JPH10287646A - N−ビニルラクタムの製造方法 - Google Patents

N−ビニルラクタムの製造方法

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JPH10287646A
JPH10287646A JP9106764A JP10676497A JPH10287646A JP H10287646 A JPH10287646 A JP H10287646A JP 9106764 A JP9106764 A JP 9106764A JP 10676497 A JP10676497 A JP 10676497A JP H10287646 A JPH10287646 A JP H10287646A
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Toshiyuki Fukutome
利行 福留
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智則 箱崎
Satoru Oikawa
知 及川
Satoshi Tsunoda
聡 角田
Hidenobu Oda
英伸 織田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アセチレンによるラクタムのビニル化反応を
低いアセチレン分圧下、1段の反応で副生物を最小限に
抑えながら行い、併せて高転化率及び高選択率を達成す
る。 【解決手段】 環状脂肪族アルコールのアルカリ金属ア
ルコラートを触媒とし、非水系で0〜1.7Kg/cm2・G
のアセチレン分圧でアセチレンとラクタムを反応させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の触媒を用
い、ラクタムとアセチレンを比較的低圧下でも反応させ
得るN−ビニルラクタムの製造方法に関する。N−ビニ
ルラクタムは、ポリビニルラクタムの製造用及び他のビ
ニル化合物との共重合原料等として重要な化合物であ
る。
【0002】
【従来の技術】N−ビニルラクタムの製造方法として
は、従来2段階の工程で実施させるのが、最も一般的で
ある。即ち第1工程において、水酸化カリウム等のアル
カリ金属水酸化物をラクタムと反応させ、対応するラク
タム塩触媒を生成させ、続く第2工程で該塩触媒の存在
下、アセチレンを用いてラクタムのビニル化を行い所望
のビニル化されたラクタムを製造する。しかしながら、
この方法では第1工程の反応中に水を生成し、生成した
水がラクタム環の開環を引き起こして、カリウム4−ア
ミノブチレートを副生したり、ラクタムの開環重合を引
き起こして、重合物を副生させたりして触媒を破壊、あ
るいはラクタムを無駄に消費する欠点があった。このよ
うな難点を解決するため種々の研究がなされており、例
えば、特開平8−245578号では、実施例(表1)
の記載によれば第一工程のラクタムと水酸化カリウムと
の反応生成物中の水分を、蒸留により0.1%以下まで
低減している。しかしながら、この方法でも比較的高い
圧力、即ち表3の実験例に見るようにアセチレン分圧1
8バール、全圧20バールという高圧を採用しなければ
ならなかった。アセチレンを用いる反応操作において
は、アセチレン分圧が高いほどアセチレンが分解し、爆
発する危険性が増大する。即ち、反応に高いアセチレン
分圧を用いることは、反応操作上の安全性やその圧力に
対応する特殊な耐圧反応器を必要とする点で不利であ
り、上記特開平8−245578号記載の方法も工業的
に充分満足できるものではなかった。
【0003】一方、特開平4−501252号には、ラ
クタムとアセチレンの反応を特定のアルコラート触媒を
用い、非水系で、しかも1段階で反応させる方法が開示
されている。この方法は、前記のような水の悪影響がな
く、製造プロセス面でも2段階法による特開平8−24
5578号の方法より優れている。
【0004】しかし、この方法も具体的開示である実施
例では、100psig(7Kg/cm2)という比較的高
