JP2021147336A - テトラヒドロフランの精製方法 - Google Patents

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寛実 西脇
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陽介 石野
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龍治 小川
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亮嗣 市岡
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Abstract

【課題】 ポリブチレンテレフタレート製造時に副生する粗テトラヒドロフラン中に含まれる炭素数4のアルデヒドを蒸留分離する、テトラヒドロフランの精製方法を提供する。【解決手段】 炭素数4のアルデヒド基を有する化合物を含有する粗テトラヒドロフランを精製する方法であって、蒸留前または蒸留時に脂肪族1級アミン、脂肪族2級アミンから選ばれる1種類以上のアミン化合物を前記粗テトラヒドロフランに添加し、前記炭素数4のアルデヒド基を有する化合物を、高沸点化合物に転化し、蒸留分離することを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明はテトラヒドロフランの精製方法に関する。さらに詳しくは、粗テトラヒドロフランに含まれる炭素数4のアルデヒドを、蒸留分離により精製する方法に関する。
テトラヒドロフラン(以下、「THF」と記載する。)は水と自由に混合し、有機化合物または高分子化合物の溶解性に優れるため繊維、フィルム、医薬、農薬の中間体またはこれらの製造溶媒などとして活用されている。
THFの工業的生産方法としては、1,4−ブタンジオールの脱水環化反応による方法が一般的であり、1,4−ブタンジオールとテレフタル酸からポリブチレンテレフタレートを製造する際に副生するTHFの精製による方法も知られている。
これらの製造方法で得られたTHFには、1,4−ブタンジオール由来の不純物である炭素数4のアルデヒド化合物が含まれることがある。
一方、THFを医薬品などの製造溶媒などに使用する場合には、THFの高純度化および純度管理の徹底が要求される。しかし、ポリブチレンテレフタレートを製造する際の副生等で得られる粗テトラヒドロフラン(以下、「粗THF」と記載する。)は、混入する不純物濃度を制御することが難しく、粗THFを精製する手段として分離性能の高い蒸留設備が必要となるなど、精製にかかるコストが大きくなる。
特に混入する不純物のうち、炭素数4のアルデヒド化合物であるメタクロレインの標準沸点は68℃、ブチルアルデヒドの標準沸点は75℃であり、標準沸点が66℃であるTHFとの沸点差が小さく、蒸留での高純度化を困難としている。
粗THFに含まれるアルデヒド化合物の除去方法としては、粗THFをアルカリ金属水酸化物で処理した後に、蒸留する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、処理後のアルカリ金属水酸化物が蒸留塔内に混入すると、装置内で固体として析出するなど問題があり、アルカリ金属水酸化物の後処理の煩雑さに課題があった。
その他アルデヒド化合物の除去方法として、水素添加触媒の存在下で水素添加した後、蒸留する方法も提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、水素添加による反応処理は、貴金属触媒のコスト増加や、水素を使用した反応の管理が追加で必要であるなど、精製コスト低減の難しさに課題があった。
特開昭56−104881号公報 特開昭61−200979号公報
本発明は、上述した従来技術における課題に鑑みてなされたものである。すなわち、不純物として炭素数4のアルデヒド基有する化合物を含有する粗THFから、煩雑な工程を必要とすることなく、工業的に効率的なTHFの精製方法を提供することにある。
