JPH11147479A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JPH11147479A
JPH11147479A JP9317357A JP31735797A JPH11147479A JP H11147479 A JPH11147479 A JP H11147479A JP 9317357 A JP9317357 A JP 9317357A JP 31735797 A JP31735797 A JP 31735797A JP H11147479 A JPH11147479 A JP H11147479A
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JP
Japan
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motor
current
electric power
target current
driver
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JP9317357A
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English (en)
Inventor
Takayuki Kifuku
隆之 喜福
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/04Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear
    • B62D5/0457Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear characterised by control features of the drive means as such
    • B62D5/0481Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear characterised by control features of the drive means as such monitoring the steering system, e.g. failures
    • B62D5/049Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear characterised by control features of the drive means as such monitoring the steering system, e.g. failures detecting sensor failures
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/04Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear
    • B62D5/0457Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear characterised by control features of the drive means as such
    • B62D5/0481Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear characterised by control features of the drive means as such monitoring the steering system, e.g. failures
    • B62D5/0484Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear characterised by control features of the drive means as such monitoring the steering system, e.g. failures for reaction to failures, e.g. limp home

Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータ端子電圧検出回路が故障すると、モー
タ角速度推定値が正しく演算されず、運転者の操舵状況
とは無関係にモータに電流が流れることにより、電動パ
ワーステアリング装置による操舵力の制御に異常が生じ
る。 【解決手段】 運転者の操舵力検出値に基づいて決定さ
れる第1のモータ目標電流と、モータの逆起電圧に基づ
いて決定される第2のモータ目標電流とから、運転者の
操舵力を補助するためのモータに通流する第3のモータ
目標電流を決定すると共に第2又は第3の目標電流に上
限値を設ける。又、モータ逆起電圧を演算するに必要な
回路の故障検出を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、モータに供給す
る電流または電圧に上限を設定することにより、適切な
フェールセーフ処置を行うことができると共に、操舵感
覚の向上を図ったモータを制御する電動パワーステアリ
ング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図15は、特開平8−175404号公
報に記載された従来の電動パワーステアリング装置にお
けるコントローラの構成を概略的に示す図である。1は
運転者の操舵力を補助するための動力源であるモータ、
2は運転者がステアリングを切る際の操舵力を検出する
トルクセンサ、3はトルクセンサ2の検出信号を後述す
るA/D変換器21に入力するための入力インターフェ
イス(以下インターフェイスをI/Fと記す)であり、
直流増幅と位相補償を行うものである。4は車両の走行
速度を検出する車速センサ、5は車速センサ4を後述す
るI/Oポート20に入力するための入力I/Fであ
る。6はモータ1に供給される電流(モータ電流)を所
定の電圧に変換して、後述するA/D変換器21に入力
するためのモータ電流検出回路である。モータ電流検出
回路6は、モータ電流を電圧に変換する電流検出抵抗器
7と、電流検出抵抗器7の両端の電圧を増幅するための
増幅回路8とを備える。9はモータ1の端子電圧の電圧
レベルを変換してA/D変換器21に入力するためのモ
ータ端子電圧検出回路であり、モータ1を駆動するため
のPWM搬送波周波数よりも低い周波数帯域を通過させ
る低域通過特性を有するものである。モータ端子電圧検
出回路9は、抵抗器10a〜10f、コンデンサ11
a、11bを備える。また、モータ1を駆動するための
H形ブリッジ回路12は、パワーMOSFET13a〜
13dから構成されている。14は、パワーMOSFE
T13a〜13dをそれぞれ駆動するためのFETドラ
イバ14a〜14dから構成される駆動回路、また、1
5はマイクロコンピュータであり、CPU16、プログ
ラム等を格納するROM17、データ等を一時的に保持
するRAM18、モータ1を駆動するためのパルス信号
を生成するPWMタイマ19、I/Oポート20a、I
/Oポート20b、A/D変換器21および制御周期の
管理等に使用するためのタイマ22を備える。PWMタ
イマ19には、FETドライバ14aおよびFETドラ
イバ14cの入力端が接続されている。また、I/Oポ
ート20aにはFETドライバ14bおよび14dが接
続されており、同様にI/Oポート20bには、車速セ
ンサ入力I/F5を介して車速センサ4が接続されてい
る。A/D変換器21には、モータ電流検出回路6およ
びモータ端子電圧検出回路9の出力端が接続されると共
に、トルクセンサ入力I/F3を介してトルクセンサ2
