JP6941035B2 - 酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)及びその製造方法 - Google Patents

酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)及びその製造方法に関する。
酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)は、フッ素原子を3個有する部分フッ素化溶媒である。部分フッ素化溶媒は、電子材料、蓄電池用電解液等の用途で頻繁に用いられるが、これらの用途では、塩素含有化合物、臭素含有化合物やプロトン性化合物等(例えば有機酸化合物やアルコール化合物等)の含有量の極めて少ない高純度品が求められる。
酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)の合成法としては、2,2,2−トリフルオロエタノールを用いる方法、又は2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンを用いる方法が知られている。
2,2,2−トリフルオロエタノールを用いる方法として、非特許文献1には2,2,2−トリフルオロエタノールと酢酸をイオン交換樹脂触媒下、副生する水をシリカゲルで吸着させながら反応させることで、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)を合成することが記載されている。しかしこの方法では、反応後に大量の廃シリカゲルが発生し、さらに2,2,2−トリフルオロエタノールの反応性が低いために、反応を進行させるために酢酸を大量に用いる必要があり、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)中への酢酸の混入や酸性廃棄物の処理が必要となる。
また、非特許文献2には、2,2,2−トリフルオロエタノールと塩化アセチルを反応させることによって酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)を合成する方法が示されている。しかしこの方法では、毒性及び腐食性の高い塩化水素が等モル副生するため、反応の際に等モル以上の塩基を用いる必要があり、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)中への塩基及び塩基塩酸塩の混入が懸念される。
また、非特許文献3には、2,2,2−トリフルオロエタノールと無水酢酸を反応させることによって、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)を合成する方法が示されている。しかしこの方法でも、等モル以上の塩基が必要であり、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)中への塩基の混入が懸念される。さらに等モルの酢酸が副生するため、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)中への酢酸の混入が懸念される。
また、これら2,2,2−トリフルオロエタノールを原料として用いる方法の場合、2,2,2−トリフルオロエタノールは、2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンを原料として工業的に合成されるため(例えば特許文献1)、2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンを原料とする方法に比べ、二段反応故に明らかに経済性の面でも不利になる。
一方、2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンを用いる方法としては、特許文献2及び特許文献3に、アルカリ金属酢酸塩と2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンを反応させ、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)を合成する方法が示されている。この方法では、原料のアルカリ金属酢酸塩や溶媒に含まれる水分によって、反応中に酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)の一部が加水分解し、2,2,2−トリフルオロエタノールが副生するという問題がある。2,2,2−トリフルオロエタノールと酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)の沸点は近いため、蒸留で分離するのは困難である。
またこのような課題に対し、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)のような部分フッ素化合物から、アルコールや有機酸を除去する技術も検討されている。例えば、特許文献4には、モレキュラーシーブスを用いて、有機液体から2,2,2−トリフルオロエタノールを除去する方法が記載されているが、除去効率が十分ではない。また特許文献5には、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)中に含まれる遊離酸を、シリカゲル等の担体に施されたポリアルキレンイミンを用いることによって除去する方法が記載されているが、除去効率が十分ではない。
特開2004−203816号公報 特開2000−264858号公報 特開昭61−012645号公報 特開2005−501892号公報 特開2005−501891号公報
Journal of Fluorine Chemistry;vol.161,p.110−119(2014) Biochemistry, 44(16), 6371−6382; 2005(Supporting Information) Canadian Journal of Chemistry;vol.74,Nb.4,p.544−558(1996)
本発明は、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)について、不純物である2,2,2−トリフルオロエタノール、2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタン及びカルボン酸の含有量を低減できる新規な技術を提供することにある。
