JP6168934B2 - トリアセトンアミン含有反応混合物の後処理に際して発生する廃水流の処理法 - Google Patents
トリアセトンアミン含有反応混合物の後処理に際して発生する廃水流の処理法 Download PDFInfo
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Description
トリアセトンアミンの製造に際しては、有機反応生成物のほかに副生成物として水が形成される。それゆえ、反応の終わりに、有機成分、水及び触媒から成る反応混合物が得られ、ここで、触媒は均一に溶解している。
それゆえ、反応混合物の完全な後処理に際しては、いかなる場合においても、水(反応水、すなわち、付加的に供給されていない水)から成るか、又は少なくとも水を含んでいる流が発生する。この流は反応には返送されることができず、それゆえ、廃棄処理に供給されなければならない。
そのうえまた、反応混合物の後処理のために助剤を用いることもありえ、これらは反応混合物中に含まれる水と一緒に水相を形成するか、又は水溶液として直接用いられる。これらの助剤若しくはその水溶液が使用される場合、付加的な含水流が生じ、これらは、たしかに場合によりまず内部で返送することができるが、しかし、最終的には同様に廃棄処理に供給しなければならない。トリアセトンアミンの製造に際して得られた個々の廃水流は、以下でより詳細に記載する。
反応において形成された反応水(アセトンとアンモニアが縮合してTAAになる際には2当量の水が発生する)はプロセスから排出しなければならないが、完全には返送することができず、それというのも、さもなければ反応平衡に不都合な影響を及ぼすからである。
トリアセトンアミン粗生成物の蒸留による後処理に際しては、反応水が蒸留留分として得られる。しかしながら、TAA形成反応に際しては、(共沸混合物、例えばメシチルオキシド[4−メチルペンタ−3−エン−2−オン]の形成によって)水から全く分離され得ないか、又は(非常に似た沸点に基づき)非常に分離され得難い副生成物が形成される。メシチルオキシド−水の共沸混合物の場合、縮合後に、混和性ギャップに基づき、たしかに低温で水相と有機相との分離を実施することが可能であるが、しかしながら、有機成分で負荷されている水相が得られる。殊に、水を含むこの流は、水と似た沸点を有するか又はこれと共沸混合物を形成する有機成分で負荷されている(例えば、アセトン、メシチルオキシド、ジアセトンアルコール[4−ヒドロキシ−4−メチルペンタ−2−オン]、ジアセトンアミン[4−アミノ−4−メチルペンタン−2−オン]、TMDH−ピリジン[2,2,4,6−テトラメチル−2,3−ジヒドロピリジン]又はアセトニン)。
強く負荷されたこの水相は、外部放出(例えば浄化装置)には適しておらず、それゆえまず後処理を受けなければならない。
均一に溶解した触媒(例えばアンモニウム塩)を含むトリアセトンアミン含有反応混合物の蒸留による後処理前には、触媒の失活が行われなければならない。これが行われない場合、最初に反応混合物中に含まれたTAAのほんの一部しか蒸留中に純粋な生成物として単離することができない(JP04154763;第5頁、第14行目〜第16行目、第4頁からの表を参照されたい)。蒸留中に触媒が存在することで、一方では低分子量成分へのTAAの分解(形成反応の逆反応)が生じ、他方では更なる縮合反応が生じて、更なる使用に供給することのできない、より高分子量の成分が形成される。
その限りでは、反応混合物の後処理前に触媒の失活を行うことがどうしても必要である。"触媒の失活"とは、例えばTAA含有粗生成物中に存在している酸触媒が、触媒的に活性ではない形に変えられることを意味する。これは、適した助剤の添加によって、殊に、用いられる触媒の量を基準として少なくとも1モル当量の塩基の添加によって行われる[例えば、JP2003−206277;JP2001−031651;JP04154763;US4536581;G.Sosnovsky & M.Konieczny,Synthesis,1976,735−736;JP05140104;Plastic Additives 2006,5(59)、46;A.Formenti & P.Piccinelli,Chimica e l'lndustria,2000,82(5),569−571]。特に有利とされるのは、用いられる触媒の量を基準として1〜2モル当量の塩基、極めて有利には1〜1.4モル当量の塩基、最も有利には1.2モル当量の塩基である。塩基(M+B-)は、相応する酸触媒と反応する。触媒がアンモニウム塩(AH+X-)である場合、塩基(M+B-)は反応して、相応する遊離アミン(A)、共役酸(HB)並びに不活性塩(M+X-)となる。特にNaOH(M+B-)による塩化アンモニウム(AH+X-)の失活を考慮した場合、アンモニア(A)、水(HB)及び塩化ナトリウム(M+X-)が発生する。いわば、NaOH(M+B-)による硝酸アンモニウム(AH+X-)の失活に際しては、生成物としてアンモニア(A)、水(HB)及び硝酸ナトリウム(M+X-)が発生する。
