JPH10109952A - シクロヘキシルビニルエーテルの分離方法 - Google Patents

シクロヘキシルビニルエーテルの分離方法

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JPH10109952A
JPH10109952A JP28148196A JP28148196A JPH10109952A JP H10109952 A JPH10109952 A JP H10109952A JP 28148196 A JP28148196 A JP 28148196A JP 28148196 A JP28148196 A JP 28148196A JP H10109952 A JPH10109952 A JP H10109952A
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distillation column
vinyl ether
column
cyclohexyl vinyl
cyclohexanol
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JP28148196A
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English (en)
Inventor
Hideki Omori
秀樹 大森
Toshiyuki Fukutome
利行 福留
Tomonori Hakozaki
智則 箱崎
Satoshi Tsunoda
聡 角田
Hidenobu Oda
英伸 織田
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Maruzen Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Maruzen Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 共沸混合物を形成するシクロヘキシルビニル
エーテルとシクロヘキサノールを主成分として含む混合
物に、第3成分を加えることなく、簡単な蒸留工程のみ
で、副反応を抑制しながら高純度のシクロヘキシルビニ
ルエーテルを分離、回収する方法を与える。 【解決手段】 (A)第1蒸留塔の中間部にシクロヘキ
シルビニルエーテルとシクロヘキサノールを主成分とす
る混合物を供給し、塔内圧5〜100mmHgで蒸留し、塔
上部より共沸混合物を取り出すと共に、シクロヘキサノ
ール留分を塔下部より回収し、(B)該共沸混合物を第
2蒸留塔の中間部に供給し、塔内圧150〜760mmHg
で蒸留し、塔上部より該共沸混合物よりシクロヘキサノ
ールに富む共沸混合物を取り出し、これを第1蒸留塔に
再循環すると共に、シクロヘキシルビニルエーテル留分
を塔下部より回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子製造用原料
等として有用なシクロヘキシルビニルエーテルを蒸留操
作のみで分離、回収する方法に関する。
【0002】さらに詳しくは、シクロヘキサノールのア
セチレンによるビニル化により生成するシクロヘキシル
ビニルエーテルと原料であるシクロヘキサノールを主成
分とする混合物を蒸留し、シクロヘキシルビニルエーテ
ルを分離、回収する方法に関する。
【0003】
【従来の技術】ビニルエーテル類は、一般にカリウムア
ルコラートのようなアルカリ触媒の存在下、アルコール
のアセチレンによるビニル化反応により得られる。粗生
成物は、生成したビニルエーテルと未反応アルコールを
主成分として含む。しかるに、ビニルエーテル類と未反
応アルコールは共沸混合物を形成する場合があり、その
ような場合、一般に蒸留法によるビニルエーテル類の分
離、回収は困難である。
【0004】従って、このような共沸混合物を蒸留分離
する場合、一般に2成分の蒸留系に第3成分を添加し、
2成分の共沸を破壊させる方法が採られる。例えば、第
3成分として2成分の一方を優先的に溶解する溶剤を添
加し、抽出蒸留にかけ、分離する方法、あるいは蒸留系
に塩類や特定の金属等を加え、共沸を破壊させる方法等
が採られる。
【0005】特に、ビニルエーテル類の精製の例として
は、英国特許第787915号に、反応生成物に原料ア