本発明者は従来よりも純度を高めた酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)を提供することを着想した。このような酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)とその製造方法について、発明者が知る限りで言及された記載はない。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、2,2,2−トリフルオロエタノール、2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタン及びカルボン酸を低減できる新規な酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)の製造方法を見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は下記の要旨に係るものである。
1).水素炎イオン化検出器を備えたガスクロマトグラフでの分析において、2,2,2−トリフルオロエタノールの含有量が0.01面積%以下であり、且つ下記式(1)
CFCHX (1)
(式中、Xは塩素原子又は臭素原子を示す)
で表される2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンの含有量が0.01面積%以下であり、且つ下記式(2)
R−COOH (2)
(式中、Rは炭素数1〜10の無置換、又は置換された炭素鎖を示す)
で表されるカルボン酸の含有量が0.01面積%以下であることを特徴とする、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)。
2).水素炎イオン化検出器を備えたガスクロマトグラフでの分析において、2,2,2−トリフルオロエタノールの含有量が0.003面積%以下であり、且つ下記式(1)
CFCHX (1)
(式中、Xは塩素原子又は臭素原子を示す)
で表される2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンの含有量が0.003面積%以下であり、且つ下記式(2)
R−COOH (2)
(式中、Rは炭素数1〜10の無置換、又は置換された炭素鎖を示す)
で表されるカルボン酸の含有量が0.003面積%以下であることを特徴とする、1)項に記載の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)。
3).下記式(1)
CFCHX (1)
(式中、Xは塩素原子又は臭素原子を示す)
で表される2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンと、下記式(3)
CHCOM (3)
(式中、Mはアルカリ金属イオンを示す)
で表わされるアルカリ金属酢酸塩を反応させた後、得られた生成物に、アミド系溶媒存在下、下記式(4)
(R−C=O)O (4)
(式中、Rは炭素数1〜10の無置換、又は置換された炭素鎖を示す)
で表されるカルボン酸無水物を添加し、蒸留精製を行うことにより得られることを特徴とする、1)項又は2)項に記載の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)。
4).カルボン酸無水物が、無水酢酸である3)項に記載の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)。
5).アミド系溶媒が、N−メチルピロリドンである、3)項または4)項に記載の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)。
6).下記式(1)
CFCHX (1)
(式中、Xは塩素原子又は臭素原子を示す)
で表される2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンと、下記式(3)
CHCOM (3)
(式中、Mはアルカリ金属イオンを示す)
で表わされるアルカリ金属酢酸塩を反応させた後、得られた生成物に、アミド系溶媒存在下、下記式(4)
(R−C=O)O (4)
(式中、Rは炭素数1〜10の無置換、又は置換された炭素鎖を示す)
で表されるカルボン酸無水物を添加し、蒸留精製を行うことを特徴とする、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)の製造方法。
7).無水カルボン酸が、無水酢酸である6)項に記載の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)の製造方法。
8).アミド系溶媒が、N−メチルピロリドンである、6)項又は7)項に記載の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)の製造方法。
9).2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンに対して、アルカリ金属酢酸塩を0.80〜2.00のモル比で使用することを特徴とする、6)項乃至8)項に記載の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)の製造方法。
10).2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンに対して、カルボン酸無水物を0.05〜0.2のモル比で使用することを特徴とする、6)項乃至9)項に記載の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)の製造方法。
11).蒸留精製を蒸留塔を用いて行い、該蒸留塔内にイナートガスを連続的に供給しながら蒸留することを特徴とする6)項乃至10)項に記載の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)の製造方法。
12).蒸留精製を、連続式精密蒸留にて行うことを特徴とする6)項乃至11)項に記載の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)の製造方法。
本発明によれば、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)について、不純物である2,2,2−トリフルオロエタノール、2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタン及びカルボン酸の含有量を低減できる新規な技術が提供される。
