JP2007223877A - 高純度四塩化チタンの製造方法およびそれから得られうる高純度四塩化チタン - Google Patents

高純度四塩化チタンの製造方法およびそれから得られうる高純度四塩化チタン Download PDF

Info

Publication number
JP2007223877A
JP2007223877A JP2006050027A JP2006050027A JP2007223877A JP 2007223877 A JP2007223877 A JP 2007223877A JP 2006050027 A JP2006050027 A JP 2006050027A JP 2006050027 A JP2006050027 A JP 2006050027A JP 2007223877 A JP2007223877 A JP 2007223877A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
titanium tetrachloride
activated carbon
purity titanium
mass
crude
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006050027A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshitaka Ko
俊孝 廣
Junichi Akiyama
淳一 秋山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2006050027A priority Critical patent/JP2007223877A/ja
Publication of JP2007223877A publication Critical patent/JP2007223877A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

【課題】半導体用の膜形成材料用途に好適な高純度四塩化チタンの製造方法を開発することを目的とする。
【解決手段】粗四塩化チタン(A)を、強熱残分量が0.5質量%未満の活性炭(B)と接触させる工程を含むことを特徴とする高純度四塩化チタン、例えば、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、モリブデン、カドミウム、バリウム、鉛、トリウム、ウラン、バナジウム、ハフニウム、ニオブ等の金属元素、および/又は、ケイ素、錫、アンチモン、ヒ素等の半金属元素の含有量の低い高純度四塩化チタンの製造方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は高純度四塩化チタンの製造方法に関する。より詳細には粗四塩化チタンを強熱残分量が0.5質量%未満の活性炭で処理する工程を含むことを特徴とする高純度四塩化チタンの製造方法に関する。
半導体製造プロセスでは、CVD法による窒化チタン膜形成材料として高純度の四塩化チタンが要求されている。半導体用の膜形成材料では不純物として含まれる微量金属が半導体の電気特性に悪影響を及ぼし、近年の半導体産業の進歩に伴い、不純物金属元素が実質的に含まれていない高純度の四塩化チタンが望まれている。
米国特許4783324号公報(特許文献1)には顔料製造および化粧品原料の四塩化チタンを製造するための方法が開示されている。しかしながら、特許文献1の方法では本発明の目的である半導体用の膜形成材料、例えば、集積回路配線のバリアメタル(TiN)のCVDガスとして要求される品質の高純度四塩化チタンを製造することは困難である。
特許文献1の方法では、顔料・化粧品原料とするために有毒な不純物のヒ素,アンチモンの除去を主たる目的としており、その他の金属元素の含有量は開示されていない。また、単に活性炭を用いた精製方法では、活性炭自体に含まれている不純物元素の溶出が起こり、製品を汚染させてしまうことが一般的に知られている。さらに、特許文献1には、例えば、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、モリブデン、カドミウム、バリウム、鉛、トリウム、ウラン、バナジウム、ハフニウム、ニオブ等の金属元素、および、錫、アンチモン、ヒ素等の半金属元素の含有量が20質量ppb以下であり、最近の半導体用の膜形成材料として利用できる高純度四塩化チタンについては、記載も示唆もなされていない。
特開平10−194739号公報(特許文献2)には蒸留した四塩化チタンを、不活性ガスを通気してストリッピングを行い、次いでろ過する精製法が開示されている。しかしながら、上記の方法ではストリッピングにより低沸不純物を除去する効果は認められるものの、金属不純物は蒸留による精製効果しか期待できない。従って、鉄、クロム、バナジウム、アルミニウム、マンガン、カルシウム、ニッケル、カリウムの含有量が検出限界である0.05ppm以下の品質を開示しているものの、最近の半導体用の膜形成材料としての品質要求を満たすものではない。
特開2002−187718号公報(特許文献3)には四塩化チタンを蒸留により精製する方法が開示されている。しかしながら、上記の方法ではヒ素、アンチモン、ケイ素、スズ、バナジウム等の不純物含有量は数十〜数百ppbであり、未だ満足できるレベルではない。
特開2003−212544号公報(特許文献4)には痕跡量含まれているジルコニウムやハフニウムを水素化チタンで処理して蒸留する方法が開示されている。しかしながら、上記の方法ではジルコニウムとハフニウム以外にバナジウムやニオブの低減効果が述べられているもののその他の元素についての効果は開示されていない。
米国公開特許2002−179427号公報(特許文献5)には銅共存下で四塩化チタンを蒸留することによりアンチモン、ヒ素、銅、ニオブ、スズ、バナジウム等の元素を除去する方法が開示されている。しかしながら、上記の方法ではニオブとバナジウムは10ppb未満となっているが、ヒ素やバナジウムは各々40ppb未満、63ppb未満のレベルであり満足できるレベルではない。
米国特許4783324号公報 特開平10―194739号公報 特開2002−187718号公報 特開2003−212544号公報 米国公開特許2002−179427号公報
本発明の目的は、工業的に入手できる粗四塩化チタンから、高純度四塩化チタン、例えば、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、モリブデン、カドミウム、バリウム、鉛、トリウム、ウラン、バナジウム、ハフニウム、ニオブ等の金属元素、および、錫、アンチモン、ヒ素等の半金属元素の含有量が20質量ppb以下、および/又はケイ素の含有量が50質量ppb以下である半導体用の膜形成材に好適な高純度四塩化チタンの製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討した結果、工業的に入手できる粗四塩化チタンを強熱残分量が0.5質量%未満である活性炭と接触させることにより、高純度四塩化チタン、例えば、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、モリブデン、カドミウム、バリウム、鉛、トリウム、ウラン、バナジウム、ハフニウム、ニオブ等の金属元素、および/又は、ケイ素、錫、アンチモン、ヒ素等の半金属元素の含有量が低い、半導体用の膜形成材に好適な高純度四塩化チタンを製造することに成功し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
