JPWO2017064910A1 - ジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、不活性ガス雰囲気下で、ジメチルスルホキシドを含む液体中のジメチルスルホキシド100gに対し、炭酸ナトリウムを、0.0005g〜2g添加するジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法である。
本発明により、ジメチルスルホキシドを含む液体を蒸留する場合、高純度のジメチルスルホキシドを得ることができる。また、本発明により、夏期の長期の保存や冬場に凍結したジメチルスルホキシドを融解させるための加熱によるジメチルスルホキシドの品質低下を抑制することができる。
本発明により、ジメチルスルホキシドを含む液体を蒸留する場合、高純度のジメチルスルホキシドを得ることができる。また、本発明により、夏期の長期の保存や冬場に凍結したジメチルスルホキシドを融解させるための加熱によるジメチルスルホキシドの品質低下を抑制することができる。
Description
本発明は、ジメチルスルホキシド(DMSO)の分解を抑制する方法に関する。
ジメチルスルホキシドは、ポリマーの重合や紡糸溶剤として工業的に幅広く使用されている。また、使用したジメチルスルホキシドを、回収して再利用することは、広く行われている。工業的に、ジメチルスルホキシドを、回収し再利用する場合、ジメチルスルホキシドは、加熱蒸留して精製される。しかしながら、ジメチルスルホキシドは熱的に比較的不安定である。ジメチルスルホキシドを常圧で蒸留すると、若干分解することが知られている。蒸留により、ジメチルスルホキシドの製造、または、回収と再利用を行う場合、ジメチルスルホキシドの分解生成物が存在すると、ジメチルスルホキシドの純度が低下する。
そこで、ジメチルスルホキシドを蒸留する場合は、減圧にして、100℃以下で行なう例が多い。
ジメチルスルホキシドを110℃以上の高温で蒸留できれば、蒸留時に高真空を必要とせず、減圧装置に負荷がかからず、蒸留設備も簡便であり工業的に好ましい。
従来、ジメチルスルホキシドの分解抑制剤として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの金属水酸化物を添加する方法(特許文献1参照)が知られていた。しかし、ジメチルスルホキシドに水酸化ナトリウムを添加して加熱すると、ジメチルスルホキシドの分解を促進させる場合があるので、ジメチルスルホキシドを蒸留精製する時に、安全で、高温でもジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法が求められていた。
本発明の目的は、ジメチルスルホキシドの分解を抑制する安全な添加剤を添加して、ジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法を提供することにある。
本発明は、不活性ガス雰囲気下で、ジメチルスルホキシドを含む液体中のジメチルスルホキシド100gに対し、炭酸ナトリウムを0.0005g〜2g添加するジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法である。
本発明のジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法は、ジメチルスルホキシドが高温に加熱されても、ジメチルスルホキシドが分解しにくい。本発明の方法は、ジメチルスルホキシドを蒸留、回収する場合、ジメチルスルホキシドの分解を抑制し、蒸留により高純度のジメチルスルホキシドを得ることができる。また高温で蒸留できるので高真空設備が不要であるので、低コストで精製できる。炭酸ナトリウムは安全であり、危険物を使用する従来の分解抑制方法や精製方法に比較して、安全に作業を行うことができる。
本発明のジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法は、例えば、夏期の長期の保存や冬場に凍結したジメチルスルホキシドを融解させるための加熱によるジメチルスルホキシドの品質低下を抑制することができる。