以下に本発明の1つの実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)とは、水素炎イオン化検出器を備えたガスクロマトグラフでの分析において、2,2,2−トリフルオロエタノールの含有量が0.01面積%以下であり、且つ一般式(1)
CFCHX (1)
(式中、Xは塩素原子又は臭素原子を示す)
で表される2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンの含有量が0.01面積%以下であり、且つ一般式(2)
R−COOH (2)
(式中、Rは炭素数1〜10の無置換、又は置換された炭素鎖を示す)
で表されるカルボン酸の含有量が0.01面積%以下である酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)を示す。
第1の不純物である2,2,2−トリフルオロエタノールは、原料のアルカリ金属酢酸塩及び反応に使用される有機溶媒中に含まれる水により、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)が加水分解されることによって副生する。第2の不純物である一般式(1)で表される2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンは、原料の未反応残存物である。一般式(1)中のXは、塩素、臭素原子を表し、一般式(1)の2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンの例としては、2−クロロ−1,1,1−トリフルオロエタン、2−ブロモ−1,1,1−トリフルオロエタンを挙げることができる。第3の不純物である一般式(2)で表されるカルボン酸は、原料のアルカリ金属酢酸塩及び反応に使用される有機溶媒中に含まれる水により、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)が加水分解されることによって副生する酢酸と、一般式(4)で表されるカルボン酸無水物と副生2,2,2−トリフルオロエタノールが反応した際に副生するカルボン酸の場合がある。一般式(2)中のRは、炭素数1〜10の無置換、又は置換された炭素鎖を示す。Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、secブチル基、tertブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、フェニル基等が挙げられる。一般式(2)で表されるカルボン酸の例としては、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、2−メチルプロパン酸、ペンタン酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ヘキサン酸、ペンタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、安息香酸等を挙げることができる。
上記の3つの不純物は、汎用の水素炎イオン化検出器を備えたガスクロマトグラフによる分析で含有量を把握することができる。その含有量は、各0.01面積%以下であり、好ましくは各0.003面積%以下である。
次に本実施形態の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)の製造方法について説明する。
本実施形態において、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)は、一般式(1)で表される2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンと一般式(3)
CHCOM (3)
(式中、Mはアルカリ金属イオンを示す)
で表されるアルカリ金属酢酸塩を反応させた後、得られた生成物に、アミド系溶媒存在下、一般式(4)
(R−C=O)O (4)
(式中、Rは炭素数1〜10の無置換、又は置換された炭素鎖を示す)
で表されるカルボン酸無水物を添加し、蒸留精製することによって得ることができる。
ここで本反応液中では、アミド系溶媒存在下、副生2,2,2−トリフルオロエタノールと一般式(4)で表されるカルボン酸無水物の反応が極めて容易に進行するため、蒸留精製前の段階で2,2,2-トリフルオロエタノールのより高度な低減が可能となる。一般式(2)で表されるカルボン酸は、アミド系溶媒存在下で蒸留を行うことにより、より高度な低減が可能となる。一般式(1)で表される2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンは、蒸留によって分離することが可能であるが、蒸留中にイナートガスを供給することで、さらなる高度な分離が可能となる。
一般式(1)で表される2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンは、当業者のよく知る一般的な合成法に従って製造することができる。また、市販品を用いてもよい。
一般式(1)中のXは、塩素、臭素原子を表す。一般式(1)で表される2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンの例として、2−クロロ−1,1,1−トリフルオロエタン、2−ブロモ−1,1,1−トリフルオロエタンを挙げることができる。これらの2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンは、2種を混合して使用することもできる。
一般式(3)で表されるアルカリ金属酢酸塩は、当業者のよく知る一般的な合成法に従って製造することができる。また、市販品を用いてもよい。
一般式(3)中のMは、アルカリ金属イオンを表す。Mとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオンが挙げられる。一般式(3)で表されるアルカリ金属酢酸塩の例としては、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウムを挙げることができる。さらにこれらの塩は、2種以上を混合して使用することもできる。
