JP3285439B2 - 反応粗液の製造法および1,3−ブチレングリコ−ルの製造法 - Google Patents

反応粗液の製造法および1,3−ブチレングリコ−ルの製造法

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JP3285439B2 JP27382993A JP27382993A JP3285439B2 JP 3285439 B2 JP3285439 B2 JP 3285439B2 JP 27382993 A JP27382993 A JP 27382993A JP 27382993 A JP27382993 A JP 27382993A JP 3285439 B2 JP3285439 B2 JP 3285439B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルドキサン(2,4−ジ
メチル−1,3 ジオキサン−6−オ−ル)およびパラアル
ド−ルを主成分とする反応粗液の製造方法および無臭の
1,3-ブチレングリコ−ルの製造法に関する。
【0002】1,3 ブチレングリコ−ルは塗料用溶剤とし
て、また、各種化合物を製造するための中間原料として
有用な化合物である。特に純度の高いグレ−ドのものは
化粧品業界において使用されている。
【0003】
【従来の技術】従来、1,3 ブチレングリコ−ルの製造方
法としては次の3方法が知られている。(I)アセトア
ルデヒドをアルド−ル縮合させてアセトアルド−ルを
得、接触還 元することによって、1,3 ブチレングリコ
−ルを得る方法(英国特許第853266号記載)。
【0004】(II)1,3 ブチレンオキサイドの加水反応
により1,3 ブチレングリコ−ルを得る方法。
【0005】(III)プリンス反応を利用してプロピレ
ンとホルムアルデヒドから1,3 ブレングリコ−ルを得る
方法。
【0006】しかしながら(II)の方法は工業的製造方
法が未だ確立していないので、実際的で無いことは明ら
かである。又、(III)の方法は収率が低いので実用的
では無い。工業的には(I)の方法で1,3 ブチレングリ
コ−ルが製造されているがアセトアルド−ルは構造的に
不安定な物質であり、脱水してクロトンアルデヒドを生
成したりするため、この方法においては種々の不純物、
例えばブタノ−ル2 −ブタノン等が副生する。
【0007】殊に、工業的製造における前記アセトアル
ド−ルは、それ自身かアセトアルデヒドの三量体である
アルドキサンを主成分としていることが知られている
[Ind.Eng.Chem.44,1003(1952)記載]。
【0008】このアルドキサンを接触還元すれば、反応
機構上、1,3 ブチレングリコ−ルとエタノ−ルに水添分
解され、前者の製造目的には不都合であることは明白で
ある。 この問題を解決する方法とし例えば、アルドキ
サンを熱分解し、アセトアルデヒドを留出させつつパラ
アルド−ルを主成分とする反応粗液を得、これを接触還
元して1,3 ブチレングリコ−ルを得る方法がある(特開
昭62−212384、特開昭62−246529)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】 従来、アルドール縮
合工程に引き続く、未反応アセトアルデヒドの除去およ
び、アルドキサンを熱分解し、パラアルドールを主成分
とする反応粗液を得ようとする工程において留出したア
セトアルデヒドは、そのままアルドール縮合工程にリサ
イクルする方法がとられてきた。
【0010】このような方法であると、留出するアセト
アルデヒド中にはアルドキサン熱分解中に生成したクロ
トンアルデヒドが含まれ、このクロトンアルデヒドはア
ルド−ル縮合工程においてアセトアルデヒド等と反応し
種々の不純物を生成する。
【0011】この不純物は引き続く 1,3ブチレングリコ
−ルの製造工程において分離が困難であり、1,3 ブチレ
ングリコ−ルの製造特に化粧品向けなどの品質(臭気)
に悪影響を及ぼす。
【0012】このような状況に鑑み、本発明者は鋭意検
討した結果、本発明に到達した。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は「ア