1.粗四塩化チタン(A)を、強熱残分量が0.5質量%未満の活性炭(B)と接触させる工程を含むことを特徴とする高純度四塩化チタンの製造方法。
2.前記活性炭(B)が、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、アルミニウムおよび鉄の含有量が各々200質量ppm未満である前記1に記載の高純度四塩化チタンの製造方法。
3.前記接触させる工程において、粗四塩化チタン(A)を液体状態で活性炭(B)と接触させることを特徴とする前記1に記載の高純度四塩化チタンの製造方法。
4.前記接触させる工程の後に、蒸留工程および/またはろ過工程を含むことを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の高純度四塩化チタンの製造方法。
5.前記接触させる工程の前に、活性炭(B)を不活性ガス雰囲気下で焼成する工程を含むことを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の高純度四塩化チタンの製造方法。
6.前記粗四塩化チタン(A)が、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、モリブデン、カドミウム、バリウム、鉛、トリウム、ウラン、バナジウム、ハフニウムおよびニオブからなる群から選ばれる1種以上の金属元素、および/又は錫、アンチモンおよびヒ素からなる群から選ばれる1種以上の半金属元素の含有量が20質量ppbを超えて1000質量ppb以下である粗四塩化チタ
ン、又はケイ素の含有量が50質量ppbを超えて500質量ppb以下である粗四塩化チタンである前記1〜5のいずれかに記載の高純度四塩化チタンの製造方法。
7.前記1〜6のいずれかに記載の製造方法により得られうる高純度四塩化チタン。
8.高純度四塩化チタンが、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、モリブデン、カドミウム、バリウム、鉛、トリウム、ウラン、バナジウム、ハフニウムおよびニオブからなる群から選ばれる1種以上の金属元素の含有量が20質量ppb以下の高純度四塩化チタンである前記7に記載の高純度四塩化チタン。
本発明の高純度四塩化チタンの製造方法は、粗四塩化チタンから粗四塩化チタンに含まれる不純物を容易に除くことができ、しかも得られる高純度四塩化チタンは、例えば、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、モリブデン、カドミウム、バリウム、鉛、トリウム、ウラン、バナジウム、ハフニウム、ニオブ等の金属元素、および、錫、アンチモン、ヒ素等の半金属元素の含有量が20質量ppb以下、および/又はケイ素の含有量が50質量ppb以下であるので、本発明の製造方法により得られる高純度四塩化チタンは半導体用の膜形成材料、例えば、集積回路配線のバリアメタル(TiN)等のCVDガスの原料として好適に利用することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
粗四塩化チタン(A)
本発明に係る粗四塩化チタン(A)は、工業的に入手できる粗四塩化チタンである。かかる粗四塩化チタン(A)は、通常、不純物として、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、モリブデン、カドミウム、バリウム、鉛、トリウム、ウラン、バナジウム、ハフニウム、ニオブ等の金属元素、および/又はケイ素、錫、アンチモン、ヒ素等の半金属元素から選ばれた少なくとも一種の元素を含有している。
これら粗四塩化チタン(A)の中でも、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、モリブデン、カドミウム、バリウム、鉛、トリウム、ウラン、バナジウム、ハフニウム、ニオブ等の金属元素、および/又は錫、アンチモン、ヒ素等の半金属元素から選ばれた少なくとも一種の元素の含有量が1000質量ppb以下である四塩化チタン、又はケイ素の含有量が500質量ppb以下の粗四塩化チタンが好ましい。
粗四塩化チタン中のリチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、モリブデン、カドミウム、バリウム、鉛、トリウム、ウラン、バナジウム、ハフニウム、ニオブ等の金属元素、および/又は錫、アンチモン、ヒ素等の半金属元素から選ばれた少なくとも一種の元素の含有量が1000質量ppbを超える粗四塩化チタン場合には、後述の活性炭(B)を用いても効率的な精製が行えない虞がある。また、粗四塩化チタン中のケイ素の含有量が500質量ppbを超える場合も、後述の活性炭(B)を用いても効率的な精製が行えない虞がある。
本発明に係る粗四塩化チタン(A)としては、粗四塩化チタン中のリチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、モリブデン、カドミウム、バリウム、鉛、トリウム、ウラン、バナジウム、ハフニウム、ニオブ等の金属元素、および/又はケイ素、錫、アンチモン、ヒ素等の半金属元素から選ばれた少なくとも一種の元素の含有量が少ない方が、本発明では効率的な精製効果が期待できる。効率的な精製効果とは、活性炭(B)が不純物元素の吸着によりその吸着性能が低下し、活性炭(B)を交換する必要が生じるまでに、より多くの高純度四塩化チタンを生産することが可能になるという効果である。
また、工業的に入手できる粗四塩化チタンの中で、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、モリブデン、カドミウム、バリウム、鉛、トリウム、ウラン、バナジウム、ハフニウム、ニオブ等の金属元素、錫、アンチモン、ヒ素等の半金属元素から選ばれた少なくとも一種の元素の含有量が1000質量ppbを超える場合、および/又は、粗四塩化チタン中のケイ素の含有量が500質量ppbを超える場合には、公知の方法で精製し、元素の含有量を1000質量ppb以下、および/又は、ケイ素の含有量が500質量ppb以下にしておくことが好ましい。
ここでいう公知の方法の具体例としては蒸留精製と活性炭精製が挙げられる。
蒸留精製では、水分をできる限り低減させた雰囲気で蒸留することが好ましい。この時、粗四塩化チタンを希釈する目的で窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを導入しても良く、蒸留操作での冷却装置前の蒸気中の不活性ガス濃度は0容量%〜90容量%の範囲である。好ましくは5容量%〜70容量%、より好ましくは10容量%〜60容量%である。蒸留精製に使用しうる装置は工業的に入手できる粗四塩化チタン中の不純物含量により装置を選択することができる。一般的には単蒸留装置を使用することが可能であるが、不純物を多く含む場合には棚段塔、充填塔等の段数を有する蒸留塔を使用して蒸留することが好ましい。工業的に入手できる粗四塩化チタン中の不純物含量が多くなる場合には、蒸留塔の理論段数を大きくすることが一般的に好ましい。