の出力端が接続されている。
【0003】図16は、図15に示す従来の電動パワー
ステアリング装置におけるコントローラの機能ブロック
図である。なお、以下に記す操舵力補助電流演算手段2
3、電流制御手段24、モータ角速度演算手段25、モ
ータ角加速度演算手段26、クーロン摩擦補償電流演算
手段27、粘性摩擦補償電流演算手段28、慣性補償電
流演算手段29は、ROM17内に記憶されているプロ
グラムをCPU17が実行することによって、その機能
が得られるものである。
【0004】23は操舵力を静的に補助するためのモー
タ電流を演算する補助電流演算手段であり、トルクセン
サ2により検出された操舵力に対応する操舵力検出値V
tと、車速センサ4により検出された車速に対応する車
速検出値Vsに基づいて、操舵力補助電流目標値Isを
演算するものである。24はモータ1に通流する電流を
制御する電流制御手段であり、モータ電流検出回路6に
より検出されたモータ電流検出値Iasnsがモータ目標
電流Ia1と一致するようにフィードバック制御し、モ
ータ1への印加電圧Va1を演算するものである。25
はモータ1の角速度を演算するモータ角速度演算手段で
あり、モータ端子電圧検出回路9により検出されたモー
タ端子電圧V12およびV22から求められるモータ端
子間電圧Vasnsと、モータ電流検出回路6により検出
されたモータ電流Iasnsとに基づいてモータ角速度推
定値ωを演算するものである。26は、モータ角加速度
演算手段であり、モータ角速度演算手段25により演算
されたモータ角速度推定値ωに基づいて、モータ角加速
度推定値dω/dtを演算するものである。27は、ス
テアリング系のクーロン摩擦を補償するためのモータ電
流を演算するクーロン摩擦補償電流演算手段であり、モ
ータ角速度推定値ωと、車速センサ4により検出された
車速Vsとに基づいて、クーロン摩擦補償電流目標値I
cを演算するものである。28は、ステアリング系の粘
性摩擦を補償するためのモータ電流を演算する粘性摩擦
補償電流演算手段であり、モータ角速度推定値ωと、車
速センサ4により検出された車速Vsとに基づいて、粘
性摩擦補償電流目標値Idを演算するものである。29
は、ステアリング系の慣性モーメントを補償するための
モータ電流を演算する慣性補償電流演算手段であり、モ
ータ角加速度推定値dω/dtと、車速センサ4により
検出された車速Vsとに基づいて、慣性補償電流目標値
Ijを演算するものである。
【0005】次に動作について説明を行う。ステアリン
グホイールが操舵され、操舵系に操舵トルクが発生し、
この操舵トルクがトルクセンサ2により検出されると、
操舵トルクに対応する電圧値VtがA/D変換器21を
介してCPU16に入力される。以下、プログラムに従
った処理が行われ、操舵力補助電流演算手段23は、車
速検出値Vsと操舵力検出値Vtに基づいて、例えば図
17に示す通り操舵力補助電流目標値Isを演算し、電
流制御手段24にモータ目標電流Ia1として供給す
る。電流制御手段24は、モータ電流検出値Iasns
モータ目標電流Ia1が一致するようにフィードバック
制御を行い、モータヘの印加電圧Va1を演算すると共
に、Va1をモータ1に印加するために、PWMタイマ
19とI/Oポート20aから信号をH型ブリッジ回路
12に与え、モータ1を駆動する。
【0006】モータ1が駆動されると、モータ端子電圧
検出回路9で、モータ1の各端子の電圧V12、V22
が検出され、A/D変換器21を介してCPU16に入
力される。以下、プログラムに従った処理が行われ、C
PU16は、Vasns=V12−V22としてモータ端
子間電圧検出値Vasnsを演算し、この値Vasnsをモー
タ角速度演算手段25に与える。モータ角速度演算手段
25では、モータ端子間電圧検出値Vasnsとモータ電
流検出値Iasnsからモータ角速度推定値ωを演算し、
この値ωをモータ角加速度演算手段26、クーロン摩擦
補償電流演算手段27、粘性摩擦補償電流演算手段28
に与える。モータ角加速度演算手段26では、モータ角
加速度推定値dω/dtをモータ角速度推定値ωを微分
処理することによって求め、この値dω/dtを慣性補
償電流演算手段29に与える。クーロン摩擦補償電流演
算手段27では、車速Vs、モータ角速度推定値ωから
例えば図18に示す特性に基づいてクーロン摩擦補償電
流の目標値Icを演算し、この目標値Icを操舵力補助
電流目標値Isに加える。クーロン摩擦補償電流目標値
Icは、低速時において特に悪化するステアリングホイ
ールの戻りを向上させるものである。粘性摩擦補償電流
演算手段28では、車速Vs、モータ角速度推定値ωか
ら例えば図19に示す特性に基づいて粘性摩擦補償電流
の目標値Ia1を演算し、上記操舵力補助電流目標値I
sに加える。粘性摩擦補償電流の目標値Idは、操舵フ
ィーリングに粘性感を与えるとともに、特に高速時にお
いて悪化する、ステアリングホイール戻り時の収斂性を
向上させるものである。慣性補償電流演算手段29で
は、モータ角加速度推定値dω/dtから、モータ1の
慣性モーメントの影響により、特に操舵方向反転時に操
舵力が重くなる、いわゆる慣性感を軽減するという効果
がある慣性補償電流の目標値Ijを、例えば図20に示
す特性に基づいて演算し、上記操舵力補助電流目標値I
sに加える。このように、モータ目標電流Ia1は、操
舵力補助電流目標値Isと、クーロン摩擦補償電流Ic
と、粘性摩擦補償電流目標値Idと、慣性補償電流目標
値Ijから、Ia1=Is+Ic+Ia1+Ij(1)
として求められ、この値Ia1は、電流制御手段24に
与えられ、以下同様にモータ電流が制御される。
【0007】ここで、モータ角速度演算手段25につい
て詳しく説明を行う。モータ1を他励直流機とすれば、
電機子の等価回路は図21のように表すことができる。
ここで、Ra:電機子抵抗、La:電機子インダクタン
ス、ve:モータ誘起電圧、Va:モータ端子間電圧、
Ia:モータ電流である。図21において、電機子イン
ダクタンスLaに基づく過渡的な項を無視すれば、Va
=Ia・Ra+ve(2)が成り立つ。また、ve=K
e・ωm(3)(Ke:モータ誘起電圧定数、ωm:モ
ータ角速度)が成り立つから、(2)式および(3)式
より、ωm=(Va−Ia・Ra)/Ke(4)を得
る。RaとKeは定数であり、VaとIaには検出値を
用いることができるから、ω=(Vasns−Iasns・R
a)/Ke(5)(ω:モータ角速度推定値、V
sns:モータ端子間電圧検出値、Iasns:モータ電流
検出値)によってモータ角速度を推定することができ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の電動パワーステ
アリング装置は以上のように構成されており、モータ角
速度推定値はモータ端子間電圧に基づいて演算される。
このため、モータ端子電圧検出回路が故障すると、モー
タ角速度推定値が正しく演算されず、運転者の操舵状況
とは無関係にモータに電流が流れてしまうため、電動パ
ワーステアリング装置による操舵力の制御に異常が生じ
るという課題があった。この発明は、上述のような問題
点を解決するためになされたものであり、制御系の回路
に故障が生じた場合においても、ステアリングホイール
の操作に悪影響を及ぼすことがなく、制御系の回路に故
障が発生したと判断した場合は、運転者に警告する等の
適切なフェールセーフ処置を行うことのできる電動パワ
ーステアリング装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の電動パワース
テアリング装置は、少なくとも運転者の操舵力検出値に
基づいて決定される第1のモータ目標電流と、少なくと
もモータの逆起電圧に基づいて決定される第2のモータ
目標電流とから、運転者の操舵力を補助するためのモー
