JP4114481B2 - 車両用操舵制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステアバイワイヤシステムを採用した車両用操舵制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両用操舵制御装置として、例えば、ステアリングホイールに連結された操舵軸に対してステアリング操作に応じた擬似的な操舵反力を発生させる反力発生用アクチュエータと、車輪に連結された転舵軸の転舵角を操舵軸の操舵角に応じて制御すると共に、操舵角に対する転舵角の舵角比を自車速に基づいて変更する操舵用アクチュエータと、この操舵用アクチュエータの誤動作や故障等に対するフェールセーフとして操舵軸と転舵軸とを機械的に連結する電磁クラッチとを備え、反力発生用アクチュエータは、電磁クラッチがフェールセーフのために操舵軸と転舵軸とを機械的に連結したときに、転舵軸が連結された操舵軸に対してステアリング操作に応じたアシストトルクを付与するように構成されている車両用操舵装置がある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−106111号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来例にあっては、操舵用アクチュエータに誤作動や故障が発生すると、反力発生用アクチュエータが、電磁クラッチにより転舵軸と連結された操舵軸に対してステアリング操作に応じたアシストトルクを付与するように構成されているので、運転者に与えるステアリング操作の負荷を軽減させることはできるが、操舵角と転舵角との舵角比が構造的に定まる値に固定されてしまう。このように、車速に応じて舵角比を変更していた状態から、フェールセーフにより舵角比が固定されてしまうと、構造的に定まる舵角比によっては、高車速での走行時に操舵角に対する転舵角が大きくなって車両挙動が過敏になったり、逆に低車速での走行時に操舵角に対する転舵角が小さくなって多くの操舵量が必要となったりして、運転者に違和感を与えてしまうという未解決の課題がある。
【0005】
そこで、本発明は上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、ステアバイワイヤシステムにおけるフェールセーフにより操舵軸と転舵軸とを機械的に連結したとしても、操舵角に対する転舵角の舵角比を自車速に応じて変更できる車両用操舵制御装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る車両用操舵制御装置は、操舵制御手段が自車速に基づいて操舵軸の操舵角に対する転舵軸の転舵角を制御し、この操舵制御手段の異常作動が検出されていないときには、反力・舵角比制御手段がステアリング操作に対する操舵反力を前記操舵軸に付与し、操舵制御手段の異常作動が検出されたときには、異常時連結手段が操舵軸及び転舵軸を連結すると共に、反力・舵角比制御手段が自車速に基づいて操舵角に対する転舵角の舵角比を変更するように構成されていることを特徴としている。
反力・舵角比制御手段は、操舵軸上のステアリング操作手段側又は転舵軸側の一方側に連結されたハウジングと、ハウジングに内設されたステータ及び操舵軸上の他方側に連結されるロータで構成されるダイレクトモータと、ダイレクトモータを駆動制御する駆動制御手段と、ハウジング及びロータの相対回転を抑制可能な相対回転抑制手段とを備え、操舵制御手段の正常時には、相対回転抑制手段がハウジング及びロータの相対回転を抑制すると共に、ステアリング操作に応じた操舵反力が操舵軸に付与されるよう駆動制御手段がダイレクトモータを駆動制御し、操舵制御手段の異常作動時に異常時連結手段が操舵軸及び転舵軸を連結したときには、相対回転抑制手段がハウジング及びロータの相対回転を許容すると共に、自車速に基づいて操舵角に対する転舵角の舵角比を変更するよう駆動制御手段がダイレクトモータを駆動制御するように構成されている。
【0007】
【発明の効果】