この添加に際しては、水相がたびたび形成され、これは水及び塩の一部を含み、また分離することができる。その時、有機相は更なる後処理(例えば蒸留)に供給することができる。
分離された水相は、触媒の失活に際して発生した成分の少なくとも一部、並びに助剤自体の少なくとも一部を(これが過剰量で用いられた場合)含む。それに従って、助剤として塩基(例えばNaOH又はKOH)が使用された場合、遊離アミン(A;例えばアンモニア、アミン又はヒドラジン)、共役酸(HB;例えば水)及び発生した塩(M+X-;例えばNaCl、KCl、NaNO3又はKNO3)の(それぞれ少なくとも一部)、並びに場合によっては塩基(M+B-;例えばNaOH又はKOH)の一部を(これが過剰量で用いられた場合)含む。
そのうえまた、水相は、それが有機相と直接接触していたという事実に基づき、有機成分で負荷されている。その際、水相中での有機成分の濃度は、有機相中での濃度並びに有機相と水相とのそのつどの分配平衡に依存する。このように、水相は、アセトン、トリアセトンアミン、メシチルオキシド、ジアセトンアルコール、ジアセトンアミン、TMDH−ピリジン、アセトニン又はホロン等で特に負荷されている。特にTAAによる負荷が問題であり、それというのも、これは非常に僅かしか生分解性を有していないからである。
塩基(M+B-)の存在及び有機アミンの存在に基づき、水相は、そのうえ高いpH値を有する。これはpH>7であり、たいていの場合、それどころかpH>12である。
それゆえ、強く負荷されたこの水相は、外部放出(例えば浄化装置)には適していない。特に塩(生物学的な後処理には適していない)の存在、低いpH値、並びに有機成分(例えばTAA)の存在には、特別な後処理が必要である。
(上記の通り)助剤の添加による触媒の失活及び生じる水相の分離が行われる場合、水(反応水及び/又は助剤からの水)の一部並びに失活により形成された成分(例えば形成された塩)の一部若しくは失活のために添えられた助剤自体の一部が有機相中に留まる。例えば、塩化アンモニウムの失活のためにNaOHが使用される場合、有機相中には、水のほかに塩(NaCl)の一部も存在する。
上記の理由から、均一系触媒を用いたTAAの製造に際しては、1つ以上の廃水流が発生し、これらは浄化装置又は環境への放出に適しておらず、それゆえ処理されなければならない。ここで、廃水の発生につながる処理工程の詳しい説明は、単に例示的なものであり、完全なものであることを自負するものではなく、かつ本発明による方法によって処理することができる廃水に関して何ら制限するものではない。
そこでは、水酸化ナトリウム(固体)の添加による硝酸アンモニウム触媒の失活が実施されている。その結果、アンモニア、硝酸ナトリウム、水酸化ナトリウム(過剰量)並びに有機成分を含む水相が生じる。後処理は、以下の通りに行われる:
1)濾過;
2)ストリッピング;
3)硝酸ナトリウムの冷却及び晶出;
4)残留したNaOH/NaNO3溶液の濃縮;
5)触媒を失活させるためのこの溶液の再利用(固体NaOHの代わりに)
1)NaOH/NaNO3溶液の冷却(工程3)によって、NaNO3の良好な可溶性に基づき、NaNO3を完全に除去することが可能ではない。つまり、その結果、たしかにNaNO3はたしかに減少しているが、しかしながら相当の量のNaNO3を含む溶液が生じる。そのため、本発明の発明者により、この方法では硝酸ナトリウムは単に約30%しか除去されないことが見出された。つまり、全体的には、非常に大量の硝酸ナトリウムが単に内部で返送されており、晶出によるプロセスからの排出は効果的ではない。
2)NaOH/NaNO3溶液の再利用を可能にするために、これは、すでに言及した通り濃縮されなければならない。蒸留による濃縮に際しては、それ自体更なる後処理なしに(例えば浄化装置へと)放出することができる留出物を作り出す手法が見出されなければならない。しかしながら、Plastic Additives 2006,5(59),46には、このことは詳しくは説明されていない。それゆえ、蒸留の終わりには、浄化装置への放出には適していないほど負荷されている、利用可能ではない大量の廃棄流が再び生じると考えられる。
効果的なTAA製造に処理全体を適用することに関して、Plastic Additives 2006,5(59),46に記載された廃水後処理は、以下の不十分な点を示す。
