JP2003206277A - 2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンの製造方法 - Google Patents

2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンの製造方法

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JP2003206277A
JP2003206277A JP2002003213A JP2002003213A JP2003206277A JP 2003206277 A JP2003206277 A JP 2003206277A JP 2002003213 A JP2002003213 A JP 2002003213A JP 2002003213 A JP2002003213 A JP 2002003213A JP 2003206277 A JP2003206277 A JP 2003206277A
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crude reaction
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Toshisumi Miura
俊澄 三浦
Tatsumi Matsushita
達巳 松下
Makoto Matsuoka
誠 松岡
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】高純度の2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリドンの高収率でかつ従来の方法に比べて環境への
負荷が小さい製造方法の提供。 【解決手段】触媒の存在下、アセトン及び/又はアセト
ン縮合物とアンモニアとを反応させて得られる粗反応液
を用いる2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリド
ンの製造方法において、(1)粗反応液を、強アルカリ
水溶液を用いて処理して、2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリドンを含む油層を分離回収する第1工
程、(2)次いで、回収した油層を、新たな強アルカリ
水溶液を用いて処理して、2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリドンを含む油層を、強アルカリを含む水
層とともに分離回収する第2工程、(3)第2工程で回
収された強アルカリを含む水層を新たな粗反応液を処理
する第1工程の強アルカリ水溶液として再使用すること
を特徴とする2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リドンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリドン(トリアセトンアミ
ン。以下TAAと略記する場合がある。)の製造方法に
関する。さらに詳しくは、高純度なTAAを高い収率で
得ることができるTAAの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 TAAは重合禁止剤や高分子化合物の
光安定剤の中間体として用いられる有用な化合物であ
る。TAAの製造方法としては、触媒の存在下にアセト
ン及び/又はアセトン縮合物とアンモニアとを反応させ
て得られる粗反応液、又は2,2,4,4,6―ペンタ
メチル―2,3,4,5−テトラヒドロピリミジン(ア
セトニン。以下ACNと略記する場合がある。)を水の
存在下で反応させて得られる粗反応液を用いる方法が知
られている。
【0003】前記方法で得られた粗反応液よりTAAを
製造する方法としては、水を加えて水和物として再結
晶する方法(特公昭59-6852号公報、特公昭59-29589号
公報、特公昭62-41504号公報等の実施例に例示)、酸
を加えて塩として単離する方法(特開昭54-88275号公報
の実施例に例示)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムなどの強アルカリ水溶液を加えた後、水層を除去し油