本発明に係る車両用操舵制御装置よれば、操舵制御手段が自車速に基づいて操舵軸の操舵角に対する転舵軸の転舵角を制御し、この操舵制御手段の異常作動が検出されていないときには、反力・舵角比制御手段がステアリング操作に対する操舵反力を前記操舵軸に付与し、操舵制御手段の異常作動が検出されたときには、異常時連結手段が操舵軸及び転舵軸を連結すると共に、反力・舵角比制御手段が自車速に基づいて操舵角に対する転舵角の舵角比を変更するように構成されているので、フェールセーフにより操舵軸と転舵軸とを機械的に連結したとしても、舵角比が構造的に定まる値に固定されてしまうという事態を回避でき、運転者に与える違和感を解消することができるという効果が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態を示すステアバイワイヤシステムの概略構成図である。図中、符号1はステアリングホイールであり、ステアリングシャフト2に連結されている。また、3は操向車輪であり、ナックルアーム4、タイロッド5、ステアリングロッド6、及びラックアンドピニオン7を順に介してピニオンシャフト8に連結されている。ステアリングシャフト2とピニオンシャフト8とは、夫々図示しないケーシング等で回動自在に保持されており、両者の間には電磁クラッチ9が介装されている。この電磁クラッチ9は、励磁電流が無通電であるときにステアリングシャフト2及びピニオンシャフト8の非連結状態を維持し、励磁電流が通電されるときに両者を連結するよう構成されている。
【0009】
また、ステアリングシャフト2は、ステアリングホイール1側の入力側シャフト2aと、ピニオンシャフト側の出力側シャフト2bとで構成され、これら入力側シャフト2a及び出力側シャフト2bの間には、ステアリングシャフト2に対するステアリング操作に応じた操舵反力TRの付与、又は入力軸2a及び出力軸2bの舵角比変更を選択的に可能にする反力・舵角比制御機構10が設けられている。
【0010】
反力・舵角比制御機構10は、図2に示すように、入力側シャフト2aに連結された略円筒状のハウジング11を有しており、このハウジング11にインナーロータ型のダイレクトモータ12を内蔵している。このダイレクトモータ12は、ハウジング11の内周面に配設されコイルを巻装したステータ13と、ハウジング11内部における入力側シャフト2aとの同軸上に軸支された回転軸14に周設され、ステータ13と対向する位置に永久磁石を形成したロータ15とで構成されている。回転軸14は、単純遊星歯車機構を用いた減速機16を介して出力側シャフト2bに連結されており、この単純遊星歯車機構(図示省略)は、例えば、リングギヤを固定し、回転軸14の回転をサンギヤに入力し、プラネットキャリアの回転を出力側シャフト2bに出力している。
【0011】
また、反力・舵角比制御機構10は、ハウジング11とロータ15との相対回転を抑制可能な相対回転抑制機構17を有している。この相対回転抑制機構17は、ロータ15の上面に形成した凹凸状の摩擦面15aと、この摩擦面15aにハウジング11の上面に穿設した貫通孔を介して上方から進退可能に対向する作動ピン18と、この作動ピン18を進退させるソレノイド19とで構成されている。作動ピン18は、図示しないコイルスプリングによって吊り上げられており、ソレノイド19に通電すると、吸引力で作動ピン18がコイルスプリングの弾発力に抗して下方に引き下げられ、その作動ピン18の先端でロータ15の摩擦面15aを押圧しハウジング11とロータ15との相対回転を抑制するように構成されている。なお、本実施形態では、作動ピン18の先端を直に摩擦面15aに接触させているが、作動ピン18の先端部に、作動ピン18の下降に伴って下方に伸長するようなパンタグラフ上のリンクを設けてもよく、この場合には作動ピン18のストローク量が軽減させるので、その分ソレノイドを小型化することができる。さらに言えば、相対回転抑制機構17は、ハウジング11とロータ1との相対回転を抑制することができればよいので、例えば、作動ピン18を挿入可能な挿入口をロータ15の上面に複数形成し、この挿入口に作動ピン18を挿入してハウジング11及びロータ15の相対回転を抑制してもよいし、さらに複数の相対回転抑制機構17を設けて、ハウジング11及びロータ15の相対回転をより確実に抑制するように構成してもよい。
【0012】
