JP3953932B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電動パワーステアリング装置に関し、特に、ステアリング系に複数のモータを設け、当該ステアリング系に対して操舵力補助を行う電動パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動パワーステアリング装置は、自動車を運転中、運転者がステアリングホイール(操舵輪)を操作するときに、モータを連動させて操舵力を補助する支援装置である(例えば、特許文献1参照)。電動パワーステアリング装置では、運転者のハンドル操作によりステアリング軸に生じる操舵トルクを検出する操舵トルク検出部からの操舵トルク信号、および、車速を検出する車速検出部からの車速信号を利用し、モータ制御部(ECU)の制御動作に基づいて補助操舵力を出力する支援用モータを駆動制御し、運転者の手動による操舵力を軽減している(例えば、特許文献2参照)。モータ制御部の制御動作では、上記の操舵トルク信号と車速信号に基づきモータに通電するモータ電流の目標電流値を設定し、この目標電流値に係る信号(目標電流信号)と、モータに実際に流れるモータ電流を検出するモータ電流検出部からフィードバックされるモータ電流信号との差を求め、この偏差信号に対して比例・積分の補償処理(PI制御)を行い、モータを駆動制御するPWM信号を発生させている。
【0003】
従来では電動パワーステアリング装置は主に小型車用に開発されてきたが、特に近年、省燃費や車両制御範囲の拡大等の観点から大型車(2000ccクラス以上の乗用車等)にも装備する必要性が生じてきた。大型車に電動パワーステアリング装置を適用する場合には、車両重量が大きいため、1つのモータを用いる構成では、大きな補助力を出力する大型のモータが要求される。このため、モータのサイズが大きくなり、実車への取付けレイアウト性(搭載性)が悪化し、さらに規格品以外の専用の大型モータとそのモータ制御駆動部が必要となり、製作コストが上昇することになる。そこで、従来、上記のような大型車の電動パワーステアリング装置に適した構成として、2つの支援用モータを用いた構成が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0004】
【特許文献1】
特表2001−525292号公報(第1図)
【特許文献2】
特開2001−260908号公報(段落0040、段落0041、第1図)
【特許文献3】
特開2001−151125号公報(第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように電動パワーステアリング装置に2つの支援用モータを備えた場合、一方のモータが故障した場合であっても、他方のモータによって運転者の手動による操舵力を、モータによる補助操舵力が全くないよりも軽減することが可能である。しかし、故障していない、正常なモータによる補助操舵力の大きさは、2つのモータが正常に動作している場合の補助操舵力の大きさのままであり、2つのモータが正常に動作している場合と同じ操舵を行うには、運転者の手動による操舵力の負担が大きい。また、停車時の操舵等の負担が大きい場合には、1つのモータでは、負担しきれずに運転者が負担することとなる。特に、重量車においては、ステアリングギアボックスの推力が大きいため、運転者への負担が大きい。
【0006】
図11は、従来の電動パワーステアリング装置におけるモータと運転者の負荷の関係を示した図である。電動パワーステアリング装置において、モータが受け持つ補助操舵力と運転者の操舵力との比率は、10対1程度になっている。特に、2つのモータが設けられた電動パワーステアリング装置の場合においては、2つのモータが受け持つ各々の補助操舵力と運転者の操舵力との比率は、5対5対1程度になっている。2つのモータであるAモータとBモータとが正常に動作している場合、運転者による負荷は図左のグラフの斜線で示しているように少ない。ここで、Aモータが故障すると、運転者による負荷は、Bモータによる補助操舵力のみになるので、Aモータによる補助操舵力の分の負荷を受ける。すなわち、AモータとBモータと運転者の負荷比率は、0対5対6となる。このため、図右のグラフのAモータ故障時で示すように運転者による負荷はAモータにより補助されるはずの補助操舵力の分までの負荷がかかる。これは、Bモータによる補助操舵力の大きさが、AモータとBモータとが正常に動作している場合と同じであるためである。なお、正常なモータに対しては、そのモータの特性や耐久性等から通電させる電流のリミット値が設定されており、その電流リミット値よりも大きな電流を流すことができないため、より大きな補助操舵力を与えることができず、運転者の負担となっている。
