JP3466904B2 - アルキルアミノ(メタ)アクリレートの製造法 - Google Patents

アルキルアミノ(メタ)アクリレートの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルキルアミノアル
キル(メタ)アクリレートの製造法に関し、詳しくはア
ルキル(メタ)アクリレートとアルキルアミノアルコー
ルとのエステル交換反応によりアルキルアミノ(メタ)
アクリレートを製造する方法に関する。
【0002】本願明細書において、アルキルアミノアク
リレートまたはアルキルアミノアルキルメタクリレート
を、併せてアルキルアミノ(メタ)アクリレートと称す
る。
【0003】ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメ
チルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチ
ルメタクリレート等のアルキルアミノ(メタ)アクリレ
ート、またはそのアミノ基を3級もしくは4級アンモニ
ウム塩とした化合物は、繊維の染色性改良剤;プラスチ
ックの帯電防止剤;塗料における顔料分散剤もしくは紫
外線硬化助剤;繊維処理剤、トナー用樹脂、塗料、潤滑
油添加剤、紙力増強剤、接着剤、イオン交換樹脂、カチ
オン性高分子凝集剤等のモノマー原料などとして用いら
れるものであって、幅広い分野で有用である。
【0004】
【従来の技術】アルキル(メタ)アクリレートとアルキ
ルアミノアルコールとを触媒の存在下エステル交換反応
によりアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを
製造する方法は既に公知である。前記エステル交換反応
用触媒としては、アルカリ金属アルコラート、マグネシ
ウムアルコラート、チタンアルコラート、ジブチルスズ
オキサイド等の錫化合物、あるいはアセチルアセトン等
のアセチルアセトン金属錯体化合物等が知られている。
【0005】また、これらの触媒を使用し、アルキル
(メタ)アクリレートを合成した場合に、かなりの副生
成物が発生することも知られている。副生成物として
は、原料の(メタ)アクリレートや生成物のアルキルア
ミノ(メタ)アクリレートの2重結合の部分に、アルキ
ルアミノアルコール、または、系内で副生するアルキル
アルコールが付加した化合物であって、下記一般式
(4)、(5)、(6)、および(7)で表される化合
物等が挙げられる。
【0006】一般式(4):
【0007】
【化4】
【0008】一般式(5):
【0009】
【化5】
【0010】一般式(6):
【0011】
【化6】
【0012】一般式(7):
【0013】
【化7】
【0014】上記一般式(4)〜(7)中、R1は水素
原子またはメチル基であり、R2は炭素数1〜4のアル
キル基であり、R3は水素原子または炭素数1〜8のア
ルキル基であり、R4は炭素数1〜8のアルキル基であ
り、R5は炭素数1〜4のアルキレン基である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】この副反応生成物の低
減方法として、特開平4−95054号公報にはアミノ
アルコールを反応系内に逐次的に添加する方法がある
が、まだ、完全には抑制出来ていない。
【0016】また、副反応生成物の後処理方法として、
特開平6−256271号公報には副生成物を蒸留によ
って回収し反応に添加する方法、特開平6−27151
7号公報には触媒により分解することが提案されてい
る。しかしながら、前者は高真空で蒸留する必要があ
り、工業的には実施が難しく、後者は反応後、未反応成
分を除去した後、塩基触媒を用いて副反応生成物を分解
させるため、製品を蒸留で得る前に、触媒を中和除去し
なければならず、工程上わずらわしいものであった。
【0017】副反応生成物は、触媒回収時にアルキルア
ミノ(メタ)アクリレートと共に留出し、精製系(軽沸
分回収塔、精留塔)に混入する。また、若干ではあるが
精製系でも発生が認められる。ほとんどの副反応生成物
はアルキルアミノ(メタ)アクリレートよりも高沸点で