3)晶出による硝酸ナトリウムの記載された除去は不完全なものでしかない。この方法では、硝酸ナトリウムの主たる部分が水相の返送に際して再びプロセスに導入され、そこで有機相と新たに接触させられる。相応する分配平衡に基づき、これは有機相中での硝酸ナトリウムの増大につながる。これは、のちのプロセス操作にとって不都合であり、それというのも、硝酸ナトリウムは、有機相の蒸留による後処理に際して蒸留塔底物中に集積するからである。
4)有機相の蒸留による後処理に際して、硝酸ナトリウムのこのような集積が妨げられるべき場合、蒸留前に硝酸ナトリウムを実質的に除去することが可能性として考えられる。かかる除去は、抽出剤を用いた有機相の抽出によって行われることができるが、しかしながら、これは硝酸ナトリウムを含んでいてはならず、それというのも、さもなければ分配平衡に基づき有機相からの実質的な除去が可能ではなくなるからである。それゆえ、抽出剤として、Plastic Additives 2006,5(59),46に記載される濃縮されたNaOH/NaNO3溶液は使用することができず、代替的に、例えば純粋なNaOH溶液を付加的に使用しなければならないが、これはまた廃棄流を生む。かかる廃棄流の処理は、Plastic Additives 2006,5(59),46に記載された方法を用いて可能ではない。
1.使用された水相(eingesetzte waessrige Phase)の処理法であって、以下の工程
a)使用された水相から第一の有機成分を、抽出剤を用いた抽出によって除去し、その際、第二の水相と抽出剤を含む抽出物とを得る工程;
b)第二の水相から第二の有機成分を除去し、その際、第三の水相を得る工程;
c)第三の水相から水を除去し、その際、第四の水相及び分離された水相を得る工程、ここで、分離された水相は、第三の相から除去された水を包含する;
d)第四の水相から第三の有機成分を除去し、かつ第四の水相を清澄化し、その際、第五の水相を得る工程;
から成り、その際、付加的な工程e)において、使用された水相、第二の水相、第三の水相、第四の水相及び/又は第五の水相のpH値を助剤により調節する、使用された水相の処理法である。
本方法により、任意の種類の水性廃水(waessrigen Abwaessern)を処理することができる。ただし、該方法は、トリアセトンアミンの製造に際して発生し、かつ殊に無機塩、塩基、アセトン、TAA、アセトン−縮合生成物、及び更なる有機成分の群から選択される1種以上の構成成分を含む水溶液の処理に適している。
K2SO4、NaHCO3又はKHCO3を意味する。
ここで"塩基"とは、殊にNaOH、KOH;Na2CO3又はK2CO3を意味する。
ここで"アセトン−縮合生成物"とは、殊にメシチルオキシド、ジアセトンアルコール、ジアセトンアミン、TMDH−ピリジン、アセトニン又はホロンを意味する。
ここで"更なる有機成分"とは、殊にアンモニアを意味する
全ての"%"値は、別記していない限り、質量%と解されるべきである。
抽出は、水相を抽出剤と混合しながら合一し、引き続き両層を分離することから成る。抽出は、連続的に又はバッチ運転で実施してよい。抽出は、そのために適した任意の容器中で実施してよい(例えば撹拌槽又は連続撹拌槽)。必要とされる相分離も同様に、そのために適した任意の容器中で実施してよい(例えば撹拌槽、撹拌可能ではない分離槽又は連続分離機)。
工程a)を実施する温度は、原則的に制限されていない。有利な温度は、0〜100℃の範囲、特に有利には10〜60℃の範囲、極めて有利には20〜40℃の範囲にある。工程a)を実施する圧力も同様に制限されていない。有利な圧力は、1〜10barの範囲、特に有利には1〜6barの範囲、極めて有利には1〜3barの範囲にある。有利なのは、低温並びに1barの常圧での抽出であり、それというのも、これらの条件はより良好な相分離を生み、かつ装置的により簡単に実現されるからである。
抽出に適しているのは、基本的に、水と混和し得ない任意の抽出剤である。有利には、抽出されるべき構成成分がその中で高い可溶性を示し、かつ所定の条件下で安定性を示す抽出剤が用いられる。殊に、工程c)において簡単に水から分離可能である抽出剤が用いられる。有利には、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、エーテル、ハロゲン化溶媒、エステル及びケトンから成る群から選択されている抽出剤を用いてよい。ここで脂肪族溶媒は、特に有利には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン及びシクロヘキサンから成る群から選択される。