活性炭精製においては一般的な活性炭を使用することができる。一般的な活性炭を使用すると、活性炭中に含まれているチタン以外の元素が溶出して粗四塩化チタンを汚染させてしまうが、原料となる粗四塩化チタン(A)を得ることはできる。なお、ここで一般的な活性炭は、強熱残分量が0.5質量%以上含む活性炭であるが、後述の強熱残分量が0.5質量%未満の活性炭(B)を使用することも可能であるが、この強熱残分量が0.5質量%未満の活性炭(B)は通常高価であるため一般的な活性炭を使用する方が経済的に有利である。
活性炭(B)
本発明に係る活性炭(B)は、強熱残分量が0.5質量%未満、好ましくは強熱残分量が0.05質量%未満の活性炭、より好ましくは強熱残分量が0.01質量%未満の活性炭である。強熱残分はJIS K1474(1991年版)に記載の方法で測定することができる。本発明における強熱残分として測定される主成分は、例えば、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、アルミニウム、鉄等の金属酸化物である。
強熱残分量が0.5質量%以上の活性炭は、粗四塩化チタン(A)と接触させた際にナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、アルミニウム、鉄等の四塩化チタン中への溶出量が無視できないため、好ましくない。
本発明に係る活性炭(B)は、好ましくは、活性炭(B)中のナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、アルミニウム、鉄の含有量が各々200質量ppm以下、より好ましくは活性炭(B)中のナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、アルミニウム、鉄の含有量が各々100質量ppm以下、さらに好ましくは活性炭(B)中のナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、アルミニウム、鉄の含有量が各々30質量ppm以下である。
活性炭中のナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、アルミニウム、鉄の含有量が多い活性炭でも、公知の方法により前処理することでナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、アルミニウム、鉄の含有量を各々200質量ppm以下に低減させることにより、本発明に使用することができる。
公知の方法による前処理の具体例としては、酸による洗浄、極性の高い溶媒等での洗浄、超音波洗浄、及びこれら手法の組み合わせにより洗浄することができる。
極性の高い溶媒の例としては、ジエチルエーテル、ジn−プロピルエーテル、ジiso−プロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸n−プロピル、ギ酸iso−プロピル、ギ酸n−ブチル、ギ酸iso−ブチル、ギ酸t−ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸t−ブチル、酢酸アミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−プロピル、プロピオン酸iso−プロピル等のエステル類、四塩化チタン等が挙げられる。
また、本発明に係る活性炭(B)は酸による洗浄、極性の高い溶媒等での洗浄、超音波洗浄、およびこれら手法の組み合わせにより洗浄し、再生・再利用することができる。
本発明に係る活性炭(B)は、機械的強度や耐摩耗性に優れた活性炭が有利であり、例えば、JIS K1474(1991年版)中に記載されている「硬さ」が機械的強度および耐摩耗性に関する指標の一例となる。本発明に係る活性炭(B)は「硬さ」が80%以上の活性炭が好ましく、より好ましくは「硬さ」が95%以上の活性炭である。
本発明に係る活性炭(B)は、市販の活性炭としては、例えば株式会社クレハ製の「クレハ球状活性炭BAC」を使用することができる。
高純度四塩化チタンの製造方法
本発明の高純度四塩化チタンの製造方法は、前記粗四塩化チタン(A)を、前記活性炭(B)と接触させる工程を含む方法である。
本発明の製造方法において、粗四塩化チタン(A)を活性炭(B)と接触させる方法としては、粗四塩化チタン(A)を液相で活性炭(B)と接触させる方法、粗四塩化チタン(A)を気相で接触させる方法のいずれも実施することができる。好ましくは粗四塩化チタン(A)を液相で活性炭(B)と接触させる方法である。
本発明の製造方法では、一般的な有機化合物や塩化水素等が含まれている粗四塩化チタン(A)を原料として使用することもできる。これは本発明における活性炭(B)との接触により有機化合物や塩化水素が効果的に吸着除去されるためである。
粗四塩化チタン(A)を液相で活性炭(B)と接触させる場合、活性炭(B)に連続的に粗四塩化チタン(A)を供給し処理する方法(液相流通法)も、一定量の活性炭(B)に一定量の粗四塩化チタン(A)を供給し処理する方法(液相回分法)も可能である。工業的な量産を考慮すると液相流通法が有利である。
液相流通法
液相流通法にて精製処理する場合には、通常、LHSV(Liquid Hourly
Space Velocity)が0.01/hr.〜100/hr.の範囲で活性炭に粗四塩化チタン(A)を供給する。より好ましくは、LHSVが0.1/hr.〜10/hr.の範囲、さらに好ましくはLHSVが0.5/hr.〜2/hr.の範囲である。LHSVが小さいと活性炭(B)を充填した容器あたりの高純度四塩化チタンの生産性が低下する。LHSVが大きいと活性炭(B)との接触時間が短くなり、除去すべき不純物元素の吸着が不十分となる。
液相流通法にて粗四塩化チタン(A)を活性炭(B)と接触させる際の温度は通常、0℃〜100℃の範囲である。より好ましくは10℃〜50℃の範囲、さらに好ましくは20℃〜40℃の範囲である。温度が低いと活性炭への拡散が不十分となり、不純物元素の除去効率が低下する虞がある。温度が高い場合には活性炭(B)への飽和吸着量が低下し不純物元素の除去が不十分となる場合がある。
液相流通法にて粗四塩化チタン(A)を活性炭(B)と接触させる際には、粗四塩化チタン(A)の分解を抑制するために水分の少ない不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。例えば不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン等のガスを使用することができる。なお、水分は不活性ガスの露点を測定することにより評価できる。不活性ガス中の露点は−60℃以下が好ましく、より好ましくは−80℃以下、更に好ましくは−100℃以下である。
液相回分法
液相回分法にて粗四塩化チタン(A)を活性炭(B)と接触させる際には、粗四塩化チタン(A)に対する活性炭(B)の量は0.01質量%〜50質量%の範囲で添加して実施することが好ましい。より好ましくは1質量%〜40質量%の範囲、さらに好ましくは5質量%〜35質量%の範囲である。粗四塩化チタン(A)に対する活性炭(B)の量が少ないと不純物元素の吸着に時間を要し、活性炭(B)の量が多いと活性炭のコストが高くなるだけでなく四塩化チタンの回収ロスも多くなる虞がある。
