JP4769633B2 - 疎水性非イオン界面活性剤の精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は粗疎水性非イオン界面活性剤から、純度の高い精製された疎水性非イオン界面活性剤を効率的に得ることができる精製方法に関する。
疎水性非イオン界面活性剤は、化粧品、香粧品、化成品、農薬、医薬品等の分野で有用な化合物である。中でもグリセリルエーテルは、特にW/O型乳化特性を有する非イオン界面活性剤として極めて優れた性能を有しており、乳化剤、可溶化剤、潤滑剤等として化粧品基材等への幅広い応用がなされている。
疎水性非イオン界面活性剤であるグリセリルエーテルは、グリシジルエーテルを加水分解して開環することにより得ることができ、その加水分解法として種々の提案がなされている。例えば、グリシジルエーテルをカルボン酸と反応させてグリセロールモノエステルを生成させた後、酸触媒下で加水分解する方法(特許文献1)、グリシジルエーテルとカルボニル化合物とを反応させて1,3−ジオキソラン化合物を生成させた後、酸触媒下で加水分解する方法(特許文献2)、カルボン酸及びアルカリの共存下に加水分解する方法(特許文献3)、亜臨界状態下で無触媒で加水分解する方法(特許文献4)等が知られている。
一方、化粧品、香粧品等の分野で使用される界面活性剤は、不純物の少ない高純度のものが望まれている。そこで、粗疎水性非イオン界面活性剤についても、不純物を低減する蒸留等が行われている。しかしながら、疎水性非イオン界面活性剤は高沸点であるため、高真空や、高温での蒸留が必要である。高温での蒸留では粗疎水性非イオン界面活性剤中の熱分解が起こり、新たな不純物が生じて匂い等の品質の劣化が起きることもある。
かかる状況から、より温和な条件下で、粗疎水性非イオン界面活性剤中の不純物を効率的に除去するプロセスの開発が望まれていた。
特公平1−55263号公報 特公昭61−26997号公報 特開2002−114727号公報 特開2002−88000号公報
本発明は、純度の高い精製された疎水性非イオン界面活性剤を効率的に得ることができる精製方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、エントレーナーを用いた特定の蒸留精製を行うことにより、純度の高い、優れた品質を有する疎水性非イオン界面活性剤を効率的に得ることができることを見出した。
すなわち、本発明は、溶解度パラメータ(δ)が12(cal/cm 3 1/2 以下である粗疎水性非イオン界面活性剤を蒸留塔にエントレーナーを蒸留塔下段部に、粗疎水性非イオン界面活性剤の流量(a)とエントレーナーの流量(b)の流量比(a/b)が0.5〜5となるように供給し、蒸留塔頂部より留出した留出液を、油層とエントレーナー層に静置分層し、油層を蒸留塔に還流し、還流比0.1〜50で蒸留し、精製された疎水性非イオン界面活性剤を取り出す、疎水性非イオン界面活性剤の精製方法を提供する。
本発明によれば、過大な真空設備の設置を不要とし、不純物である熱分解性の高沸点成分が熱分解しない温和な条件下で、蒸留精製することができるため、純度の高い、優れた品質を有する精製された疎水性非イオン界面活性剤を容易、かつ高収率に得ることができる。
本発明の精製方法は、粗疎水性非イオン界面活性剤を蒸留塔に供給し、エントレーナーを蒸留塔下段部に供給して還流比0.1〜50で蒸留し、蒸留塔底部から精製された疎水性非イオン界面活性剤を取り出すことが特徴である。
(粗疎水性非イオン界面活性剤)
本発明方法において精製の対象となる粗疎水性非イオン界面活性剤は、溶解度パラメータ(δ)が好ましくは12(cal/cm31/2以下、より好ましくは11.5(cal/cm31/2以下である非イオン界面活性剤が好ましい。ここで、溶解度パラメータは、Hildebrandによって提案された溶媒物性を現すパラメータであり、液体のモル蒸発エンタルピー(H)、モル容積(V)、気体定数(R)、絶対温度(T)からδ=[(H−RT/V)]1/2と定義される。化学構造を基に計算する方法として、『物性推算法』(データブック出版社)に記述された方法を参考することができる。
非イオン界面活性剤としては、『界面活性剤便覧』(産業図書株式会社版、1960年)に記載される物質を参考とすることができる。これらの例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、グリセリルアルキルエーテル、ポリグリセリルアルキルエーテル等のエーテル型、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ソルビタン、脂肪酸ショ糖エステル等のエステル型、アルカノール脂肪酸アミド、アルカノールアミド等のアルカノールアミド型を挙げることができる。この中でも、標準沸点200℃以上の性状を有する非イオン界面活性剤が、本発明の効果を好適に得ることができる。