本発明のジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法は、数々の用途に使用されるジメチルスルホキシドに用いることができる。例えば、本発明のジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法で、分解を抑えたジメチルスルホキシドは、ポリアクリロニトリル、セルロース、ポリイミド、ポリスルホン、ポリウレタンなどのポリマーの重合や紡糸工程の溶剤、電子材料のフォトレジストの剥離液、医農薬の合成、レンズモールドなどの剥離・洗浄液または塗料の剥離液として利用できる。
本発明は、ジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法であり、ジメチルスルホキシドを含む液体に炭酸ナトリウムを添加する。
炭酸ナトリウムは、無水物でも水和物でも良く、水和物としては容易に入手可能な1水和物、10水和物が好ましい。
炭酸ナトリウムは、粉末、固体として、添加することができる。炭酸ナトリウムは、水溶液として添加しても良い。炭酸ナトリウムを水溶液として添加する場合、例えば、蒸留装置や保管容器に自動で連続的に、均一濃度で投入できるので、安全上好ましい。炭酸ナトリウムの水100gへの溶解度は20℃で22gと大きい。このため、ジメチルスルホキシドを含む液体に炭酸ナトリウムを添加して蒸留して炭酸ナトリウムの結晶が析出した場合、蒸留装置内の炭酸ナトリウムの結晶を水で洗浄して容易に除去できる。
炭酸ナトリウムを水溶液にする場合の濃度は、使用する温度で飽和する濃度まで上げることができる。炭酸ナトリウムを水溶液として添加する場合、炭酸ナトリウムの濃度は、水100gに対して、好ましくは、0.1〜35gであり、より好ましくは、0.2〜30gである。さらにより好ましくは、1〜30gである。最も好ましくは、10〜25gである。
炭酸ナトリウムを添加する量は、液中のジメチルスルホキシド100gに対して、0.0005gから2gである。炭酸ナトリウムを添加する量は、液中のジメチルスルホキシド100gに対して、0.001gから1.5gが好ましく、0.001gから1gがより好ましい。添加量が、0.0005gより少ないと分解抑制効果が十分でない。添加量が、2gより多いと、冬季に気温が0℃以下になった場合、水への溶解度が低くなるので、水溶液で添加する場合に多量の水を添加することになる。
本発明においてジメチルスルホキシドを含む液体に炭酸ナトリウムを添加するタイミングは、ジメチルスルホキシドを含む液体を蒸留する場合、蒸留を行う前から添加しても良いし、ジメチルスルホキシドよりも沸点の低い不純物を留去した後に添加して蒸留しても良い。
本発明では、不活性ガス雰囲気下でジメチルスルホキシドの分解を抑制する。不活性ガス雰囲気は、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、または、アルゴン雰囲気を意味し、1種類の気体で構成されても、2種類以上の気体の混合ガスでもよい。不活性ガス雰囲気下は、窒素雰囲気が好ましい。例えば、ジメチルスルホキシドを含む液体を蒸留する場合、空気下で蒸留した場合は、ジメチルスルホキシドが分解しやすい。ジメチルスルホキシドを含む液体を、空気下で加熱した場合は、ジメチルスルホキシドが分解しやすい。
本発明では、ジメチルスルホキシドを含む液体を蒸留する場合、不活性ガス雰囲気下で、かつ、常圧から減圧でジメチルスルホキシドを蒸留することが好ましい。除去したい不純物とジメチルスルホキシドの沸点差が小さい場合には、常圧、または、常圧に近い減圧度で、蒸留する。常圧、または、常圧に近い減圧度で、蒸留することにより、不純物とジメチルスルホキシドの沸点の差が大きくなり、不純物の除去が容易になる。
従来、ジメチルスルホキシドを含む液体を蒸留する場合、ジメチルスルホキシドが分解するので110℃以下で減圧蒸留していた。本発明のジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法は、高温でもジメチルスルホキシドの分解を抑制するので、ジメチルスルホキシドを含む液体を蒸留する場合、高真空度を必要としない。