あり、精製塔缶出液に濃縮される。このとき、精製塔塔
底で加熱すると可逆反応であるため分解され、アルキル
アミノ(メタ)アクリレートよりも軽沸点成分に変化す
るため、製品中に軽沸点成分が混入し製品純度が低下す
るという問題もあった。
【0018】そこで本発明は、アルキル(メタ)アクリ
レートとアルキルアミノアルコールとをエステル交換反
応させてアルキルアミノ(メタ)アクリレートを製造す
る方法における上記のような問題点を解決するためにな
されたものであり、得られるアルキルアミノ(メタ)ア
クリレートの純度を向上させ、且つ、生成する副生成物
を、簡便で効率良く分離除去でき、原料として収率良く
回収することができるアルキルアミノ(メタ)アクリレ
ートの製造法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この様な問
題に対して鋭意検討を重ねた結果、前記一般式(4)〜
(7)で表されるような副反応生成物は、加熱する温度
等の条件をコントロールして熱による可逆反応を起こさ
せることにより、原料であるアルキルアクリレート、ア
ミノアルコール、および反応して生成するアルキルアミ
ノ(メタ)アクリレートやアルキルアルコールに分解で
きることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0020】すなわち、本発明は、一般式(1):
【0021】
【化8】
【0022】(式中、R1は水素原子またはメチル基で
あり、R2は炭素数1〜4のアルキル基である)で表さ
れるアルキル(メタ)アクリレートと、一般式(2):
【0023】
【化9】
【0024】(式中、R3は水素原子または炭素数1〜
8のアルキル基であり、R4は炭素数1〜8のアルキル
基であり、R5は炭素数1〜4のアルキレン基である)
で表されるアルキルアミノアルコールとを触媒の存在下
にエステル交換反応させて、一般式(3):
【0025】
【化10】
【0026】(式中、各記号は前記と同じである)で表
されるアルキルアミノ(メタ)アクリレートを生成させ
る反応工程(1)と、反応工程(1)で生成したアルキ
ルアミノ(メタ)アクリレートを留出させる蒸留工程
(2)と、蒸留工程(2)で得られた留出液を精留する
精留工程(3)とを有する前記アルキルアミノ(メタ)
アクリレートを製造する方法において、前記精留工程
(3)で得られる缶出液中の副反応生成物を熱分解さ
せ、原料および/またはアルキルアミノ(メタ)アクリ
レートとして回収する回収工程(4)を含むことを特徴
とするアルキルアミノ(メタ)アクリレートの製造法に
関する。
【0027】前記副反応生成物としては、例えば、原料
の(メタ)アクリレートや生成物のアルキルアミノ(メ
タ)アクリレートの2重結合の部分に、アルキルアミノ
アルコール、または、系内で副生するアルキルアルコー
ルが付加した化合物を言い、前記一般式(4)、
(5)、(6)および(7)で表される化合物等が挙げ
られる。
【0028】前記回収工程(4)は、例えば、精留工程
(3)で得られる缶出液を薄層蒸留装置で蒸留した後、
得られる缶出液を60〜130℃で加熱する工程であ
る。
【0029】前記回収工程(4)は、例えば、精留工程
(3)で得られる缶出液を、該液中のアルキルアミノ
(メタ)アクリレート含有量を15重量%〜50重量%
の範囲に調整した後、薄層蒸留装置で蒸留した後、得ら
れる缶出液を60〜130℃で加熱する工程である。
【0030】前記回収工程(4)における加熱後の液
は、薄膜蒸留装置に再び導入することもできる。前記精
留工程(3)は、精留塔の塔底温度を120℃以下に保
持して精留を行う工程を含むことが好ましいものであ
る。
【0031】
【発明の実施の形態】反応工程(1) 本発明に用いられる原料アルキル(メタ)アクリレート
としては、例えばメチルアクリレート、メチルメタクリ
レート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、
n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリート
等を挙げる事ができる。特にメチル、エチル、n−ブチ
