JP6941615B2 - 2−アルコキシエタノールの除去又は回収方法、及び(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルの製造方法 - Google Patents

2−アルコキシエタノールの除去又は回収方法、及び(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、2−アルコキシエタノールの除去又は回収方法、及び(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルの製造方法に関する。更に詳しくは、2−アルコキシエタノールを原料として(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルを製造した際に得られる粗ビニルエーテルなどのような2−アルコキシエタノールと(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルとの混合物から、2−アルコキシエタノールを除去又は回収する方法、及びこの除去又は回収方法を利用した(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルの製造方法に関する。
ビニルエーテルは、一般に、アセチレンへのアルコールの付加反応、遷移金属錯体等を触媒とするビニルエーテルとアルコールとのエーテル交換反応、カルボン酸ビニルを用いるアルコールのビニル化反応等によって製造されている。
これらのビニルエーテルの製造方法は、いずれもアルコールを原料とするが、得られた粗ビニルエーテル中に残存する原料アルコールがビニルエーテルと共沸混合物を形成する場合は、蒸留によりビニルエーテルを分離・回収することが困難となる。
このような問題を解決するために、アルカリ金属塩を添加して共沸を破壊する方法が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、アルカリ金属塩を添加して共沸を破壊する方法では、アルコールとの反応によってアルカリ金属アルコラートが生成し、これが、蒸留残液の減少にともなって蒸留塔底の液中に固体として析出するため、連続プロセスの実用化が難しいなどといった問題がある。
また、2つの蒸留塔を使用し、圧力の異なる条件下で蒸留を行うことにより、共沸組成が圧力に依存して変化する共沸混合物からアルコールを除去する方法が知られている(特許文献2及び3等)。
しかしながら、特許文献2及び3に記載の方法は、2−アルコキシエタノールと(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルとの共沸混合物のような、圧力による共沸組成の変化が小さい共沸混合物への適用が困難だった。更に、当該方法では、第2の蒸留塔上部から留出する共沸混合物の主成分がビニルエーテルであるため、ビニルエーテルの収量が低下するという問題がある。
また、原料アルコールを生成物であるビニルエーテルと反応させてアセタール化し、蒸留によりアセタールとビニルエーテルを分離する方法が提案されている(特許文献4)。
しかしながら、アルコールと当量のビニルエーテルが反応により失われるため、特許文献4に記載の方法でも、ビニルエーテルの収量が低下するという問題がある。
また、ビニルエーテルと原料アルコールの分離方法として、水を含むグリコール又はグリコールモノエーテルを抽出溶媒として用いて蒸留を行う方法(特許文献5)や、水又は水とフェノールとの混合溶媒を抽出溶媒として用いて蒸留を行う方法(特許文献6)が報告されている。これらの方法では、いずれも塔頂から水とビニルエーテルとの共沸混合物が得られ、デカンターにより油相と水相に分離される。しかしながら、これらの方法はいずれも水を用いるため、ビニルエーテルが加水分解により失われ収量が低下するという問題がある。さらに塔底から回収される原料アルコールは相応の水分を含むため、原料アルコールを回収・再使用するためには大きなエネルギーを要し、さらに大量の廃水処理が必要だった。
一方、水を用いない分離方法として、抽出溶媒としてグリコールモノエーテルのみを用いる方法(特許文献7)や、ジオールやジメチルスルホキシド等の極性溶媒を用いる方法(特許文献8)が知られている。しかしながらこれらの方法は、2−アルコキシエタノールと(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルと分離においては、選択度が低く、相対揮発度を少しでも高めるために非常に多くの熱量が必要となる。
さらに、水の使用・不使用にかかわらず、抽出蒸留法は一般に抽出溶媒を多量に使用するため、溶媒コストや装置コスト、エネルギーコストが増大し、工業的な実施が難しかった。
英国特許第787915号明細書 特開平10−109952号公報 特表2006−527225号公報 特開2010−229049号公報 米国特許第2779720号明細書 米国特許第3287235号明細書 特開昭48−80507号公報 特開平10−158208号公報
また、原料アルコールは、生成物であるビニルエーテルに比べて沸点が高いため、原料アルコールがビニルエーテルと共沸混合物を形成する場合に、第三成分(共沸溶媒)を用いた共沸蒸留で原料アルコールを除去するためには、共沸溶媒が、原料アルコールと共沸混合物を形成することや、ビニルエーテルの沸点より十分低い共沸点を示すことが重要となるが、このような共沸蒸留法による原料アルコールの除去は、ほとんど検討された例がない。特に、(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルのような、常圧での沸点が100℃を超える高沸点ビニルエーテルの場合、蒸留が減圧下で行われることが多く、沸点差が小さくなるため、共沸溶媒を用いた共沸蒸留による原料アルコールの除去は更に困難となる。さらに、二成分系で共沸する系が知られていたとしても、第三成分が存在すると共沸挙動は大きく異なってくるため、ある系で最適な共沸溶媒が別の系で最適であるとは限らず、特定の系における最適な共沸溶媒を予測することは非常に困難である。
本発明が解決しようとする課題は、(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルの収量低下を抑えながら、2−アルコキシエタノールと(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルとを含む混合物から2−アルコキシエタノールを容易かつ効率的に除去できる方法を提供することにある。
そこで、本発明者らは、(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルとその原料である2−アルコキシエタノールの分離について鋭意研究を行った結果、特定の共沸溶媒を用いた場合に、共沸蒸留によって上記混合物から2−アルコキシエタノールを容易かつ効率的に除去でき、(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルの収量低下も抑えることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の<1>〜<9>を提供するものである。
<1> 下記式(1)
Figure 0006941615
〔式(1)中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。〕
で表される2−アルコキシエタノール(以下、2−アルコキシエタノール(1)とも称する)と、下記式(2)
Figure 0006941615
〔式(2)中、Rは、式(1)中のRと同義である。〕
で表される(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(以下、(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)とも称する)とを含む混合物に、炭素数7〜8のアルカン及び炭素数7〜8のシクロアルカンから選ばれる1種以上の共沸溶媒を添加し、共沸蒸留する工程を含むことを特徴とする、2−アルコキシエタノールの除去方法(以下、本発明の除去方法とも称する)。
<2> 2−アルコキシエタノール(1)と、(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)とを含む混合物に、炭素数7〜8のアルカン及び炭素数7〜8のシクロアルカンから選ばれる1種以上の共沸溶媒を添加し、共沸蒸留する工程、並びに
前記共沸蒸留で留出した共沸混合物を、液液分離により2−アルコキシエタノール相と共沸溶媒相とに分離する工程
を含むことを特徴とする、2−アルコキシエタノールの回収方法(以下、本発明の回収方法とも称する)。