層を蒸留する方法(特公昭62-41504号公報、特開昭56-1
54460号公報、特開昭62-212364号公報、特許3073291号
公報等、多数の実施例に例示)、粗反応液から低沸物
を除いた後、アルカリ処理し蒸留する方法(特開昭62-1
32858号公報、特開昭62-212364号公報)、アルカリ水
溶液を加えた後、有機溶媒を加えて生成物を抽出分離
し、得られた抽出液を蒸留により粗製品とした後、晶析
させて得られた粗結晶を有機溶媒で洗浄する方法(特開
平4-154763号公報)、強アルカリ水溶液を加えて触媒
を抽出除去した油層に弱アルカリ水溶液加えて油層を洗
浄した後、油層を蒸留する方法(特開2001-31651号公
報)等が知られている。
【0004】しかしながら、の方法は、得られるTA
Aの純度は高いが、回収率が悪い。の方法は、晶析し
て得られた塩を弱アルカリ水溶液等で中和する必要があ
り、操作が煩雑になる。の方法は、酸触媒の存在下で
蒸留するため、TAAが高沸点化物になりやすく、その
ため収量低下を来す。さらに、蒸留後に触媒抽出し、再
び蒸留するため製造工程が複雑で、操作も煩雑である。
、及びの方法は、晶析とそれに伴う個液分離が必
要であるため、製造工程が複雑であり、操作が煩雑であ
る。及びの方法は、他の方法に比べ工程数が少なく
精製収率の低下が比較的少なく有利であるが、これらの
方法も、触媒の除去、或いはそれに続く油層洗浄用のア
ルカリ水溶液を新規に調整して使用するため、廃棄され
る廃液量が多くなるため、廃液処理に伴う製造コストの
増加、処理後の廃液の環境への負荷が大きいという問題
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、触媒
の存在下にアセトン及び/又はアセトン縮合物とアンモ
ニアとを反応させて得られる粗反応液、又は2,2,
4,4,6―ペンタメチル―2,3,4,5−テトラヒ
ドロピリミジンを水の存在下で反応させて得られる粗反
応液を用いる2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リドンの製造方法であって、高純度な2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリドンを高い収率で得ることが
でき、かつ従来の方法に比べて環境への負荷が小さい製
造方法を提供することにある。
【0006】本発明者らは、上記課題を解決すべく前述
の及びの方法について、鋭意検討を重ねた結果、前
述のの方法において、2回目の油層洗浄液に用いる弱
アルカリ水溶液の替わりに1回目の洗浄に用いる強アル
カリ水溶液を用い、2回目の洗浄で回収される洗浄液を
新たな粗反応液中の触媒成分を抽出除去するための1回
目の洗浄用強アルカリ水溶液として再使用できること、
また、該洗浄用強アルカリ水溶液を再使用してもTAA
の最終的な収率に影響を与えないこと、更には、前述の
の方法でより得られるTAAを含む油層を蒸留精製し
た場合と同様に、本発明により得られるTAAを含む油
層を蒸留精製した場合にも、蒸留精製に用いた蒸留塔の
塔底に残留物は見られず、触媒の抽出及び油層洗浄効果
に遜色のないことを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、触
媒の存在下、アセトン及び/又はアセトン縮合物とアン
モニアとを反応させて得られる粗反応液、又は2,2,
4,4,6―ペンタメチル―2,3,4,5−テトラヒ
ドロピリミジンを水の存在下で反応させて得られる粗反
応液用いる2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ドンの製造方法において、(1)粗反応液を、反応で使
用された触媒に対して1.0〜6.5当量の強アルカリ
を含有する強アルカリ水溶液を用いて処理して、2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンを含む油層
を分離回収する第1工程、(2)次いで、回収した油層
を、反応で使用された触媒に対して1.0〜6.5当量
の強アルカリを含有する新たな強アルカリ水溶液を用い