ルコールより低級のアルコールのアルカリ金属塩を添加
し、交換反応を利用し原料アルコールをアルコラートに
転換すると共に、低級アルコールを蒸留除去する方法が
開示されている。
【0006】しかしながら、このような蒸留系に第3成
分を添加する方法は、該第3成分を分離除去したり、場
合によっては回収するための付加的工程が必要となるた
め、製造プロセスが複雑化するばかりでなく、エネルギ
ーやユーティリテイーの効率面でも不利となる。さらに
また、第3成分の種類によっては、例えば固形物のよう
に取り扱いが面倒である等の難点がある。
【0007】一方、蒸留のみで共沸混合物から一方の成
分を分離する方法として、特開平4−118002号に
は、第1及び第2からなる2つの蒸留塔を使用し、第2
蒸留塔内圧力を第1蒸留塔内圧力より高くするために高
圧に調整しながら蒸留を行う方法が提案されているが、
この方法では蒸留を加圧下で行うため、減圧の場合に比
べ共沸混合物の沸点が上昇し、同公報に例示されている
エタノールと水の分離の如き非反応性混合物の場合には
問題がないものの、本発明の如き目的生成物であるシク
ロヘキシルビニルエーテルがさらに反応し、シクロヘキ
サノールの付加体、あるいは低重合体を生ずるような場
合には適用できないことがわかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は共沸混合物を
形成するシクロヘキシルビニルエーテルとシクロヘキサ
ノールを主成分をして含む混合物に、第3成分を加える
ことなく、簡単な精製工程で、副反応を抑制しながら高
純度のシクロヘキシルビニルエーテルを分離、回収し得
る方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる状
況に鑑み鋭意検討した結果、第1及び第2蒸留塔からな
る2つの蒸留塔の塔内圧を、常圧より低い特定の範囲に
設定することにより、蒸留工程のみの簡便な方法で高純
度のシクロヘキシルビニルエーテルを分離、回収できる
ことを見出したものである。
【0010】即ち、本発明の要旨は、シクロヘキシルビ
ニルエーテルとシクロヘキサノールを主成分とする混合
物を蒸留するシクロヘキシルビニルエーテルの分離方法
において、(A)第1蒸留塔の中間部に該混合物を供給
し、第1蒸留塔塔内圧を5〜100mmHgに調整しながら
蒸留し、第1蒸留塔上部よりシクロヘキシルビニルエー
テルとシクロヘキサノールとの共沸混合物を取り出すと
共に、主としてシクロヘキサノールからなる留分を第1
蒸留塔下部より回収し、(B)第1蒸留塔上部より取り
出した該共沸混合物を第2蒸留塔の中間部に供給し、第
2蒸留塔塔内圧を150〜760mmHgに調整しながら蒸
留し、第2蒸留塔上部よりシクロヘキシルビニルエーテ
ルとシクロヘキサノールとの共沸混合物を取り出し、こ
れを第1蒸留塔の中間部に循環、供給すると共に、主と
してシクロヘキシルビニルエーテルからなる留分を第2
蒸留塔下部より回収することを特徴とするシクロヘキシ
ルビニルエーテルの分離方法に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳細
に説明する。本発明において処理されるシクロヘキシル
ビニルエーテルとシクロヘキサノールを主成分とする混
合物(以下、単に混合物と略称する場合がある。)とし
ては、通常得られるどの様なものでも使用し得るが、通
常、予め苛性カリや苛性ソーダとアルコールを反応させ
得られるアルカリ金属アルコラート等からなる触媒の存
在下、アセチレンとシクロヘキサノールを温度120〜
180℃、圧力0〜30Kg/cm2 (絶対圧)で反応させ
得られる生成混合物がそのまま用いられる。あるいは、
この生成混合物から予め触媒成分を除去処理したものが
使用される。この反応においては、未反応アセチレン
は、反応後フラッシュにより予め除去されるし、また目
的物であるエーテルの収率を高めるためにシクロヘキサ
ノールを理論量よりも過剰に用いるので、得られる生成
物はシクロヘキシルビニルエーテルの他にかなり多量の
シクロヘキサノールを含むのが通例であり、一般には後
記する共沸組成よりも高い割合でシクロヘキサノールを
含有している。
【0012】シクロヘキシルビニルエーテルとシクロヘ
キサノールの混合物は共沸混合物を形成し、例えば常圧
における沸点と組成は、150℃、シクロヘキシルビニ