液相回分法にて粗四塩化チタン(A)を活性炭(B)と接触させる際の温度は、0℃〜100℃の範囲である。好ましくは10℃〜50℃の範囲、より好ましくは20℃〜40℃の範囲である。
液相回分法にて粗四塩化チタン(A)を活性炭(B)と接触させる際には、粗四塩化チタン(A)の分解を抑制するために水分の少ない不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。例えば不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン等のガスを使用することができる。なお、水分は不活性ガスの露点を測定することにより評価できる。不活性ガス中の露点は−60℃以下が好ましく、より好ましくは−80℃以下、更に好ましくは−100℃以下である。
気相接触法
粗四塩化チタン(A)を気相で活性炭(B)と接触させる際には、通常、GHSV(Gas Hourly Space Velocity)が1/hr.〜10000/hr.の範囲で処理する。より好ましくはGHSVが10/hr.〜1000/hr.の範囲、さらに好ましくはGHSVが50/hr.〜200/hr.の範囲である。GHSVが小さいと活性炭を充填した容器あたりの高純度四塩化チタンの生産性が低下する場合がある。GHSVが大きいと活性炭との接触時間が短くなり、除去すべき不純物元素の吸着が不十分となる虞がある。
粗四塩化チタン(A)を気相で活性炭(B)と接触させる際の温度には特に制限はないが、粗四塩化チタン(A)が気体状態を保持できる条件(温度、圧力)であることが必要となる。
粗四塩化チタン(A)を気相で活性炭(B)と接触させる際には、四塩化チタンの分解を抑制するために水分の少ない不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。例えば不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン等のガスを使用することができる。なお、水分は不活性ガスの露点を測定することにより評価できる。不活性ガス中の露点は−60℃以下が好ましく、より好ましくは−80℃以下、更に好ましくは−100℃以下である。
蒸留工程および/またはろ過工程
本発明の製造方法において、活性炭(B)として、機械的強度および耐摩耗性の低い活性炭を使用した場合は、得られる高純度四塩化チタン中に活性炭の微粒子が混入し製品の品質を低下させる可能性がある。従って、かかる活性炭を用いる場合あるいは用いない場合も、粗四塩化チタン(A)を活性炭(B)と接触させる工程の後に、蒸留工程および/またはろ過工程を含むことができる。
粗四塩化チタン(A)を活性炭(B)と接触させた後に行う蒸留条件としては、水分をできる限り低減させた雰囲気で蒸留することが好ましい。
蒸留工程で使用しうる装置は、一般的には単蒸留装置を使用することが可能であるが、棚段塔、充填塔等の段数を有する蒸留塔を使用してより精密な蒸留をすることもできる。蒸留装置に棚段、充填材、その他蒸気の流れの向きを強制的に変える治具を設置することは飛沫同伴を防止する効果が期待でき、より有利な蒸留が可能となる。
粗四塩化チタン(A)を活性炭(B)と接触させた後に行うろ過としては、定格ろ過精度が1μm以下のろ過材を使用する。好ましくは定格ろ過精度が0.1μm以下、より好ましくは定格ろ過精度が0.05μm以下のろ過材を使用する。ろ過材の材質は四塩化チタンへの耐性を有するものが好ましく、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンの共重合体)等のフッ素系樹脂が好ましい。
本発明の製造方法において使用し得るろ過材としては、例えば、日本ポール株式会社製「ウルチクリーンJKC」を例示することができる。ろ過材からの汚染を避けるためにも、使用するろ過材中の不純物がより少ないものを選択することが有利である。
本発明の製造方法においては、活性炭(B)を粗四塩化チタン(A)と接触させる前に、活性炭(B)を不活性ガス雰囲気下で焼成を行い活性炭中の水分と酸素を除去することが好ましい。粗四塩化チタンは微量の水分や酸素と反応して酸化物に変化することが知られている。従って、活性炭(B)中の水分と酸素を除去することで、粗四塩化チタンの分解を抑制しつつ高純度四塩化チタンを製造することができる。
活性炭(B)の焼成温度は100℃〜500℃、好ましくは140℃〜300℃、より好ましくは180℃〜250℃の範囲である。また、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを流通しながら活性炭(B)の焼成を行うことが好ましい。なお活性炭(B)の焼成において、不活性ガスの供給量および圧力、焼成時間は、活性炭中の水分および酸素が除去できる条件であればよい。
本発明の製造方法で用いられる装置は、耐食性を有するガラス、フッ素系樹脂、金属等の材料が好ましい。ガラスを使用する場合には、その表面に吸着している水分を適切な方
法で除去することで不純物の生成を抑制することができる。
フッ素系樹脂としては好ましくはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルコキシエチレンの共重合体)を使用することができる。フッ素系樹脂を使用する場合には、フッ素系樹脂中に包含されている水分を適切な方法で除去することや、フッ素系樹脂の表面を乾燥雰囲気下に維持することで不純物の生成を抑制することができる。
金属材料としては好ましくはSUS316、SUS316Lを使用することができる。金属材料を使用する場合には、例えば表面を電解研磨して表面粗度を低減させることにより不純物の蓄積防止や洗浄による不純物除去能を高めることが期待できるので好ましい。
本発明の製造方法により、高純度四塩化チタン、例えば、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、モリブデン、カドミウム、バリウム、鉛、トリウム、ウラン、バナジウム、ハフニウム、ニオブ等の金属元素から選ばれた少なくとも一種の元素の含有量が20質量ppb以下の高純度四塩化チタンが得られうる。
また、本発明の製造方法では、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、モリブデン、カドミウム、バリウム、鉛、トリウム、ウラン、バナジウム、ハフニウム、ニオブ等の金属元素、錫、アンチモン、ヒ素等の半金属元素から選ばれた少なくとも一種の元素の含有量が20質量ppb以下の高純度四塩化チタンを得ることができ、さらには、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、モリブデン、カドミウム、バリウム、鉛、トリウム、ウラン、バナジウム、ハフニウム、ニオブ等の金属元素、錫、アンチモン、ヒ素等の半金属元素から選ばれた少なくとも一種の元素の含有量が20質量ppb以下、およびケイ素の含有量が50質量ppb以下の高純度四塩化チタンを得ることもできる。