セトアルデヒドをアルカリ触媒の存在下アルドール縮合
させて主としてアルドキサン、アセトアルデヒド、水お
よび少量のクロトンアルデヒドを含む反応粗液を製造
し、次いで該反応粗液をアルドキサン分解塔に移して
ルドキサンを熱分解することによりアルドキサンおよび
パラアルドールを主成分とする反応粗液を製造しつつ、
アルドキサンの熱分解工程においてアルドキサン分解塔
の塔頂から留出するアセトアルデヒド、水分及びクロト
ンアルデヒドをアセトアルデヒド精製塔に受けてアセト
アルデヒドを精製するに際して、該留出物の受入口より
下方に、コンデンサーおよびデカンターを順次備えたサ
イドカットラインを有するアセトアルデヒド精製塔を使
用し、留出物の一部をサイドカットしてコンデンサーで
凝縮させ、得られた凝縮物をデカンターで2層分離し、
下層液をアセトアルデヒド精製塔に戻し、該精製塔頂か
実質的にクロトンアルデヒドが存在しないアセトアル
デヒドをアルドール縮合工程にリサイクルすることを特
徴とするアルドキサンおよびパラアルドールを主成分と
する反応粗液の製造法」および「上記の製造法で得られ
たアルドキサンおよびパラアルドールを主成分とする反
応粗液を接触還元せしめることを特徴とする1,3−ブ
チレングリコールの製造法。」である。
【0014】アルドキサンは2,4 −ジメチル−1,3 ジオ
キサン−6 −オ−ルの慣用名である。 以下、図1を用
いて本発明を説明する。
【0015】なお、本発明における“実質的にクロトン
アルデヒドが存在しないアセトアルデヒド”という表現
はリサイクルされるアセトアルデヒドに対するクロトン
アルデヒドの濃度が0.1%未満であることを意味す
る。
【0016】図1はアルドキサンおよびパラアルド−ル
を主成分とする反応粗液を得るための各機器を組み合わ
せたブロック図である。図1において、1−1がアルド
−ル縮合を行う反応器、1−2が触媒のアルカリを中和
するための中和槽、1−3が未反応のアセトアルデヒド
の分離とアルドキサンを熱分解するためのアルドキサン
分解塔、1−4がアセトアルデヒド精製塔である。
【0017】本発明のポイントは1−3から留出するア
セトアルデヒド中に含まれるクロトンアルデヒドを1−
4の特定のアセトアルデヒド精製塔で分離、除去した
後、アルドール縮合工程の反応器1−1にリサイクルす
るところにある。
【0018】アセトアルデヒドを出発原料としてアルド
−ル縮合させる反応は通常、苛性ソ−ダ水溶液などのア
ルカリを添加しながら、温度10〜30℃で行われる。
【0019】反応終了後、酢酸のような有機酸でアルカ
リを中和して反応粗液が得られる。アルカリを中和する
際、無機酸を使用するのは機器の腐食の観点から好まし
くない。
【0020】この反応粗液[液流A]がアルドキサン分
解塔1−3に供給される。反応粗液中には通常出発原料
であるアセトアルデヒドが15〜30重量%、アルドキ
サンが55〜70重量%水分が10〜25重量%クロト
ンアルデヒドが0.5〜2重量%およびその他の化合物が
1〜2重量%含まれている。
【0021】アルドキサン分解塔1−3において、常圧
下あるいは減圧下において、クロトンアルデヒド等を含
アセトアルデヒドを留出させつつ、供給された反応粗
液中のアルドキサンを熱分解することによりパラアルド
ールを目的生成物として得る。
【0022】熱分解する際の温度は適用する減圧度にも
よるが、例えば、400〜500Toorr では60〜12
0℃、好ましくは、85℃付近である。滞留時間は仕込
液基準で10分〜2時間、好ましくは1時間程度であ
る。この時、缶出液[液流B]の組成は概略以下のよう
になる。
【0023】すなわち、アルドキサンが5〜60重量
%、パラアルド−ルが5〜50重量%、水分が5〜20
重量%およびアルドキサンが分解して生じたクロトンア
ルデヒドが1〜3重量%その他の化合物が1〜4重量%
含まれている。
【0024】温度が高くなるほど、滞留時間は長くなる
ほど、パラアルド−ルの生成量は増加するが、逆にクロ
トンアルデヒド等不純物の生成量も増加する。
【0025】上記のような条件で分離された缶出液[液