ル(メタ)アクリレート使用が好ましい。
【0032】本発明に用いられる原料アルキルアミノア
ルコールとしては、例えばジメチルアミノエタノール、
ジエチルアミノエタノール、ジプロピルアミノエタノー
ル、ジブチルアミノエタノール、ジペンチルアミノエタ
ノール、ジヘキシルアミノエタノール、ジオクチルアミ
ノエタノール、メチルエチルアミノエタノール、メチル
プロピルアミノエタノール、メチルブチルアミノエタノ
ール、メチルヘキシルアミノエタノール、エチルプロピ
ルアミノエタノール、エチルブチルアミノエタノール、
エチルペンチルアミノエタノール、エチルオクチルアミ
ノエタノール、プロピルブチルアミノエタノール、ジメ
チルアミノプロパノール、ジエチルアミノプロパノー
ル、ジプロピルアミノプロパノール、ジブチルアミノプ
ロパノール、ブチルペンチルアミノプロパノール等を挙
げることができる。
【0033】前記原料アルキル(メタ)アクリレートの
使用量は原料アルキルアミノアルコール1モルに対し
て、1.2〜10モル、好ましくは1.5〜5モルの範
囲である。
【0034】原料アルキル(メタ)アクリレートは反応
開始時に一括に仕込んでも良いが、一部を分割して添加
してもかまわない。
【0035】アルキルアミノアルコールは反応系内に添
加する方法が操作上好ましいが、反応開始時に仕込む必
要はないが、一部を反応開始時に仕込んでもかまわな
い。この場合のアルキルアミノアルコールのモル濃度は
反応系内の25モル%以下、好ましくは15モル%以
下、さらに好ましくは10モル%以下の範囲である。
【0036】アルキルアミノアルコールの添加時間は、
使用する原料及び量、圧力、温度、触媒等によって変わ
る。添加開始は、通常反応開始と同時に始めて良く、反
応系内のアルキルアミノアルコール濃度が25モル%以
下、好ましくは15モル%以下、さらに好ましくは10
モル%以下に保つように添加する。
【0037】本発明の方法に用いられる触媒としては、
公知の物であればどれでもよくチタンアルコラート、ア
ルミニウムアルコラート、マグネシウムアルコラート、
有機錫化合物、ジルコニウム化合物、亜鉛化合物、鉛化
合物、タリウム化合物等を挙げることができる。とくに
ジブチル錫オキシド、ジオクチル錫オキシドのような有
機錫化合物が選択率の面から好ましい。触媒の使用量は
アルキル(メタ)アクリートとアルキルアミノアルコー
ルの総量に対して、0.01〜10重量%の範囲であ
り、より好ましくは0.02〜5重量%の範囲である。
【0038】反応に際しては、通常、原料及び生成物の
重合を防止するため、酸素含有ガスの液相部への吹き込
む、重合禁止剤を添加する等の方法が用いられる。
【0039】前記酸素含有ガスとしては、空気、酸素、
空気の不活性ガスでの希釈ガスが用いられ、不活性ガス
としては窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。使
用する酸素含有ガスとしては空気、空気を窒素で希釈し
たガスが安価で好ましい。
【0040】前記酸素含有ガス中の水分濃度は0.00
01〜0.25容量%、好ましくは0.001〜0.1
5容量%、さらに好ましくは0.01〜0.05容量%
の範囲である。水分が0.0001よりも少なければよ
り好ましいが、高価となってしまい工業的な使用は難し
い。水分量が多いと触媒の失活や生成したアルキルアミ
ノ(メタ)アクリレートの加水分解を引き起こす。
【0041】前記酸素含有ガスの吹き込み量としては、
使用する酸素含有ガスの種類及びアルキル(メタ)アク
リレートにより異なるが、気相部で燃焼範囲に入らない
ガス量が好ましく、さらに好ましくは反応蒸留における
塔頂蒸気に対し酸素として0.01容量%から2容量%
である。
【0042】前記重合禁止剤としては、フェノチアジ
ン、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル、ジ−t−ブチルカテコール、フェニル−β−ナフチ
ルアミン、パラフェニレンジアミン等で、これらの化合
物の1種あるいは2種以上が使用される。
【0043】これらの使用量は全仕込重量に対して0.
