施の形態に係る車速センサ故障判定部での動作フローチャートである。なお、制御装置12A,12BのCPUECAa,ECBaでの処理は一定時間毎に繰り返し実行されており、図5の動作フローチャートの処理も一定時間毎に繰り返し実行される。ここでの説明では、車速センサVSが正常の場合と故障の場合とに分けて説明する。
【0069】
まず、車速センサVSが正常の場合について説明する。ドライバは、ステアリングホイール3やアクセルペダル(図示せず)、ブレーキペダル(図示せず)に対する操作により、車両を駆動させたり、車両の転舵輪W,Wを転舵させたりする。すると、電動パワーステアリング装置1では、操舵トルクセンサTSで操舵トルクを検出するとともに、車速センサVSで車速を検出する。
【0070】
そして、制御装置12A,12Bは、目標電流設定部20で操舵トルク信号Tと車速信号Vに基づいて目標電流信号IMSを設定する。
【0071】
また、制御装置12A,12Bは、車速センサ故障判定部21A,21Bで車速信号VSによる車速が0km/hか否かを判定する(S1)。通常の走行中の場合、車速信号VSによる車速は0km/hより大きくなるので、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、車速が0km/hでないと判定し、連続時間や積算時間を全て0に初期化し(S6)、故障判定信号FFにLOW信号を設定する(S8)。
【0072】
一方、車速信号VSによる車速が0km/hの場合、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、S1の処理で車速を0km/hと判定し、シフト状態信号SA,SBがLOW信号か否かを判定する(S2)。
【0073】
そして、シフト状態信号SA,SBがLOW信号の場合(シフト状態が非車両駆動状態の場合)、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、エンジン回転数信号Eによるエンジン回転数が判定回転数以上の状態が第2判定積算時間以上積算するか否かを判定する(S3)。そのために、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、S3の処理に入った時点から積算時間をカウントする。このとき、ドライバが車両を停車させて空吹かしを行っている場合でも、第2判定積算時間以上は空吹かしを行うことはない。したがって、エンジン回転数が判定回転数以上の状態が第2判定積算時間以上積算されないので、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、故障判定信号FFにLOW信号を設定する(S8)。もちろん、エンジン回転数が判定回転数未満の場合、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、故障判定信号FFにLOW信号を設定する(S8)。
【0074】
また、シフト状態信号SA,SBがHI信号の場合(シフト状態が車両駆動状態の場合)、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、エンジン回転数信号Eによるエンジン回転数が判定回転数以上の状態が判定連続時間以上連続するか否かを判定する(S4)。そのために、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、S4の処理に入った時点から連続時間をカウントする。このとき、急発進によって瞬間的には車速センサVSで車速を0km/hと検出している場合でも、通常、車両は前進し始めているので、数10秒に設定された判定連続時間の間、車速センサVSで車速を0km/hと検出することはない。したがって、エンジン回転数が判定回転数以上の状態が判定連続時間以上連続する前に、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、S1の判定において車速が0km/hより大きいと判定し、連続時間や積算時間を全て0に初期化し(S6)、故障判定信号FFにLOW信号を設定する(S8)。もちろん、連続時間が判定連続時間以上になる前にエンジン回転数が判定回転数未満になった場合、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、故障判定信号FFにLOW信号を設定する(S8)。
【0075】