本発明では、ジメチルスルホキシドを含む液体を蒸留する場合、蒸留時の温度は、好ましくは、90℃以上191℃以下であり、より好ましくは、100℃以上180℃以下、さらにより好ましくは、110℃以上170℃以下である。蒸留時の温度が、90℃以上191℃以下であると、装置に負荷がかからず、蒸留設備も簡便であり工業的に好ましい。
ジメチルスルホキシドを含む液体を蒸留しない場合、ジメチルスルホキシドを含む液体の保管温度は、好ましくは、18℃以上120℃以下であり、より好ましくは、25℃以上100℃以下である。
本発明において、ジメチルスルホキシドを含む液体を蒸留する場合、蒸留するジメチルスルホキシドを含む液体中のジメチルスルホキシドの濃度は、10%以上が好ましく、20%以上がより好ましい。ジメチルスルホキシドの濃度が10%より低いと、不純物を蒸留して除去するのにコストがかかる場合がある。
ジメチルスルホキシドを含む液体を蒸留しない場合、ジメチルスルホキシドを含む液体中のジメチルスルホキシドの濃度は、10%以上が好ましく、20%以上がより好ましい。
ジメチルスルホキシドを含む液体は、ジメチルスルホキシド以外に水などを含んでも良い。
本発明では、ジメチルスルホキシドを含む液体中に樹脂成分、不溶物や加熱時にゲル化しやすい成分、酸や強アルカリ、ジメチルスルホキシドと反応する成分などの分解を促進するような不純物などが混じっている場合は、事前にろ過、吸着分離、イオン交換樹脂、塩基の添加などにより、除去、分離、不活性化、中和しておくことが好ましい。
本発明は、ジメチルスルホキシドを含む液体を蒸留する場合、バッチ式蒸留、連続式蒸留のいずれにも適応できる。連続式蒸留を行う場合は、炭酸ナトリウム水溶液を蒸留塔の前に連続的に供給することが好ましい。
本発明では、ジメチルスルホキシドを含む液体を蒸留する場合、蒸留塔の理論段数は、1〜50段の蒸留塔で行うことが好ましく、さらに好適には3〜40段の蒸留塔が好ましい。
また、ジメチルスルホキシドを含む液体を蒸留する場合、蒸留後に析出した炭酸ナトリウムは廃棄処理しても良いし、回収して再利用しても良い。
本発明では、ジメチルスルホキシドを含む液体を蒸留しない場合も、炭酸ナトリウムは廃棄処理しても良いし、回収して再利用しても良い。
本発明では、ジメチルスルホキシドの分解率の分析は、キャピラリーカラムを使用したガスクロマトグラフィーを用いる。
ジメチルスルホキシドの180℃での24時間加熱後の分解率は、0.06面積%以下が好ましく、0.05面積%以下がより好ましく、0.04面積%以下がさらにより好ましい。
本発明では、ジメチルスルホキシド100gに対して7gの水を含む場合、157℃での5時間加熱後のジメチルスルホキシドの分解率は、0.04面積%以下が好ましく、0.02面積%以下がより好ましく、0.01面積%以下がさらにより好ましい。
本発明において、加熱後のジメチルスルホキシドの純度は、キャピラリーカラムを使用したガスクロマトグラフィーで分析する。
本発明において、180℃での24時間加熱後のジメチルスルホキシドの純度は、99.94%以上が好ましく、99.95%以上がより好ましい。
本発明において、ジメチルスルホキシド100gに対して7gの水を含む場合、157℃での5時間加熱後のジメチルスルホキシドの純度は、99.96%以上が好ましく、99.97%以上がより好ましく、99.98%以上がさらにより好ましい。
本発明において、ジメチルスルホキシドを含む液体は、例えば、スルフィドの酸化等により合成する工程で得られたジメチルスルホキシドを含む反応液、ポリアクリロニトリル、セルロース、ポリイミド、ポリスルホン、ポリウレタンなどのポリマーの重合や紡糸工程で使用したジメチルスルホキシドを含む廃液、電子材料のフォトレジストの剥離液として使用したジメチルスルホキシドを含む廃液、レンズモールドなどの剥離・洗浄液として使用したジメチルスルホキシドを含む廃液、医農薬の合成溶媒に使用したジメチルスルホキシドを含む廃液または塗料の剥離液として使用したジメチルスルホキシドを含む廃液などである。これらのジメチルスルホキシドを含む液体は、蒸留により、高純度のジメチルスルホキシドを得ることができる。また、本発明により、夏期の長期の保存や冬場に凍結したジメチルスルホキシドを融解させるための加熱によるジメチルスルホキシドの品質低下を抑制することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。本発明の実施例などで用いる各種の測定値は以下の測定法により測定した。