タに通流する第3のモータ目標電流を決定するととも
に、モータの逆起電圧に基づいて決定される第2のモー
タ目標電流に上限値を設けたことを特徴とする。
【0010】また、上記第2のモータ目標電流の上限値
を、運転者の操舵力検出値に基づいて変化させることを
特徴とする。
【0011】また、少なくとも運転者の操舵力検出値に
基づいて決定される第1のモータ目標電流と、少なくと
もモータの逆起電圧に基づいて決定される第2のモータ
目標電流とから、運転者の操舵力を補助するためのモー
タに通流する第3のモータ目標電流を決定するととも
に、第3のモータ目標電流の上限値を操舵力検出値に基
づいて変化させることを特徴とする。
【0012】また、少なくとも運転者の操舵力検出値に
基づいて決定される第1のモータ目標電流と、少なくと
もモータの逆起電圧に基づいて決定される第2のモータ
目標電流とから、運転者の操舵力を補助するためのモー
タに通流する第3のモータ目標電流を決定すると共にモ
ータの駆動制御を行う第1の制御手段と、少なくとも運
転者の操舵力の検出値に基づいてモータを制御する第2
の制御手段とによって、運転者の操舵力を補助するモー
タの駆動制御を行うと共に、第1の制御手段に設定され
たモータ電流の上限値を第2の制御手段に設定されたモ
ータ電流の上限値以下とすることを特徴とする。
【0013】また、モータ電流の上限値を、モータ印加
電圧の上限値と置き換えた。
【0014】また、所定時間以内は、モータ電流ないし
はモータ印加電圧が上限値を越えることを許可する。
【0015】また、少なくとも運転者の操舵力検出値に
基づいて演算される第1のモータ目標電流と、少なくと
もモータの逆起電圧に基づいて演算される第2のモータ
目標電流とから、運転者の操舵力を補助するためのモー
タに通流する第3のモータ目標電流を演算すると共に、
モータの端子電圧が所定範囲から逸脱した場合に故障と
判断することを特徴とする。
【0016】また、少なくとも運転者の操舵力検出値に
基づいて演算される第1のモータ目標電流と、少なくと
もモータの逆起電圧に基づいて演算される第2のモータ
目標電流とから、運転者の操舵力を補助するためのモー
タに通流する第3のモータ目標電流を演算すると共に、
モータの各端子電圧の差が所定範囲から逸脱した場合に
故障と判断することを特徴とする。
【0017】また、上記モータの端子電圧ないしはモー
タの各端子電圧の差が、所定の電圧範囲から所定時間以
上継続して逸脱した場合に故障と判断することを特徴と
する。
【0018】また、上記モータに供給される電源電圧が
所定の電圧範囲から逸脱した場合には故障判定を行わな
い。
【0019】また、上記モータに供給する電源電圧が所
定の電圧範囲から逸脱した場合にはモータヘの通電を禁
止する。
【0020】また、上記モータに供給する電源電圧に応
じて、故障判定における所定の電圧範囲を変化させるこ
とを特徴とする。
【0021】また、故障と判断した場合には上記第2の
モータ目標電流の上限値を0近傍に設定し、これを保持
することを特徴とする。
【0022】また、故障と判断した場合には上記モータ
目標電流の上限値を0近傍に設定し、これを保持するこ
とすることを特徴とする。
【0023】また、故障と判断した場合には上記モータ
印加電圧の上限値を0近傍に設定し、これを保持するこ
とすることを特徴とする。
【0024】また、上記モータの駆動回路と、電源また
は接地との間にスイッチ手段をさらに備え、故障と判定
した場合にはスイッチ手段を開放し、これを保持するこ
とを特徴とする。
【0025】また、上記モータを、ステアリングシステ
ムから機械的に連結または遮断するクラッチ手段をさら
に備え、故障と判定した場合にはクラッチ手段を遮断
し、これを保持することを特徴とする。
【0026】さらに、上記運転者に警報を発するための
警報手段を備え、故障と判断した場合には運転者に警報
を発することを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて説明を行う。なお、従来と同一の部分あるいは相当
する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0028】実施の形態1.図1は、この発明のパワー
ステアリング装置の構成を概略的に示す図である。図2
および図3は、パワーステアリング装置の構成の要部を
概略的に示す図である。図1において、30は、第1の
制御手段としてのマイクロコンピュータ15と独立して
運転者の操舵力とモータ電流を監視する第2の制御手段
としての冗長手段であるトルク監視手段である。31
は、マイクロコンピュータ15の出力と、トルク監視手
段30の出力から、モータ1の通電方向を決定するモー
タ駆動論理生成手段である。32は、H形ブリッジ回路
12へ電源を供給または遮断するために設けられたスイ
ッチ手段としてのリレーである。また、図2に示すよう
に、33は、リレー32の接点に印加される電圧VBM
を分圧し、A/D変換器21を介してCPU16に入力
する電源電圧を検出する電源電圧検出回路である。ま
た、モータ1とステアリングホイール(図示せず)の間
には、これらを機械的に連結または遮断するための電磁
クラッチ(図示せず)が設けられており、図1に示す3
4は、電磁クラッチを駆動するための励磁コイルであ
る。なお、このようにモータとステアリングホイールの
間に用いるクラッチは電磁式のものでなくても良い。ま
た、図3に示す35は、運転者に警報を発するための警
報手段としてのアラームランプであり、36は、I/O
ポート20aの信号を電流増幅して、リレー32、クラ
ッチ34、アラームランプ35を駆動するためのバッフ
ァである。
【0029】図4は、この発明の電動パワーステアリン
グ装置の機能を示す機能ブロック図である。図4におい
て、各機能ブロックは、ROM17内に記憶されたプロ
グラムがCPU16によって実行されることによってそ
の機能が得られるものである。従って、これらの各手段
によって得られる機能は、第1の制御手段としてのマイ
クロコンピュータ15が備えるものである。
【0030】モータ端子間電圧演算手段37は、モータ
端子電圧検出回路9の出力電圧V12、V22に基づい
てモータ端子間電圧Vasnsの演算を行う。モータ端子
電圧検出回路故障判定手段38は、モータ端子電圧検出
回路9の出力電圧V12、V22が所定の電圧範囲から
逸脱した場合に、図1に示す回路が故障していると判断
する。39は、操舵力検出値Vtと、モータ端子電圧検
出回路故障判定手段38の故障判定結果から、モータ1
に通流する電流の上限値を設定する最大電流設定手段で
ある。40は、第1のモータ目標電流としての操舵力補
助電流目標値Isと、第2のモータ目標電流としてのク
ーロン摩擦補償電流目標値Ic、粘性摩擦補償電流目標
値Idおよび慣性補償電流目標値Ijとの各目標電流
と、最大電流設定手段39によって設定されたモータ電
流の上限値ImaxL、ImaxRから、第3のモータ
目標電流としてのモータ目標電流Ia1を演算する目標
電流演算手段である。なお、ImaxLは、モータが左
方向に操舵力を補助する場合の電流の上限値を表し、I
maxRは、モータが右方向に操舵力を補助する場合の
電流の上限値を表すものである。
【0031】次に、図1〜図4を参照しながら動作につ
いて説明を行う。モータ1の端子電圧V12、V22
は、モータ端子電圧検出回路9で検出されると、それぞ
れマイクロコンピュータ15に内蔵されたA/D変換器
21を介してCPU16に入力される。
【0032】以下、ROM17に記憶されているプログ
ラムに従って処理が行われる。モータ端子間電圧演算手
段37では、モータ端子間電圧検出値VasnsがVas ns
=V12−V22(6)で演算され、モータ角速度演算
手段25に入力される。以下、従来と同様に、操舵力補
助電流目標値Is、クーロン摩擦補償電流目標値Ic、