ここで、ソレノイド19に通電してハウジング11及びロータ15の相対回転が抑制されているときに、ダイレクトモータ12を駆動すると、ロータ15を回転させようとする力は、ハウジング11に対する反力として作用する。一方、ソレノイド19に対する通電を停止してハウジング11及びロータ15の相対回転が許容されているときに、ダイレクトモータ12を駆動すると、出力側シャフト2bは自由回転する。したがって、ハウジング11及びロータ15の相対回転を抑制しているときには、ダイレクトモータ12でハウジング11を介してステアリングシャフト2に反力を付与することができ、一方、ハウジング11及びロータ15の相対回転を許容しているときには、ダイレクトモータ12で入力側シャフト2aに対する出力側シャフト2bの舵角比を制御することができるように構成されている。
【0013】
また、図1に示すように、ステアリングロッド6には、転舵用電動モータ20が設けられており、転舵用電動モータ20の回転力でステアリングロッド6を軸方向に進退させることにより、操向車輪3を転舵するように構成されている。
さらに、ステアリングシャフト2における入力側シャフト2aには、その操舵角θsを検出する操舵角センサ21と、操作トルクTsを検出する操舵トルクセンサ22とが夫々配設されている。また、ピニオンシャフト8には、その転舵角θwを検出する転舵角センサ23と、転舵トルクTwを検出する転舵トルクセンサ24とが夫々配設されている。また、図示しない変速機の出力側には、回転速度Vを検出する車速センサ25が装着されている。なお、操舵角センサ10及び転舵角センサ12は、右旋回時には正の値、左旋回時には負の値で夫々検出するように設定され、また操舵トルクセンサ11及び転舵トルクセンサ13は、車両を右旋回させるトルクを正の値、左旋回させるトルクを負の値で夫々検出するように設定されている。
【0014】
そして、これら操舵角センサ21、操舵トルクセンサ22、転舵角センサ23、転舵トルクセンサ24、及び車速センサ25で検出される各種信号が、例えばマイクロコンピュータで構成されたコントローラ26へ入力されている。このコントローラ26は、入力された各種データに基づいて、図3の操舵制御処理を実行し、電磁クラッチ9、反力・舵角比制御機構10、相対回転抑制機構17、及び転舵用電動モータ20を夫々駆動制御する。
【0015】
次に、コントローラ26で実行する操舵制御処理を、図3のフローチャートに従って説明する。この操舵制御処理は、所定時間(例えば、10msec)毎のタイマ割込み処理によって実行される。
この操舵反力制御処理では、先ず、ステップS1で各種センサから供給される操舵角θs、操舵トルクTs、転舵角θw、転舵トルクTw、及び自車速Vを読込んでステップS2に移行する。
【0016】
ステップS2では、図4の目標舵角比算出マップを参照して、ステップS1で読込んだ自車速Vから目標舵角比R(θw/θs)を算出する。この目標舵角比算出マップは、コントローラ26が有するメモリに予め記憶されており、図4に示すように、横軸に車速Vを、縦軸に目標舵角比Rを夫々とり、車速Vが0(零)から所定値V1までの低車速域にあるときには、目標舵角比Rは最大舵角比Rmaxを維持し、車速Vが所定値V1から増加するとときに、目標舵角比Rが最大舵角比Rmaxから減少し、車速Vに対する目標舵角比Rの減少率は、車速Vが増加するほど緩やかになるように設定されている。
【0017】
次に移行するステップS3では、ステップS2で算出された目標舵角比Rに基づいて、前記ステップS1で読込んだ操舵角θsから操向車輪3の目標転舵角θw*(=θs・R)を算出してからステップS4に移行する。
ステップS4では、転舵用電動モータ20が正常に作動しているか否かを、ステップS3で算出した目標転舵角θw*と、ステップS1で読込んだ実際の転舵角θwとの偏差(=|θw*−θw|)が所定値θ1未満であるか否かに応じて判定している。この判定結果が|θw*−θw|≧θ1であるときには、転舵用電動モータ20の作動が異常であると判断して、後述するステップS16に移行し、一方、判定結果が|θw*−θw|<θ1であるときには、転舵用電動モータ20が正常に作動していると判断して、ステップS5に移行する。
【0018】
ステップS5では、相対回転抑制機構17のソレノイド19に通電して作動ピン18でロータ15を押圧することにより、ハウジング11とロータ15との相対回転を抑制してからステップS6に移行する。
ステップS6では、電磁クラッチ9に対する励磁電流の通電を停止状態にし、続いて移行するステップS7で、前記ステップS3で算出された目標転舵角θW *を達成するように、転舵用電動モータ20を駆動制御してから、ステップS8に移行する。
【0019】