上記課題を解決する本発明は、不純物として炭素数4のアルデヒド基を有する化合物を含有する粗THFを精製する方法であって、蒸留前または蒸留時に脂肪族1級アミンまたは脂肪族2級アミンから選ばれる1種類以上のアミン化合物を粗THFに添加することを特徴とするTHFの精製方法である。
粗THF中に含まれ、かつTHFと沸点が近接するこの炭素数4のアルデヒド化合物は、脂肪族1級アミンまたは脂肪族2級アミンと容易に反応して、THFとの沸点差の大きい高沸点成分である高沸点化合物に転化するため、この高沸点化合物を含む粗THFを蒸留精製することで、高沸点化合物を分離除去し実質的にアルデヒド化合物を含まない高純度のTHFが得られる。本発明によれば、粗THFに含まれる炭素数4のアルデヒド化合物の蒸留精製に関して、蒸留装置の小型化、および蒸留に関連する装置構成を簡略化できるため、高純度のTHFを工業的に安価な方法で得ることができる。
本発明のTHFの精製方法に用いる装置の実施態様の一例を示す構成図である。
以下、本発明の実施形態についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの内容に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々変形して実施することができる。
本発明の精製方法は、粗THFに含まれる炭素数4のアルデヒド基を有する化合物(以下、「炭素数4のアルデヒド化合物」という。)に、脂肪族1級アミン、脂肪族2級アミンから選ばれる1種類以上のアミン化合物(以下、「アミン化合物」という。)を接触させることにより、高沸点化合物に転化させ、この高沸点化合物を蒸留して分離する方法である。高沸点化合物の沸点は、THFの沸点比べ十分に高く、蒸留により容易に分離することができる。
本発明における粗THFは、少なくとも炭素数4のアルデヒド化合物を含有する。これに加え水分、THF合成原料由来のアルコールなどを含んでも良い。
特にTHFと水は共沸混合物を形成するため、精製前の粗THFには6重量%以上の水分を含むことが多い。しかし、実質的に無水のTHF試薬に水分6重量%以上となるように水を添加し、更に炭素数4のアルデヒド化合物を添加して調製した粗THFに対しても、また無水のTHF試薬に、炭素数4のアルデヒド化合物を添加して調製した粗THFに対するのと同様に、アミン化合物と接触させてから蒸留することで、炭素数4のアルデヒド化合物を低減することができる。したがって、本発明の精製方法は、粗THFの水分濃度に制約はない。
粗THFに含まれる炭素数4のアルデヒド化合物としては、メタクロレイン、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、クロトンアルデヒドなどが挙げられ、いずれの成分にも本発明を適用することができる。このうちメタクロレインとブチルアルデヒドは、1,4−ブタンジオールとテレフタル酸を原料とするポリブチレンテレフタレートの製造工程で得られる粗THFに混入しやすい成分であり、安価な高純度THFを得ることを目的として、本発明を特に効果的に適用することができる。
本発明で添加するアミン化合物は、脂肪族1級アミンまたは脂肪族2級アミンであれば、特に制限はないが、炭素数4のアルデヒド化合物との反応性の観点から脂肪族1級アミンが好ましい。一方、脂肪族3級アミン、芳香族1級アミン、芳香族2級アミン、芳香族3級アミンおよびアミノ酸は、炭素数4のアルデヒド化合物との反応性が低く、工業的に高沸点化合物に転化し、蒸留分離することができない。
また、アミン化合物は、80℃以上の標準沸点を持つことが好ましい。80℃以下の成分を添加すると、蒸留精製後のTHFに混入しやすくなり、沸点が近いアミン化合物自体が高純度THFの不純物となる可能性がある。
標準沸点80℃以上のアミン化合物としては、例えば、モノエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ピペリジン、ピペラジンなどが挙げられ、いずれも炭素数4のアルデヒド化合物の化合物と効率的に反応する。また、添加するアミン化合物は1種類でアルデヒド化合物と反応し機能するが、製造工程で使用できる場合は、2種類以上のアミンの混合物を用いることもできる。