ここで芳香族溶媒は、特に有利には、ベンゼン、トルエン及びキシレンから成る群から選択される。ここでエーテルは、特に有利には、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル及びメチル−t−ブチルエーテルから成る群から選択される。ここでハロゲン化溶媒は、特に有利には、ジクロロメタン、クロロホルム及びテトラクロロメタンから成る群から選択される。ここでエステルは、特に有利には、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル及び酢酸ブチルから成る群から選択される。ここでケトンは、特に有利には、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びフェニルメチルケトンから成る群から選択される。極めて有利には、抽出のために用いられる溶媒は、トルエン、メチル−t−ブチルエーテル及びメチルイソブチルケトンから成る群から選択される。
このことは、殊にペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン;ベンゼン;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル;ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン;酢酸メチル又は酢酸エチルに当てはまる。
ここでストリッピングとは、液相をガスと向流で接触させることによる、液相から気相への物質の変化と解される。ストリッピングは、分離タスクに適した塔を用いて行ってよい(例えば棚段塔、不規則充填塔又は構造化充填物を有する塔)。蒸留は、不連続的に又は連続的に行ってよい。その際、適した容器(例えばジャケット付き反応器、外部熱交換器を有する反応器又は内部熱交換器を有する反応器)並びに分離タスクに適した蒸留塔(例えば例えば棚段塔、不規則充填塔又は構造化充填物を有する塔)が使用される。
ストリッピング及び/又は蒸留によって、そのつどの水相の有機負荷が下げられる。有利には、蒸留もストリッピングも、塔底生成物のTOC(全有機性炭素量)が20〜5000ppmの範囲に、特に有利には50〜2000ppmの範囲に、極めて有利には100〜1000ppmの範囲になるように実施される。
工程b)を実施する圧力も同様に制限されていない。有利な圧力は、0.1〜10bar、特に有利には0.5〜5barの範囲に、極めて有利には1〜3barの範囲にある。特に有利なのは、常圧(1bar)での蒸留である。その際、有利な蒸留温度は、40〜200℃の範囲、特に有利には60〜160℃の範囲、極めて有利には80〜120℃の範囲にある。
第二の水相を用いた工程b)の実施に際しては、第三の水相が得られる。
第四の水相からの第三の有機成分の除去及び第四の水相の清澄化は、殊に吸着によって、有利には吸着剤を用いて行われる。
吸着剤は、殊に粉末として又は顆粒として用いてよい。その際、吸着剤と水溶液との接触は、直接的な混合によってか又は吸着剤が充填された容器に流過させることによって行ってよい。用いた吸着剤の有利な量は、(水相の質量を基準として)0.01〜10%、特に有利には0.1〜5%、極めて有利には0.2〜1%である。
工程d)を実施する温度は、原則的に制限されていない。有利には、工程d)は、0〜150℃の範囲の温度、特に有利には0〜100℃の範囲の温度、極めて有利には10〜50℃の範囲の温度で実施される。工程d)を実施する圧力は、原則的に制限されていない。有利には、工程d)は、1〜10barの範囲の圧力、特に有利には1〜5barの範囲の圧力、極めて有利には1〜3barの範囲の圧力で実施される。
処理後の吸着剤の除去は、任意の適した方法で行ってよい。そのため、粉末状の吸着剤の分離は、例えば濾過又は遠心分離によって行ってよい。吸着剤顆粒を使用した場合、これは適した技術的な措置によって取り除かれることができる(例えば多孔板)。
吸着剤の除去後、水及び溶解した無機塩のほかに非常に少量の有機不純物のみを含む溶液が得られる。有利なのは、TOC<1000ppm、特に有利にはTOC<250ppm、極めて有利にはTOC<100ppmの炭素負荷量である。吸着剤の除去後、僅かな固有色のみを有する溶液が得られる。有利なのは、色数APHA<100、特に有利には色数APHA<50、極めて有利には色数APHA<10である。