て処理して、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リドンを含む油層を、強アルカリを含む水層とともに分
離回収する第2工程、(3)第2工程で回収された強ア
ルカリを含む水層を新たな粗反応液を処理する第1工程
の強アルカリ水溶液として再使用することを特徴とする
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンの製造
方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる粗反応液としては、触媒の存在下、アセ
トン及び/又はアセトン縮合物とアンモニアとを反応さ
せて得られる粗反応液、あるいは、アセトニンを水存在
下反応させて得られる粗反応液が用いられる。
【0009】本発明に用いられる粗反応液は、触媒の存
在下、アセトン及び/又はアセトン縮合物とアンモニア
とを反応させて得られる。触媒としては、有機若しくは
無機のプロトン酸、これらのアンモニアとの塩(特開昭
62-41504号公報)が用いられる。具体的には、例えば、
硫酸、硫酸水素アンモニウム、塩化アンモニウム、臭化
アンモニウム、酢酸アンモニウム等が挙げられる。これ
らのうち、廉価な塩化アンモニウムが好ましい。アセト
ン縮合物としては、例えばメシチルオキシド、ジアセト
ンアルコール、ホロン、イソホロン、ジアセトンアミン
及びアセトニンが挙げられる。また、粗反応液は、アセ
トニン(ACN)を水の存在下で反応させて得ることも
できる。ACNはアセトンとアンモニアとの縮合反応に
よって得られるが、縮合反応により得られた反応液をそ
のまま粗反応液として用いてもよいし、ACNを該反応
液から単離した後、ACNを水存在下で反応させて得ら
れる反応液を粗反応液としてもよい。反応時間を短縮す
るためには、ACNを単離せずに用いるのが好ましい。
【0010】本発明の第1工程および第2工程で用いる
アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等の強アルカリ水溶液が挙げられる。第1工程お
よび第2工程で異なる種類の強アルカリを用いても良い
が、同じ種類の強アルカリを用いたほうが製造のための
原料数を削減できるメリットがあるので好ましい。TA
Aを含む油層から触媒を抽出除去するために強アルカリ
水溶液を用いることは、その塩析効果を利用できること
から好ましい。また塩析効果を利用して、触媒抽出除去
効率を向上させるためには、強アルカリ水溶液中のアル
カリの濃度は、抽出温度に於ける飽和溶解度に近いもの
が望ましく、例えば、水酸化ナトリウム水溶液では40
〜50重量%が好ましい。工業的に容易に入手可能であ
る48重量%の水酸化ナトリウム水溶液は好ましい。ア
ルカリ濃度が40重量%より低くなると塩析効果が低下
し、油層への水分の残存量が増えて触媒除去効率が低下
するばかりでなく、使用した強アルカリも油層に残存す
るので、好ましくない。強アルカリ水溶液中のアルカリ
の添加量は、通常、粗反応液中に含まれる触媒と等モル
以上必要であり、触媒に対して、1.0〜6.5モル倍
量が好ましい。より好ましくは2.0〜2.5モル倍量
である。
【0011】第1工程の粗反応液及び第2工程のTAA
を含む油層を強アルカリ水溶液で処理する際の温度は、
通常、縮合反応の温度と同じ温度で行えばよい。抽出効
率、TAAの分解抑制の面から、好ましくは、50〜5
5℃がよい。
【0012】本発明の第1工程の粗反応液を強アルカリ
水溶液で処理して回収されるTAAを含む油層中には触
媒が少量残存している。例えば、TAAの製造に触媒と
して塩化アンモニウムを用いた場合、第1工程で強アル
カリ処理して回収されるTAAを含む油層中には塩素イ
オン換算で100〜200ppm程度の触媒が残留して
いるが、第2工程において、第1工程で回収されるTA
Aを含む油層を処理するために用いられる新たな強アル
カリ水溶液は、該油層中に残存する100〜200pp
m程度の触媒を除去するためにのみ用いられることとな
るので、第2工程で回収される強アルカリ水溶液(洗浄
液)は新たな粗反応液の処理に用いられる第1工程のア
ルカリ水溶液として十分使用可能であることが判明し