ルエーテル78wt%、シクロヘキサノール22wt%であ
り、また、100mmHgにおける沸点と組成は84℃、シ
クロヘキシルビニルエーテル92wt%、シクロヘキサノ
ール8wt%である。尚、常圧におけるシクロヘキシルビ
ニルエーテルの沸点は152℃で、シクロヘキサノール
の沸点は161℃である。
【0013】本発明では、この混合物を蒸留にかける
が、その場合蒸留は、通常図1に示すフローダイヤグラ
ムに基づいて行われる。図1において、1は第1蒸留
塔、2は第2蒸留塔、3は第3蒸留塔をそれぞれ表す。
また、4、5、6はポンプを表す。この図においては、
本発明による処理工程の説明に欠くことのできない装置
部分のみが記載されており、その他の付属装置、例えば
加熱器、凝縮器、還流槽等については省略されている。
尚、実線は配管であり、同時に物質の流れを示す。
【0014】図1において、第1蒸留塔1の塔上部、通
常は頂部からの配管は、ポンプ4を介して第2蒸留塔2
の中間部に接続され、第2蒸留塔2の塔上部、通常は頂
部からの配管は、ポンプ5を介して第1蒸留塔1の中間
部につながれている。さらに、回収されたシクロヘキシ
ルビニルエーテルの純度に関して、より高純度が求めら
れるような場合には、付加設備として第3蒸留塔3を設
け、副生成物等の不純物の除去が行われる。その場合、
第2蒸留塔の塔下部、通常は底部からの配管は、ポンプ
6を介して第3蒸留塔3の中間部に接続される。
【0015】本発明の方法で用いられる蒸留装置として
は特に制限はないが、通常、1〜100段、好ましくは
5〜50段の理論段数を有する精留塔が用いられる。精
留塔の構造は任意のものでよく、例えば棚段塔として
は、泡鐘トレー、ユニフラックストレー、フレキシトレ
ー、ナッターフロートトレー、バラストトレー、多孔板
トレー、カスケードトレー、ベンチュリートレー、バッ
フルトレーなどを用いたものが挙げられる。また、充填
塔としては、リング型充填塔、サドル型充填塔、例えば
スプレーパック、パナパック、グッドロイパッキング、
ディクソンリングなどを用いた充填塔が挙げられる。
【0016】また、凝縮器、加熱器、ポンプの形式とし
ては、特に制限はなく、種々の形式のものが利用でき
る。
【0017】第1蒸留塔1及び第2蒸留塔2の塔内圧
は、前記のとおり常圧より低い圧力が好ましく、第1蒸
留塔1は5〜100mmHg、好ましくは10〜50mmHg、
また第2蒸留塔2は150〜760mmHg、好ましくは2
00〜760mmHgである。
【0018】また、もし副生成物等の不純物が、製品規
格上無視できない程度の量含有されており、これを除去
する必要がある場合には、さらに第3蒸留塔3によりこ
れを除去するが、その場合、第3蒸留塔3の塔内圧は、
100〜760mmHg、好ましくは150〜760mmHgで
ある。
【0019】第1蒸留塔の上部、通常は頂部より留出す
る蒸気の一部は、凝縮されあるいはそのまま第2蒸留塔
の中間部に送られ、残部は凝縮され還流として第1蒸留
塔に戻され、第2蒸留塔の上部、通常は頂部より留出す
る蒸気の一部は、凝縮されあるいはそのまま第1蒸留塔
の中間部に再循環流として戻され、残部は凝縮され還流
として第2蒸留塔に戻され、そして第3蒸留塔の上部、
通常は頂部より留出する蒸気は、凝縮され一部は高純度
の製品とされ、残部は還流として第3蒸留塔に戻され
る。尚、第1蒸留塔から第2蒸留塔に送られる共沸混合
物は、特に冷却して凝縮させることなく気相のまま第2
蒸留塔に供給しても良い。この場合にはポンプの代わり
に圧縮機が必要である。また、第2蒸留塔から第1蒸留
塔に戻される共沸混合物も特に冷却して凝縮させること
なく気相のまま戻しても良い。第2蒸留塔は第1蒸留塔
に比べて高圧で操作されているので、この場合には圧縮
機の使用を特に要さない場合もある。気相で第2蒸留塔
へ供給したり、気相で第1蒸留塔へ戻したりすること
は、少なくとも熱経済あるいは冷却水の節減の点では有
利である。第1蒸留塔へ戻す位置は、原料と合流させて
戻しても良いし、原料とは別個に戻しても良い。その場
合、原料供給位置よりも高い位置に戻すのが、原料組成
との関係で通常は好ましい。各蒸留塔における還流比に
ついては特に制限はないが、精留塔の性能と分離、回収
するシクロヘキシルビニルエーテルの製品規格により、
1〜50の範囲で選ばれる。
【0020】以下、実施される態様の一例を示す。任意