流B]中のパラアルド−ルが次の工程で水添されて 1,3
ブチレングリコ−ルとなる。
【0026】従来、アルドキサンを熱分解させながらア
セトアルデヒドを留出させる際、水分、クロトンアルデ
ヒドも同時に留出され、アルド−ル縮合系にリサイクル
されてきた。クロトンアルデヒドはアルド−ル縮合工程
にリサイクルされるとアセトアルデヒド等と反応し種々
の不純物を生成する問題点があった。
【0027】本発明のように、クロトンアルデヒドを除
去する具体的な手段は以下の通りである。すなわち、ア
セトアルデヒド精製塔(1−4)にサイドカットライン
(1−4−5)を取り付けて溜出物の一部をサイドカッ
トしてその溜出物をコンデンサ−(1−4−3)で凝縮
させる。次いでその凝縮物をデカンタ−(1−4−4)
で2層に分離させる。
【0028】この時クロトンアルデヒドは主に上層に含
まれている。このクロトンアルデヒドを主成分とする上
層液は回収プロセスまたは焼却プロセスに送液される。
【0029】上層液の抜きだし量はデカンタ−(1−4
−4)の界面をコントロ−ルしながらコントロ−ルす
る。
【0030】これによってアルド−ル縮合系にリサイク
ルされるアセトアルデヒドからクロトンアルデヒドが除
去される。
【0031】アセトアルデヒド精製塔(1−4)は通
常、段数20〜30を有する泡鐘塔、多孔板塔、充填塔
等が用いられる。段数が20未満では分離不能となり、
段数が30以上になると経済的に不利となるので好まし
くない。
【0032】アセトアルデヒド精製塔(1−4)に取り
付けるサイドカットライン(1−4−5)の取り付け位
置は全段数の上から50%〜90%付近、好ましくは、
70%〜80%付近である。
【0033】50%より高い位置にすると溜出液中のク
ロトンアルデヒドの濃度が上昇することになり、逆に1
0%より低い位置にすると排水中のクロトンアルデヒド
の濃度が上昇するので好ましくない。
【0034】溜出物をコンデンサ−(1−4−3)で凝
縮させるには温度5〜20℃、好ましくは、10〜15
℃である。
【0035】凝縮させるには温度が20℃より高いと凝
縮されずに散逸するアセトアルデヒドの量が増加するの
で好ましくない。
【0036】2層に分離された下層液はアセトアルデヒ
ド精製塔(1−4)にリサイクルするのが好ましい。そ
の理由はクロトンアルデヒドを効率よく除去・回収する
ためである。下層液をアセトアルデヒド精製塔(1−
4)にリサイクルする際にはサイドカットライン(1−
4−5)の取り付け位置より上部にリサイクル(1−4
−6)させる方が望ましい。
【0037】その理由は回収されたクロトンアルデヒド
中のアセトアルデヒド濃度を低く抑えるためである。な
お、リサイクルされる液の組成は概略、クロトンアルデ
ヒド5〜15%、水85〜95%である。
【0038】アセトアルデヒド精製塔(1−4)の塔頂
にはコンデンサ−(1−4−2)を取り付けて、通常は
還流比0.5〜2.0で運転するのが好ましい。
【0039】また、アルドキサン分解塔(1−3)の塔
頂からの溜出物はコンデンサ−(1−3−2)で凝縮さ
せた後、アセトアルデヒド精製塔(1−4)のサイドカ
ットリサイクルラインの取り付け位置より上部に供給す
る必要がある。
【0040】アルドキサン分解塔(1−3)の塔頂から
の溜出物の組成は概略アセトアルデヒド60〜95%、
クロトンアルデヒド1〜10%、水5〜30%およびそ
の他の成分1〜5%である。
【0041】本発明のようにアセトアルデヒドと共に留
出するクロトンアルデヒドを分離することによりアルド
−ル縮合工程にリサイクルされるアセトアルデヒド中の
クロトンアルデヒドの濃度はアセトアルデヒドに対して
0.1%未満になる。
【0042】アルドキサン分解塔1−3の留出液は主と
してアセトアルデヒド、クロトンアルデヒドおよび水分
よりなる。この留出液がアセトアルデヒド精製塔1−4
に供給され、塔中間部より気相部をサイドカットしてコ
ンデンサ−1−4−3で凝縮させた後、デカンタ−1−
4−4により分液させ上層より、クロトンアルデヒド90
〜95重量%、水分5 〜10重量%の組成の液を得る。
【0043】デカンタ−下層液はアセトアルデヒド精製