このなかで、モノエタノールアミンはTHFとの沸点差が大きく、反応性および工業的な入手しやすさから、特に有効に用いることができる。
アルデヒド化合物および脂肪族アミンを混合すると、シッフ塩基が生成することが知られている。例えば、メタクロレインおよびブチルアルデヒドと、モノエタノールアミンは、以下の反応式により、シッフ塩基からなる高沸点化合物を生成すると推定される。
Figure 2021147336
なお、アルデヒド化合物が脂肪族アミンと混合することにより、THFとの沸点差が大きい高沸点化合物に転化したことは、ガスクロマトグラフィーによる分析でTHFのピークに近いアルデヒド化合物が検出されなくなり、アルデヒド化合物が検出下限の1重量ppm以下に低減したことから確認される。しかし、高沸点化合物がシッフ塩基であることは、ガスクロマトグラフィー分析の際、シッフ塩基が変質してしまうため同定が難しい。
アミン化合物の添加量に制限はないが、粗THFに含まれる炭素数4のアルデヒド化合物の合計モル数に対し、5倍量から1000倍量のモル数を加えることが好ましく、さらに好ましくは50倍量から500倍量のモル数となる。
5倍量未満の添加量であっても、炭素数4のアルデヒド化合物を高沸点化合物に転化することはできるが、反応に要する時間が長くなるため、装置が大きくなる可能性がある。また、1000倍量を超える添加量では、余剰のアミン化合物が多くなるため、経済的に不利となる。
本発明では炭素数4のアルデヒド化合物とアミン化合物の一部が反応し高沸点化合物に転化するが、余剰のアミンが多いと、蒸留時の沸点上昇に加え、設備材質の腐食原因となる。このため、蒸留塔内に存在する余剰のアミン化合物の量は、蒸留塔の内在液重量の5重量%以下が好ましい。
一般的に、1,4−ブタンジオールとテレフタル酸を原料とするポリブチレンテレフタレートの製造工程で得られる粗THFに含まれる炭素数4のアルデヒド化合物量は、粗THFの重量に対し50重量ppm以下であることが多い。このため、炭素数4のアルデヒド化合物量のモル数に対し、1000倍量以下のアミン化合物の添加量では、余剰のアミンを5重量%以下に抑えることができる。
脂肪族1級アミンまたは脂肪族2級アミンの添加場所に制限は無く、蒸留処理前に添加することも、蒸留塔に直接添加することもできる。しかし、炭素数4のアルデヒド化合物とアミン化合物の接触時間が短いと、高沸点成分である高沸点化合物への転化率が低くなる可能性があるため、蒸留処理前にアミンを添加し、一定の反応時間を保持した後、蒸留することが好ましい。
炭素数4のアルデヒド化合物とアミン化合物の接触方法に制限は無く、連続的に接触しても、バッチ的に接触しても良い。また、静置状態でも反応は進行するため、継続的に撹拌する必要は無いが、添加後に液組成を均一化することを目的として、ラインミキサーまたは撹拌装置を使用した後、一定の反応時間を保持することが好ましい。
アミン化合物と炭素数4のアルデヒド化合物の接触温度に制限は無く、低温または高温でも反応は進行する。ただし、温度が低い場合は、高沸点成分である高沸点化合物への転化速度が遅くなるため、常温以上の温度が好ましく、さらには40℃以上の温度が好ましい。但し、接触する圧力における粗THFの沸点を超える温度では、炭素数4のアルデヒド化合物も蒸発しやすく、アミン化合物との接触が制限されるため、沸点以下の液相で接触することが好ましい。
アミン化合物と炭素数4のアルデヒド化合物の接触時間に制限は無いが、1時間以上の接触が好ましい。1時間未満の接触では、炭素数4のアルデヒド化合物の転化率が低く、蒸留時にアミン化合物と分離する可能性がある。
また、炭素数4のアルデヒド化合物の転化率に制限は無いが、粗THFに存在する量の99%以上を高沸点成分である高沸点化合物に転化した後、蒸留分離することが好ましい。99%以下の転化率で蒸留分離すると、精製後のTHFに炭素数4のアルデヒド化合物が混入しやすくなり、蒸留精製したTHFの高付加価値化の障害となる可能性がある。
