JP2003160561A - 2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンの製造法 - Google Patents

2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンの製造法

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JP2003160561A
JP2003160561A JP2001362096A JP2001362096A JP2003160561A JP 2003160561 A JP2003160561 A JP 2003160561A JP 2001362096 A JP2001362096 A JP 2001362096A JP 2001362096 A JP2001362096 A JP 2001362096A JP 2003160561 A JP2003160561 A JP 2003160561A
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piperidone
tetramethyl
liquid
boiling separation
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JP2001362096A
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Tatsumi Matsushita
松下達巳
Toshisumi Miura
三浦俊澄
Yoshio Ezaki
江崎宣雄
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】純度99.5%以上の2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリドンを経済的に満足しうる工業的方
法で製造する方法を提供する。 【解決手段】2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リドンを製造する方法であって、(1)反応粗液を低沸
分離蒸留塔にてアセトンを主成分とする塔頂留分と2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンを含有する
塔底液とに分離する第1工程、(2)前記低沸分離蒸留
塔の塔底液を高沸分離蒸留塔にて2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリドンを主成分とする塔頂留分と
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンより高
沸点の成分を塔底液として分離する第2工程、(3)前
記高沸分離蒸留塔の塔頂留分を精製蒸留塔に供給して精
製蒸留塔の途中段から2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリドン蒸気を抜き出す第3工程を含むことを特
徴とする2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリド
ンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリドン(トリアセトンアミン。
以下TAAと略称する場合がある。)の製造方法に関す
る。さらに詳しくは、高純度のTAAを高収率で得るた
めの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】TAAの製造方法としては、アセトンと
アンモニアの縮合反応で2,2,4,4,6−ペンタメ
チル−2,3,4,5−テトラヒドロピリミジン(アセ
トニン。以下ACNと略称する場合がある。)を製造
し、さらにアセトニンを水の存在下で反応させる方法
(特開昭50−76077号公報等)、あるいは、アセ
トンおよび/またはアセトンの縮合物とアンモニアと
を、触媒の存在下で縮合反応させる方法(特公昭62−
41504号公報等)などが知られている。触媒を用い
る方法により製造されたTAAは、使用した触媒を分離
後、精製して最終製品となる。
【0003】TAAの精製方法としては、主として蒸留
法と晶析法が知られている。蒸留法として例えば、特公
昭62−41504号公報には通常の蒸留法によりTA
Aが単離できると記載されている。また、特開2000
−239257号公報ではタール成分除去処理後に精留
する方法が開示されている。一方、晶析法として例え
ば、特許第3000585号公報には、あらかじめ蒸留
によりTAAを濃縮後、晶析する方法が知られている。
【0004】TAAは重合禁止剤や高分子化合物の光安
定剤の中間体として有用な化合物であるが、特に最近は
これらの用途に使用されるTAAに対する品質要求は厳
しく、特に99.5%以上の高純度なものが求められて
いる。
【0005】しかしながら、特許第3000585号公
報に開示された晶析法では、高純度品が得られるもの
の、蒸留工程に続く晶析工程が存在するため蒸留法に比
べて工程数が多く、工業的に経済的な方法とは言い難
い。 一方、特開2000−239257号公報に開示
された蒸留法では、製品の色相改善などは認められるも
のの製品純度は95〜96%程度にとどまり、重合禁止
剤や高分子化合物の光安定剤の中間体として用いるには
最近の要求を満足すべきものとはいえない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、重合禁止剤