さらに、判定連続時間が非常短い時間に設定されているために、急発進によって判定連続時間以上の間、車速センサVSで車速を0km/hと検出した場合でも、以下の判定によって車速センサVSを故障と誤判定することを確実に防止している。つまり、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、S4の処理でエンジン回転数が判定回転数以上の状態が判定連続時間以上連続すると判定した場合でも、さらにエンジン回転数信号Eによるエンジン回転数が判定回転数以上の状態が第1判定積算時間以上積算するか否かを判定する(S5)。そのために、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、S5の処理に入った時点から積算時間をカウントする。このとき、急発進によって瞬間的には車速センサVSで車速を0km/hと検出している場合でも、通常、車両が前進し始めているので、判定連続時間に加えて第1判定積算時間以上の間、車速センサVSで車速を0km/hと検出することはない。したがって、エンジン回転数が判定回転数以上の状態が第1判定積算時間以上積算する前に、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、S1の判定において車速が0km/hより大きいと判定し、連続時間や積算時間を全て0に初期化し(S6)、故障判定信号FFにLOW信号を設定する(S8)。
【0076】
そして、故障判定信号FFがLOW信号の場合(車速センサVSが正常の場合)、制御装置12A,12Bは、目標電流フェード部22で目標電流信号IMS’としてそのまま目標電流信号IMSを設定する。ちなみに、故障判定信号FFはメータMに送信されるが、LOW信号なので、電動パワーステアリング装置1のワーニングランプは消灯したままである。
【0077】
さらに、制御装置12A,12Bは、偏差演算部23で目標電流信号IMS’と電動機電流信号IMOから偏差信号ΔIMを演算する。さらに、制御手段12A,12Bでは、駆動制御部24で偏差信号ΔIMに基づいて電動機制御信号VOを生成する。そして、制御手段12A,12Bでは、電動機駆動回路25で電動機制御信号VOに対応して電動機駆動電圧VMを発生し、電動機8に印加する。すると、電動機8では、目標電流信号IMS’に応じた電動機電流IMが流れる。そのため、電動パワーステアリング装置1では、電動機8が正回転方向または逆回転方向に駆動し、ステアリング系Sに補助トルクを付加する。
【0078】
次に、車速センサVSが故障の場合について説明する。ドライバは、ステアリングホイール3やアクセルペダル(図示せず)、ブレーキペダル(図示せず)に対する操作により、車両を駆動させたり、車両の転舵輪W,Wを転舵させたりする。すると、電動パワーステアリング装置1では、操舵トルクセンサTSで操舵トルクを検出する。このとき、車速センサVSは、故障しているので、車速が0km/hとなる車速信号Vを出力している。
【0079】
そして、制御装置12A,12Bは、目標電流設定部20で操舵トルク信号Tと車速信号Vに基づいて目標電流信号IMSを設定する。このとき、車速信号Vは車速を0km/hと示しているので、目標電流信号IMSは大きな値が設定されている。
【0080】
また、制御装置12A,12Bは、車速センサ故障判定部21A,21Bで車速信号VSによる車速が0km/hか否かを判定する(S1)。このとき、車速センサVSは、故障しているので、車速信号VSによる車速は0km/hとなっている。したがって、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、S1の判定で車速が0km/hと判定し、シフト状態信号SA,SBがLOW信号か否かを判定する(S2)。
【0081】
そして、シフト状態信号SA,SBがLOW信号の場合(シフト状態が非車両駆動状態の場合)、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、エンジン回転数信号Eによるエンジン回転数が判定回転数以上の状態が第2判定積算時間以上積算するか否かを判定する(S3)。そのために、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、S3の処理に入った時点から積算時間をカウントする。このとき、エンジン回転数が判定回転数以上の状態が第2判定積算時間以上積算されない場合やエンジン回転数が判定回転数未満の場合、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、故障判定信号FFにLOW信号を設定する(S8)。この場合、車速センサVSが故障しているにもかかわらず、車速センサVSを故障と判定しないが、車両が停車中と推定できるので支障はない。
【0082】
しかし、シフト状態検知手段30,40が故障またはシフトポジションスイッチSSあるいはニュートラルスイッチNS、クラッチスイッチCSが故障しているために、シフト状態信号SA,SBがLOW信号となっている場合がある。この場合、実際にはシフト状態が車両駆動状態であると、エンジン回転数が判定回転数以上の状態が第2判定積算時間以上積算される。したがって、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、車速センサVSを故障と判定し、故障判定信号FFにHI信号を設定する(S7)。
【0083】
このように、第2判定積算時間の間、シフト状態が非車両駆動状態かつエンジン回転数が判定回転数以上の場合に車速センサVSで車速を0km/hと検出していれば、シフト状態検知手段30,40が故障している場合でも、間違いなく車速センサVSが故障していると推定できる。