ステップS8では、図5の車速係数算出マップを参照して、ステップS1で読込んだ車速Vから、後述する操舵反力TRの算出時に用いる車速係数kvを算出する。この車速係数算出マップは、コントローラ26が有するメモリに予め記憶されており、図5に示すように、横軸に車速Vを、縦軸に車速係数kvを夫々とり、車速Vが0(零)から所定値V2までの低車速域にあるときには、車速係数kvが1を維持し、車速Vが所定値V2から所定値V3まで増加すると、これに比例して車速係数kvが1から更に大きな所定値kv1まで増加し、そして車速Vが所定値V2を超える高車速域にあるときには、車速係数kvが所定値kv1を維持するように設定されている。
【0020】
次に移行するステップS9では、図6の基本操舵反力算出マップを参照して、前記ステップS1で読込んだ転舵トルクTwから基本操舵反力TBを算出する。この基本操舵反力算出マップは、コントローラ26が有するメモリに予め記憶されており、図6に示すように、横軸に転舵トルクTwを、縦軸に基本操舵反力TBを夫々とり、転舵トルクTwが0(零)から正方向の所定値Tw1まで増加するときに、これに比例して基本操舵反力TBが0(零)から正方向の所定値TB1まで増加し、転舵トルクTwが所定値Tw1を超えるときに、基本操舵反力TBが所定値TB1を維持するように設定されている。一方、転舵トルクTwが0(零)から負方向の所定値−Tw1まで減少するときに、これに比例して基本操舵反力TBが0(零)から負方向の所定値−TB1まで減少し、転舵トルクTwが所定値−Tw1未満となるときに、基本操舵反力TBが所定値−TB1を維持するように設定されている。
【0021】
次に移行するステップS10では、ステップS9で算出された基本操舵反力TBに前記ステップS8で算出された車速係数kvを乗じて操舵反力TRを算出して、ステップS11に移行する。
ステップS11では、前記ステップS1で読込まれた操舵トルクTsの絶対値が所定値Ts1以上であるか否かを判定することにより、ステアリングホイール1が運転者により把持された状態にあるか否かを判定している。この判定結果が|Ts|<Ts1であるときには運転者がステアリングホイール1を把持していないと判断して、後述するステップS13に移行し、一方、判定結果が|Ts|≧Ts1であるときには運転者がステアリングホイール1を把持していると判断してステップS12に移行する。
【0022】
ステップS12では、前記ステップS10で算出された操舵反力TRをステアリングシャフト2に付与ようにダイレクトモータ12を駆動制御してから、タイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
一方、前記ステップS11で、運転者がステアリングホイール1を把持していないと判断して移行するステップS13では、前記ステップS1で読込まれた操舵角θsを時間微分することにより、操舵角速度θ’を算出して、ステップS14に移行する。
【0023】
ステップS14では、図7の減衰力算出マップを参照して、ステップS13で算出された操舵角速度θ’から、ステップS10で算出された操舵反力TRに付加する減衰力TDを算出する。この減衰力算出制御マップは、コントローラ26が有するメモリに予め記憶されており、図7に示すように、横軸に操舵角速度θ’を、縦軸に減衰力TDを夫々とり、操舵角速度θ’が0(零)から正方向に増加するときに、これに比例して減衰力TDが0(零)から負方向に減少し、一方、操舵角速度θ’が0(零)から負方向に減少するときに、これに比例して減衰力TDが0(零)から正方向に増加するように設定されている。
【0024】
次いで移行するステップS15では、前記ステップS10で算出された操舵反力TRにステップS14で算出された減衰力TDを付加する、すなわち操舵反力TRをTD分だけ減衰させてから、前記ステップS12に移行して、減衰力TDが付加された操舵反力TRをステアリングシャフト2に付与するように、ダイレクトモータ12を駆動制御してから、タイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0025】
一方、前記ステップS4で、転舵用電動モータ20の作動が異常であると判断されて移行するステップS16では、相対回転抑制機構17のソレノイド19に対する通電を停止状態にして作動ピン18をロータ15から退避させることにより、ハウジング11とロータ15との相対回転を許容する。
