JP5369438B2 - ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの連続製造方法 - Google Patents
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Description
上記アルキルアミノ(メタ)アクリレートの製造方法としては、アルキル(メタ)アクリレート及びジアルキルアミノ(アルキル)アルコールのエステル交換反応を利用した方法が知られている(特許文献1〜6参照)。
特許文献4には、メチル又はエチル(メタ)アクリレートとアミノアルコールとのエステル交換反応を、テトラブチル、テトラエチル及びテトラ(2−エチルヘキシル)チタネートから選択した触媒の存在下、90℃〜120℃で行い、その後、3回の蒸留、分離等を行う製造方法が開示されている。
また、特許文献6には、アルカリ金属アルコラート又はアルカリ土類金属アルコラートを触媒とし、アクリル酸メチル(a)若しくはメタクリル酸メチル(b)と、アミノアルキルアルコールとからなる反応液を加熱するエステル交換反応によりアミノアルキルアクリレート(c)又はアミノアルキルメタクリレート(d)を製造する方法において、この反応液中に、メタノールに難溶であって該メタノールと最低共沸混合物を形成する共沸剤(n−ヘキサン等)を存在させ、且つ、各エステル化合物(a)、(b)、(c)又は(d)と、アミノアルコール又はメタノールとのミカエル(マイケル)付加物を導入することを特徴とするアミノアルキル(メタ)アクリレートの製造方法が開示されている。
特許文献2に開示された方法によると、テトラn−ブチルチタネート触媒の存在下、n−ブチルアクリレート及びジメチルアミノエチルアルコールを反応させた場合、得られるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート中における、副生物であるN,N’−ジメチルピペラジンの含有割合が高くなるといった問題があった。また、このN,N’−ジメチルピペラジンの沸点(130℃〜133℃)は、原料であるジメチルアミノエチルアルコールの沸点(134.6℃)と近いため、蒸留により分離しにくいといった問題もある。
そのため、連続製造においては、原料ジメチルアミノエチルアルコールを反応器に返送して原単位向上が図られるため、分離できないN,N’−ジメチルピペラジンまで反応器へ返送され、反応器内でN,N’−ジメチルピペラジンが蓄積する。従って、長期間連続製造した場合は、N,N’−ジメチルピペラジンが高濃度で反応器に存在することになり、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの反応性を低下させるという問題があった。
また、特許文献3及び4に開示された方法においても、テトラエチルチタネート触媒の存在下、エチルアクリレート及びジメチルアミノエチルアルコールを反応させた場合、得られるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート中における、副生物であるN,N’−ジメチルピペラジンの含有割合が高くなるといった問題があった。
本発明の目的は、エステル交換反応を利用し、N,N’−ジメチルピペラジンの副生を抑制することにより、連続製造時において、反応器内にN,N’−ジメチルピペラジンの蓄積を抑制した、アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを連続的に製造する方法を提供することにある。
1.ジアルキルアミノアルコールと、メチル(メタ)アクリレートとを用い、副生物であるN,N’−ジメチルピペラジンの含有量が0.1質量%以下であるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート成分を連続的に製造する方法であって、反応器に供給された、上記ジアルキルアミノアルコールと、上記メチル(メタ)アクリレートとからなる原料成分を、触媒であるテトラメチルチタネートの存在下、90℃〜110℃の範囲の温度で反応させ、副生するメタノールを、メチル(メタ)アクリレートとともに共沸留去させながら、反応を進める反応工程と、上記反応工程により得られた反応液を蒸留し、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート及び未反応の原料成分を主として含む第1留出物、並びに、上記触媒を含む第1缶出物を得る第1蒸留工程と、上記第1留出物を蒸留し、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを主として含む第2缶出物を得る第2蒸留工程と、上記第2缶出物を蒸留し、上記ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート成分を第3留出物として得る第3蒸留工程と、上記第1蒸留工程により得られる第1缶出物を、上記反応器に返送する触媒返送工程と、上記第2蒸留工程により得られる、未反応の原料成分を主として含む第2留出物を、上記反応器に返送する未反応原料成分返送工程と、を備え、上記反応器内における、上記ジアルキルアミノアルコール及び上記メチル(メタ)アクリレートのモル比が1:1〜1:2であり、上記反応工程において、上記ジアルキルアミノアルコールから上記ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートへの転化率が30〜95%であることを特徴とするジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの連続製造方法。
2.上記反応工程及び上記第2蒸留工程において、重合抑制剤を用いる上記1に記載のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの連続製造方法。
3.上記重合抑制剤がフェノチアジン、tert−ブチルカテコール及びハイドロキノンから選ばれる上記2に記載のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの連続製造方法。
4.上記第1蒸留工程において、上記反応液に含まれたミカエル付加物が分解される上記1乃至3のいずれかに記載のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの連続製造方法。
上記反応工程において、ジアルキルアミノアルコールからジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートへの転化率が30〜95%である場合には、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを、連続的に且つ効率よく製造することができる。
上記第1蒸留工程において、上記反応液に含まれたミカエル付加物が分解されることにより、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを効率よく製造することができる。
また、上記第1蒸留工程により得られる第1缶出物を、上記反応器に返送する触媒返送工程を備える場合には、触媒であるテトラメチルチタネートを再利用することができ、生産性を向上させることができる。
更に、上記第2蒸留工程により得られる、未反応の原料成分を主として含む第2留出物を、上記反応器に返送する未反応原料成分返送工程を備える場合には、原料成分を無駄なく消費することができ、生産性を向上させることができる。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートを意味する。また、「主として含む」は、その含有量が、80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは95%以上であることを意味する。
上記反応工程は、反応器に供給された、ジアルキルアミノアルコールと、メチル(メタ)アクリレートとからなる原料成分を、触媒であるテトラメチルチタネートの存在下、90℃〜110℃の範囲の温度で反応させ、副生するメタノールを、メチル(メタ)アクリレートとともに共沸留去させながら、反応を進める工程である。
上記ジアルキルアミノアルコールとしては、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、ジプロピルアミノエタノール、ジブチルアミノエタノール、ジペンチルアミノエタノール、ジヘキシルアミノエタノール、ジオクチルアミノエタノール、ジベンジルアミノエタノール、メチルエチルアミノエタノール、メチルプロピルアミノエタノール、メチルブチルアミノエタノール、メチルヘキシルアミノエタノール、エチルプロピルアミノエタノール、エチルブチルアミノエタノール、エチルペンチルアミノエタノール、エチルオクチルアミノエタノール、プロピルブチルアミノエタノール、ジメチルアミノプロパノール、ジエチルアミノプロパノール、ジプロピルアミノプロパノール、ジブチルアミノプロパノール、ブチルペンチルアミノプロパノール等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
この重合抑制剤の使用量は、上記原料成分の全量に対して、好ましくは0.0001〜5.0質量%、より好ましくは0.001〜3.0質量%である。
上記反応器としては、例えば、攪拌機、温度計、圧力計、ジャケットやコイル等の加熱器、並びに、循環型蒸発器、凝縮器、冷却器及び分留塔を備える精留装置が配設された、両鏡円筒胴容器を用いることができる。