(1)ジメチルスルホキシドのGC純度(面積%)
以下の条件のガスクロマトグラフィー法(以下、「GC」と略す。)により測定した。
以下の条件のガスクロマトグラフィー法(以下、「GC」と略す。)により測定した。
使用機器 島津製作所GC−2010(FID)
カラム DB−WAX 0.25mm×60m、膜厚 0.25μm
キャリアガス He 165.7kPa
カラム昇温条件 35℃ → 7℃/分 → 140℃×10分 → 15℃/分 →
250℃×10分
注入口温度 200℃
検出器温度 250℃
FID Air 400ml/min
H2 40ml/min
メークアップ 30ml/min
スプリット比 14
分析サンプル調製 サンプルを0.5μmのPTFE製シリンジフィルターでろ過した。
注入量 1.0μl 。
カラム DB−WAX 0.25mm×60m、膜厚 0.25μm
キャリアガス He 165.7kPa
カラム昇温条件 35℃ → 7℃/分 → 140℃×10分 → 15℃/分 →
250℃×10分
注入口温度 200℃
検出器温度 250℃
FID Air 400ml/min
H2 40ml/min
メークアップ 30ml/min
スプリット比 14
分析サンプル調製 サンプルを0.5μmのPTFE製シリンジフィルターでろ過した。
注入量 1.0μl 。
(2)系内に水を含まない場合の分解率(面積%)
(1)と同様の方法で、180±2℃で24時間加熱した時のジメチルスルホキシドのGC純度(面積%)を測定した。ブランクのGC純度との差を分解率とした。
(3)系内に水を含む場合の分解率(面積%)
(1)のGC測定は、水は検出されない。そこで、水をジメチルスルホキシド100gに対して7g添加し、157±2℃、還流下で5時間加熱を行った時の分解率は、下記のようにして求めた。
(1)と同様の方法で、180±2℃で24時間加熱した時のジメチルスルホキシドのGC純度(面積%)を測定した。ブランクのGC純度との差を分解率とした。
(3)系内に水を含む場合の分解率(面積%)
(1)のGC測定は、水は検出されない。そこで、水をジメチルスルホキシド100gに対して7g添加し、157±2℃、還流下で5時間加熱を行った時の分解率は、下記のようにして求めた。
加熱前のジメチルスルホキシドを含む液体(加熱前の液とする)と加熱後のジメチルスルホキシドを含む液体(加熱後液とする)について、(1)と同様の方法で、それぞれのジメチルスルホキシドのGC純度(面積%)を測定し、下記の計算式で水を含む場合の分解率を求めた。
水を含む場合の分解率(面積%)=
(加熱前の液の水を含む場合のジメチルスルホキシドのGC純度(面積%)
−加熱後液の水を含む場合のジメチルスルホキシドのGC純度(面積%)) 。
水を含む場合の分解率(面積%)=
(加熱前の液の水を含む場合のジメチルスルホキシドのGC純度(面積%)
−加熱後液の水を含む場合のジメチルスルホキシドのGC純度(面積%)) 。
(4)酸化物量(面積%)
(1)と同様の方法で、180±2℃で24時間加熱した時のジメチルスルホキシドに含まれるジメチルスルホンの量(面積%)を測定し、酸化物量とした。
(1)と同様の方法で、180±2℃で24時間加熱した時のジメチルスルホキシドに含まれるジメチルスルホンの量(面積%)を測定し、酸化物量とした。
(実施例1)
ジムロートコンデンサーと攪拌子と温度計を備えた300mlの3つ口フラスコにジメチルスルホキシド(GC純度99.997面積%)200g、添加剤として炭酸ナトリウム0.002g(ジメチルスルホキシド100gに対して0.001g)を仕込み、窒素でフラスコ内を置換した後、ジムロートコンデンサーの上部に窒素を充填したゴム風船を取り付け密閉状態にした。192℃のオイルバスで内温が178℃に達した時点をスタートとし、180±2℃で24時間加熱を行った。25℃以下まで冷却後、フラスコの壁についた液と内液を混ぜ合わせた。このジメチルスルホキシドのGC純度は、99.966面積%であった。このGC純度から求めた分解率を表1に示す。また、酸化物量は0.00面積%であった。