いアセチレン分圧で反応させているにもかかわらず、ラ
クタムのビニル化生成物への転化率は必ずしも高いとは
いえなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ラク
タムとアセチレンとの反応を行うに当たり、1工程の簡
単なプロセスと、できるだけ低いアセチレン分圧で副生
物を最小限に抑えながら高いラクタム転化率並びに高い
N−ビニル化生成物への選択率を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる状況
に鑑み鋭意検討した結果、反応の際、触媒として特定の
構造の、即ち環状脂肪族アルコールのアルカリ金属アル
コラートを使用することにより、1工程の簡単なビニル
化反応プロセスと、比較的低いアセチレン分圧でも高い
ラクタム転化率(以下、単に転化率と記す場合がある)
と高いN−ビニル化生成物への選択率(以下、単に選択
率と記す場合がある)が得られることを見出したもので
ある。
【0007】即ち、本発明の要旨は、第1にラクタムと
アセチレンを反応させ、N−ビニルラクタムを製造する
方法において:次の一般式(I)
【化5】 (式中、nは1〜3の整数を表す)で示されるラクタム
を、次の一般式(II)
【化6】 (式中、Mはアルカリ金属原子、nは2〜5の整数をそ
れぞれ表す)で示されるアルカリ金属アルコラートから
なる触媒の存在下、アセチレン分圧0〜10Kg/cm2・G
で反応させることを特徴とするN−ビニルラクタムの製
造方法に存し、また第2に、ラクタムとアセチレンを反
応させ、N−ビニルラクタムを製造する方法において、
次の一般式(I)
【化7】 (式中、nは1〜3の整数を表す)で示されるラクタム
を、次の一般式(II)
【化8】 (式中、Mはアルカリ金属原子、nは2〜5の整数をそ
れぞれ表す)で示されるアルカリ金属アルコラートから
なる触媒の存在下、アセチレン分圧0〜10Kg/cm2・G
で反応させた後、反応器から触媒を含む反応液の一部を
連続的に抜き出し、これを蒸留塔に供給し、蒸留塔の塔
頂部より主としてN−ビニルラクタムからなる留分を回
収し、塔底部より主としてラクタムと触媒を含む液を抜
き出し、この抜き出し液を反応器に循環することを特徴
とするN−ビニルラクタムの製造方法に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。本発明において原料として使用されるラクタムは、
下記一般式(I)
【化9】 (式中、nは1〜3の整数を表す)で示される化合物で
ある。この化合物の代表的な例としては、例えば2−ピ
ロリドン、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタムが
挙げられ、中でも2−ピロリドン及びε−カプロラクタ
ムが好ましい。
【0009】本発明で用いられる触媒であるアルカリ金
属アルコラートは、下記一般式(II)
【化10】 (式中、Mはアルカリ金属原子、nは2〜5の整数をそ
れぞれ表す)で示される。具体的には、シクロペンタノ
ール、シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シク
ロオクタノール等の脂環式アルコールから誘導されるナ
トリウム、カリウム、リチウム等の金属アルコラートが
例示され、好ましくはカリウムシクロヘキシルアルコラ
ート及びナトリウムシロヘキシルアルコラートが挙げら
れ、さらに好ましくはカリウムシクロヘキシルアルコラ
ートが挙げられる。
【0010】これらのアルカリ金属アルコラートは、公
知の方法、例えばアルコールとアルカリ金属水酸化物と
の反応により調製することができる。この反応の際、水
が副生するため、アルカリ金属アルコラートは通常水を
含むアルコール溶液として得られる。本発明において
は、反応液から水分を除去した溶液として用いてもよい
し、溶液からさらにアルコールを除去した固体状のもの
を製造して用いてもよい。
【0011】反応の際の触媒使用量は、ラクタムを基準
とするモル比で、0.001〜0.2、好ましくは0.