005〜2重量%、好ましくは0.01〜1重量%の範
囲で使用される。
【0044】これら重合禁止剤は、前記酸素含有ガスと
併用することがより好ましい。
【0045】本発明の反応温度は40〜150℃、好ま
しくは60〜140℃の範囲で行なう事ができる。反応
は通常常圧で行なうが、必要に応じ減圧又は加圧下でも
行なう事ができる。
【0046】溶媒は用いる必要は無いが、使用する事も
可能である。溶媒を用いる場合は、エステル交換反応で
生成するアルキルアルコールと共沸混合物を生成する不
活性溶媒、例えばヘキサン、ベンゼン、トルエン、シク
ロヘキサンなどの存在下に反応を行なう事ができる。
【0047】目的物を高収率で得るためには、エステル
交換反応で生成するアルキルアルコールを反応系外へ除
外することが望ましい。具体的には未反応の(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルと、又は溶媒との共沸蒸留に
より系外へ除去することができる。
【0048】蒸留工程(2) 蒸留工程(2)では、反応工程(1)の途中もしくは後
に得られた反応液を、まず未反応のアルキル(メタ)ア
クリレートおよびアルキルアミノアルコールを留出せし
め、ついで粗製の目的物であるアルキルアミノ(メタ)
アクリレートを留出させ、一方、使用した触媒を缶出液
として得られる。
【0049】蒸留条件としては、装置、操作条件などに
は特には制限はなく、反応液から軽沸点成分の原料やア
ルキルアミノ(メタ)アクリレートなどを触媒から分離
するに適当な条件で操作すればよく、通常減圧下にバッ
チ式蒸留(蒸発)法、蒸留(蒸発)装置を2つ以上用い
た連続式蒸留法が採用される。
【0050】蒸留装置を2つ用いた連続蒸留法の場合、
まず反応液を第一蒸留器に供給し、頂部からアルキル
(メタ)アクリレートを留出させ、次いで第一蒸留器か
らの缶出液を第二蒸留器に供給して蒸留し、頂部からア
ルキルアミノ(メタ)アクリレートなどを留出させ、底
部から触媒を分離すれば良い。
【0051】上記第一蒸留器における蒸留は、塔底温度
60から120℃、塔底滞留時間1から2時間の条件下
で行うのが良い。
【0052】また、上記第二蒸留器における蒸留は、塔
底温度60から120℃、塔底滞留時間2から1時間の
条件下で行うのが良い。特に、上記第二蒸留器として、
薄層蒸留器を用いると、滞留時間を短縮でき、マイケル
付加物の増加を効果的に抑制できるので好ましい。
【0053】蒸留工程(2)の重合防止を目的として、
酸素含有ガスの液相部への吹き込む、重合防止剤の蒸留
塔冷却器への投入等の方法が採用される。
【0054】酸素含有ガスとしては触媒の失活防止およ
び生成したアルキルアミノ(メタ)アクリレートの加水
分解を防止する目的で、前記反応時の酸素含有ガスが採
用される。酸素含有ガスの液相部への吹き込み量は気相
部で燃焼範囲に入らないガス量が好ましく、さらに好ま
しくは反応蒸留における塔頂蒸気に対し酸素として0.
01容量%から2容量%である。
【0055】前記重合禁止剤としては、フェノチアジ
ン、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル、ジ−t−ブチルカテコール、フェニル−β−ナフチ
ルアミン、パラフェニレンジアミン等で、これらの化合
物の1種あるいは2種以上が使用される。
【0056】これらの使用量は塔頂留出重量に対して
0.001〜2重量%、好ましくは0.01〜1重量%
の範囲で使用される。酸素含有ガスの吹き込みと併用す
ることが好ましい。
【0057】回収した触媒溶液はそのまま反応に使用し
て差し支えないが、反応を繰り返すにつれ、活性が低下
する。このため、適宜触媒を廃棄する必要がある。
【0058】精留工程(3) 通常、粗製の目的物であるアルキルアミノ(メタ)アク
リレートは未反応の原料および高沸点不純物を含有して
いるため蒸留により精製される。
【0059】蒸留の方法としてはバッチ蒸留および蒸留
装置を2つ以上有し軽沸点物分離塔での軽沸蒸留工程、
精留塔での精製工程を行う連続蒸留が採用される。
【0060】軽沸点物分離塔では、装置、操作条件など
に特に制限は無く、蒸留工程(2)からのアルキルアミ
ノ(メタ)アクリレートを含んだ留出液から軽沸点成分
を分離するに好適な条件で操作すればよく、通常、多段
式蒸留塔を用い、20〜500mmHgの減圧下、塔頂
温度60〜140℃、還流比0.5〜30の条件下に蒸
留を行う。
【0061】軽沸点物分離塔からの、主としてアルキル
アミノ(メタ)アクリレートを含む缶出液は精留塔に供
給し、ここで精留して製品アルキルアミノ(メタ)アク
リレートを得る。精留塔の操作条件などは特に制限が無
く、通常、多段式蒸留塔を用い、5〜150mmHgの
減圧下、塔頂温度30〜100℃の温度、還流比0.3
〜10の条件下に蒸留を行えばよい。
【0062】蒸留精製時の重合防止として、酸素含有ガ
スの液相部への吹き込み及び重合防止剤の蒸留塔冷却器
への投入等が採用される。
【0063】酸素含有ガスと併用する重合禁止剤として
は、フェノチアジン、ハイドロキノン、ハイドロキノン
モノメチルエーテル、ジ−t−ブチルカテコール、フェ
ニル−β−ナフチルアミン、パラフェニレンジアミン等
で、これらの化合物の1種あるいは2種以上が使用され
る。
【0064】これらの使用量は全仕込重量に対して0.