<3> 前記2−アルコキシエタノール(1)と(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)とを含む混合物が、前記2−アルコキシエタノール(1)を原料アルコールとするビニルエーテル化反応により得られた反応混合物である、<1>又は<2>に記載の方法。
<4> 2−アルコキシエタノール(1)を原料アルコールとする、(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)の製造方法であって、
前記原料アルコールをビニルエーテル化して、未反応の原料アルコールと前記(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)とを含む反応混合物を得るビニルエーテル化工程、並びに
前記反応混合物に、炭素数7〜8のアルカン及び炭素数7〜8のシクロアルカンから選ばれる1種以上の共沸溶媒を添加し、共沸蒸留により原料アルコールを除去する原料アルコール除去工程
を含むことを特徴とする、(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルの製造方法(以下、本発明の製造方法とも称する)。
<5> 2−アルコキシエタノール(1)を原料アルコールとする、(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)の製造方法であって、
前記原料アルコールを触媒存在下でビニルエーテル化して、未反応の原料アルコールと前記(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)とを含む反応混合物を得るビニルエーテル化工程、
前記ビニルエーテル化工程で得られた反応混合物から触媒を除去する触媒除去工程、並びに
触媒除去後の反応混合物に、炭素数7〜8のアルカン及び炭素数7〜8のシクロアルカンから選ばれる1種以上の共沸溶媒を添加し、共沸蒸留により原料アルコールを除去する原料アルコール除去工程
を含むことを特徴とする、(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルの製造方法。
<6> 前記原料アルコール除去工程で留出した共沸混合物を、液液分離により原料アルコール相と共沸溶媒相とに分離する液液分離工程、及び
前記液液分離工程で分離した共沸溶媒相の少なくとも一部を前記原料アルコール除去工程に供給する共沸溶媒供給工程を更に含む、<4>又は<5>に記載の製造方法。
<7> 前記液液分離工程で分離した原料アルコール相の少なくとも一部を前記ビニルエーテル化工程に供給する原料アルコール供給工程を更に含む、<6>に記載の製造方法。
<8> 前記共沸溶媒が、ノルマルヘプタン及びイソオクタンから選ばれる1種以上の共沸溶媒である、<1>〜<7>のいずれかに記載の方法。
<9> 式(1)及び式(2)中のRが、メチル基又はエチル基である、<1>〜<8>のいずれかに記載の方法。
本発明の除去方法、回収方法によれば、(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルの収量低下を抑えながら、2−アルコキシエタノールと(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルとを含む混合物から2−アルコキシエタノールを容易かつ効率的に除去、回収できる。
本発明の製造方法によれば、(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルの収量低下を抑えながら、粗ビニルエーテルから原料アルコールを容易かつ効率的に除去でき、高純度の(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルを工業的に有利に製造できる。
本発明の製造方法における原料アルコール除去工程、液液分離工程、共沸溶媒供給工程、原料アルコール供給工程、精留工程の一例を示す工程図である。 (2−メトキシエチル)ビニルエーテルと2−メトキシエタノールからなる混合物の気液平衡曲線(XY線図)を示すグラフである。 各種共沸溶媒と2−メトキシエタノールからなる混合物の気液平衡曲線(XY線図)を示すグラフである。 (2−メトキシエチル)ビニルエーテルと2−メトキシエタノールとノルマルヘプタンの液液平衡図を示すグラフである。 (2−メトキシエチル)ビニルエーテルと2−メトキシエタノールと各種共沸溶媒の液液平衡図を示すグラフである。 連続共沸蒸留シミュレーションの結果を示すグラフである。 実施例2で粗ビニルエーテルの調製に用いた装置を示す図である。
〔2−アルコキシエタノールの除去方法〕
本発明の除去方法は、2−アルコキシエタノール(1)と(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)とを含む混合物(例えば粗ビニルエーテル等の混合液)から、2−アルコキシエタノール(1)を除去するものである。
式(1)及び(2)中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基を示す。当該アルキル基の炭素数は、好ましくは1又は2である。また、当該アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
2−アルコキシエタノール(1)としては、具体的には、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−イソブトキシエタノール、2−sec−ブトキシエタノール、2−tert−ブトキシエタノールが挙げられ、これらのうち1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、本発明の除去方法は、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノールの除去に適する。
2−アルコキシエタノール(1)の含有量は、混合物中、好ましくは1〜40質量%であり、より好ましくは1.5〜30質量%であり、更に好ましくは2〜20質量%であり、特に好ましくは3〜15質量%である。
また、(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)としては、具体的には、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル、(2−エトキシエチル)ビニルエーテル、(2−プロポキシエチル)ビニルエーテル、(2−イソプロポキシエチル)ビニルエーテル、(2−ブトキシエチル)ビニルエーテル、(2−イソブトキシエチル)ビニルエーテル、(2−sec−ブトキシエチル)ビニルエーテル、(2−tert−ブトキシエチル)ビニルエーテルが挙げられ、これらのうち1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル、(2−エトキシエチル)ビニルエーテルが好ましい。
(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)の含有量は、混合物中、好ましくは60〜99質量%であり、より好ましくは70〜98.5質量%であり、更に好ましくは80〜98質量%であり、特に好ましくは85〜97質量%である。
混合物中の2−アルコキシエタノール(1)と(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)との含有量の質量比〔(1):(2)〕としては、1:99〜40:60が好ましく、1.5:98.5〜30:70がより好ましく、2:98〜20:80が更に好ましく、3:97〜15:85が特に好ましい。
また、2−アルコキシエタノール(1)と(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)の合計含有量は、混合物中、好ましくは80〜100質量%であり、より好ましくは90〜100質量%であり、特に好ましくは95〜100質量%である。
2−アルコキシエタノール(1)と(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)とを含む混合物としては、2−アルコキシエタノール(1)を原料アルコールとするビニルエーテル化反応により得られた反応混合物が好ましい。当該反応混合物としては、本発明の製造方法におけるビニルエーテル化工程により得られた反応混合物や、この反応混合物から触媒等を除去したものが挙げられる。
また、本発明の除去方法は、炭素数7〜8のアルカン及び炭素数7〜8のシクロアルカンから選ばれる1種以上の共沸溶媒を用いて共沸蒸留を行うものである。
2−アルコキシエタノール(1)と(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)とを含む混合物は共沸混合物を形成するため、通常の蒸留操作で2−アルコキシエタノール(1)を十分に除去することが困難であるが、上記共沸溶媒を用いて共沸蒸留を行うことにより、(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)の収量低下を抑えながら、2−アルコキシエタノール(1)を容易かつ効率的に除去できる。また、上記共沸溶媒は、熱安定性や安全性にも優れ、毒性や腐食性が低く、しかも安価であり、本発明の除去方法は工業的な利用に適する。