以下実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例で使用した活性炭の強熱残分および活性炭を700℃で灰化し、硫酸、硝酸の混酸で分解処理してからICP発光分析にて各種金属の含有量を定量した。その結果を表1に示す。
Figure 2007223877
比較例1〜比較例3で使用した活性炭に比べ、実施例で使用した活性炭は金属不純物の含量が低いことが分かる。
〔実施例1〕
露点−80℃の窒素ガス雰囲気下で、20mlのテトラフルオロエチレン製容器に活性炭(B)として、〔株式会社クレハ製:商品名 BAC(G−70R)〕の活性炭;3g、粗四塩化チタン(A)として、キシダ化学株式会社製、試薬;15gを入れ、室温で24時間静置させる。デカンテーションにより四塩化チタンを回収し、そのサンプルを38%ふっ化水素酸に溶解した後、陰イオン交換分離によってチタンを分離したのちに、不純物元素をICP−MSまたはICP発光分析によって定量した。その結果を表2に示す。
〔比較例1〕
実施例1で使用した活性炭(B)〔株式会社クレハ製:商品名 BAC(G−70R)〕に代えて、活性炭(味の素ファインテクノ株式会社製:商品名 Y−10SF)を使用する以外は実施例1と同様に実施した。その結果を表2に示す。
〔比較例2〕
実施例1で使用した活性炭(B)〔株式会社クレハ製:商品名 BAC(G−70R)〕に代えて、活性炭(味の素ファインテクノ株式会社製:商品名 CL−H)を使用する以外は実施例1と同様に実施した。その結果を表2に示す。
〔比較例3〕
実施例1で使用した活性炭(B)〔株式会社クレハ製:商品名 BAC(G−70R)〕に代えて、活性炭(味の素ファインテクノ株式会社製:商品名 HS−6A)を使用する以外は実施例1と同様に実施した。その結果を表2に示す。
Figure 2007223877
表2から、実施例1では定量下限が50ppb未満であるケイ素を除き、例示した元素は全て5質量ppb未満であった。比較例1〜比較例3では一部の金属不純物が増加しており、従来の方法では不純物金属元素が多く含まれてしまい高純度四塩化チタンが得られ
ない。これらの結果より、強熱残分量が0.5質量%未満の活性炭(B)で粗四塩化チタン(A)を処理することで、金属元素不純物や半金属元素不純物の含有量を低減させ、高純度四塩化チタンを製造できることが分かる。
〔実施例2〕
電解研磨した材質SUS316Lの円筒容器(内径21.2mm、長さ500mm)に活性炭(B)として、実施例1で用いた〔株式会社クレハ製:商品名 BAC(G−70R)〕の活性炭を108g充填し、露点−80℃の窒素ガス流通雰囲気下で200℃、20時間焼成した。焼成した活性炭を冷却後、粗四塩化チタン(A)(住友チタニウム株式会社製、精製四塩化チタン 低As品)をLHSVが1/hr.、活性炭層温度25℃で流通させた。活性炭層通過後の四塩化チタンを38%ふっ化水素酸に溶解した後、陰イオン交換分離によってチタンを分離したのちに、不純物元素をICP−MSまたはICP発光分析によって測定した。その結果を表3に示す。
〔実施例3〕
電解研磨した材質SUS316Lの円筒容器(内径21.2mm、長さ500mm)に実施例1で用いた〔株式会社クレハ製:商品名 BAC(G−70R)〕の活性炭を108g充填し、露点−80℃の窒素ガス流通雰囲気下で200℃、20時間焼成した。焼成した活性炭を冷却後、粗四塩化チタン(A)(住友チタニウム株式会社製、精製四塩化チタン 低As品)をLHSVが1/hr.、活性炭層温度25℃で流通させた。活性炭層通過後の四塩化チタンはフィルター(日本ポール株式会社製:ウルチクリーンJKC、定格ろ過精度1.0μm)とフィルター(日本ポール株式会社製:ウルチクリーンJKC、定格ろ過精度0.05μm)を順次通液させた。フィルター通液後の四塩化チタンを38%ふっ化水素酸に溶解した後、陰イオン交換分離によってチタンを分離したのちに、不純物元素をICP−MSまたはICP発光分析によって測定した。その結果を表3に示す。
〔実施例4〕
電解研磨した材質SUS316Lの円筒容器(内径21.2mm、長さ500mm)に実施例1で用いた〔株式会社クレハ製:商品名 BAC(G−70R)〕の活性炭を108g充填し、露点−80℃の窒素ガス流通雰囲気下に置換する。窒素置換後粗四塩化チタン(住友チタニウム株式会社製、精製四塩化チタン 低As品)をLHSVが1/hr.、活性炭層温度25℃で流通させた。活性炭層通過後の四塩化チタンを38%ふっ化水素酸に溶解した後、陰イオン交換分離によってチタンを分離したのちに、不純物元素をICP−MSまたはICP発光分析によって測定した。その結果を表3に示す。
〔実施例5〕
電解研磨した材質SUS316Lの円筒容器(内径21.2mm、長さ500mm)に実施例1で用いた〔株式会社クレハ製:商品名 BAC(G−70R)〕の活性炭を108g充填し、露点−80℃の窒素ガス流通雰囲気下で200℃、20時間焼成した。焼成した活性炭を冷却後、粗四塩化チタン(A)(住友チタニウム株式会社製、精製四塩化チタン 低As品)をLHSVが10/hr.、活性炭層温度45℃で流通させた。活性炭層通過後の四塩化チタンを38%ふっ化水素酸に溶解した後、陰イオン交換分離によってチタンを分離したのちに、不純物元素をICP−MSまたはICP発光分析によって測定した。その結果を表3に示す。
〔実施例6〕
電解研磨した材質SUS316Lの円筒容器(内径15.0mm、長さ700mm)に実施例1で用いた〔株式会社クレハ製:商品名 BAC(G−70R)〕の活性炭を68g充填し、露点−80℃の窒素ガス流通雰囲気下で200℃、20時間焼成した。焼成した活性炭を冷却後、粗四塩化チタン(A)(住友チタニウム株式会社製、精製四塩化チタ
ン 低As品)に露点−80℃以下の窒素ガスを吹き込みながら、粗四塩化チタンを90℃まで加熱し、発生してきた蒸気をGHSV=約80/hr.で活性炭に接触させた。活性炭層は90℃に制御し、活性炭層を通過したガスは−15℃に冷却した容器に液体の四塩化チタンとして回収した。回収した四塩化チタンを38%ふっ化水素酸に溶解した後、陰イオン交換分離によってチタンを分離したのちに、不純物元素をICP−MSまたはICP発光分析によって測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2007223877
表3から、実施例2〜6で得られる四塩化チタンは、定量下限が50ppb未満であるケイ素および、一部(実施例5の鉄、実施例6のジルコニウム)を除き、例示した元素は全て5質量ppb未満である。したがって、強熱残分量が0.5質量%未満の活性炭(B)で粗四塩化チタン(A)を処理することで、金属元素不純物や半金属元素不純物の含有量を低減させ、高純度四塩化チタンを製造できることが分かる。
本発明の製造方法で得られうる高純度四塩化チタンは、例えば、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、モリブデン、カドミウム、バリウム、鉛、トリウム、ウラン、バナジウム、ハフニウム、ニオブ等の金属元素、錫、アンチモン、ヒ素等の半金属元素から選ばれた少なくとも一種の元素の含有量が20質量ppb以下、およびケイ素の含有量が50質量ppb以下の高純度四塩化チタンであるので、半導体用の膜形成材料、例えば、集積回路配線のバリアメタル(TiN)等のCVDガスの原料として好適に利用することができる。