一般式(1)で表される2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンと一般式(3)で表されるアルカリ金属酢酸塩の反応は、有機溶媒中で行うことができる。反応に用いられる有機溶媒の例としては、アセトン、2−ブタノン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド系、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄系溶媒を挙げることができる。有機溶媒は、反応や生成物に影響を及ぼさない限り特に制限はないが、一般式(3)で表されるアルカリ金属酢酸塩を良く溶かすという点で、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、スルホランが好ましく、一般式(1)で表される2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンと一般式(3)で表されるアルカリ金属酢酸塩を反応させた後に副生する2,2,2−トリフルオロエタノールと一般式(4)で表されるカルボン酸無水物との反応が速いという点で、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンがさらに好ましい。
一般式(1)で表される2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンと、一般式(3)で表されるアルカリ金属酢酸塩のモル比は、1:0.8〜1:2.0から適宜選ばれた比が好ましく、1:1.00〜1:1.5から適宜選ばれた比が、不純物の副生量がより少ないという点からさらに好ましい。一般式(1)で表される2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンに対して、一般式(3)で表されるアルカリ金属酢酸塩のモル比が、0.8より小さくなると、範囲内にある場合と比較して、未反応の2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンが残存し、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)との蒸留による分離が難しくなる。また、一般式(1)で表される2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンに対して、一般式(3)で表されるアルカリ金属酢酸塩のモル比が、2.0より大きくなると、範囲内にある場合と比較して、アルカリ金属酢酸塩から持ち込まれる水分が増加し、2,2,2−トリフルオロエタノールの副生量が増加し、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)との分離が困難となる。
一般式(1)で表される2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンと、一般式(3)で表されるアルカリ金属酢酸塩の反応温度は、特に制限されないが100〜250℃から適宜選択された温度で実施することが好ましく、収率が良い点で、150〜230℃から適宜選択された温度にて実施することがさらに好ましく、不純物の副生量の点で170〜220℃から適宜選択された温度にて実施することがよりさらに好ましい。
一般式(4)で表されるカルボン酸無水物は、一般式(1)で表される2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンと、一般式(3)で表されるアルカリ金属酢酸塩との反応後に、生成物に対し、アミド系溶媒存在下において添加される。
一般式(4)で表されるカルボン酸無水物は、当業者のよく知る一般的な合成法に従って製造することができる。また、市販品を用いてもよい。
一般式(4)のRは、炭素数1〜10の無置換、又は置換された炭素鎖を示す。Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、secブチル基、tertブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、フェニル基等が挙げられる。一般式(4)で表されるカルボン酸無水物の例としては、無水酢酸、プロピオン酸無水物、ブタン酸無水物、2−メチルプロパン酸無水物、ペンタン酸無水物、イソ吉草酸無水物、ピバル酸無水物、ヘキサン酸無水物、ペンタン酸無水物、オクタン酸無水物、ノナン酸無水物、デカン酸無水物、ウンデカン酸無水物、無水安息香酸を挙げることができる。さらにこれらのカルボン酸無水物は、2種以上を混合して使用することもできる。副生2,2,2−トリフルオロエタノールとの反応で生成した化合物と酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)との分離性の点から、無水酢酸、ペンタン酸無水物、イソ吉草酸無水物、ピバル酸無水物、ヘキサン酸無水物、ペンタン酸無水物、オクタン酸無水物、ノナン酸無水物、デカン酸無水物、ウンデカン酸無水物、無水安息香酸が好ましく、収率の点で無水酢酸がさらに好ましい。
一般式(4)で表されるカルボン酸無水物の添加量は、一般式(1)で表される2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンと、一般式(4)で表されるカルボン酸無水物のモル比で1:0.05〜1:0.2から適宜選ばれた比が好ましい。一般式(1)で表される2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンに対して、一般式(4)で表されるカルボン酸無水物のモル比が、0.05より小さくなると、範囲内にある場合と比較して、副生2,2,2−トリフルオロエタノールの残存量が増加し、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)との蒸留による分離が難しくなる。また、一般式(1)で表される2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンに対して、一般式(4)で表されるカルボン酸無水物のモル比が、0.2より大きくなると、範囲内にある場合と比較して、一般式(2)で表されるカルボン酸の副生量が増加し、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)との分離が困難となる。