粘性摩擦補償電流目標値Idおよび慣性摩擦補償電流目
標値Ijがそれぞれ演算され、これらの各値は目標電流
演算手段40に入力される。
【0033】モータ端子電圧検出回路故障判定手段38
では、モータ端子電圧検出回路9で検出されるモータ端
子電圧検出値V12、V22が適正な範囲内(所定の電
圧範囲内)であるかどうかの判定が行われる。ここで、
モータ端子電圧検出回路9の動作について詳しく説明を
行う。なお、モータ端子電圧V21、モータ端子電圧検
出値V22と、モータ端子電圧V11、モータ端子電圧
検出値V12はモータ端子電圧検出回路9内の一対の同
様の回路によって検出される電圧であるので、ここでは
V11とV12の関係式について説明を行う。
【0034】モータ端子電圧V11、モータ端子電圧検
出値V12の間には、以下の関係が成り立つ。従って、
モータ端子電圧V21、モータ端子電圧検出値V22の
関係式については、以下に記す式(7)から式(11)
において、V11、V12をそれぞれV21、V22
に、抵抗値R11、R12をR21、R22に、さら
に、静電容量C11をC21にそれぞれ置き換えれば良
い。
【0035】ここに、モータ端子電圧検出値V12は、
V12=(R11・R12・V11+R12・R13・
Vcc)/[(R11・R12+R12・R13+R1
3・R11)・{1+R11・R12・R13・C11
・s/(R11・R12+R12・R13+R13・R
11)](7)ただし、s:ラプラス演算子、VB:電
源電圧、Vcc:A/D変換器21の基準電圧である。
【0036】ここで、端子電圧V11として与えられる
電圧範囲は、パワーMOSFET13の寄生ダイオード
の順方向電圧をVFとすれば、−VF≦V11≦VB
(8)である。過渡項を無視すると、(7)式と(8)
式から、端子電圧検出値V12の範囲は、(−R11・
R12・VF+R12・R13・Vcc)/(R11・
R12+R12・R13+R13・R11)≦V12≦
{R11・R12・VB+R12・R13・Vcc}/
(R11・R12+R12・R13+R13・R11)
(9)となる。
【0037】電源電圧VBとパワーMOSFET13の
寄生ダイオードの順方向電圧VFは、ほぼ一定の値と見
なすことができるので、温度特性等を無視できるものと
すれば、抵抗器10a、10bおよび10cの抵抗値と
基準電圧Vccは一定値となるから、(9)式よりV1
2は一定範囲内の値となる。従って、V12が(9)式
で定められる所定の範囲から逸脱すれば、モータ端子電
圧検出回路9の故障と判断することができる。このよう
な原理に基づいて、モータ端子電圧検出回路故障判定手
段38はモータ端子電圧検出回路9の故障判定を行う。
【0038】図5は、この発明の電動パワーステアリン
グ装置におけるモータ端子電圧検出回路故障判定手段3
8の故障判定の流れを説明するフローチャートである。
なお、図5のフローチャートで表されるプログラムは、
CPU16によって、一定周期毎に実行されるものとす
る。また、以下では、操舵力とモータ電流は、中立を0
とし、ステアリングホイールを右方向に切っている場合
を正にとって符号を付すものとする。なお、モータ端子
電圧検出回路9a、9bは同一の機能を有する回路であ
り、故障検出方法も全く同じであるので、ここでは、モ
ータ端子電圧検出回路9aによる故障検出について説明
を行う。
【0039】まず、ステップ1で、V11が、予め定め
られた範囲内VTHL1<V11<VT HH1にあるかどうか
を調べる。V11がこの範囲内にない場合は、ステップ
2で、RAM18内のカウンタを1増加させる。また、
V11が上述の範囲内にある場合は、ステップ3で、R
AM18内のカウンタを0にクリアする。
【0040】ステップ4では、RAM18内のカウンタ
が所定値tTH1以上の値であれば、ステップ5でRAM
18に設定された故障フラグを1にセットし、一方、カ
ウンタが所定値tTH1以下であれば、本プログラムを一
定周期毎に呼び出すプログラムに戻る。なお、故障フラ
グは、電動パワーステアリング装置の電源が投入される
ことによってCPU16がリセットされたときに0にク
リアされるものとし、上述したように故障フラグが1に
セットされた後は、電源が遮断されるまで1を保持する
ものである。
【0041】こうして、モータ端子電圧検出回路故障判
定手段38によって、モータ端子電圧検出回路9の検出
電圧が所定時間以上継続して所定範囲外にある場合に
は、RAM18内に設けられた所定のフラグに1がセッ
トされ、電動パワーステアリングの電源が遮断されるま
で、故障判定結果が保持される。
【0042】最大電流設定手段39は、上述したような
故障判定結果に基づいて、モータ目標電流Ia1に許容
される上限値を設定する。以下、図6のフローチャート
に従って最大電流設定手段39の動作について説明を行
う。なお、図6に示されたプログラムも、一定周期毎に
呼び出されるものとする。また、図6において、Ima
xは、モータ1の定格電流を表し、モータ1はImax
を通流時に最大トルクを出力するものである。Imax
Lは、ステアリングホイールを左方向に切る際の操舵力
をモータ1が補助する場合の電流の上限値を表し、Im
axRは、同様に、ステアリングホイールを右方向に切
る際の操舵力をモータ1が補助する場合の電流の上限値
を表すものである。
【0043】ステップ6から10までは、操舵力検出値
Vtに基づき、故障時においても、過大な操舵力補助を
行わないようにモータ1に供給される電流値の最大値を
設定するものである。なお、操舵力検出値Vtは、運転
者がステアリングホイールを操舵する力を検出したもの
である。
【0044】まず、ステップ6において、操舵力検出値
Vtが所定値TTHLより小さいかどうかを判定する。こ
の結果、操舵力検出値の方が小さい場合、即ち運転者が
操舵力|TTHL|以上でステアリングホイールを左方向
に操舵していると考えられる場合には、ステップ7で、
右方向の操舵力補助を禁止し(即ちImaxR=0とし
て)、左方向の操舵力補助に備え、モータ1に許容され
る最大電流を設定する(ImaxL=Imaxとす
る)。
【0045】次に、ステップ8において、操舵力検出値
Vtが所定値TTHRより大きいかどうかを判定する。こ
の結果、操舵力検出値の方が大きい場合、即ち運転者が
操舵力|TTHR|以上でステアリングホイールを右方向
に操舵していると考えられる場合には、ステップ9で、
左方向の操舵力補助を禁止し(即ちImaxL=0とし
て)、右方向の操舵力補助に備え、モータ1に許容され
る最大電流を設定する(ImaxR=Imaxとす
る)。
【0046】なお、これらの結果、ステップ6とステッ
プ8で、左操舵でも右操舵でもないと判定された場合に
は、ステアリングホイールは、概ね中立付近にあると考
えられる。その場合には、ステップ10で、モータ電流
が所定値以下に制限され、ImaxL=IL1、Ima
xR=IR1となる。
【0047】次に、図7、図8および図9に基づいてス
テップ6からステップ10における動作について説明を
行う。図7ないし図9は、運転者がステアリングホイー
ルを中立位置で保持して走行している際において、モー
タ端子電圧検出回路9が故障した場合のモータ端子電圧
検出値、モータ角速度推定値およびモータ目標電流の時
間変化をそれぞれ示す特性図である。
【0048】図7において、時刻t=0では、モータ端
子電圧検出回路9からは端子電圧V12、V22として
以下の式(10)、(11)に示すようにステアリング
ホイールが中立にあることを示す場合に相当する電圧が
出力されている。 V12=R12・Vcc/(R11+R12)(1
0)、V22=R22・Vcc/(R21+R22)
(11) また、このときモータ角速度演算手段25から出力され
るモータ角速度推定値ωは、ω=0となる。従って、モ
ータ1は通電されておらず、目標電流演算手段40から