また、上記反応器内における、上記ジアルキルアミノアルコール及び上記テトラメチルチタネートのモル比は、好ましくは1:0.0001〜1:0.1、より好ましくは1:0.001〜1:0.05である。上記モル比がこの範囲にあると、エステル交換反応を円滑に進めることができる。
本発明の製造方法においては、後述する、触媒返送工程及び未反応原料成分返送工程を備えるが、これらの工程を行う場合、触媒成分に含まれる触媒の返送量、及び、未反応原料成分に含まれる原料成分の返送量、並びに、上記好ましい反応モル比を考慮し、新たに供給される、上記原料成分、上記触媒及び他の成分の各供給量が決定される。
また、反応により副生したメタノール(MeOH)は、上記精留装置を用いて、原料成分であるメチル(メタ)アクリレート(MA又はMMA)とともに共沸留去させるので、エステル交換反応の進行を妨げることなく、反応器内の組成をほぼ一定としながら反応を進めることができる。この留去されたメチル(メタ)アクリレートを含むメタノールは原料として再使用することも可能である。
上記反応工程は、減圧下で行ってもよい。この場合、反応器内の圧力は、好ましくは500〜760Torrである。尚、反応を減圧下で行う場合、反応温度は、上記圧力下における温度に対応する温度に調整される。
上記反応工程における反応時間(滞留時間)は、反応温度及び触媒の使用量等に依存するが、通常、1〜10時間である。
上記転化率は、下記式により求められる。
上記第1留出物に含有されるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの含有量は、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート及び未反応の原料成分の合計を100質量%とした場合に、通常、20〜80質量%、好ましくは40〜60質量%である。
上記第1缶出物に含有される触媒の含有量は、通常、5〜20質量%である。
上記第2缶出物に含有されるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの含有量は、通常、98.0〜100質量%、好ましくは99.0〜100質量%である。この第2缶出物に含有される他の成分としては、N,N’−ジメチルピペラジン、重合抑制剤等が挙げられる。
上記第2缶出物にN,N’−ジメチルピペラジンが含有される場合、その含有量は、通常、1000質量ppm以下、好ましくは0〜500質量ppmである。
例えば、ジアルキルアミノアルコールとして、ジメチルアミノエチルアルコール(沸点134.6℃)を用い、これを、触媒の存在下、メチルアクリレート(沸点80.0℃)と反応させた場合、得られるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートは、ジメチルアミノエチルアクリレート(沸点172.3℃)である。このとき、第2留出物は、ジメチルアミノエチルアルコール、メチルアクリレート及びメタノール(沸点64.7℃)を主成分としており、これらの沸点が、いずれも、ジメチルアミノエチルアクリレートの沸点よりも大きく下回っているため、第2蒸留工程により得られる第2缶出物は、高純度のジメチルアミノエチルアクリレートを含有する。
そして、上記蒸留塔C3の塔頂部から、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを含み、且つ、N,N’−ジメチルピペラジンの含有量が0.1質量%以下、好ましくは0.01質量%以下(但し、下限は、通常、0質量%)であるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート成分(以下、「第3留出物」ともいう。)を得ることができる。この第3留出物は、実質的に、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートであり、重合抑制剤が一部含まれている場合もある。
また、上記蒸留塔C3の塔底部から、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートよりも沸点の高い重合物等の副生物を含む第3缶出物が得られる。この第3缶出物には、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、重合抑制剤等を含む場合がある。この成分は、廃棄してよいし、必要に応じて、配管を通して、蒸留装置1に返送することができる。
返送される第2留出物と、新たに供給される原料成分とを用いて、連続製造を行うことができる。このとき、新たに供給される原料成分の供給量は、返送される第2留出物の組成に応じて、調整される。
下記の実施例等における、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの収率の算出方法、及び、副生物(N,N’−ジメチルピペラジン)の含有量の測定方法を示す。
