JP2017160137A - ジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法 - Google Patents

ジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法 Download PDF

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栄英 安蒜
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Abstract

【課題】 高温でジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法を提供する。
【解決手段】 ジメチルスルホキシドを含む液体に、イミダゾールを含有させて、ジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法であって、ジメチルスルホキシドとイミダゾールの合計を100重量%としたとき、ジメチルスルホキシドを70〜99重量%、イミダゾールを1重量%〜30重量%含有する、ジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子材料の剥離、洗浄液、ポリマーの重合や紡糸などの溶剤、医農薬の合成溶媒として使用し、廃液を蒸留して回収再利用できるジメチルスルホキシド(DMSO)の分解を抑制する方法に関するものである。
ジメチルスルホキシドは、電子材料の剥離、洗浄溶剤として工業的に幅広く使用されている。また、一旦使用したジメチルスルホキシドの回収再利用は工業的に広く行われており、加熱蒸留して精製する工程は必要不可欠となっている。
しかしながら、ジメチルスルホキシドは熱的に比較的不安定であって常圧で蒸留すれば若干分解することが知られている。ジメチルスルホキシドの製造または回収再利用を蒸留にて行う時に、一部分解した分解生成物が夾雑することは溶媒としての能率を低下させるために好ましいことではない。
そこで、ジメチルスルホキシドを蒸留する場合は減圧にして、100℃以下で行なう例が多かった。ジメチルスルホキシドを110℃以上の高温で蒸留できれば、蒸留時に高真空を必要とせず、減圧装置に負荷がかからず、蒸留設備も簡便であり工業的に好ましい。
従来、ジメチルスルホキシドの分解抑制剤として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機アルカリ(特許文献1参照)や、ギ酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウムなどの無機塩(特許文献2参照)を添加する方法が報告されていた。
上記添加剤は全て金属塩であり、固体である。このため、ジメチルスルホキシドを蒸留により精製したジメチルスルホキシドが留出すると、蒸留残渣の金属塩濃度が上昇し高くなり、ジメチルスルホキシドの分解抑制効果が低下する問題がある。また、ジメチルスルホキシドの蒸留時、蒸留塔内で揮発したジメチルスルホキシドには、金属塩の分解抑制効果が及ばず、分解が進行する。また、添加剤を金属塩とした場合、電子材料用途で使用すると、金属成分のコンタミネーションが懸念される。
特公昭43−3765号公報 特公昭36−23323号公報
本発明の目的は、金属塩を用いないで高温でジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法を提供することにある。
本発明は、ジメチルスルホキシドを含む液体に、イミダゾールを含有させて、ジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法であって、ジメチルスルホキシドとイミダゾールの合計を100重量%としたとき、ジメチルスルホキシドを70〜99重量%、イミダゾールを1重量%〜30重量%含有させてジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法である。

本発明のジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法では、ジメチルスルホキシドが高温でも分解しにくい。このため、ジメチルスルホキシドを蒸留、回収する場合、高真空度を必要とせず、純度の高いジメチルスルホキシドを再利用できる。また、本発明のジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法では、金属塩を使用しないので、ジメチルスルホキシドを、電材向けポリマーの溶媒、洗浄液に使用できる。
また、本発明の分解を抑制する方法では、ジメチルスルホキシドを含む液体に、有機塩基であるイミダゾールを含有していることから、酸無水物を用いて、アルコールをエステル化する時の反応溶媒として使用できる。
本発明で使用されるイミダゾールは、ジメチルスルホキシドの分解を抑制するだけでなく、加熱しても分解せず、毒性、有害性が低く、安価で、入手容易で、悪臭がない。