や高分子化合物の光安定剤の中間体としての用途に使用
可能な製品純度99.5%以上のTAAを、経済的に満
足しうる工業的方法で製造する方法を提供することにあ
る。
【0007】本発明者らは、特開2000−23925
7号公報等に開示された従来技術で得られるTAAの純
度が95〜96%程度にとどまる原因を追求した結果、
TAAを含有する反応粗液からTAAを蒸留により分離
精製する過程において、TAAを含有する低沸分離蒸留
塔の塔底液や高沸分離蒸留塔の塔頂留分中でホロン等の
TAAよりも低沸点の成分及びイソホロン等のTAAよ
りも高沸点の成分が新たに生成していることを見出し
た。この現象は分離精製に使用される設備に設置される
蒸留塔、配管、中継タンク、ポンプ等のTAAを含有す
る液体が接触する部分に存在するTAAを含有する液体
においても起きていることが推測される。さらに、本発
明者らは、低沸分離蒸留塔の塔底液や高沸分離蒸留塔の
塔頂留分を液体状態で保持すると保持時間に比例してこ
れら成分の量が増加することを見出すとともに、これら
の塔底液や塔頂留分を固体状態で保持することでこれら
成分の増加を抑制できることをも見出した。
【0008】これら成分が分離精製の過程で生成する機
構の詳細は不明であるが、反応の副生成物として反応粗
液に含まれるホロン及びイソホロンの沸点はTAAの沸
点に近く、これらを蒸留によって分離することは通常困
難である。すなわち、特開2000−239257号公
報に開示された方法では、分離精製の過程で新たに生成
する前述の成分が精留工程で十分分離できないため、
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンの純度
が95〜96%程度にとどまっているものと考えられ
る。本発明者らは、前述の知見に基づきTAAを高純度
かつ高収率で得るべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を
完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(1)触媒の存在下にアセトン、アセトンの縮合物から
選ばれる少なくとも1種とアンモニアとを反応させて得
られる反応粗液、または2,2,4,4,6−ペンタメ
チル−2,3,4,5−テトラヒドロピリミジンを水の
存在下反応させて得られる反応粗液を用いる2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリドンを製造する方法
であって、反応粗液を低沸分離蒸留塔にてアセトンを
主成分とする塔頂留分と2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリドンを含有する塔底液とに分離する第1工
程、前記低沸分離蒸留塔の塔底液を高沸分離蒸留塔に
て2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンを主
成分とする塔頂留分と2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリドンより高沸点の成分を塔底液として分離す
る第2工程、前記高沸分離蒸留塔の塔頂留分を精製蒸
留塔に供給して精製蒸留塔の途中段から2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリドン蒸気を抜き出す第3工
程を含むことを特徴とする2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリドンの製造方法、(2)前記第1工程で
分離される低沸分離蒸留塔の塔底液をアンモニア処理す
ることを特徴とする前記(1)に記載の2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリドンの製造方法、(3)前
記第1工程で分離される低沸分離蒸留塔の塔底液、また
は低沸分離蒸留塔の塔底液のアンモニア処理液を1時間
以内に前記第2工程の高沸分離蒸留塔に供給することを
特徴とする前記(1)または(2)に記載の2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリドンの製造方法、
(4)前記第1工程で分離される低沸分離蒸留塔の塔底
液を固体状態で保存した後、液体状態に戻して前記第2
工程の高沸分離蒸留塔に供給することを特徴とする前記
(1)または(2)のいずれかに記載の2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリドンの製造方法、(5)前
記第2工程で分離される塔頂留分を1時間以内に前記第
3工程の精製蒸留塔に供給することを特徴とする前記
(1)〜(4)のいずれかに記載の2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリドンの製造方法、(6)前記第
2工程で分離される高沸分離蒸留塔の塔頂留分を固体状
態で保存した後、液体状態に戻して前記第3工程の精製
蒸留塔に供給することを特徴とする前記(1)〜(4)
のいずれかに記載の2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリドンの製造方法、である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる反応粗液は、触媒の存在下にアセトン、
アセトンの縮合物から選ばれる少なくとも1種とアンモ