粗疎水性非イオン界面活性剤としては、その組成内容は特に限定されないが、主成分として疎水性非イオン界面活性剤を80質量%以上、好ましくは95質量%以上含有し、その他に、不純物として未反応の反応原料、水溶性の低沸点成分、高沸点成分等を20質量%未満、好ましくは5質量%未満含有する。ここで、低沸点成分とは常圧において反応原料よりも低い沸点を有する化合物を示し、具体的にはエタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール、アセトアルデヒド、プロパナール、ブタナール等のアルデヒド等である。高沸点成分とは、疎水性非イオン界面活性剤との付加反応により生じる化合物であって、疎水性非イオン界面活性剤よりも常圧において高い沸点を有する化合物である。
粗疎水性非イオン界面活性剤としては、特に、下記一般式(1)で表されるグリセリルエーテル(以下、単に「グリセリルエーテル」ということがある)を主成分として含む粗グリセリルエーテルが好ましい。粗グリセリルエーテルの合成方法は特に限定されないが、グリシジルエーテルを加水分解する方法等を挙げることができる。
(式中、Rは置換又は無置換の飽和又は不飽和の炭素数1〜20の炭化水素基を示し、OAは炭素数2〜4のオキシアルカンジイル基を示し、pは0〜20の数を示し、pが2以上のときOAは同一でも異なっていてもよい。)
(グリセリルエーテル)
前記一般式(1)において、Rで示される炭素数1〜20の炭化水素基としては、置換又は無置換の飽和又は不飽和の炭化水素基が挙げられる。例えば、炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、炭素数2〜20の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基等が挙げられる。かかる炭化水素基は、その水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい。フッ素原子で置換されている場合の置換度及び置換位置は特に限定されない。
Rの具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、イソデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、2−プロピル基、2−ブチル基、2−メチル−2−プロピル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、2−オクチル基、2−メチルオクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクタデシル基、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。
また、Rの水素原子がフッ素原子で置換された炭化水素基の具体例としては、ナノフルオロヘキシル基、ヘキサフルオロヘキシル基、トリデカフルオロオクチル基、ヘプタデカフルオロオクチル基、ヘプタデカフルオロデシル基等のパーフルオロアルキル基等が挙げられる。
OAで示される炭素数2〜4のオキシアルカンジイル基の具体例としては、オキシエチレン基、オキシトリメチレン基、オキシプロパン−1,2−ジイル基、オキシテトラメチレン基等が挙げられる。
グリセリルエーテルの原料であるグリシジルエーテルの具体例としては、n−ブチルグリシジルエーテル、2−メチル−プロピルグリシジルエーテル、n−ペンチルグリシジルエーテル、2−メチル−ブチルグリシジルエーテル、2−メチル−ペンチルグリシジルエーテル、n−ヘキシルグリシジルエーテル、2−エチル−ヘキシルグリシジルエーテル、n−オクチルグリシジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、イソデシルグリシジルエーテル、イソオクタデシルグリシジルエーテル、n−ステアリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記の中では、反応性及び反応選択性を向上させる観点から、Rは炭素数1〜12の炭化水素基が好ましく、OAはオキシエチレン基、オキシトリメチレン基,オキシプロパン−1,2−ジイル基,オキシテトラメチレン基から選ばれる1種以上の基が好ましく、pは0〜5が好ましく、0がより好ましい。
(エントレーナー)
本発明で用いるエントレーナーは、粗疎水性非イオン界面活性剤と反応しないものであればよい。蒸留塔に該エントレーナーを供給することにより、蒸留塔内の混合物の沸点を下げ、高沸点成分が熱分解しない温和な状態を蒸留塔内に形成し、保持することができる。また、留出組成物中に含まれる水溶性の低沸点成分がエントレーナー層側へ選択的に分配されて、好適に除去精製できる。