はIa1=0が出力される。
【0049】時刻t=t1でモータ端子電圧検出回路9
aに故障が発生すると、ステアリングホイールが中立位
置にあるにもかかわらず、モータ端子電圧検出回路9の
出力電圧は、V12=Vccまで上昇する。このような
故障として考えられるものは、例えば抵抗器10aの短
絡である。そして、(5)式および(6)式から、モー
タ角速度演算手段25は、モータ角速度推定値ωとし
て、正方向即ち右方向の非常に大きな角速度を出力する
(図8参照)。クーロン摩擦補償電流演算手段27と粘
性摩擦補償電流演算手段28は、モータ1が非常に大き
な速度で回転しているものと判断し、例えば図18、1
9の特性に従い、非常に大きな目標電流Ic、Idを出
力する。
【0050】同時に、モータ角加速度演算手段26は、
モータ角加速度推定値dω/dtとして、正方向即ち右
方向の非常に大きな角加速度を出力する。慣性補償電流
演算手段29は、モータ1が非常に大きな角加速度で加
速しているものと判断し、例えば図20の特性に従い、
非常に大きな目標電流Ijを出力する。目標電流演算手
段40は、以上の動作結果にしたがって、(1)式によ
りモータ目標電流Ia1を演算する。
【0051】図9に示すように、時刻t1でモータ端子
電圧検出回路9に故障が発生することにより、目標電流
演算手段40が出力する目標電流Ia1が上昇する。即
ち、モータ端子電圧検出回路9に故障が発生した場合、
運転者がステアリングホイールを中立に保持しているに
もかかわらず、モータ1が通電されることが起こりう
る。時刻t=t2でモータ端子電圧検出回路故障判定手
段38による故障判定が完了すると、後述するステップ
11からステップ12でモータ電流目標値Ia1が適切
な値に制限される。
【0052】以上の通り、モータ端子電圧検出回路9の
故障を検出しても、所定時間TTH1を経過して故障判定
が完了する時刻t2までは、故障に対する処置は講じら
れず、モータ1に電流が流れうる。このとき、図9にお
いて、時刻t1<t<t2では、Ic、Id、Ijの設
定によっては、一点鎖線で示すように、モータ目標電流
Ia1がImaxまで設定される可能性がある。
【0053】しかし、このような不具合を防止するため
に、例えば、ステアリングホイールが中立付近にある場
合にモータ1を駆動しないような構成では、操舵フィー
リングが悪化する。そこで、ステップ6〜10に示すよ
うに、少なくともステアリングホイールが中立付近にあ
る場合には、モータ1に通流する電流を所定値以下に制
限することとすれば、故障時にはモータ電流が制限さ
れ、運転者は操舵を阻害されることがない。その結果、
操舵フィーリングを向上させるとともに、故障時に対す
る適切なフェールセーフ処置を備えることができる。
【0054】また、従来から、電動パワーステアリング
装置においては、安全性を高める手法として、運転者の
操舵状態をトルクセンサの出力に基づいて判断し、操舵
していないと判断される場合にはH形ブリッジ回路12
を遮断し、ステアリングホイールの自転を防止する冗長
手段を、主たるモータ制御手段と独立して設ける手法が
知られている。
【0055】その手法としては、例えば図10に示すよ
うに、操舵力検出値Vtに対するIasnsの上限値を設
定する場合がある。図10は、操舵力検出値に対するモ
ータ電流検出値の特性図である。上記冗長手段によって
電流が制限されると、モータ目標電流Ia1とモータ電
流検出値Iasusは一致しなくなる。その状態で例えば
電流制御手段24でモータ電流をフィードバック制御す
ると、例えば積分制御項が最大値まで増大し、上記冗長
手段による電流制限が解除された後にモータ電流のオー
バーシュートを生じる等の弊害を生じる。
【0056】これを防止するには、最大電流設定手段3
9による上限値IR1を、予め冗長手段による上限値I
R2以下に設定しておけばよい。これにより、故障時に
運転者が操舵を阻害されないばかりでなく、冗長手段の
不要な動作を防止することもできる。
【0057】ステップ11〜ステップ12までは、モー
タ端子電圧検出回路故障判定手段38が故障と判断した
場合に、モータ1に通流する電流値を制限するものであ
る。まず、ステップ11で、モータ端子電圧検出回路故
障判定手段38の判定結果が保持されたフラグを参照す
る。故障と判定されている場合には、ステップ12に
て、ImaxL、ImaxRをともに0に設定する。故
障と判定されていない場合にはステップ13に進む。
【0058】ステップ13からステップ14は、電源電
圧VBが変動した場合に、モータ端子電圧検出回路故障
判定手段38の故障誤判定を防止するものである。ま
ず、(9)式に基づき、故障と判定するV12の電圧に
ついてさらに詳しく説明を行う。
【0059】本実施の形態のような車載用機器では、電
源はバッテリであり、電源電圧VBは、通常約12〜1
4(V)の範囲にある。しかし、バッテリにサージ電圧
が印加される場合には、サージアブソーバが挿入されて
いても、VBは20〜30(V)まで上昇する。
【0060】このような場合には、モータ端子電圧検出
回路9が正常であるにもかかわらず、V12、V22が
(9)式に基づいて設定された上限値である故障判定し
きい値を超えてしまう可能性がある。これを防止するた
めには、電源電圧VBを読みとり、サージ電圧が電源に
印加されている場合にはパワーMOSFET13を導通
させることを抑止し、モータ端子電圧検出回路9にサー
ジ電圧が入力されないようにすることが望ましい。
【0061】次に、図6に戻り、最大電流設定手段39
の動作について説明を行う。リレー通過後の電圧VBM
が電源電圧検出回路33を介してA/D変換器21に入
力されており、CPU16に電源電圧検出値として入力
される。ステップ13では、VBMが、電源にサージ電
圧が印加されている場合の電圧値VBTHより大き,いか
調べる。その結果、VBTH<VBMの場合には、ステッ
プ14にて、ImaxL、ImaxRはともに0に設定
される。
【0062】後述する電流制御手段24では、目標電流
Ia1=0の場合には、パワーMOSFET13a〜1
3dをすべて遮断するように設定されており、これによ
って、電源電圧にサージが印加された場合にはモータ端
子電圧検出回路9に、故障を誤判定するような過大な電
圧が印加されることが防止される。VBM≦VBTHの場
合には、そのままプログラムを終了する。以上の動作に
より、電源にサージが印加された場合においても、モー
タ端子電圧検出回路故障判定手段38は故障判定を継続
させることができる。
【0063】図11は、この発明の電動パワーステアリ
ング装置のモータ端子電圧検出回路の故障判定しきい値
を設定するための特性図である。図11において、故障
判定しきい値VTHL1は、通常動作範囲の下限値に対し
てマージンを設け、低めに設定している。故障判定しき
い値VTHH1も、モータ1の駆動を停止する電圧に対し
てマージンを設け、高めに設定している。このようなマ
ージンにより、雑音や、素子の温度特性の影響による故
障の誤判定を避けることができる。
【0064】目標電流演算手段40では、以上の通り演
算されたIs、Ic、Id、Ij、ImaxL、Ima
xRから、モータ1に通流する目標電流を演算し、電流
制御手段24に与える。以下、目標電流演算手段40の
動作を、図12のフローチャートに従って説明を行う。
【0065】まず、ステップ15で、各制御電流Is、
Ic、Id、Ijを加算し、目標電流Ia1を演算す
る。次に、ステップ16から19で、モータ電流の上限
値を設定する。ステップ16では、右方向の上限値と目
標電流との比較を行う。ステップ15で演算された目標
電流Ia1が、最大電流設定手段39で設定されたIm
axRよりも小さいかを調べ、ImaxR≦Ia1の場
合には、ステップ17で、Ia1=ImaxRにクリッ
プする。ステップ18では、左方向の上限値と目標電流