【0084】
また、シフト状態信号SA,SBがHI信号の場合(シフト状態が車両駆動状態の場合)、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、エンジン回転数信号Eによるエンジン回転数が判定回転数以上の状態が判定連続時間以上連続するか否かを判定する(S4)。そのために、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、S4の処理に入った時点から連続時間をカウントする。
【0085】
このとき、車速信号Vによる車速が常時0km/hなので、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、S1の判定において車速が0km/hより大きいと判定することはない。したがって、通常の走行中であれば、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、S4の処理でエンジン回転数が判定回転数以上の状態が判定連続時間以上連続すると判定し、さらにエンジン回転数信号Eによるエンジン回転数が判定回転数以上の状態が第1判定積算時間以上積算するか否かを判定する(S5)。そのために、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、S5の処理に入った時点から積算時間をカウントする。
【0086】
前記と同様に、車速信号Vによる車速が常時0km/hなので、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、S1の判定において車速が0km/hより大きいと判定することはない。したがって、通常の走行中であれば、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、S5の処理でエンジン回転数が判定回転数以上の状態が第1判定積算時間以上積算すると判定し(車速センサVSを故障と判定し)、故障判定信号FFにHI信号を設定する(S7)。
【0087】
このように、判定連続時間および第1判定積算時間の間、シフト状態が車両駆動状態かつエンジン回転数が判定回転数以上の場合に車速センサVSで車速を0km/hと検出していれば、間違いなく車速センサVSが故障していると推定できる。
【0088】
そして、故障判定信号FFがHI信号の場合(車速センサVSが故障の場合)、制御装置12A,12Bは、目標電流フェード部22で目標電流信号IMS’としてフェードマップに従って目標電流信号IMSを変換して設定する。すると、目標電流信号IMS’は、徐々に小さな値が設定され、最終的に0あるいは所定の小さな値になる。ちなみに、HI信号の故障判定信号FFがメータMに送信され、電動パワーステアリング装置1のワーニングランプが点灯する。
【0089】
さらに、制御装置12A,12Bは、偏差演算部23で目標電流信号IMS’と電動機電流信号IMOから偏差信号ΔIMを演算する。さらに、制御手段12A,12Bでは、駆動制御部24で偏差信号ΔIMに基づいて電動機制御信号VOを生成する。そして、制御手段12A,12Bでは、電動機駆動回路25で電動機制御信号VOに対応して電動機駆動電圧VMを発生し、電動機8に印加する。すると、電動機8では、目標電流信号IMS’に応じて徐々に小さくなる電動機電流IMが流れる。そのため、電動パワーステアリング装置1では、電動機8は正回転方向または逆回転方向に駆動されるが、ステアリング系Sに付加される補助トルクは徐々に小さくなり、やがて補助トルクが付加されなくなるかあるいは小さな補助トルクが付加される。
【0090】
この第1、第2の実施の形態の制御装置12A,12Bを備える電動パワーステアリング装置1によれば、車速センサ故障判定部21A,21Bにおいて判定連続時間や第1判定積算時間による判定条件を設け、車速信号V、エンジン回転数信号Eおよびシフト状態信号SA,SBに基づいて車速センサVSの故障を判定しているので、急発進時に車速センサVSを故障と誤判定することはない。また、この電動パワーステアリング装置1では、車速センサ故障判定部21A,21Bにおいて第2判定積算時間による判定条件を設け、車速信号V、エンジン回転数信号Eおよびシフト状態信号SA,SBに基づいて車速センサVSの故障を判定しているので、空吹かし状態の時に車速センサVSを故障と誤判定することはない。したがって、この電動パワーステアリング装置1では、車速センサVSの故障を高精度に判定することができる。
【0091】
また、この第1、第2の実施の形態の制御装置12A,12Bを備える電動パワーステアリング装置1によれば、シフト状態検知手段30,40をエンジン制御装置ECA,ECBに設ける構成としたので、構成が簡単化し、低コストとなる。さらに、この電動パワーステアリング装置1によれば、車速センサVSが故障した場合にはワーニングランプを点灯させたり、フェード処理により除々に補助アシスト力を小さくするので、ドライバに電動パワーステアリング装置1の故障を安全に通知することができる。