【0007】
本発明の目的は、上記の問題に鑑み、これを有効に解決することにあり、複数のモータが設けられた電動パワーステアリング装置であって、複数のモータの内の少なくとも1つが故障したときに、正常なモータに対して与える補助操舵力の分配量を増加させ、運転者の負担を軽くする電動パワーステアリング装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係る電動パワーステアリング装置は、上記の目的を達成するため、次のように構成される。
【0009】
第1の電動パワーステアリング装置(請求項1に対応)は、操舵輪を転舵する方向に力を付与するモータが複数設けられている電動パワーステアリング装置において、複数のモータに対してモータ電流を分配する分配部と、複数のモータの各々の電流リミット値を設定する電流リミット値設定手段と、を備え、複数のモータの内の少なくとも1つが故障したときに、電流リミット値設定手段は正常なモータの電流リミット値を通常電流リミット値よりも大きい故障時電流リミット値に設定し、分配部は、モータ電流を分配することを特徴とする。
【0010】
上記の電動パワーステアリング装置では、複数のモータの内の少なくとも1つが故障したときに、電流リミット値設定部が正常なモータの電流リミット値を通常電流リミット値よりも大きい故障時電流リミット値に設定し、分配部が正常なモータに対して通常電流リミット値より大きいモータ電流を分配することが可能であり、補助操舵力を増加させて、運転者の負担を軽くすることが可能である。
【0013】
の電動パワーステアリング装置(請求項に対応)は、上記の第1の構成において、好ましくは、正常なモータの電流値が通常の電流リミット値より大きい状態が所定時間続くか否かを検知する計時部(タイマ)を設け、所定時間続いたことを条件に、電流リミット値設定部が故障時電流リミット値から通常の電流リミット値へ戻すことを特徴とする。
【0014】
の電動パワーステアリング装置によれば、電流リミット値設定部が、正常なモータの電流値が通常の電流リミット値より大きい状態が所定時間続いたことを条件に、故障時電流リミット値から通常の電流リミット値へ戻すので、正常なモータの耐久性に応じて、最大限に正常なモータを活用でき、より運転者の負担を軽くすることが可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0016】
なお、実施形態で説明される構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って本発明は、以下に説明される実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【0017】
図1,2を参照して本発明に係る電動パワーステアリング装置の代表的構成を説明する。図1は2モータ形式の電動パワーステアリング装置の基本的な構成部分(2モータのうち1つのモータのみを示している)を概念的に示す図であり、図2は2つのモータおよびギヤボックスを備えたラック軸の実際の装置の外観レイアウトを示す図である。
【0018】
電動パワーステアリング装置10は例えば乗用車両に装備される。電動パワーステアリング装置10は、ステアリングホイール11に連結されるステアリング軸12等に対して補助用の操舵トルクを与えるように構成されている。ステアリング軸12の上端はステアリングホイール11に連結され、下端にはピニオンギヤ(またはピニオン)13が取り付けられている。ここで、ステアリング軸12の下端のピニオンギヤ13を取りつけた部分をピニオン軸12aと呼ぶこととする。実際には、上側のステアリング軸12と下側のピニオン軸12aとは図示しない自在継手で連結されている。ピニオンギヤ13に対して、これに噛み合うラックギヤ14aを設けたラック軸14が配置されている。ピニオンギヤ13とラックギヤ14aによってラック・ピニオン機構15が形成される。
【0019】
ピニオン軸12aとラック軸14の間で形成されるラック・ピニオン機構15は第1のギヤボックス23A内に収容されている。ギヤボックス23Aの外観は図2に示される。
【0020】
ラック軸14の両端にはタイロッド16が設けられ、各タイロッド16の外側端には前輪17が取り付けられる。前輪17は車両の転舵輪として機能する。
【0021】
上記ピニオン軸12aに対しては、さらに、動力伝達機構18を介してモータ19Aが付設されている。動力伝達機構18は、モータ19Aの出力軸(ウォーム軸)19A−1に設けられたウォームギヤと、ピニオン軸12aに固定されたウォームホイールとによって構成される。動力伝達機構18はギヤボックス23Aの中に組み込まれている。