との比較を行う。Ia1≦ImaxLの場合には、ステ
ップ19で、Ia1=ImaxLにクリップする。
【0066】電流制御手段24では、従来例と同様に、
以上の通り演算された目標電流Ia1と、モータ電流検
出回路6で検出されたIasnsが一致するように制御を
行い、モータヘの印加電圧Va1を演算し、H形ブリッ
ジ回路12でモータ1を駆動する。目標電流Ia1=0
の場合には、パワーMOSFET13a〜13dをすべ
てオフし、モータ1への通電を遮断する。
【0067】以上の通りモータ端子電圧検出回路9の故
障を監視しながら、モータ1を駆動し、ステアリング系
に操舵補助力を与える。モータ端子電圧検出回路故障判
定手段38がモータ端子電圧検出回路9の故障と判定し
た場合には、以下の通りフェールセーフ処置を講じる。
【0068】まず、上述の通り、最大電流設定手段39
が、目標電流Ia1=0とし、その結果電流制御手段2
4はパワーMOSFET13a〜13dをすべてオフす
る。同時に、CPU16は、I/Oポート20を介して
バッファ36を駆動することによって、リレー32をオ
フしてH形ブリッジ回路12の電源を遮断し、クラッチ
34をオフしてモータ1をステアリング系から機械的に
切り離し、アラームランプ35をオンして警告すること
により、パワーステアリング装置に故障が発生している
ことを運転者に知らせる。
【0069】このように、モータ1の逆起電圧に基づい
てモータ1を制御するとともに、適切なフェールセーフ
処置を講じることによって、安全性と操舵フィーリング
を両立させた電動パワーステアリング装置を実現するこ
とが可能となる。また、モータ目標電流に操舵トルクに
応じた上限値を設定することで、操舵フィーリングを悪
化させることなく、故障発生から上記フェールセーフ処
置が講じられるまでの間にもモータ電流を制限すること
ができ、さらに安全性を高めることができる。なお、故
障判定を行わないときにモータ目標電流に上限値を設定
してもよい。
【0070】実施の形態2.実施の形態1の最大電流設
定手段39においては、図6のステップ6〜10に示す
ように、第3のモータ目標電流としてのモータ目標電流
Ia1に上限値を設定したが、実施の形態2では、モー
タ角速度推定値ωに基づいて演算される第2のモータ目
標電流であるクーロン摩擦補償電流目標値Ic、粘性摩
擦補償電流目標値Idおよび慣性補償電流目標値Ijの
うちのいずれか、または、これらの総和が所定値以下と
なるように上限値(ImaxL、ImaxR)を設定す
る。このような場合においても、実施の形態1と同様
に、モータ端子電圧検出回路9の故障時のモータ電流の
上昇を抑制する効果を得ることができる。
【0071】さらにまた、実施の形態2においても実施
の形態1と同様に、モータ目標電流の上限値を操舵力検
出値Vtに基づいて変化させてもよい。例えば、操舵力
が大きいときに上限値を増加させるように設定すれば、
ステアリングホイールを急に反転させ、モータ1の慣性
モーメントの影響で操舵力が増加したような場合におい
ても、上限値が増加しているので、十分な慣性補償電流
Ijを通流させることができ、操舵フィーリングをさら
に向上させることができる。
【0072】また、故障発生から故障判定が終了するま
での間にのみ、即ち、t1〜t2の期間のうちの期間t
TH1にのみ、モータ角速度推定値ωに上限値を設定して
もよく、モータ端子電圧検出回路9の故障時におけるモ
ータ電流の抑制効果は同様である。この場合には、故障
時以外はモータ角速度推定値ωに基づく制御を十分に行
うことができるので、操舵フィーリングがさらに向上す
る。
【0073】また、図6のステップ11〜ステップ12
に示すように、モータ端子電圧検出回路9が故障してい
ると判定した後には、モータ目標電流Ia1に上限値を
設定していたが、これも同様に、モータ角速度推定値ω
に基づいて演算される制御電流であるクーロン摩擦補償
電流目標値Ic、粘性摩擦補償電流目標値Idおよび慣
性補償電流目標値Ijのうちのいずれか、または、これ
らの総和に上限値を設定するようにしてもよい。この場
合には、故障と判定された後も、運転者の操舵力に基づ
く制御は継続されるので、静的な操舵力は変化しない。
したがって、当該故障によって操舵力が急変することを
防止することができる。
【0074】また、以上のようなクリップ処理を、モー
タ角速度推定値ωに対して施しても同様の効果を奏する
ことは言うまでもない。
【0075】また、モータ角速度推定値ωが一時的に上
限値を超えることを許可する構成としてもよい。このよ
うな設定を行うことにより、例えばステアリングホイー
ルを急に反転させた瞬間には、モータ1の慣性モーメン
トの影響を抑えるに十分な慣性補償電流Ijを通流させ
ることが可能となり、操舵フィーリングをより向上させ
ることができる。なお、このように、モータ角速度推定
値ωの上限値の超越を許可する時間は、安全面を考慮し
た上で操舵フィーリングを向上させるに十分な時間(た
とえば50ms)としておけばよい。
【0076】また、上限値をモータ印加電圧Va1に対
して設定してもよい。これにより、例えばモータ電流を
オープンループで制御している場合にも本発明を適用す
ることが可能となる。
【0077】実施の形態3.実施の形態1のモータ端子
電圧検出回路故障判定手段38においては、図5に示し
たように、モータ1の各端子電圧が所定の範囲内にある
かどうかを判定していたが、実施の形態3においては、
各端子電圧の差としての端子間電圧Vasns(=V12
−V22)が所定の電圧範囲内にあるか否かによって、
故障判定を行うように構成してもよい。
【0078】電動パワーステアリングの用途では、モー
タ1を、例えば無負荷回転数を超えるような高速で回転
させることは、運転者の操舵速度の限界を超えているた
め、不可能である。従って、モータの逆起電圧は自ずと
所定の範囲内にあり、モータ端子電圧検出回路9が正常
である限りは、モータ端子間電圧演算手段37の出力で
あるVasn s(=V12−V22)も所定の電圧範囲内
にある。
【0079】しかし、モータ端子電圧検出回路9aまた
は9bが故障し、V11またはV12が例えばVccに
固定されると、モータ端子電圧検出値Vasnsは上昇
し、所定の電圧範囲から外れることになる。このような
場合は、実施の形態1と同様に、モータ端子電圧検出回
路9の故障と判定される。
【0080】上述の故障判定方法は、実施の形態1のよ
うにVasnsをソフトウエアで演算する場合には、実施
の形態1の方法と比べて特に利点はないが、ハードウェ
アで演算する場合にはモータ端子電圧検出回路9の追加
やA/D変換器21のチャンネル数の追加を抑えること
ができるという効果がある。
【0081】図13は、この発明の実施の形態3に係る
電動パワーステアリング装置の構成を概略的に示す図で
ある。図において、41はモータ1の端子間電圧Va
snsを演算するモータ端子間電圧検出回路、42はOP
アンプである。その他の構成は、実施の形態1、実施の
形態2および従来技術に準ずるものであり、同一部分あ
るいは相当部分には同一符号を付してその説明を省略す
る。
【0082】モータ端子間電圧検出回路41において、
例えば抵抗器10gが断線すると、モータ端子間電圧検
出値VasnsはOPアンプ42の電源電圧付近まで上昇
するか、あるいは、接地電位付近まで低下することによ
り、正常な動作状態と区別することができる。従って、
実施の形態1と同様に故障の判定を行うことにより、同
様の故障判定を行うことができる。また、モータ角速度
推定値ωが所定範囲外となった場合に故障と判定しても
同様の効果を得ることができる。
【0083】実施の形態4.実施の形態1においては、
電源電圧VBが上昇した場合に、モータ1の通電を中止
し、モータ端子電圧検出回路9の故障判定を継続させて
いたが、電源電圧VBが所定の範囲から外れた場合にモ