【0092】
次に、図2を参照して、第3の実施の形態に係る制御装置12Cおよびエンジン制御装置ECCにおける空吹検知手段(図示せず)の構成について説明する。
【0093】
エンジン制御装置ECCにおける空吹検知手段(図示せず)について説明する。エンジン制御装置ECCは、制御上必要となるエンジン回転数センサESおよび吸入空気量センサ(図示せず)からの検出信号が入力されるので、空吹かし状態を検知することができる。そこで、電動パワーステアリング装置1の構成を簡単化するために、エンジン制御装置ECCに空吹検知手段を構成し、エンジン制御装置ECCから空吹状態信号Rを制御装置12Cに取り込むように構成している。したがって、空吹検知手段は、エンジン制御装置ECCに構成されるが、電動パワーステアリング装置1の構成に含むものとする。
【0094】
ちなみに、エンジン制御装置ECCは、燃料噴射制御、点火時期制御、アイドル回転数制御等によってエンジンを統括的に制御する装置である。そのために、エンジン制御装置ECCは、各種演算や処理等を行うCPU(図示せず)、入力回路(図示せず)、出力回路(図示せず)、記憶装置(図示せず)、電源回路(図示せず)等を備えている。
【0095】
空吹検知手段は、CPUに構成され、入力回路を介してエンジン回転数信号Eおよび吸入空気量信号が入力され、出力回路を介して空吹状態信号Rを制御装置12Cに出力する。空吹検知手段は、エンジン回転数信号Eによるエンジン回転数と吸入空気量信号による吸入空気量の関係に基づいて、予め実験値または設計値に基づいて設定したエンジン回転数および吸入空気量と空吹かし状態の領域および空吹かしでない状態の領域との対応するマップ等から、空吹かし状態か否かを検知している。なお、空吹状態信号Rは、空吹かし状態の場合には制御装置12CのCPUにLOW信号が入力されるように設定され、空吹かし状態でない場合には制御装置12CのCPUにHI信号が入力されるように設定される。
【0096】
次に、制御装置12Cについて説明する。制御装置12Cは、車速センサ故障判定部21C以外の構成については第1の実施の形態の制御装置12Aと同一の構成である。そこで、同一の構成については、制御装置12Aと同一の符号を付し、説明を省略する。制御装置12Cは、各種演算や処理等を行うCPU(図示せず)、入力回路(図示せず)、出力回路(図示せず)、ROM等の記憶装置(図示せず)、電源回路(図示せず)等を備える。
なお、第3の実施の形態では、車速センサ故障判定部21Cが特許請求の範囲に記載の故障判定手段に相当する。
【0097】
車速センサ故障判定部21Cについて説明する。車速センサ故障判定部21Cは、車速センサVSからの車速信号V、エンジン回転数センサESからのエンジン回転数信号Eおよびエンジン制御装置ECCからの空吹状態信号Rが入力され、目標電流フェード部22に故障判定信号FFを出力する。車速センサ故障判定部21Cは、車速信号V、エンジン回転数信号Eおよび空吹状態信号Rに基づいて車速センサVSが故障しているか否かを判定し、車速センサVSが故障している場合には故障判定信号FFとしてHI信号を設定し、車速センサVSが故障していない場合には故障判定信号FFとしてLOW信号を設定する。なお、この故障判定信号FFはメータMに出力され、メータMでは故障判定信号FFがHI信号の場合には電動パワーステアリング装置1に対するワーニングランプを点灯させ、LOW信号の場合には消灯させる。
【0098】
まず、車速センサ故障判定部21Cは、車速信号Vに基づいて車速が0km/hか否かを判定し、車速が0km/hより大きい場合には故障判定信号FFにLOW信号を設定する。
【0099】
次に、車速センサ故障判定部21Cは、エンジン回転数信号Eに基づいてエンジン回転数が判定回転数以上か否かを判定し、エンジン回転数が判定回転数未満の場合には故障判定信号にLOW信号を設定する。
【0100】
エンジン回転数が判定回転数以上の場合、車速センサ故障判定部21Cは、空吹状態信号Rに基づいて空吹かし状態か否かを判定し、空吹かし状態の場合(空吹状態信号RがLOW信号の場合)には故障判定信号にLOW信号を設定する。ドライバが空吹かしを行っている場合に車速センサVSを故障と判定しないのは、車速が0km/hでエンジン回転数が判定回転数以上の状態が数10秒間程度連続する可能性があるからである。
【0101】
空吹かし状態でないの場合(空吹状態信号RがHI信号の場合)、車速センサ故障判定部21Cは、エンジン回転数が判定回転数以上かつ空吹かしではない状態(すなわち、空吹状態信号RがHI信号)になった時点から連続時間をカウントする。そして、車速センサ故障判定部21Cは、そのカウントしている連続時間が判定連続時間以上になるか否かを判定し、連続時間が判定連続時間になる前に車速が0km/hより大きくなったかあるいはエンジン回転数が判定回転数未満になったかあるいは空吹かし状態になった場合には故障判定信号にLOW信号を設定する。連続時間が判定連続時間以上とならなければ車速センサVSを故障と判定しないのは、急発進時等の場合にはエンジン回転数が判定回転数以上であるにもかかわらず車速センサVSで車速を0km/hと検出する可能性があるからである。また、連続時間を判定条件とするのは、急発進時等の誤判定を極力避けるためである。