【0022】
ステアリング軸12には操舵トルク検出部20が設けられている。操舵トルク検出部20は、運転者がステアリングホイール11を操作することによって生じる操舵トルクをステアリング軸12に加えたとき、ステアリング軸12に加わる操舵トルクを検出する。操舵トルク検出部20もギヤボックス23A内に組み込まれている。21は車両の車速を検出する車速検出部であり、30はマイクロコンピュータ等を利用したコンピュータシステムで構成される制御装置(ECU)である。制御装置30は、操舵トルク検出部20から出力される操舵トルク信号Tと車速検出部21から出力される車速信号V等を取り入れ、操舵トルクや車速等に係る情報に基づいて、モータ19A等の回転動作を制御する駆動制御信号SG1を出力する。またモータ19A等にはモータ回転角検出部22が付設されている。モータ回転角検出部22の回転角(電気角)に係る信号SG2は制御装置30に入力されている。
【0023】
本実施形態に係る電動パワーステアリング装置では、モータ19Aと同一性能を有する他のモータ(図2の19B)が付設され、2モータ形式で構成されている。他のモータ19Bは図2に示されている。モータ19Bは、モータ19Aと同じ構成を有し、制御装置30によって制御される。
【0024】
上記のラック軸14には、図2に示すごとく、前述の第1のギヤボックス23Aに加えて、さらに第2のギヤボックス23Bが設けられている。ギヤボックス23Bには、第1のギヤボックス23Aと同様に、ラック軸14に形成されたラックギヤと、このラックギヤに噛み合うピニオンギヤと、このピニオンギヤが固定されかつ回転自在に支持されたピニオン軸とが内蔵されている。上記の第2のギヤボックス23Bには動力伝達機構18を介して他のモータ19Bが付設されている。モータ19Bの出力軸は前述したように伝動軸(ウォーム軸)を有し、この伝動軸にはウォームギヤが設けられ、他方、上記ピニオン軸には、ウォームギヤに噛み合うウォームホイールが固定されている。
【0025】
ギヤボックス23Bの構成は基本的にギヤボックス23Aと同じ構成である。モータ19Bが駆動されると、出力軸、ウォームギヤ、ウォームホイール、ピニオン軸、ピニオンギヤ、ラックギヤを介して駆動力がラック軸14に伝達される。
【0026】
以上のように本実施形態に係る電動パワーステアリング装置10は、2つのモータ19A,19Bを支援用モータとして備え、手動操舵力のアシストを行うように構成されている。上記において電動パワーステアリング装置10は、通常のステアリング系の装置構成に対し、操舵トルク検出部20、車速検出部21、制御装置30、第1と第2の2つのギヤボックス23A,23B、2つのモータ19A,19B、2つの動力伝達機構18を付設することによって構成されている。
【0027】
上記構成において、運転者がステアリングホイール11を操作して自動車の走行運転中に走行方向の操舵を行うとき、ステアリング軸12に加えられた操舵トルクに基づく回転力は下部のピニオン軸12aとラック・ピニオン機構15を介してラック軸14の軸方向の直線運動に変換され、さらにタイロッド16を介して前輪17の走行方向を変化(転舵)させようとする。このときにおいて、同時に、ピニオン軸12aに付設された操舵トルク検出部20は、ステアリングホイール11での運転者による操舵に応じた操舵トルクを検出して電気的な操舵トルク信号Tに変換し、この操舵トルク信号Tを制御装置30へ出力する。また車速検出部21は、車両の車速を検出して車速信号Vに変換し、この車速信号Vを制御装置30へ出力する。制御装置30は、操舵トルク信号Tおよび車速信号Vに基づいて2つのモータ19A,19Bを駆動するためのモータ電流を発生する。このモータ電流によって駆動されるモータ19A,19Bは、それぞれ、各動力伝達機構18およびギヤボックス23A,23Bを介して補助の操舵トルクをラック軸14に作用させる。以上のごとく、2つのモータ19A,19Bを駆動することにより、ステアリングホイール11に加えられる運転者の操舵力を軽減する。
【0028】
図3は、本発明に係る第1実施形態の制御装置30の内部構成を示すブロック図である。制御装置30はモータ19Aに対するモータ駆動制御部31Aと、モータ19Bに対するモータ駆動制御部31Bと、操舵トルク信号Tおよび車速信号Vに基づいて目標電流を設定し目標電流信号Mを出力する目標電流設定部41と、モータ19A,19Bの故障を検出する故障検出部42とモータ19A,19Bに対して目標電流を分配する目標電流分配部50から構成される。モータ駆動制御部31Aはゲート駆動回路32Aとモータ駆動回路33Aから構成され、モータ駆動制御部31Bはゲート駆動回路32Bとモータ駆動回路33Bから構成される。モータ駆動回路33A,33Bへはバッテリ24から電力が供給される。なお、故障検出部42は、例えばゲート駆動回路32A,32Bからモータ駆動回路33A,33Bにそれぞれ与えられるPWM信号のデューティduty1,duty2に基づいて故障を検知する。