の組成のシクロヘキシルビニルエーテルとシクロヘキサ
ノールを主成分として含む混合物は、第1蒸留塔1の中
間部に供給され、塔上部よりその圧力における共沸組成
となった混合物が留出する。留出した主としてシクロヘ
キシルビニルエーテルとシクロヘキサノールからなる共
沸混合物は、第2蒸留塔2の中間部に供給される。一
方、第1蒸留塔1の塔下部からは主としてシクロヘキサ
ノールからなる留分が回収される。第2蒸留塔2の塔内
は第1蒸留塔1の塔内より高圧に設定されているので、
第2蒸留塔2の塔上部より留出するシクロヘキシルビニ
ルエーテルとシクロヘキサノールからなる共沸混合物中
のシクロヘキサノール濃度は、第1蒸留塔1上部よりの
留出物中の濃度より高くなる。第2蒸留塔2の塔上部よ
りの共沸混合物は第1蒸留塔1の中間部へ再循環される
一方、第2蒸留塔2の塔下部からはシクロヘキサノール
を含まない、主としてシクロヘキシルビニルエーテルか
らなる留分が分離、回収される。
【0021】第2蒸留塔2の塔下部からの主としてシク
ロヘキシルビニルエーテルからなる留分は、そのままで
も十分高純度であり、一般に純度95〜99%を示す。
しかし、この塔下部からの留出液には、通常、反応時の
副生物や、第2蒸留塔2での蒸留が比較的高温で行われ
るような場合に起こる副反応による生成物、例えばシク
ロヘキシルビニルエーテルとシクロヘキサノールの付加
反応で生成するアセトアルデヒドジシクロヘキシルアセ
タール等が、ごく少量混入している。
【0022】従って、これらの不純物を除去する必要が
ある場合、これを除去するため、第2蒸留塔2の塔下部
からの留分は、第3蒸留塔3の中間部に供給され、さら
に蒸留精製される。
【0023】第3蒸留塔3で蒸留する場合、塔内圧は減
圧下が好ましく、特に第2蒸留塔2と同等か、それより
低い圧力で蒸留することが副生物の生成を避ける点で有
利である。そうすることにより、塔上部から高純度のシ
クロヘキシルビニルエーテルが分離、回収される。
【0024】尚、本発明では、第1蒸留塔1と第2蒸留
塔2との圧力の差が大きい程、第2蒸留塔2の塔上部よ
り第1蒸留塔1の中間部へ再循環される循環量が減少す
るため、熱効率的には有利である。これは、第1蒸留塔
1の圧力に対する第2蒸留塔2の圧力の差が大きければ
大きい程、第1蒸留塔1の塔上部より留出する留出物中
のシクロヘキサノールの濃度と、第2蒸留塔2の塔上部
より留出する留出物中のシクロヘキサノールの濃度との
差が大きくなり、従って、第2蒸留塔2の塔上部より得
られる共沸混合物中のシクロヘキシルビニルエーテルの
量が減少し、第1蒸留塔1へ循環される共沸混合物の量
が少なくなるためである。
【0025】しかし、その際、第1蒸留塔1の減圧度を
上げ、内圧を低くしすぎると第1蒸留塔1の塔上部温度
が低下し、冷却系の強化、例えば冷凍機等の使用が必要
となるので、塔内圧は5mmHg以上が好ましい。また、第
2蒸留塔2の運転を常圧以上の加圧下で行うと、第2蒸
留塔2内の温度が相対的に高くなる結果、アセトアルデ
ヒドジシクロヘキシルアセタールの副生量が増加する。
従って、この圧力及び圧力差は、製品の規格、蒸留塔や
各機器の能力、操作性あるいは経済性等を考慮して決定
される。
【0026】尚、第1蒸留塔1の塔下部から回収される
留分は、実質的にシクロヘキサノールからなるため、ア
セチレンのビニル化反応の原料として循環、再使用され
る得る。
【0027】本発明は、連続式でも、回分式でも実施可
能であるが、連続式の方が生産性、運転安定性等の点で
好ましい。
【0028】
【実施例】以下、本発明の方法について実施例を示す
が、これらは説明のための例示であって、本発明は下記
実施例によって限定されるものではない。
【0029】実施例1 (1)第1蒸留塔に関する実験 第1蒸留塔としてウィドマー型分溜管を取り付けた塔径
30mm、段数20段のガラス製オールダショウ型精留塔
を用い、精留塔の下部には適当な加熱手段を設けて加熱
した。精留塔の上から10段目に、シクロヘキサノール
のアセチレンによるビニル化反応により得られ、シクロ
ヘキシルビニルエーテルとシクロヘキサノールを重量比
37:63で含む混合物を毎時160.0gで導入し、
減圧度10mmHg、還流比4で塔頂温度36℃に保ちなが
ら蒸留し、塔頂から毎時61.0gで共沸混合物を留出
させた。この混合物は、シクロヘキシルビニルエーテル