【0102】
連続時間が判定連続時間以上になった場合、車速センサ故障判定部21Cは、連続時間が判定連続時間以上となった時点から積算時間をカウントする。そして、車速センサ故障判定部21Cは、そのカウントしている積算時間が第1判定積算時間以上になるか否かを判定し、積算時間が第1判定積算時間になる前に車速が0km/h以上になったかあるいは空吹かし状態になった場合には故障判定信号にLOW信号を設定する。積算時間も判定条件とするのは、急発進時の誤判定を確実に避け、車速センサVSの故障を正確に判定するためである。
【0103】
そして、積算時間が第1判定積算時間以上になった場合、車速センサ故障判定部12Cは、車速センサVSを故障と判定し、故障判定信号FFにHI信号を設定する。
【0104】
最後に、図1乃至図2を参照して、電動パワーステアリング装置1における制御装置12Cによる制御を説明する。特に、車速センサ故障判定部21Cでの制御については、図6のフローチャートに沿って説明する。図6は、第3の実施の形態に係る車速センサ故障判定部での動作フローチャートである。なお、制御装置12CのCPUでの処理は一定時間毎に繰り返し実行されており、図6の動作フローチャートの処理も一定時間毎に繰り返し実行される。ここでの説明では、車速センサVSが正常の場合と故障の場合とに分けて説明する。
【0105】
まず、車速センサVSが正常の場合について説明する。ドライバは、ステアリングホイール3やアクセルペダル(図示せず)、ブレーキペダル(図示せず)に対する操作により、車両を駆動させたり、車両の転舵輪W,Wを転舵させたりする。すると、電動パワーステアリング装置1では、操舵トルクセンサTSで操舵トルクを検出するとともに、車速センサVSで車速を検出する。
【0106】
そして、制御装置12Cは、目標電流設定部20で操舵トルク信号Tと車速信号Vに基づいて目標電流信号IMSを設定する。
【0107】
また、制御装置12Cは、車速センサ故障判定部21Cで車速信号VSによる車速が0km/hか否かを判定する(S11)。通常の走行中の場合、車速信号VSによる車速は0km/hより大きくなるので、車速センサ故障判定部21Cでは、車速が0km/hでないと判定し、連続時間や積算時間を全て0に初期化し(S15)、故障判定信号FFにLOW信号を設定する(S17)。
【0108】
一方、車速信号VSによる車速が0km/hの場合、車速センサ故障判定部21Cでは、S11の処理で車速を0km/hと判定し、エンジン回転数センサESによるエンジン回転数が判定回転数以上か否かを判定する(S12)。そして、エンジン回転数が判定回転数未満の場合、車速センサVSで車速を0km/hと検出している可能性があるので、車速センサ故障判定部21Cでは、故障判定信号FFにLOW信号を設定する(S17)。
【0109】
一方、エンジン回転数が判定回転数以上の場合、車速センサ故障判定部21Cでは、空吹状態信号RがHI信号の状態(空吹かしではない状態)が判定連続時間以上連続するか否かを判定する(S13)。そのために、車速センサ故障判定部21Cでは、S13の処理に入った時点から連続時間をカウントする。このとき、急発進によって瞬間的には車速センサVSで車速を0km/hと検出している場合でも、通常、車両は前進し始めているので、数10秒に設定された判定連続時間の間、車速センサVSで車速を0km/hと検出することはない。したがって、エンジン回転数が判定回転数以上の状態が判定連続時間以上連続する前に、車速センサ故障判定部21Cでは、S11の判定において車速が0km/hより大きいと判定し、連続時間や積算時間を全て0に初期化し(S15)、故障判定信号FFにLOW信号を設定する(S17)。もちろん、連続時間が判定連続時間以上になる前にエンジン回転数が判定回転数未満になった場合や空吹状態信号RがLOW信号になった(空吹かし状態になった)場合、車速センサ故障判定部21Cでは、故障判定信号FFにLOW信号を設定する(S17)。このS13の判定条件によって、空吹かし状態の場合でも、車速センサVSを故障と誤判定することがなくなる。
【0110】
さらに、判定連続時間が非常に短い時間で設定されているために、万が一、急発進によって判定連続時間以上の間、車速センサVSで車速を0km/hと検出した場合でも、以下の制御によって車速センサVSを故障と誤判定することを確実に防止している。つまり、車速センサ故障判定部21Cでは、S13の処理で空吹状態信号RがHI信号の状態が判定連続時間以上連続すると判定した場合でも、さらに空吹状態信号RがHI信号の状態が第1判定積算時間以上積算するか否かを判定する(S14)。そのために、車速センサ故障判定部21Cでは、S14の処理に入った時点から積算時間をカウントする。このとき、急発進によって瞬間的には車速センサVSで車速を0km/hと検出している場合でも、通常、車両が前進し始めているので、判定連続時間に加えて第1判定積算時間以上の間、車速センサVSで車速を0km/hと検出することはない。したがって、空吹状態信号RがHI信号の状態が第1判定積算時間以上積算する前に、車速センサ故障判定部21Cでは、S11の判定において車速が0km/hより大きいと判定し、連続時間や積算時間を全て0に初期化し(S15)、故障判定信号FFにLOW信号を設定する(S17)。