ニアとを反応させて得られる。前記触媒としては、例え
ば無機酸、カルボン酸、スルホン酸、これらのアンモニ
ウム塩(特開昭63-222157号公報)、チオシアン酸アン
モニウム(特公平7-39389号公報)、硫酸水素アンモニ
ウム(特開平2-145570号公報)、テトラフルオロホウ酸
アンモニウム(特許第2980742号公報)等が挙げられ
る。前記のアセトンの縮合物としては、例えば、ジアセ
トンアルコール、メシチルオキシド、ホロン、イソホロ
ン、ジアセトンアミン、トリアセトンジアルコール等が
挙げられる。
【0011】また、反応粗液は、2,2,4,4,6−
ペンタメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリミジ
ン(ACN)を水存在下反応させて得ることもできる。
前記ACNはアセトンとアンモニアの縮合反応によって
得られるものである。縮合反応により得られた反応液か
ら単離して用いることもできるし、該反応液のまま用い
ることもできる。前記反応においては、反応時間を短縮
できることから、前述した触媒の存在下で行うことが好
ましい。
【0012】前記反応で得られる反応粗液からの触媒の
分離は、通常、反応粗液にアルカリ水溶液を添加して油
層から触媒を抽出除去する。用いられるアルカリ水溶液
は、例えば水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水
溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液など
の強アルカリ水溶液または弱アルカリ水溶液が挙げられ
る。
【0013】2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リドンは、触媒除去後の反応粗液を蒸留工程に供給して
分離精製される。前述のように、低沸分離蒸留塔の塔底
液や高沸分離蒸留塔の塔頂留分中でホロンやイソホロン
等の成分が新たに生成してくるが、本発明によって高純
度な2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンが
得られる。
【0014】本発明の第1工程では、触媒除去後の反応
粗液を低沸分離蒸留塔に供給して反応粗液に含まれるア
セトンを主成分とする塔頂留分と2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリドンを含有する塔底液とに分離す
る。低沸分離蒸留塔には、例えば棚段式蒸留塔、充填式
蒸留塔を用いることができ、薄膜蒸発装置を用いること
により供給液の滞留時間を短縮することができる。低沸
分離蒸留塔において前述の成分の生成を抑制するために
は、蒸留塔内での供給液の滞留時間、特に高温である塔
底部での滞留時間を短くすることが効果的であり、好ま
しくは30分以内、更に好ましくは15分以内とする。
低沸分離蒸留塔が棚段式あるいは充填式の場合、理論段
数は30段以内、好ましくは15段以内である。操作条
件は、塔頂圧力を50〜2500torr、好ましくは
500〜1000torr、塔頂温度を0〜100℃、
好ましくは35〜75℃とし、還流比は0.01〜1
0、好ましくは0.1〜5である。アセトンを主成分と
する塔頂留分は、通常、2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリドン合成原料として反応器へリサイクルし
て再使用する。塔頂留分にはアセトン縮合物等も含ま
れ、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンの
合成原料として使用可能である。
【0015】低沸分離蒸留塔の塔底液に含まれるホロン
やイソホロン等の成分は、アンモニア処理することによ
りTAAより沸点が高く且つTAAとの分離がしやすい
成分に転化できるため、アンモニア処理はTAAの蒸留
での分離を容易にするという利点を有する。予め温度を
50〜200℃、好ましくは70〜150℃に調整した
反応器中に、低沸分離蒸留塔の塔底液を供給し、アンモ
ニアを添加することによって、ホロンやイソホロン等を
分離しやすい高沸点物に転化する。アンモニアは、低沸
分離蒸留塔の塔底液供給量に対して、重量で0.001
〜1倍、好ましくは、0.01〜0.5倍の量を供給す
るのが好ましい。アンモニア処理液の反応器での滞留時
間は10時間以下、好ましくは、3時間以下である。反
応型式は、流通式の管型反応器あるいは撹拌槽型反応器
などを用いることができる。アンモニア処理液は後述の
第2工程に供給する。
【0016】本発明の第2工程では、低沸分離蒸留塔の
塔底液、または、アンモニアで処理した低沸分離蒸留塔
の塔底液を、高沸分離蒸留塔に供給して2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリドンを主成分とする塔頂留
分と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンよ
り高沸点の成分を塔底液として分離する。蒸留は、棚段
式蒸留塔、充填式蒸留塔を用いることができ、理論段数
で60段以内、好ましくは30段以内とする。操作条件
は、塔頂圧力が5〜760torr、好ましくは10〜
100torr、塔頂温度は25〜200℃、好ましく
は70〜130℃、還流比は0.01〜10、好ましく
は0.1〜5である。塔底液は燃焼させることができる
ため、ボイラーの燃料として用いることができる。
【0017】本発明の第3工程では、第2工程で得られ