【0029】
前述したモータ電流はモータ駆動制御部31A,31Bからそれぞれモータ19A,19Bへ与えられる電流である。モータ駆動制御部31Aのゲート駆動回路32Aは、目標電流分配部50によって分配された電流信号SAに基づいてPMW信号を出力し、このPMW信号のデューティに基づいてモータ駆動回路33Aをスイッチング動作させる。これにより、モータ19Aへモータ電流が供給される。モータ19Bに対するモータ駆動制御部31Bにおいても、ゲート駆動回路32Bとモータ駆動回路33Bが同様に目標電流分配部50によって分配された電流信号SBに基づいて動作する。目標電流分配部50は、故障検出部42から故障信号Kを受信すると故障したモータを判断し、判断結果に応じて故障していない、正常なモータに対して与えているモータ電流を増加させるように電流信号SA,SBを変化させる。
【0030】
図4は目標電流分配部50の内部構成を示すブロック図である。目標電流分配部50は、故障信号Kを受信し、故障したモータを判断する故障モータ判断部51と、目標電流信号Mを受信し、モータ19A,19Bに対して分配する電流を決定し電流信号SA,SBを出力する電流分配決定部52から構成される。故障モータ判断部51は、故障信号Kを受信し、故障したモータがモータ19Aかモータ19Bかを判断する。故障モータ判断部51は、正常なモータに係る信号KMを電流分配決定部52へ出力する。電流分配決定部52は目標電流信号Mと正常なモータに係る信号KMを受信し、モータ19Aおよびモータ19Bへ与える電流を決定する。例えば、モータ19Aが故障している場合には、モータ19Aへの電流をゼロとし、モータBへ与える電流を増加させる。
【0031】
図5は、目標電流分配部50の動作フロー図である。目標電流設定部41から目標電流信号Mを読み込む(ステップS101)。故障検出部42から故障信号Kを受信する。故障信号Kは例えば、2ビットの信号から成り、「00」はモータ19A,19Bが正常、「01」はモータ19Aが正常で、モータ19Bが故障中、「10」はモータ19Aが故障中で、モータ19Bが正常、「11」はモータ19A,19Bが故障中とする。上記故障信号Kによりモータ19A,19Bが故障か否かが判断される(ステップS102)。ここでは、2ビットの信号のいずれかに「1」があるかないかが判断される。故障中のモータがない場合、つまり、モータが正常に動作している場合には、通常の制御が行われる(ステップS105)。ここで、通常の制御とは、2つのモータが同じ大きさである場合には、同じ電流を流すようにし、異なる大きさである場合には、その大きさに応じて電流を分配するようにする。また、モータには同時に通電せずに、最初に1つのモータへ通電するようにしてもよい。
【0032】
故障したモータがあると、どのモータが故障したモータで、どのモータが正常であるかが判断される(ステップS103)。ここで、正常なモータがない場合、つまり故障信号Kが「11」である場合電動パワーステアリング装置の制御が中止される(ステップS106)。正常なモータが有ると判断されると、つまり故障信号Kが「01」または「10」である場合、故障信号Kに応じて正常なモータへの電流の分配量が高められる(ステップS104)。
【0033】
図6は、モータと運転者の負荷の関係を示した図である。通常時のモータ19Aとモータ19Bの補助操舵力と運転者による操舵力の比が5対5対1とする。斜線部分が運転者による操舵力を表わしている。例えば、モータ19Aが故障した場合、目標電流分配部50によってモータ駆動回路33Bからモータ19Bへ供給される電流が増加し、モータ19Bによる補助操舵力が大きくなる。図6の右のグラフはモータ19Bによる補助操舵力によって運転者の操舵力の負担が軽くなったことを示している。ここでは、モータ19Bの補助操舵力と運転者による操舵力の比が7対4程度になっている。
【0034】
図7は、本発明に係る第2実施形態の制御装置30の内部構成を示すブロック図である。なお、第1実施例の図3で示した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。第2実施形態の制御装置30では、モータ駆動回路33A,33Bに流れる電流を測る電流検出部34A,34Bが設けられている。電流検出部34A,34Bは、シャント抵抗R1,R2の抵抗値とシャント抵抗R1,R2の両端の電位差から電流を検出し、電流信号IA,IBを出力する。検出された、モータ駆動回路33A,33Bに流れる電流は、電流信号IA,IBとして目標電流分配部60へ入力される。