【0111】
そして、故障判定信号FFがLOW信号の場合(車速センサVSが正常の場合)、制御装置12Cは、目標電流フェード部22で目標電流信号IMS’としてそのまま目標電流信号IMSを設定する。ちなみに、故障判定信号FFはメータMに送信されるが、LOW信号なので、電動パワーステアリング装置1のワーニングランプは消灯したままである。
【0112】
さらに、制御装置12Cは、偏差演算部23で目標電流信号IMS’と電動機電流信号IMOから偏差信号ΔIMを演算する。さらに、制御手段12Cでは、駆動制御部24で偏差信号ΔIMに基づいて電動機制御信号VOを生成する。そして、制御手段12Cでは、電動機駆動回路25で電動機制御信号VOに対応して電動機駆動電圧VMを発生し、電動機8に印加する。すると、電動機8では、目標電流信号IMS’に応じた電動機電流IMが流れる。そのため、電動パワーステアリング装置1では、電動機8が正回転方向または逆回転方向に駆動し、ステアリング系Sに補助トルクを付加する。
【0113】
次に、車速センサVSが故障の場合について説明する。ドライバは、ステアリングホイール3やアクセルペダル(図示せず)、ブレーキペダル(図示せず)に対する操作により、車両を駆動させたり、車両の転舵輪W,Wを転舵させたりする。すると、電動パワーステアリング装置1では、操舵トルクセンサTSで操舵トルクを検出する。このとき、車速センサVSは、故障しているので、車速が0km/hとなる車速信号Vを出力している。
【0114】
そして、制御装置12Cは、目標電流設定部20で操舵トルク信号Tと車速信号Vに基づいて目標電流信号IMSを設定する。このとき、車速信号Vは車速を0km/hと示しているので、目標電流信号IMSは大きな値が設定されている。
【0115】
また、制御装置12Cは、車速センサ故障判定部21Cで車速信号VSによる車速が0km/hか否かを判定する(S11)。このとき、車速センサVSは、故障しているので、車速信号VSによる車速は0km/hとなっている。したがって、車速センサ故障判定部21Cでは、S11の判定で車速が0km/hと判定し、エンジン回転数センサESによるエンジン回転数が判定回転数以上か否かを判定する(S12)。
【0116】
そして、エンジン回転数が判定回転数未満の場合、車速センサ故障判定部21Cでは、故障判定信号FFにLOW信号を設定する(S17)。
【0117】
一方、エンジン回転数が判定回転数以上の場合、車速センサVSが故障している可能性があるので、車速センサ故障判定部21Cでは、空吹状態信号RがHI信号の状態が判定連続時間以上連続するか否かを判定する(S13)。そのために、車速センサ故障判定部21Cでは、S13の処理に入った時点から連続時間をカウントする。このとき、車速信号Vによる車速が常時0km/hなので、車速センサ故障判定部21Cでは、S11の判定において車速が0km/hより大きいと判定することはない。したがって、通常の走行中であれば、車速センサ故障判定部21Cでは、S13の処理で空吹状態信号RがHI信号の状態が判定連続時間以上連続すると判定し、さらに空吹状態信号RがHI信号の状態が第1判定積算時間以上積算するか否かを判定する(S14)。そのために、車速センサ故障判定部21A,21Bでは、S14の処理に入った時点から積算時間をカウントする。
【0118】
前記と同様に、車速信号Vによる車速が常時0km/hなので、車速センサ故障判定部21Cでは、S11の判定において車速が0km/hより大きいと判定することはない。したがって、通常の走行中であれば、車速センサ故障判定部21Cでは、S14の処理で空吹状態信号RがHI信号の状態が第1判定積算時間以上積算すると判定し(車速センサVSを故障と判定し)、故障判定信号FFにHI信号を設定する(S16)。
【0119】
このように、判定連続時間および第1判定積算時間の間、空吹かしでない状態かつエンジン回転数が判定回転数以上の場合に車速センサVSで車速を0km/hと検出していれば、間違いなく車速センサVSが故障していると推定できる。
【0120】
そして、故障判定信号FFがHI信号の場合(車速センサVSが故障の場合)、制御装置12Cは、目標電流フェード部22で目標電流信号IMS’としてフェードマップに従って目標電流信号IMSを変換して設定する。すると、目標電流信号IMS’は、徐々に小さな値が設定され、最終的に0あるいは所定の小さな値になる。ちなみに、HI信号の故障判定信号FFがメータMに送信され、電動パワーステアリング装置1のワーニングランプが点灯する。
【0121】