る高沸分離蒸留塔の塔頂留分を精製蒸留塔に供給し、精
製蒸留塔の途中段から2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリドン蒸気を抜き出す。精製蒸留塔としては、
例えば、棚段式蒸留塔、充填式蒸留塔を用いることがで
き、精製蒸留塔の塔底から理論段数で1段以上の途中段
から蒸気を抜き出すことが可能な構造であれば特に限定
されないが、好ましくは理論段数が80段以下、更に好
ましくは理論段数40段以下のものが用いられる。精製
蒸留塔からの2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リドン蒸気の抜き出し位置は、塔底から1段以上上の段
の気相部が好ましいが、塔底の気相部、あるいは、リボ
イラーの炊き上げ部が位置する箇所の蒸気の一部を抜き
出すことも可能である。通常は塔底から1段〜10段の
範囲であれば十分である。より高い位置から抜き出すこ
とは高沸物を分離するためには特に必要ではなく、装置
が大きくなるだけでメリットはない。精製蒸留塔の塔頂
圧力は5〜760torr、好ましくは10〜100t
orr、塔頂温度は25〜175℃、好ましくは50〜
100℃、還流比は0.1〜20、好ましくは1〜10
である。精製蒸留塔の途中段から2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリドン蒸気を抜き出すことで、純度
99.5%以上という高純度の2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリドンが得られる。精製蒸留塔の途中
段から抜き出された2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリドン蒸気を速やかに冷却することにより、高純
度な固体状の2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リドンが得られる。精製蒸留塔の塔頂から回収される
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンよりも
低沸点の成分は2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリドンの合成原料として再使用できる。精製蒸留塔の
塔底液には新たに生成したTAAよりも高沸点の成分の
他に2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンが
含まれているが、通常、この塔底液は、第2工程の高沸
分離蒸留塔へリサイクルし、2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリドンが回収される。
【0018】本発明により、高純度の2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリドンが得られるが、TAAの
生産効率を上げるためには、分離精製の過程で生成する
ホロン等のTAAより低沸点の成分及びイソホロン等の
TAAより高沸点の成分の生成は抑制すべきである。こ
れら成分の分離精製の過程での生成を抑制するために、
各工程で分離した塔頂留分や各蒸留塔の塔底液はできる
だけ速やかに次の工程へ供給すべきである。これらの塔
頂留分や塔底液は、1時間以内、好ましくは30分以内
に次の工程に供給するのが好ましい。
【0019】TAAの製造設備の修理等を行うために設
備の運転を一旦停止する必要が生じた場合には、塔頂留
分や塔底液を一旦冷却して固体状態で保持することで前
述のホロンやイソホロン等の成分の生成を抑制すること
ができる。固体状態での保持温度は50℃以下にするこ
とが好ましい。運転再開時には、固体状態から液体状態
に戻して分離精製を続けることができる。この方法によ
り、前述のホロンやイソホロン等の成分を原料として再
使用する量を削減できるため、2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリドンの生産効率を上げることができ
る。
【0020】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらによって限定されるもの
ではない。
【0021】
【実施例1】2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リドンの製造;アセトン150g、液体アンモニア8
g、水4.8g、塩化アンモニウム4.6gをオートク
レーブに仕込み、反応温度65℃で2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリドン合成反応を実施、6時間で
反応を完了した。得られた合成液より48%水酸化ナト
リウム水溶液で触媒を抽出分離した。分離後の反応粗液
は、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン2
8重量%、アセトン42重量%、水3重量%を含んでい
た。この反応粗液の合成を数バッチ実施し、蒸留原料と
した。上記で得られた反応粗液を理論段数10段の低沸
分離蒸留塔に550g/hrで供給し、塔頂圧力760
torr、還流比1、塔頂温度55.5℃、塔底液滞留
時間15分で、アセトンを主成分とする成分を塔頂より
250g/hrで回収した。回収した塔頂留分はアセト
ン98.2重量%、水1.6重量%を含んでいた。2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン53重量%