本発明で使用されるイミダゾールは、引火点が高く、凝固点が低く、分子量が小さく、ジメチルスルホキシド、水と均一に混合し、水と共沸せず、沸点がジメチルスルホキシドに近い。沸点がジメチルスルホキシドに近いと、蒸留回収した混合液の組成が蒸留前と変わらないので回収液をそのまま再利用できる。また、蒸留終了時に釜残に残る蒸留残渣がないので、蒸留収率が高く経済的である。凝固点が低く、分子量が小さいと、ジメチルスルホキシドとの混合液の凝固点が下がり、冬季に保管タンク、配管を保温する必要が無い。水と混和すると、水を含む廃液から混合液を回収する場合、水層、油層の2相に分離しないので、分液操作することなく蒸留回収することができ、簡便である。
本発明は、ジメチルスルホキシドを含む液体に、イミダゾールを含有させて、ジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法であって、ジメチルスルホキシドとイミダゾールの合計を100重量%としたとき、ジメチルスルホキシドを70〜99重量%、イミダゾールを1重量%〜30重量%含有させてジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法である。
本発明において、イミダゾールは、1から4個の置換基に置換されても良い。置換基とは炭素数が1から3の脂肪族のアルキル基、アルケニル基を表し、メチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基が挙げられ、メチル基が好ましい。置換位置は、置換数が1の場合は1位が置換されることが好ましく、置換数が2以上の場合は1位が置換され、2個目以降の置換基は2位、4位、5位に置換されることが好ましく、2位、4位、5位の位置は特に限定されない。以下にイミダゾールの置換位置を示す。
Figure 2017160137
本発明において、イミダゾールの沸点は180℃から210℃が好ましく、189℃から200℃がより好ましい。イミダゾールの沸点が180℃から210℃であると、蒸留中にジメチルスルホキシドより先にイミダゾールが留出することが少なく、釜残のジメチルスルホキシドが分解しにくい。また、ジメチルスルホキシドがイミダゾールより先に留出することが少なく、留出液のジメチルスルホキシドとイミダゾールの混合比率が蒸留前のジメチルスルホキシドとイミダゾールの混合比率の変化が小さいので異なり、そのまま再利用することができる。
本発明において、好ましいイミダゾールを、化合物名(沸点(℃)、凝固点(℃))で示す。好ましいイミダゾールは、1−メチルイミダゾール(198、−60)、1,2−ジメチルイミダゾール(204.37)、1−ビニルイミダゾール(192、78)が挙げられる。
本発明において、イミダゾールの比率は、ジメチルスルホキシドとイミダゾールの合計を100重量%としたとき、1重量%から30重量%であり、5重量%から20重量%が好ましい。1重量%より低いと分解抑制効果が十分でなく、30重量%より多いと混合液が高価になる。
本発明では、好ましくは、不活性ガス雰囲気下でジメチルスルホキシドを蒸留する。不活性ガス雰囲気とは窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン雰囲気を意味し、1種類の気体で構成されても、2種類以上の気体の混合ガスでもよい。不活性ガス雰囲気下は、窒素雰囲気が好ましい。
本発明では、不活性ガス雰囲気下で、かつ、常圧から減圧でジメチルスルホキシドを蒸留することが好ましい。除去したい不純物とジメチルスルホキシドの沸点差が小さい場合には、減圧度をあまり下げないで、不純物とジメチルスルホキシドの沸点の差を大きくすることで、不純物の除去が容易になる。
本発明のジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法では、高温でもジメチルスルホキシド、イミダゾールの分解を抑制するので、高真空度を必要とせず、高温で蒸留できる。本発明では、蒸留時の温度は、好ましくは90℃以上191℃以下であり、より好ましくは、100℃以上180℃以下、さらにより好ましくは、110℃以上170℃以下であり、装置に負荷がかからず、蒸留設備も簡便であり工業的に好ましい。
本発明において、ジメチルスルホキシドとイミダゾールを含む廃液を蒸留して混合液を回収する場合、廃液中のイミダゾールとジメチルスルホキシドを合わせた濃度は、あまり低いと回収コストがかかるので、10%以上が好ましく、20%以上がより好ましい。
また、ジメチルスルホキシドとイミダゾールを含む廃液中に樹脂成分、不溶物や濃縮時にゲル化しやすい成分、酸、ジメチルスルホキシドやイミダゾールと高温で反応する成分などの蒸留操作において妨害となるような不純物が混じっている場合は、事前にろ過、吸着分離などによる除去、分離、不活性化、中和しておくことが好ましい。
本発明のジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法は、バッチ式蒸留、連続式蒸留のいずれにも適応でき、蒸留塔は単一塔でも、複合塔でも、2塔以上の蒸留塔を組み合わせても良い。
本発明では、蒸留塔の理論段数としては、1〜50段の蒸留塔で行うことが好ましく、さらに好適には3〜40段の蒸留塔が好ましい。
本発明では、キャピラリーカラムを使用したガスクロマトグラフィーでジメチルスルホキシドの分解物濃度を測定する。
ジメチルスルホキシドの分解物濃度は、ジメチルスルホキシドの分解物である、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、ビス(メチルチオ)メタンを測定し、面積%を合計した値で計算する。185℃、8時間加熱した後の数値と、仕込み時の数値の差を分解物濃度と定義する。ジメチルスルホキシドの分解物濃度は、70ppm以下が好ましく、60ppm以下がより好ましく、50ppm以下がさらにより好ましい。