Claims (8)

  1. 粗四塩化チタン(A)を、強熱残分量が0.5質量%未満の活性炭(B)と接触させる工程を含むことを特徴とする高純度四塩化チタンの製造方法。
  2. 前記活性炭(B)が、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、アルミニウムおよび鉄の含有量が各々200質量ppm未満である請求項1に記載の高純度四塩化チタンの製造方法。
  3. 前記接触させる工程において、粗四塩化チタン(A)を液体状態で活性炭(B)と接触させることを特徴とする請求項1に記載の高純度四塩化チタンの製造方法。
  4. 前記接触させる工程の後に、蒸留工程および/またはろ過工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高純度四塩化チタンの製造方法。
  5. 前記接触させる工程の前に、活性炭(B)を不活性ガス雰囲気下で焼成する工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高純度四塩化チタンの製造方法。
  6. 前記粗四塩化チタン(A)が、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、モリブデン、カドミウム、バリウム、鉛、トリウム、ウラン、バナジウム、ハフニウムおよびニオブからなる群から選ばれる1種以上の金属元素、および/又は錫、アンチモンおよびヒ素からなる群から選ばれる1種以上の半金属元素の含有量が20質量ppbを超えて1000質量ppb以下である粗四塩化チタン、又はケイ素の含有量が50質量ppbを超えて500質量ppb以下である粗四塩化チタンである請求項1〜5のいずれかに記載の高純度四塩化チタンの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により得られうる高純度四塩化チタン。
  8. 高純度四塩化チタンが、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルビジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、モリブデン、カドミウム、バリウム、鉛、トリウム、ウラン、バナジウム、ハフニウムおよびニオブからなる群から選ばれる1種以上の金属元素の含有量が20質量ppb以下の高純度四塩化チタンである請求項7に記載の高純度四塩化チタン。
JP2006050027A 2006-02-27 2006-02-27 高純度四塩化チタンの製造方法およびそれから得られうる高純度四塩化チタン Pending JP2007223877A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006050027A JP2007223877A (ja) 2006-02-27 2006-02-27 高純度四塩化チタンの製造方法およびそれから得られうる高純度四塩化チタン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006050027A JP2007223877A (ja) 2006-02-27 2006-02-27 高純度四塩化チタンの製造方法およびそれから得られうる高純度四塩化チタン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007223877A true JP2007223877A (ja) 2007-09-06