一般式(4)で表されるカルボン酸無水物を添加する際の温度は、特に制限されないが0〜100℃の範囲で適宜選択された温度にて実施することが好ましく、不純物の副生量の点で30〜80℃の範囲で適宜選択された温度にて実施することがさらに好ましい。
アミド系溶媒の例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等を挙げることができる。副生2,2,2−トリフルオロエタノールと一般式(4)で表されるカルボン酸無水物の反応速度の点から、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンが好ましく、カルボン酸との分離性の点で、N−メチルピロリドンがさらに好ましい。アミド系溶媒は、一般式(1)で表される2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンと一般式(3)で表されるアルカリ金属酢酸塩の反応溶媒として用いることもでき、一般式(4)で表されるカルボン酸無水物を添加する前であれば、投入のタイミングは特に制限はない。
アミド系溶媒の投入量としては特に制限はないが、一般式(3)で表されるカルボン酸無水物に対して、重量比(=アミド系溶媒/アルカリ金属酢酸塩)で0.5〜20の範囲で適宜選ばれた比で行うのが好ましい。
一般式(4)で表されるカルボン酸無水物処理後に得られる、未精製の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)は、アミド系溶媒存在下、蒸留精製を行うことによって、より高純度の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)に変換することができる。
蒸留精製は、蒸留塔を使用して行うことができる。
蒸留精製は、例えば、スルーザーパッキン、マクマホンパッキン、ポールリング、ラッシヒリング等の充填材を充填した充填塔やオルダーショウ等の塔内部に一定間隔で棚段を設けた棚段塔などの蒸留塔を備えていてもよい、回分式又は連続式の、単蒸留又は精密蒸留が挙げられ、それぞれを組み合わせて蒸留精製を行ってもよい。
ここで、本明細書において、精密蒸留とは、充填材を充填した充填塔や塔内部に一定間隔で棚段を設けた棚段塔などの蒸留塔を備え、還流を伴う蒸留を示す。
また、回分式蒸留とは、一定量の蒸留前の粗生成物を、1バッチ毎に行う蒸留である。
また、連続式蒸留とは、蒸留前の粗生成物を、蒸留塔に連続的に供給しながら行う蒸留である。
このうち、より高純度の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)が得られ、収率も向上することから、連続式精密蒸留によって蒸留精製処理が行われることが好ましい。
また蒸留精製は、蒸留塔内にイナートガスを供給しながら蒸留精製を行うことが、より高純度の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)が得られ、収率も向上することから、好ましい。イナートガスの例としては、窒素、希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン)が挙げられる。イナートガスは、単独または2種以上を混合して使用してもよい。窒素、アルゴンが入手性の点で好ましく、窒素が経済的にさらに好ましい。また蒸留塔内へ供給するイナートガス量は、特に制限されないが、蒸留塔径に合わせて線速度0.01〜0.5m/分で行うのが好ましい。線速度0.01m/分より小さいと、範囲内にある場合と比較して、2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンとの分離が悪く、線速度0.5m/分より大きいと、範囲内にある場合と比較して、イナートガスに酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)に同伴されてトラップできず、収率が低下する。
以上の操作で得られた酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)は、水素炎イオン化検出器を備えたガスクロマトグラフによって分析することで、確認することができる。なお、分析は、例えば実施例において記載する条件を用いて行うことができる。
以上、本実施形態によれば、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)について、2,2,2−トリフルオロエタノール、2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタン及びカルボン酸の含有量を低減できる新規な技術を提供することができる。
酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)は、非フッ素化溶媒と比較して、フッ素化合物及び非フッ素化合物との相溶性に優れており、より低粘度、且つより高耐酸化性という特性を有しているため、例えば半導体向けレジスト用ポリマーや、反射防止膜用ポリマーなどの希釈液、畜電池用電解液の溶媒として非常に有用である。本実施形態の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)は従来の製法で得られる酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)と比較して問題となる不純物の含有量が高度に低減されているため、これら用途で懸念される装置の腐食や蓄電池性能の低下等の課題解決に寄与することができる。
以下、本発明を実施例、比較例、参考例にて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、実施例1と実施例17において、各操作時のガスクロマトグラフィー分析結果を示しているが、以下の式を用いて、溶媒を抜いた換算値を示した。
各成分のガスクロマトグラフィー換算値(面積%)= A/(100−B)×100
A:各成分のガスクロマトグラフィー値(面積%)
B:N−メチルピロリドンのガスクロマトグラフィー値(面積%)
水素炎イオン化検出器を備えるガスクロマトグラフィーによる分析は以下の条件に基づき行った(他の実施例も同様に分析を行った)。
装置:SHIMADZU GC−2014
カラム:Varian Capillary Column CP−SiL 8 CB
50m × 0.32mm,膜厚 5μm
温度プログラム:100℃(ホールド時間 0分)⇒昇温速度 10℃/分⇒280℃((ホールド時間 12分)