とシクロヘキサノールが99wt%以上を占め、シクロヘ
キシルビニルエーテルとシクロヘキサノールの比は9
6:4(重量比)であった。
【0030】一方、精留塔下部からはその内容物を毎時
99.0gで抜き出した。塔下部よりの抜き出し液はシ
クロヘキシルビニルエーテルを実質的に含まないシクロ
ヘキサノールであった。尚、塔頂から得られた共沸物な
らびに塔下部よりの抜き出し液の分析は運転が十分に定
常状態になった後に行った。以下においても同じ。
【0031】(2)第2蒸留塔に関する実験 第2蒸留塔として上記と同様の精留塔を用い、精留塔の
下部には適当な加熱手段を設けて加熱した。精留塔の上
から10段目に第1蒸留塔の塔頂から留出させたシクロ
ヘキシルビニルエーテルとシクロヘキサノールの共沸混
合物を毎時61.0gで導入し、減圧度450mmHg、還
流比6で塔頂温度130℃を保ちながら蒸留し、塔頂か
ら主にシクロヘキシルビニルエーテルとシクロヘキサノ
ールを含み、両者の比が86:14の共沸混合物を毎時
39.9gで留出させた。一方、精留塔下部からはその
内容物を毎時21.1gで抜き出した。この塔下部から
の抜き出し液は、比較的高純度のシクロヘキシルビニル
エーテルであり、分析の結果、シクロヘキシルビニルエ
ーテルの純度は98.3wt%で、シクロヘキサノールは
含まず、アセトアルデヒドジシクロヘキシルアセタール
を0.3wt%含んでいた。
【0032】(3)第3蒸留塔に関する実験 第3蒸留塔として上記したと同様の精留塔を用い、精留
塔の下部には適当な加熱手段を設けて加熱した。精留塔
の上から10段目に、第2蒸留塔の下部からの抜き出し
液を毎時21.1gで導入し、減圧度200mmHg、還流
比11で塔頂温度103℃を保ちながら加熱した。塔頂
から毎時20.6gで留出物を抜き出し、また塔下部か
らは内容物を毎時0.5gで抜き出した。塔頂からの留
出物は、純度99.9%の高純度シクロヘキシルビニル
エーテルであった。
【0033】(4)第1蒸留塔と第2蒸留塔の連続運転 上記の第1蒸留塔および第2蒸留塔についての実験結果
から、そのままの運転条件、すなわち塔内圧力、温度、
還流比で上記2塔を連結して第2蒸留塔の塔頂から得ら
れる混合物を再循環流として第1蒸留塔へ戻しながら連
続運転を行い、系が定常状態になった場合の状況を化学
工学的に物質収支から求めた。その結果、定常状態では
第2蒸留塔の塔頂から第1蒸留塔の中間部へ戻される再
循環流の量は、毎時23.8gであり、その状態では原
料中に含まれているシクロヘキサノールの本質的に全量
が第1蒸留塔の塔下部から、そして原料中に含まれてい
るシクロヘキシルビニルエーテルの本質的に全量が第2
蒸留塔の塔下部から得られることが分かる。
【0034】実施例2 混合溶液中のシクロヘキシルビニルエーテルとシクロヘ
キサノールの組成を変えて、蒸留実験を行った。
【0035】(1)第1蒸留塔に関する実験 第1蒸留塔として実施例1で用いたものと同様の精留塔
を用い、精留塔の下部には適当な加熱手段を設けて加熱
した。精留塔の上から10段目に、シクロヘキサノール
のアセチレンによるビニル化反応により得られ、シクロ
ヘキシルビニルエーテルとシクロヘキサノールを重量比
60:40で含む混合物を毎時160.0gで導入し、
減圧度50mmHg、還流比3で塔頂温度68℃に保ちなが
ら蒸留し、塔頂から毎時102.1gで留出物を得た。
この留出物は、シクロヘキシルビニルエーテルとシクロ
ヘキサノールが99wt%以上を占め、シクロヘキシルビ
ニルエーテルとシクロヘキサノールの比は93:7(重
量比)であった。一方、精留塔下部からはその内容物を
毎時57.9gで抜き出した。塔下部よりの抜き出し液
はシクロヘキシルビニルエーテルを実質的に含まないシ
クロヘキサノールであった。
【0036】(2)第2蒸留塔に関する実験 第2蒸留塔として上記と同様の精留塔を用い、精留塔の
下部には適当な加熱手段を設けて加熱した。精留塔の上
から10段目に第1蒸留塔の塔頂から抜き出したシクロ
ヘキシルビニルエーテルとシクロヘキサノールの共沸混
合物を毎時102.1gで導入し、常圧、還流比8で塔
頂温度150℃を保ちながら、塔頂から主にシクロヘキ
シルビニルエーテルとシクロヘキサノールを含み、両者
の比が78:22である共沸混合物を毎時32.6gで
得た。一方、精留塔下部からはその内容物を毎時69.