を含む低沸分離蒸留塔の塔底液を理論段数20段の高沸
分離蒸留塔に300g/hで供給し、塔頂圧力40to
rr、還流比1、塔頂温度99.5℃で、2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリドンを塔頂より250g
/hrで回収した。2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリドン66重量%を含む高沸分離蒸留塔の塔頂留
分を理論段数32段の精製蒸留塔に250g/hr供給
し、塔頂圧力40torr、還流比5、塔頂温度94.
8℃で、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリド
ンよりも低沸点の成分を塔頂より115g/hrで回収
するとともに、塔頂から理論段にして24段目の気相部
より、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン
蒸気を132g/hrで抜き出した。抜き出した2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンの蒸気をコ
ンデンサーで凝縮することにより純度99.6重量%の
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンが得ら
れた。また、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リドンの蒸留収率は86%であった。
【0022】
【実施例2】実施例1と同様に、2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリドンを製造し、低沸分離蒸留塔で
アセトンを主成分とする成分を塔頂より回収した。2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン53重量%
を含む低沸分離蒸留塔の塔底液を300g/hrで10
0℃の管型反応器に流通し、アンモニアを低沸分離蒸留
塔の塔底液の重量に対して、0.1倍の30g/hrで
添加した。管型反応器内での反応液の滞留時間は1時間
とした。アンモニアとの反応により、ホロンなどの成分
がTAAより高沸点の成分に転換された。ホロンのTA
Aより高沸点の成分への転化率は64%であった。アン
モニア処理した反応液を理論段数20段の高沸分離蒸留
塔に300g/hrで供給し、塔頂圧力40torr、
還流比1、塔頂温度99.5℃で、2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリドンを塔頂より250g/hr
で回収した。高沸分離蒸留塔の塔頂留分を理論段数32
段の精製塔に供給し、塔頂圧力40torr、還流比
5、塔頂温度94.8℃で、2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリドンよりも低沸点の成分を塔頂より回
収するとともに、塔頂から理論段にして24段目の気相
部より、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリド
ンの蒸気を134g/hrで抜き出した。抜き出した
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンの蒸気
をコンデンサーで凝縮することにより純度99.7重量
%の2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンが
得られた。また、2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリドンの蒸留収率は87%であった。
【0023】
【実施例3】低沸分離蒸留塔の塔底液及び高沸分離蒸留
塔の塔頂留分を、室温で3日間、固体状態で保存した以
外は実施例1と同様の方法で実施した。精製蒸留塔の途
中段より130g/hrで抜き出した2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリドンの蒸気をコンデンサーで
凝縮することにより純度99.6重量%の2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリドンが得られた。また、
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンの蒸留
収率は84%であった。
【0024】
【比較例1】精製蒸留塔における2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリドンの抜き出し位置を、蒸留塔塔
底とし、塔底液を抜き出した以外は、実施例1と同様の
方法で実施した。塔底液を130g/hrで抜き出し、
純度96重量%の2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリドンが得られた。また、2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリドンの蒸留収率は81%であった。
【0025】
【実験1】実施例1と同様に、2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリドンを製造し、低沸分離蒸留塔でア
セトンを主成分とする成分を塔頂より分離し、2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリドン56重量%を含