本発明では炭素数4のアルデヒド化合物を高沸点成分である高沸点化合物に転化した後に、蒸留精製することを特徴とするが、蒸留方法に制限は無く、一般的に知られている蒸留方法を適用することができる。
共沸混合物を形成する水を分離し、高純度のTHFを得るための精製方法としては、抽出蒸留、モレキュラーシーブなど吸着処理を組み合わせた蒸留、抽出処理を組み合わせた蒸留、圧力の異なる蒸留塔を用いた圧力スイング蒸留、蒸気透過膜など膜分離を組み合わせた蒸留などがあるが、本発明はいずれの精製方法にも供することができる。これら精製方法のうち、ランニングコストの観点からは圧力スイング蒸留が最も優位であり、圧力スイング蒸留に本発明を適用することが好ましい。
本発明で用いる粗THFを得る方法に制限は無いが、1,4−ブタンジオールとテレフタル酸を原料とするポリブチレンテレフタレートの製造工程で副生成物として得られた粗THFは、炭素数炭素数4のアルデヒド化合物が混入しやすいため、本発明の適用が特に好ましい。また、本発明は製造で得られた粗THFの高純度化に適用する以外にも、使用後のTHFの再精製処理や、一度精製したTHFをさらに高純度化する場合でも適用することができる。
次に、本発明の精製方法について、実施形態の一例を示す図1の装置構成を用いて説明する。ポリブチレンテレフタレート製造過程において発生するTHF、水、そして、ブチルアルデヒド、メタクロレインのどちらか一方、もしくは両方を含有する粗THFは、粗THF貯槽1へ投入される。エタノールアミンは、エタノールアミン貯槽2へ投入される。粗THFとエタノールアミンを、それぞれ貯槽から一定量、ラインミキサー3へ連続供給する。混合ゾーン4において、粗THFとエタノールアミンを一定時間滞留接触し、ブチルアルデヒド、メタクロレインをエタノールアミンと反応させて高沸点化合物である高沸点化合物へ転化する。
次に、粗THF、高沸点化合物とエタノールアミンの混合液を蒸留塔5に連続的に供給し、蒸留処理する。塔頂物抜き出しライン6より、ブチルアルデヒド、メタクロレインを実質的に含まないTHFと水の混合物を回収する。塔底物抜き出しライン7からはTHF、水、未反応のエタノールアミン、高沸点化合物が排出除去される。
以下に実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における各評価は以下の方法に従って行った。
(1)ブチルアルデヒド、メタクロレインおよびその他有機成分の定量
HP−1(内径0.32mm、長さ60m、膜圧1μm、アジレント・テクノロジー社製)をカラムとして、ガスクロマトグラフ(GC−2010、島津製作所社製)を用いて、ヘリウムをキャリアガスとし、スプリット比1対200、カラム100kPaゲージ圧で流し、300℃まで昇温し、各成分に対するピーク面積より各成分の含有割合を求めた。
実施例1−1
THF(関東化学、特級試薬)に、水分7重量%、ブチルアルデヒド20重量ppm、メタクロレイン20重量ppm相当を添加して調製した粗THF20mlを、50mlバイアル瓶に投入した後、脂肪族1級アミンであるモノエタノールアミン(関東化学、特級試薬)を粗THFに対し4000重量ppm相当添加した。すなわち、炭素数4のアルデヒド化合物の合計モル数に対し、アミン化合物を118倍のモル数添加した。
撹拌しながら20℃を維持し、24時間経過後した後、粗THF中のブチルアルデヒド、メタクロレインを定量した結果、共に1重量ppm未満に低減したことを確認した。
実施例1−2
添加するアミン化合物を、脂肪族1級アミンであるエチレンジアミンで行う以外は、実施例1−1と同様の方法で実施した。すなわち、炭素数4のアルデヒド化合物の合計モル数に対し、アミン化合物を120倍のモル数添加した。
この結果、ブチルアルデヒド、メタクロレイン含有量が、共に1重量ppm未満に低減したことを確認した。
実施例1−3