なお、炭素数が6以下のアルカンやシクロアルカンは、2−アルコキシエタノール(1)との相分離性が悪く、後述する液液分離で回収、再利用できないため工業的に不利であり、また、炭素数9以上のアルカンやシクロアルカンは沸点が高く、これを共沸溶媒として用いても共沸蒸留で2−アルコキシエタノール(1)を効率的に除去することは困難である。
炭素数7〜8のアルカンは、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。また、炭素数7〜8のシクロアルカンは、総炭素数が7〜8であれば環上にアルキル基が置換したものでもよい。
上記共沸溶媒としては、例えば、ノルマルヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、3−エチルペンタン、2,2,3−トリメチルブタン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、2,5−ジメチルヘキサン等が挙げられ、これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、2−アルコキシエタノール(1)の除去性能に優れる点で、ノルマルヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、3−エチルペンタン、2,2,3−トリメチルブタン、メチルシクロヘキサン、イソオクタンが好ましく、ノルマルヘプタン、イソオクタン、メチルシクロヘキサンがより好ましく、後述する液液分離における2−アルコキシエタノール(1)との分離性に優れる点では、ノルマルヘプタン、イソオクタンが特に好ましい。ここで、イソオクタンは、2,2,4−トリメチルペンタン又はこれを主成分とする分岐状C8異性体混合物である。
上記共沸溶媒の使用量は、2−アルコキシエタノール(1)に対して、通常0.01〜50質量倍であるが、0.1〜10質量倍が好ましく、1〜8質量倍がより好ましく、4〜6質量倍が特に好ましい。2−アルコキシエタノール(1)に対する共沸溶媒の使用量を4質量倍以上とすることにより、2−アルコキシエタノール(1)を十分に除去でき、高純度のビニルエーテルが得られる。また、10質量倍以下とすることにより、溶媒コストを抑えることができ、蒸留塔の運転効率や制御性の低下を防ぐことができるほか、(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)への共沸溶媒の混入を抑えることもできる。
また、共沸蒸留は、通常、蒸留塔(共沸塔)を用いて行われる。蒸留塔は、充填塔、棚段塔、泡鐘塔等のいずれでもよく、蒸留塔の段数は、好ましくは理論段数1〜100段、より好ましくは理論段数5〜70段である。また、蒸留塔の塔頂温度は、好ましくは40〜150℃の範囲であり、塔底温度は、好ましくは50〜200℃の範囲であり、還流比は、好ましくは1〜50である。
蒸留は、常圧蒸留、加圧蒸留、減圧蒸留のいずれでもよいが、2−アルコキシエタノール(1)の除去効率の点で、常圧蒸留、減圧蒸留が好ましく、減圧蒸留がより好ましい。具体的には、蒸留圧力としては、1kPa〜大気圧が好ましく、10〜100kPaがより好ましく、エネルギー効率の点から、40kPa超90kPa以下が更に好ましく、50〜80kPaが特に好ましい。また、蒸留温度は、好ましくは50〜200℃の範囲、より好ましくは60〜150℃の範囲である。
また、蒸留の方式は回分式、半回分式、連続式のいずれでもよいが、連続式が好ましい。蒸留は、減圧下に連続式で実施するのが特に好ましい。
上記蒸留塔を用いて共沸蒸留した場合、2−アルコキシエタノール(1)が、2−アルコキシエタノール(1)と上記共沸溶媒を含む共沸混合物として塔頂から留出し、(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)は、蒸留塔の塔底から缶出液(抜き出し液)として抜き出される。
共沸蒸留は、上記缶出液中の2−アルコキシエタノール(1)の濃度が所望の値(例えば、1質量%未満)となるまで行うことができる。2−アルコキシエタノール(1)の含有量は、公知の方法、例えば、ガスクロマトグラフィー等によって確認することができる。なお、缶出液は、さらに精留して重質成分等を除去してもよい。
〔2−アルコキシエタノールの回収方法〕
本発明の回収方法は、2−アルコキシエタノール(1)と(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)とを含む混合物に、炭素数7〜8のアルカン及び炭素数7〜8のシクロアルカンから選ばれる1種以上の共沸溶媒を添加し、共沸蒸留する工程を含むものである。当該共沸蒸留は、本発明の除去方法における共沸蒸留と同様にして行えばよい。
また、本発明の回収方法は、上記共沸蒸留で留出した共沸混合物を、液液分離により2−アルコキシエタノール相と共沸溶媒相とに分離する工程を含むものである。なお、2−アルコキシエタノール相は、共沸溶媒相よりも2−アルコキシエタノールを多く含む相をいい、共沸溶媒相は、2−アルコキシエタノール相よりも共沸溶媒を多く含む相をいう。
本発明で用いられる共沸溶媒は、2−アルコキシエタノール(1)への溶解度が低いため、塔頂から留出する共沸混合物は、留出物の受器の中で放熱されることにより二相に分離する。そのため、上記液液分離により、2−アルコキシエタノール相と共沸溶媒相とを容易に分離・回収することができる。また、これらは(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)の原料アルコールや共沸溶媒として利用することができる。
上記液液分離の温度は、通常50℃以下、好ましくは40℃以下であるが、エネルギー効率の点から、40℃未満がより好ましく、35℃以下が更に好ましく、0〜30℃が特に好ましい。また、液液分離の温度をこのような範囲とするとともに、共沸蒸留工程における蒸留圧力を上記範囲とすることにより、エネルギー効率を大きく改善できる。
液液分離は、公知の分液操作で行うことができ、例えば、デカンター等の液液分離器で分離する方法が挙げられる。また、回収した2−アルコキシエタノール相は、蒸留などによる精製を行ってもよい。
〔(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルの製造方法〕
<ビニルエーテル化工程>
ビニルエーテル化工程は、原料アルコール(2−アルコキシエタノール(1))をビニルエーテル化して、未反応の原料アルコールと(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)とを含む反応混合物を得る工程である。
原料アルコールから(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)を得る方法は、公知のビニルエーテル化反応であれば特に限定されないが、例えば、2−アルコキシエタノール(1)と炭素炭素二重結合又は炭素炭素三重結合を分子内に有する化合物とを反応させる方法が挙げられ、より具体的には、
(A)ビニルエーテルとアルコールとのエーテル交換反応、
(B)カルボン酸ビニルを用いるアルコールのビニル化反応、
(C)アセチレンへのアルコールの付加反応
等が挙げられる。また、ビニルエーテル化は触媒存在下で行うのが好ましい。
以下、上記反応(A)〜(C)について詳細に説明する。
(A)エーテル交換反応
エーテル交換反応(A)としては、2−アルコキシエタノール(1)と、目的とするビニルエーテルとは異なるビニルエーテルとを遷移金属錯体触媒の存在下で反応させる手法が挙げられる。
エーテル交換反応(A)に用いられるビニルエーテルとしては、目的とするビニルエーテルに比して安価で入手しやすい点で、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテルが好ましい。
遷移金属錯体触媒としては、ビニルエーテル交換反応用触媒として公知のものを使用することができる。例えば、酢酸パラジウム−1,10−フェナントロリン錯体、塩化パラジウム−1,10−フェナントロリン錯体等のパラジウムの1,10−フェナントロリン錯体;Co(CH3COCHCOCH32、Co(CH3COCHCOCH33、Co(CH3COCHCOCH32・2H2O、Co2(CO)8等のコバルトカルボニル錯体等が挙げられる。