ここで"使用された水溶液、第二の水溶液、第三の水溶液、第四の水溶液及び/又は第五の水溶液のpH値の調節"とは、工程の全ての可能な組合せを包含する。これは、例えば以下の組合せを包含するが、それらに制限されていない:それは、用いられた溶液のみの、第二の水性のみの、第三の水相のみの、第四の水相のみの、第五の水相のみのpH値の調節を包含する。それはまた、使用された水相及び第二の水相のpH値の調節も包含する。それはまた、使用された水相、第二の水相及び第三の水相のpH値の調節も包含する。それはまた、使用された水相、第二の水相、第三の水相及び第四の水相のpH値の調節も包含する。それはまた、使用された水相、第二の水相、第三の水相、第四の水相及び第五の水相のpH値の調節も包含する。それはまた、使用された水相、第三の水相、第四の水相及び第五の水相のpH値の調節も包含する。それはまた、使用された水相、第四の水相及び第五の水相のpH値の調節も包含する。それはまた、使用された水相及び第五の水相のpH値の調節も包含する。それはまた、使用された水相、第二の水相、第四の水相及び第五の水相のpH値の調節も包含する。それはまた、使用された水相、第二の水相及び第五の水相のpH値の調節も包含する。それはまた、使用された水相及び第二の水相のpH値の調節も包含する。それはまた、使用された水相、第二の水相、第三の水相及び第五の水相のpH値の調節も包含する。それはまた、使用された水相、第二の水相及び第三の水相のpH値の調節も包含する。それはまた、使用された水相、第二の水相、第四の水相及び第五の水相のpH値の調節も包含する。それはまた、使用された水相、第四の水相及び第五の水相のpH値の調節も包含する。
有利には、化学的に可能な限り均一な溶液が生じるように廃水と反応する酸又は塩基が使用される。それゆえ、特に有利なのは、その共役塩基(又は酸)が塩のアニオン(又はカチオン)としてすでに反応混合物中に含まれている酸(又は塩基)の使用である。このようにして、化学的に定義される、溶解した単に塩であって、それゆえに有価物質である塩を含む塩溶液が得られる。
水酸化ナトリウム及び塩化ナトリウムを含む廃水の場合、それゆえ塩酸の使用が有利である。このようにして、更なる無機塩を含まない塩化ナトリウムの水溶液が発生する。水酸化ナトリウム及び硫酸ナトリウムを含む廃水の場合、それゆえ硫酸の使用が有利である。このようにして、更なる無機塩を含まない硫酸ナトリウムの水溶液が発生する。水酸化ナトリウム及び硝酸ナトリウムを含む廃水の場合、それゆえ硝酸の使用が有利である。このようにして、更なる無機塩を含まない硝酸ナトリウムの水溶液が発生する。このならびは、他の考えられる廃水流についても同じように顧慮され得る。
工程e)を実施する温度は、基本的に制限されていない。有利には、工程e)は、0〜150℃の範囲の温度で、特に有利には10〜100℃の範囲の温度で、極めて有利には20〜80℃の範囲の温度で実施される。工程d)を実施する圧力は、基本的に制限されていない。有利には、工程d)は、1〜10barの圧力で、特に有利には1〜6barの範囲の圧力で、極めて有利には1〜3barの範囲の圧力で実施される。
ここで"使用された水溶液、第二の水溶液、第三の水溶液、第四の水溶液及び/又は第五の水溶液のpH値の調節"とは、工程e)におけるpH値の調節を、その際、基本的に本発明による方法の任意の時点で行ってよいことを意味する。したがって、工程e)は、使用された水相で[つまり、工程a)の前に]かつ/又は第二の水相で[つまり、工程a)とb)との間で]かつ/又は第三の水相で[つまり、工程b)とc)との間で]かつ/又は第三の水相で[つまり、工程b)とc)との間で]かつ/又は第四の水相で[つまり、工程c)と工程d)との間で]かつ/又は第五の水相で[つまり、工程d)の後に]実施してよい。
工程f)を実施する圧力は、基本的に制限されていない。有利には、工程f)は、0.1〜10barの範囲の圧力、特に有利には0.5〜5barの範囲の圧力、極めて有利には1〜3barの範囲の圧力、最も有利には常圧にて実施される。
不連続的な蒸留の場合まず前留出物を捕集してよく、これは、沸点が抽出のために使用された溶媒のそれを下回っているか又は純粋な抽出剤のそれより低い沸点の共沸混合物を抽出剤と形成する、低沸点の抽出された物質を保持する(例えばアセトン)。引き続き、抽出剤の純粋な留分を捕集してよく、これは引き続き工程a)で再利用されることができる。蒸留の塔底物中には、抽出剤より高い沸点を有する抽出された成分が残留する(例えばTAA)。
固体の製造は、その際、全ての公知の方法によって行ってよい。そうして、例えば、晶出によって、温度低下によって、溶媒の更なる除去によって又はこれらの工程の組合せによって行ってよい。固体の単離は、例えば濾過、遠心分離又は他の適した方法によって行ってよい。生じる固体の純度を高めるために、全ての公知の方法、例えば、適した洗浄液[すなわち、固体が僅かな可溶性を示し、その一方で、存在する不純物は高い可溶性を示す溶媒、例えば、a)での抽出のために挙げた全ての有機溶媒]、適した溶媒(すなわち、固体が高い温度にて良好な可溶性を示す溶媒、例えば水)からの再結晶又は他の適した方法を適用してよい。