ジムロートコンデンサーと攪拌子と温度計を備えた300mlの3つ口フラスコにジメチルスルホキシド(GC純度99.997面積%)200g、添加剤として炭酸ナトリウム0.002g(ジメチルスルホキシド100gに対して0.001g)を仕込み、窒素でフラスコ内を置換した後、ジムロートコンデンサーの上部に窒素を充填したゴム風船を取り付け密閉状態にした。192℃のオイルバスで内温が178℃に達した時点をスタートとし、180±2℃で24時間加熱を行った。25℃以下まで冷却後、フラスコの壁についた液と内液を混ぜ合わせた。このジメチルスルホキシドのGC純度は、99.966面積%であった。このGC純度から求めた分解率を表1に示す。また、酸化物量は0.00面積%であった。
(実施例2〜4)
炭酸ナトリウムの添加量を、表1に記載したように変えたこと以外は、実施例1と同様にした。各実施例のジメチルスルホキシドのGC純度、分解率、酸化物量の結果を表1に示す。
炭酸ナトリウムの添加量を、表1に記載したように変えたこと以外は、実施例1と同様にした。各実施例のジメチルスルホキシドのGC純度、分解率、酸化物量の結果を表1に示す。
(比較例1)
炭酸ナトリウムを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にした。比較例1のジメチルスルホキシドのGC純度、分解率、酸化物量の結果を表2に示す。
炭酸ナトリウムを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にした。比較例1のジメチルスルホキシドのGC純度、分解率、酸化物量の結果を表2に示す。
(比較例2〜6)
添加剤の種類、添加剤の添加量を、表2に記載したように変えたこと以外は、実施例1と同様にした。各比較例のジメチルスルホキシドのGC純度、分解率、酸化物量の結果を表2に示す。
添加剤の種類、添加剤の添加量を、表2に記載したように変えたこと以外は、実施例1と同様にした。各比較例のジメチルスルホキシドのGC純度、分解率、酸化物量の結果を表2に示す。
(比較例7〜8)
炭酸ナトリウムの添加量を表2に記載したように変え、空気雰囲気で実施したこと以外は、実施例1と同様にした。各比較例のジメチルスルホキシドのGC純度、分解率、酸化物量の結果を表2に示す。
炭酸ナトリウムの添加量を表2に記載したように変え、空気雰囲気で実施したこと以外は、実施例1と同様にした。各比較例のジメチルスルホキシドのGC純度、分解率、酸化物量の結果を表2に示す。
実施例1〜4では、ジメチルスルホキシド中に、ジメチルスルホンは、検出されなかった。また、ジメチルスルホキシドの分解が極めて少なかった。
比較例1〜8では、実施例1〜4に比較して、ジメチルスルホキシドの分解が多かった。また、比較例2、7〜8では、ジメチルスルホキシド中に、ジメチルスルホンが検出された。
(実施例5)
ジムロートコンデンサーと攪拌子と温度計を備えた300mlの3つ口フラスコにジメチルスルホキシド200gを仕込んだ。続いて、添加剤として、炭酸ナトリウム0.2g(ジメチルスルホキシド100gに対して0.1g)を蒸留水14g(ジメチルスルホキシド100gに対して7g)に溶解させた炭酸ナトリウム水溶液を仕込んだ。この加熱前の液の水を含む場合のジメチルスルホキシドのGC純度は、99.997面積%であった。窒素でフラスコ内を置換した後、ジムロートコンデンサーの上部に窒素を充填したゴム風船を取り付け密閉状態にした。190℃のオイルバスで内温が155℃に達した時点をスタートとし、157±2℃、還流下で5時間加熱を行った。25℃以下まで冷却後、フラスコの壁についた液と内液を混ぜ合わせた。この加熱後液の水を含む場合のジメチルスルホキシドのGC純度は、99.997面積%であった。このGC純度から求めた水を含む場合の分解率を表3に示す。