また、エーテル交換反応(A)においては有機溶媒を使用してもよい。有機溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素系溶媒;ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;スルホラン等のスルホニル系溶媒等が挙げられる。なお、これらのうち1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エーテル交換反応(A)における反応温度は、通常−20〜150℃の範囲であり、反応速度及び副反応抑制の観点から、0〜100℃の範囲が好ましく、20〜50℃の範囲がより好ましい。また、反応時間は、反応条件によって異なるが、通常10分間〜48時間程度である。
(B)ビニル化反応
ビニル化反応(B)としては、遷移金属錯体触媒及び塩基性化合物の存在下で2−アルコキシエタノール(1)とカルボン酸ビニルエステルとを反応させる手法が挙げられる。
上記カルボン酸ビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ酸ビニル、安息香酸ビニル等が挙げられる。
遷移金属錯体触媒としては、ビニル交換反応用触媒として公知のものを使用することができる。例えば、ジ−μ−クロロテトラキス(シクロオクテン)二イリジウム(I)、ジ−μ−クロロテトラキス(エチレン)二イリジウム(I)、ジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)イリジウムテトラフルオロボレート、(1,5−シクロオクタジエン)(アセトニトリル)イリジウムテトラフルオロボレート等のイリジウム錯体が挙げられる。
塩基性化合物としては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩等が挙げられる。また、ビニル化反応(B)は平衡反応であるため、カルボン酸と塩基性化合物との反応により副生する水を系外に除去しながら行うことが好ましい。
また、ビニル化反応(B)においては有機溶媒を使用してもよい。有機溶媒としては、エーテル交換反応(A)で用いられるものと同様のものが挙げられる。
ビニル化反応(B)の反応温度は、通常50〜170℃の範囲であり、反応速度及び副反応抑制の観点から、70〜150℃の範囲が好ましく、90〜130℃の範囲がより好ましい。また、反応時間は、反応条件によって異なるが、通常10分間〜48時間程度である。
(C)アセチレンへの付加反応
アセチレンへの付加反応(C)としては、アルカリ金属アルコラート触媒の存在下で2−アルコキシエタノール(1)とアセチレンとを反応させる手法が挙げられる。
アルカリ金属アルコラート触媒は、アルカリ金属水酸化物と2−アルコキシエタノール(1)から合成される化合物であり、ハンドリング性の点で、アルコールに溶解するものが好ましい。アルカリ金属水酸化物としては、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウムが挙げられ、これらのうち1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応(C)においては有機溶媒を使用してもよく、有機溶媒としては、2−アルコキシエタノール(1)と混和し、且つ、アルカリ金属アルコラート触媒を溶解する非プロトン性極性溶媒等が好ましい。例えば、ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のアミド系溶媒;スルホラン、ジメチルスルホキシド等の含イオウ化合物系溶媒;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールジアルキルエーテル系溶媒等が挙げられ、これらのうち1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応(C)の反応温度は通常80〜200℃の範囲であり、反応速度及び副反応抑制の観点から、100〜180℃の範囲がより好ましい。反応圧力は高いほど反応速度が大きくなるが、アセチレンの分解爆発を防止するためには0.3MPa以下にすることが好ましい。また、反応時間は、反応条件によって異なるが、通常10分間〜48時間程度である。
上記反応(A)〜(C)の中でも、収率が高く原材料が安価であり、且つ特殊な触媒を必要としない点で、(C)のアセチレンへの付加反応が好ましい。
<触媒除去工程>
上記ビニルエーテル化反応を触媒存在下で行った場合、共沸蒸留に供する前に、ビニルエーテル化工程で得られた反応混合物から触媒等を除去することが好ましい。
触媒等の除去は、溶媒抽出、蒸留、ろ過等の固液分離(固体触媒又は担持触媒の場合)等、公知の方法によって行うことができる。これらの方法の中でも、触媒の分離が容易で、事前に原料アルコールを減少させることができる点で、蒸留による方法が好ましい。また、蒸留以外の方法により触媒を除去した場合も、更に蒸留を行って反応混合物中の原料アルコールを減少させてもよい。
触媒の除去又は触媒除去後の濃縮のための蒸留(以下、「予備蒸留」という)に用いる蒸留塔は、充填塔、棚段塔、泡鐘塔等のいずれでもよく、蒸留塔の段数は、例えば理論段数1〜100段、好ましくは理論段数5〜50段である。
予備蒸留は、常圧下、加圧下又は減圧下のいずれの条件下でも実施でき、好ましくは常圧下又は減圧下で実施される。具体的には、1kPa〜大気圧が好ましく、10〜100kPaがより好ましい。
また、蒸留の方式は回分式、半回分式、連続式のいずれでもよく、より好ましくは、減圧下に連続式に実施される。
予備蒸留により得られる留出物は、2−アルコキシエチルビニルエーテル(2)とその原料アルコールとを含む混合物である。この混合物の組成(混合物中における原料アルコールや2−アルコキシエチルビニルエーテル(2)の含有量等)は、本発明の除去方法における2−アルコキシエタノール(1)と(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)とを含む混合物と同様であるのが好ましい。
<原料アルコール除去工程>
原料アルコール除去工程は、上記ビニルエーテル化工程又は触媒除去工程で得られた反応混合物(粗ビニルエーテル)に、炭素数7〜8のアルカン及び炭素数7〜8のシクロアルカンから選ばれる1種以上の共沸溶媒を添加し、共沸蒸留により原料アルコールを除去する工程である。当該原料アルコールの除去は、本発明の除去方法における共沸蒸留と同様にして行えばよい。
<液液分離工程>
本発明の製造方法は、原料アルコール除去工程で留出した、原料アルコールと共沸溶媒とを含む共沸混合物を、液液分離により原料アルコール相と共沸溶媒相とに分離する液液分離工程を含むのが好ましい。この構成により、上記共沸混合物に含まれる原料アルコールや共沸溶媒を再利用できるようになる。
液液分離工程は、本発明の回収方法における液液分離と同様にして分離・回収を行えばよい。
<共沸溶媒供給工程>
また、本発明の製造方法は、液液分離工程で分離した共沸溶媒相の少なくとも一部を原料アルコール除去工程に供給する共沸溶媒供給工程を含むのが好ましい。この構成によって、ビニルエーテルの製造コストを抑えることができる。
具体的には、デカンターで分離した共沸溶媒相を抜き出し、蒸留塔(共沸塔)に供給し、循環させる方法が挙げられる。
<原料アルコール供給工程>
また、本発明の製造方法は、液液分離工程で分離した原料アルコール相の少なくとも一部をビニルエーテル化工程に供給する原料アルコール供給工程を含むのが好ましい。この構成によって、ビニルエーテルの製造コストを抑えることができる。
また、原料アルコール相の少なくとも一部を精製してからビニルエーテル化工程に供給してもよい。具体的には、液液分離後の原料アルコール相の少なくとも一部を、第二の蒸留塔(原料回収塔)に導入して塔頂部より共沸溶媒を抜き出し、塔底部から原料アルコールを回収し、回収された原料アルコールを、ビニルエーテル化工程に供給し、原料として再利用する方法が挙げられる。これにより、原料アルコールの回収率を90%以上とすることもでき、その損失は小さくなる。
また、上記第二の蒸留塔の塔頂部より抜き出した共沸溶媒をデカンターに再導入し、共沸塔に循環させることもできる。
<精留工程>
また、本発明の製造方法は、原料アルコール除去工程で得られた高純度の(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)を精留する精留工程を含んでいてもよい。
具体的には、共沸塔の塔底部から抜き出した缶出液を、第三の蒸留塔(精留塔)に導入して、塔頂部より精製ビニルエーテルを得る方法が挙げられる。精留塔を設ける場合は、精留後のビニルエーテルの純度が所望の範囲(例えば、99質量%以上)となるよう、運転条件が設定される。
以下、図1を参照しつつ、本発明の製造方法についてより詳細に説明する。
図1は、本発明の製造方法における原料アルコール除去工程、液液分離工程、共沸溶媒供給工程、原料アルコール供給工程、精留工程の一例を示す工程図である。