た。第2工程で回収されるアルカリ水溶液(洗浄液)
は、新たな粗反応液の第1工程で用いるアルカリ水溶液
として、全量あるいは一部を第1工程のリサイクルして
用いることができる。
【0013】本発明の一実施態様を例示する。例えば、
反応器から抜き出した粗反応液を、撹拌翼付き洗浄槽に
送液し、バッチ方式で、(1)常圧下、撹拌しながら粗
反応液に強アルカリ水溶液を添加して30分間撹拌した
後、30分間静置して油層を分離し、水層は、洗浄槽の
下層から抜き出し廃液処理工程へ送る。(2)次いで、
洗浄槽中の油層に新たな強アルカリ水溶液を添加し、
(1)と同様に30分間撹拌した後、30分間静置して
油層と水層をそれぞれ分離回収する。通常、該油層は蒸
留精製工程へ送られTAAが回収される。一方、回収さ
れる該水層は新たな粗反応液を処理するための強アルカ
リ水溶液として再使用する。
【0014】本発明の第2工程で回収される強アルカリ
水溶液は、新たな粗反応液に含まれる触媒を抽出する能
力を有する限り、粗反応液を処理するために繰り返し使
用することができる。
【0015】本発明に用いる粗反応液を得るにあたり、
触媒として、ハロゲン系触媒を用いた場合、通常、化学
プラントで装置材料の材質として使用されることが多い
SUS316Lに対して、粗反応液は腐食性を有する。
一方、触媒を抽出除去し洗浄する工程では、腐食性のあ
る粗反応液にアルカリ水溶液を添加するため、粗反応液
及びアルカリ水溶液との混合物の接液部の材質はハロゲ
ンイオンに対する耐食性と共に、アルカリに対する耐食
性も必要であるが、本発明に用いる粗反応液及びアルカ
リ水溶液との混合物の接液部の材質として、Ti系合金
に加えて、SUS316Lもまた、前述のハロゲンイオ
ン及びアルカリに対して耐食性を有することが判明し
た。また、これらに付属する配管類は、SUS316L
またはTi系合金に加えて、フッ素樹脂(ポリ四弗化エ
チレン等)が好ましく用いられる。なお、SUS316
Lの代表的な成分は、主成分のFeとCr;17重量
%、Ni;13.5重量%、Mo;2.5重量%からな
る。
【0016】
【実施例】次に本発明を、実施例を用いて更に詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定され
るものではない。
【0017】〔TAAを含む粗反応液の製造例〕アセト
ン400g、塩化アンモニウム12.3g、水13.5
g、及び液体アンモニア21.5gを1Lのオートクレ
ーブに仕込み、反応温度65℃で6時間保持してTAA
を含む粗反応液439gを得た。
【0018】〔実施例1〕(強アルカリ水溶液の再使用
0回目) TAAの製造例より得られた粗反応液400gを、1L
のジャケット付セパラブル分液ロートに仕込み、粗反応
液を撹拌しながら内温を50℃に調整して、48重量%
の水酸化ナトリウム水溶液37.3gを添加し、30分
間撹拌を続けた後、撹拌を止め、内温を50℃で維持し
ながら30分間静置した。分離した水層(水層)を、
分液ロート下部抜き出しコックより抜き出した。引き続
いて分液ロート内に残った油層(油層)に、新たに4
8重量%の水酸化ナトリウム水溶液37.3gを添加
し、上記と同様に、内温50℃を維持しながら30分間
撹拌、30分間静置し、分離した水層(水層)を、分
液ロート下部抜き出しコックより抜き出した。水層部分
(水層;洗浄液)57gを回収し、洗浄後油層(油層
)335gを得た。この油層をガスクロマトグラフ
ィで分析して、TAA104.9g含有を確認した。ま
た、油層及び油層中のCl-量をイオンクロマトグ
ラフィで、水層中のアセトン及びTAAをガスクロマ
トグラフィでそれぞれ分析した結果を表1及び表2に示
した。
【0019】上記油層300g(TAA含量93.8
g)を、ガラス製充填塔(HELIPAK No.3充填)を取り付
けた500mlフラスコに仕込み、釜液温度120℃、
還流比1で常圧蒸留して未反応アセトン及び水等の混合
留分131gを留去した。次いで、真空度を760To
rrから徐々に20Torrまで上げて行き、還流比4
〜10で蒸留して、ACN等のTAAより低沸点のアセ
トン縮合物の低沸点留分47g(TAA含量3.1g)