より具体的には、エントレーナーは、その沸点が疎水性非イオン界面活性剤の沸点よりも低く、かつ、留出組成物を静置することによって疎水性非イオン界面活性剤と相分離する物質であることが好ましい。エントレーナーがかかる物質であれば、疎水性非イオン界面活性剤の回収効率が低下することがなく、また、疎水性非イオン界面活性剤とエントレーナーとを分離するための新たな分離・回収工程が必要となって生産性が低下する等の不都合がない。
エントレーナーとしては、例えば、水、窒素、炭化水素、アルコール、エステル、エーテル等が挙げられる。炭化水素としては、例えば、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の炭素数7以上、好ましくは炭素数7〜12の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の炭素数6以上の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン等の炭素数6以上の芳香族炭化水素等が挙げられる。アルコールとしては、n−ブタノール、イソブタノール、ペンタノール等の炭素数が4以上のアルキルアルコールが挙げられ、エステルとしては、酢酸エステル、プロピオン酸エステル等の炭素数4以上のカルボン酸エステルが挙げられ、エーテルとしては、ブチルエチルエーテル、ジブチルエーテル等の炭素数6以上のエーテルが挙げられる。
これらの中では、標準沸点が20〜105℃である化合物が好ましく、更に、溶解度パラメータ(δ)が15(cal/cm31/2以上の化合物を用いることにより、蒸留で留出した留分を2層分離することができるため好ましい。かかる物質として、特に水(溶解度パラメータ(δ)=23.4(cal/cm31/2)が好ましい。
(蒸留)
本発明の疎水性非イオン界面活性剤の精製方法は、粗疎水性非イオン界面活性剤を蒸留塔に供給し、エントレーナーを蒸留塔下段部に供給して還流比0.1〜50で蒸留し、蒸留塔底部から精製された疎水性非イオン界面活性剤を取り出すことが特徴である。
粗疎水性非イオン界面活性剤とエントレーナーを蒸留塔に供給して蒸留すると、蒸留塔頂部から留出液が得られるが、この留出液には、不純物である低沸点成分、エントレーナーが含まれている。この留出液を分離槽に導入し、油層とエントレーナー層に静置分層してエントレーナーを分離して取り出し、蒸留系内から除去する。蒸留系内から除去されたエントレーナーは、蒸留塔下段部のエントレーナー供給ラインに導き、再利用することもできる。
静置分層により分離された残余の留出液(油層)は、主として疎水性非イオン界面活性剤からなり、その一部は蒸留塔に還流し、他の一部は系内から除去する。また、蒸留塔底部から精製された疎水性非イオン界面活性剤を取り出す。取り出された精製疎水性非イオン界面活性剤は、熱による品質の劣化を防止するために、速やかに冷却することが好ましい。
本発明の方法によれば、過大な真空設備の設置を不要とし、熱分解しない温和な条件下で、蒸留精製することができるため、純度の高い、優れた品質を有する疎水性非イオン界面活性剤を容易に、かつ高収率に得ることができ、そのまま製品とすることができる。
本発明においては、上記の蒸留操作を行う限りは、その蒸留方法は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。
蒸留の形式としては、回分式又は連続式の精留を用いることができ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて行うことができる。
また、蒸留操作における条件は、蒸留対象である粗疎水性非イオン界面活性剤の沸点、熱分解性、泡立ち等の物性に応じて適宜決定することができる。
(連続式蒸留装置)
本発明の蒸留精製は、粗疎水性非イオン界面活性剤に含まれる熱分解性の高沸点成分の熱分解を防ぐ観点から、低温、高真空な条件が好ましい。より具体的には、図1に示すような、充填物を有する連続式精留装置を用いて、次の条件で行うことが好ましい。
蒸留塔の段数は、通常2〜30段、好ましくは3〜20段、より好ましくは4〜15段程度であり、塔頂圧力は、通常0.1〜50kPa、好ましくは1〜20kPaであり、塔底温度は、通常50〜300℃、好ましくは80〜250℃である。
蒸留塔に供給する粗疎水性非イオン界面活性剤の流量(a)とエントレーナーの流量(b)の流量比(a/b)は、エントレーナーの供給効果を高める観点から、好ましくは0.01〜10であり、より好ましくは0.1〜8あり、更に好ましくは0.5〜5であり、特に好ましくは0.8〜3である。
また、蒸留塔に還流する際の還流比は、不純物除去及び生産性の観点から、0.1〜50とする。この還流比は好ましくは0.2〜30、より好ましくは0.3〜15、特に好ましくは0.4〜8である。この還流比の調整は、蒸留塔底部に設ける再沸器の加熱量を調整することにより行うことができる。