01〜0.10である。また、反応系内の触媒の濃度
は、0.5〜30重量%、好ましくは1〜15重量%で
ある。
【0012】ラクタムとアセチレンとの反応温度は、特
に限定されないが、通常80〜200℃、好ましくは1
20〜180℃である。
【0013】反応時間は反応温度やアセチレン分圧等の
その他の条件に依存するが、バッチ操作の場合、通常2
〜30時間、好ましくは5〜15時間である。
【0014】また、本発明におけるアセチレン分圧は通
常0〜10Kg/cm2・G、好ましくは0〜4Kg/cm2・G、
さらに好ましくは0〜1.7Kg/cm2・Gである。圧力が
高ければ高いほど反応速度が大きくなるが、アセチレン
の分解爆発を防止するためにはできるだけ低圧にするこ
とが好ましい。アセチレンが関与する反応にあっては、
反応圧力が低くて済むことは安全上の見地から多大の利
益を与えることになる。
【0015】アセチレンを原料とする合成反応において
は、爆発の危険を極力避けるため一般にアセチレンと共
に窒素、アルゴン、プロパン等の不活性ガスを導入し、
アセチレンを希釈した状態で行われるが、本発明におい
ては低圧下で反応させる場合、必ずしもその必要はな
い。
【0016】用いる反応器の形式としては気液接触反応
が実現できるものであればよく、例えば、充填塔、気泡
塔、撹拌槽、スプレー塔、棚段塔などが挙げられ、さら
にこれらの組み合わせでも良い。ただ、反応を良好に進
行させるためには特に気液向流接触等気液の接触が充分
行える反応器の使用が好ましい。
【0017】本反応は、バッチ操作で実施しても良い
し、連続操作で実施しても良い。連続操作の場合、例え
ば図1に示すフローチャートにより実施され、その工程
はN−ビニルラクタム(以下、単にビニルラクタムと略
記する場合がある)の合成反応工程と生成物の蒸留分離
工程の2つからなる。具体的には、反応器5にアセチレ
ン供給管1を通じてアセチレンが、また触媒/原料ラク
タム供給管2を通じて触媒と原料ラクタムがそれぞれ供
給され、同時に反応液抜き出し管3を通じて反応液の一
部が、また廃ガス抜き出し管4を通じて廃ガスが抜き出
される。そして、反応器5から反応液抜き出し管3を介
して抜き出された反応液は、続く蒸留塔6の中間部に供
給され、蒸留塔塔頂部より主としてビニルラクタム留分
がN−ビニルラクタム抜き出し管8から、そして塔底部
から未反応ラクタムとそれに溶解した触媒が触媒/未反
応ランクタム抜き出し管7から抜き出される。抜き出さ
れた未反応ラクタムと触媒は触媒/原料ラクタム供給管
2へ合流させることにより、あるいは反応器へ直接供給
することにより、循環される。
【0018】各工程をさらに詳しく説明すれば、例えば
以下のとおりである。 (第1工程)この工程は、原料のラクタム及びアセチレ
ンをアルカリ金属アルコラートを触媒として反応させる
工程であり、反応器にアセチレンと触媒/原料ラクタム
が供給され、一方で反応液の一部とアセチレンを主成分
とする廃ガスが抜き出される。反応器に導入されるアセ
チレンは、所定の反応圧力を保つように、反応に消費さ
れた量と廃ガスとして抜きだされた量に相当する量が連
続的に供給される。
【0019】また、反応器への触媒/原料ラクタムの供
給は反応開始時の反応器内液層の触媒濃度と同じ濃度の
ものを供給すれば反応系を定常状態に保つことができ、
その濃度は反応器内及び蒸留器内の液相の体積を一定に
保つように原料ラクタムを供給すれば、触媒は不揮発性
であり消耗されないので反応液中の触媒濃度が変化する
ことはない。
【0020】反応液は、ビニルラクタムが蓄積しないよ
う反応器からその一部が連続的に抜き出され、反応液中
のビニルラクタムの濃度は、反応液基準で好ましくは
0.01〜2.0モル/l、さらに好ましくは0.05
〜1.5モル/lに維持される。
【0021】尚、廃ガスの抜き出しの目的は、副生する
低沸点成分を気相から排除することにあるので、気相に
この低沸点成分の蓄積がない限り、特に抜き出される必
要はない。
【0022】(第2工程)この工程では、反応器から抜
き出された反応液を蒸留することにより、塔頂部から主
としてビニルラクタムからなる成分を、また塔底部から
触媒/未反応ラクタムをそれぞれ分離する。
【0023】本発明で用いられる蒸留塔の形式として
は、例えばフラッシュ蒸留器、棚段塔又は充填塔などの
蒸留塔があるが、塔頂部留出液中のビニルラクタム濃度