005〜2重量%、好ましくは0.01〜1重量%の範
囲で使用される。
【0065】蒸留精製時の重合防止として、酸素含有ガ
スの液相部への吹き込み及び重合防止剤の蒸留塔冷却器
への投入等が採用される。
【0066】酸素含有ガスと併用する重合禁止剤として
は、ハイドロキノンモノメチルエーテルが使用される。
【0067】これらの使用量は全仕込重量に対して0.
005〜2重量%、好ましくは0.01〜1重量%の範
囲で使用される。
【0068】精留工程塔の塔底部では、副反応生成物が
濃縮されるため、加熱時間が長くなると分解反応が起こ
り、発生した軽沸点原料などがアルキルアミノ(メタ)
アクリレートと共に留出し、製品純度を低下させてしま
う。このため、高沸点副反応物の滞留時間を減らす必要
があり、缶出液中のアルキルアミノ(メタ)アクリレー
ト濃度を10重量%から60重量%、特に15重量%か
ら50重量%に調整することが好ましい。
【0069】また、その調整後の缶出液は、薄膜蒸発装
置で濃縮しアルキル(メタ)アクリレートを回収するこ
とが、滞留時間を短縮でき、マイケル付加物の増加を効
果的に抑制できる点で好ましい。
【0070】また、この精留工程における副反応生成物
の分解を抑制するため、塔底部での温度を通常120℃
以下、好ましくは115℃以下の温度で蒸留することが
好ましい。
【0071】回収工程(4) 精留塔缶出液中には、通常、10重量%から60重量%
のアルキルアミノ(メタ)アクリレートおよび40重量
%から90重量%の副反応生成物が含有されている。そ
こで、回収工程(4)では、前記精留工程(3)で得ら
れる缶出液を加熱することにより、缶出液中の副反応生
成物を熱分解して、原料のアルキル(メタ)アクリレー
ト、アルキルアミノアルコール、目的物のアルキルアミ
ノ(メタ)アクリレート等として回収する。
【0072】前記缶出液の加熱には、薄膜蒸留装置を使
用することが、前記副反応生成物の分解と分解生成物の
回収を効率良く行える点で好ましい。前記薄膜蒸留装置
の蒸発器としては、攪拌薄膜蒸発器が好ましく、縦形ま
たは横形のものが使用可能である。熱媒としてはスチー
ム、オイル等が用いられる。操作圧力は10Torrか
ら50Torrで、攪拌薄膜蒸発器の外筒内温度はアル
キルアミノ(メタ)アクリレートの操作圧力での沸点の
20℃から50℃高い温度が好ましい。
【0073】薄膜蒸発器の操作条件に特に制限は無く、
液膜の厚み、滞留時間は公知の操作条件で行って差し支
えない。
【0074】薄膜蒸発装置の缶出液は、まだ多量の副反
応生成物を有しているため、加熱処理タンクに入れ、さ
らに加熱分解処理を行い再び薄膜蒸発器に戻して軽沸点
分解物を回収するのが好ましい。
【0075】加熱処理タンクの加熱温度は60℃から1
30℃、好ましくは80℃から120℃である。60℃
よりも低いと加熱分解反応がほとんど進行せず、130
℃よりも高温になると、わずかに残存しているアルキル
アミノ(メタ)アクリレート、分解生成したアルキルア
クリレートなどの重合が進行する。
【0076】加熱処理時間は特に制限はないが、長時間
加熱処理するとタンクが大きくする必要が出来るため経