また、イミダゾールの分解抑制効果については、ガスクロマトグラフィーの保持時間が、ジメチルスルホキシドとイミダゾールが重なる場合があるので、ジメチルスルホキシドとイミダゾールの面積百%を合計した値を100面積%として計算する。185℃、8時間加熱した後の数値と、仕込み時の数値の差を分解率と定義する。ジメチルスルホキシドとイミダゾール以外のピーク濃度は、1.0面積%以下が好ましく、0.5面積%以下がより好ましく、0.1面積%以下がさらにより好ましい。
本発明のジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法により蒸留して得られたジメチルスルホキシドとイミダゾールの混合液の品質は、高純度であり、そのまま再利用が可能である。
本発明のジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法により得られたジメチルスルホキシドとイミダゾールの混合液は、電子材料のフォトレジストの剥離液、酸無水物とアルコールの反応の反応溶媒、水溶性ポリイミド前駆体の合成溶媒、ポリアミドなどのポリマーの重合や紡糸溶剤などとして使用でき、ジメチルスルホキシドの分解が抑制されるので蒸留、回収し、そのまま再利用が可能である。
また、本発明のジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法により得られたジメチルスルホキシドとイミダゾールの混合液は有機塩基のイミダゾールを含有していることから、酸無水物との反応溶媒として使用できる。酸無水物をアルコールと反応すればエステルが合成できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。また実施例に使用する原料は試薬メーカー(東京化成工業社、関東化学社)から購入した一般的な試薬を用いた。
本実施例において、以下の条件のガスクロマトグラフィー法(以下、「GC」と略す。)により、DMSOの化学純度(GC 面積%)を測定した。
・使用機器 島津製作所GC−2010(FID)
・カラム DB−WAX 0.25mm×60m、膜厚 0.25μm
・キャリアガス He 165.7kPa
・カラム昇温条件 35℃ → 7℃/分 → 140℃×10分 → 15℃/分 →
250℃×10分
・注入口温度 200℃
・検出器温度 250℃
・FID Air 400ml/min
40ml/min
メークアップ 30ml/min
・スプリット比 14
・分析サンプル調製 サンプルを0.5μmのPTFE製シリンジフィルターでろ過した。
・注入量 1.0μl 。
(実施例1)
ジムロートコンデンサーと攪拌子と温度計を備えた100ml3つ口フラスコにジメチルスルホキシド60g、1−メチルイミダゾール15g(ジメチルスルホキシドに対して20質量%)を仕込み、窒素でフラスコ内を置換させた後、ジムロートコンデンサーの上部に窒素ガスを充填したゴム風船を取り付け密閉状態にした。210℃のオイルバスで内温が185℃に達した時点をスタートとし、185±2℃で8時間加熱を行った。25℃以下まで冷却後、フラスコの壁についた液と内液を混ぜ合わせGCを測定した。結果を表1に示す。
(実施例2〜3)
1−メチルイミダゾールの濃度を変えたこと以外は、実施例1と同様にした。各実施例の結果を表1に示す。
(比較例1)
1−メチルイミダゾールを添加しないこと以外は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
(比較例2〜6)
1−メチルイミダゾールを添加しないで、表1に記載の添加剤を、表1に記載の添加剤の濃度を変えたこと以外は実施例1と同様にした。各比較例の結果を表1に示す。
Figure 2017160137
表1は加熱実験の結果である。表1のジメチルスルホキシドの分解物濃度は、加熱により発生するジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、ビス(メチルチオ)メタンの濃度の合計であり、この濃度が低い添加剤が好ましい。表1の加熱前後のジメチルスルホキシドと添加剤のGC面積%を合わせた値の差(A−B)は、加熱前のジメチルスルホキシドと添加剤のGC面積%を合わせた値(A)と加熱後のジメチルスルホキシドと添加剤のGC面積%を合わせた値(B)の差であり、加熱により発生したジメチルスルホキシドと添加剤の両方の分解物を合計したピーク濃度のことである。このピーク濃度が低い添加剤が好ましい。さらに、ジメチルスルホキシドを蒸留する時、ジメチルスルホキシドと共に留出液として蒸留回収するため、添加剤の沸点は、ジメチルスルフィドの沸点に近いことが好ましい。
実施例1〜3の1−メチルイミダゾールは、ジメチルスルホキシドの分解物濃度が、比較例1と比較して低く、加熱による分解物の発生を抑制した。さらに、加熱前後のジメチルスルホキシドと添加剤のGC面積%を合わせた値の差(A−B)は低く、ジメチルスルホキシドと1−メチルイミダゾールの加熱による分解を抑制した。さらに、1−メチルイミダゾールの沸点は、198℃であり、ジメチルスルホキシドの沸点と近いため好ましい。