図1に示す装置は、共沸塔2と、共沸塔2の塔頂から留出した原料アルコールと共沸溶媒とを含む共沸混合物をデカンター4に導く経路と、デカンター4と、デカンター4で分離された共沸溶媒相の少なくとも一部を共沸塔2に戻す経路と、原料回収塔5と、デカンター4で分離された原料アルコール相の少なくとも一部を原料回収塔に供給する経路と、精留塔7と、共沸塔2の塔底から抜き出された缶出液(原料アルコールが除去された(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2))を精留塔7に供給する経路を備える。なお、共沸塔2、原料回収塔5及び精留塔7は、それぞれ塔頂のコンデンサー(凝縮器)と塔底のリボイラーを備えていてもよい(図示しない)。
(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)とその原料アルコールとを含む粗ビニルエーテル1は、共沸塔2の中段に連続的に供給される。また、共沸溶媒3は、粗ビニルエーテル1の供給段位より上段に連続的に供給される。
共沸塔2の塔頂からは、原料アルコールと共沸溶媒とを含む共沸混合物が留出し、塔底からは、原料アルコールが除去された(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)が缶出液として連続的に抜き出される。蒸留温度及び圧力は、缶出液における原料アルコール濃度が所望の範囲(例えば、1%未満)となるよう制御される。
共沸塔2の塔頂から留出した共沸混合物は、循環経路に設けられたデカンター4で液液分離により共沸溶媒相と原料アルコール相とに分離される。共沸溶媒相の少なくとも一部は、循環経路から共沸塔2に戻される。また、共沸溶媒相の少なくとも一部を共沸塔2に戻す経路には、共沸溶媒3を循環経路内に供給する手段が設けられており、共沸溶媒3の外部からの供給量及びデカンター4からの循環量は、共沸塔2内の共沸溶媒の滞留量と、共沸塔2内の原料アルコールの滞留量との比が所望の範囲となるよう制御される。
一方、原料アルコール相の少なくとも一部は原料回収塔5に供給され、共沸溶媒等の軽質分が除去され、塔底より原料アルコール6が回収される。回収された原料アルコール6は、(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)の合成原料としてビニルエーテル化工程(図示しない)に提供される。
また、共沸塔2の塔底からの缶出液は、精留塔7で精製され、製品ビニルエーテル8が得られる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例において、反応液等の組成分析には、ガスクロマトグラフィーを用いた。分析条件は以下のとおりである。
装置:製品名「GC−2014AFSC」(島津製作所社製)
検出器:FID
INJ温度:240℃
DET温度:240℃
サンプル量:0.1μL
線速度:25.0cm/sec
スプリット比:5
カラム:Rtx−WAX(30m、0.32mmID、0.5μm、Restek社製)
カラム温度条件:70℃で2分間保持→10℃/分で昇温→240℃で6分間保持(計25分間)
<参考例1:(2−メトキシエチル)ビニルエーテルと2−メトキシエタノールの気液平衡(60kPa)>
2−メトキシエタノール5mLと、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル150mLを、オスマー平衡蒸留装置に仕込み、圧力を60kPaに調整した後、加熱を開始した。還流開始から、約2時間(受器滞留時間の5倍以上の時間)平衡状態を保った。蒸気相凝縮液、液相をサンプリングし、組成分析を行った。
次いで、系内に2−メトキシエタノールを5mL追加し、同様の操作を行った。
以後、系内への2−メトキシエタノールの追加を繰り返し、60kPaにおける(2−メトキシエチル)ビニルエーテルと2−メトキシエタノールの気液平衡線図を作成した。
図2に、60kPaにおける(2−メトキシエチル)ビニルエーテルと2−メトキシエタノールの気液平衡線図を示す。なお、図2中のMOVEは、(2−メトキシエチル)ビニルエーテルを意味する。
気液平衡線と対角線との交点、すなわち共沸点での組成は、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル93.5質量%、2−メトキシエタノール6.5質量%であり、その時の温度は92℃であった。結果を表1に示す。
図2より、(2−メトキシエチル)ビニルエーテルは、原料である2−メトキシエタノールと共沸してしまうため、一般的な蒸留精製が困難であることがわかる。
<参考例2:(2−メトキシエチル)ビニルエーテルと2−メトキシエタノールの気液平衡(26.7kPa)>
圧力を26.7kPaに変更した他は、参考例1と同様の操作を行った。
共沸点での組成は、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル93.7質量%、2−メトキシエタノール6.3質量%であり、その時の温度は70℃であった。結果を表1に示す。
<参考例3:(2−メトキシエチル)ビニルエーテルと2−メトキシエタノールの気液平衡(40kPa)>
圧力を40kPaに変更した他は、参考例1と同様の操作を行った。
共沸点での組成は、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル93.8質量%、2−メトキシエタノール6.2質量%であり、その時の温度は81℃であった。結果を表1に示す。
<参考例4:(2−メトキシエチル)ビニルエーテルと2−メトキシエタノールの気液平衡(大気圧)>
圧力を大気圧に変更した他は、参考例1と同様の操作を行った。
図2に、大気圧下における(2−メトキシエチル)ビニルエーテルと2−メトキシエタノールの気液平衡線図を示す。
共沸点での組成は、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル91.0質量%、2−メトキシエタノール9.0質量%であり、その時の温度は108℃であった。結果を表1に示す。
図2に示す気液平衡線図から、(2−メトキシエチル)ビニルエーテルと2−メトキシエタノールとの共沸混合物においては、圧力による共沸組成の変化が小さいため、2つの蒸留塔を使用し、圧力の異なる条件下で蒸留を行うのみでは、2−メトキシエタノールの除去は困難であることがわかる。
Figure 0006941615
<参考例5:イソオクタンと2−メトキシエタノールの気液平衡(大気圧)>
2−メトキシエタノール10mLと、イソオクタン150mLを用い、大気圧下にて操作を行った他は、参考例1と同様の操作を行った。
共沸点での組成は、イソオクタン79.0質量%、2−メトキシエタノール21.0質量%であり、その時の温度は92℃であった。結果を表2に示す。
<参考例6:イソオクタンと2−メトキシエタノールの気液平衡(60kPa)>
2−メトキシエタノール10mLと、イソオクタン150mLを用いた他は、参考例1と同様の操作を行った。
図3に、60kPaにおけるイソオクタンと2−メトキシエタノールの気液平衡線図を示す。
共沸点での組成は、イソオクタン81.5質量%、2−メトキシエタノール18.5質量%であり、その時の温度は76℃であった。結果を表2に示す。
<参考例7:ノルマルヘプタンと2−メトキシエタノールの気液平衡(60kPa)>
2−メトキシエタノール10mLと、ノルマルヘプタン150mLを用いた他は、参考例1と同様の操作を行った。
図3に、60kPaにおけるノルマルヘプタンと2−メトキシエタノールの気液平衡線図を示す。
共沸点での組成は、ノルマルヘプタン78.8質量%、2−メトキシエタノール21.2質量%であり、その時の温度は77℃であった。結果を表2に示す。なお、大気圧下における共沸点及び共沸組成として、公知のデータを併記する。
<参考例8:メチルシクロヘキサンと2−メトキシエタノールの気液平衡(60kPa)>
2−メトキシエタノール10mLと、メチルシクロヘキサン150mLを用いた他は、参考例1と同様の操作を行った。
図3に、60kPaにおけるメチルシクロヘキサンと2−メトキシエタノールの気液平衡線図を示す。
共沸点での組成は、メチルシクロヘキサン77.3質量%、2−メトキシエタノール22.7質量%であり、その時の温度は78℃であった。結果を表2に示す。なお、大気圧下における共沸点及び共沸組成として、公知のデータを併記する。
<参考例9:2,5−ジメチルヘキサンと2−メトキシエタノールの気液平衡(60kPa)>
2−メトキシエタノール10mLと、2,5−ジメチルヘキサン150mLを用いた他は、参考例1と同様の操作を行った。
図3に、60kPaにおける2,5−ジメチルヘキサンと2−メトキシエタノールの気液平衡線図を示す。
共沸点での組成は、2,5−ジメチルヘキサン69.1質量%、2−メトキシエタノール30.9質量%であり、その時の温度は84℃であった。結果を表2に示す。なお、大気圧下における共沸点及び共沸組成として、公知のデータを併記する。