ジムロートコンデンサーと攪拌子と温度計を備えた300mlの3つ口フラスコにジメチルスルホキシド200gを仕込んだ。続いて、添加剤として、炭酸ナトリウム0.2g(ジメチルスルホキシド100gに対して0.1g)を蒸留水14g(ジメチルスルホキシド100gに対して7g)に溶解させた炭酸ナトリウム水溶液を仕込んだ。この加熱前の液の水を含む場合のジメチルスルホキシドのGC純度は、99.997面積%であった。窒素でフラスコ内を置換した後、ジムロートコンデンサーの上部に窒素を充填したゴム風船を取り付け密閉状態にした。190℃のオイルバスで内温が155℃に達した時点をスタートとし、157±2℃、還流下で5時間加熱を行った。25℃以下まで冷却後、フラスコの壁についた液と内液を混ぜ合わせた。この加熱後液の水を含む場合のジメチルスルホキシドのGC純度は、99.997面積%であった。このGC純度から求めた水を含む場合の分解率を表3に示す。
(実施例6)
炭酸ナトリウムの添加量を、表3に記載したように変えたこと以外は、実施例5と同様にした。加熱前の液と加熱後液の水を含む場合のジメチルスルホキシドのGC純度と、水を含む場合の分解率の結果を表3に示す。
炭酸ナトリウムの添加量を、表3に記載したように変えたこと以外は、実施例5と同様にした。加熱前の液と加熱後液の水を含む場合のジメチルスルホキシドのGC純度と、水を含む場合の分解率の結果を表3に示す。
(比較例9)
表3に記載したように、水酸化ナトリウムを0.1g加えたこと以外は、実施例5と同様にした。比較例9の加熱前の液と加熱後液の水を含む場合のジメチルスルホキシドのGC純度と、水を含む場合の分解率の結果を表3に示す。
表3に記載したように、水酸化ナトリウムを0.1g加えたこと以外は、実施例5と同様にした。比較例9の加熱前の液と加熱後液の水を含む場合のジメチルスルホキシドのGC純度と、水を含む場合の分解率の結果を表3に示す。
比較例9では、実施例5〜6に比較して、ジメチルスルホキシドの分解が多かった。
本発明により、ジメチルスルホキシドを含む液体を蒸留する場合、高純度のジメチルスルホキシドを得ることができる。また、本発明により、夏期の長期の保存や冬場に凍結したジメチルスルホキシドを融解させるための加熱によるジメチルスルホキシドの品質低下を抑制することができる。
本発明のジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法で、分解を抑えたジメチルスルホキシドは、ポリアクリロニトリル、セルロース、ポリイミド、ポリスルホン、ポリウレタンなどのポリマーの重合や紡糸工程の溶剤、電子材料のフォトレジストの剥離液、医農薬の合成、レンズモールドなどの剥離・洗浄液または塗料の剥離液として利用できる。
Claims (6)
- 不活性ガス雰囲気下で、ジメチルスルホキシドを含む液体中のジメチルスルホキシド100gに対し、炭酸ナトリウムを、0.0005g〜2g添加するジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法。
- 炭酸ナトリウムを水溶液にして添加する請求項1に記載のジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法。
- 不活性ガス雰囲気下でジメチルスルホキシドを含む液体を蒸留により精製するとき、ジメチルスルホキシドを含む液体中に炭酸ナトリウムを添加する請求項1または2に記載のジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法。
- 不活性ガス雰囲気が、窒素雰囲気である請求項1または2に記載のジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法。
- 180℃で24時間加熱後のジメチルスルホキシドのGC純度が99.94面積%以上である請求項1に記載のジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法。
- 157℃での5時間加熱後のジメチルスルホキシドの分解率が0.04面積%以下である請求項2に記載のジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法。
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