気化室温度:220℃、検出器温度:280℃、キャリアガス:ヘリウム、制御モード:圧力、圧力:132.8kPa、全流量:110.1mL/min、線速度:33.3cm/sec、パージ流量:3.0mL/min、カラム流量:2.10mL/min、スプリット比:50.0
[実施例1]
10Lオートクレーブに、酢酸カリウム(1226g,12.49mol)及びN−メチルピロリドン(4372g)を加え、オートクレーブを密閉した。真空ポンプを使ってオートクレーブ内を減圧し、2−クロロ−1,1,1−トリフルオロエタン(1397g,11.79mol)加え、180℃で21.5時間撹拌を行った。反応終了後、上澄み液のガスクロマトグラフィー分析を行い、溶媒を抜いた換算値は、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル) 80.78面積%、2−クロロ−1,1,1−トリフルオロエタン 1.003面積%、2,2,2−トリフルオロエタノール 6.713面積%、酢酸 6.038面積%であった。
次に、反応液に無水酢酸(92.1g,0.902mol)を35〜40℃で滴下し、さらに40℃で3時間撹拌を行った。この時の上澄み液のガスクロマトグラフィー分析を行い、溶媒を抜いた換算値は、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル) 82.30面積%、2−クロロ−1,1,1−トリフルオロエタン 0.8529面積%、2,2,2−トリフルオロエタノール 未検出、酢酸 12.72面積%であった。
無水酢酸との反応終了後、減圧下において単蒸留を行い、粗生成物を得た。この時の粗生成物のガスクロマトグラフィー分析を行い、溶媒を抜いた換算値は、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル) 98.42面積%、2−クロロ−1,1,1−トリフルオロエタン 0.8698面積%、2,2,2−トリフルオロエタノール 0.0027面積%、酢酸 未検出であった。
粗生成物を、常圧で回分式精密蒸留(棚段塔:オルダーショウ、段数:30段、目皿:直径32mm、全長:1010mm)を行うことにより、目的とする酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)を無色透明液体として得た(収量 1212g、収率 72.3%)。得られた酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)のガスクロマトグラフィーによる分析結果は、溶媒のN−メチルピロリドンを含んでおらず、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル) 99.96面積%、2,2,2−トリフルオロエタノール 0.0024面積%、2−クロロ−1,1,1−トリフルオロエタン 0.0023面積%、酢酸 未検出であった。
[実施例2]〜[実施例16]及び[比較例1]〜[比較例4]は、表1に示す条件で合成を行った。
[実施例17]
10Lオートクレーブに、酢酸カリウム(1228g,12.52mol)及びN−メチルピロリドン(4402g)を加え、オートクレーブを密閉した。真空ポンプを使ってオートクレーブ内を減圧し、2−クロロ−1,1,1−トリフルオロエタン(1397g,11.79mol)を加え、180℃で23時間撹拌を行った。反応終了後の上澄み液のガスクロマトグラフィー分析を行い、溶媒を抜いた換算値は、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル) 81.12面積%、2−クロロ−1,1,1−トリフルオロエタン 1.007面積%、2,2,2−トリフルオロエタノール 6.742面積%、酢酸 6.065面積%であった。
次に、反応液に無水酢酸(92.1g,0.902mol)を35〜40℃で滴下し、さらに40℃で3時間撹拌を行った。この時の上澄み液のガスクロマトグラフィー分析を行い、溶媒を抜いた換算値は、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル) 82.72面積%、2−クロロ−1,1,1−トリフルオロエタン 0.8567面積%、2,2,2−トリフルオロエタノール 未検出、酢酸 12.77面積%であった。
無水酢酸との反応終了後、減圧下において単蒸留を行い、粗生成物を得た。この時の粗生成物のガスクロマトグラフィー分析を行い、溶媒を抜いた換算値は、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル) 98.29面積%、2−クロロ−1,1,1−トリフルオロエタン 0.8681面積%、2,2,2−トリフルオロエタノール 0.0027面積%、酢酸 未検出であった。
粗生成物は、蒸留塔(充填材:スルーザーパッキン Φ25×54mm、20個、全長:1360mm)2本を用いて連続式精密蒸留にて精製を行った。1本目の蒸留塔の中段に粗生成物を連続的に投入し、塔頂より低沸点不純物を分離し、塔底から得られた低沸点不純物を分離した粗生成物を、2本目の蒸留塔の中段に投入し、塔頂から目的とする酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)を無色透明液体として得た(収量 1449g、収率 86.5%)。得られた酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)のガスクロマトグラフィーによる分析結果は、溶媒のN−メチルピロリドンを含んでおらず、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル) 99.99面積%、2,2,2−トリフルオロエタノール 0.0002面積%、2−クロロ−1,1,1−トリフルオロエタン 未検出、酢酸 未検出であった。
実施例1と比較例1との比較から、カルボン酸無水物の添加により、蒸留にて副生2,2,2−トリフルオロエタノールを分離しやすくなることが理解できる。原因は、2つの化合物の沸点が近いためである。
実施例1と比較例2〜3の比較から、蒸留時の溶媒をアミド系とする場合、カルボン酸が蒸留で留出し難くなることが分かる。詳細な理由はわからないが、酢酸とアミド系溶媒が何らかの相互作用により、蒸留で留出し難くなったのではないかと考えられる。