Figure 0006941615
表2及び図3に示す結果から、参考例5−9に用いた各種溶媒は、2−メトキシエタノールと共沸することがわかる。また、イソオクタン、ノルマルヘプタン、メチルシクロヘキサンを用いた場合は標準沸点が92℃、92.5℃、94℃であり、標準沸点108℃である(2−メトキシエチル)ビニルエーテルとの分離が容易であることがわかる。なお、図3中、MZ8はイソオクタンを、n−C7はノルマルヘプタンを、MCHはメチルシクロヘキサンを、DMHは2,5−ジメチルヘキサンをそれぞれ意味する。
<実施例1:模擬液でのバッチ蒸留>
2−メトキシエタノール10質量部と、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル90質量部を混合し、粗ビニルエーテルの模擬液を調製した。当該模擬液1556gと、共沸溶媒としてノルマルヘプタン622g(2−メトキシエタノールに対して約4倍量)を、内径50mmφ、理論段数20段のガラス製充填式精密蒸留装置(充填物:スルザー社Laboratorypacking)に仕込み、還流比10、最終塔頂圧60kPa、ヒーター温度120℃でバッチ蒸留(共沸蒸留)を行った。塔頂温度77℃、缶液温度85℃で、2−メトキシエタノール及びノルマルヘプタンが塔頂より留出した。留出率7〜23%間の平均共沸組成は、ノルマルヘプタン80.7質量%、2−メトキシエタノール18.9質量%、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル0.4質量%であり、(2−メトキシエチル)ビニルエーテルはほとんど留出しないことが確認された。また、留出した共沸混合物は、室温下で2層に分離することが確認された。
2−メトキシエタノール及びノルマルへプタン各成分の留出率が95%以上となったところで、還流比1、ヒーター温度135℃とし、(2−メトキシエチル)ビニルエーテルを留出させた(精留)。塔頂温度93℃、缶液温度94℃で、(2−メトキシエチル)ビニルエーテルが留出し、(2−メトキシエチル)ビニルエーテルの純度は最大99.4%(GC)となった。
<実施例2:粗ビニルエーテルでのバッチ蒸留(60kPa)>
(1)ビニルエーテル化工程(アセチレンへのアルコールの付加反応)と触媒除去工程を、図7に示す装置を用いて行った。なお、反応槽として容量10Lのステンレス製オートクレーブを、後段の連続蒸留塔として内径60mmφ、理論段数12段(供給段7)、釜容量4Lのステンレス製充填式連続蒸留塔(充填物:住友重機械工業社、住友/スルザーラボパッキング)をそれぞれ用いた。具体的手順を以下に示す。
2−メトキシエタノール(Met)6.2kgと水酸化カリウム1.4kgをオートクレーブに仕込み、その後、オートクレーブでの反応条件を、125℃、0.03MPaG、滞油量5Lに設定し、連続蒸留塔での条件を、塔頂70℃、塔底140℃、20kPa、滞油量2L、還流比5に設定した。併せて、オートクレーブと連続蒸留塔との間の循環流量を15kg/hrとして、9時間運転することで、カリウム−2−メトキシエタン−1−オラートを合成した。この間の連続蒸留塔の塔頂からの留出液量は0.96kgであり、水0.38kgを含んでいた。
次に、オートクレーブ条件を120℃、0.04MPaGに変更し、オートクレーブ中にアセチレンを94g/hrの速度で、2−メトキシエタノールを220g/hrの速度で、それぞれ連続的に供給した。
次いで、連続蒸留塔に、上記反応で得られた反応液を15.4kg/hrの速度で連続的に供給した。ここで、この反応液の組成は、2−メトキシエタノール59.3質量%、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル4.9質量%、カリウム−2−メトキシエタン−1−オラート34.0質量%及び重質成分1.7質量%であった。
また、還流比5、塔頂圧40kPa、塔頂温度80℃、缶液温度140℃の条件にて、連続蒸留塔の塔底より缶出液を15.1kg/hrにて抜き出し、上記オートクレーブに供給した。ここで、この連続蒸留塔缶出液の組成は、2−メトキシエタノール60.3質量%、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル3.2質量%、カリウム−2−メトキシエタン−1−オラート34.7質量%及び重質成分1.7質量%であった。
このようにして粗ビニルエーテルを連続的に合成し、連続蒸留塔の塔頂より291g/hrの流量で粗ビニルエーテルを得た。ここで、粗ビニルエーテルの組成は、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル90.6質量%及び2−メトキシエタノール9.4質量%であった。
(2)粗ビニルエーテルの模擬液を上記粗ビニルエーテル5270g((2−メトキシエチル)ビニルエーテル90.6質量%及び2−メトキシエタノール9.4質量%を含む、以下同じ)に変更し、且つノルマルヘプタンの使用量を2450g(2−メトキシエタノールに対して約5倍量)に変更した以外は、実施例1と同様にしてバッチ蒸留を行った。
共沸蒸留条件下の平均共沸組成は、ノルマルヘプタン80.4質量%、2−メトキシエタノール18.7質量%、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル0.8質量%であり、(2−メトキシエチル)ビニルエーテルはほとんど留出しないことが確認された。また、留出した共沸混合物は、室温下で2層に分離することが確認された。
また、精留条件下では、(2−メトキシエチル)ビニルエーテルの純度は最大99.8%(GC)に達した。(2−メトキシエチル)ビニルエーテル純度99%(GC)の精留フラクションにおける2−メトキシアルコール濃度は1.22質量%、ノルマルヘプタン濃度は0.03質量%であった。
<実施例3:粗ビニルエーテルでのバッチ蒸留(80kPa)>
実施例2の釜残液に、実施例2(1)で得た粗ビニルエーテル4740gと、ノルマルヘプタン2210g(2−メトキシアルコールに対して約5倍量)を注ぎ足し、最終塔頂圧を80kPaとした以外は、実施例1と同様にしてバッチ蒸留を行った。
共沸温度(塔頂温度)は83℃となり、共沸組成は、ノルマルヘプタン79.8質量%、2−メトキシエタノール19.9質量%、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル0.3質量%となった。
(2−メトキシエチル)ビニルエーテル純度99%(GC)の精留フラクションにおける2−メトキシアルコール濃度は0.81質量%、ノルマルヘプタン濃度は0.16質量%であった。
<実施例4:粗ビニルエーテルでのバッチ蒸留(大気圧)>
実施例3の釜残液に、実施例2(1)で得た粗ビニルエーテル4200gと、ノルマルヘプタン2000g(2−メトキシアルコールに対して約5倍量)を注ぎ足し、最終塔頂圧を102kPaとした以外は、実施例1と同様にしてバッチ蒸留を行った。
共沸温度(塔頂温度)は91℃となり、共沸組成は、ノルマルヘプタン78.1質量%、2−メトキシエタノール21.1質量%、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル0.5質量%となった。
(2−メトキシエチル)ビニルエーテル純度99%(GC)の精留フラクションにおける2−メトキシアルコール濃度は0.72質量%、ノルマルヘプタン濃度は0.19質量%であった。
<実施例5:イソオクタンを共沸溶媒として用いた粗ビニルエーテルでのバッチ蒸留>
粗ビニルエーテルの模擬液を実施例2(1)で得た粗ビニルエーテル1800gに変更し、且つノルマルヘプタンをイソオクタン850g(2−メトキシエタノールに対して約5倍量)に変更した以外は、実施例1と同様にしてバッチ蒸留を行った。
共沸温度(塔頂温度)は76℃となり、共沸組成は、イソオクタン81.9質量%、2−メトキシエタノール16.6質量%、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル1.4質量%となった。また、留出した共沸混合物は、室温下で2層に分離することが確認された。
<比較例1:水を共沸溶媒として用いた粗ビニルエーテルでのバッチ蒸留>
粗ビニルエーテルの模擬液を実施例2(1)で得た粗ビニルエーテル1800gに変更し、ノルマルヘプタンを水850g(2−メトキシエタノールに対して約5倍量)に変更し、還流比を1に、最終塔頂圧を101.3kPaにそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にしてバッチ蒸留を行った。
共沸温度(塔頂温度)は84℃となり、共沸組成は、水20.0質量%、2−メトキシエタノール0.1質量%、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル79.5質量%、アセトアルデヒド0.4質量%となった。