む低沸分離蒸留塔の塔底液を20kg回収した。塔底液
は、SUS304製の20Lタンク2個に、各々10k
gずつ充填し、Run1は60℃の液体状態で保持し、
Run2は室温(約25℃)の固体状態で保持した。4
日後に内容物中のTAAより低沸点の成分およびTAA
より高沸点の成分の分析を行った。結果を表1に示し
た。表1に示した結果から、液体状態で保持した場合、
ホロン及びC成分の増加が顕著であることがわかる。
【表1】
【0026】
【実験2】実施例1と同様に、2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリドンを製造し、低沸分離蒸留塔でア
セトンを主成分とする成分を塔頂より分離し、低沸分離
蒸留塔の塔底液を高沸分離蒸留塔に供給して、2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリドン66重量%を含
む高沸分離蒸留塔の塔頂留分を20kg回収した。高沸
分離蒸留塔の塔頂留分を、SUS304製の20Lタン
クに60℃の液体状態で保持し、内容物中のTAAより
低沸点の成分およびTAAより高沸点の成分の分析を行
った。結果を表2示す。表2に示した結果から、液体状
態で保持した場合、TAAより高沸点のD成分の増加が
顕著であることがわかる。
【表2】
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、工業的に有利に高純度
かつ高収率で2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リドンを得ることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C054 AA02 BB03 CC01 DD04 EE01 FF23 4H039 CA42 CH10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒の存在下にアセトン、アセトンの縮合
    物から選ばれる少なくとも1種とアンモニアとを反応さ
    せて得られる反応粗液、または2,2,4,4,6−ペ
    ンタメチル−2,3,4,5−テトラヒドロピリミジン
    を水の存在下反応させて得られる反応粗液を用いる2,
    2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンを製造する
    方法であって、(1)反応粗液を低沸分離蒸留塔にてア
    セトンを主成分とする塔頂留分と2,2,6,6−テト
    ラメチル−4−ピペリドンを含有する塔底液とに分離す
    る第1工程、(2)前記低沸分離蒸留塔の塔底液を高沸
    分離蒸留塔にて2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
    ペリドンを主成分とする塔頂留分と2,2,6,6−テ
    トラメチル−4−ピペリドンより高沸点の成分を塔底液
    として分離する第2工程、(3)前記高沸分離蒸留塔の
    塔頂留分を精製蒸留塔に供給して精製蒸留塔の途中段か
    ら2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン蒸気
    を抜き出す第3工程を含むことを特徴とする2,2,
    6,6−テトラメチル−4−ピペリドンの製造方法。
  2. 【請求項2】第1工程で分離される低沸分離蒸留塔の塔
    底液をアンモニア処理することを特徴とする請求項1に
    記載の2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン
    の製造方法。
  3. 【請求項3】第1工程で分離される低沸分離蒸留塔の塔
    底液、または低沸分離蒸留塔の塔底液のアンモニア処理
    液を1時間以内に第2工程の高沸分離蒸留塔に供給する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の2,2,
    6,6−テトラメチル−4−ピペリドンの製造方法。
  4. 【請求項4】第1工程で分離される低沸分離蒸留塔の塔
    底液を固体状態で保持した後、液体状態に戻して第2工
    程の高沸分離蒸留塔に供給することを特徴とする請求項
    1または2記載の2,2,6,6−テトラメチル−4−
    ピペリドンの製造方法。
  5. 【請求項5】第2工程で分離される高沸分離蒸留塔の塔
    頂留分を1時間以内に第3工程の精製蒸留塔に供給する
    ことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の
    2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンの製造
    方法。
  6. 【請求項6】第2工程で分離される高沸分離蒸留塔の塔
    頂留分を固体状態で保持した後、固体状態の塔頂留分を
    液体状態に戻して第3工程の精製蒸留塔に供給すること
    を特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の2,
    2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンの製造方
    法。
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