なお、蒸留塔での操作方法として、粗疎水性非イオン界面活性剤の供給は蒸留塔の中段部へ、還流液の供給は蒸留塔の塔頂部へ、エントレーナーの供給は蒸留塔の塔底部へ行うことが、精留効果の観点から好ましい。
蒸留塔頂部より留出した留出液を、油層とエントレーナー層に静置分層する場合、低沸点成分がエントレーナー層に溶解するケースでは、静置分層した油層は蒸留塔に全還流(油層の還流比=∞)することもできる。
更に、粗疎水性非イオン界面活性剤中に高沸点成分を多く含む場合には、図2に示すように、蒸留塔頂部より留出した留出液を、油層とエントレーナー層に静置分層することで低沸点成分をエントレーナー層に分離し、静置分層した主に疎水性非イオン界面活性剤からなる油層を蒸留系から抜き出し、蒸留塔塔底から濃縮された高沸点成分を抜き出すことにより、1塔の蒸留塔で疎水性非イオン界面活性剤を低沸点成分及び高沸点成分から分離することができる。
蒸留塔に用いられる充填物としては、ラシヒリング、ポールリング等のリング型充填物、ベルサドル、インターロックサドル等のサドル(馬の鞍の形)型充填物の他、マクマホンパッキング、キャノンパッキング、ディクソンパッキング、テラレット、スプレーパック、パナパック、インターパック、グッドロールパッキング,ステッドマンパッキング、スルザーパッキン(スルザーケムテック社製)、SFLOW(住重プラントエンジニアリング株式会社製)、モンツパック(モンツ社製)等が挙げられる。これらの中では、充填塔高さ当たりの蒸留段数が多く、製品への熱負荷を下げる観点から、圧力損失の少ないスルザーパッキンやSFLOW、モンツパック等の規則充填物を用いることが好ましい。
かくして得られた精製疎水性非イオン界面活性剤は、そのまま製品として使用することができるが、所望により、更に公知の精製操作、例えば洗浄、再結晶、カラムクロマトグラフィー等による精製操作や、脱色操作等を行うこともできる。
実施例1
2−エチルヘキシルグリセリルエーテル(溶解度パラメータ(δ)11.1(cal/cm31/2、標準沸点385℃)を95.4%、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルを4.6%含有する粗2−エチルヘキシルグリセリルエーテル原料を150℃にて、スルーザーパッキンDXが充填された有効段数10段を有する連続精留塔(塔径50mm、図1参照)の塔頂より2段目に10.0g/minにて供給した。また、連続精留塔の最下段より120℃の水蒸気を6.2g/minにて供給し、塔頂から留出する蒸気は水冷式のコンデンサーで50℃に凝縮され、200mLの容器に留分として回収し、静置分層を施した。静置分層された留分は、水層と油層に分層され、水層150mL及び油層50mL、計液量200mLで界面位置を保持するように水層及び油層を抜き出した。ここで油層は、還流比1.0(=精留塔への油層還流速度/油層留分の抜出速度)となる条件で精留塔最上段および系外へ分配を行っている。塔底では液温を150℃、真空が13.3kPaとなるように加熱、圧力調節を施し、500mLの容器に300mLの液位を保持するように液の抜出し操作を行った。運転開始後3時間経過した後、定常条件となった所で1時間の運転時間での各液の収量及び分析を行った。
精留塔ボトムより回収された精製2−エチルヘキシルグリセリルエーテルの収率は90%、当該液での2−エチルヘキシルグリシジルエーテルの混入濃度は0.1%であった。
比較例1
実施例1と同じ連続精留塔を用いて、連続精留塔の最下段より120℃の水を3.2g/minにて供給し、塔頂から留出する蒸気は水冷式のコンデンサーで50℃に凝縮され、水層及び油層を抜き出した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
精留塔ボトムより回収された精製2−エチルヘキシルグリセリルエーテルの収率は84%、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルの混入濃度は0.1%であった。
比較例2
実施例1と同じ連続精留塔を用いて、水は供給せず、塔底では液温を150℃となるように塔頂の圧力調節を0.1kPaで施し、500mLの容器に300mLの液位を保持するように液の抜出し操作を行った。また、塔頂から留出する蒸気は水冷式のコンデンサーで50℃に凝縮され、200mLの容器に留分として回収し、還流比1.0(=精留塔への留分還流速度/留分の抜出速度)となる条件で精留塔最上段および系外へ分配を行った以外は、実施例1と同様の操作を行った。
精留塔ボトムより回収された精製2−エチルヘキシルグリセリルエーテルの収率は88%、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルの混入濃度は0.1%であった。