2−メトキシエタノールが除去されていること、及び留出した共沸混合物は室温下で2層に分離することが確認された。しかしながら、アセトアルデヒドが検出されたことからビニルエーテルの分解が起きていることがわかる。また、(2−メトキシエチル)ビニルエーテルと共沸する水の分離が後工程にて必要となるため、共沸溶媒として水を用いることは工業的に不利となる。
<参考例10:ノルマルヘプタンと2−メトキシエタノールの二成分間液液平衡>
試験管に、ノルマルヘプタン8gと2−メトキシエタノール8gを加え密栓し、恒温槽(EYELA製パーソナル有機合成装置ChemiStationPPS−25A)中、大気圧、窒素雰囲気下、0℃、25℃又は40℃にて1.5時間撹拌後、4時間以上静置した。
その後、目視により観察したところ、上記組成液は2層に分離することが確認された。また、両層をシリンジで採取し、それぞれ組成分析を行った。結果を表3に示す。
<参考例11:ノルマルヘプタンと2−メトキシエタノールと(2−メトキシエチル)ビニルエーテルとの三成分間液液平衡(1)>
試験管に、ノルマルヘプタン8g、2−メトキシエタノール8g、及び(2−メトキシエチル)ビニルエーテル0.16gを加え密栓した他は、参考例10と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
<参考例12:ノルマルヘプタンと2−メトキシエタノールと(2−メトキシエチル)ビニルエーテルとの三成分間液液平衡(2)>
試験管に、ノルマルヘプタン8g、2−メトキシエタノール8g、及び(2−メトキシエチル)ビニルエーテル0.5gを加え密栓した他は、参考例10と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
<参考例13:ノルマルヘプタンと2−メトキシエタノールと(2−メトキシエチル)ビニルエーテルとの三成分間液液平衡(3)>
試験管に、ノルマルヘプタン8g、2−メトキシエタノール8g、及び(2−メトキシエチル)ビニルエーテル1.0gを加え密栓し、温度を0℃又は25℃として実施した他は、参考例10と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
<参考例14:バッチ蒸留共沸組成留出液の液液平衡>
実施例2にて得られた共沸組成留出液(ノルマルヘプタン80.4質量%、2−メトキシエタノール18.7質量%、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル0.8質量%)16gを加え密栓した他は、参考例10と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
<参考例15:イソオクタンと2−メトキシエタノールの二成分間液液平衡>
試験管に、イソオクタン8gと2−メトキシエタノール8gを加え密栓した他は、参考例10と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
<参考例16:イソオクタンと2−メトキシエタノールと(2−メトキシエチル)ビニルエーテルとの三成分間液液平衡(1)>
試験管に、イソオクタン8g、2−メトキシエタノール8g、及び(2−メトキシエチル)ビニルエーテル0.16gを加え密栓した他は、参考例10と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
<参考例17:イソオクタンと2−メトキシエタノールと(2−メトキシエチル)ビニルエーテルとの三成分間液液平衡(2)>
試験管に、イソオクタン8g、2−メトキシエタノール8g、及び(2−メトキシエチル)ビニルエーテル0.5gを加え密栓した他は、参考例10と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
<参考例18:イソオクタンと2−メトキシエタノールと(2−メトキシエチル)ビニルエーテルとの三成分間液液平衡(3)>
試験管に、イソオクタン8g、2−メトキシエタノール8g、及び(2−メトキシエチル)ビニルエーテル1.0gを加え密栓し、温度を0℃又は25℃として実施した他は、参考例10と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
<参考例19:メチルシクロヘキサンと2−メトキシエタノールの二成分間液液平衡>
試験管に、メチルシクロヘキサン8gと2−メトキシエタノール8gを加え密栓し、温度を20℃として実施した他は、参考例10と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
<参考例20:メチルシクロヘキサンと2−メトキシエタノールと(2−メトキシエチル)ビニルエーテルとの三成分間液液平衡>
試験管に、メチルシクロヘキサン8g、2−メトキシエタノール8g、及び(2−メトキシエチル)ビニルエーテル0.16gを加え密栓し、温度を20℃として実施した他は、参考例10と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
Figure 0006941615
参考例10−14の結果より、各温度における(2−メトキシエチル)ビニルエーテルと、2−メトキシエタノールと、ノルマルヘプタンとの液液平衡三角図を作成した。図4に示す。
参考例10−18の結果より、25℃における(2−メトキシエチル)ビニルエーテルと、2−メトキシエタノールと、ノルマルヘプタン又はイソオクタンとの液液平衡三角図を作成した。図5に示す。
また、参考例19及び20の結果より、20℃における(2−メトキシエチル)ビニルエーテルと、2−メトキシエタノールと、メチルシクロヘキサンとの液液平衡三角図を作成した。図5に示す。
図4及び図5から、いずれの共沸溶媒についても、二相分離により容易に分離できることがわかる。特に、共沸溶媒としてノルマルヘプタン、イソオクタンを用いた場合は、二層分離範囲が広く、低温度に冷却しなくても容易に分離可能であることがわかる。
<実施例6:連続共沸蒸留シミュレーション(二層分離槽:30℃)>
図1に示した実施形態において、以下の条件にて、連続共沸蒸留シミュレーションを行った。
シミュレーションソフト:PROII(インベンシスプロセスシステムス社製)
物性推算法:NRTLモデル
装置:図1に示される装置において、以下のものを備えた装置を使用した。
共沸塔2として、理論段52の蒸留塔(粗ビニルエーテル供給段23)
デカンター4として、二層分離槽
原料回収塔5として、理論段3の蒸留塔(供給段1)
精留塔7として、還流比1、理論段1の蒸留塔
共沸塔2、原料回収塔5及び精留塔7の塔底にリボイラーを、塔頂にはコンデンサーを設置
粗ビニルエーテル1として、2−メトキシエタノール10質量%と(2−メトキシエチル)ビニルエーテル90質量%との混合液を、112.3kg/hrにて共沸塔2に供給した。共沸溶媒3として、ノルマルヘプタンを0.8kg/hrにて共沸塔2に供給した(供給段1)。回収原料アルコール6として、2−メトキシエタノール99質量%含有液を10.7kg/hrにて抜き出した。原料回収塔5の塔頂より、留出液を一部0.3kg/hrにて抜き出した。製品ビニルエーテル8として、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル99質量%含有液を100kg/hrにて抜き出した。精留塔7の塔底部より、缶出液を2.0kg/hrで抜き出した。
そして、二層分離槽(デカンター4)の温度を30℃(負荷0MJ/hr)とし、蒸留塔圧力を40kPa、60kPa、80kPa又は大気圧としたときの必要還流量及び必要エネルギーをシミュレーションにより求めた。結果を表4及び図6に示す。
必要還流量:共沸塔2塔頂へ還流される液量(kg/hr)
必要エネルギー(リボイラー):各蒸留塔リボイラーの必要熱量合計値を製品ビニルエーテル量抜出量(100kg/hr)で除したもの
必要エネルギー(コンデンサー):各蒸留塔コンデンサーの必要熱量合計値を製品ビニルエーテル量抜出量(100kg/hr)で除したもの
必要エネルギー(合計):必要エネルギー(リボイラー)と必要エネルギー(コンデンサー)の絶対値を足したもの
<実施例7:連続共沸蒸留シミュレーション(二層分離槽:20℃)>
二層分離槽温度を20℃に変更した他は、実施例6と同様のシミュレーションを行った。
結果を表4及び図6に示す。
<実施例8:連続共沸蒸留シミュレーション(二層分離槽:40℃)>
二層分離槽温度を40℃に変更した他は、実施例6と同様のシミュレーションを行った。
結果を表4及び図6に示す。
Figure 0006941615
表4、図6より、蒸留圧力を40kPa超とするか、或いは二層分離槽温度を40℃未満とすることによって、エネルギー効率を良好にできることがわかった。特に、蒸留圧力と二層分離槽温度との組み合わせを、蒸留圧力:40kPa超、二層分離槽温度:40℃未満の組み合わせとすることによって、リボイラー負荷とコンデンサー負荷の両方を抑えることができ、エネルギー効率を大幅に改善できることがわかった。