と、主留分90g(TAA純度96.7重量%)を得、
蒸留塔々底に残った釜液29g(TAA含量1.8g)
を得た。主留として得られたTAA収率は93.2%、
蒸留全体での重量収支は98.9%、TAA収支は9
8.5%であった。この時の釜残液中のCl-量をイオ
ンクロマトグラフィで分析した結果を、表1に示した。
なお、スラッジの生成は認められなかった。
【0020】〔実施例2〕 (強アルカリ水溶液の再使
用1回目) 前記〔TAAを含む粗反応液の製造例〕と同様にして得
た反応粗液400gを、1Lのジャケット付セパラブル
分液ロートに仕込み、粗反応液を撹拌しながら内温を5
0℃に調整して、前記実施例1で得られた水層(洗浄
液)を全量添加して、30分間撹拌を続けた後、撹拌を
止めて、内温を50℃で維持しながら30分間静置し、
水層を(水層)分液ロート下部抜き出しコックより抜
き出した。引き続き、分液ロート内に残った油層(油層
)に、新たに48重量%の水酸化ナトリウム水溶液3
7.3gを添加し、前記実施例1と同様に、内温50℃
を維持しながら30分間撹拌、30分間静置し、分離し
た水層(水層;洗浄液)を、分液ロート下部抜き出し
コックより抜き出した。回収された水層は62g、分
液ロート内に残った洗浄油層(油層)は340gであ
った。油層及び油層中のCl-量をイオンクロマト
グラフィで、水層中のアセトン及びTAA濃度をガス
クロマトグラフィでそれぞれ分析し、その結果を表1及
び表2に示した。
【0021】〔実施例3〕(強アルカリ水溶液の再使用
2回目) 前記〔TAAを含む粗反応液の製造例〕と同様にして得
た反応粗液400gを、1Lのジャケット付セパラブル
分液ロートに仕込み、粗反応液を撹拌しながら内温を5
0℃に調整して、前記実施例2で得られた水層(洗浄
液)を全量添加して、30分間撹拌を続けた後、撹拌を
止めて、内温を50℃で維持しながら30分間静置し、
水層(水層)を分液ロート下部抜き出しコックより抜
き出した。引き続き、分液ロート内に残った油層(油層
)に、新たに48重量%の水酸化ナトリウム水溶液3
7.3gを添加し、前記実施例1と同様に、内温50℃
を維持しながら30分間撹拌、30分間静置し、分離し
た水層(水層;洗浄液)を、分液ロート下部抜き出し
コックより抜き出した。回収された水層は63g、分
液ロート内に残った洗浄油層(油層)は343gであ
った。油層及び油層中のCl-量をイオンクロマト
グラフィで、水層中のアセトン及びTAA濃度をガス
クロマトグラフィでそれぞれ分析し、その結果を表1及
び表2に示した。
【0022】〔実施例4〕(強アルカリ水溶液の再使用
3回目) 前記〔TAAを含む粗反応液の製造例〕と同様にして得
た反応粗液400gを、1Lのジャケット付セパラブル
分液ロートに仕込み、粗反応液を撹拌しながら内温を5
0℃に調整して、前記実施例3で得られた水層(洗浄
液)を全量添加して、30分間撹拌を続けた後、撹拌を
止めて、内温を50℃で維持しながら30分間静置し、
水層(水層)を分液ロート下部抜き出しコックより抜
き出した。引き続き、分液ロート内に残った油層(油層
)に、新たに48重量%の水酸化ナトリウム水溶液3
7.3gを添加し、前記実施例1と同様に、内温50℃
を維持しながら30分間撹拌、30分間静置し、分離し
た水層(水層;洗浄液)を、分液ロート下部抜き出し
コックより抜き出した。回収された水層は60g、分
液ロート内に残った洗浄油層(油層)は340gであ
った。油層及び油層中のCl-量をイオンクロマト
グラフィで、水層中のアセトン及びTAA濃度をガス
クロマトグラフィでそれぞれ分析し、その結果を表1及
び表2に示した。
【0023】次いで、上記油層300g(TAA含量
84.6g)を、実施例1と同様の条件で、常圧下、未
反応アセトン及び水等の混合物を留去し、次いで還流比
4で真空蒸留してTAAより高沸点の留分を留去して、
ACN等のTAAより低沸点のアセトン縮合物の低沸点
留分46g(TAA含量3.1g)と、主留分82g
(TAA純度96.5重量%)を得、蒸留塔々底に残っ
た釜液34g(TAA含量1.9g)を得た。主留とし
て得られたTAA収率は93.1%、蒸留全体での重量
収支は98.7%、TAA収支は99.0%であった。
この蒸留塔々底に残った釜液中のCl-量をイオンクロ