塔(1−4)本体にリサイクルされる。以上の手段によ
り塔頂より99.7〜100重量%のアセトアルデヒド
を得、アルド−ル縮合工程にリサイクルすることができ
る。
【0044】水分は塔底より抜き取り排水とするか、ア
ルド−ル縮合工程にリサイクルされる。上記のように処
理すれば、クロトンアルデヒドに由来する不純物の生成
量を抑制でき、1,3-ブチレングリコ−ルの収率を向上さ
せることが可能となった。
【0045】〈実施例〉以下、本発明を実施例により具
体的に説明するが、本発明はこの実施例のみに限定され
るものではない。
【0046】なお、各組成成分の測定においては水分は
カ−ルフィシャ−分析器、その他の成分はガスクロマト
グラフィ−、NMR 分析器を用いて同定、定量を行った。
【0047】[実施例1]図1に示したプロセスを用い
てアルド−ル縮合、アルドキサン分解、アセトアルデヒ
ド溜出、アセトアルデヒド精製(クロトンアルデヒド除
去)後アルド−ル縮合工程へのリサイクル[液流F]及
びアルドキサン分解塔缶出液[液流B]の水添反応によ
り1,3-ブチレングリコ−ルの製造を行った。
【0048】1リットルのジャケット付アルド−ル縮合
反応器(1−1)に予め調合したアセトアルデヒド水溶
液(アセトアルデヒド/水=90/10、アセトアルデヒ
ド中のクロトンアルデヒドは検出されなかった)500
gを仕込み、温度15〜20℃に冷却した。
【0049】ついで、強力に攪拌しながら、0.5%苛
性ソ−ダ水溶液10gを少しずつ滴下し、7時間反応さ
せた。その間、反応温度20℃に維持した。
【0050】次いで、中和槽(1−2)において、希酢
酸でpHが6.2になるように厳密に中和し、2時間熟成
させた。
【0051】ついで、アルド−ル縮合反応で生成したア
ルドキサンを含む反応粗液の熱分解を連続フラッシュ蒸
発装置(アルドキサン分解塔、1−3)において行っ
た。
【0052】アルドキサン分解塔への仕込液[液流A]
(すなわち、中和後のアルド−ル縮合反応粗液)の組成
は、アセトアルデヒド24.88 重量%、アルドキサン63.7
4 重量%、水10.46 重量%クロトンアルデヒド 0.30 重
量%、その他 0.62 重量%であった。
【0053】アルドキサン分解塔において、加熱調節し
ながら缶液温度80℃、滞留時間は86分(缶出基準)
でアセトアルデヒドを含む液[液流C]を留出させた。
留出率は、46.5%であった。
【0054】次に、アルドキサン分解塔の塔頂から得ら
れたアセトアルデヒドを含む液をサイドカットライン
(1−4−5)、コンデンサ−(1−4−3)、デカン
タ−(1−4−4)およびリサイクルライン(1−4−
6)を有するアセトアルデヒド精製塔(1−4)に仕込
み、塔頂温度約20℃、塔底温度約100℃、常圧でサイド
カットラインからクロトンアルデヒドを除去しながら精
製されたアセトアルデヒド192gを得た。
【0055】得られた精製アセトアルデヒド中のクロト
ンアルデヒド濃度は0.1%未満であった。また、アル
ドキサン分解塔からの缶出液[液流B]の組成はアルド
キサン54.50 重量%、パラアルド−ル31.35 重量%、水
10.56 重量%、クロトンアルデヒド 1.63 重量%、その
他 1.95 重量%であった。
【0056】次に1リットルのオ−トクレ−ブを利用し
て、上記で得られた、缶出液200gを仕込み、触媒と
してラネ−ニッケルを15%添加した後、水素圧力80
kg/cm2の下で120℃で30分間反応させた。
【0057】この反応粗液を順次、脱アルコ−ル蒸留、
脱水蒸留、脱塩、脱高沸蒸留、脱低沸蒸留して無臭の1,
3-ブチレングリコ−ルを得た。
【0058】この時、臭気評点8の無臭の1,3-ブチレン
グリコ−ルの蒸留収率(反応粗液中の1,3-ブチレングリ
コ−ルのうち無臭の1,3-ブチレングリコ−ルとなったも
のを%で示した値)は76.6%であった。また、アル
コ−ル類の副生率は200であった。
【0059】なお、臭気の評価は5名の熟練パネラ−が
大気中にてすみやかに臭いをかぎ、比較する方法によっ
て行った。
【0060】[実施例2]表1に示したごとく、アルド
キサン分解の操作条件(温度)を変更し、かつ、実施例