ータ端子電圧検出回路故障判定手段38の故障判定を中
止するように構成してもよい。
【0084】また、図14に示すように、前述した
(9)式に基づいて、故障判定しきい値VTHH1とVTHL
1を電源電圧VBに応じて変化させてもよい。この場合
には、電源にサージが印加されている場合においても、
モータ1を駆動しながら故障判定を継続することができ
る。
【0085】
【発明の効果】この発明の電動パワーステアリング装置
は、少なくとも運転者の操舵力検出値に基づいて決定さ
れる第1のモータ目標電流と、少なくともモータの逆起
電圧に基づいて決定される第2のモータ目標電流とか
ら、運転者の操舵力を補助するためのモータに通流する
第3のモータ目標電流を決定するとともに、モータの逆
起電圧に基づいて決定される第2のモータ目標電流に上
限値を設けたことを特徴とするので、操舵感覚を向上さ
せることができると共に、故障時にも過大なモータ電流
が流れることがない。
【0086】また、上記第2のモータ目標電流の上限値
を、運転者の操舵力検出値に基づいて変化させることを
特徴とするので、操舵感覚をさらに向上させることがで
きる。
【0087】また、少なくとも運転者の操舵力検出値に
基づいて決定される第1のモータ目標電流と、少なくと
もモータの逆起電圧に基づいて決定される第2のモータ
目標電流とから、運転者の操舵力を補助するためのモー
タに通流する第3のモータ目標電流を決定するととも
に、第3のモータ目標電流の上限値を操舵力検出値に基
づいて変化させることを特徴とするので、操舵感覚をさ
らに向上させることができる。
【0088】また、少なくとも運転者の操舵力検出値に
基づいて決定される第1のモータ目標電流と、少なくと
もモータの逆起電圧に基づいて決定される第2のモータ
目標電流とから、運転者の操舵力を補助するためのモー
タに通流する第3のモータ目標電流を決定すると共にモ
ータの駆動制御を行う第1の制御手段と、少なくとも運
転者の操舵力の検出値に基づいてモータを制御する第2
の制御手段とによって、運転者の操舵力を補助するモー
タの駆動制御を行うと共に、第1の制御手段に設定され
たモータ電流の上限値を第2の制御手段に設定されたモ
ータ電流の上限値以下とすることを特徴とするので、操
舵感覚を向上させることができると共に、故障時にも過
大なモータ電流が流れることがない。
【0089】また、モータ電流の上限値を、モータ印加
電圧の上限値と置き換えたので、モータ電流をオープン
ループで制御する場合にも容易に適用することができ
る。
【0090】また、所定時間以内は、モータ電流ないし
はモータ印加電圧が上限値を越えることを許可するの
で、操舵感覚をさらに向上させることができる。
【0091】また、少なくとも運転者の操舵力検出値に
基づいて演算される第1のモータ目標電流と、少なくと
もモータの逆起電圧に基づいて演算される第2のモータ
目標電流とから、運転者の操舵力を補助するためのモー
タに通流する第3のモータ目標電流を演算すると共に、
モータの端子電圧が所定範囲から逸脱した場合に故障と
判断することを特徴とするので、モータの端子電圧検出
回路が故障した場合においても適切なフェールセーフ処
置を講じることができる。
【0092】また、少なくとも運転者の操舵力検出値に
基づいて演算される第1のモータ目標電流と、少なくと
もモータの逆起電圧に基づいて演算される第2のモータ
目標電流とから、運転者の操舵力を補助するためのモー
タに通流する第3のモータ目標電流を演算すると共に、
モータの各端子電圧の差が所定範囲から逸脱した場合に
故障と判断することを特徴とするので、モータの端子電
圧検出回路が故障した場合においても適切なフェールセ
ーフ処置を講じることができる。
【0093】また、上記モータの端子電圧ないしはモー
タの各端子電圧の差が、所定の電圧範囲から所定時間以
上継続して逸脱した場合に故障と判断することを特徴と
するので、雑音等の影響による故障の誤判定を効果的に
防止することができる。
【0094】また、上記モータに供給する電源電圧が所
定の電圧範囲から逸脱した場合には故障判定を行わない
ので、電源電圧変動の影響による故障の誤判定を効果的
に防止することができる。
【0095】また、上記モータに供給する電源電圧が所
定の電圧範囲から逸脱した場合にはモータヘの通電を禁
止するので、電源電圧変動の影響による故障の誤判定を
効果的に防止することができる。
【0096】また、上記モータに供給する電源電圧に応
じて、故障判定における所定の電圧範囲を変化させるこ
とを特徴とするので、電源電圧変動の影響による故障の
誤判定を効果的に防止することができる。
【0097】また、故障と判断した場合には上記第2の
モータ目標電流の上限値を0近傍に設定し、これを保持
することを特徴とするので、運転者が操舵を阻害される
ことがない。
【0098】また、故障と判断した場合には上記第3の
モータ目標電流の上限値を0近傍に設定し、これを保持
することを特徴とするので、運転者が操舵を阻害される
ことがない。
【0099】また、故障と判断した場合には上記モータ
印加電圧の上限値を0近傍に設定し、これを保持するこ
とを特徴とするので、運転者が操舵を阻害されることが
ない。
【0100】また、上記モータの駆動回路と、電源また
は接地との間にスイッチ手段をさらに備え、故障と判定
した場合にはスイッチ手段を開放するようにしたので、
上記故障と同時にモータ駆動回路の故障が発生している
場合でも、運転者は操舵を阻害されることがない。
【0101】また、上記モータを、ステアリングシステ
ムから機械的に連結または遮断するクラッチ手段をさら
に備え、故障と判定した場合にはクラッチ手段を遮断
し、これを保持することを特徴とするので、故障時でも
運転者は操舵時にモータの慣性モーメントの影響を受け
ることがない。
【0102】さらに、上記運転者に警報を発するための
警報手段を備え、故障と判断した場合には運転者に警報
を発することを特徴とするので、故障判定時に運転者に
注意を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の電動パワーステアリング装置の構
成を概略的に示す図である。
【図2】 この発明の電動パワーステアリング装置の構
成の要部を概略的に示す図である。
【図3】 この発明の電動パワーステアリング装置の構
成の要部を概略的に示す図である。
【図4】 この発明の電動パワーステアリング装置の機
能を示す機能ブロック図である。
【図5】 この発明の電動パワーステアリング装置のモ
ータ端子電圧検出回路故障判定手段の動作内容を示すフ
ローチャートである。
【図6】 この発明の電動パワーステアリング装置の最
大電流設定手段の動作内容を示すフローチャートであ
る。
【図7】 この発明の電動パワーステアリング装置にお
けるモータ端子電圧検出回路が故障している時のモータ
端子電圧を示す特性図である。
【図8】 この発明の電動パワーステアリング装置にお
けるモータ端子電圧検出回路が故障している時のモータ
角速度推定値を示す特性図である。
【図9】 この発明の電動パワーステアリング装置にお
けるモータ端子電圧検出回路が故障している時のモータ
目標電流を示す特性図である。
【図10】 この発明の電動パワーステアリング装置の
モータ電流の上限値の設定方法を示す図である。
【図11】 この発明の電動パワーステアリング装置の
モータ端子電圧検出回路の故障判定しきい値を設定する
ための特性図である。
【図12】 この発明の電動パワーステアリング装置に
おける目標電流演算手段の動作内容を示すフローチャー
トである。
【図13】 この発明の電動パワーステアリング装置の
他の実施の形態における構成を概略的に示す図である。
【図14】 この発明の電動パワーステアリング装置の
他の実施の形態における電源電圧に対する故障判定しき
い値の変化の様子を示す特性図である。