さらに、制御装置12Cは、偏差演算部23で目標電流信号IMS’と電動機電流信号IMOから偏差信号ΔIMを演算する。さらに、制御手段12Cでは、駆動制御部24で偏差信号ΔIMに基づいて電動機制御信号VOを生成する。そして、制御手段12Cでは、電動機駆動回路25で電動機制御信号VOに対応して電動機駆動電圧VMを発生し、電動機8に印加する。すると、電動機8では、目標電流信号IMS’に応じて徐々に小さくなる電動機電流IMが流れる。そのため、電動パワーステアリング装置1では、電動機8は正回転方向または逆回転方向に駆動されるが、ステアリング系Sに付加される補助トルクは徐々に小さくなり、やがて補助トルクが付加されなくなるかあるいは小さな補助トルクが付加される。
【0122】
この第3の実施の形態の制御装置12Cを備える電動パワーステアリング装置1によれば、車速センサ故障判定部21Cにおいて車速信号V、エンジン回転数信号Eおよび空吹状態信号Rに基づいて車速センサVSの故障を判定しているので、空吹かし状態の時に車速センサVSを故障と誤判定することはない。また、この電動パワーステアリング装置1では、車速センサ故障判定部21Cにおいて判定連続時間や第1判定積算時間による判定条件を設けているので、急発進時に車速センサVSを故障と誤判定することはない。したがって、この電動パワーステアリング装置1では、車速センサVSの故障を高精度に判定することができる。
【0123】
また、この第3の実施の形態の制御装置12Cを備える電動パワーステアリング装置1によれば、空吹検知手段をエンジン制御装置ECCに設ける構成としたので、構成が簡単化し、低コストとなる。さらに、この電動パワーステアリング装置1によれば、車速センサVSが故障した場合にはワーニングランプを点灯させたり、フェード処理により除々に補助アシスト力を小さくするので、ドライバに電動パワーステアリング装置1の故障を安全に通知することができる。
【0124】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、前記の実施の形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
例えば、本実施の形態では、シフト状態検知手段または空吹検知手段をエンジン制御装置に備える構成としたが、シフト状態検知手段または空吹検知手段を電動パワーステアリング装置の制御装置に備える構成としてもよい。制御装置にシフト状態検知手段を構成する場合、制御装置には、オートマチック車ではシフトポジションセンサからの検出信号を取り入れ、マニュアル車ではニュートラルスイッチおよびクラッチスイッチのオン/オフ信号を取り入れる。一方、制御装置に空吹検知手段を構成する場合、制御装置には、エンジン回転数信号の他に吸入空気量センサの検出信号を取り入れる。
また、本実施の形態では判定連続時間と第1判定積算時間による判定条件を設けたが、一方の判定時間による判定条件としてもよい。
また、本実施の形態では車速センサの故障を判定した場合には目標電流信号をフェード処理するように構成したが、電動機制御信号に対してフェード処理するようにしてもよいし、車速を一定車速に固定して制御するようにしてもよいし、車両の特性等に応じて対処してよい。
【0125】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る電動パワーステアリング装置は、車速検出手段の故障判定において、判定要素を車速、エンジン回転数およびシフト状態とし、判定条件として判定連続時間および第1判定積算時間を加味したので、急発進の場合でも車速検出手段を故障と誤判定することはない。したがって、この電動パワーステアリング装置では、車速検出手段の故障を高精度に判定できる。
【0126】
本発明の請求項2に係る電動パワーステアリング装置は、車速検出手段の故障判定において判定要素を車速、エンジン回転数およびシフト状態とし、判定条件として第2判定積算時間を加味したので、シフト状態検知手段と車速検出手段がともに故障の場合でも車速検出手段を故障と判定でき、さらに空吹かしを行っている場合でも車速センサを故障と誤判定することはない。したがって、この電動パワーステアリング装置では、車速検出手段の故障を高精度に判定できる。
【0127】
本発明の請求項3に係る電動パワーステアリング装置は、エンジン制御手段にシフト状態検知手段を設けたので、簡単な構成となり、低コストとなる。
【0129】
本発明の請求項4に係る電動パワーステアリング装置は、車速検出手段の故障判定において、判定要素を車速、エンジン回転数および空吹かし状態とし、判定条件として判定連続時間および第1判定積算時間を加味したので、急発進の場合でも車速検出手段を故障と誤判定することはない。したがって、この電動パワーステアリング装置では、さらに車速検出手段の故障を高精度に判定できる。
【0130】
本発明の請求項5に係る電動パワーステアリング装置は、エンジン制御手段に空吹検知手段を設けたので、簡単な構成となり、低コストとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の全体構成図である。