1で得られた精製アセトアルデヒドを一部使用した以外
は、実施例1と同様に処理した。結果は第1表に示した
通りである。
【0061】得られた、無臭の1,3-ブチレングリコ−ル
の蒸留収率(反応粗液中の1,3-ブチレングリコ−ルのう
ち無臭の1,3-ブチレングリコ−ルとなったものを%で示
した値)は78.0%であった。また、アルコ−ル類の
副生率は280であった。
【0062】[比較例1〜3]図1におけるアルドキサ
ン分解塔留出液[液流C]をアセトアルデヒド精製塔で
処理せず、直接アルド−ル縮合工程にリサイクル[液流
F]したこと以外は実施例1と同じ条件で行った。結果
およびアルドキサン分解塔の操作条件は表1に示した通
りである。
【0063】実施例1および2のフラッシュ蒸発で得ら
れた留出液232.5gとアセトアルデヒド水溶液(ア
セトアルデヒド/水=91/9)267.5gを1リッ
トルのジャケット付フラスコを利用して、実施例と同様
の条件で反応させた。
【0064】引続いて、連続フラッシュ蒸発を用いて、
上記生成液を仕込み、加熱調節しながらこれも実施例と
同条件下で行った。
【0065】次に1リットルのオ−トクレ−ブを利用し
て、上記で得られた、缶出液を実施例と同条件で接触還
元した。
【0066】この反応粗液を順次実施例と同条件で、脱
アルコ−ル蒸留、脱水蒸留、脱塩脱高沸蒸留、脱低沸蒸
留し無臭の1,3-ブチレングリコ−ルを得た。
【0067】比較例1において得られた無臭の1,3-ブチ
レングリコ−ルの蒸留収率は59.6%であった。ま
た、アルコ−ル類の副生率は200であった。
【0068】比較例2において得られた無臭の1,3-ブチ
レングリコ−ルの蒸留収率は70.0%であった。ま
た、アルコ−ル類の副生率は280であった。
【0069】比較例3において得られた無臭の1,3-ブチ
レングリコ−ルの蒸留収率は34.1%であった。ま
た、アルコ−ル類の副生率は150であった。
【0070】本発明の方法を実施すれば無臭の1,3-ブチ
レングリコ−ルの蒸留収率が高いだけでなく、表1に示
されたデ−タから明らかなように、比較例1および比較
例2におけるよりもブタノ−ルの生成量、高沸物の生成
量およびその他物質の生成量すべてが減少することが判
明した。
【0071】[実施例3]アルドキサン分解の操作条件
(温度)を85℃変更し、かつ、実施例1で得られた精
製アセトアルデヒドを一部使用した以外は、実施例1と
同様に処理した。得られた、無臭の1,3-ブチレングリコ
−ルの蒸留収率(反応粗液中の1,3-ブチレングリコ−ル
のうち無臭の1,3-ブチレングリコ−ルとなったものを%
で示した値)は65.0%であった。また、アルコ−ル
類の副生率は150であった。
【0072】なお、アルコ−ル類の副生率の単位は目的
製品である1,3-ブチレングリコ−ル1000Kgに対するKgで
ある。
【0073】アルコ−ル類の副生率を横軸に、無臭の1,
3-ブチレングリコ−ルの蒸留収率を縦軸にとって前記実
施例および比較例で得られた数値をプロットすると図1
のようになる。
【0074】 表1 実施例1 実施例2 比較例1 比較例2 アルドキサン分解塔の操作条件 缶出温度[℃] 80 75 80 75 圧力 [torr] 760 760 760 760 滞留時間[min ] 86 86 86 86 アルド−ル縮合反応器へのリサイクル液の組成 アセトアルデヒド/水 90/10 88/12 85/15 87/13 アセトアルデヒド中のクロトンアルデヒド含有量 0% <0.1% 3.60 2.34 アルドキサン分解塔への仕込み液重量% アセトアルデヒド 24.88 25.19 25.06 22.29 アルドキサン 63.74 61.96 59.76 65.04 パラアルド−ル - - - - 水 10.46 11.93 12.00 11.00 クロトンアルデヒド 0.30 0.45 1.61 0.81 その他 0.62 0.91 1.57 1.10 アルドキサン分解塔からの缶出液重量% アセトアルデヒド - - - - アルドキサン 54.50 41.44 38.92 56.71 パラアルド−ル 31.35 44.12 43.44 