【図15】 従来の電動パワーステアリング装置の構成
を概略的に示す図である。
【図16】 従来の電動パワーステアリング装置の機能
を示す機能ブロック図である。
【図17】 従来の電動パワーステアリング装置におけ
る操舵力補助電流目標値の一例を示す図である。
【図18】 従来の電動パワーステアリング装置におけ
るクーロン摩擦力補償電流目標値の一例を示す図であ
る。
【図19】 従来の電動パワーステアリング装置におけ
る粘性摩擦力補償電流目標値の一例を示す図である。
【図20】 従来の電動パワーステアリング装置におけ
る慣性補償電流目標値の一例を示す図である。
【図21】 他励直流機の電機子の等価回路を示す図で
ある。
【符号の説明】
15 マイクロコンピュータ(第1の制御手段)、30
トルク監視手段(第2の制御手段)、34 クラッチ
(クラッチ手段)、35 アラームランプ(警報手
段)。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも運転者の操舵力検出値に基づ
    いて決定される第1のモータ目標電流と、少なくともモ
    ータの逆起電圧に基づいて決定される第2のモータ目標
    電流とから、運転者の操舵力を補助するためのモータに
    通流する第3のモータ目標電流を決定するとともに、モ
    ータの逆起電圧に基づいて決定される上記第2のモータ
    目標電流に上限値を設けたことを特徴とする電動パワー
    ステアリング装置。
  2. 【請求項2】 上記第2のモータ目標電流の上限値を、
    上記運転者の操舵力検出値に基づいて変化させることを
    特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装
    置。
  3. 【請求項3】 少なくとも運転者の操舵力検出値に基づ
    いて決定される第1のモータ目標電流と、少なくともモ
    ータの逆起電圧に基づいて決定される第2のモータ目標
    電流とから、運転者の操舵力を補助するためのモータに
    通流する第3のモータ目標電流を決定するとともに、上
    記第3のモータ目標電流の上限値を上記操舵力検出値に
    基づいて変化させることを特徴とする電動パワーステア
    リング装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも運転者の操舵力検出値に基づ
    いて決定される第1のモータ目標電流と、少なくともモ
    ータの逆起電圧に基づいて決定される第2のモータ目標
    電流とから、運転者の操舵力を補助するためのモータに
    通流する第3のモータ目標電流を決定すると共にモータ
    の駆動制御を行う第1の制御手段と、少なくとも運転者
    の操舵力の検出値に基づいてモータを制御する第2の制
    御手段とを備え、これら第1および第2の制御手段によ
    って、運転者の操舵力を補助するモータの駆動制御を行
    うと共に、上記第1の制御手段に設定されたモータ電流
    の上限値を上記第2の制御手段に設定されたモータ電流
    の上限値以下とすることを特徴とする電動パワーステア
    リング装置。
  5. 【請求項5】 上記モータ電流の上限値を、モータ印加
    電圧の上限値と置き換えた請求項1ないし請求項4のい
    ずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 【請求項6】 所定時間以内は、上記モータ電流ないし
    は上記モータ印加電圧が上限値を越えることを許可する
    講求項1ないし請求項5のいずれかに記載の電動パワー
    ステアリング装置。
  7. 【請求項7】 少なくとも運転者の操舵力検出値に基づ
    いて演算される第1のモータ目標電流と、少なくともモ
    ータの逆起電圧に基づいて演算される第2のモータ目標
    電流とから、運転者の操舵力を補助するためのモータに
    通流する第3のモータ目標電流を演算すると共に、モー
    タの端子電圧が所定範囲から逸脱した場合に故障と判断
    することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  8. 【請求項8】 少なくとも運転者の操舵力検出値に基づ
    いて演算される第1のモータ目標電流と、少なくともモ
    ータの逆起電圧に基づいて演算される第2のモータ目標
    電流とから、運転者の操舵力を補助するための第3のモ
    ータ目標電流を演算すると共に、モータの各端子電圧の
    差が所定範囲から逸脱した場合に故障と判断することを
    特徴とする電動パワーステアリング装置。
  9. 【請求項9】 モータの端子電圧ないしはモータの各端
    子電圧の差が、所定の電圧範囲から所定時間以上継続し
    て逸脱した場合に故障と判断することを特徴とする請求
    項7または請求項8に記載の電動パワーステアリング装
    置。
  10. 【請求項10】 モータに供給する電源電圧が所定の電
    圧範囲から逸脱した場合には故障判定を行わない請求項
    7ないし請求項9のいずれかに記載の電動パワーステア
    リング装置。
  11. 【請求項11】 モータに供給する電源電圧が所定の電
    圧範囲から逸脱した場合にはモータヘの通電を禁止する
    請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の電動パワー
    ステアリング装置。
  12. 【請求項12】 モータに供給する電源電圧に応じて、
    上記故障判定における所定の電圧範囲を変化させること
    を特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれかに記載
    の電動パワーステアリング装置。
  13. 【請求項13】 故障と判断した場合には上記第2のモ
    ータ目標電流の上限値を0近傍に設定し、これを保持す
    ることを特徴とする請求項7ないし請求項12のいずれ
    かに記載の電動パワーステアリング装置。
  14. 【請求項14】 故障と判断した場合には上記第3のモ
    ータ目標電流の上限値を0近傍に設定し、これを保持す
    ることを特徴とする請求項7ないし請求項12のいずれ
    かに記載の電動パワーステアリング装置。
  15. 【請求項15】 故障と判断した場合にはモータ印加電
    圧の上限値を0近傍に設定し、これを保持することを特
    徴とする請求項7ないし請求項12のいずれかに記載の
    電動パワーステアリング装置。
  16. 【請求項16】 上記モータの駆動回路と、電源または
    接地との間にスイッチ手段をさらに備え、故障と判定し
    た場合には上記スイッチ手段を開放し、これを保持する
    ことを特徴とする請求項7ないし請求項15のいずれか
    に記載の電動パワーステアリング装置。
  17. 【請求項17】 上記モータを、ステアリングシステム
    から機械的に連結または遮断するクラッチ手段をさらに
    備え、故障と判定した場合には上記クラッチ手段を遮断
    し、これを保持することを特徴とする請求項7ないし請
    求項15のいずれかに記載の電動パワーステアリング装
    置。
  18. 【請求項18】 運転者に警報を発するための警報手段
    をさらに備え、故障と判断した場合には運転者に警報を
    発することを特徴とする請求項7ないし請求項17のい
    ずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
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