済的に不都合が生じる。このため、30分間から30時
間好ましくは1時間から10時間の加熱処理が望まし
い。
【0077】加熱処理された液は、再び前記薄膜蒸留装
置に導入することにより、塔頂からアルキルアミノ(メ
タ)アクリレートを回収することもできる。
【0078】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳しく説明す
る。
【0079】なお、実施例中のアルキルアミノ(メタ)
アクリレートの収率は、以下の式により算出したもので
ある。
【0080】アルキルアミノ(メタ)アクリレートの収
率(%)=((生成したアルキルアミノ(メタ)アクリ
レートのモル量)÷((原料として仕込んだアルキルア
ミノアルコールのモル量)−(回収したアルキルアミノ
アルコールのモル量)))×100 実施例1 (反応工程(1))攪拌機、温度計、空気吹き込み管及
び分留塔を備えた内容積3Lフラスコに、ジメチルアミ
ノエタノール159.9部(1.8モル)、アクリル酸
メチル1549.5部(18.0モル)、触媒としてジ
ブチルスズオキサイド16.0部、重合禁止剤として、
フェノチアジン8.7部を込み、空気を塔頂蒸気に対し
0.5vol%で吹き込みを行い、常圧で攪拌しながら
加熱した。還留開始後、反応系内のジメチルアミノエタ
ール濃度が10モル%を越さないように、ジメチルアミ
ノエタノール641.7部(7.2モル)を添加した。
添加時間は4時間であった。生成したメタノールは、分
留塔の塔頂温度を62〜70℃に維持して還留比0.5
〜5.0でメタノール/メチルアクリレート共沸物とし
て留出させた。反応は8時間で終了し反応液の分析を行
ったところ、ジメチルアミノエタノールの転化率95
%、選択率98%であった。
【0081】(蒸留工程(2))反応工程(1)で得た
缶出液を、攪拌機、温度計、空気吹き込み管及び分留塔
を備えた内容積3Lフラスコにいれ、AIRを塔頂蒸気
に対し0.5vol%、圧力を常圧〜100mmHg、
釜内温度75〜90℃で、アクリル酸メチルを主に含有
する液を留出せしめた。ついで得られた缶出液を、圧力
20mmHg、加熱蒸気130℃で留出させ、アクリル
酸ジメチルアミノエチルエステルを73重量%含有する
液を得た。
【0082】缶底からはジブチルスズオキシドおよびフ
ェノチアジンを含有した液を得た。この液は次の反応に
触媒溶液として用いた。
【0083】(精留工程(3))蒸留工程(2)で得た
ジメチルアミノエチルアクリレートを73%含有する液
を蒸留装置(φ32mmオルダーショウ)を用いて、4
0mmHgの減圧下で蒸留を行った。空気を上昇蒸気に
対し0.5vol%、塔頂温度50℃でメチルアクリレ
ートやジメチルアミノエタノールを取り出し、塔底から
ジメチルアミノエチルアクリレートを93%含有する液
を得た。
【0084】ついで、塔底より得られた液を、蒸留装置
(φ32mmオルダーショウ)を用いて、空気を塔頂蒸
気量に対し0.5vol%、25mmHgの減圧下で蒸
留を行った。塔頂温度76〜79℃でジメチルアミノエ
チルアクリレートを得た。留出した製品の純度は99.