<実施例9 粗ビニルエーテルでの共沸塔連続蒸留>
図1における共沸塔2として、内径25mmφ、理論段数55段のガラス製充填式蒸留塔(充填物:桐山製作所社キリヤマPAC)を、デカンター4としてジャケット付ウィッドマー型分留受器を、それぞれ備えた装置を用いて、共沸塔連続蒸留を行った。
2−メトキシエタノール9.8質量%と(2−メトキシエチル)ビニルエーテル90.2質量%とからなる粗ビニルエーテル400g及びノルマルヘプタン100gを共沸塔2に仕込み、塔頂圧60kPa、ヒーター温度140℃で2時間、全還流蒸留を行った。この時、ウィッドマー型分留受器内温をジャケットに冷却水を流すことにより30℃に保った。
その後、図1における粗ビニルエーテル1として、共沸塔2に仕込んだものと同様の組成の粗ビニルエーテルを118g/hr(供給段25)にて、共沸溶媒3としてノルマルヘプタンを3.2g/hr(供給段1)にて、それぞれ供給した。また、ウィッドマー型分留受器内の留出液上層部を241g/hrにて共沸塔頂へ還流し、留出液下層部は15g/hrにて抜き出した。一方、共沸塔の塔底部からは缶出液を106g/hrにて抜き出し、そのまま15時間運転を継続した。この時の塔頂温度は76℃、缶液温度は94℃であり、留出液上層部組成は、ノルマルヘプタン82.2質量%、2−メトキシエタノール13.9質量%、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル4.1質量%であり、留出液下層部組成は、ノルマルヘプタン18.7質量%、2−メトキシエタノール74.7質量%、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル5.8質量%、水分0.6質量%であり、缶出液組成は、ノルマルヘプタン0.01質量%未満、2−メトキシエタノール0.14質量%、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル99.7質量%であった。
また、(2−メトキシエチル)ビニルエーテルの回収率は99%となった。
実施例9の結果より、ノルマルヘプタンを共沸溶媒として用いた共沸蒸留により、共沸組成物を形成する2−アルコキシエタノール(1)と(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)とを含む混合物から、(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)の収量低下を抑えながら2−アルコキシエタノール(1)を容易かつ効率的に除去でき、高純度の(2−アルコキシエチル)ビニルエーテル(2)を工業的に有利に製造できることがわかった。
<実施例10 共沸塔留出液での原料回収塔バッチ蒸留>
実施例9のウィッドマー型分留受器内の下層部より得られた留出液404g(ノルマルヘプタン18.7質量%、2−メトキシエタノール74.7質量%、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル5.8質量%、水分0.6質量%)を、内径25mmφ、理論段数5段のガラス製充填式蒸留塔(充填物:桐山製作所社キリヤマPAC)に仕込み、還流比1、最終塔頂圧60kPa、ヒーター温度125℃でバッチ蒸留(原料回収)を行った。
塔頂温度107℃、缶液温度111℃で、塔頂部より留出液を108g留出させた。この留出液の組成は、ノルマルヘプタン69.5質量%、2−メトキシエタノール14.0質量%、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル13.6質量%、水分2.2質量%であった。
また、塔底部より缶出液を296g得た。この缶出液の組成は、ノルマルヘプタン0.1質量%未満、2−メトキシエタノール97.0質量%、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル2.9質量%、水分0.1質量%未満であった。
この時、2−メトキシエタノールの回収率は95%となった。
実施例10の結果より、液液分離後の2−アルコキシエタノール相から、2−アルコキシエタノール(1)を簡易かつ効率的に回収できることがわかる。
1 粗ビニルエーテル
2 共沸塔
3 共沸溶媒
4 デカンター
5 原料回収塔
6 回収原料アルコール
7 精留塔
8 製品ビニルエーテル

Claims (6)

  1. 下記式(1)
    Figure 0006941615
    〔式(1)中、Rは、メチル基を示す。〕
    で表される2−アルコキシエタノールと、下記式(2)
    Figure 0006941615
    〔式(2)中、Rは、式(1)中のRと同義である。〕
    で表される(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルとを含む混合物に、ノルマルヘプタン及びイソオクタンから選ばれる1種以上の共沸溶媒を添加し、共沸蒸留する工程、並びに
    前記共沸蒸留で留出した共沸混合物を、液液分離により2−アルコキシエタノール相と共沸溶媒相とに分離する工程
    を含むことを特徴とする、2−アルコキシエタノールの回収方法。
  2. 前記2−アルコキシエタノールと(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルとを含む混合物が、前記2−アルコキシエタノールを原料アルコールとするビニルエーテル化反応により得られた反応混合物である、請求項に記載の方法。
  3. 下記式(1)
    Figure 0006941615
    〔式(1)中、Rは、メチル基を示す。〕
    で表される2−アルコキシエタノールを原料アルコールとする、下記式(2)
    Figure 0006941615
    〔式(2)中、Rは、式(1)中のRと同義である。〕
    で表される(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルの製造方法であって、
    前記原料アルコールをビニルエーテル化して、未反応の原料アルコールと前記(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルとを含む反応混合物を得るビニルエーテル化工程
    前記反応混合物に、ノルマルヘプタン及びイソオクタンから選ばれる1種以上の共沸溶媒を添加し、共沸蒸留により原料アルコールを除去する原料アルコール除去工程、並びに
    前記原料アルコール除去工程で留出した共沸混合物を、液液分離により原料アルコール相と共沸溶媒相とに分離する液液分離工程
    を含むことを特徴とする、(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルの製造方法。
  4. 下記式(1)
    Figure 0006941615
    〔式(1)中、Rは、メチル基を示す。〕
    で表される2−アルコキシエタノールを原料アルコールとする、下記式(2)
    Figure 0006941615
    〔式(2)中、Rは、式(1)中のRと同義である。〕
    で表される(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルの製造方法であって、
    前記原料アルコールを触媒存在下でビニルエーテル化して、未反応の原料アルコールと前記(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルとを含む反応混合物を得るビニルエーテル化工程、
    前記ビニルエーテル化工程で得られた反応混合物から触媒を除去する触媒除去工程
    触媒除去後の反応混合物に、ノルマルヘプタン及びイソオクタンから選ばれる1種以上の共沸溶媒を添加し、共沸蒸留により原料アルコールを除去する原料アルコール除去工程、並びに
    前記原料アルコール除去工程で留出した共沸混合物を、液液分離により原料アルコール相と共沸溶媒相とに分離する液液分離工程
    を含むことを特徴とする、(2−アルコキシエチル)ビニルエーテルの製造方法。
  5. 記液液分離工程で分離した共沸溶媒相の少なくとも一部を前記原料アルコール除去工程に供給する共沸溶媒供給工程を更に含む、請求項又はに記載の製造方法。
  6. 前記液液分離工程で分離した原料アルコール相の少なくとも一部を前記ビニルエーテル化工程に供給する原料アルコール供給工程を更に含む、請求項3〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
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