生じる固体は、適した方法に従って乾燥してよい(例えば棚形乾燥機、櫂形乾燥機等)。
固体の単離に際して発生する母液は、工程a)において又は工程c)において返送されることができ、それゆえ廃棄流とならない。
廃水中に含まれる、中性塩と塩基/酸とからの混合物は、酸/塩基の使用によって工程e)におけるpH値の調節に際して化学的に均一な中性の塩溶液に変えられる。これは、有価物質としてさらに使用可能である。硝酸ナトリウム溶液の製造においては特に、多数の使用分野が見出される(肥料として、セメント製造における添加剤として)。
生じる物質流(工程c)及びg)からの水留出物及び有価物質)の有機負荷は、非常に低い値に減らされる。このようにして、水留出物は浄化装置に直接放出されることができる。生じる有価物質は、有機成分によって負荷されていない。
有機成分はプロセスの複数の箇所で適切に単離される[有利には蒸留/ストリッピングによって実施される工程c)、工程d)で吸着剤を用いて、工程a)からの抽出物において工程f)での該抽出物の後処理に際して]ため、廃棄物として処理されなければならない物質の発生は最小量のみである。
工程a)とc)との組合せは、c)において高純度の水留出物の製造を可能にする。廃棄物として処理される単に非常に少量の有機負荷された前留出物が取り除かれなければならない。続く水蒸留は、更なる特別な処理を必要とせず、浄化装置に直接放出してよい。有利には蒸留によって行われる工程c)での水除去の前に抽出が行われない場合、分別蒸留においても主留分として純粋な水は得られない。水と似たような沸点を有する有機副成分は、つまり、まず抽出によって実質的に除去されなければならず、それというのも、それらは蒸留により水から分離され得ないからである。
pH値の調節に際しての適した酸/塩基の使用によって、化学的に均一な塩溶液[工程c)、d)及びe)]若しくは化学的に純粋な固体が工程g)で得られる。適した酸/塩基の使用によって、混合された塩溶液若しくは混合塩の形成が回避される。
以下では、本発明を、例を手がかりにして詳細に説明する。
1.1 硝酸塩含有量の測定
硝酸塩イオンの測定を、イオンクロマトグラフィーによりDIN EN ISO 10304に従って行った。装置として、電気伝導度検出器を備えたメトローム社製イオンクロマトグラフを利用した。使用したカラムは、メトローム社製Metrosep Anion Dual 2であった。溶離液として、NaHCO32.0ミリモル、Na2CO31.3ミリモル及びアセトン2%の水溶液を利用した。10μl若しくは100μl(<20mg/kgの限界値を有する試料について)のインジェクションループを利用した。10μlのループの検量範囲は0.5〜100mg/lであった。100μlのループの検量範囲は0.05〜2.0mg/lであった。
全ての有機成分の含有量の測定を、ガスクロマトグラフHP 5890を用いたガスクロマトグラフィーにより実施した。利用したカラムは、HP−50+、30m×0.25mm×0.25mmであった。キャリアガスとして窒素を利用した。検出器の温度は280℃であり、インジェクターの温度は250℃であった。温度プロファイルは2分で50℃であり、それから5℃/分の割合で260℃(0分)に加熱した。
硝酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及び有機不純物(なかでもアセトン、TAA)を含む廃水流を処理する。これは以下の通りに行う:
廃水500gにトルエン50.0gを混ぜる。この二相混合物を振り混ぜることによって均質化し、次いで相を分離する(第一の抽出工程)。水相(495g、TOC:2030ppm)並びに有機相(53.0g)が得られる。第一の抽出工程からの水相480gに再びトルエン50.0gを混ぜる。この二相混合物を振り混ぜることによって均質化し、次いで相を分離する(第二の抽出工程)。水相(480g、TOC:930ppm)並びに有機相(50.0g)が得られる。第二の抽出工程からの水相465gに再びトルエン50.0gを混ぜる。この二相混合物を振り混ぜることによって均質化し、次いで相を分離する(第三の抽出工程)。水相("第二の水相";464g、TOC:921ppm)並びに有機相(50.4g)が得られる。