Family

ID=38546027

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006050027A Pending JP2007223877A (ja) 2006-02-27 2006-02-27 高純度四塩化チタンの製造方法およびそれから得られうる高純度四塩化チタン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007223877A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009012993A (ja) * 2007-07-02 2009-01-22 Osaka Titanium Technologies Co Ltd TiCl4製造方法
RU2548095C1 (ru) * 2013-10-14 2015-04-10 Открытое Акционерное Общество "Корпорация Всмпо-Ависма" Способ химической очистки тетрахлорида титана от примесей
JP2019163185A (ja) * 2018-03-19 2019-09-26 東邦チタニウム株式会社 TiCl4又はスポンジチタンの製造方法
JP2021031361A (ja) * 2019-08-29 2021-03-01 東邦チタニウム株式会社 使用後活性炭の処理方法、及び四塩化チタンの製造方法
KR20210085314A (ko) 2019-12-30 2021-07-08 고등기술연구원연구조합 정제 사염화타이타늄 제조 장치 및 제조 방법
CN113912107A (zh) * 2021-11-08 2022-01-11 贵州威顿晶磷电子材料股份有限公司 一种高纯四氯化钛纯净制造工艺方法
CN115259206A (zh) * 2022-07-22 2022-11-01 承德莹科精细化工股份有限公司 一种高纯碳酸铥和高纯三氟化铥的制备方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4783324A (en) * 1987-02-03 1988-11-08 Kemira, Inc. Preparation of pure titanium tetrachlorides and solutions of titanium tetrachlorides
JPH10194739A (ja) * 1996-12-27 1998-07-28 Japan Pionics Co Ltd 四塩化チタンの精製方法
JPH1149503A (ja) * 1997-06-02 1999-02-23 Kanebo Ltd 球状炭素材及びその製造方法
JP2002053314A (ja) * 2000-08-04 2002-02-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 活性炭およびそれを備えた浄水器
JP2002187718A (ja) * 2000-12-20 2002-07-05 Sumitomo Titanium Corp TiCl4の精製方法
JP2003212544A (ja) * 2002-01-17 2003-07-30 Air Products & Chemicals Inc IVb族金属四ハロゲン化物からのIVb族およびVb族金属汚染物除去方法
JP2004083337A (ja) * 2002-08-27 2004-03-18 Jfe Chemical Corp 低灰分多孔質炭素材料、その製造方法および電気二重層コンデンサー
US20060228292A1 (en) * 2005-04-11 2006-10-12 Cronin James T Process for purifying titanium chloride-containing feedstock