次に移行するステップS17では、転舵用電動モータ20の駆動制御を停止状態にし、続いて移行するステップS18で、電磁クラッチ9に対する励磁電流を供給して、ステアリングシャフト2とピニオンシャフト8とを連結してからステップS19に移行する。
【0026】
ステップS19では、前記ステップS3で算出された目標転舵角θW *を達成するように、ダイレクトモータ12を駆動制御してから、タイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
以上より、ステアリングホイール1がステアリング操作手段に対応し、ステアリングシャフト2が操舵軸に対応し、ピニオンシャフト8が転舵軸に対応し、車速センサ25が車速検出手段に対応し、転舵用電動モータ20及びステップS7の処理が操舵制御手段に対応し、ステップS4の処理が異常作動検出手段に対応し、電磁クラッチ9及びステップS18の処理が異常時連結手段に対応し、反力・舵角比制御機構10並びにステップS12及びステップS19の処理が反力・舵角比制御手段に対応している。また、ステップS12及びステップS19の処理が駆動制御手段に対応し、相対回転抑制機構17及びステップS5の処理が相対回転抑制手段に対応している。
【0027】
次に上記実施形態の動作を説明する。
今、自車両がステアバイワイヤシステムにより操舵されているとすると、先ず、車速Vに応じた目標舵角比Rが算出され(ステップS2)、この目標舵角比Rと操舵角θsとに基づいて目標転舵角θwが算出される(ステップS3)。次いで、目標舵角θw*と実際の転舵角θwとの偏差|θw*−θw|が所定値θ1未満であるか否かに基づいて転舵用電動モータ20が正常に作動しているか否かを判断する(ステップS4)。
【0028】
このとき、|θw*−θw|が所定値θ1未満となり、転舵用電動モータ20が正常であると判断されると、先ず、ソレノイド19を通電状態にして、作動ピン18でロータ15を押圧してハウジング11との相対回転を抑制し(ステップS5)、ダイレクトモータ12の駆動によりステアリング操作に対する操舵反力TRをステアリングシャフト2に付与できる状態にする。次に、電磁クラッチ9に対する励磁電流を停止して、ステアリングシャフト2とピニオンシャフト8とを非連結状態にし(ステップS6)、転舵用電動モータ20によって操舵角θsと転舵角θwとの舵角比を制御できる状態にする。
【0029】
それから、目標転舵角θwを達成するように、転舵用電動モータ20を駆動制御することで(ステップS7)、ステアリングロッド6を軸方向に進退させて操向車輪3を転舵することができる。これにより、車速Vに応じて算出された目標舵角比Rが達成されるので、車両の車庫入れ等で車速Vが低車速域にあるときには、舵角比Rを大きくすることによって運転者によるステアリング操作量を軽減させることができ、また車速Vが高車速域になるときには、舵角比Rを小さくすることによって車両の過敏な動きを抑制することができる。
【0030】
そして、運転者にしっかりとした操舵感を与えるために、先ず、転舵トルクTwに基づいて基本操舵反力TBと、車速Vの増加に伴ってステアリング操作の重みが増加するように車速Vに応じた車速係数kvとを算出して(ステップS8及びステップS9)、基本操舵反力TBに車速係数kvを乗じて操舵反力TRを算出する(ステップS10)。この操舵反力TRをステアリングシャフト2に付与されるように、ダイレクトモータ12を駆動制御することで(ステップS12)、良好な操作フィーリングを実現することができる。
【0031】
また、一般に、運転者はカーブ出口に差し掛けると、把持していたステアリングホイール1を徐々に開放し、セルフアライニングトルクに基づく復元力を利用して車両を直進状態に復帰させようとするため、このときは、ステアリングホイール1の急な回転を抑制することが望ましい。
そこで、ステアリングホイール1が把持されていないと判断された場合には(ステップS11の判定が“No”)、ステアリングシャフト2の回転角速度θ’を算出して(ステップS13)、この回転角速度θ’に基づいて減衰力TDを算出する(ステップS14)。この減衰力TDを付加した操舵反力TRに基づいてダイレクトモータ12を駆動制御することにより、ステアリングホイール1の復元力を確保しつつ、その急な回転を抑制することができる。
【0032】
そして、上記のように転舵用電動モータ20の作動が正常である状態から、転舵用電動モータ20が異常作動を起こすと、即ち|θw*−θw|が所定値θ1以上となると、先ず、ソレノイド19への通電を停止にして、作動ピン18をロータ15から退避させハウジング11との相対回転を許容し(ステップS16)、ダイレクトモータ12の駆動により入力側シャフト2aと出力側シャフト2bとの舵角比を変更できる状態にする。次いで、転舵用電動モータ20に対する駆動制御を停止し(ステップS17)、電磁クラッチ9に対する励磁電流を供給して、ステアリングシャフト2とピニオンシャフト8とを連結し(ステップS18)、ステアリング操作を継続できる状態にする。
【0033】
それから、ダイレクトモータ12を駆動制御することで(ステップS19)、目標転舵角θwを達成するように出力側シャフト2bを回転させて操向車輪3を転舵することができる。これにより、フェールセーフによってステアリングシャフト2とピニオンシャフト8とを機械的に連結したとしても、車速Vに応じて舵角比Rを変更していた状態から、舵角比Rが構造的に定まる値に固定されてしまうという事態を回避することができ、継続して車速Vに応じた舵角比に基づいて操舵制御を実行することができる。
【0034】
なお、上記一実施形態では、ステアリングシャフト2とピニオンシャフト8との連結及び切断を電磁クラッチで行う場合について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、油圧式クラッチ、ドグクラッチ等のクラッチを電気的に作用させたり、他の機械的結合手段を適用したりしてもよい。更には、ステアリングシャフト2をリングギヤに、ピニオンシャフト8をピニオンキャリアに、サンギヤをブレーキに夫々連結した遊星歯車を適用し、通常時はブレーキを開放してサンギヤを自由回転させ、異常時にブレーキを作動させてサンギヤを固定することにより、ステアリングシャフトからピニオンシャフトに回転力を伝達できるようにしてもよい。
【0035】
また、操舵反力TRに付与する減衰力TDを算出するために、操舵角速度θ’を算出した場合について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、操舵角速度θ’に換えて操舵角加速度を使用してもよい。
また、目標転舵角θw*と実際の転舵角θwとの偏差に基づいて転舵用電動モータ20の異常を判断する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、転舵用電動モータ20の過熱状態や断線或いはショート等を検出して転舵用電動モータ20の異常を検出するようにしてもよい。また、これら転舵用電動モータ20の異常作動を運転者に報知し、転舵用電動モータ20の修理を促すことが望ましい。
【0036】
以上のように、上記一実施形態によれば、ステップS7の処理では、自車速Vに基づいて操舵角θsに対する転舵角θwを転舵用電動モータ20により制御し、ステップS4の処理では、転舵用電動モータ20の異常作動を検出し、ステップS18の処理では、ステップS4の処理で転舵用電動モータ20の作動が異常であると判断されたときに電磁クラッチ9でステアリングシャフト2及びピニオンシャフト8を機械的に連結し、ステップS12及びステップS19の処理では、反力・舵角比制御機構10を用いて、転舵用電動モータ20の正常時にはステアリング操作に対する操舵反力TRをステアリングシャフト2に付与し、転舵用電動モータ20の異常作動で電磁クラッチ9がステアリングシャフト2及びピニオンシャフト8を連結したときには自車速Vに基づいて操舵角θsに対する転舵角θwの舵角比Rを変更するように構成されているので、フェールセーフによりステアリングシャフト2とピニオンシャフト8とを機械的に連結したとしても、舵角比Rが構造的に定まる値に固定されてしまうという事態を回避でき、運転者に与える違和感を解消することができるという効果が得られる。
【0037】