比較例2のテトラメチル尿素は、加熱前後のジメチルスルホキシドと添加剤のGC面積%を合わせた値の差(A−B)が高い上に、沸点が177℃であり、ジメチルスルホキシドの沸点と離れている。比較例2のテトラメチル尿素は、実施例1〜3の1−メチルイミダゾールに比べて、加熱による分解物の発生が多かった。
比較例3の1−メチル−4−ピペリドンは、実施例1〜3の1−メチルイミダゾールに比べて、加熱による分解物の発生が多かった。比較例3の1−メチル−4−ピペリドンは、加熱前後のジメチルスルホキシドと添加剤のGC面積%を合わせた値の差(A−B)が高い。
比較例4の2,6−ジメトキシピリジンと比較例5のジアザビシクロウンデセンは、実施例1〜3の1−メチルイミダゾールに比べて、加熱による分解物の発生が極めて多かった。比較例4の2,6−ジメトキシピリジンと比較例5のジアザビシクロウンデセンは、加熱前後のジメチルスルホキシドと添加剤のGC面積%を合わせた値の差(A−B)も高い上に、沸点が179℃であり、ジメチルスルホキシドの沸点と離れている。
比較例6の2−ジメチルアミノピリジンは、実施例1〜3の1−メチルイミダゾールに比べて、加熱による分解物の発生が多かった。比較例6の2−ジメチルアミノピリジンは、加熱前後のジメチルスルホキシドと添加剤のGC面積%を合わせた値の差(A−B)も高い。
(実施例4)
単蒸留操作に必要なジムロートコンデンサー、留出液用の受器、攪拌機、温度計を備えた300ml4つ口フラスコにジメチルスルホキシド201.3g、1−メチルイミダゾール10.5g(ジメチルスルホキシドに対して5質量%)を仕込み、窒素でフラスコ内を置換させた後、ジムロートコンデンサーの上部に窒素ガスを充填したゴム風船を取り付け密閉状態にした。210℃のオイルバスで加熱し、152.1gを留出させた。この留出液のGC純度の結果を表2に示す。
(実施例5)
1−メチルイミダゾールの濃度を変えたこと以外は実施例4と同様にした。各比較例の結果を表2に示す
(比較例7)
1−メチルイミダゾールを添加しないこと以外は実施例4と同様にした。各比較例の結果を表2に示す
(比較例8)
1−メチルイミダゾールを添加せず、水酸化ナトリウムを0.02%添加したこと以外は実施例4と同様にした。各比較例の結果を表2に示す。
Figure 2017160137
表2は常圧単蒸留の結果である。表2の留出液中のジメチルスルホキシドの分解物濃度は、留出液中のジメチルスルホキシドの分解物であるジメチルスフィド、ジメチルジスルフィド、ビス(メチルチオ)メタンの発生濃度である。さらに、表2の蒸留前のジメチルスルホキシドと添加剤のGC面積%を合わせた値(I)は、蒸留加熱する前の反応器中のジメチルスルホキシドのGC面積%と添加剤のGC面積%を合わせた値を示す。また、表2の蒸留液中のジメチルスルホキシドと添加剤のGC面積%を合わせた値(J)は、蒸留加熱し、留出を終了した時の留出液のジメチルスルホキシドの純度と添加剤の純度を合わせた値である。また、表2の蒸留前後のジメチルスルホキシドと添加剤のGC面積%を合わせた値の差(I−J)は、蒸留前のジメチルスルホキシドと添加剤のGC面積%を合わせた値の差(I)と蒸留液中のジメチルスルホキシドと添加剤のGC面積%を合わせた値の差(J)の差であり、数値がマイナスの場合は、蒸留によりジメチルスルホキシドと添加剤の純度が高くなり精製されるため、添加剤として好ましい。
実施例4と実施例5の1−メチルイミダゾールは、留出液中のジメチルスルホキシドの分解物濃度が、比較例7より低く、蒸留時の加熱によりジメチルスルホキシドの分解物の発生を抑制した。さらに、蒸留前後のジメチルスルホキシドと添加剤のGC面積%を合わせた値の差(I−J)は、マイナスの値であり、蒸留精製された。
比較例8の水酸化ナトリウムは、ジメチルスルホキシドの分解物濃度が、実施例4と実施例5より高く、蒸留時の加熱によりジメチルスルホキシドの分解物の発生を促進した。さらに、蒸留前後のジメチルスルホキシドと添加剤のGC面積%を合わせた値の差(I−J)は、プラス0.031面積%であり、蒸留によりジメチルスルホキシドと添加剤の純度が低下した。

Claims (4)

  1. ジメチルスルホキシドを含む液体に、イミダゾールを含有させて、ジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法であって、ジメチルスルホキシドとイミダゾールの合計を100重量%としたとき、ジメチルスルホキシドを70〜99重量%、イミダゾールを1重量%〜30重量%含有する、ジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法。
  2. 185℃、8時間加熱した時のジメチルスルホキシドの分解物濃度が50ppm以下である、請求項1に記載のジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法。
  3. ジメチルスルホキシドを含む液体を蒸留したときの留出液のジメチルスルホキシドの分解物濃度が10ppm以下である、請求項1に記載のジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法。
  4. イミダゾールが1−メチルイミダゾールである、請求項1から3のいずれかに記載のジメチルスルホキシドの分解を抑制する方法。
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