副生2,2,2−トリフルオロエタノールの処理のため、実施例8では無水安息香酸、実施例9ではヘキサン酸無水物を用いたが、無水酢酸を用いたときと同様に、より高純度の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)を合成することが可能であった。
実施例1及び実施例12と実施例16から、アルカリ金属酢酸塩の2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンに対するモル比が0.8以上となると、未反応の2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンが減少し、蒸留による収量が増加するので、収率が向上することが理解できる。
実施例10では、精密蒸留時にイナートガスとして窒素ガス(N)を連続的に供給しながら蒸留を行ったところ、実施例1に比べて収率が向上し、2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンの含有量が低下した。詳細な理由はわからないが、Nを供給しながら精密蒸留を行うことによって、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)への2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンの溶解度が低下したのではないかと考えられる。
実施例17では、連続式精密蒸留を行ったところ、実施例1に比べて収率が向上し、2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタン及び2,2,2−トリフルオロエタノールの含有量が大幅に低下した。詳細な理由はわからないが、回分式より連続式精密蒸留の分離能が高いためであると考えられる。
Figure 0006941035
[参考例1]
2Lのフラスコに、2,2,2−トリフルオロエタノール 200g(2.00mol)、酢酸 601g(10.0mol)及び濃硫酸 58.8g(0.6mol)加え、24時間加熱還流を行った。反応後、反応液を冷却し、ジエチルーテル 500mlを加えた。次に、溶液に5%炭酸水素ナトリウム水溶液 250gで3回洗浄した後、さらに水 250gで3回洗浄し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。硫酸ナトリウムをろ過し、得られた有機層を常圧で精密蒸留(充填塔:オルダーショウ、段数:30段、目皿:直径32mm、全長:1010mm)を行い、目的とする酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)を無色透明液体として得た(収量 93.5g、収率 32.6%)。
得られた酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)のガスクロマトグラフィーによる分析結果は、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル) 99.12面積%、2,2,2−トリフルオロエタノール 0.6032面積%、酢酸 0.2747面積%であった。
以上、本発明で規定する製造方法により、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)を従来と比較して高純度で得ることができた。
本発明で得られる酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)は、従来と比較して高純度であり、例えば半導体向けレジスト用ポリマーの希釈液、反射防止膜用ポリマーなどの希釈液、電池用電解液の溶媒等の電子材料用途として有望である。

Claims (7)

  1. 下記式(1)
    CFCHX (1)
    (式中、Xは塩素原子又は臭素原子を示す)
    で表される2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンと、下記式(3)
    CHCOM (3)
    (式中、Mはアルカリ金属イオンを示す)
    で表わされるアルカリ金属酢酸塩を反応させた後、得られた生成物に、アミド系溶媒存在下、下記式(4)
    (R−C=O)O (4)
    (式中、Rは炭素数1〜10の無置換、又は置換された炭素鎖を示す)
    で表されるカルボン酸無水物を添加し、蒸留精製を行うことを特徴とする、酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)の製造方法。
  2. 無水カルボン酸が、無水酢酸である請求項に記載の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)の製造方法。
  3. アミド系溶媒が、N−メチルピロリドンである、請求項又は請求項に記載の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)の製造方法。
  4. 2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンに対して、アルカリ金属酢酸塩を0.80〜2.00のモル比で使用することを特徴とする、請求項乃至請求項のいずれか一つに記載の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)の製造方法。
  5. 2−ハロ−1,1,1−トリフルオロエタンに対して、カルボン酸無水物を0.05〜0.2のモル比で使用することを特徴とする、請求項乃至請求項に記載の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)の製造方法。
  6. 蒸留精製を蒸留塔を用いて行い、該蒸留塔内にイナートガスを連続的に供給しながら蒸留することを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか一つに記載の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)の製造方法。
  7. 蒸留精製を、連続式精密蒸留にて行うことを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか一つに記載の酢酸(2,2,2−トリフルオロエチル)の製造方法。
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