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4783324A (en) * 1987-02-03 1988-11-08 Kemira, Inc. Preparation of pure titanium tetrachlorides and solutions of titanium tetrachlorides
JPH10194739A (ja) * 1996-12-27 1998-07-28 Japan Pionics Co Ltd 四塩化チタンの精製方法
JPH1149503A (ja) * 1997-06-02 1999-02-23 Kanebo Ltd 球状炭素材及びその製造方法
JP2002053314A (ja) * 2000-08-04 2002-02-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 活性炭およびそれを備えた浄水器
JP2002187718A (ja) * 2000-12-20 2002-07-05 Sumitomo Titanium Corp TiCl4の精製方法
JP2003212544A (ja) * 2002-01-17 2003-07-30 Air Products & Chemicals Inc IVb族金属四ハロゲン化物からのIVb族およびVb族金属汚染物除去方法
JP2004083337A (ja) * 2002-08-27 2004-03-18 Jfe Chemical Corp 低灰分多孔質炭素材料、その製造方法および電気二重層コンデンサー
US20060228292A1 (en) * 2005-04-11 2006-10-12 Cronin James T Process for purifying titanium chloride-containing feedstock

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009012993A (ja) * 2007-07-02 2009-01-22 Osaka Titanium Technologies Co Ltd TiCl4製造方法
RU2548095C1 (ru) * 2013-10-14 2015-04-10 Открытое Акционерное Общество "Корпорация Всмпо-Ависма" Способ химической очистки тетрахлорида титана от примесей
JP2019163185A (ja) * 2018-03-19 2019-09-26 東邦チタニウム株式会社 TiCl4又はスポンジチタンの製造方法
JP7029325B2 (ja) 2018-03-19 2022-03-03 東邦チタニウム株式会社 TiCl4又はスポンジチタンの製造方法
JP2021031361A (ja) * 2019-08-29 2021-03-01 東邦チタニウム株式会社 使用後活性炭の処理方法、及び四塩化チタンの製造方法
JP7261701B2 (ja) 2019-08-29 2023-04-20 東邦チタニウム株式会社 使用後活性炭の処理方法、及び四塩化チタンの製造方法
KR20210085314A (ko) 2019-12-30 2021-07-08 고등기술연구원연구조합 정제 사염화타이타늄 제조 장치 및 제조 방법
CN113912107A (zh) * 2021-11-08 2022-01-11 贵州威顿晶磷电子材料股份有限公司 一种高纯四氯化钛纯净制造工艺方法
CN113912107B (zh) * 2021-11-08 2023-03-28 贵州威顿晶磷电子材料股份有限公司 一种高纯四氯化钛纯净制造工艺方法
CN115259206A (zh) * 2022-07-22 2022-11-01 承德莹科精细化工股份有限公司 一种高纯碳酸铥和高纯三氟化铥的制备方法
CN115259206B (zh) * 2022-07-22 2024-02-20 承德莹科精细化工股份有限公司 一种高纯碳酸铥和高纯三氟化铥的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007223877A (ja) 高純度四塩化チタンの製造方法およびそれから得られうる高純度四塩化チタン
TWI670232B (zh) 氟化合物氣體之純化方法
JP2012062300A (ja) 超高純度電子級化学試薬生産方法
JP6867581B2 (ja) フッ素ガスの精製方法
WO2017138366A1 (ja) フッ素化合物ガスの精製方法
US20220411265A1 (en) Production method for high-purity hydrogen chloride gas
JP5206185B2 (ja) 高純度クロロポリシランの製造方法
JPWO2017064910A1 (ja) ジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法
JP2018093233A (ja) ドライエッチング方法
US5766565A (en) Purification of hydrochloric acid
JP2021088744A (ja) 高純度マンガンの製造方法および高純度マンガン
JP4145081B2 (ja) 高純度フッ素ガスおよびその製造方法並びにその用途
US2969852A (en) Process for removing niobium oxychloride from niobium pentachloride
TWI848190B (zh) 高純度氯化氫氣體之製造方法
JP2002255868A (ja) パーフルオロカーボン類の製造方法およびその用途
JP2009506977A (ja) 三フッ化窒素の精製方法
JP2019043846A (ja) 多結晶シリコンの収容治具および多結晶シリコンの製造方法
WO2017138367A1 (ja) フッ素ガスの精製方法
JP2005281048A (ja) フッ化水素酸の精製法及び精製装置
JP5100166B2 (ja) 高純度金属およびその製造方法
WO2023238627A1 (ja) 高純度塩酸の製造方法
JP2009167050A (ja) 高純度アルカリ金属炭酸塩水溶液の製造方法
JP3613324B2 (ja) 酸化タンタルおよび/または酸化ニオブの製造方法
JP2011098931A (ja) アセトニトリルの精製方法
JP2003128412A (ja) 四弗化ケイ素の精製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090106

A977 Report on retrieval

Effective date: 20100624

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20100706

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100816

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101005

A02 Decision of refusal

Effective date: 20110215

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02