を高めるため、また分離した触媒/未反応ラクタム液中
にビニルラクタムができるだけ含まれないようにするた
めには、精留塔を用いるのが好ましく、それもある程度
の理論段数を有するもの、通常は2〜20段、好ましく
は5〜20段を有するものが用いられる。もちろんこれ
らの値は用いられる還流比によっても左右されるので、
一概に規定することはできない。このようにすること
で、第1工程及び第2工程を通じての原料ラクタムの転
化率及び選択率を上げることができる。
【0024】蒸留塔内の温度は熱効率を考えると、でき
るだけ反応温度に近い温度が望ましく、80〜200℃
で行うのが好ましい。また蒸留圧力は、一般に反応圧力
より低い圧力が好ましく、蒸留温度に合わせて反応器で
のビニルラクタム生成速度と等しいだけのビニルラクタ
ム留出速度が得られるように制御される。蒸留圧力が低
ければ蒸留に必要な温度も低下するので、副反応やビニ
ルラクタムの重合などを抑制しうる。
【0025】蒸留塔塔底部から抜き出された触媒/未反
応ラクタムは、そのままあるいは必要であれば新しく原
料ラクタムを補給することにより濃度調整を行った後
に、反応器又は触媒/原料ラクタム供給管に循環され
る。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、これらは説
明のための例示であり、下記実施例によって何等制限さ
れるものではない。尚、実施例中及び比較例中に示すパ
ーセント(%)は重量基準である。
【0027】参考例1(触媒の調製) 乾燥した反応器(内容積1lのステンレス製オートクレ
ーブ)に、シクロヘキサノール248.3g(2.48
モル)及び水酸化カリウム25.1g(0.45モル:
フレーク状)を充填した。窒素で反応器を充分置換した
後、撹拌しながら140℃まで昇温、過剰のシクロヘキ
サノールと共に反応によって生じた水を留出させた。即
ち、シクロヘキサノール93.6g(0.94モル)と
水8.1g(0.45モル)を留出させ、シクロヘキサ
ノールに溶解したカリウムシクロヘキシルアルコラート
の溶液を得た(触媒Aとする)。
【0028】参考例2(触媒の調製) 参考例1と同様にして調製したカリウムシクロヘキシル
アルコラートのシクロヘキサノール溶液を用い、さらに
10mmHgの減圧下、108℃でシクロヘキサノールの留
去を続け、固体状のカリウムシクロヘキシルアルコラー
トを得た(触媒Bとする)。
【0029】実施例1 乾燥した反応器(内容積1 lのステンレス製オートクレ
ーブ)に2−ピロリドン455.0g(5.29モル)
及び参考例2で得られた触媒B62.2g(カリウムシ
クロヘキシルアルコラート0.45モル)を充填した。
次いで、反応器を窒素で十分置換した後、さらにアセチ
レンにより充分置換し、アセチレンを1.30Kg/cm2
・Gまで導入した。この圧力で900rpmで撹拌しな
がら昇温し、140℃で4時間反応させた。反応液の一
部を採取しガスクロマトグラフィーにより分析したとこ
ろ、2−ピロリドンの転化率は55.3%であった。さ
らに反応を5時間続けた後、反応液を分析したところ2
−ピロリドンの転化率は80.9%であり、N−ビニル
ピロリドンへの選択率は92.0%であった。
【0030】比較例1 触媒Bのかわりに第3級アルコールのアルコラートであ
るカリウムt−ブトキシド50.0g(0.45モル)
を用いた以外、実施例1と同一条件で2−ピロリドンと
アセチレンの反応を行った。反応を開始してから4時間
後、反応液の一部を採取しガスクロマトグラフィーによ
り分析したところ、2−ピロリドンの転化率は26.7
%であった。さらに反応を5時間続けた後、反応液を分
析したところ2−ピロリドンの転化率は35.5%で、
N−ビニルピロリドンへの選択率は89.2%であっ
た。
【0031】実施例2 反応器に、参考例1で調製した触媒Aの溶液171.7
g(カリウムシクロヘキシルアルコラート0.45モ
ル)及び2−ピロリドン345.3g(4.06モル)
を添加した。次いで、アセチレンを導入し、実施例1と
同様に9時間反応を行った。生成物を分析したところ、
2−ピロリドンの転化率が56.9%で、N−ビニルピ
ロリドンへの選択率は92.0%であった。
【0032】実施例3 攪拌機を備えた反応器(10 lステンレス製オートクレ
ーブ)に参考例2と同様にして調製した触媒B173g
(1.25モル)と2−ピロリドン4870g(57.