添加するアミン化合物を、脂肪族1級アミンであるジエチレントリアミンで行う以外は、実施例1−1と同様の方法で実施した。すなわち、炭素数4のアルデヒド化合物の合計モル数に対し、アミン化合物を70倍のモル数添加した。
この結果、ブチルアルデヒド、メタクロレイン含有量が、共に1重量ppm未満に低減したことを確認した。
実施例1−4
添加するアミン化合物を、脂肪族2級アミンであるピペリジンで行う以外は、実施例1−1と同様の方法で実施した。すなわち、炭素数4のアルデヒド化合物の合計モル数に対し、アミン化合物を85倍のモル数添加した。
この結果、ブチルアルデヒドの含有量は14重量ppmに、メタクロレインの含有量は4重量ppmに低減したことを確認した。
実施例1−5
添加するアミン化合物を、脂肪族2級アミンであるピペラジンで行う以外は、実施例1−1と同様の方法で実施した。すなわち、炭素数4のアルデヒド化合物の合計モル数に対し、アミン化合物を84倍のモル数添加した。
この結果、ブチルアルデヒドの含有量は13重量ppmに、メタクロレインの含有量は5重量ppmに低減したことを確認した。
比較例1−1
脂肪族1級アミンの代わりに、脂肪族3級アミンであるトリエチルアミンで行う以外は、実施例1−1と同様の方法で実施した。すなわち、炭素数4のアルデヒド化合物の合計モル数に対し、トリエチルアミンを71倍のモル数添加した。
この結果、ブチルアルデヒド、メタクロレイン含有量は、共に20重量ppmのままであり、低減せず、高沸点化合物へ転化しないことを確認した。
比較例1−2
脂肪族1級アミンの代わりに、芳香族1級アミンであるアニリンで行う以外は、実施例1−1と同様の方法で実施した。すなわち、炭素数4のアルデヒド化合物の合計モル数に対し、アニリンを77倍のモル数添加した。
この結果、ブチルアルデヒドの含有量は16重量ppmに、メタクロレインの含有量は19重量ppmとなり、低減効果が低いことを確認した。
実施例2−1
THF(関東化学、特級試薬)に、ブチルアルデヒド20重量ppm、メタクロレイン20重量ppm相当を添加して調製した粗THF20mlを、50mlバイアル瓶に投入した後、モノエタノールアミンを粗THFに対し150重量ppm相当添加した。すなわち、炭素数4のアルデヒド化合物の合計モル数に対し、アミン化合物を4.4倍のモル数添加した。
撹拌しながら20℃を維持した結果、1時間経過後のブチルアルデヒドの含有量は4重量ppmに、メタクロレインの含有量は17重量ppmに低減した。
さらに撹拌を続けた結果、24時間経過後のブチルアルデヒドの含有量は3重量ppmに、メタクロレインの含有量は7重量ppmに低減した。
実施例2−2
添加するモノエタノールアミンの量を500重量ppm相当で行う以外は、実施例2−1と同様の方法で実施した。すなわち、炭素数4のアルデヒド化合物の合計モル数に対し、アミン化合物を15倍のモル数添加した。
1時間経過後のブチルアルデヒドの含有量は1重量ppm未満に、メタクロレインの含有量は15重量ppmに低減した。
さらに撹拌を続けた結果、24時間経過後のメタクロレインの含有量は3重量ppmに低減した。
実施例2−3
添加するモノエタノールアミンの量を3800重量ppm相当で行う以外は、実施例2−1と同様の方法で実施した。すなわち、炭素数4のアルデヒド化合物の合計モル数に対し、アミン化合物を111倍のモル数添加した。
1時間経過後のブチルアルデヒドの含有量は1重量ppm未満に、メタクロレインの含有量は1重量ppm未満に低減した。
実施例3−1
1,4−ブタンジオールとテレフタル酸を原料とするポリブチレンテレフタレートの製造工程で副生成物として得られた水分濃度7重量%のTHFに、ブチルアルデヒドとメタクロレインを追加し、ブチルアルデヒド40重量ppm、メタクロレイン40重量ppmを含む粗THFを調製した。
200mlガラス製のフラスコに、長さ15cmのガラス管を蒸留塔とする蒸留装置を準備した。ガラス管は保温のみで空塔のため、塔の分離段数は0段相当となる。
粗THFを100g蒸留装置に計り入れた後、モノエタノールアミンを4000重量ppm相当添加した。すなわち、炭素数4のアルデヒド化合物の合計モル数に対し、アミン化合物を59倍のモル数添加した。