(1)収率
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの収率は、下記式により求めた。
(2)副生物(N,N’−ジメチルピペラジン)の含有量
ガスクロマトグラフィー(GC)により、下記条件で分析した。
カラム ; 島津製作所社製「ZB−1」(溶融シリカキャピラリーカラム、 膜厚30μm、内径0.32mm、長さ60m)
カラム温度 ; 60℃→170℃(昇温速度5℃/分),170℃→250℃( 昇温速度20℃/分),250℃で保持
GC注入口温度 ; 350℃
検出器 ; FID
検出器温度 ; 350℃
キャリアガス ; 窒素(流速4.3ml/分、スプリット比1/14)
参考例1(バッチ法による製造)
攪拌機、温度計、並びに、冷却器及び分留塔を備える精留装置が配設された反応器に、645.7g(7.5mol)のメチルアクリレート(MA)と、445.7g(5.0mol)のジメチルアミノエチルアルコールと、22.4g(0.131mol)のテトラメチルチタネートと、2.8gのフェノチアジンとを仕込んだ。次いで、大気圧下、反応器内の原料成分を窒素ガスでバブリングし、また、撹拌しながら加熱を開始した。そして、上記分留塔の塔頂部の温度を62℃〜65℃とし、反応器内の混合原料の温度を90℃〜110℃に維持しながら、エステル交換反応を7時間行った。反応は、副生するメタノールと、反応液中のメチルアクリレートとを還流比10で蒸留し、概ね共沸組成で留去しながら行った。
反応終了後、ジメチルアミノエチルアクリレート(DA)の収率は71.4%であり、ジメチルアミノエチルアルコールからの転化率は75.8%であった。また、ジメチルアミノエチルアクリレートを含む反応液をガスクロマトグラフィー(GC)により分析したところ、副生物であるN,N’−ジメチルピペラジンが検出限界(100ppm)未満であることが分かった。
次いで、反応液中の触媒を、窒素ガス雰囲気下、圧力30Torr及び温度90℃〜100℃の条件で除去し、ジメチルアミノエチルアクリレートを含む留出液708.7gを得た。
その後、この留出液に、1,000ppmのフェノチアジンを加え、冷却器及び分留塔を備える精留装置(理論段15段)を用い、窒素ガス雰囲気下、圧力20Torr、温度70℃〜85℃及び還流比1〜10の条件で、この混合物から、メタノール、メチルアクリレート及びジメチルアミノエチルアクリレートを留去した。そして、窒素ガス雰囲気下、圧力20Torr、温度85℃〜95℃及び還流比1〜2の条件で精留し、486gのジメチルアミノエチルアクリレート成分を得た。最終的なジメチルアミノエチルアクリレートの収率は67.8%であった。また、得られたジメチルアミノエチルアクリレートの純度は99.9%であった。
メチルアクリレート及びテトラメチルチタネートを、それぞれ、ブチルアクリレート及びテトラブチルチタネートに代え、更に、上記分留塔の塔頂部の温度を110℃〜120℃、反応器内の混合原料の温度を120℃〜130℃とした以外は、参考例1と同様にしてジメチルアミノエチルアクリレートを製造した。
7時間反応を行った後、ジメチルアミノエチルアクリレートの収率は73.2%であり、ジメチルアミノエチルアルコールからの転化率は86.7%であった。また、ジメチルアミノエチルアクリレートを含む反応液をガスクロマトグラフィー(GC)により分析したところ、N,N’−ジメチルピペラジンの含有量は2.6%であった。
図1に示す構成の製造装置を用いて、ジメチルアミノエチルアクリレート(DA)の製造を行った。図1は、精留装置が配設された反応器内で原料成分を反応させる反応工程と、反応器より送られた反応液から、ジメチルアミノエチルアクリレート(DA)等を蒸留するための蒸留塔C1を有する蒸留装置1を備える第1蒸留工程と、蒸留装置1より送られた留出物(第1留出物)から、第2缶出物(ジメチルアミノエチルアクリレートを主に含む)と第2留出物とを分留するための蒸留塔C2を有する蒸留装置2を備える第2蒸留工程と、蒸留装置2より送られた第2缶出液を、蒸留塔C3を有する蒸留装置3により蒸留し、高純度のジメチルアミノエチルアクリレートを留出する第3蒸留工程と、を行う製造装置の概略図である。尚、蒸留装置1は、上記第1缶出物(再利用可能な触媒を含む)を反応器へ返送するための触媒返送手段を備える。また、蒸留装置2は、未反応の原料成分を主とする第2留出物を反応器へ返送するための未反応原料成分返送手段を備える。更に、蒸留装置3は、蒸留塔C3の第3缶出物を蒸留装置1へ返送するための有効物返送手段を備える。