【図2】本実施の形態に係る制御装置のブロック構成図である。
【図3】第1の実施の形態に係るシフト状態検知手段の説明図であり、(a)はハードウェア構成図であり、(b)はシフト状態信号の信号値の設定表である。
【図4】第2の実施の形態に係るシフト状態検知手段の説明図であり、(a)はハードウェア構成図であり、(b)はシフト状態信号の信号値の設定表である。
【図5】第1および第2の実施の形態に係る車速センサ故障判定部での動作フローチャートである。
【図6】第3の実施の形態に係る車速センサ故障判定部での動作フローチャートである。
【符号の説明】
1・・・電動パワーステアリング装置
8・・・電動機
12(12A,12B,12C)・・・制御装置(電動機制御手段)
21(21A,21B,21C)・・・車速センサ故障判定部(故障判定手段)
30,40・・・シフト状態検知手段
S・・・ステアリング系
EC(ECA,ECB,ECC)・・・エンジン制御装置(エンジン制御手段)
ES・・・エンジン回転数センサ(エンジン回転数検出手段)
VS・・・車速センサ(車速検出手段)
Claims (5)
- ステアリング系に補助トルクを付加する電動機と、
車両の速度を検出する車速検出手段と、
車両のシフト状態を検知するシフト状態検知手段と、
エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
前記車速検出手段からの出力に基づいて前記電動機の駆動を制御する電動機制御手段と、を備え、
前記電動機制御手段が、前記車速検出手段で検出される車速、前記シフト状態検知手段で検知されるシフト状態および前記エンジン回転数検出手段で検出されるエンジン回転数に基づいて、前記車速検出手段の故障を判定する故障判定手段を有する電動パワーステアリング装置であって、
前記故障判定手段は、前記車速が0かつ前記シフト状態が車両駆動状態である場合に、前記エンジン回転数が所定回転数以上である状態が判定連続時間連続し、かつ前記エンジン回転数が所定回転数以上である状態が第1判定積算時間積算した時には前記車速検出手段を故障と判定することを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - ステアリング系に補助トルクを付加する電動機と、
車両の速度を検出する車速検出手段と、
車両のシフト状態を検知するシフト状態検知手段と、
エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
前記車速検出手段からの出力に基づいて前記電動機の駆動を制御する電動機制御手段と、を備え、
前記電動機制御手段が、前記車速検出手段で検出される車速、前記シフト状態検知手段で検知されるシフト状態および前記エンジン回転数検出手段で検出されるエンジン回転数に基づいて、前記車速検出手段の故障を判定する故障判定手段を有する電動パワーステアリング装置であって、
前記故障判定手段は、前記車速が0かつ前記シフト状態が車両駆動状態でない場合に、前記エンジン回転数が所定回転数以上である状態が、予め設定した停車時の空吹かし時間よりも長い第2判定積算時間積算した時には前記車速検出手段を故障と判定することを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記シフト状態検知手段は、エンジン制御手段に含まれ、
前記エンジン制御手段から前記電動機制御手段にシフト状態信号が入力されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。 - ステアリング系に補助トルクを付加する電動機と、
車両の速度を検出する車速検出手段と、
エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
前記車速検出手段からの出力に基づいて前記電動機の駆動を制御する電動機制御手段と、を備え、
前記電動機制御手段が、前記車速検出手段で検出される車速および前記エンジン回転数検出手段で検出されるエンジン回転数に基づいて、前記車速検出手段の故障を判定する故障判定手段を有する電動パワーステアリング装置であって、
車両における空吹かし状態を検知する空吹検知手段を備え、
前記故障判定手段は、前記車速が0かつ前記エンジン回転数が所定回転数以上の場合に、前記空吹検知手段で空吹かし状態でないと検知している状態が判定連続時間連続し、かつ前記空吹かし状態でないと検知している状態が第1判定積算時間積算した時には前記車速検出手段を故障と判定することを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記空吹検知手段は、エンジン制御手段に含まれ、
前記エンジン制御手段から前記電動機制御手段に空吹状態信号が入力されることを特徴とする請求項4に記載の電動パワーステアリング装置。
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