【0035】
図8は目標電流分配部60の内部構成を示すブロック図である。目標電流分配部60は、故障信号Kを受信し、故障したモータを判断する故障モータ判断部61と、目標電流信号Mを受信し、モータ19A,19Bに対して分配するモータ電流を決定し、電流信号SA',SB'を出力する電流分配決定部62と、故障モータ判断部61からの信号を受け、正常なモータの電流リミット値を設定する電流リミット値設定部63と、電流リミット値とモータに流れる電流とに基づいて動作するタイマ64とから構成される。
【0036】
故障モータ判断部61は、故障信号Kに基づいてどのモータが故障したかを判断し、電流分配決定部62と電流リミット値設定部63に、例えば正常なモータに係る信号KMを出力する。なお、故障モータ判断部61は、故障がない場合には電流リミット値設定部63へ信号KMを出力しない。電流リミット値設定部63は、正常なモータに係る信号KMを受信し、正常なモータの電流リミット値を故障時電流リミット値にする。この故障時電流リミット値は一方のモータが故障した場合に、正常なモータによる補助操舵力を増加させるため、通常の電流リミット値よりも大きく設定される。電流分配決定部62は目標電流信号Mと正常なモータに係る信号KMと電流リミット値信号Lを受信し、モータ19Aおよびモータ19Bへ与える電流を決定する。例えばモータ19Aが故障し、モータ19Bが正常な場合には、モータ19Aへの電流を0にし、モータ19Bの電流を故障時電流リミット値に応じて、通常の電流リミット値より大きな電流を流すようにする。
【0037】
図9は、目標電流分配部60の動作フロー図である。故障検出部42から故障信号Kを受信する。故障信号Kは例えば、2ビットの信号から成り、「00」はモータ19A,19Bが正常、「01」はモータ19Aが正常で、モータ19Bが故障中、「10」はモータ19Aが故障中で、モータ19Bが正常、「11」はモータ19A,19Bが故障中とする。上記故障信号Kによりモータ19A,19Bが故障か否かが判断される(ステップS201)。ここでは、2ビットの信号のいずれかに「1」があるかないかが判断される。故障中のモータがない場合、つまり、モータが正常に動作している場合には、後述するCを0にする(ステップS209)。故障したモータがあると、どのモータが故障したモータで、どのモータが正常であるかが判断される(ステップS202)。ここで、正常なモータがない場合、つまり故障信号Kが「11」である場合電動パワーステアリング装置の制御が中止される(ステップS208)。正常なモータが有ると判断されると、つまり故障信号Kが「01」または「10」である場合、正常なモータの電流リミット値が故障時リミット値に設定される(ステップS203)。正常なモータの電流リミット値が故障時リミット値に設定されると、正常なモータに対して通常の電流リミット値以上のモータ電流を流すことが可能となるので、正常なモータの電流が通常の電流リミット値以上流れているかを見る(ステップS204)。正常なモータの電流値が通常の電流リミット値より小さい場合は後述するCを0にする(ステップS209)。正常なモータの電流が通常の電流リミット値以上流れている場合は、タイマ64を動作させ、Cを1つカウントする(ステップS205)。モータの電流値が通常の電流リミット値以上ということは、通常であれば、耐久性から好ましくないが、所定の時間内であれば、通常の電流リミット値を上回っても耐久性の範囲内である。このため、故障時には通常の電流リミット値が設定されている場合には出せない補助操舵力を、故障時電流リミット値にすることによって出すことができる。上記理由から、モータの電流値が通常の電流リミット値を上回っている所定時間が、モータの耐久性の範囲内を出ない程度である必要がある。そこで、タイマ64のカウントCがαより大きくなった場合(ステップS206)、電流リミット値を通常の電流リミット値に戻す(ステップS207)。
【0038】
上記工程で、タイマ64が動作した後、一方のモータが故障中で他方のモータが正常な場合、再びステップS203を通過するが、このとき正常なモータの電流リミット値が故障時リミット値に保持されており、正常なモータの電流値と通常の電流リミット値の比較が行われる(ステップS204)。なお、このとき、正常なモータの電流値が通常の電流リミット値を下回っていた場合、モータに通常以上の負担がかからないため、タイマ64のカウントCを0とする(ステップS209)。これにより、より効率的にモータを動作させることができる。
【0039】