2モル)を充填した後、実施例1と同じ温度、圧力で1
時間反応を行った。次いで、反応器から反応液を41.
5ml/min で連続的に抜き出すと共に、新しい2−ピロ
リドンを8.5ml/min で反応器に導入した。抜き出し
た反応液は、連続的に理論段数5段のオルダーショウ型
蒸留器に供給し、塔内圧11mmHg、塔頂部温度116
℃、塔底部温度125℃、還流比4の条件で蒸留した。
そして、蒸留器の塔頂部より主としてN−ビニルピロリ
ドンを含むN−ビニルピロリドンと2−ピロリドンの混
合物8.5ml/minを留出させる一方、塔底部から触媒
と未反応の2−ピロリドンからなる液を33.0ml/mi
n で抜き出し、これを再度反応器に供給、循環した。以
上の反応及び蒸留操作を25時間続け、反応液を分析し
たところ2−ピロリドンの転化率が14.0%、N−ビ
ニルピロリドンへの選択率が98.0%であった。
【0033】
【発明の効果】本発明の方法によれば、特定の脂環式ア
ルコールのアルカリ金属アルコラートを触媒とするた
め、一つの簡単なビニル化反応工程により比較的低いア
セチレン分圧でもN−ビニルラクタムを製造できる上、
高い転化率と選択率が得られる。
【0034】また、本発明によれば、ビニル化反応工程
と蒸留工程を組み合わせ、使用した触媒と未反応ラクタ
ムを循環することによって連続的に効率よくN−ビニル
ラクタムを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のN−ビニルラクタムの連続的製造方法
に係わる工程の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 アセチレン供給管 2 触媒/原料ラクタム供給管 3 反応液抜き出し管 4 廃ガス抜き出し管 5 反応器 6 蒸留塔 7 触媒/未反応ラクタム抜き出し管 8 N−ビニルラクタム抜き出し管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角田 聡 千葉県市原市五井3387−5 (72)発明者 織田 英伸 千葉県市原市五井3387−5

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラクタムとアセチレンを反応させ、N−
    ビニルラクタムを製造する方法において、次の一般式
    (I) 【化1】 (式中、nは1〜3の整数を表す)で示されるラクタム
    を、次の一般式(II) 【化2】 (式中、Mはアルカリ金属原子、nは2〜5の整数をそ
    れぞれ表す)で示されるアルカリ金属アルコラートから
    なる触媒の存在下、アセチレン分圧0〜10Kg/cm2・G
    で反応させることを特徴とするN−ビニルラクタムの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(I)のラクタムが、2−ピロリ
    ドン、δ−バレロラクタムまたはε−カプロラクタムで
    ある請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 一般式(II)のアルカリ金属アルコラー
    トが、式中のMはカリウム又はナトリウムで、nは3で
    ある請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 一般式(II)のアルカリ金属アルコラー
    トが、式中のMはカリウムである請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 アセチレン分圧が0〜1.7Kg/cm2・G
    である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 一般式(I)のラクタムとアセチレンと
    の反応を、温度80〜200℃で行う請求項1〜5のい
    ずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 ラクタムとアセチレンを反応させ、N−
    ビニルラクタムを製造する方法において、次の一般式
    (I) 【化3】 (式中、nは1〜3の整数を表す)で示されるラクタム
    を、次の一般式(II) 【化4】 (式中、Mはアルカリ金属原子、nは2〜5の整数をそ
    れぞれ表す)で示されるアルカリ金属アルコラートから
    なる触媒の存在下、アセチレン分圧0〜10Kg/cm2・G
    で反応させた後、反応器から触媒を含む反応液の一部を
    連続的に抜き出し、これを蒸留塔に供給し、蒸留塔の塔
    頂部より主としてN−ビニルラクタムからなる留分を回
    収し、塔底部より主としてラクタムと触媒を含む液を抜
    き出し、この抜き出し液を反応器に循環することを特徴
    とするN−ビニルラクタムの製造方法。
JP10676497A 1997-04-09 1997-04-09 N−ビニルラクタムの製造方法 Expired - Fee Related JP4080024B2 (ja)

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