28.39 水 10.56 11.16 11.50 10.50 クロトンアルデヒド 1.63 1.59 2.46 1.70 その他 1.95 1.68 3.68 2.69 表1(続き) 実施例1 実施例2 比較例1 比較例2 水添後の粗液 エタノ−ル 14.00 10.81 13.03 19.03 水 11.42 18.39 11.76 10.75 ブタノ−ル 1.63 1.68 2.51 1.74 1,3-ブチレングリコ−ル 71.14 67.01 68.12 65.11 高沸物 1.62 1.72 3.53 2.60 その他 0.19 0.39 1.06 0.77
【0075】
【発明の効果】表1および図2から、本発明の実質的に
クロトンアルデヒドが存在しないアセトアルデヒドをア
ルドール縮合工程にリサイクルする方法を実施すればど
のアルドキサン分解温度においても、また、アルコール
類の副生量をいずれの値にコントロールしても無臭の
1,3−ブチレングリコールの蒸留収率が高くなること
が明らかである。なお、一般的にアセトアルデヒドをア
ルカリ触媒の存在下アルドール縮合させて1,3−ブチ
レングリコールを製造する方法においては、アルコール
類の副生量を抑制できる条件で運転すれば無臭の1,3
−ブチレングリコールの蒸留収率が低くなり、逆に副生
量を抑制しないような条件で運転すれば無臭の1,3−
ブチレングリコールの蒸留収率が高くなることが知られ
ている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の方法を実施するための機器を組
み合わせたフロ−シ−トである。
【図2】図2は本発明のクロトンアルデヒドが存在しな
いアセトアルデヒドをアルド−ル縮合工程にリサイクル
する方法と従来法であるクロトンアルデヒドが存在する
アセトアルデヒドをアルド−ル縮合工程にリサイクルす
る方法における無臭の1,3-ブチレングリコ−ルの蒸留収
率を比較したグラフである。
【符号の説明】
1−1:アルド−ル縮合反応器 1−2:中和槽 1−3:アルドキサン分解塔 1−3−1:リボイラ− 1−3−2:コンデンサ− 1−4:アセトアルデヒド精製塔 1−4−1:リボイラ− 1−4−2:コンデンサ− 1−4−3:コンデンサ− 1−4−4:デカンタ− 1−4−5:サイドカットライン 1−4−6:リサイクルライン (以下余白)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセトアルデヒドをアルカリ触媒の存在
    下アルドール縮合させて主としてアルドキサン、アセト
    アルデヒド、水および少量のクロトンアルデヒドを含む
    反応粗液を製造し、次いで該反応粗液をアルドキサン分
    解塔に移してアルドキサンを熱分解することによりアル
    ドキサンおよびパラアルドールを主成分とする反応粗液
    を製造しつつ、アルドキサンの熱分解工程においてアル
    ドキサン分解塔の塔頂から留出するアセトアルデヒド、
    水分及びクロトンアルデヒドをアセトアルデヒド精製塔
    に受けてアセトアルデヒドを精製するに際して、該留出
    物の受入口より下方に、コンデンサーおよびデカンター
    を順次備えたサイドカットラインを有するアセトアルデ
    ヒド精製塔を使用し、留出物の一部をサイドカットして
    コンデンサーで凝縮させ、得られた凝縮物をデカンター
    で2層分離し、下層液をアセトアルデヒド精製塔に戻
    し、該精製塔頂から実質的にクロトンアルデヒドが存在
    しないアセトアルデヒドをアルドール縮合工程にリサイ
    クルすることを特徴とするアルドキサンおよびパラアル
    ドールを主成分とする反応粗液の製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1の製造法で得られたアルドキサ
    ンおよびパラアルドールを主成分とする反応粗液を接触
    還元せしめることを特徴とする1,3−ブチレングリコ
    ールの製造法。
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