マトグラフィで分析した結果を、表1に示した。なお、
スラッジの生成は認められなかった。
【0024】材質の耐食性試験 〔実験例1〕材質試験装置のガラスセルに、試験液を、
触媒抽出水層(実施例1の水層に相当する。)想定液
として、48重量%水酸化ナトリウム、塩化アンモニウ
ム及び水を用いて、水酸化ナトリウム;14.0重量
%、塩化アンモニウム;8.8重量%)に調整した液を
仕込み、試験片として、SUS316L(Moを添加し
て耐食性を強化したステンレス鋼)母材(熱処理無し)
及び溶接材(TIGにて表面溶融)を各々の試験液中に
浸漬して、窒素雰囲気の常圧下、液温65℃で、電気化
学測定、及びSSRT(低歪み速度引っ張り)試験を行
い、耐食性及び耐SCC(応力腐食割れ)性評価を行っ
た。その結果を表3に示した。なお、耐SCC評価につ
いては、試験後SEM(走査電子顕微鏡)による試験片
観察を行っている。
【0025】〔実験例2〕 試験片材質をTi系合金に
換えた以外は、実験例1と同様に試験及び測定を行い、
その結果を表3に示した。但し、耐SCC評価について
は、電気化学試験の結果から、SCCが発生しないこと
を確認したので、実施していない。
【0026】〔実験例3〕 実験例1において、試験片
材質を二相系ステンレス鋼に換えて、実験例1と同様に
試験及び測定を行った。その結果を表3に示した。但
し、耐SCC評価については、電気化学試験の結果か
ら、腐食傾向を示したので、実施していない。
【表1】
【表2】
【表3】
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、粗反応液を1種類の強
アルカリ水溶液で処理することが可能であるとともに、
強アルカリ水溶液を用いることで粗反応液からのTAA
のロスを少なくでき、かつ、廃液の排出量を極力削減で
きるため環境への負荷を低減化できるという効果が得ら
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C054 AA02 BB03 CC01 DD04 DD08 EE01 FF23

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 触媒の存在下、アセトン及び/又はアセ
    トン縮合物とアンモニアとを反応させて得られる粗反応
    液、又は2,2,4,4,6―ペンタメチル―2,3,
    4,5−テトラヒドロピリミジンを水の存在下で反応さ
    せて得られる粗反応液を用いる2,2,6,6−テトラ
    メチル−4−ピペリドンの製造方法において、(1)粗
    反応液を、反応で使用された触媒に対して1.0〜6.
    5当量の強アルカリを含有する強アルカリ水溶液を用い
    て処理して、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
    リドンを含む油層を分離回収する第1工程、(2)次い
    で、回収した油層を、反応で使用された触媒に対して
    1.0〜6.5当量の強アルカリを含有する新たな強ア
    ルカリ水溶液を用いて処理して、2,2,6,6−テト
    ラメチル−4−ピペリドンを含む油層を、強アルカリを
    含む水層とともに分離回収する第2工程、(3)第2工
    程で回収された強アルカリを含む水層を新たな粗反応液
    を処理する第1工程の強アルカリ水溶液として再使用す
    ることを特徴とする2,2,6,6−テトラメチル−4
    −ピペリドンの製造方法。
  2. 【請求項2】 触媒が、有機または無機のプロトン酸、
    有機または無機のプロトン酸のアンモニアとの塩から選
    ばれるものである請求項1に記載の2,2,6,6−テ
    トラメチル−4−ピペリドンの製造方法。
JP2002003213A 2002-01-10 2002-01-10 2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンの製造方法 Pending JP2003206277A (ja)

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