図10は、モータと運転者の負荷の関係を示した図である。通常時のモータ19Aとモータ19Bの補助操舵力と運転者の操舵力の比が5対5対1とする。斜線部分が運転者の操舵力を表わしている。例えば、モータ19Aが故障した場合、目標電流分配部60の電流リミット値設定部63によってモータ19Bの電流リミット値が故障時電流リミット値となる。これにより、モータ19Bには通常の電流リミット値以上の電流が流れることが可能となる。このため、モータ19Bによる補助操舵力がより大きくなる。図6の右のグラフはモータ19Bによる補助操舵力によって運転者の操舵力の負担が軽くなったことを示している。これは、第1実施形態の図6で示したように単にモータ電流の分配量を変えた場合よりも、運転者の操舵力の負担が軽くなっていることを示している。ここでは、モータ19Bの補助操舵力と運転者による操舵力の比が8対2程度になっている。
【0040】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、次の効果を奏する。
【0041】
以上説明したように本発明の電動パワーステアリング装置によれば、操舵輪を転舵する方向に力を付与するモータが複数設けられ、複数のモータに対して与える補助操舵力を分配する分配部を備え、この分配部が前記複数のモータの内の少なくとも1つが故障したときに、正常なモータに対して与える補助操舵力の分配量を増加させるので、モータ故障時に運転者の負担を軽くすることができる。また、複数のモータの電流リミット値を設定する電流リミット値設定部を備え、複数のモータの内の少なくとも1つが故障したときに、電流リミット値設定部が正常なモータの電流リミット値を故障時電流リミット値に設定するので、正常なモータの能力を最大に発揮させるように、通常電流リミット値以上のモータ電流を分配することができ、より運転者の負担を軽くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動パワーステアリング装置の基本的な構成部分を概念的に示す図である。
【図2】2つのモータおよびギヤボックスを備えたラック軸の実際の装置の外観レイアウトを示す図である。
【図3】本発明に係る第1実施形態の制御装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】目標電流分配部の内部構成を示すブロック図である。
【図5】目標電流分配部の動作フロー図である。
【図6】モータと運転者の負荷の関係を示した図である。
【図7】本発明に係る第2実施形態の制御装置の内部構成を示すブロック図である。
【図8】目標電流分配部の内部構成を示すブロック図である。
【図9】目標電流分配部の動作フロー図である。
【図10】モータと運転者の負荷の関係を示した図である。
【図11】従来の電動パワーステアリング装置におけるモータと運転者の負荷の関係を示した図である。
【符号の説明】
10 電動パワーステアリング装置
11 ステアリングホイール
19A モータ
19B モータ
20 操舵トルク検出部
21 車速検出部
22 モータ回転角検出部
23A ギヤボックス
23B ギヤボックス
30 制御装置
31A,31B モータ駆動制御部
32A,32B ゲート駆動回路
33A,33B モータ駆動回路
34A,34B 電流検出部
41 目標電流設定部
42 故障検出部
50 目標電流分配部
51 故障モータ判断部
52 電流分配決定部
60 目標電流分配部
61 故障モータ判断部
62 電流分配決定部
63 電流リミット値設定部
64 タイマ

Claims (2)

  1. 操舵輪を転舵する方向に力を付与するモータが複数設けられている電動パワーステアリング装置において、
    前記複数のモータに対してモータ電流を分配する分配手段と、
    前記複数のモータの各々の電流リミット値を設定する電流リミット値設定手段と、
    を備え、
    前記複数のモータの内の少なくとも1つが故障したときに、前記電流リミット値設定手段は正常なモータの電流リミット値を通常電流リミット値よりも大きい故障時電流リミット値に設定し、前記分配手段は、前記モータ電流を分配することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記正常なモータの電流値が通常の電流リミット値より大きい状態が所定時間続くか否かを検知する計時手段を設け、前記所定時間が続いたことを条件に、前記電流リミット値設定手段は故障時電流リミット値から通常の電流リミット値へ戻すことを特徴とする請求項記載の電動パワーステアリング装置。
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