5gで抜き出した。この抜き出し液は、比較的高純度の
シクロヘキシルビニルエーテルであり、分析の結果、シ
クロヘキシルビニルエーテルの純度は98.0wt%で、
シクロヘキサノールは含まず、アセトアルデヒドジシク
ロヘキシルアセタールを0.5wt%含んでいた。
【0037】(3)第3蒸留塔に関する実験 第3蒸留塔として上記と同様の精留塔を用い、精留塔の
下部には適当な加熱手段を設けて加熱した。精留塔の上
から10段目に第2蒸留塔の下部からの抜き出し液を毎
時69.5gで導入し、減圧度200mmHg、還流比4で
塔頂温度103℃を保ちながら加熱した。塔頂から毎時
66.7gで留出物を抜き出し、また塔下部からは内容
物を毎時2.8gで抜き出した。塔頂からの留出物は、
純度99.9%の高純度シクロヘキシルビニルエーテル
であった。
【0038】(4)第1蒸留塔と第2蒸留塔の連続運転 上記の第1蒸留塔および第2蒸留塔についての実験結果
から、そのままの運転条件、すなわち塔内圧力、温度、
還流比で上記2塔を連結して第2蒸留塔の塔頂から得ら
れる混合物を再循環流として第1蒸留塔へ戻しながら連
続運転を行い、系が定常状態になった場合の状況を化学
工学的に物質収支から求めた。その結果、定常状態では
第2蒸留塔の塔頂から第1蒸留塔の中間部へ戻される再
循環流の量は、毎時44.7gであり、その状態では原
料中に含まれているシクロヘキサノールの本質的に全量
が第1蒸留塔の塔下部から、そして原料中に含まれてい
るシクロヘキシルビニルエーテルの本質的に全量が第2
蒸留塔の塔下部から得られることが分かる。
【0039】
【発明の効果】本発明の方法によれば、シクロヘキシル
ビニルエーテルとシクロヘキサノールを主成分とする混
合物から、蒸留のみの簡単な工程及び操作により、副生
物の生成を最小限に抑えながら高純度のシクロヘキシル
ビニルエーテルを分離、回収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の代表的な例を示すフローダイヤグ
ラムである。
【符号の説明】 1 第1蒸留塔 2 第2蒸留塔 3 第3蒸留塔 4、5、6 ポンプ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロヘキシルビニルエーテルとシクロ
    ヘキサノールを主成分とする混合物を蒸留するシクロヘ
    キシルビニルエーテルの分離方法において、(A)第1
    蒸留塔の中間部に該混合物を供給し、第1蒸留塔塔内圧
    を5〜100mmHgに調整しながら蒸留し、第1蒸留塔上
    部よりシクロヘキシルビニルエーテルとシクロヘキサノ
    ールとの共沸混合物を取り出すと共に、主としてシクロ
    ヘキサノールからなる留分を第1蒸留塔下部より回収
    し、(B)第1蒸留塔上部より取り出した該共沸混合物
    を第2蒸留塔の中間部に供給し、第2蒸留塔塔内圧を1
    50〜760mmHgに調整しながら蒸留し、第2蒸留塔上
    部よりシクロヘキシルビニルエーテルとシクロヘキサノ
    ールとの共沸混合物を取り出し、これを第1蒸留塔の中
    間部に循環、供給すると共に、主としてシクロヘキシル
    ビニルエーテルからなる留分を第2蒸留塔下部より回収
    する、ことを特徴とするシクロヘキシルビニルエーテル
    の分離方法。
  2. 【請求項2】 第2蒸留塔下部から留出する該主として
    シクロヘキシルビニルエーテルからなる留分を、さらに
    第3蒸留塔の中間部に供給し、高純度シクロヘキシルビ
    ニルエーテルを第3蒸留塔上部より回収することを特徴
    とする請求項1の分離方法。
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