その後、装置内の内容液を十分に混合して均一化することを目的に、蒸留の操作圧力を常圧(101.3kPa)として、全還流状態を1時間保持した。その後留出を開始し、全留出状態で35gの留出成分をサンプリングした。
留出サンプルを分析した結果、ブチルアルデヒドとメタクロレインの含有量とも1重量ppm未満に低減したことを確認した。
実施例3−2
蒸留装置に計り入れる粗THFの重量を61gに変更、蒸留の操作圧力を65kPaに変更する他は実施例3−1と同様の方法で蒸留し、留出成分のサンプル量は37gとした。
留出サンプルを分析した結果、ブチルアルデヒドとメタクロレインの含有量とも1重量ppm未満に低減したことを確認した。
Figure 2021147336
1.粗THF貯槽
2.エタノールアミン貯槽
3.ラインミキサー
4.混合ゾーン
5.蒸留塔
6.塔頂物抜き出しライン
7.塔底物抜き出しライン

Claims (10)

  1. 炭素数4のアルデヒド基を有する化合物を含有する粗テトラヒドロフランを精製する方法であって、蒸留前または蒸留時に脂肪族1級アミン、脂肪族2級アミンから選ばれる1種類以上のアミン化合物を前記粗テトラヒドロフランに添加することを特徴とするテトラヒドロフランの精製方法。
  2. 前記炭素数4のアルデヒド基を有する化合物を、前記アミン化合物を接触させることにより、高沸点化合物に転化させ、この高沸点化合物を蒸留して分離することを特徴とする請求項1に記載のテトラヒドロフランの精製方法。
  3. 前記炭素数4のアルデヒド基を有する化合物がブチルアルデヒドまたはメタクロレインのいずれか一方、または両方であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のテトラヒドロフランの精製方法。
  4. 前記アミン化合物が、80℃以上の標準沸点を持つことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のテトラヒドロフランの精製方法。
  5. 前記アミン化合物がエタノールアミンであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のテトラヒドロフランの精製方法。
  6. 前記アミン化合物の添加量が、前記炭素数4のアルデヒド基を有する化合物の合計モル数に対し、5倍量から1000倍量のモル数であることを特徴とする特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のテトラヒドロフランの精製方法。
  7. 前記アミン化合物と前記炭素数4のアルデヒド基を有する化合物の接触時間が1時間以上であり、前記炭素数4のアルデヒド基を有する化合物の99%以上を高沸点化合物に転化することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のテトラヒドロフランの精製方法。
  8. 前記アミン化合物と前記炭素数4のアルデヒド基を有する化合物を液相で接触することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のテトラヒドロフランの精製方法。
  9. 精製する際、蒸留塔内に存在する前記アミン化合物の重量が、蒸留塔の内在液重量の5重量%以下であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載のテトラヒドロフランの精製方法。
  10. 前記炭素数4のアルデヒド基有する化合物を含有する粗テトラヒドロフランが、1,4−ブタンジオールとテレフタル酸を原料とするポリブチレンテレフタレートの製造工程で副生成物として得られることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載のテトラヒドロフランの精製方法。
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