反応開始から7時間経過した後、反応器内の反応液をガスクロマトグラフィー(GC)により分析したところ、N,N’−ジメチルピペラジンが検出限界(100ppm)未満であり、ミカエル付加物の含有量の合計は、4.0質量%であった。また、このときのジメチルアミノエチルアルコールからの転化率は60.8%であった。
また、上記蒸留塔C1における第1缶出物のうち、約80%の量に相当する、再利用可能な触媒を含む溶液は、1時間あたり60gの割合で反応器へ返送し、約20%の残部は、1時間あたり1.5gの割合で廃棄した。
メチルアクリレート及びテトラメチルチタネートを、それぞれ、ブチルアクリレート及びテトラブチルチタネートに代え、更に、反応温度を120℃〜130℃、塔頂部の温度を110℃〜120℃とした以外は、実施例1と同様にしてジメチルアミノエチルアクリレートを製造した。
7時間反応を行った後、ジメチルアミノエチルアルコールからの転化率は79.6%であった。また、ジメチルアミノエチルアクリレートを含む反応液をガスクロマトグラフィー(GC)により分析したところ、N,N’−ジメチルピペラジンの含有量は0.8質量%であった。そして、蒸留塔C3の塔頂部から得られたジメチルアミノエチルアクリレートの純度は99.9%であった。
更に、実施例1と同様にして、ジメチルアミノエチルアクリレートの製造を30日間連続で行ったところ、反応液中のN,N’−ジメチルピペラジンの含有量は、1.6質量%であった。
その後、連続製造を継続しながら、反応器中の反応液をサンプリングし、N,N’−ジメチルピペラジンの含有量を測定したところ、製造開始から60日目及び120日目において、反応液中のN,N’−ジメチルピペラジンの含有量は、それぞれ、2.5質量%及び4.1質量%であった。連続製造120日において、N,N’−ジメチルピペラジンの含有量が増加することで、ジメチルアミノエチルアクリレートの生産性が低下したため、製造を停止した。
Claims (4)
- ジアルキルアミノアルコールと、メチル(メタ)アクリレートとを用い、副生物であるN,N’−ジメチルピペラジンの含有量が0.1質量%以下であるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート成分を連続的に製造する方法であって、
反応器に供給された、上記ジアルキルアミノアルコールと、上記メチル(メタ)アクリレートとからなる原料成分を、触媒であるテトラメチルチタネートの存在下、90℃〜110℃の範囲の温度で反応させ、副生するメタノールを、メチル(メタ)アクリレートとともに共沸留去させながら、反応を進める反応工程と、
上記反応工程により得られた反応液を蒸留し、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート及び未反応の原料成分を主として含む第1留出物、並びに、上記触媒を含む第1缶出物を得る第1蒸留工程と、
上記第1留出物を蒸留し、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを主として含む第2缶出物を得る第2蒸留工程と、
上記第2缶出物を蒸留し、上記ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート成分を第3留出物として得る第3蒸留工程と、
上記第1蒸留工程により得られる第1缶出物を、上記反応器に返送する触媒返送工程と、
上記第2蒸留工程により得られる、未反応の原料成分を主として含む第2留出物を、上記反応器に返送する未反応原料成分返送工程と、を備え、
上記反応器内における、上記ジアルキルアミノアルコール及び上記メチル(メタ)アクリレートのモル比が1:1〜1:2であり、
上記反応工程において、上記ジアルキルアミノアルコールから上記ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートへの転化率が30〜95%であることを特徴とするジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの連続製造方法。 - 上記反応工程及び上記第2蒸留工程において、重合抑制剤を用いる請求項1に記載のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの連続製造方法。
- 上記重合抑制剤がフェノチアジン、tert−ブチルカテコール及びハイドロキノンから選ばれる請求項2に記載のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの連続製造方法。
- 上記第1蒸留工程において、上記反応液に含まれたミカエル付加物が分解される請求項1乃至3のいずれかに記載のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの連続製造方法。
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