実施例2
2−エチルヘキシルモノエチレングリコールエーテル(溶解度パラメータ(δ)8.8(cal/cm31/2、標準沸点228℃)を90.0%、2−エチルヘキサノールを10.0%含有する粗2−エチルヘキシルモノエチレングリコールエーテル原料を100℃にて、スルーザーパッキンDXが充填された有効段数5段を有する連続精留塔(塔径50mm)の塔頂より2段目に20.0g/minにて供給した。また、連続精留塔の最下段より120℃の水を12.7g/minにて供給し、塔頂から留出する蒸気は水冷式のコンデンサーで50℃に凝縮され、200mLの容器に留分として回収し、静置分層を施した。静置分層された留分は、水層と油層に分層され、水層150mL及び油層50mL、計液量200mLで界面位置を保持するように水層及び油層を抜き出した。ここで油層は、還流比0.5(=精留塔への油層還流速度/油層留分の抜出速度)となる条件で精留塔最上段および系外へ分配を行っている。塔底では液温を100℃、真空が13.3kPaとなるように加熱、圧力調節を施し、500mLの容器に300mLの液位を保持するように液の抜出し操作を行った。運転開始後3時間経過した後、定常条件となった所で1時間の運転時間での各液の収量及び分析を行った。
精留塔ボトムより回収された精製2−エチルヘキシルモノエチレングリコールエーテルの収率は74%、2−エチルヘキサノールの混入濃度は0.2%であった。
比較例3
実施例2と同じ連続精留塔を用いて、連続精留塔の最下段より120℃の水を18.2g/minにて供給し、塔頂から留出する蒸気は水冷式のコンデンサーで50℃に凝縮され、水層及び油層を抜き出した。塔底では液温を100℃、真空が13.3kPaとなるように加熱、圧力調節を施し、500mLの容器に300mLの液位を保持するように液の抜出し操作を行った以外は、実施例2と同様の操作を行った。
精留塔ボトムより回収された精製2−エチルヘキシルモノエチレングリコールエーテルの収率は69%、2−エチルヘキサノールの混入濃度は0.2%であった。
比較例4
実施例2と同じ連続精留塔を用いて、水は供給せず、塔底では液温を100℃となるように塔頂の圧力調節を0.4kPaで施し、500mLの容器に300mLの液位を保持するように液の抜出し操作を行った。また、塔頂から留出する蒸気は水冷式のコンデンサーで50℃に凝縮され、200mLの容器に留分として回収し、還流比0.5(=精留塔への留分還流速度/留分の抜出速度)となる条件で精留塔最上段および系外へ分配を行った以外は、実施例2と同様の操作を行った。
精留塔ボトムより回収された精製2−エチルヘキシルモノエチレングリコールエーテルの収率は69%、2−エチルヘキサノールの混入濃度は0.2%であった。
実施例1〜2及び比較例1〜4の結果を表1に纏めて示す。
表1から、実施例は比較例と比べて、精留塔の塔底温度が同一の場合には高真空を必要とせず、精製グリセリルエーテルの収率が高いことがわかる。また、本発明によれば、大型の蒸留設備が必要でないため、工業的に有利である。
本発明の実施形態の一例を示す図である。 本発明の他の実施形態を示す図である。

Claims (6)

  1. 溶解度パラメータ(δ)が12(cal/cm 3 1/2 以下である粗疎水性非イオン界面活性剤を蒸留塔にエントレーナーを蒸留塔下段部に、粗疎水性非イオン界面活性剤の流量(a)とエントレーナーの流量(b)の流量比(a/b)が0.5〜5となるように供給し、蒸留塔頂部より留出した留出液を、油層とエントレーナー層に静置分層し、油層を蒸留塔に還流し、還流比0.1〜50で蒸留し、精製された疎水性非イオン界面活性剤を取り出す、疎水性非イオン界面活性剤の精製方法。
  2. 非イオン界面活性剤の標準沸点が200℃以上である、請求項に記載の疎水性非イオン界面活性剤の精製方法。
  3. エントレーナーが水である、請求項1又は2に記載の疎水性非イオン界面活性剤の精製方法。
  4. 疎水性非イオン界面活性剤が、下記一般式(1)で表されるグリセリルエーテルを80質量%以上含有するものである、請求項1〜のいずれかに記載の疎水性非イオン界面活性剤の精製方法。
    (式中、Rは置換又は無置換の飽和又は不飽和の炭素数1〜20の炭化水素基を示し、OAは炭素数2〜4のオキシアルカンジイル基を示し、pは0〜20の数を示し、pが2以上のときOAは同一でも異なっていてもよい。)
  5. 蒸留が連続蒸留である、請求項1〜のいずれかに記載の疎水性非イオン界面活性剤の精製方法。
  6. 粗疎水性非イオン界面活性剤が水溶性の低沸点成分を含有する、請求項1〜のいずれかに記載の疎水性非イオン界面活性剤の精製方法。
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