廃水500gにMTBE50.0gを混ぜる。この二相混合物を振り混ぜることによって均質化し、次いで相を分離する(第一の抽出工程)。水相(495g、TOC:4540ppm)並びに有機相(53.8g)が得られる。第一の抽出工程からの水相485gに再びMTBE50.0gを混ぜる。この二相混合物を振り混ぜることによって均質化し、次いで相を分離する(第二の抽出工程)。水相(485g、TOC:1230ppm並びに有機相(50.1g)が得られる。第二の抽出工程からの水相475gに再びMTBE50.0gを混ぜる。この二相混合物を振り混ぜることによって均質化し、次いで相を分離する(第三の抽出工程)。水相("第二の水相";473g、TOC:990ppm)並びに有機相(49.8g)が得られる。
廃水500gにメチルイソブチルケトン50.0gを混ぜる。この二相混合物を振り混ぜることによって均質化し、次いで相を分離する(第一の抽出工程)。水相(499g、TOC:2644ppm)並びに有機相(51.0g)が得られる。第一の抽出工程からの水相490gに再びメチルイソブチルケトン50.0gを混ぜる。この二相混合物を、振り混ぜることによって均質化し、次いで相を分離する(第二の抽出工程)。水相(485g、TOC:3120ppm並びに有機相(54.1g)が得られる。第二の抽出工程からの水相475gに再びメチルイソブチルケトン50.0gを混ぜる。この二相混合物を振り混ぜることによって均質化し、次いで相を分離する(第三の抽出工程)。水相(471g、TOC:2040ppm)並びに有機相(55.2g)が得られる。
e1)(a1)[NaOH73.4g及びNaNO371.6gを含有、pH値>14]からの抽出された廃水450gに、冷却しながら硝酸(65%、173g)を混ぜる。pH値7及び620ppmのTOCを有する黄色味を帯びた溶液が得られる。
b+c1)硝酸ナトリウム364gを含む(e1)からの中和された廃水1000gを常圧(1bar)で分別蒸留する。その際、水留出物(塔頂温度100℃)が得られ、ここで個々の留分は、様々に有機成分で負荷されている。以下の留分を単離する:
得られた蒸留留分3(全体の留出物の70.3%)は非常に僅かしか有機成分で負荷されておらず、それゆえ浄化装置に放出するのに適している。単に蒸留留分1及び2(全体の留出物の29.7%)のみが特別な廃棄処理に供給されなければならない。
得られた蒸留留分2及び3(全体の留出物の72.3%)は非常に僅かしか有機成分で負荷されておらず、それゆえ浄化装置に放出するのに適している。単に蒸留留分1(全体の留出物の27.7%)のみが特別な廃棄処理に供給されなければならない。
得られた蒸留留分3(全体の留出物の70.0%)は非常に僅かしか有機成分で負荷されておらず、それゆえ浄化装置に放出するのに適している。単に蒸留留分1及び2(全体の留出物の30.0%)のみが特別な廃棄処理に供給されなければならない。
(b+c2)[硝酸ナトリウム499g、TOC:490ppm、APHA:297]からの蒸留塔底物1000gに活性炭5.0g(Norit SA−Super)を混ぜ、この混合物を30分間撹拌する。活性炭を濾紙により分離し、そして硝酸ナトリウム489g(TOC:63ppm、APHA:2)を含有む清澄な無色の溶液("第五の水相")998gを得る。
(a1)からの一つにまとめた有機相(153g)を蒸留装置中で50mbar及び80℃にて沸騰するまで加熱する。トルエン(98.6%)のほかにアセトン(1.4%)を含む留出物137gが得られる。
この留出物を新たに工程(a)における留出のために用いてよく、これは88.1%のトルエン返送率に相当する。
(a1)からの一つにまとめた有機相(154g)を蒸留装置中で1000mbarにて沸騰するまで(56℃)加熱する。MTBE(98.9%)のほかにアセトン(1.1%)を含む留出物138gが得られる。
この留出物を新たに工程(a)における留出のために用いてよく、これは89.0%のMTBE返送率に相当する。
(a1)からの一つにまとめた有機相(160g)を蒸留装置中で1000mbarにて沸騰するまで(116℃)加熱する。メチルイソブチルケトン(96.7%)のほかにアセトン(3.3%)を含む留出物140gが得られる。
この留出物を新たに工程(a)における留出のために用いてよく、これは90.2%のメチルイソブチルケトン返送率に相当する。
硝酸ナトリウム364gを含む(a2)からの中和された廃水1000gを常圧(1bar)で分別蒸留する。その際、水留出物(塔底温度100℃)が得られ、ここで個々の留分は、様々に有機成分で負荷されている。以下の留分を単離する:
廃水("使用された水相";NaOH16.3%及び水酸化ナトリウム15.9%を含有、TOC:6700ppm)500gに冷却下で硝酸(65%、193g)を加える。NaNO3252gを含有し、pH値7及びTOC5020ppmを有する黄色味を帯びた溶液が得られる。この溶液を常圧(1bar)で分別蒸留する。その際、水留出物(塔底温度100℃)が得られ、ここで個々の留分は、様々に有機成分で負荷されている。以下の留分を単離する:
Claims (12)
- 使用された水相の処理法であって、以下の工程
a)該使用された水相から第一の有機成分を、抽出剤を用いた抽出によって除去し、その際、第二の水相と該抽出剤を含む抽出物とを得る工程;
b)該第二の水相から第二の有機成分を除去し、その際、第三の水相を得る工程;
c)該第三の水相から水を除去し、その際、第四の水相及び分離された水相を得る工程、ここで、該分離された水相は、該第三の相から除去された水を包含する;
d)該第四の水相から第三の有機成分を除去し、かつ該第四の水相を清澄化し、その際、第五の水相を得る工程;
から成り、その際、付加的な工程e)において、前記の使用された水相、第二の水相、第三の水相、第四の水相及び/又は第五の水相のpH値を助剤により調節し、かつ前記水相のpH値が、工程e)における前記pH値の調節後、pH5〜pH9の範囲にある、使用された水相の処理法。 - 工程c)を工程b)に続けて直接行い、かつ工程e)において、前記の使用された水相、第二の水相、第四の水相及び/又は第五の水相のpH値を助剤により調節し、かつ前記水相のpH値が、工程e)における前記pH値の調節後、pH5〜pH9の範囲にあることを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 工程e)において、前記の使用された水相、第二の水相及び/又は第三の水相のpH値を助剤により調節し、かつ前記水相のpH値が、工程e)における前記pH値の調節後、pH5〜pH9の範囲にあることを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 付加的な工程f)において、工程a)で得られた前記抽出物を後処理し、その際、前記抽出された有機成分と前記抽出剤とへの分離を行うことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
- 付加的な工程g)において、固体を前記第五の水相から単離することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
- 工程a)における前記抽出剤を、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、エーテル、ハロゲン化溶媒、エステル及びケトンから成る群から選択することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
- 工程a)における、使用された水相:抽出剤の質量比が2:1〜40:1であることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
- 工程e)で使用される助剤が塩基であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
- 工程d)における前記第四の水相からの前記第三の有機成分の除去及び前記第四の水相の清澄化を吸着によって行うことを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
- 工程d)における前記第四の水相からの前記第三の有機成分の除去及び前記第四の水相の清澄化を、吸着剤を用いた吸着によって行い、かつ該吸着剤を、活性炭、ゼオライト及びシリカゲルから成る群から選択することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
- 工程b)における前記第二の有機成分を、アンモニア、アセトン、メシチルオキシド、ジアセトンアルコール、ジアセトンアミン、アセトニン、TMDH−ピリジン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン;ベンゼン;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル;ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン;酢酸メチル、酢酸エチル及び酢酸イソプロピルから成る群から選択することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
- 工程c)における前記第三の水相からの水の除去を蒸留によって行うことを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
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