また、反力・舵角比制御機構10は、入力側シャフト2a又は出力側シャフト2bの一方側に連結されたハウジング11と、このハウジング11に内設されたステータ13及び入力側シャフト2a又は出力側シャフト2bの他方側に連結されるロータ15で構成されるダイレクトモータ12と、ハウジング11及びロータ15の相対回転を抑制可能な相対回転抑制機構17とを備えており、転舵用電動モータ20の正常時には、ステップS5及びステップS12の処理を実行して、相対回転抑制機構17でハウジング11及びロータ15の相対回転を抑制すると共に、ステアリング操作に応じた操舵反力TRがステアリングシャフト2に付与されるようダイレクトモータ12を駆動制御し、一方、転舵用電動モータ20の異常作動時に電磁クラッチ9がステアリングシャフト2及びピニオンシャフト8を連結したときには、ステップS16及びステップS19の処理を実行して、相対回転抑制機構17でハウジング11及びロータ15の相対回転を許容すると共に、自車速Vに基づいて操舵角θsに対する転舵角θwの舵角比Rを変更するようダイレクトモータ12を駆動制御するように構成されているので、フェールセーフによりステアリングシャフト2とピニオンシャフト8とを機械的に連結したとしても、車速Vに基づいた舵角比Rの変更を確実に行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるステアバイワイヤシステムの概略構成図である。
【図2】反力・舵角比制御機構である。
【図3】操舵制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】舵角比算出マップである。
【図5】車速係数算出マップである。
【図6】基本操舵反力算出マップである。
【図7】減衰力算出マップである。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール(ステアリング操作手段)
2 ステアリングシャフト
2a 入力側シャフト
2b 出力側シャフト
3 操向車輪
6 ステアリングロッド
8 ピニオンシャフト
9 電磁クラッチ(異常時連結手段)
10 反力・舵角比制御機構(反力・舵角比制御手段)
11 ハウジング
12 ダイレクトモータ
13 ステータ
14 回転軸
15 ロータ
15a 摩擦面
16 減速機
17 相対回転抑制機構(相対回転抑制手段)
18 作動ピン
19 ソレノイド
20 転舵用電動モータ
21 操舵角センサ
22 操舵トルクセンサ
23 転舵角センサ
24 転舵トルクセンサ
25 車速センサ(車速検出手段)
26 コントローラ

Claims (1)

  1. 運転者により操舵されるステアリング操作手段に連結された操舵軸と、該操舵軸と非連結状態で操向車輪に連結された転舵軸と、自車速を検出する車速検出手段と、該車速検出手段で検出された自車速に基づいて前記操舵軸の操舵角に対する前記転舵軸の転舵角を制御する操舵制御手段と、該操舵制御手段の異常作動を検出する異常作動検出手段と、該異常作動検出手段で前記操舵制御手段の異常作動が検出されたときに前記操舵軸及び前記転舵軸を機械的に連結する異常時連結手段とを備える車両用操舵制御装置において、
    前記操舵軸上に設けられ、前記操舵制御手段の正常時には、ステアリング操作に対する操舵反力を前記操舵軸に付与し、前記操舵制御手段の異常作動時に前記異常時連結手段が前記操舵軸及び前記転舵軸を連結したときには、前記車速検出手段で検出する自車速に基づいて操舵角に対する転舵角の舵角比を変更する反力・舵角比制御手段を備え
    前記反力・舵角比制御手段は、前記操舵軸上の前記ステアリング操作手段側又は前記転舵軸側の一方側に連結されたハウジングと、該ハウジングに内設されたステータ及び前記操舵軸上の他方側に連結されるロータで構成されるダイレクトモータと、該ダイレクトモータを駆動制御する駆動制御手段と、前記ハウジング及び前記ロータの相対回転を抑制可能な相対回転抑制手段とを備え、前記操舵制御手段の正常時には、前記相対回転抑制手段が前記ハウジング及び前記ロータの相対回転を抑制すると共に、ステアリング操作に応じた操舵反力が前記操舵軸に付与されるよう前記駆動制御手段が前記ダイレクトモータを駆動制御し、前記操舵制御手段の異常作動時に前記異常時連結手段が前記操舵軸及び前記転舵軸を連結したときには、前記相対回転抑制手段が前記ハウジング及び前記ロータの相対回転を許容すると共に、自車速に基づいて操舵角に対する転舵角の舵角比を変更するよう前記駆動制御手段が前記ダイレクトモータを駆動制御するように構成されていることを特徴とする車両用操舵制御装置。
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