93重量%であった。
【0085】一方塔底からジメチルアミノエチルアクリ
レート21重量%と高沸点不純物(反応副生成物)79
重量%とを含有する液を得た。
【0086】(回収工程(4))精留工程(3)で得ら
れたジメチルアミノエチルアクリレートを21重量%含
有する塔底液を薄層蒸留装置を用いて、25mmHgの
減圧下で蒸留を行った。塔頂温度76〜79℃でジメチ
ルアミノエチルアクリレート50重量%を含有する液を
留出させ、塔底からジメチルアミノエチルアクリレート
5重量%と高沸点不純物(反応副生成物)90重量%と
を含有する缶出液を得た。
【0087】さらに、この缶出液を加熱処理タンクに入
れ100℃で3時間加熱処理を行った。高沸点不純物
(反応副生成物)は熱分解され、メチルアクリレート
0.1重量%、ジメチルアミノエタノール0.2重量
%、ジメチルアミノエチルアクリレート5.2重量%の
組成の液を得た。この液を再び薄層蒸留器に導入し、塔
頂から回収した。その結果ジメチルアミノエチルアクリ
レートの収率は、94モル%であった。
【0088】実施例2 実施例1において、回収工程4で薄層蒸留器の缶出液を
加熱処理タンクで120℃3時間加熱処理した他は同様
に行った。この缶出液中の高沸点物(反応副生成物)は
熱分解され、メチルアクリレート0.3重量%、ジメチ
ルアミノエタノール0.5重量%、ジメチルアミノエチ
ルアクリレート6.0重量%を得た。この液を再び薄層
蒸留器に導入し、塔頂から回収した。その結果ジメチル
アミノエチルアクリレートの収率は、94モル%であっ
た。
【0089】比較例1 実施例1において、精留工程3で缶出液中のジメチルア
ミノエチルアクリレート濃度が90重量%になるように
濃縮したところ、留出したジメチルアミノエチルアクリ
レートの純度は99.82重量%であった。
【0090】ジメチルアミノエチルアクリレートの収率
は、92モル%であった。
【0091】
【発明の効果】本発明を用いれば、(メタ)アクリレー
トとアルキルアミノアルコールとをエステル交換反応さ
せてアルキルアミノ(メタ)アクリレートを製造する際
に、得られるジアルキルアミノ(メタ)アクリレートの
純度を向上させ、且つ、生成する副生成物を、簡便にか
つ効率的に分離除去でき、原料や目的物として収率良く
回収することができるという効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 219/08 C07C 213/06 C07C 213/10 C07C 69/54 C07C 67/54

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2は炭
    素数1〜4のアルキル基である)で表されるアルキル
    (メタ)アクリレートと、一般式(2): 【化2】 (式中、R3は水素原子または炭素数1〜8のアルキル
    基であり、R4は炭素数1〜8のアルキル基であり、R5
    は炭素数1〜4のアルキレン基である)で表されるアル
    キルアミノアルコールとを触媒の存在下にエステル交換
    反応させて、一般式(3): 【化3】 (式中、各記号は前記と同じである)で表されるアルキ
    ルアミノ(メタ)アクリレートを生成させる反応工程
    (1)と、 反応工程(1)で生成したアルキルアミノ(メタ)アク
    リレートを留出させる蒸留工程(2)と、 蒸留工程(2)で得られた留出液を精留する精留工程
    (3)とを有する前記アルキルアミノ(メタ)アクリレ
    ートを製造する方法において、 前記精留工程(3)で得られる缶出液中の副反応生成物
    を熱分解させ、原料および/またはアルキルアミノ(メ
    タ)アクリレートとして回収する回収工程(4)を含む
    ことを特徴とするアルキルアミノ(メタ)アクリレート
    の製造法。
  2. 【請求項2】 前記回収工程(4)が、精留工程(3)
    で得られる缶出液を薄層蒸留装置で蒸留した後、得られ
    る缶出液を60〜130℃で加熱する工程である請求項
    1に記載の製造法。
  3. 【請求項3】 前記回収工程(4)が、 精留工程(3)
    で得られる缶出液を、該液中のアルキルアミノ(メタ)
    アクリレート含有量を15重量%〜50重量%の範囲に
    調整した後、薄層蒸留装置で蒸留した後、得られる缶出
    液を60〜130℃で加熱する工程である請求項1に記
    載の製造法。
  4. 【請求項4】 前記回収工程(4)における加熱後の液
    を、薄膜蒸留装置に再び導入する請求項1から3のいず
    れかに記載の製造法。
  5. 【請求項5】 前記精留工程(3)が、精留塔の塔底温
    度を120℃以下に保持して精留を行う工程である請求
    項1から4のいずれかに記載の製造法。
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